JP3337605B2 - マグネシウム含有蛍石とそれを用いた光学系及び露光装置 - Google Patents
マグネシウム含有蛍石とそれを用いた光学系及び露光装置Info
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Description
蛍石とそれを用いたエキシマレーザー用の光学系及びフ
ォトリソグラフィー用の露光装置に係る。
唯一の高出力レーザーとして注目されており、電子産業
や化学産業やエネルギー産業において応用が期待されて
いる。
クス、半導体等の加工や化学反応等に利用されている。
シマレーザー発振装置として知られている。マニホルド
内に充填されたAr,Kr,Xe,KrF,ArF等の
レーザーガスを電子ビーム照射や放電等により励起状態
にする。すると、励起された原子は基底状態の原子と結
合して励起状態でのみ存在する分子を生成する。この分
子がエキシマと呼ばれるものである。エキシマは不安定
な為、直ちに紫外光を放出して基底状態に落ちる。これ
をボンドフリー遷移というが、この遷移よってえられた
紫外光を一対のミラーで構成される光共振器内で増倍し
てレーザー光として取り出すものがエキシマレーザー発
振装置である。
ーやArFレーザーはそれぞれ波長が248nm、19
3nmといった真空紫外域とよばれる波長域の光であ
り、光学系にはこうした波長域の光の透過率が高いもの
を用いなければならない。蛍石(フッ化カルシウム単結
晶)はこうした光学系の為の硝材として好ましいもので
ある。
蛍石は通常の可視光の光学系の物品としては満足できる
性能を示すものの、エキシマレーザーのように短波長で
高出力の光を長期間繰り返し照射するとその光学特性が
劣化することがあった。
それが結晶構造や含有する不純物に影響を受けているこ
とに気がついた。
れたものであり、短波長で高出力の光を長期間繰り返し
照射した場合であっても、透過率特性が劣化し難い蛍石
を提供することを主たる目的とする。
の光学部品、とりわけフォトリソグラフィー用の露光装
置のエキシマレーザー用の光学部品に好適な蛍石を提供
することにある。
学物品となりうる蛍石を提供することにある。
造できる蛍石を提供することにある。
の光を長期間繰り返し照射しても光学特性が劣化しない
エキシマレーザー用の光学部品を提供することにある。
ン以下の微細パターンを長期間安定して露光することが
できるフォトリソグラフィー用の露光装置を提供するこ
とにある。
シウムを含む蛍石であって、マグネシウムの含有量が1
ppm以上10ppm以下であることを特徴とする。
マグネシウムを含む蛍石であって、マグネシウムの含有
量が1ppm以上10ppm以下である蛍石からなるこ
とを特徴とする。
置は、マグネシウムを含む蛍石であって、マグネシウム
の含有量が1ppm以上10ppm以下以下である蛍石
からなるレンズを有する光学系と、露光される基板を保
持するステージとを備えたことを特徴とする。
たりの対象原子の重量(μg)である。
件を変えて数多くの蛍石を製造した。そして、用途を考
慮してKrF,ArFエキシマレーザーを長期間繰り返
し照射してそれらの特性を測定した。そして特性のよい
蛍石だけを用いて厚さ10mmの円盤状に成形した光学
部材にエキシマレーザーを照射する実験を行った。
を1×104パルス照射と、1×10 4R/Hのガンマ線
を1時間照射をする実験した結果、試料のうちいくつか
は着色した。着色した試料も、着色しなかった試料も初
期の248nmや193nmの吸収率(透過率)は同じ
であった。従って、使用する光の波長における透過率を
基準に良品をサンプリングしても、将来劣化しやすい試
料と劣化しがたい試料とを区別することができない。
しなかった試料の特性を分析した結果、エキシマレーザ
ーの波長よりずっと短い波長である135nm付近にお
ける透過率を基準にすると、良品とそうでないものとを
区別できることに気がついた。即ち、レーザーやガンマ
線の照射前であっても照射後であっても透過率測定時に
波長135nmにおける透過率が70%以上である蛍石
光学部材をエキシマレーザー光学系に使用すると、被処
理体に照射されるレーザー光が安定することになる。
例を示す図である。
結果、上述した良好な特性を示す蛍石はマグネシウム
(Mg)を含有する蛍石であることが判明した。蛍石が
良好な特性を示すに充分なMgの含有量は1ppm〜1
0ppmであり、より好ましくは1ppm〜6ppmで
ある。この範囲より多量に含有されると結晶構造が悪く
なり、この範囲より少量であると、特性を劣化させる影
響の強い他の不純物による悪影響を受けやすくなるよう
だ。
デンシティー(EPD)が1×10 5以下となり良質の
結晶構造を呈する。
工程について、説明する。
ローチャートとして示す。
ジャーとを混合する。このとき、フッ化カルシウムとス
カベンジャーとを容器にいれてこの容器を回転させて混
合するとよい。スカベンジャーとしては、フッ化亜鉛、
フッ化ビスマス、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム
等、成長させるフッ化物より酸素と結合し易いものが望
ましい。
素と反応して、気化し易い酸化物となる物質が選択され
る。とりわけフッ化亜鉛が望ましいものである。
分の存在により発生した酸化カルシウムをフッ化カルシ
ウムに変える。
0mol%以下であり、より好ましくは0.1〜1.0
mol%である。発生したZnOは各工程における高温
条件下で蒸発していく。
スカベンジャーの混合物を図3に示す精製炉のるつぼの
中に入れる。その後、ヒーターに通電して混合物を熔融
する。続いてるつぼを降下させて熔融したフッ化カルシ
ウムを徐冷して結晶成長させる(精製工程)。
の温度管理は必要としない。よって、得られる結晶の粒
界が存在するものであってよい。
時的に最後に結晶化した部分を除去する。この部分には
不純物が集まりやすいのでこの除去工程によって、特性
に悪影響を与える不純物を除去する。
化、上部除去の一連の工程を複数回繰り返し行う。
を、結晶化したフッ化カルシウムとともに図4に示す成
長炉の結晶成長用のるつぼ4に入れる。フッ化マグネシ
ウムの添加量は、マグネシウムの含有量が所定の量とな
るように調整すればよい。
つぼを加熱して、集合体を熔融させた後、徐々に冷却す
る(単結晶成長工程)。なお、この徐冷では、一時間あ
たり0.1〜5.0mmの速度でるつぼを降下させて徐
冷することが好ましいものである。
5に示すアニール炉で熱処理する(アニール工程)。こ
のアニール工程では、るつぼ4を900〜1000℃に
加熱する。加熱時間は20時間以上、より好ましくは2
0〜30時間である。
を25ppm以下、水、鉄(Fe)等のニッケル(N
i)クロム(Cr)、鉛(Pb)等の好ましくない不純
物量をそれぞれ減らすことができ、Mgを1〜10pp
m程含有させることができる。
内部透過率を測定し、波長135nmにおける内部透過
率が70%以上のものを抽出する。こうして選別された
マグネシウム含有蛍石を用いて光学物品を作る。
(凸レンズ、凹レンズ、円盤状、板状等)に成形加工す
る(成形加工工程)。又、必要に応じて、反射防止膜を
フッ化物結晶の光学物品表面に設けるとよい。反射防止
膜としては、フッ化マグネシウムや酸化マグネシウム、
酸化タンタルが望ましく、これらは、抵抗加熱による蒸
着や電子ビーム蒸着やスパッタリングなどで形成できる
本発明により得られた光学物品は水をほとんど含まない
為に反射防止膜との密着性もよくなる。
れば、エキシマレーザー、特にArFエキシマレーザー
に適した照明光学系を構成できる(光学系組に立て工
程)。そして、エキシマレーザー光源と、フッ化カルシ
ウムからなるレンズを有する光学系と、基板を移動させ
得るステージとを組み合わせて、フォトリソグラフィー
用の露光装置を構成できる(装置組み立て工程)。
光をレチクルのパターンを介して基板上の光増感型レジ
ストに照射すれば、形成すべきパターンに対応した潜像
が形成できる。
ム原料としてフッ化マグネシウムを多量に含む原料を用
意して、上述した合成法によって得られたフッ化カルシ
ウム粉末と適量混合したものを用いて、上記精製工程を
繰り返し行い、蛍石結晶に含有されるマグネシウムの量
を制御してもよい。
線分析法、ICP発光分析法、ICP質量分析法等が用
いられる。
線分光光度計で測定できる。
せて粉末のフッ化カルシウムを得た。これとZnF2を
フッ化カルシウムに対して0.7重量%添加して、両者
を混合させた。更にフッ化マグネシウムを添加した。
れて1360℃に加熱した後、るつぼを降下させて徐冷
し、原料を結晶化した。るつぼ上部にあたる結晶化した
フッ化カルシウムの上部を厚さ数十mm除去した。この
加熱・徐冷・除去の工程を繰り返し行い、繰り返す工程
数が異なるフッ化カルシウム結晶ブロックの試料を多数
用意した。
るつぼに入れた。なお、フカベンジャーとしてZnF2
を0.1重量%るつぼに入れた。炉内を真空排気して、
るつぼを加熱した。真空度6×10-4Torr、温度は
1390〜1450℃とした。
90〜1450℃として11時間保った。
た。この時の温度降下速度は約100℃/hに相当す
る。
ッ化カルシウム単結晶と、0.1重量%のZnF2を入
れた。炉内を排気してるつぼの温度を室温から900℃
に速度100℃/hで上昇させた後、20時間900℃
に保持した。そして、6℃/hの速度で低下させ、室温
まで冷却した。
れた蛍石のMg含有量と着色、劣化率との関係を調べ
た。
×104パルスと、1×104R/Hのガンマ線を1時間
照射し、193nmと248nmにおける透過率の変化
(劣化率)を調べた。更に、その後、107パルスまで
レーザーを更に照射して着色の様子を調べた。
は劣化率が0%であり、KrF,ArFエキシマレーザ
ーに対する耐久性に優れていることがわかる。
過率とを測定した試料の着色、劣化率、EPD(エッチ
ピット濃度)について評価した。
率、EPD評価において優れており、エキシマレーザー
耐久性に優れていることが判る。
ンズ)を整形加工し、エキシマレーザー光学系を組み立
てるとともにエキシマレーザーを用いたフォトリソグラ
フィー用の露光装置を組立、135nmの波長で0.2
5μm以下の微細パターンの露光を行ったところ、従来
に比べ、長期にわたり安定的なフォトレジストのパター
ニングを繰り返し行うことができた。
ることができる。
した場合であっても、透過率特性が劣化し難い蛍石を提
供することができる。
フォトリソグラフィー用の露光装置のエキシマレーザー
用の光学部品に好適な蛍石を提供するができる。
供するができる。
とができる。
しても光学特性が劣化しないエキシマレーザー用の光学
部品を提供することができる。
期間安定して露光することができるフォトリソグラフィ
ー用の露光装置を提供することができる。
ラフである。
フローチャートである。
す図である。
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 マグネシウムを含む蛍石であって、マグ
ネシウムの含有量が1ppm以上10ppm以下である
ことを特徴とする蛍石。 - 【請求項2】 基板の厚みが20mmの場合、135n
mの波長の光に対する透過率が70%以上であることを
特徴とする請求項1に記載の蛍石。 - 【請求項3】 マグネシウムを含む蛍石であって、マグ
ネシウムの含有量が1ppm以上10ppm以下である
蛍石からなるエキシマレーザー用の光学系。 - 【請求項4】 基板の厚みが20mmの場合、135n
mの波長の光に対する透過率が70%以上である蛍石か
らなることを特徴とする請求項3に記載のエキシマレー
ザー用の光学系。 - 【請求項5】 マグネシウムを含む蛍石であって、マグ
ネシウムの含有量が1ppm以上10ppm以下以下で
ある蛍石からなるレンズを有する光学系と、露光される
基板を保持するステージとを備えたことを特徴とするフ
ォトリソグラフィー用の露光装置。 - 【請求項6】 基板の厚みが20mmの場合、135n
mの波長の光に対する透過率が70%である蛍石からな
る請求項5に記載フォトリソグラフィー用の露光装置。
Priority Applications (2)
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JP06694396A JP3337605B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | マグネシウム含有蛍石とそれを用いた光学系及び露光装置 |
US08/822,938 US6342312B2 (en) | 1996-03-22 | 1997-03-21 | Calcium fluoride crystal, optical article and exposure apparatus for photo-lithography using the same |
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JP06694396A JP3337605B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | マグネシウム含有蛍石とそれを用いた光学系及び露光装置 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06694396A Expired - Fee Related JP3337605B2 (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | マグネシウム含有蛍石とそれを用いた光学系及び露光装置 |
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