JP3336454B2 - 航空機用座席装置 - Google Patents

航空機用座席装置

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JP3336454B2
JP3336454B2 JP13375898A JP13375898A JP3336454B2 JP 3336454 B2 JP3336454 B2 JP 3336454B2 JP 13375898 A JP13375898 A JP 13375898A JP 13375898 A JP13375898 A JP 13375898A JP 3336454 B2 JP3336454 B2 JP 3336454B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機の客室に設
置される座席装置に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機の客室内に設置されるこの種の座
席装置(以下、シートともいう)としては、バックレス
トを後方に傾倒させ傾斜角度を変えることができるリク
ライニング式のシートが一般的である。また、最近で
は、ファーストクラスの客室用として、例えば特開平8
−258796号公報(以下、先行技術という)に開示
されたシートが提案されている。このシートは、長時間
の飛行において乗客にゆとりや快適さを与えるために、
バックレストが略直立(実際には後方に僅かに傾斜して
いる)した状態(通常状態)と、これよりさらに前方に
ずれることにより後方に所定角度傾倒したリクライニン
グ状態と、さらに大きく傾倒して略水平になった状態
(ベッド状態)の3つの態様をとることができるような
構造を採っている。したがって、リクライニングシート
であるとともに、ベッドとしても機能するシートを形成
している。また、このシートは乗客のプライバシーを守
るためにシートの後方および両側方を覆うバックシェル
を備えている。
【0003】バックレストを略直立した通常状態からリ
クライニング状態に傾倒させ、さらに最終的には略水平
なベッド状態に傾倒させる構造としては、座部を大き
く前進させると同時にバックレストを前方へ連動させて
座部の座面とバックレストの背当て面とを略水平な同一
面にする構造と、座部は前進させず単にバックレスト
のみを傾倒させリクライニング状態を経て最終的にベッ
ド状態にする構造の二つの構造がある。このうちの構
造においては、べッド状態では座部が大きく前進するた
め、シートの前方に広いスペースが必要になる。一方、
の構造においても、バックレストが後方へ大きく傾倒
するため、シートの後方に広いスペースが必要になり、
後部シートに座っている乗客に不快感を与える。そのた
め、いずれの構造においてもシートを設置するときに大
幅な制約を受けることになる。
【0004】また、人間工学的にの構造においては、
座部が前方へ移動し、リクライニング状態になると、腰
部とバックレストとの間に空間が生じ易く背骨が曲がり
易い状態となり、不快感を感じるという問題があった。
また、の構造において、リクライニング状態よりバッ
クレストが後方に大きく傾倒するため、頭が下がること
により、不快感を感じるという問題がある。そこで、バ
ックレストをリクライニング状態にした後に座部を前進
させ、これに連動してリクライニング状態のバックレス
トを前方へ移動させつつ傾倒させて略水平な状態にする
と、移動時の安定感を高めることができる。また、座部
を移動させるとき、その向き(角度)を変えて腰部(大
腿部)を回転中心として傾動させると、移動時の安定感
をさらに高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の航空
機用シートのうち、ファーストクラスの客室に設置され
るシートは、座部、バックレスト、レッグレスト等を備
えているが、ベッド兼用のシートにおいては、バックレ
ストが略水平な状態に傾倒していると、その高さが座部
またはサイドレストの高さと略同じ高さになるため、客
室の通路を乗客が歩行しているとき、バックレストが手
摺りとしての機能を果たさず、機体が突然揺れたり傾い
たりすると転倒するおそれがあった。
【0006】また、レッグレストは、座部が前進すると
きに連動して上昇回動し略水平な状態になるように制御
されるので、シートの前方の床面に手荷物等が置かれて
いると、レッグレストが手荷物等に当たって前のシート
とレッグレストで手荷物等を挟んだり、あるいはレッグ
レストが破損したり故障するという問題があった。
【0007】さらに、上記した先行技術においては、バ
ックシェルが傾倒せず、常時バックレストの後方および
側方を覆っているので、乗客に閉塞感または孤立感を与
えるという問題があった。
【0008】本発明は上記した従来の問題点を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、バッ
クレストの後方を覆うバックシェルに手摺りとしての機
能をもたせることにより、客室の通路を歩行している乗
務員や乗客の安全性をより一層高めるとともに、ベッド
状態において乗客のプライバシーを保護するようにした
航空機用座席装置を提供することにある。また、本発明
は、レッグレストが破損したり故障したりすることがな
く、シートを確実にベッド状態にすることができるよう
にした航空機用座席装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、航空機の客室に設置される航空機用座
席装置において、進退自在で通常状態からリクライニン
グ状態を経てベッド状態に切り替えられるとき前進する
座部と、前記座部の前端部下方に回動自在に取付けられ
通常状態において垂下した状態に保持されているレッグ
レストと、前記座部に下端が連結され通常は略直立した
状態に保持されておりリクライニング状態を経て略水平
なベッド状態に傾倒するバックレストと、前記バックレ
ストの後方に傾倒自在に設けられて通常は略直立した状
態に保持されており、前記バックレストに連動して傾倒
するとリクライニング位置に保持されるバックシェルと
を備え、前記バックシェルは、前記バックレストの通常
状態およびリクライニング状態において、高さがバック
レストの高さより低く、前記バックレストが最大角度傾
倒して略水平なベッド状態になった状態において上面高
さがバックレストより高いことを特徴とする。
【0010】第2の発明は、上記第1の発明において、
レッグレストは、バックレストがリクライニング状態に
切り替えられると、上昇回動して前記バックレストと略
同一角度傾斜した状態に保持され、座部、前記バックレ
ストおよび前記レッグレストをベッド状態にするモード
が選択されたときは、前記バックレストがリクライニン
グ状態になり、この状態からバックレストおよび座部が
前進し、この座部の前進以前に前記レッグレストが上昇
回動して略水平な状態になり前記座部および前記バック
レストと略同一面を形成するように制御されることを特
徴とする。
【0011】第1の発明において、バックシェルはバッ
クレストが後方に最大角度傾倒して略水平な状態になっ
ても、リクライニング位置までしか傾倒しないので、高
さが大きく変化せず、客室の通路を歩行している乗務員
や乗客に対して手摺りとして機能する。また、シートが
ベッド状態になったとき、バックレストの後方および両
側方を覆い、乗客のプライバシーを保護する。
【0012】第2の発明において、座部はレッグレスト
が上昇回動して完全に略水平な状態になった後に動作し
て前進するので、シートの前方の床面に手荷物等が置か
れていても、レッグレストが手荷物等に当たって破損し
たり故障することがない。また、バックレストが傾倒し
てリクライニング状態になった後、座部が前進移動し、
これに連動してバックレストがさらに大きく傾倒して略
水平な状態になるので、人間工学的に移動時における安
定感を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る座
席装置が設置された航空機のファーストクラスの客室を
示す平面図、図2は同座席装置を一部破断して左斜め前
方から見た外観斜視図、図3は同座席装置を右斜め後方
から見た外観斜視図、図4は同座席装置の平面図、図5
は同座席装置の主要構成部材の分解斜視図、図6は通常
状態における座部、バックレスト、レッグレスト、フッ
トレストおよび駆動装置の状態を示す図、図7はリクラ
イニング状態における座部、バックレスト、レッグレス
ト、フットレストおよび駆動装置の状態を示す図、図8
はベッド状態における座部、バックレスト、レッグレス
ト、フットレストおよび駆動装置の状態を示す図であ
る。
【0014】本実施の形態においては、航空機のファー
ストクラスの客室用に開発された一人掛け用シートに適
用した例について説明する。また、本実施の形態におい
ては、前記の構造、すなわち座部とバックレストを前
方へ移動させてベッド状態にする構造を採用している。
さらに、乗客のプライバシーと歩行者を保護するために
シートの後方および両側方を覆うバックシェルを備えて
いる。
【0015】図1において、航空機1のファーストクラ
スの客室2には、その機体壁1Aに沿って複数個のシー
ト3が前後に所定の間隔を保って配列されている。これ
らのシート3は機内向き、すなわち乗客が着座した状態
で機首の方を向くように機体中心線に対して斜めに設置
されている。また、シート3は千鳥状に配列され、一側
にサイドコンソール5を備えている。このサイドコンソ
ール5はシート3の内側と外側に交互に位置するように
千鳥状に配列されている。したがって、サイドコンソー
ル5の前方には前列のシート3が位置し、真後には後列
のシート3が位置している。このようにシート3とサイ
ドコンソール5を千鳥状に配列した理由は、シート3を
ベッド状態にし後述するフットレスト130の一部と、
乗客が足を伸ばして横になったときに乗客の足を前方に
位置するサイドコンソール5の収納部6内に後方から差
し込めるようにするためで、これにより前後のシート間
隔を相対的に小さくすることができる。なお、サイドコ
ンソール5については後述する。
【0016】主として図5〜図8において、前記シート
3は、前記客室2の床面に敷設されたシートトラック1
0に2本のパイプ11(11a,11b)を介して前後
方向に移動調整可能にかつ着脱可能に固定されている。
したがって、パイプ11をシートトラック10から外す
と、シート3をサイドコンソール5とともに交換するこ
とができる。シートトラック10は、シート3とサイド
コンソール5の下方に位置するように左右方向に所定の
間隔をおいて平行に敷設され、機体の長手方向に延在し
ている。
【0017】前記2本のパイプ11は、アルミニウム合
金等の押出形材によって形成され、前記シートトラック
10に対して略直交しかつ固定金具12を介して床面か
ら僅かに離間して固定されている。そして、2本のパイ
プ11には、シート3の脚部材を構成する左右一対のバ
ルクヘッド13が、前記シートトラック10に対向して
固定されている。なお、パイプ11としては、断面形状
が円形のものを用いたが、これに限らず適宜な形状のも
のを使用することも可能である。
【0018】前記一対のバルクヘッド13は、アルミニ
ウム合金等によって左右対称な板体に形成され、座部1
5の脚部材として用いられるとともに左右のアームレス
ト16のフレーム部材として用いられることにより、シ
ート3の強度部材を構成している。すなわち、バルクヘ
ッド13は、前記パイプ11に固定され座部15を前後
方向に移動自在に保持することにより座部15の脚とし
て機能する。また、インナーパネルユニット18とサイ
ドパネルユニット19によって覆われ、さらにその外側
がフロントカバー20、リアーカバー21、アウトサイ
ドパネル22およびインサイドパネル23によって覆わ
れ、上面にアームキャップ24(図5参照)が取付けら
れることにより、これらとともにアームレスト16を形
成する。そして、このアームレスト16には、引き出し
自在なテーブル25、灰皿26等が組み込まれている。
【0019】前記各バルクヘッド13の前端側と後端側
の下端部には、厚み方向に貫通する嵌合孔30が形成さ
れ、これらの嵌合孔30に前記各パイプ11を側方から
嵌合し、かつ取付金具31によって強固に固定すること
により、2本のパイプ11とバルクヘッド13を一体的
に結合している。
【0020】前記座部15は、左右一対からなるスライ
ドフレーム33と、これらのスライドフレーム33上に
設置されたシート本体34とを備えている。前記一対の
スライドフレーム33は、前端側が上下2本の連結棒3
6によって互いに連結され、後端側には後述するバック
レスト70の下端が回動自在に枢着されている。前記連
結棒36には、複数個の連結プレート37が軸線方向に
適宜間隔をおいて取付けられている。そして、一対のス
ライドフレーム33は、前記バルクヘッド13の外側に
これと平行に対向するように配置され、後述するスライ
ド機構38によって前後方向に移動自在に支持されてい
る。
【0021】前記シート本体34は、ボトムフレーム4
0と、このボトムフレーム40上に配置されたクッショ
ン41およびこのクッション41を覆う布42等で構成
されている。前記ボトムフレーム40は平板状に形成さ
れ、前端部下面が前記連結棒36の上面によって支持さ
れ、後端側にはローラ等の回転自在な転動子44が設け
られている。この転動子44は、前記バルクヘッド13
の内側面上縁部に沿って形成したガイド溝43に摺動自
在に挿入され、前記バックレスト70が略直立した通常
状態においてはガイド溝43の後方側終端部に位置し、
座部15がバックレスト70とともに前方へ引き出され
ると、ガイド溝43の前方側終端部に後述する所定の軌
跡をとって移動する。前記ガイド溝43は、前半部が上
方に緩やかな曲線を描くように凸状に湾曲し、後半部が
下方に緩やかな曲線を描くように凸状に湾曲し、全体と
して略S字状に形成されている。これは、前記バックレ
スト70をリクライニング状態から略水平なベッド状態
に移行させるとき、その初期においてシート本体34の
後端を通常時の高さよりも下げることによりシート本体
34を床面に対して傾斜させ、ベッド状態に近くなると
元の高さに戻り床面と略平行になるようにするためであ
る。このようにシート本体34の移動時にその角度(向
き)を変えるようにすると、乗客の腰部を回転中心とし
て傾動させることができるため、乗客に不安定感を与え
ることなく快適に傾倒させることができる。
【0022】図9において、前記座部15のスライド機
構38は、前記バルクヘッド13の外側面上部にベース
プレート50を介して取付けた2個のガイド部材51
と、これらのガイド部材51に対応して前記スライドフ
レーム33の内側面にベースプレート52を介して取付
けた2個のスライダー53と、前記ガイド部材51とス
ライダー53との間に介在された中間スライダー54等
で構成されている。
【0023】前記ガイド部材51は、板状に形成されて
上下端部に互いに対向する半円形に湾曲したボール受部
51aを一体に有することにより断面形状が縦長C字状
とされる。前記スライダー53は、ガイド部材51と同
一形状に形成されることにより、断面形状が縦長C字状
で、上下端部に互いに対向する半円形に湾曲したボール
受部53aを一体に有している。ガイド部材51とスラ
イダー53のボール受部51a,53aは、外側面が凸
曲面で、内側面が凹曲面となるように形成されている。
【0024】前記中間スライダー54は、プレート56
と、このプレート56の両面に上下二列に固定されたボ
ール受部材57と、複数個のボール55と、このボール
55を前記ボール受部材57とともに回転自在に保持す
る保持器58と、前記プレート56の表面に固定された
補強板59等で構成されている。ボール受部材57の上
下端部には、前記ガイド部材51、スライダー53のボ
ール受部51a,53aと同一の曲率半径を有する円弧
状に湾曲したボール受部57aが一体に設けられてい
る。このボール受部57aは、外側面が凹曲面で内側面
が凸曲面となるように形成され、前記ガイド部材51の
ボール受部51aまたはスライダー53のボール受部5
3aとともに前記ボール55を回転自在に収容する筒状
の空間を形成している。前記保持器58は、薄い金属板
によって形成され、前記ボール受部材57に対して非接
触で、図示しない固定金具により前記補強板59にねじ
止めされている。また、この保持器58の上下端部に
は、前記ボール受部51aとボール受部57aまたはボ
ール受部53aとボール受部57aとの間に挿入される
略水平な折曲部58aが形成され、この折曲部58aに
前記ボール55が挿入される複数個の孔が保持器58の
長手方向に一定の間隔をおいて形成されている。
【0025】このようなスライド機構38によって座部
15をスライド自在に支持すると、中間スライダー54
がガイド部材51に沿って前方へ移動し、さらにスライ
ダー53が中間スライダー54に沿って前方へ移動する
ので、バックレスト70を傾倒させて略水平なベッド状
態にするとき、座部15を前方へ大きく引き出すことが
できる。また、座部15をキャスター付きの脚やトロリ
ーで支持する必要がないので、キャスター用のレールを
取付けたりする必要がなく、座部15の下方空間を有効
に利用することができ、後述する駆動装置の設計、取付
け容易である。さらに、座部15をスライド機構38に
よって保持しているから、床面に接触するものがないの
で、座部15が移動しても床面または床に敷設されてい
るカーペットを傷つけることもない。
【0026】図5〜図8において、前記座部15の下方
空間には、座部15を前後方向に移動させる座部用駆動
装置60と、後述するレッグレスト110を動作させる
レッグレスト用駆動装置120が配設されている。
【0027】前記座部用駆動装置60は、駆動モータ6
1と、進退自在な出力ロッド62と、前記駆動モータ6
1の回転を減速して前記出力ロッド62に伝達する図示
しない減速歯車機構とを備えている。駆動モータ61
は、前端側が支持レバー64の上端部に連結ピン65を
介して上下方向に回動自在に軸支され、後端側は何等支
持されていない。前記支持レバー64は、前記一対のパ
イプ11のうち前方側に位置するパイプ11aに設けた
ブラケット63に取付けられている。前記出力ロッド6
2の前端は、前記連結棒36に取付けた複数個の連結プ
レート37のうちの1つのプレート37aの下端に連結
ピン39を介して回動自在に枢着されている。前記連結
プレート37aは、図6に示すように異形の菱形に形成
され、前後両端と下端の三箇所が連結部として用いられ
る。なお、座部用駆動装置60の減速歯車機構は、出力
ロッド62が螺合する従動歯車を有し、出力ロッド62
を回転を伴わないで軸線方向に進退移動させる。従動歯
車としては、ねじ孔と外歯を有する歯車を用いればよ
い。
【0028】前記駆動モータ61を駆動して出力ロッド
62を前進移動させると、連結プレート37aが前方へ
押圧されるため、スライドフレーム33は前記スライド
機構38に沿って前方へ移動する。したがって、シート
本体34はスライドフレーム33と一体的に前進移動
し、もって座部15がバルクヘッド13の前方へ引き出
される。この時、前記転動子44は前記バルクヘッド1
3のガイド溝43に沿って前方へ移動する。
【0029】前記バックレスト70は、左右一対のフレ
ーム73と、これらのフレーム73間に設けられたバッ
クシート74と、ヘッドレスト75等を備えている。前
記フレーム73は、側面視形状が「く」字状の板体から
なり、下端部の両側面に固定された連結金具76が前記
スライドフレーム33の後端に連結ピン77を介して前
後方向に傾倒自在に枢着されている。また、背面の下端
部寄りが前記ボトムフレーム40に2本のリンク78,
79を介して連結され、さらにこれらのリンク78,7
9より上方部分が後述するバックシェル90の強度部材
を形成するフレーム91に転動子80とガイド溝83を
介して支承されている。
【0030】前記連結ピン77は、前記スライドフレー
ム33の後端部上面に突設した三角形の突出部33aに
よって軸支されている。前記転動子80は、前記フレー
ム73の後面に取付けた三角形のブラケット84の頂部
に取付けられ、前記フレーム91に形成したガイド溝8
3に転動自在に挿入されている。
【0031】前記バックシェル90は、シート3を使用
している乗客のプライバシー保護と通路を歩行している
乗務員や乗客の安全性を確保するためにバックレスト7
0の後方に設けられたもので、前記一対のフレーム91
と、これらのフレーム91を連結する複数本の連結部材
92と、前記フレーム91に取付けられ前記バックレス
ト70の後方および側方を覆うバックシェルカバー93
等で構成されている。前記一対のフレーム91は、下端
部が前記一対のバルクヘッド13間に位置し、回動軸9
5によって前後方向に傾動自在に軸支され、通常は図6
に示すように後方に略40°程度傾斜した状態に保持さ
れている。各フレーム91の内側面には上縁に沿って前
記ガイド溝83が直線状に形成されている。前記転動子
80は、バックレスト70が略直立した状態に保持され
ている通常状態において、図6に示すようにガイド溝8
3の上側終端部に位置している。この状態より前記バッ
クシェル90を後述するバックシェル用駆動装置100
によって後方へ所定角度傾倒させると、これに連動して
バックレスト70も傾倒されてリクライニング状態(図
7)となり、さらに座部15の前進方向への移動に連動
して大きく傾倒されると沈み込んで略水平な状態(図
8)に保持される。このとき、バックレスト70は、転
動子80がガイド溝83に沿って前方へ移動することに
より、後方へ傾倒しつつ前方へ沈み込むように押し出さ
れる。そして、バックレスト70が後方へ最大角度傾倒
して略水平な状態になると、転動子80はガイド溝83
の下側終端部に移動する。
【0032】前記バックシェル用駆動装置100は、駆
動モータ101と、進退自在な出力ロッド102と、前
記駆動モータ101の回転を減速して前記出力ロッド1
02に伝達する図示しない減速歯車機構とを備え、前記
一対のパイプ11のうち後方側のパイプ11bと前記連
結部材92との間の空間に取付けられている。前記駆動
モータ101の下端は、前記パイプ11bに取付けたブ
ラケット104に連結ピン105を介して回動自在に連
結されている。出力ロッド102はねじ棒からなり、上
端が側面視形状が凹形の金具106を介して前記連結部
材92に下方から係合している。出力ロッド102は、
通常時において上方に最大寸法突出されることによりバ
ックシェル90を略直立した状態に支持しており、この
状態より駆動モータ101の駆動によって下方に引き下
げられる。そのため、バックシェル90は、自重および
バックレスト70の重量により、回動軸95を回動中心
として後方に所定角度傾倒し、図7、図8に仮想線で示
す位置、すなわちリクライニング位置で停止する。な
お、バックシェル用駆動装置100の減速歯車機構は、
前記座部用駆動装置60の減速歯車機構と同様に、出力
ロッド102が螺合する従動歯車を有し、出力ロッド1
02を回転を伴わないで軸線方向に進退移動させる。
【0033】ここで、バックシェル90は、リクライニ
ング位置に傾倒してもバックシェルカバー93の高さが
大きく変化せず、略直立した状態およびリクライニング
状態におけるバックレスト70の上面高さより幾分低
く、バックレスト70が略水平なベッド状態になったと
き、図8に示すようにバックレスト70の上面高さより
高くなるような高さに設計されている。また、バックレ
スト70を後方に傾倒させるとともに前方へ移動させる
ようにしているため、バックシェル90が傾倒した時の
後方への移動量も僅かである。このようにシート3の使
用態様に拘わらずバックシェル90の高さを略一定に保
つと、客室の通路を乗務員や乗客が歩行しているとき
に、自然な姿勢でバックシェル90を触りながら歩行す
ることができるので、機体が揺れたり傾いたりしても転
倒するようなことがない。また、バックシェル90は、
シート3の通常状態またはリクライニング状態において
バックレスト70の後方に位置しているだけであるた
め、乗客に閉塞感や孤立感を与えることがなく、バック
レスト70が略水平なベッド状態になると、その後方お
よび側方を覆うので、乗客が横になったとき他の乗客か
ら視認されることが少なく、乗客のプライバシーを保護
することができる。また、傾倒したときの移動量も少な
いので、後のシートの乗客に不快感を与えることもな
い。
【0034】前記座部15の前端部下方には、前記レッ
グレスト110が取付けられている。このレッグレスト
110は、上方に開放するコ字状のフレーム111と、
このフレーム111を覆うレッグレスト本体112等で
構成されている。前記フレーム111は、両端部が前記
一対のスライドフレーム33の前端部に連結ピン114
を介して回動自在に枢支されている。前記レッグレスト
本体112は、垂下した状態において下面となる面が開
放する箱型に形成されて表面側にクッションが設けら
れ、内部にはフットレスト130と、このフットレスト
130をレッグレスト110に連動して出没させる後述
する引出し機構140の一部構成部材が収納されてい
る。このようなレッグレスト110は、通常略垂直な状
態(垂下状態)に保持されることにより座部15の前端
部下方に位置しており、シート3をリクライニング状態
に切り替えるときに、レッグレスト用駆動装置120に
よって上方へ回動されることにより図7に示すようにバ
ックレスト70と略同一角度傾斜した状態に保持され、
ベッド状態に切り替えられると、図8に示すようにさら
に上方に回動して略水平な状態に保持され、座部15お
よびバックレスト70とともに略同一面を形成する。な
お、ベッド状態において、レッグレスト70、座部1
5、レッグレスト110およびフットレスト130は、
床面に対して平行ではなく、約3°以上前傾した寝台面
を形成する。これは、機体が通常の巡航飛行のとき、大
体3°の機首上がりとなっているので、頭が足よりも高
くなる状態で乗客が横たわれるようにするためである。
【0035】前記レッグレスト用駆動装置120は、駆
動モータ121と、進退自在な出力ロッド122と、前
記駆動モータ121の回転を減速して前記出力ロッド1
22に伝達する図示しない減速歯車機構とを備え、前記
座部用駆動装置60とともに座部15の下面とパイプ1
1との間の空間に配設されている。駆動モータ121
は、前端が前記連結棒36に取付けた前記プレート37
aの後端に連結ピン123を介して回動自在に連結さ
れ、後端側は支持されていない。出力ロッド122はね
じ棒からなり、前端が前記レッグレスト110の背面側
に連結ピン125を介して回動自在に連結されており、
通常時においては図6に示すように後方に最大長さ分後
退した状態に保持されている。この状態において、駆動
モータ121の駆動によって出力ロッド122を前進移
動させると、レッグレスト110は後方から押圧される
ため、連結ピン114を回動中心として徐々に上昇回動
し、出力ロッド122が前方へ最大長さ分突出すると略
水平な状態となり、座部15と略同一面を形成する(図
8)。なお、レッグレスト用駆動装置120の減速歯車
機構は、前記座部用駆動装置60の減速歯車機構と同様
に、出力ロッド122が螺合する従動歯車を有し、出力
ロッド122を回転を伴わないで軸線方向に進退移動さ
せる。
【0036】前記フットレスト130は、図6〜図8、
図10〜図13に示すように、前記レッグレスト110
のレッグレスト本体112内に引出し自在に収納された
板状の本体131を備えている。この本体131は、レ
ッグレスト本体112内に設けたガイドレール132に
沿って摺動するスライダ133を有している。
【0037】前記フットレスト130の引出し機構14
0は、前記レッグレスト110の背面側に設けた駆動ア
ーム141と、前記レッグレスト本体112内に組み込
まれた中継リンク142を備えている。前記駆動アーム
141の上端は、前記連結プレート37aの前端側角部
に連結ピン143を介して回動自在に連結されている。
この連結ピン143は、通常前記フレーム111の回動
中心(連結ピン114の中心)の下方に位置しており、
フットレスト130が垂下した状態から回動して水平な
状態になるときに、図7に示すようにレッグレスト本体
112に対して相対的に後方へ移動する。
【0038】前記中継リンク142は、前記レッグレス
ト本体112内に回動自在に配設され、一端142aが
前記駆動アーム141の下端141aに長孔145とピ
ン146を介して連結され、他端142bが連結ピン1
47を介して前記本体131に連結されている。前記連
結ピン147は、前記本体131に突設され、前記中継
リンク142の他端部142bに設けた長孔148を貫
通し、前記レッグレスト本体112の内面に形成した縦
溝149に摺動自在に挿入されている。
【0039】前記駆動アーム141は、レッグレスト本
体112が垂下状態にあるとき、図6に示すように略垂
下した状態に保持され、下端141aが図10に示すよ
うに最下位置に保持されている。一方、中継リンク14
2は、図10に示す状態で右上がりに傾斜している。こ
の状態において、レッグレスト本体112が上昇回動す
ると、駆動アーム141も回動して下端141aがレッ
グレスト本体112の回動支点側に移動する。そのた
め、中継リンク142は図12に示すように時計方向に
回動して本体131をレッグレスト本体112の前方へ
押し出す。
【0040】図2および図3において、前記サイドコン
ソール5は、上面高さが前記アームレスト16の上面よ
り若干高い略箱型に形成されたコンソール本体151を
備えている。このコンソール本体151は、前記各パイ
プ11の一端に延設した延長部11A(図4)に図示し
ない取付金具を介して固定されることにより前記シート
3に一体的に結合されている。コンソール本体151の
内部は後方に開放することにより前記収納部6を形成し
ている。この収納部6は、後のシートにおける乗客が鞄
等の手荷物を挿入したり、あるいは横になって寝ている
とき前記フットレスト130の一部および足を収容する
ために利用される。また、この収納部6の下方には靴等
を収納するための収納部152が設けられている。
【0041】また、コンソール本体151の上面側に
は、TVモニタ153と、コントロールパネル154と
リーディングライト155が設けられている。コントロ
ールパネル154は、上記した各駆動装置60,10
0,120を動作させたり、前記TVモニタ153、リ
ーディングライト155等をON、OFFさせるための
各種コントロールスイッチを備えている。さらに、コン
ソール本体151の上面後端部には、後方の視界を遮り
乗客のプライバシーを保護するためのスクリーン157
が立設されている。
【0042】次に、上記したシートの動作について説明
する。図14はシート3を略直立した通常状態よりリク
ライニング状態に移行させるときのフローチャートであ
る。シート3の通常状態において(ステップ200)、
バックレスト70およびバックシェル90は図6に示す
ように略直立した状態に保持されている。また、レッグ
レスト110は垂下状態に保持され、フットレスト13
0はレッグレスト110内に完全に収納されている。こ
の通常状態よりシート3をリクライニング状態に切り替
えるには、モード選択し、コントロールパネル154に
設けられているリラックススイッチを操作してバックシ
ェル用駆動装置100の駆動モータ101を動作させる
(ステップ201)。これにより出力ロッド102が引
き下げられるため、フレーム91は回動軸95を回動中
心として後方へ徐々に傾倒する。このため、バックシェ
ル90は図6に仮想線で示す状態から図7に仮想線で示
すように後方に所定角度傾斜したリクライニング状態に
移行する。
【0043】この時、バックレスト70はバックシェル
90に連動して後方に傾倒し、同じくリクライニング状
態になる。すなわち、バックシェル90のフレーム91
が回動軸95を回動中心として後方に回動すると、バッ
クレスト70のフレーム73は連結ピン77を回動中心
として傾倒し、転動子80が前記フレーム91のガイド
溝83に沿って斜め下方でかつ前方に向かって移動す
る。その結果、バックレスト70は、後方に所定角度傾
倒しリクライニング状態となる。このように、シート3
の通常状態からリクライニング状態への切替え操作は、
バックシェル用駆動装置100によリバックシェル90
を介してバックレスト70を後方へ所定角度傾倒させる
ことで行われる。
【0044】この時、レッグレスト用駆動装置120の
駆動モータ121も駆動して出力ロッド122がレッグ
レスト110を前方に押圧するため、レッグレスト11
0は連結ピン114を回動中心として上昇回動し所定角
度傾斜した状態になる。レッグレスト110が回動する
と、駆動アーム141が中継リンク142の一端142
aを後方に引っ張るようになるため、中継リング142
の他端部142bが図11に示すようにピン147を回
動中心として同図において時計方向に回動する。この
時、ピン147は長溝149に沿ってレッグレスト11
0の前端側へ移動する。この結果、フットレスト130
は、レッグレスト110から前方に所定量突出し、もっ
てシート3がリクライニング状態となる(ステップ20
3)。この時、座部用駆動装置60は駆動しないため、
座部15およびバックレスト70は前方へ移動すること
はない。
【0045】シート3をリクライニング状態から略直立
した通常状態に戻すには、モード選択してバックシェル
用駆動装置100を駆動し、出力ロッド102を上昇さ
せてフレーム91を押上げ、バックレスト70を起立さ
せればよい。この時、レッグレスト用駆動装置120も
駆動する。そのため、レッグレスト110は引き下げら
れて元の垂下状態に戻り、フットレスト130が引出し
機構140によりレッグレスト110内に収容される。
【0046】図15はシート3をリクライニング状態か
らベッド状態に移行させるときのフローチャートであ
る。図7に示すリクライニング状態(ステップ203)
から図8に示すベッド状態に移行させるには、コントロ
ールパネル154のベッドスイッチを操作する(ステッ
プ204)。このベッドスイッチを操作すると、先ずレ
ッグレスト用駆動装置120が動作してレッグレスト1
10を傾斜した状態から上方にさらに回動させて図8に
示す略水平な状態にし、座部15と略同一面にする。こ
の時、フットレスト130は、引出し機構140によっ
てレッグレスト110からさらに引き出され、レッグレ
スト110の前方に突出する(ステップ205)。
【0047】次に、座部用駆動装置60が駆動して座部
15を前方へ移動させる(ステップ206)。この時、
スライドフレーム33は、図9に示すスライド機構38
によって前方へ直線的に移動する。一方、シート本体3
4は、上記した通り、転動子44がバルクヘッド13の
S字状ガイド溝43に沿って移動するため移動ストロー
クの前半において向きを変えながら前進移動し、一定距
離前進するとそれ以降は元の略水平な状態に戻る。
【0048】座部15が前進移動すると、バックレスト
70は座部15に引きずられて前方へ移動すると同時に
後方へ最大角度傾倒し、略水平な状態となる。すなわ
ち、バックレスト70は、連結ピン77によってスライ
ドフレーム33に連結されているので、座部15の前進
移動に伴ってスライドフレーム33と一体的に前方へ移
動する。また、転動子80はガイド溝83に沿って下方
に移動するため、バックレスト70は連結ピン77を回
動中心として後方に傾倒する。この結果、バックレスト
70、座部15、レッグレスト110およびフットレス
ト130は、略同一面を形成し、ベッド状態となる(ス
テップ207)。
【0049】ここで、リクライニング状態からベッド状
態に切り替えるには、座部15とレッグレスト110、
フットレスト130の動作に時間差をもたせている。す
なわち、レッグレスト110およびフットレスト130
が略水平な状態になった後、座部15を前進移動させる
ようにしている。このように時間差をもって動作させる
と、レッグレスト110の前方の床面に手荷物等が置か
れていても、レッグレスト110やフットレスト130
が動作するときに障害とならず、シート3を確実にベッ
ド状態にすることができる。
【0050】ベッド状態からリクライニング状態に戻す
には、モード選択をして上記したベッドスイッチを操作
すればよい。この時は、上記とは逆に先ず座部用駆動装
置60の駆動モータ61が駆動して出力ロッド62を後
退させるため、座部15が後方へ移動して元の通常位置
に復帰するとともにバックレスト70が座部15に連動
して後退する。また、バックシェル用駆動装置100も
駆動してフレーム91を介してバックレスト70を回動
させリクライニング状態にする。次に、レッグレスト用
駆動装置120が駆動してレッグレスト110を下方に
所定角度回動させ、これに連動してフットレスト130
が後退してレッグレスト110内に略半分収容される。
すなわち、レッグレスト110が略水平な状態から下方
に回動すると、駆動アーム141が図12に示す状態よ
りレッグレスト110に対して相対的に前進し、中継リ
ンク142の一端部142aを前方へ押圧するため、中
継リンク142が図12において反時計方向に回動して
ピン147が長溝149に沿って左方へ移動し、フット
レスト130を後方へ移動させる。この結果、フットレ
スト130は、レッグレスト110内に略半分収容さ
れ、ベッド状態からリクライニング状態に切り替わる。
【0051】なお、ベッド状態から直接略直立した通常
状態に切り替えるには、モード選択してベッドスイッチ
を操作すればよい。この時は、バックレスト70がリク
ライニング位置で一時停止することなく回動して略直立
した状態に戻る。また、レッグレスト110も下方に回
動して垂下状態となり、フットレスト130がレッグレ
スト110内に完全に収容される。この結果、ベッド状
態から略直立した通常状態に直ちに切り替わる。
【0052】略直立した通常状態から直接ベッド状態に
切り替えるときも、モード選択し、ベッドスイッチを操
作すればよい。この時は、先ずバックシェル用駆動装置
100が駆動してバックレスト70を所定角度傾倒さ
せ、次いでレッグレスト用駆動装置120が駆動してレ
ッグレスト110およびフットレスト130を略水平な
状態にする。その後、座部用駆動装置60が駆動して座
部15を前進移動させてバックレスト70をさらに後方
へ大きく傾倒させ略水平な状態にする。この結果、バッ
クレスト70、座部15、レッグレスト110およびフ
ットレスト130は、略同一面を形成し、略直立した通
常状態から略水平なベッド状態に切り替わる。
【0053】このように本実施の形態においては、バッ
クシェル90によって乗客のプライバシーを保護すると
ともに、通路を歩行している歩行者の安全性を向上させ
ることができる。すなわち、バックレスト70が最大角
度傾倒して略水平な状態になったとき、バックシェル9
0はリクライニング位置まで傾倒してバックレスト70
の後方および両側方を覆うため、シート3に横になると
他の乗客から見え難く、シート3に横になっている乗客
のプライバシーを保護することができる。一方、通常は
バックレスト70の後方に位置し、側方を覆っていない
ので、乗客に閉塞感または孤立感を与えることがなく、
乗客に快適さを与えることができる。また、バックシェ
ル90は、略直立した通常状態から傾倒したリクライニ
ング状態になっても、高さが大きく変化しないので、客
室の通路を歩行している乗務員や乗客が自然な歩行姿勢
でバックシェル90を触りながら歩行することができ
る。したがって、機体が揺れたり傾いたりしても転倒す
るようなことがない。さらに、傾倒時の移動量も少ない
ので、後のシートにおける他の乗客に不快感を与えるこ
ともない。
【0054】また、座部15はレッグレスト110が上
昇回動して完全に略水平な状態になった後に動作して前
進するので、シート3の前方の床面に手荷物等が置かれ
ていても、レッグレスト110が手荷物等に当たって破
損したり故障することがない。また、バックレスト70
はバックシェル90に連動して傾倒することによりリク
ライニング状態となり、その後、座部15が前進移動す
るとこれに連動して前方へ移動しつつさらに大きく傾倒
して略水平な状態になるので、人間工学的に移動時にお
ける安定感を有する。
【0055】また、シート3は、通常の略直立した状
態、リクライニング状態およびベッド状態の三つの態様
に切り替えることができるので、長時間の飛行中におい
て、単に座っているだけでなく、身体を後に倒したり、
横になって睡眠をとることができ、乗客にゆとりや快適
さを与えることができる。
【0056】なお、本実施の形態においては、シングル
タイプのシートの例を示したが、複数のシートを一体的
に連結したシートにも適用することができる。また、上
記した実施の形態においては、レッグレスト110がバ
ックレスト70に連動して上昇回動する例を示したが、
単独で上昇回動させたり、バックレスト70が傾倒する
以前に上昇回動させるようにすることも可能である。ま
た、本実施の形態においては、シートを乗客が着座した
状態で機首の方を向くように機体中心線に対して斜めに
設置したが、これに限らず、機体壁に向くように設置し
たものであってもよく、さらに機体中心線に対して垂直
に、シートどうしを平行に設置したものであってもよ
い。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる航
空機用座席装置によれば、傾倒自在なバックシェルを備
え、バックレストが略水平な状態になったとき、バック
シェルをリクライニング位置まで傾倒させ、バックレス
トの後方および両側方を覆うように構成したので、他の
乗客から見え難く、シートに横になっている乗客のプラ
イバシーを保護することができる。したがって、乗客に
快適さを与えることができる。また、バックシェルは傾
倒しても高さが大きく変化せず、バックレストが略水平
な状態に傾倒したとき、これより高さが高いので手摺り
として機能する。したがって、客室の通路を歩行してい
る乗務員や乗客が自然な歩行姿勢でバックシェルを触り
ながら歩行することができ、機体が揺れたり傾いたりし
ても転倒するようなことがない。さらに、後方への移動
量も少ないので、後のシートにおける他の乗客に不快感
を与えることもない。
【0058】また、本発明は、シートを通常状態よりベ
ッド状態に切り替えるとき、レッグレストが上昇回動し
て完全に略水平な状態になった後に座部を前進動作させ
るように構成したので、シートの前方の床面に手荷物等
が置かれていても、レッグレストが手荷物等に当たって
レッグレスト自体が破損したり故障したり、手荷物等が
破損したり傷ついたりすることがない。さらに、本発明
はバックレストが傾倒してリクライニング状態となった
後、座部が前進移動し、これに連動してバックレストも
前方へ移動しつつさらに大きく傾倒して略水平な状態に
なるように制御しているので、人間工学的に移動時にお
ける安定感を有し、より快適性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る座席装置が設置された航空機の
ファーストクラスの客室を示す平面図である。
【図2】 同座席装置を一部破断して左斜め前方から見
た外観斜視図である。
【図3】 同座席装置を右斜め後方から見た外観斜視図
である。
【図4】 同座席装置の平面図である。
【図5】 同座席装置の主要構成部材の分解斜視図であ
る。
【図6】 通常状態における座部、バックレスト、レッ
グレスト、フットレストおよび駆動装置の状態を示す図
である。
【図7】 リクライニング状態における座部、バックレ
スト、レッグレスト、フットレストおよび駆動装置の状
態を示す図である。
【図8】 ベッド状態における座部、バックレスト、レ
ッグレスト、フットレストおよび駆動装置の状態を示す
図である。
【図9】 (A)、(B)はスライド機構を示す断面図
および平面図である。
【図10】 通常状態におけるレッグレストと引出し機
構の状態を示す図である。
【図11】 リクライニング状態におけるレッグレスト
と引出し機構の状態を示す図である。
【図12】 ベッド状態におけるレッグレストと引出し
機構の状態を示す図である。
【図13】 引出し機構の側面図である。
【図14】 シートを通常状態からリクライニング状態
にするときのフローチャートである。
【図15】 シートをリクライニング状態からベッド状
態にするときのフローチャートである。
【符号の説明】
1…機体、2…客室、3…シート、15…座部、16…
アームレスト、38…スライド機構、60…座部用駆動
装置、70…バックレスト、90…バックシェル、10
0…バックシェル用駆動装置、110…レッグレスト、
120…レッグレスト用駆動装置、130…フットレス
ト、140…引出し機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B64D 11/06 A47C 1/035

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空機の客室に設置される航空機用座席
    装置において、進退自在で通常状態からリクライニング状態を経てベッ
    ド状態に切り替えられるとき前進する座部と、 前記座部の前端部下方に回動自在に取付けられ通常状態
    において垂下した状態に保持されているレッグレスト
    と、 前記座部に下端が連結され通常は略直立した状態に保持
    されておりリクライニング状態を経て略水平なベッド状
    態に傾倒するバックレストと、 前記バックレストの後方に傾倒自在に設けられて通常は
    略直立した状態に保持されており、前記バックレストに
    連動して傾倒するとリクライニング位置に保持されるバ
    ックシェルとを備え、 前記バックシェルは、前記バックレストの通常状態およ
    びリクライニング状態において、高さがバックレストの
    高さより低く、前記バックレストが最大角度傾倒して略
    水平なベッド状態になった状態において 上面高さがバッ
    クレストより高いことを特徴とする航空機用座席装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の航空機用座席装置におい
    て、レッグレストは、バックレストがリクライニング状態に
    切り替えられると、上昇回動して前記バックレストと略
    同一角度傾斜した状態に保持され、 座部、前記バックレストおよび前記レッグレストをベッ
    ド状態にするモードが選択されたときは、前記バックレ
    ストがリクライニング状態になり、この状態からバック
    レストおよび座部が前進し、この座部の前進以前に前記
    レッグレストが上昇回動して略水平な状態になり前記座
    部および前記バックレストと略同一面を形成するように
    制御されることを特徴とする航空機用座席装置。
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