JP3335375B2 - 電子ビーム加熱式蒸着装置および蒸着方法 - Google Patents

電子ビーム加熱式蒸着装置および蒸着方法

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JP3335375B2 JP15543892A JP15543892A JP3335375B2 JP 3335375 B2 JP3335375 B2 JP 3335375B2 JP 15543892 A JP15543892 A JP 15543892A JP 15543892 A JP15543892 A JP 15543892A JP 3335375 B2 JP3335375 B2 JP 3335375B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺フィルムを走行さ
せつつ、その表面に金属やセラミックスの蒸着膜を形成
するための電子ビーム加熱式蒸着装置および蒸着方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子ビームで蒸着材料を加熱し、基材に
その薄膜を形成する電子ビーム加熱式蒸着は、高融点材
料の蒸発が可能であり、また、高純度の膜を安定して蒸
着できる方式として知られており、近年の樹脂製フィル
ムの高機能化が要望される中で、金属やセラミックス等
の蒸着に多用され始めている。
【0003】フィルム用の電子ビーム加熱式蒸着装置
は、一般に、電子ビームを発生する電子ビーム発生機構
と、電子ビームの照射位置に蒸着材料を保持する蒸着材
料保持部と、この蒸着材料保持部に対し外周面の一部を
対向させて設けられ、駆動機により回転駆動される冷却
ドラムと、この冷却ドラムの前記外周面の一部にフィル
ムを巻回した状態でフィルムを走行させるフィルム走行
手段と、冷却ドラムと蒸着材料保持部との間に配置さ
れ、冷却ドラムのフィルム巻回部分の蒸着領域と対向し
て蒸気通過口が形成された隔壁と、以上の各機構を収容
する真空容器とを具備するものである。
【0004】ところで、最近では、蒸着フィルムの生産
効率を向上するために、幅がより大きいフィルムを使用
する要望が高まっているが、フィルムの幅寸法が大きく
なると、フィルムの全幅に均一に蒸着材料を付着できる
ように、大出力の電子ビーム発生機構を使用しなければ
ならない。しかし、電子ビーム発生機構を大出力化する
と、蒸着材料からフィルムへの輻射熱量が多くなり、フ
ィルムが昇温して冷却ドラムから部分的に浮き上がり、
さらに昇温して弛みや皺を生じやすいという欠点があっ
た。
【0005】このような欠点を改善する試みとして、特
開平2−247383号公報では、蒸着の前工程とし
て、 a.冷却ドラムへのフィルム巻回開始位置で、フィルム
にAr等のイオンを照射することにより、フィルムの帯
電を予め中和し、冷却ドラムへ皺なくフィルムが巻回さ
れるようにする帯電除去工程、 b.フィルム巻回開始位置から蒸着位置までの間におい
て、電子銃によりフィルムに電子ビームを照射し、フィ
ルムを帯電させて冷却ドラムに吸着させる帯電吸着工
程、を設けたフィルム蒸着方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
蒸着方法では、装置の構成が複雑で設備コストが高いう
え、イオン発生機構へのイオン源供給や電子銃のメンテ
ナンス等が必要で運転操作が煩雑であり、さらにガスを
真空容器内に導入するため、真空排気系への負担が大き
いという欠点があった。
【0007】また、フィルムの幅方向全域に亙って均一
にイオン照射および電子ビーム照射を行わなければなら
ないが、フィルムが幅広の場合には、イオン照射および
電子ビーム照射を均一に行うために、これらの照射機構
をフィルム幅方向に向けて走査させる走査駆動系が必要
になり、均一照射が困難になるうえ、フィルムの走行速
度が律速されるという欠点もあった。
【0008】さらに、電子銃により電子ビームを直接フ
ィルムに照射すると、蒸着後にフィルムに残る電荷量が
多すぎ、冷却ドラムからフィルムを引き離す際に冷却ド
ラムとフィルムの間で放電が生じ、フィルムを損傷する
おそれがある。したがって、上記装置では、蒸着後のフ
ィルムを真空槽内にガスを導入しながら、グロー放電処
理を行なったり、あるいは蒸着後のフィルムに再びイオ
ン照射して電荷を中和するなどの対策が必要で、ますま
す装置の構造が複雑化する。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、単純な構成によりフィルムを均一にかつ穏やかに帯
電させることができ、フィルムの皺や弛み発生を防止し
得る電子ビーム加熱式蒸着装置および蒸着方法を提供す
ることを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電子ビーム
加熱式蒸着装置は、電子ビームを発生させる電子ビーム
発生機構と、前記電子ビームの照射位置に蒸着材料を保
持する蒸着材料保持部と、この蒸着材料保持部に対し外
周面の一部を対向して設けられ、駆動機により回転駆動
される冷却ドラムと、この冷却ドラムの前記外周面の一
部にフィルムを巻回した状態でフィルムを走行させるフ
ィルム走行手段と、前記冷却ドラムと前記蒸着材料保持
部との間に配置され前記冷却ドラムのフィルム巻回部分
の蒸着領域と対向して蒸気通過口が形成された隔壁と、
以上の各機構を収容する真空容器とを具備し、隔壁に
は、蒸気通過口よりもフィルム走行方向上流側で、かつ
冷却ドラムのフィルム巻回部分と対向する位置に、前記
電子ビーム発生機構から生じた浮遊電子をフィルムに導
入するための浮遊電子取入口が形成されており、隔壁に
対して浮遊電子取入口は蒸着材料保持部から発せられる
蒸気が直接流入しない位置に設けたことを特徴とする
【0011】また本発明に係る電子ビーム加熱式蒸着装
置は、電子ビームを発生させる電子ビーム発生機構と、
電子ビームの照射位置に蒸着材料を保持する蒸着材料保
持部と、この蒸着材料保持部に対し外周面の一部を対向
して設けられ、駆動機により回転駆動される冷却ドラム
と、この冷却ドラムの前記外周面の一部にフィルムを巻
回した状態でフィルムを走行させるフィルム走行手段
と、冷却ドラムと前記蒸着材料保持部との間に配置され
冷却ドラムのフィルム巻回部分の蒸着領域と対向して蒸
気通過口が形成された隔壁と、以上の各機構を収容する
真空容器とを具備する電子ビーム加熱式蒸着装置におい
て、浮遊電子取入口と蒸着材料保持部との間には、蒸着
材料保持部から放出された蒸気が浮遊電子取入口から直
接流入することを阻止する遮蔽体が設けられていること
特徴とする
【0012】また、前記電子ビーム発生機構から生じた
浮遊電子の流路中に、前記冷却ドラムの軸線と平行な磁
場を発生させ、前記蒸着材料保持部から放出された浮遊
電子の進路を前記浮遊電子取入口に向けて曲げる磁場発
生機構が設けられていてもよい。さらに、前記浮遊電子
取入口の開閉量を調整するためのシャッタ機構が設けら
れていてもよい。
【0013】一方、本発明に係る電子ビーム加熱式蒸着
方法は、真空中で、冷却ドラムの外周面の一部にフィル
ムを巻回した状態でフィルムを走行させつつ、フィルム
巻回部分と対向配置された蒸着材料に電子ビームを照射
し、蒸着材料から発生する蒸気を、前記冷却ドラムと前
記蒸着材料保持部との間に配置された隔壁に形成された
蒸気通過口を通じて前記フィルム巻回部分の一部に付着
させるとともに、前記電子ビームが蒸着材料で反射して
生じた浮遊電子を、前記隔壁に形成された浮遊電子取入
口から取り入れることにより、蒸着領域よりもフィルム
走行方向上流側においてフィルムに浮遊電子を供給し、
フィルムを帯電させて、フィルムを冷却ドラムに吸着さ
せることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明に係る電子ビーム加熱式蒸着装置および
蒸着方法では、蒸着材料に照射された電子ビームが反射
して生じた浮遊電子の一部が、隔壁に形成された浮遊電
子取入口を通ってフィルムに接触することにより、フィ
ルムを帯電させる。帯電したフィルムは冷却ドラムに吸
着するため、蒸着材料からの熱輻射量が大きい場合に
も、フィルムが冷却ドラムから浮き上がりにくく、皺や
弛みが生じることが防止できる。
【0015】このように浮遊電子を用いてフィルムを帯
電させるので、電子銃で強制的に電子ビームを照射する
などの手段に比して、装置構成が単純化できるうえ、穏
やかな条件で均一にフィルムを帯電させることが容易で
ある。
【0016】
【実施例】図1は、本発明に係る電子ビーム加熱式蒸着
装置の第1実施例を示す概略図である。図中符号1は金
属等からなる円筒状の冷却ドラムであり、図示しない駆
動装置により回転駆動される。冷却ドラム1の外周面の
一部には、長尺のフィルムFがドラム周方向に向けて巻
回され、アンコイラ2およびリコイラ4の間で連続走行
されるようになっている。冷却ドラム1のフィルム巻回
部と対向して蒸着材料保持部6が配置され、その内部に
は金属やセラミックス等の蒸着材料8が収容されてい
る。
【0017】蒸着材料保持部6のリコイラ4寄りの側方
には、電子銃等の電子ビーム発生機構10が配置され、
この電子ビーム発生機構10から発生される電子ビーム
12が、図示しない磁界発生機構が発生する磁界により
曲げられて蒸着材料8に照射される。形成すべき蒸着膜
の幅が大きければ、電子ビーム発生機構10をフィルム
Fの幅方向へ走査させてもよい。電子ビーム12により
蒸着材料8が加熱され、その蒸気14が冷却ドラム1に
向けて放射される。同時に、電子ビーム12の一部が蒸
着材料8で反射あるいは散乱して浮遊電子20となり、
これら浮遊電子20は、冷却ドラム1の近傍、特にフィ
ルム巻回部のフィルム走行方向上流側において、比較的
高密度に溜る。
【0018】なお、電子ビーム発生機構10は図示の位
置に限定されるものではなく、電子ビーム12を蒸着材
料8に照射できれば、設置位置は任意に変更してよい。
ただし、電子ビーム発生機構10が図示の位置にある場
合、冷却ドラム1のフィルム巻回部の上流側位置で浮遊
電子密度が高くなるので、本発明には好都合である。
【0019】冷却ドラム1と蒸着材料保持部6との間に
は、隔壁16が設けられている。この隔壁16は、冷却
ドラム1を収容する半円筒状部分16Aを有し、この半
円筒状部分16Aの内周面と、冷却ドラム1のフィルム
巻回部の外周面との間には、一定の間隙が形成されてい
る。
【0020】半円筒状部分16Aには、蒸着材料保持部
6と対向する位置に、長方形状の蒸気通過口18が冷却
ドラム1の軸線方向へ向けて形成されている。この蒸気
通過口18は、冷却ドラム1のフィルムFの蒸着幅と同
じ全長を有する。
【0021】隔壁16にはまた、蒸気通過口18よりも
フィルム走行方向上流側で、かつフィルム巻回部の一部
と対向する位置に、フィルムFの蒸着幅と同じ全長を有
する長方形状の浮遊電子取入口22が、冷却ドラム1の
軸線方向へ向けて形成されている。なお、浮遊電子取入
口22は、蒸着材料8から発せられる蒸気14が浮遊電
子取入口22を通過することがないように、浮遊電子取
入口22の、フィルム走行方向下流側の開口縁とドラム
中心Oとを結ぶ線分と、前記開口縁と蒸着材料8とを結
ぶ線分のなす角度αが90゜より小となるように設定す
ることが望ましい。
【0022】浮遊電子取入口22の開口幅が大きくなる
と、フィルムFの帯電量が増し、冷却ドラム1への吸着
力が増す。したがって、浮遊電子取入口22の開口幅
は、フィルムFの帯電量が最適となるように、実験によ
り決定されるべきである。
【0023】次に、上記装置を用いた蒸着方法を説明す
る。まず真空容器内を減圧したうえ、電子ビーム発生機
構10を作動させ、蒸着材料8に電子ビーム12を照射
して連続的に蒸気14を発生させつつ、アンコイラ2か
らリコイラ4へとフィルムFを走行させる。蒸着材料8
から放射状に放出された蒸気14は、蒸気通過口18を
通過して連続走行するフィルムFに付着し、蒸着膜が形
成される。
【0024】一方、蒸着材料8に照射された電子ビーム
12の一部は、蒸着材料8で反射または散乱し、浮遊電
子20を生じる。そしてこの浮遊電子20の一部は、隔
壁16に形成された浮遊電子取入口22を通ってフィル
ムFに接触し、フィルムFを帯電させる。帯電したフィ
ルムFは冷却ドラム1に吸着するため、蒸着材料8から
の熱輻射量が大きい場合にも、フィルムFが冷却ドラム
1から浮き上がりにくく、皺や弛みを生じることが防止
できる。
【0025】このように、浮遊電子20を用いてフィル
ムFを帯電させるので、電子銃で強制的に電子ビームを
照射するなどの手段に比して、装置構成がはるかに単純
化できるうえ、浮遊電子20は互いの間に働く反発力に
より均一に分散するため、フィルムFを全面に亙って均
一に帯電させることが容易で、フィルムFの冷却ドラム
1への吸着力を均一化することができ、皺および弛みの
防止効果が高い。
【0026】次に、図2は本発明の第2実施例を示す図
である。この例では、先の実施例の構成に加えて、浮遊
電子取入口22のフィルム走行方向下流側の開口縁に起
立する遮蔽板24(遮蔽体)を隔壁16と一体に形成
し、蒸着材料保持部6と浮遊電子取入口22の間を浮遊
電子取入口22の全長に亙って遮ったことを特徴とす
る。
【0027】この例によれば、遮蔽板24により浮遊電
子取入口22からの蒸気14の流入を防ぐことができ
る。したがって、蒸気通過口18に対して浮遊電子取入
口22を近づけることが可能となり、その分、浮遊電子
20の流入密度を強めることが可能である。なお、浮遊
電子20の運動はランダムであるから、遮蔽板24は浮
遊電子20の浮遊電子取入口22への流入を妨げない。
【0028】図3は本発明の第3実施例を示す図であ
る。この例では、第1実施例の装置の構成に加え、磁界
発生機構26を設け、浮遊電子20の流れを積極的に浮
遊電子取入口22内に導入することを特徴とする。磁界
発生機構26は、浮遊電子取入口22の長手方向両端の
近傍に配置された一対の磁極(図示略)を有し、これら
磁極に磁力を継続的に発生させることにより、浮遊電子
取入口22の長手方向に延びる磁界を形成する。この磁
界により、蒸着材料8から反射された未だ運動エネルギ
ーを有する浮遊電子20の流れを、浮遊電子取入口22
に向けて方向転換させる。
【0029】この例の磁界発生機構26は、図3の紙面
手前から向こう側に向かう磁界が形成される。この磁界
から浮遊電子20はローレンツ力を受け、浮遊電子取入
口22内に飛び込むように設定されている。さらには、
磁界を組み合わせて同様の効果を得てもよい。
【0030】上記のように磁界発生機構26を使用して
浮遊電子20の流れを制御する場合には、フィルムFへ
の電荷付与を高能率で行うことができるため、フィルム
Fの走行速度を高めた場合や帯電しにくい(例えば厚
い)フィルムFを使用した場合にも、冷却ドラム1に対
するフィルムFの吸着力を十分に確保することが可能で
ある。
【0031】図4は本発明の第4実施例を示す図であ
り、この例では、浮遊電子取入口22の開口幅を変更し
うるシャッタ28を付設したことを特徴とする。このシ
ャッタ28は、浮遊電子取入口22の全長に亙る長さを
有し、図示しない支持機構により半円筒状部分16Aの
外周に沿って浮遊電子取入口22と平行を保ちつつ移動
可能に支持されている。
【0032】このようなシャッタ28を設けると、浮遊
電子取入口22から流入する浮遊電子20の量を任意に
変更することができる。したがって、冷却ドラム1への
吸着力を高める必要がある厚肉のフィルムFを使用する
場合には浮遊電子取入口22を広く空け、吸着力が小さ
くてよい薄いフィルムFを使用する場合には浮遊電子取
入口22を狭くするなどの調整が容易になり、最適な吸
着力に設定することができる。
【0033】なお、本発明は上記各実施例のみに限定さ
れるものではなく、各実施例の構成を組み合わせてもよ
いし、必要に応じて新たな構成を追加してもよい。例え
ば、冷却ドラム1の周囲の浮遊電子20の密度分布の高
低に合わせて浮遊電子取入口22の開口幅をその長手方
向に変化させてもよいし、開口幅が長手方向に異なるシ
ャッタを浮遊電子取入口22に取り付けてもよい。
【0034】
【実験例】図1に示した構成を有する電子ビーム加熱式
蒸着装置を実際に作成し、浮遊電子取入口22を形成し
た場合(実験例)と、形成しない場合(比較例)でフィ
ルムFの皺発生を比較した。
【0035】実験条件は以下の通りである。 フィルムF:厚さ25μm、幅500mm、PET製 蒸着材料8:Ti 蒸着膜厚:1000オングストローム 真空度:5×10-3pa 電子ビーム発生機構10:電子衝撃陰極式自己加速型電
子銃(90゜偏向) 加速電圧:30kV エミッション電流:2A 電子銃のスキャン幅:500mm 蒸着材料保持部6とフィルムF間の距離:250mm 冷却ドラム1の外径:400mm 浮遊電子取入口22の寸法:100×500mm フィルムFの走行速度:10m/分
【0036】その結果、浮遊電子取入口22を形成した
実験例では、フィルムFに輻射熱による皺や弛みは発生
しなかったが、浮遊電子取入口22を形成しなかった比
較例では、フィルムFに、その長さ方向に延びる3本の
皺が生じた。したがって、浮遊電子取入口22の形成に
よりフィルムFを十分に帯電できたことが明かである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電子
ビーム加熱式蒸着装置および蒸着方法によれば、蒸着材
料に照射された電子ビームが反射して生じた浮遊電子の
一部が、隔壁に形成された浮遊電子取入口を通ってフィ
ルムに接触し、フィルムを帯電させる。帯電したフィル
ムは冷却ドラムに吸着するため、蒸着材料からの熱輻射
量が大きい場合にも、フィルムが冷却ドラムから剥離し
にくく、皺や弛みが生じることが防止できる。
【0038】このように浮遊電子を用いてフィルムを帯
電させるので、電子銃で強制的に電子ビームを照射する
などの手段に比して、装置構成が単純化できるうえ、穏
やかな条件で均一にフィルムを帯電させることが容易で
あり、フィルム走行速度を律速するようなこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子ビーム加熱式蒸着装置の第1
実施例を示す概略図である。
【図2】本発明の装置の第2実施例を示す概略図であ
る。
【図3】本発明の装置の第3実施例を示す概略図であ
る。
【図4】本発明の装置の第4実施例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
F フィルム 1 冷却ドラム 2 アンコイラ(フィルム走行手段) 4 リコイラ(フィルム走行手段) 6 蒸着材料保持部 8 蒸着材料 10 電子ビーム発生機構 12 電子ビーム 14 蒸気 16 隔壁 18 蒸気通過口 20 浮遊電子 22 浮遊電子取入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを発生させる電子ビーム発生
    機構と、前記電子ビームの照射位置に蒸着材料を保持す
    る蒸着材料保持部と、この蒸着材料保持部に対し外周面
    の一部を対向して設けられ、駆動機により回転駆動され
    る冷却ドラムと、この冷却ドラムの前記外周面の一部に
    フィルムを巻回した状態でフィルムを走行させるフィル
    ム走行手段と、前記冷却ドラムと前記蒸着材料保持部と
    の間に配置され前記冷却ドラムのフィルム巻回部分の蒸
    着領域と対向して蒸気通過口が形成された隔壁と、以上
    の各機構を収容する真空容器とを具備する電子ビーム加
    熱式蒸着装置において、 前記隔壁には、前記蒸気通過口よりもフィルム走行方向
    上流側で、かつ冷却ドラムのフィルム巻回部分と対向す
    る位置に、前記電子ビーム発生機構から生じた浮遊電子
    をフィルムに導入するための浮遊電子取入口が形成され
    おり、 前記隔壁に対して前記浮遊電子取入口は前記蒸着材料保
    持部から発せられる蒸気が直接流入しない位置に設けた
    ことを特徴とする電子ビーム加熱式蒸着装置。
  2. 【請求項2】 電子ビームを発生させる電子ビーム発生
    機構と、前記電子ビームの照射位置に蒸着材料を保持す
    る蒸着材料保持部と、この蒸着材料保持部に対し外周面
    の一部を対向して設けられ、駆動機により回転駆動され
    る冷却ドラムと、この冷却ドラムの前記外周面の一部に
    フィルムを巻回した状態でフィルムを走行させるフィル
    ム走行手段と、前記冷却ドラムと前記蒸着材料保持部と
    の間に配置され前記冷却ドラムのフィルム巻回部分の蒸
    着領域と対向して蒸気通過口が形成された隔壁と、以上
    の各機構を収容する真空容器とを具備する電子ビーム加
    熱式蒸着装置において、 前記浮遊電子取入口と前記蒸着材料保持部との間には、
    前記蒸着材料保持部から放出された蒸気が前記浮遊電子
    取入口から直接流入することを阻止する遮蔽体が設けら
    れていることを特徴とする電子ビーム加熱式蒸着装置。
  3. 【請求項3】 前記電子ビーム発生機構から生じた浮遊
    電子の流路中に、前記冷却ドラムの軸線と平行な磁場を
    発生させ、前記蒸着材料保持部から放出された浮遊電子
    の進路を前記浮遊電子取入口に向けて曲げる磁場発生機
    構が設けられていることを特徴とする請求項1または2
    記載の電子ビーム加熱式蒸着装置。
  4. 【請求項4】 前記浮遊電子取入口の開閉量を調整する
    ためのシャッタ機構が設けられていることを特徴とする
    請求項1,2または3記載の電子ビーム加熱式蒸着装
    置。
  5. 【請求項5】 真空中で、冷却ドラムの外周面の一部に
    フィルムを巻回した状態でフィルムを走行させつつ、フ
    ィルム巻回部分と対向配置された蒸着材料に電子ビーム
    を照射し、蒸着材料から発生する蒸気を、前記冷却ドラ
    ムと前記蒸着材料保持部との間に配置された隔壁に形成
    された蒸気通過口を通じて前記フィルム巻回部分の一部
    に付着させるとともに、前記電子ビームが蒸着材料で反
    射して生じた浮遊電子を、前記隔壁に形成された浮遊電
    子取入口から取り入れることにより、蒸着領域よりもフ
    ィルム走行方向上流側においてフィルムに浮遊電子を供
    給し、フィルムを帯電させて、フィルムを冷却ドラムに
    吸着させることを特徴とする電子ビーム加熱式蒸着方
    法。
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CN115305455A (zh) * 2022-07-19 2022-11-08 广东腾胜科技创新有限公司 一种锂电复合集流体卷对卷镀膜方法及其电场吸附装置

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