JP3342555B2 - 圧電磁器組成物 - Google Patents
圧電磁器組成物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧電磁器組成物に係り、
特に、セラミック発振子、セラミックディスクリミネー
タ、セラミックフィルタ、表面波弾性素子に好適な圧電
磁器組成物に関するものである。
特に、セラミック発振子、セラミックディスクリミネー
タ、セラミックフィルタ、表面波弾性素子に好適な圧電
磁器組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来電子装置において用いられている部
品はリードタイプの樹脂モールド品であり、半田付けは
部品のリード線をプリント基板に挿入し、部品が取り付
けられている面とは異なる面を溶融半田槽に浸漬して行
われていた。したがって、取付られた部品が200℃以
上の温度にさらされることはなかった。
品はリードタイプの樹脂モールド品であり、半田付けは
部品のリード線をプリント基板に挿入し、部品が取り付
けられている面とは異なる面を溶融半田槽に浸漬して行
われていた。したがって、取付られた部品が200℃以
上の温度にさらされることはなかった。
【0003】ところで、近年電子装置の小型化に伴い表
面実装が盛んに行われている。この表面実装における半
田付けはリード線を有しないチップ部品をプリント基板
に仮実装し、このプリント基板全体をリフロー炉で加熱
することによって行う。したがって、プリント基板に取
り付けられるチップ部品は半田付け時にリフロー炉にお
いて250℃前後の温度にさらされる。
面実装が盛んに行われている。この表面実装における半
田付けはリード線を有しないチップ部品をプリント基板
に仮実装し、このプリント基板全体をリフロー炉で加熱
することによって行う。したがって、プリント基板に取
り付けられるチップ部品は半田付け時にリフロー炉にお
いて250℃前後の温度にさらされる。
【0004】従来圧電素子に用いられている材料とし
て、PbTiO3-PbZrO3の二成分系磁器組成物に
Cr2O3,MnO2,Fe2O3あるいはBi2O3等を添
加して三成分系とすることにより圧電特性を改善した圧
電磁器組成物、PbTiO3−PbZrO3の二成分系磁
器組成物にPb(Co1/3Nb2/3 )O3,Pb(Mg
1/3Nb2/3)O3,Pb(Mn1/3Nb2/3)O3,Pb
(Ni1/3Nb2/3)O3等を添加して三成分系とするこ
とにより圧電特性を改善した圧電磁器組成物あるいは特
公昭45−10311号公報に記載されたPbTiO3
−PbZrO3−Pb(Yb1/2Nb1/2)O3三成分系磁
器組成物がある。
て、PbTiO3-PbZrO3の二成分系磁器組成物に
Cr2O3,MnO2,Fe2O3あるいはBi2O3等を添
加して三成分系とすることにより圧電特性を改善した圧
電磁器組成物、PbTiO3−PbZrO3の二成分系磁
器組成物にPb(Co1/3Nb2/3 )O3,Pb(Mg
1/3Nb2/3)O3,Pb(Mn1/3Nb2/3)O3,Pb
(Ni1/3Nb2/3)O3等を添加して三成分系とするこ
とにより圧電特性を改善した圧電磁器組成物あるいは特
公昭45−10311号公報に記載されたPbTiO3
−PbZrO3−Pb(Yb1/2Nb1/2)O3三成分系磁
器組成物がある。
【0005】しかし、リード線を有する従来の圧電素子
は200℃以上の温度にさらされることがないため、こ
れらの圧電素子に用いられている磁器組成物は200℃
以上の温度にさらされることを想定していない。そのた
め、電子装置に実装する際の半田付け時のリフロー炉に
おいて250℃前後の温度にさらされると、機械的品質
係数(Qm),電気機械結合係数(kp)が悪化し、耐熱
性において信頼性の高い圧電素子チップ部品を得ること
はできない。
は200℃以上の温度にさらされることがないため、こ
れらの圧電素子に用いられている磁器組成物は200℃
以上の温度にさらされることを想定していない。そのた
め、電子装置に実装する際の半田付け時のリフロー炉に
おいて250℃前後の温度にさらされると、機械的品質
係数(Qm),電気機械結合係数(kp)が悪化し、耐熱
性において信頼性の高い圧電素子チップ部品を得ること
はできない。
【0006】また、従来の圧電磁器材料は、キュリー点
が300℃以上である材料であっても200℃の温度に
さらすと脱分極を起こし、電気機械結合係数などの圧電
特性が劣化する問題があり、従来の圧電材料を用いたセ
ラミック発振子等は経時変化によって共振周波数が初期
の周波数から大きく変動するという問題がある。
が300℃以上である材料であっても200℃の温度に
さらすと脱分極を起こし、電気機械結合係数などの圧電
特性が劣化する問題があり、従来の圧電材料を用いたセ
ラミック発振子等は経時変化によって共振周波数が初期
の周波数から大きく変動するという問題がある。
【0007】本発明者等はこれらの問題を解決した圧電
磁器組成物、すなわち、200℃以上の温度にさらされ
ても特性が悪化することなく、経時変化の小さい圧電磁
器組成物として特願平5−174374号において「一
般式:(Pb1-XMeX)[(Mg1/3Nb2/3)a(Yb
1/2Nb1/2)bTiCZrd]03(但し、MeはBa,S
r,Caから選ばれた少なくとも1つ、また、a+b+
c+d=1)で示され、0<x≦0.12,0.01≦a
≦0.15,0.01≦b≦0.10,0.30≦c≦0.
60,0.25≦d≦0.68であることを特徴とする圧
電磁器組成物」であることを構成とする発明を提供し
た。
磁器組成物、すなわち、200℃以上の温度にさらされ
ても特性が悪化することなく、経時変化の小さい圧電磁
器組成物として特願平5−174374号において「一
般式:(Pb1-XMeX)[(Mg1/3Nb2/3)a(Yb
1/2Nb1/2)bTiCZrd]03(但し、MeはBa,S
r,Caから選ばれた少なくとも1つ、また、a+b+
c+d=1)で示され、0<x≦0.12,0.01≦a
≦0.15,0.01≦b≦0.10,0.30≦c≦0.
60,0.25≦d≦0.68であることを特徴とする圧
電磁器組成物」であることを構成とする発明を提供し
た。
【0008】
【発明の概要】本件出願においては、上記先願発明をさ
らに改良することにより、耐熱性における信頼性が高く
経時変化によって共振周波数が初期の周波数から大きく
変動することがないとともに、脱分極の問題を有しない
圧電磁器材料を提供することを目的とする。
らに改良することにより、耐熱性における信頼性が高く
経時変化によって共振周波数が初期の周波数から大きく
変動することがないとともに、脱分極の問題を有しない
圧電磁器材料を提供することを目的とする。
【0009】一般に、圧電磁器組成物を作成するにあた
り、用いる元素の安定な原子価状態が複数存在する場
合、即ち、複数の酸化状態の酸化物を構成することが可
能な場合、に用いる元素の安定な原子価に合わせた調合
が可能となることは一般に広く知られている。例えば、
第3成分にMn、Nbを用いた3成分系圧電材料におい
ては、Mnの原子価を2価としたPbTiO3−PbZ
rO3−Pb(Mn1/3Nb2/3)O3系、及びMnの原子
価を3価としたPbTiO3−PbZrO3−Pb(Mn
1/2Nb1/2)O3系の両方が実用に供されている。
り、用いる元素の安定な原子価状態が複数存在する場
合、即ち、複数の酸化状態の酸化物を構成することが可
能な場合、に用いる元素の安定な原子価に合わせた調合
が可能となることは一般に広く知られている。例えば、
第3成分にMn、Nbを用いた3成分系圧電材料におい
ては、Mnの原子価を2価としたPbTiO3−PbZ
rO3−Pb(Mn1/3Nb2/3)O3系、及びMnの原子
価を3価としたPbTiO3−PbZrO3−Pb(Mn
1/2Nb1/2)O3系の両方が実用に供されている。
【0010】本発明者等はさらに研究を進めた結果、先
願発明に用いたYbは2価または3価の安定な原子価を
取り得る元素であるが、2価として取扱った場合に本発
明の目的とする効果が得られたことを見いだした。
願発明に用いたYbは2価または3価の安定な原子価を
取り得る元素であるが、2価として取扱った場合に本発
明の目的とする効果が得られたことを見いだした。
【0011】そこで本出願においては、「一般式:(P
b1-XMeX)[(Mg1/3Nb2/3)a(Yb1/3N
b2/3)bTicZrD]O3(但し、MeはBa,Sr,
Caから選ばれた少なくとも一種の元素であり、a+b
+c+d=1である)で示され、0<X≦0.12,0.
01≦a≦0.15,0.01≦b≦0.15,0.30≦
c≦0.60,0.25≦d≦0.68を満足する組成を
有することを特徴とする圧電磁器組成物の発明を提供す
る。この圧電磁器組成物を使用した圧電磁器素子によれ
ば、高い電気機械結合係数が得られ、耐熱性が改善され
るとともに共振周波数の温度係数及び経時変化が小さい
圧電磁器組成物を得ることができる。
b1-XMeX)[(Mg1/3Nb2/3)a(Yb1/3N
b2/3)bTicZrD]O3(但し、MeはBa,Sr,
Caから選ばれた少なくとも一種の元素であり、a+b
+c+d=1である)で示され、0<X≦0.12,0.
01≦a≦0.15,0.01≦b≦0.15,0.30≦
c≦0.60,0.25≦d≦0.68を満足する組成を
有することを特徴とする圧電磁器組成物の発明を提供す
る。この圧電磁器組成物を使用した圧電磁器素子によれ
ば、高い電気機械結合係数が得られ、耐熱性が改善され
るとともに共振周波数の温度係数及び経時変化が小さい
圧電磁器組成物を得ることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図及び表を用いて説
明する。図1に示すように、本発明に係る圧電磁器組成
物は以下に記した工程により製造される。 (1)出発原料としてPbO,MgCO3,BaCO3,S
rCO3,CaCO3,Yb2O3,Nb2O5,TiO2,
ZrO2を用い、これらを表1に示す組成になるように
秤量する。なお、この表においてaはMgCO 3 とNb 2
O 5 を1:1のモル比で混合したもの、bはYb 2 O 3 と
Nb 2 O 5 を1:2のモル比で混合したものを秤量する。
また、これらの実施例において使用した原料粉末は酸化
物又は炭酸塩であるが、酸化物の代わりに炭酸塩、有機
酸塩、水酸化物、炭酸塩の代わりに酸化物、有機酸塩、
水酸化物を用いても同様の効果が得られる。
明する。図1に示すように、本発明に係る圧電磁器組成
物は以下に記した工程により製造される。 (1)出発原料としてPbO,MgCO3,BaCO3,S
rCO3,CaCO3,Yb2O3,Nb2O5,TiO2,
ZrO2を用い、これらを表1に示す組成になるように
秤量する。なお、この表においてaはMgCO 3 とNb 2
O 5 を1:1のモル比で混合したもの、bはYb 2 O 3 と
Nb 2 O 5 を1:2のモル比で混合したものを秤量する。
また、これらの実施例において使用した原料粉末は酸化
物又は炭酸塩であるが、酸化物の代わりに炭酸塩、有機
酸塩、水酸化物、炭酸塩の代わりに酸化物、有機酸塩、
水酸化物を用いても同様の効果が得られる。
【0013】
【表1】 (2)秤量された原料をボールミルで湿式混合する。 (3)湿式混合されたものを乾燥する。 (4)乾燥されたものを750℃〜950℃で仮焼成す
る。 (5)仮焼成されたものをボールミルで湿式粉砕する。 (6)得られた粉末に有機バインダを適量加えて造粒す
る。 (7)造粒されたものを4ton/cm2の圧力で加圧成形す
る。 (8)成形体を1100℃〜1260℃で焼結する。 (9)直径14mm,厚さ1mmの円形の焼結体として、得ら
れた焼結体の両表面に、銀電極を焼付・形成する。 (10)50℃〜120℃のシリコーン油中において2〜
3MV/mの直流電界を1時間印加して分極処理する。
る。 (5)仮焼成されたものをボールミルで湿式粉砕する。 (6)得られた粉末に有機バインダを適量加えて造粒す
る。 (7)造粒されたものを4ton/cm2の圧力で加圧成形す
る。 (8)成形体を1100℃〜1260℃で焼結する。 (9)直径14mm,厚さ1mmの円形の焼結体として、得ら
れた焼結体の両表面に、銀電極を焼付・形成する。 (10)50℃〜120℃のシリコーン油中において2〜
3MV/mの直流電界を1時間印加して分極処理する。
【0014】このようにして得られた圧電磁器円板につ
いて、密度(ρ),電気機械結合係数(kp),誘電率
(ε),共振周波数の温度係数(frTC),機械的品質
係数(Qm)及びkp変化率を測定した結果を表2に示
す。なお、表2において試料番号に「*」が付されてい
る試料は、本発明の範囲外のものである。
いて、密度(ρ),電気機械結合係数(kp),誘電率
(ε),共振周波数の温度係数(frTC),機械的品質
係数(Qm)及びkp変化率を測定した結果を表2に示
す。なお、表2において試料番号に「*」が付されてい
る試料は、本発明の範囲外のものである。
【0015】圧電特性は、インピーダンスアナライザー
を用いて、共振・***振周波数を測定した結果から計算
により求めた。また、共振周波数の温度係数(frTC)
は、次式で示される。 frTC(ppm/℃)=[(fr1−fr2)/(fr3×12
5)]×106 ここで、fr1,fr2はそれぞれ−40℃〜85℃の温度
範囲における共振周波数の最大値,最小値であり、fr3
は25℃における共振周波数である。また、kp変化率
は耐熱性の評価方法であり、250℃の半田槽に円板素
子を1分間浸漬させ、その前後におけるkpの変化を測
定した値で、次式で示される。 kp変化率(%)=[(kp−kpi)/kpi]×100 ここで、kpiは半田槽浸漬前の電気機械結合係数であ
り、kpは半田槽浸漬1時間後の電気機械結合係数であ
る。
を用いて、共振・***振周波数を測定した結果から計算
により求めた。また、共振周波数の温度係数(frTC)
は、次式で示される。 frTC(ppm/℃)=[(fr1−fr2)/(fr3×12
5)]×106 ここで、fr1,fr2はそれぞれ−40℃〜85℃の温度
範囲における共振周波数の最大値,最小値であり、fr3
は25℃における共振周波数である。また、kp変化率
は耐熱性の評価方法であり、250℃の半田槽に円板素
子を1分間浸漬させ、その前後におけるkpの変化を測
定した値で、次式で示される。 kp変化率(%)=[(kp−kpi)/kpi]×100 ここで、kpiは半田槽浸漬前の電気機械結合係数であ
り、kpは半田槽浸漬1時間後の電気機械結合係数であ
る。
【0016】これらの測定結果の評価は電気機械結合係
数(kp),電気機械結合係数変化率及び共振周波数の
温度係数(frTC)について行い、電気機械結合係数に
ついては50%以上、電気機械結合係数変化率について
は−3%以上のもの、共振周波数の温度係数は200pp
m以下のものを良好と判定し、その他のものを不良と判
定した。
数(kp),電気機械結合係数変化率及び共振周波数の
温度係数(frTC)について行い、電気機械結合係数に
ついては50%以上、電気機械結合係数変化率について
は−3%以上のもの、共振周波数の温度係数は200pp
m以下のものを良好と判定し、その他のものを不良と判
定した。
【0017】その結果、電気機械結合係数については、
試料11,14,18,19,21,24を不良、電気
機械結合係数変化率については、試料5,11,14,
15,18,19,21,24を不良、共振周波数の温
度係数については試料1を不良と判定した。そして、総
合して試料2,3,4,6,7,8,9,10,12,
13,16,17,20,22,23を良好と判定し
た。
試料11,14,18,19,21,24を不良、電気
機械結合係数変化率については、試料5,11,14,
15,18,19,21,24を不良、共振周波数の温
度係数については試料1を不良と判定した。そして、総
合して試料2,3,4,6,7,8,9,10,12,
13,16,17,20,22,23を良好と判定し
た。
【0018】この判定結果に基づいて試料の組成範囲を
整理すると、 xに関してはx<0.01,0.12<x aに関してはa<0.01,0.15<a、 bに関してはb<0.01,0.15<b、 cに関してはc<0.30,0.60<c、 dに関してはd<0.25,0.68<d の組成範囲のものは不良であり、したがって xに関しては0<x≦0.12、 aに関しては0.01≦a≦0.15、 bに関しては0.01≦b≦0.15、 cに関しては0.30≦c≦0.60、 dに関しては0.25≦d≦0.68 の組成範囲のものは良好である。
整理すると、 xに関してはx<0.01,0.12<x aに関してはa<0.01,0.15<a、 bに関してはb<0.01,0.15<b、 cに関してはc<0.30,0.60<c、 dに関してはd<0.25,0.68<d の組成範囲のものは不良であり、したがって xに関しては0<x≦0.12、 aに関しては0.01≦a≦0.15、 bに関しては0.01≦b≦0.15、 cに関しては0.30≦c≦0.60、 dに関しては0.25≦d≦0.68 の組成範囲のものは良好である。
【0019】すなわち、 1.a<0.01の場合素子の焼結性が悪くなり所望の
高い電気機械結合係数が得られず耐熱性も悪化し、0.
15<aとなると耐熱性が悪化する。 2.b<0.01では耐熱性が悪化し、0.15<bとな
ると焼結性が悪くなり所望の高い電気機械結合係数が得
られず耐熱性も悪化する。 3.c<0.30,0.60<cでは所望の高い電気機械
結合係数が得られず耐熱性も悪化する。 4.d<0.25の組成物では、所望の高い電気機械結
合係数が得られず、更に、dが0.68を越えるとaま
たはbが0.01以下もしくは、cが0.30以下となり
耐熱性改善の効果が得られない。 5.Pbの一部をBa,Sr,Caから選ばれた少なく
とも一種で置換するものは、耐熱性と経時変化を劣化さ
せずに、共振周波数(fr)の温度係数を向上させるた
めであり、Meが0であると共振周波数の温度係数を向
上させることができず、0.12を越えると耐熱性が悪
化するので0<X≦0.12とした。
高い電気機械結合係数が得られず耐熱性も悪化し、0.
15<aとなると耐熱性が悪化する。 2.b<0.01では耐熱性が悪化し、0.15<bとな
ると焼結性が悪くなり所望の高い電気機械結合係数が得
られず耐熱性も悪化する。 3.c<0.30,0.60<cでは所望の高い電気機械
結合係数が得られず耐熱性も悪化する。 4.d<0.25の組成物では、所望の高い電気機械結
合係数が得られず、更に、dが0.68を越えるとaま
たはbが0.01以下もしくは、cが0.30以下となり
耐熱性改善の効果が得られない。 5.Pbの一部をBa,Sr,Caから選ばれた少なく
とも一種で置換するものは、耐熱性と経時変化を劣化さ
せずに、共振周波数(fr)の温度係数を向上させるた
めであり、Meが0であると共振周波数の温度係数を向
上させることができず、0.12を越えると耐熱性が悪
化するので0<X≦0.12とした。
【0020】表2から明らかなように、従来の圧電磁器
組成物では、250℃の半田熱による電気機械結合係数
の変化率が−20%前後であったが、本発明に係る圧電
磁器組成物では、PbTiO3−PbZrO3に第3成
分、第4成分として、(Mg1/3Nb2/3)O3、(Yb
1/3Nb2/3)O3を同時に固溶させることにより、−3
%以下と大幅に改善することができる。さらに、Pbの
一部をBa,Sr,Caから選ばれた少なくとも一種で
置換することにより、耐熱性と経時変化を劣化させるこ
となく共振周波数の温度係数(frTC)を大幅に向上さ
せることができる。さらに、Pbの一部をBa,Cr,
Caから選ばれた少なくとも一種で置換することによ
り、耐熱性と経時変化を劣化させずに、共振周波数(f
r)の温度係数を大幅に向上させることができる。
組成物では、250℃の半田熱による電気機械結合係数
の変化率が−20%前後であったが、本発明に係る圧電
磁器組成物では、PbTiO3−PbZrO3に第3成
分、第4成分として、(Mg1/3Nb2/3)O3、(Yb
1/3Nb2/3)O3を同時に固溶させることにより、−3
%以下と大幅に改善することができる。さらに、Pbの
一部をBa,Sr,Caから選ばれた少なくとも一種で
置換することにより、耐熱性と経時変化を劣化させるこ
となく共振周波数の温度係数(frTC)を大幅に向上さ
せることができる。さらに、Pbの一部をBa,Cr,
Caから選ばれた少なくとも一種で置換することによ
り、耐熱性と経時変化を劣化させずに、共振周波数(f
r)の温度係数を大幅に向上させることができる。
【0021】図2に、本発明の実施例である試料3と比
較例として本発明の実施例と同様な方法で作製したPb
[(Mg1/3Nb2/3)0.1Ti0.45Zr0.45]O3の時間
経過に伴う共振周波数の変化を示す。なお、共振周波数
の変化率は、次式で示される。 共振周波変化率(%)=[(fr−fri)/fri]×1
00 ここで、friは初期(分極1時間後)における共振周波
数であり、frは分極後一定時間経過後における共振周
波数である。また、図2には発明の実施例である試料N
o.3と、の経過時間と共振周波数の変化率の関係を示し
ている。
較例として本発明の実施例と同様な方法で作製したPb
[(Mg1/3Nb2/3)0.1Ti0.45Zr0.45]O3の時間
経過に伴う共振周波数の変化を示す。なお、共振周波数
の変化率は、次式で示される。 共振周波変化率(%)=[(fr−fri)/fri]×1
00 ここで、friは初期(分極1時間後)における共振周波
数であり、frは分極後一定時間経過後における共振周
波数である。また、図2には発明の実施例である試料N
o.3と、の経過時間と共振周波数の変化率の関係を示し
ている。
【0022】この図から明らかなように、従来の圧電磁
器組成物に比べ、本発明の圧電磁器組成物は、共振周波
数の変化率が0.1%/Time decade以下と極めて小さな
値にすることができる。しかも、組成比を選ぶことによ
り、電気機械結合係数(kp)が60%以上であり、そ
の上誘電率も1000以上である優れた圧電磁器材料を
得ることができる。
器組成物に比べ、本発明の圧電磁器組成物は、共振周波
数の変化率が0.1%/Time decade以下と極めて小さな
値にすることができる。しかも、組成比を選ぶことによ
り、電気機械結合係数(kp)が60%以上であり、そ
の上誘電率も1000以上である優れた圧電磁器材料を
得ることができる。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る圧電磁器組成物を用いることにより、電気機械結
合係数(kp)が高く、耐熱性が高く、耐熱性を向上さ
せたまま共振周波数の温度係数を良くすることができ、
しかも、経時変化の極めて小さい圧電磁器素子を得るこ
とができる。従って、表面実装の際に、250℃前後の
温度にさらされても圧電特性の劣化することが少ないチ
ップ部品を作製することができる。
に係る圧電磁器組成物を用いることにより、電気機械結
合係数(kp)が高く、耐熱性が高く、耐熱性を向上さ
せたまま共振周波数の温度係数を良くすることができ、
しかも、経時変化の極めて小さい圧電磁器素子を得るこ
とができる。従って、表面実装の際に、250℃前後の
温度にさらされても圧電特性の劣化することが少ないチ
ップ部品を作製することができる。
【図1】本発明の圧電磁器組成物を用いた圧電素子の製
造工程図。
造工程図。
【図2】本発明の圧電磁器組成物と従来例の共振周波数
の経時変化率を示すグラフ。
の経時変化率を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−187778(JP,A) 特開 平7−82021(JP,A) 特開 平7−30169(JP,A) 特開 平6−333427(JP,A) 特開 平5−17219(JP,A) 特開 平5−17218(JP,A) 特開 平5−17220(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/49 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式: (Pb1-XMeX)[(Mg1/3Nb2/3)a(Yb1/3Nb2/3)bTiCZrd]O 3 (但し、MeはBa,Sr,Caから選ばれた少なくと
も1種の元素であり、a+b+c+d=1である)で示
され、 0<x≦0.12 0.01≦a≦0.15 0.01≦b≦0.15 0.30≦c≦0.60 0.25≦d≦0.68 であることを特徴とする圧電磁器組成物。
Priority Applications (4)
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JP33164293A JP3342555B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 圧電磁器組成物 |
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DE69405701T DE69405701T2 (de) | 1993-12-27 | 1994-11-29 | Piezoelektrische keramische Zusammensetzung |
US08/347,811 US5527481A (en) | 1993-12-27 | 1994-11-30 | Piezoelectric ceramic composition |
Applications Claiming Priority (1)
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1993
- 1993-12-27 JP JP33164293A patent/JP3342555B2/ja not_active Expired - Fee Related
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