JP3344714B2 - タックイン装置の緯糸保持装置 - Google Patents
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Description
クイン装置に緯糸を受け渡す緯糸保持装置において、織
機からの指令に基づいて、緯糸切断用のカッタによる緯
糸の切断を回避するための装置に関する。
の除去に適切な無杼織機を開示する。その無杼織機は、
不良糸除去装置、タックイン装置、およびタッカ逃がし
装置を備えている。不良糸除去装置は、緯止まりの発生
時に、給糸側につながっている不良糸(ミス糸)に対し
て除去動作を行う。タックイン装置は、製織時に、少な
くとも緯入れ側で緯糸を切断してから、その緯糸の端部
をつぎの織り前に織り込んで織り端にタック耳を形成す
る。また、タッカ逃がし装置は、緯入れ不良の発生時
に、緯止まり信号を入力して、不良糸(ミス糸)を前記
タックイン装置のタックインニードルの動作位置から変
位させ、不良糸(ミス糸)を逃がすことによタックイン
動作を中止させる。
るタッカ逃がし装置を、圧縮空気噴射用のエアノズルと
し、緯止まり信号により、このエアノズルを噴射させる
ことにより、緯糸をタッカ逃がし装置の動作領域外に移
動させ、同時に、緯糸切断用のカッタによる緯糸の切断
を回避させている。
エアノズルの噴流が広く拡散し、しかも緯糸を確実に変
位させるために、流体が多量に消費されるから、多くの
エネルギーを消費する。しかも、専用のノズルをタック
イン装置の近傍に配置しなければならず、この配置のた
めに耳幅が広くなってしまう。つまり、必要量を超えた
幅のタック耳を形成するため、緯糸や緯入れ流体の消費
などの無駄が多いという問題があった。
接するタックイン装置に使用される緯糸保持装置におい
て、織機緯止まり時などの必要な時期に、織機からの指
令に基づいて、エア噴射により直前に緯入れされた緯糸
をカッタの切断領域から確実に逃がすとともに、エアの
消費を抑えることである。
発明は、織機の主軸に同期して駆動される緯糸切断用の
カッタ装置に隣接して配置され、隣接する緯糸切断用の
カッタにより切断された緯糸の端部を経糸の開口内に折
り返すタックイン装置に、緯糸を受け渡すべく規制する
緯糸保持装置を具備する。この緯糸保持装置は、筬打ち
された緯糸を収納するために、筬と対向する前方側、経
糸側、緯糸切断用のカッタ側を含む3方で開放するスリ
ットを有し、前記スリットの奥部でスリットの前方側に
向けて開口し、かつスリットに収納した緯糸を前方に吹
き返す解放孔が形成されており、織機からの指令に基づ
いて、前記解放孔よりエアを噴射して、緯糸を少なくと
も隣接する前記緯糸切断用のカッタの切断領域から外す
ことを特徴とする。
する捕捉孔を形成しており、捕捉孔に作用する噴射流に
より緯糸の端部を捕捉する。
し斜め前方で経糸の開口内に向けて形成されてタックイ
ン装置を構成し、織機の主軸に同期して前記解放孔より
エアを噴射して、切断後の緯糸の端部を経糸の開口内に
折り返す。
り、緯糸保持装置は、前記停止信号の発生に基づいて前
記解放孔からエアを噴射する。ここで、前記停止信号
は、例えば緯入れミス発生時に出力される緯止まり信号
である。
中に織り工程に対応して緯糸タックイン動作の禁止を指
令する信号であり、緯糸保持装置は、前記禁止信号に基
づいて前記解放孔よりエアを噴射する。
クイン装置またはニードルレス(エア噴射)式のタック
イン装置のいずれかにより構成する。また、前記解放孔
は、専用のものとして、または他の用途として既に存在
する孔により代用することもできる。
して解放孔より噴射したエアがスリットの上下の面で画
定された空間に沿って経糸の開口内に向かって流れ、エ
アの拡散を抑えながら、緯糸に有効に作用するから、タ
ックイン装置に隣接するカッタによる緯糸の切断を確実
に回避でき、しかもエア噴射の量を低く抑えられる。ニ
ードルレス(エア噴射)式のタックイン装置では、それ
に採用されている送り出し孔を解放孔として利用すれ
ば、専用ノズルを設けてなくても済む分、構成を簡略化
できる。緯止まり時のほか、ミス糸除去動作中すなわち
ミス糸が織り前に露出した時点で解放孔よりエア噴射
し、近傍のミス糸を織り前より離すようにすれば、ミス
糸除去のための力が少なくて済み、従来に比べて確実に
ミス糸の除去ができる。さらに、緯糸の胴切れを検出し
織機停止後、作業者が不良糸を除去する場合や、経糸切
れなどの場合に、織り段発生防止のために直前に緯入れ
された緯糸を作業者が除去する場合にも適用できる。
空気噴射式の織機1にニードルレス(エア噴射)式のタ
ックイン装置2および本発明の緯糸保持装置3を組み込
んだ例を示している。タックイン装置2および緯糸保持
装置3は、ブロック体20の部分に組み込まれており、
織布5の織り端で、織り前6の延長線上の近くに設けら
れている緯糸切断用のカッタ4と織布5の織り端との間
に合計4個設けられている。
期して、機械的に駆動され、筬8による筬打ち後の所定
のタイミングで、緯糸9の切断動作を行うよう駆動され
る。なお、給糸側のカッタ4については、緯入れが始ま
る前に切断を完了するよう定め、他の2つのカッタ4に
ついては、タックイン動作に支障のないように設定され
る。この例では、織機1が2幅取りとなっているため、
カッタ4は、織機1の両サイドおよび中央に合計3個配
置されている。なお、タックイン装置2および緯糸保持
装置3およびカッタ4に対応する位置で、筬8の筬羽
は、干渉防止のために取り除かれ、切り欠き7となって
いる。
ック分測長・貯留され、緯入れタイミングで、緯入れ用
のメインノズル10からの噴射空気によって、経糸11
の開口12の内部に緯入れされる。なお、緯入れ用のメ
インノズル10は、筬8とともに揺動駆動される。正常
に緯入れされた緯糸9は、その到達側の織り端で、フィ
ーラ13によって検出される。したがって、フィーラ1
3が緯糸9の先端を検出しているとき、緯入れは、正常
と判断される。
て織り前6に筬打ちされ、緯糸保持装置3によって保持
される。このあと、カッタ4は、筬打ちされた緯糸9を
緯糸保持装置3の近くで切断することによって、筬打ち
された緯糸9をメインノズル10の内部の緯糸9から分
離させ、かつそれぞれの織り幅ごとに独立した状態とす
る。この間に、緯糸保持装置3は、切断された緯糸9の
端部を保持している。なお、緯糸9の到達側に設けられ
ているサクションノズル14は、切断された緯糸9の切
り端を吸引し、処理する。
口12を形成したとき、緯糸保持装置3は、緯糸9の保
持を解放する。これと同時に、タックイン装置2は、送
り出し孔27よりエアを開口12の内部に向けて噴射
し、緯糸保持装置3により解放された緯糸9の端部を開
口12の内部に折り返すことによって、タックイン動作
を行う。タックイン装置2および緯糸保持装置3の詳細
な構成および機能は、後に、図2ないし図5とともに説
明されている。
入れミスが発生したとき、フィーラ13は、緯糸9の到
達を検出しないため、緯止まり信号を発生する。このと
き、緯糸保持装置3は、緯入れミスの処理のために、緯
止まり信号にもとづいて、筬8の方向、すなわち前方に
エアを噴射することによって、緯入れミスに係るミス糸
9aをカッタ4の切断領域から外し、カッタ4によるミ
ス糸9aの切断を回避し、ミス糸9aをメインノズル1
0の内部の緯糸9につながったままの状態とする。
抜き取りのために、メインノズル10の近くに吹き上げ
ノズル15が設けられており、さらに吹き上げノズル1
5からの空気の噴射方向に、ミス糸切断用のカッタ16
およびミス糸除去装置17が設けられている。
(エア噴射)式のタックイン装置2およびこれと一体の
緯糸保持装置3を示している。これらのタックイン装置
2および緯糸保持装置3は、ブロック体20によって構
成されており、筬打ちされた緯糸9を収納するために、
筬8と対向する前方側、経糸11の側、カッタ4の側を
含む3方で開放するスリット21を有し、またスリット
21の奥の部分において、スリット21の前方側に向け
て開口して設けられ、スリット21の内部で捕捉した緯
糸9をスリット21の前方に吹き流すノズル状の解放孔
22を有している。
経糸11(ワープライン)の方向に沿っており、またス
リット21の奥の部分は、織り前6の延長線上にある。
ここで、スリット21および解放孔22は、緯糸保持装
置3を構成している。なお、スリット21の前方の開口
側上下の面は、斜めの案内面23、24を形成してい
る。
奥の位置で、スリット21に通じており、前方に向けら
れた送り出し孔27、下方に向けられた捕捉孔25、お
よびスリット21の上下で、織布5の織り端に向けられ
た複数例えば4個のガイド孔26を有している。なお、
この具体例で、解放孔22は、送り出し孔27を兼用し
ているため、両者は、共通のものとなっている。
孔26、送り出し孔27は、いずれもノズル状であり、
それぞれ独立のポート28、29、30によって、ブロ
ック体20の外周に取り付けられたニップル31、3
2、33に通じ、それぞれに対応して設けられる図示し
ない開閉弁を経由して図示しない圧力空気源に接続され
ている。ここで、複数のガイド孔26および送り出し孔
27は、ニードルレス(エア噴射)式のタックイン装置
2を構成している。
常に緯入れされた緯糸9は、筬8による筬打ち運動によ
って、スリット21の内部に入り、その内部を移動し
て、織り前6に打ち込まれ、緯糸切断用のカッタ4の切
断領域に保持される。スリット21に挿入された緯糸9
は、スリット21の上面およびスリット21の下面に規
制され、上下方向に拘束される。このあとに、カッタ4
は、正常に緯入れされた緯糸9を切断領域で切断するこ
とにより、織布5の織り端の近くで、緯糸9を切断し、
メインノズル10の内部の緯糸9から独立させ、各織布
5ごとに分離させる。
しない開閉弁の作動により、ポート29は、図示しない
圧力空気源からのエアを捕捉孔25に供給する。これに
より捕捉孔25がエアを下方に向けて噴射するため、切
断された緯糸9の端部は、捕捉孔25の内部の噴射流に
より、スリット21から捕捉孔25の内部に入り、L字
状に折り曲げられた状態で、スリット21の内部に収容
され、かつ捕捉孔25の噴射流により保持される。切断
された緯糸9の端部は、捕捉孔25により前後方向にも
規制される。このため、捕捉孔25は、スリット21と
ともに緯糸保持装置3として機能する。したがって、緯
糸9の端部は、スリット21により上下に規制され、か
つ捕捉孔25により前後方向にも規制され、緯糸保持装
置3によって確実に捕捉され、かつ保持される。やが
て、経糸11の開口12が閉じ、緯入れされた緯糸9が
閉じた経糸11により保持されると、捕捉孔25は、エ
アの噴射を停止する。
開口12を形成したとき、図5のbに見られるように、
送り出し孔27がエアを前方に向けて噴射するため、捕
捉孔25の内部の緯糸9の端部は、捕捉孔25から飛び
出し、スリット21に沿って前方へ送り出され、吹き流
される。
ガイド孔26は、開口12に向けてエアを噴射すること
により、織り前6から前方に向けて吹き流されている緯
糸9の端部を経糸11の開口12の内部に折り返し、織
布5の端部で緯糸9をU字状に折り曲げることによっ
て、タックイン動作を完了する。このようにして、折り
返された緯糸9の端部は、織布5の織り端で、タック耳
の組織を形成する。
9aを除去するときの一連の動作を示している。また図
7および図8は、中央の緯糸保持装置3について、図6
でのA、B、C、D、E、Fに対応する動作状態を示し
ている。以下の動作説明は、図6の動作順序にもとづく
記述である。
3は、緯入れされた緯糸9の先端を検出しないとき、緯
止まり信号を発生する。このとき、図示しない織機制御
装置は、緯入れミスの発生と判断し、直ちに、緯入れミ
スに係るミス糸9aの処理を開始する。
生したとき、織機制御装置は、吹き上げノズル15の噴
射によって緯入れされた緯糸9をミス糸除去装置17に
向けて吹き上げると同時に、測長貯留装置18によって
糸処理に必要な長さの緯糸9を解舒させ、さらに図示し
ない織機ブレーキをオンの状態として、制動を開始する
とともに、図7のBに見られるように、解放孔22から
所定の期間にわたってエア噴射を開始する。
方向すなわちスリット21の奥から前方の開口側に向け
て噴射され、スリット21の上下の案内面23、24に
沿って拡散しないように流れるため、スリット21の内
部のミス糸9aに対して有効に働く。この結果、ミス糸
9aは、図7のCに見られるように、筬8によって筬打
ちされても、緩みながら変位して、カッタ4の切断領域
から前方に逃げ、カッタ4による切断領域を回避する。
1の主軸19の回転と連動して、切断動作を行ったとし
ても、ミス糸9aは、カッタ4の切断領域から外れてい
るため、カッタ4によって切断されず、緯入れ用のメイ
ンノズル10の内部の緯糸9につながったままの状態と
なっている。
側のミス糸除去装置17の牽引により、緯入れ側で処理
できる状態となっている。このあと、織機1は、惰性回
転を終了し、完全に停止した後、口合わせのために逆転
し、図8のDのように、ミス糸9aを織り前6に露出し
た状態で停止する。
5の噴射によって、緯入れ側の緯糸9は、ミス糸9aと
ともにループ状に吹き上げられ、ミス糸除去装置17の
内部に案内されている。この状態で、ミス糸切断用のカ
ッタ16は、メインノズル10の先端で緯糸9を切断す
ることによって、メインノズル10の内部の緯糸9を緯
入れミスに係るミス糸9aから分離させる。
要に応じて、図8のEに見られるように、所定の期間に
わたってエアの再噴射を行うことによって、口出しされ
たミス糸9aを織り前6から引き離し、筬8の方向に吹
き流す。ミス糸9aが織り前6から引き離されると、上
下の経糸11による挟み付け力が小さくなるため、その
分、ミス糸9aの牽引力が小さくて済み、牽引によるミ
ス糸9aの糸切れを抑制できる。
に見られるように、内部の巻き取りモータの回転によっ
て、ミス糸9aを巻き取りながら開口12内から抜き取
っていく。ミス糸9aの除去が確認されたら、抜き取り
動作は、終了する。この後、織機1は、所定の起動域ま
で逆転し、運転指令を受けた時点で起動する。なお、こ
の時点で、緯止め信号は、リセット状態にリセットされ
る。
圧力・量)は、緯糸9の種類に応じて予め定められる。
また、解放孔22の開口部の形状は、図に示す丸い孔に
限らず、長孔、その他の適当な形状として考えられ、ま
た、その孔の位置や方向、個数は、その機能に対し最も
有効なものとして設定される。もちろん、この解放孔2
2は、送り出し孔27を兼用するものでなく、それと別
に専用のものとして形成することもできる。
上下の面に噴射気流に指向性を持たせるための溝22a
を解放孔22の一部の延長として形成することもでき
る。この構造によれば、緯糸9に対して速い流速で流れ
る気流を当てることができ、速いタイミングで変位でき
るから、ミス糸9aの切断が確実に回避できる。解放孔
22の噴射方向は、好ましくは経糸11と平行な方向で
あるが、切断回避に作用する方向ならば、これに限らな
い。また、その形状や数も特定されない。また指向性を
持たせる溝22aについても同様である。さらに、送り
出し孔27の形成方向も、平行に限らず、1点に指向す
るように設定することもできる。
を保持するための捕捉孔25を有しない緯糸保持装置3
の例である。図10のaのように、通常の運転中のタッ
クイン時において、カッタ4の切断タイミングと、緯糸
9の折返しタイミング(解放孔22の噴射開始タイミン
グおよびガイド孔26の噴射開始タイミング)がほぼ同
じタイミングであれば、スリット21は、緯糸9の切断
直後まで緯糸9をスリット21の上下の面により上下方
向に規制している。このため、解放孔22およびガイド
孔26からの折返しのための噴射流は、緯糸9に対し
て、確実に作用する。また、ミス糸9aの切断回避時に
おいて、図10のbのように、ミス糸9aは、解放孔2
2からの噴射流により、カッタ4の切断領域から遠ざか
る。
置2を構成するガイド孔26を省略するとともに、解放
孔22の構成を変更することにより、解放孔22をタッ
クイン装置2の要素として機能させる例である。図11
のa、bで、解放孔22は、スリット21の奥部におい
て、経糸11の走行方向に対して斜め前方で、対応の経
糸11の開口12に向けて形成されている。なお、図1
1のa、bの緯糸保持装置3は、捕捉孔25を有してい
るが、この捕捉孔25は、無くてもよい。
放孔22は、織機の主軸19に同期して、緯糸9の折返
しタイミング(解放孔22の噴射開始タイミング)で、
エアを噴射して、切断された緯糸9の端部を対応の経糸
11の開口12内に折り返すことにより、タックイン動
作を行う。また、図11のbのように、緯止まり信号な
どの織機1からの指令にともない、解放孔22は、ミス
糸9aの切断回避のために、エアを噴射し、ミス糸9a
を切断領域から外す。この切断回避により、ミス糸9a
の端部は、経糸11の開口12の内部に進入しない。
上方のポート29からエアを受け、下向きにエアを吹き
下ろす形式となっている。しかし、この形式に限定され
ず、捕捉孔25が切断された緯糸9の端部を保持する機
能は、捕捉孔25の下方からのエアの吸引動作によって
もできる。さらに、捕捉孔25は、切断された緯糸9の
端部を捕捉できる位置であれば、スリット21の上面、
下面、奥部いずれに形成してもよい。
ドルレス(エア噴射)式のものであるが、本発明の緯糸
保持装置3は、ニードル式のタックイン装置にも適用可
能である。ニードル式のタックイン装置では、緯糸9を
保持するために、グリッパをニードルと別途に設けるこ
とから、カッタ4の切断領域のほか、ミス糸9aをニー
ドルの侵入路から逃がす動作すなわちタックイン不作用
にする必要がある。ニードルの侵入路にミス糸9aがあ
ると、ニードルによってミス糸9aが必ず引っ掛けら
れ、ミス糸9aが切断されるからである。ニードルから
逃がすためには、エア噴射のほか、これに協働させる部
材の駆動が考えられる。緯糸グリッパは、上下に筬打ち
方向に平行な上下の案内面を有していて、スリット状に
形成されており、筬打ち後、緯糸9を挟む所定の把持位
置に進出し、緯糸9を保持する別体の部材であり、隣接
するカッタによる切断からニードルが引っ掛けるまでの
間にわたり、緯糸9を保持する。ミス糸9aの抜き取り
時には、ミス糸9aの近傍に進出したとき、上下の案内
面の奥部に設けられたスリットの解放孔22よりエア噴
射してミス糸9aの切断を回避できる。もちろん、上記
した中耳に配置するタックイン装置のほか、織布の両サ
イドに配置したタックイン装置にも適用可能である。
止まり信号を利用して緯糸保持装置3の解放孔22を作
用させ、緯糸切断を阻止したが、この信号を上記緯止ま
り以外の織機からの指令信号とし、これに基づいて緯糸
切断を阻止させることができる。
達の有・無を検知対象とするフィーラ13のほか、この
フィーラ13よりも緯入れ下流側に配置され吹き切れを
検知対象とする他のフィーラからの緯止まり信号とする
こともできる。また、緯止まり信号に代えて経止まり信
号などの織機停止信号とすることもできる。織機起動時
の織り段などの問題により、常に先に緯入れした緯糸を
1〜2本除去した上で起動しなければならない場合に
は、先の緯入れ糸が切断、タックインされていないの
で、1本の緯糸として除去できる分、作業が容易に行え
る。したがって、この信号は、経糸、耳組み糸、キャッ
チコードなどの糸の切断により織機を停止させる信号の
ほか、作業者が織機の状態を確認し押しボタンを停止さ
せる際に発する停止信号とすることもできる。
て出力される緯糸タックイン動作禁止信号に従って、緯
糸切断を阻止することもできる。一般的にパイル織物、
例えば3本緯タオル製織では、特許2501845号な
どに見られるように、織り工程、すなわち1パイルを形
成する緯入れ3サイクルのうち、パイルを形成する緯入
れサイクルまではタックイン動作を禁止し、パイル形成
後の次の緯入れサイクル時に、これまでに緯入れした緯
糸をまとめてタックインする製織が行われている。この
技術によれば、タックインしない緯入れ2サイクルで
も、隣接するカッタで緯糸切断される場合、タックイン
が行われるまではこの切断端を保持しなければならな
い。しかし、本件装置のように、タックイン動作させな
い緯入れサイクルで、少なくとも筬打ちならびに緯糸切
断をカバーする期間にタックイン動作禁止信号を発生さ
せ、この信号に対応して解放孔よりエア噴射すれば、前
記したように流体消費量を抑え、確実に緯糸切断を回避
できるとともに、前記の場合のようなタックインしない
緯入れサイクルでの切断端保持のために、わざわざ複雑
な装置を設ける必要もなく、構成をより簡略化できる。
また、不良糸除去装置についても前記に限定されるもの
ではない。不良糸除去装置がメインノズル近傍まで移動
し、直接不良糸を捕捉し除去する方法でもよいし、反給
糸側に設置した除去装置で処理する方法でもよい。
る。まず、請求項1によれば、織機からの指令に対応し
て解放孔より噴射したエアがスリットの上下の面で画定
された空間に沿って経糸の開口内に向かって流れ、エア
の拡散を抑えながら、緯糸に有効に作用するから、タッ
クイン装置に隣接するカッタによる緯糸の切断を確実に
回避でき、しかもエア噴射の量を低く抑えられる。ニー
ドルレス(エア噴射)式のタックイン装置では、それに
採用されている送り出し孔を解放孔として利用すれば、
専用ノズルを設けてなくても済む分、構成を簡略化でき
る。緯止まり時のほか、ミス糸除去動作中すなわちミス
糸が織り前に露出した時点で解放孔よりエア噴射し、近
傍のミス糸を織り前より離すようにすれば、ミス糸除去
のための力が少なくて済み、従来に比べて確実にミス糸
の除去ができる。さらに、緯糸の胴切れを検出し織機停
止後、作業者が不良糸を除去する場合や、経糸切れなど
の場合に、織り段発生防止のために直前に緯入れされた
緯糸を作業者が除去する場合にも適用できる。
流により緯糸が屈曲状態で捕捉されるから、緯糸の捕捉
・保持が一層確実で、安定となる。
行方向に対し斜め前方で経糸の開口内に向けて形成さ
れ、エア噴射して、切断後の緯糸の端部を経糸の開口内
に折り返すから、ガイド孔が省略でき、ブロック体の構
成が簡略化できる。
の停止信号の発生に基づいて前記解放孔からエア噴射す
るから、停止信号の発生時に、緯糸の切断が回避でき
る。
ミス発生時に出力される緯止まり信号であるから、緯入
れミス時のミス糸が切断されず、ミス糸の除去処理が容
易となる。
の運転中に織り工程に対応して緯糸のタックイン動作の
禁止を指令する信号であるから、禁止信号に基づいて緯
糸の切断が回避でき、緯糸のタックイン動作が禁止でき
る。
(エア噴射)式のタックイン装置および本発明の緯糸保
持装置のほか、ミス糸除去装置を組み込んだ状態の概略
的な平面図である。
タの断面図である。
面図である。
の中央切断斜面図である。
aは緯入れ状態の平面図、図5のbは切断後の緯糸の保
持状態の平面図、図5のcは切断後の緯糸のタックイン
動作の平面図である。
の動作のタイムチャート図である。
7のAは図6のAに対応し、緯入れミス発生時の平面
図、図7のBは図6のBに対応し、ミス糸の切断回避の
平面図、図7のCは図6のCに対応し、ミス糸の筬打ち
時の平面図である。
8のDは図6のDに対応し、ミス糸の口出し状態の平面
図、図8のEは図6のEに対応し、ミス糸の引き離し状
態の平面図、図8のFは図6のFに対応し、ミス糸の抜
き取り状態の平面図である。
明図である。
明図であり、図10のaは切断後の緯糸のタックイン動
作の平面図、図10のbはミス糸の切断回避の平面図で
ある。
ン装置の動作の説明図であり、図11のaは切断後の緯
糸のタックイン動作の平面図、図11のbはミス糸の切
断回避の平面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 織機(1)の主軸(19)に同期して駆
動される緯糸切断用のカッタ(4)に隣接して配置さ
れ、隣接する緯糸切断用のカッタ(4)により切断され
た緯糸(9)の端部を経糸(11)の開口(12)内に
折り返すタックイン装置(2)に、緯糸(9)を受け渡
すべく規制する緯糸保持装置(3)において、 前記の緯糸保持装置(3)は、筬打ちされた緯糸(9)
を収納するために、筬(8)と対向する前方側、経糸
(11)側、緯糸切断用のカッタ(4)側を含む3方で
開放するスリット(21)を有し、 前記のスリット(21)の奥部には、スリット(21)
の前方側に向けて開口し、かつ、スリット(21)に収
納した緯糸(9)を前方に吹き返す解放孔(22)が形
成されており、 織機(1)からの指令に基づいて、前記解放孔(22)
よりエアを噴射して、緯糸(9)を少なくとも隣接する
緯糸切断用のカッタ(4)の切断領域から外すことを特
徴とするタックイン装置の緯糸保持装置。 - 【請求項2】 前記緯糸保持装置(3)は、スリット
(21)の面に開口する捕捉孔(25)を形成してお
り、捕捉孔(25)に作用する噴射流により緯糸(9)
を捕捉することを特徴とする請求項1記載のタックイン
装置の緯糸保持装置。 - 【請求項3】 前記解放孔(22)は、経糸(11)の
走行方向に対し斜め前方で経糸(11)の開口(12)
内に向けて形成されてタックイン装置(2)を構成し、 織機(1)の主軸(19)に同期して前記解放孔(2
2)よりエアを噴射して、切断後の緯糸(9)の端部を
経糸(11)の開口(12)内に折り返すことを特徴と
する請求項1または請求項2記載のタックイン装置の緯
糸保持装置。 - 【請求項4】 前記織機(1)からの指令は、織機停止
信号であり、前記停止信号の発生に基づいて前記解放孔
(22)からエアを噴射することを特徴とする請求項1
記載のタックイン装置の緯糸保持装置。 - 【請求項5】 前記停止信号は、緯入れミス発生時に出
力される緯止まり信号であることを特徴とする請求項4
に記載のタックイン装置の緯糸保持装置。 - 【請求項6】 前記織機(1)からの指令は、織機
(1)の運転中に織り工程に対応して緯糸(9)のタッ
クイン動作の禁止を指令する信号であり、前記禁止信号
に基づいて前記解放孔(22)よりエアを噴射すること
を特徴とする請求項1に記載のタックイン装置の緯糸保
持装置。
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