JP3334959B2 - 含フッ素ビニルエーテル共重合体 - Google Patents

含フッ素ビニルエーテル共重合体

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JP3334959B2 JP24001393A JP24001393A JP3334959B2 JP 3334959 B2 JP3334959 B2 JP 3334959B2 JP 24001393 A JP24001393 A JP 24001393A JP 24001393 A JP24001393 A JP 24001393A JP 3334959 B2 JP3334959 B2 JP 3334959B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐水性、撥水性の優れ
た共重合体に関する。さらに、詳しくはビニルエーテル
単量体と特定量の含フッ素アルキルビニルエーテルとの
共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニルエーテル単量体の単独重合体およ
び共重合体は、例えば、炭化水素系溶媒との溶解性等が
良く、また、種々の基材に塗布したときに良好な接着性
を有するため、塗料、表面コーティング剤などのさまざ
まな用途において有用な樹脂として広く使用されてい
る。しかし、これらビニルエーテル単量体からなる樹脂
は撥水性が低くまた吸水性が大きく、湿った空気中ある
いは水中では耐侯性やその他の諸物性が悪くなり、用途
によっては大きな問題となっていた。
【0003】そこで、これらの樹脂に耐水性を付与する
方法が過去さまざまに検討されてきた。こうした方法の
中に、上記ビニルエーテル単量体から得られた樹脂に含
フッ基重合体を混合して耐水性樹脂組成物とする方法が
提案されている。例えば、特開昭60−40161号公
報、特開昭59−189108号公報、特開昭61−1
48256号公報等には、含フッ素重合体を耐水性改良
剤として配合させることが記載されている。しかし、こ
うしたポリマーブレンドは、混合状態によって耐水性の
効果が異なるため、加工上の配慮が必要となる。特に、
高耐水性を樹脂に付与したい場合には、改質剤中のフッ
素含量を多くしなければならず、そうした際には、かか
るビニルエーテル樹脂と含フッ素重合体の混合が非常に
困難になる欠点を有する。
【0004】従って、これらビニルエーテル単量体から
得られる樹脂本来の特性を損なわずに、良好な耐水性を
有する共重合体が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況から本発明
は、エステル結合含有単量体と共重合性良く重合するフ
ッ素系単量体を用いることによって、良好な撥水性及び
高耐水性を有する樹脂を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定構造の
含フッ素アルキルビニルエーテルがビニルエーテル単量
体と共重合しやすいこと、および、この含フッ素アルキ
ルビニルエーテルを40〜60モル%の範囲でビニルエ
ーテル単量体と共重合させた共重合体が、優れた耐水性
および撥水性を有することを見いだし、本発明を完成さ
せるに至った。
【0007】即ち、本発明は、下記式(1)
【0008】
【化4】
【0009】(但し、Rは、アルキル基である。)で示
されるビニルエーテル単量体単位40〜60モル%と、
下記式(2)
【0010】
【化5】
【0011】(但し、Rfは、パーフルオロアルキル
基、または
【0012】
【化6】
【0013】(但し、pは0以上の整数である。)であ
る。)で示される含フッ素ビニルエーテル単量体単位6
0〜40モル%とからなる数平均分子量が2,000〜
200,000である含フッ素ビニルエーテル共重合体
である。
【0014】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
を構成する単量体単位のうち、ビニルエーテル単量体単
位は下記式(1)で示される化合物である。
【0015】
【化7】
【0016】かかる上記式(1)中、Rは、アルキル基
である。Rで示されるアルキル基は、特に制限されるも
のではないが、重合性と実用性を勘案すると、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の直鎖、
または分岐鎖状の炭素数1〜10の範囲のものであるこ
とが好ましい。本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合
体において、上記式(1)で示されるビニルエーテル単
量体単位は、同種のものだけでなく二種以上が併用して
共重合されていても良い。
【0017】次に、本発明の含フッ素ビニルエーテル共
重合体を構成する単量体単位のうち、含フッ素ビニルエ
ーテル単量体単位は下記式(2)で示される。
【0018】
【化8】
【0019】かかる上記式(2)中、Rfは、パーフル
オロアルキル基、または
【0020】
【化9】
【0021】(但し、pは0以上の整数である。)であ
る。上記Rfのパーフルオロアルキル基の炭素数は特に
制限されないが、撥水性の効果とコスト或いは原料の入
手の容易さを勘案すると1〜12の範囲であることが好
ましい。具体的には、−CF3,−CF2CF3,−CF2
CF2CF3,−CF2(CF2CF2pCF3(p=1〜
4)等をあげることができる。また、上記
【0022】
【化10】
【0023】で示される基のうち、pは、0以上の整数
であるが、好適には0〜3であるのが好ましい。
【0024】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、後述する如く通常、下記式(3)
【0025】
【化11】
【0026】(但し、Rは、アルキル基である。)で示
されるビニルエーテル単量体と、下記式(4)
【0027】
【化12】
【0028】(但し、Rfは、パーフルオロアルキル
基、または
【0029】
【化13】
【0030】(但し、pは0以上の整数である。)であ
る。)で示される含フッ素ビニルエーテル単量体とを同
時に仕込んで共重合させることにより得られる。その
際、該ビニルエーテル単量体と含フッ素ビニルエーテル
単量体とが結合する反応性は、これらの単量体の各同種
のもの同士が結合する反応性よりも著しく高い。従っ
て、本発明の共重合体において、共重合体中に含まれる
前記式(1)で示されるビニルエーテル単量体単位、お
よび式(2)で示される含フッ素ビニルエーテル単量体
単位の各含有量は、前記式(1)で示されるビニルエー
テル単量体単位が40〜60モル%、好ましくは45〜
60モル%の範囲であり、式(2)で示される含フッ素
ビニルエーテル単量体単位が60〜40モル%、好まし
くは55〜40モル%の範囲であり、通常、この範囲を
外れて、一方の単量体のみを多量に共重合体成分として
重合させることは困難である。また、こうした単量体の
反応性の違いから該共重合体中において、上記式(1)
で示されるビニルエーテル単量体単位と式(2)で示さ
れる含フッ素ビニルエーテル単量体単位の配列は、通
常、大部分がこの異種の単量体単位が交互に結合した形
態である。
【0031】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(以下、1H−NM
Rという)を測定することにより、化合物を容易に同定
することができる。即ち、本発明の含フッ素ビニルエー
テル共重合体は、まず、δ4.2ppm付近に前記式
(2)
【0032】
【化14】
【0033】で示される含フッ素ビニルエーテル単量体
単位のエーテル基に隣接するメチレン基のプロトンに基
づくピークが観察される。
【0034】また、本発明の含フッ素ビニルエーテル共
重合体において、一つのビニルエーテル単量体単位の前
後に結合する、他のビニルエーテル単量体単位および含
フッ素ビニルエーテル単量体単位の配列順序は、以下の
4通りが考えられる。
【0035】 1) A−[A]−A 2) B−[A]−A A:ビニルエーテル単量体単位 3) A−[A]−B B:含フッ素ビニルエーテル単量体単位 4) B−[A]−B そして、このような異なる配列順序でビニルエーテル単
量体単位と含フッ素ビニルエーテル単量体単位とが配列
した場合、各配列における真ん中に位置するビニルエー
テル単量体単位
【0036】
【化15】
【0037】の主鎖のメチン基を構成するプロトンは、
それぞれの並びに応じて異なるピークを生じる。(ここ
で、Bの含フッ素ビニルエーテル単量体単位の結合形態
は、
【0038】
【化16】
【0039】の2つの向きがあるが、1H−NMRのピ
ークは、この結合の向きの違いにはほとんど影響を受け
ない。) 即ち、前記配列のうち1)の並びにあるものの上記メチ
ン基のプロトンのピークは3.5ppm付近に、同じ
く、前記配列のうち2)の並びにあるものの上記メチン
基のプロトンのピークは3.8ppm付近に、また、前
記配列のうち3)の並びにあるものの上記メチン基のプ
ロトンのピークは4.0ppm付近に、さらに、前記配
列のうち4)の並びにあるものの上記メチン基のプロト
ンのピークは4.4ppm付近にそれぞれ生じる。
【0040】しかして、本発明の含フッ素ビニルエーテ
ル共重合体では、前記した通りビニルエーテル単量体単
位と含フッ素ビニルエーテル単量体単位とは大部分にお
いて交互に配列しているため、通常、上記各単量体単位
の並びの違いにより生じるメチン基のプロトンに基づく
ピークは、前記4)の並びにより生じる4.4ppm付
近のピークが、他の3種のピークに比べて著しく大きく
生じる。他方、本発明の共重合体では、かかる各単量体
単位の並びの違いにより生じるメチン基のピークのう
ち、前記1)、2)、3)の並びにより生じる各ピーク
は、通常、微少なピークとしてしか生じない。特に、上
記1)の並びにより生じるピークは、このピークの発生
位置の近傍に生じる、こうしたメチン基以外の他のピー
クと重複してしまい確認できない場合もある。以上の各
単量体単位の並びの違いにより生じる該メチン基のプロ
トンに基づく各ピークの強度さから算出して、本発明の
共重合体において、一つのビニルエーテル単量体単位の
前後に結合する各単量体の配列は、通常、上記4)の並
びにあるものが60%以上であるのが一般的である。
【0041】なお、本発明の共重合体では、こうしたビ
ニルエーテル単量体単位のメチン基のプロトン由来のピ
ークの総積分値と前記含フッ素ビニルエーテル単量体単
位のメチレン基のプロトン由来のピークの総積分値を相
対的に比較することにより、それぞれの単量体単位の含
有量を知ることができる。
【0042】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、数平均分子量が2,000〜200,000の範囲
でなければならず、5,000〜100,000の範囲
であることが実用性の点で好ましい。数平均分子量が
2,000未満の共重合体は、末端基が相対的に増える
ため撥水性等の効果が低下し、本来の機能を示さない。
また、数平均分子量が200,000を越える共重合体
は一般の有機溶媒等への溶解性が悪くなるため使用方法
が限定されるため好ましくない。
【0043】本発明の含フッ素ビニルエーテル共重合体
は、特に制限されるものではないが、一般には下記の方
法により製造することができる。
【0044】下記式(3)
【0045】
【化17】
【0046】(但し、Rは、アルキル基である。)で示
されるビニルエーテル単量体40〜60モル%と、下記
式(4)
【0047】
【化18】
【0048】(但し、Rfは、パーフルオロアルキル
基、または
【0049】
【化19】
【0050】(但し、pは0以上の整数である。)であ
る。)で示される含フッ素ビニルエーテル単量体60〜
40モル%を共重合する方法である。
【0051】本発明で使用されるビニルエーテル単量体
としては、分子中に重合性基とそれに隣接したエーテル
結合とを有し、一般式(3)を満足するものであれば公
知の化合物を何ら制限なく使用することができる。具体
的に例示すれば、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビ
ニルエーテル、イソオクチルビニルエーテル等である。
これらビニルエーテル単量体は、一種あるいは二種以上
の混合物として使用しても本発明の効果は達成される。
【0052】次に、本発明で使用される含フッ素ビニル
エーテル単量体は、上記一般式(4)で示される化合物
である。
【0053】上記の含フッ素ビニルエーテル単量体は、
上述のビニルエーテル単量体との共重合性が良好であ
る。これは、含フッ素ビニルエーテル単量体のエーテル
結合している、つまりパーフルオロアルキル基と結合し
ている炭素原子が水素原子で置換されており、二重結合
の電子密度が高くなったため重合性が良好になったもの
と推定される。
【0054】上記の含フッ素ビニルエーテル単量体にお
いて、Rfは炭素数は特に制限されないが、効果とコス
トを勘案すると炭素数1〜12のものであることが好ま
しい。具体的には、−CF3,−CF2CF3,−CF2
2CF3,−CF2(CF2CF2pCF3(p=1〜
4),−CF(CF3){OCF2CF(CF3)}pOC
2CF2CF3(p=0〜3)等をあげることができ
る。
【0055】なお、これらの含フッ素ビニルエーテル単
量体は、対応する含フッ素アルコールのアルカリ金属塩
とテトラフルオロエチレンを反応することにより容易に
得ることができる。以下に、本発明で具体的に使用され
る含フッ素ビニルエーテル単量体を例示する。
【0056】
【化20】
【0057】本発明においては、一種以上のビニルエー
テル単量体40〜60モル%に対して、一種以上の含フ
ッ素ビニルエーテル単量体60〜40モル%の共重合が
行なわれる。例えば、こうした共重合は、上記単量体を
適宜に反応器に仕込み、塊状重合、溶液重合、懸濁重
合、乳化重合等いずれの方法で行なっても良い。重合に
使用する重合開始剤も公知の化合物を用いることができ
る。例えば、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート、ジプロピルパー
オキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート
類;ブチルパーオキシアセテート、ブチルパーオキシピ
バレートなどのパーオキシエステル類、アゾビスブチロ
ニトリルなどのアゾ系の過酸化物またフッ素系の過酸化
物としてパーフルオロブチルパーオキサイド、また乳化
重合では過硫酸カリウムなどである。これらの重合開始
剤を一種以上使用しても良い。
【0058】溶液重合を行なう場合には、使用する溶媒
は重合を阻害せず、また用いる単量体を溶解できるもの
であれば良い。例えば、メチルアルコール、エチルアル
コールなどのアルコール類;ヘキサン、ヘプタンなどの
脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭
化水素類;塩化メチレン、四塩化炭素、1,1,2-トリクロ
ロトリフルオロエタンなどのハロゲン系溶媒などを用い
ることができる。
【0059】また、重合温度は重合開始剤の分解温度に
依存するが通常10〜100°Cであれば重合を進行さ
せることができる。
【0060】また分子量を調節するためにメルカプタン
などの連鎖移動剤も必要により用いることができる。
【0061】
【発明の効果】本発明で得られる共重合体は、特定の含
フッ素ビニルエ−テル単量体単位を有するため、通常の
ビニルエーテル単量体から得られる樹脂に較べ、耐水
性、撥水性に優れている。このため、本発明により得ら
れる共重合体は、塗料、表面コーティング剤等として、
とくに耐水性が問題となる分野で使用することができ
る。
【0062】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、これによって本発明が限定されるものではな
い。なお、本発明で得た共重合体の解析及び物性を以下
の方法により測定した。
【0063】(1)分子量の測定 得られた共重合体0.01gをテトラヒドロフラン10
mlに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法
(GPC)により標準ポリスチレンを基準にして分子量
を測定した。
【0064】(2)接触角の測定 接触角測定機により水を使用して接触角を測定した。
【0065】実施例1 内容積100ccのフラスコ中に含フッ素ビニルエーテ
ル(Rf=C25;以下FVEともいう)34.5g,
n−ブチルビニルエーテル(以下BVEという)15.
0g,tert−ブチルパーオキシネオデカネート1
4.6mgを仕込み、液体酸素による固化、脱気を繰り
返し、系内の酸素を除去した。次に、これを密封し、5
0℃で8時間重合した。次に、この内容物をテトラヒド
ロフランに溶解し、大量のメタノール中に沈澱させ、乾
燥を行なった。ポリマー収量は19.8gで重合率40
%であった。
【0066】精製したポリマーを重水素化クロロホルム
溶媒中で1H−NMR(図1参照)を測定したところ、
OCH2CF2CF3のCH2(4.2ppm)に基づくピ
ークが観察された。また、BVE単位のメチン基に由来
するプロトンのピークが、3.8,4.0および4.4
ppmに観察された。この3種類のピークは、4.4p
pmのピークが他のピークに比較して著しく大きかっ
た。この3種類のピークの総積分値に占める、4.4p
pmのピークの積分値の割合は71%であった。さら
に、上記1H−NMRの結果より含フッ素ビニルエーテ
ル単量体単位含有量を算出したところ47.9モル%で
あった。この重合物の数平均分子量Mnは22,300
であり、重量平均分子量Mwは58,800であった。
次に、重合で得られたポリマーはキャスト法でガラス上
に塗布し、接触角を測定した。その結果を表1に示し
た。
【0067】実施例2 内容積300ccの4つ口フラスコ中に、1,1,2-トリク
ロロトリフルオロエタン50.0g、含フッ素ビニルエ
ーテル(Rf=C25)55.2g、イソプロピルビニ
ルエーテル(以下IVEという)31.0g、アゾビス
イソブチロニトリル19.7mgを仕込み、窒素でバブ
リングし系内の酸素を窒素で置換した。その後、60℃
で8時間重合した。次に反応器を冷却し、反応を停止さ
せ、未反応モノマー及び溶媒を減圧下で除去した。次に
内容物をテトラヒドロフランに溶解し、大量のメタノー
ル中に沈澱させ、乾燥を行なった。ポリマー収量は3
7.1gで重合率43%であった。
【0068】精製したポリマーを重水素化クロロホルム
溶媒中で1H−NMRを測定したところ、OCH2CF2
CF3のCH2(4.2ppm)に基づくスペクトルが観
察された。また、IVE単位のメチン基に由来するプロ
トンのピークが、3.8,4.0および4.4ppmに
観察された。この3種類のピークは、4.4ppmのピ
ークが他のピークに比較して著しく大きかった。この3
種類のピークの総積分値に占める、4.4ppmのピー
クの積分値の割合は74%であった。さらに、上記1
−NMRの結果より含フッ素ビニルエーテル単量体単位
含有量を算出したところ48.2モル%であった。この
重合物の数平均分子量Mnは12,300であり、重量
平均分子量Mwは48,700であった。次に、重合で
得られたポリマーはキャスト法でガラス上に塗布し、接
触角を測定した。
【0069】実施例3 実施例2と同様の方法で表1に示す組成で各単量体を仕
込み1,1,2-トリクロロトリフルオロエタンの代わりに水
50.0gを使用して、また分散剤として部分鹸化ポリ
酢酸ビニル2mgを用いて懸濁重合を行なったところ、
ポリマー42.2gを得た。1H−NMRの測定結果は
実施例2と同様であった。得られたポリマーを実施例2
と同様にして接触角を測定し、その結果を表1に示し
た。
【0070】実施例4 実施例3と同様の方法で表1に示す組成で各単量体を仕
込み、分散剤の代わりに界面活性剤としてドデシルスル
ホン酸ナトリウム2mgを用い、また重合開始剤として
過硫酸カリウム0.02gを用いて乳化重合を行ったと
ころ、ポリマー41.4gを得た。1H−NMRの測定
結果は実施例2と同様であった。得られたポリマーを実
施例2と同様にして接触角を測定し、その結果を表1に
示した。
【0071】実施例5〜10 表1に示した各種含フッ素アルキルビニルエーテル、ビ
ニルエーテル単量体を用い表1に示す組成で、実施例1
と同様にして共重合を行なった。重合率、1H−NMR
測定結果、接触角測定結果を表1に示した。
【0072】比較例1 内容積100ccのフラスコ中にn−ブチルビニルエー
テル(BVE)50.0g,tert−ブチルパーオキ
シネオデカネート24.4mgを仕込み、液体酸素によ
る固化、脱気を繰り返し、系内の酸素を除去した。次
に、これを密封し、50℃で8時間重合した。次に、こ
の内容物をテトラヒドロフランに溶解し、大量のメタノ
ール中に沈澱させ、乾燥を行なった。ポリマー収量は
7.0gで重合率14%であった。
【0073】この重合物の数平均分子量Mnは6,60
0であり、重量平均分子量Mwは64,500であっ
た。次に、重合で得られたポリマーはキャスト法でガラ
ス上に塗布し、接触角を測定した。その結果を表1に示
した。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られた本発明の含フッ素
ビニルエーテル共重合体のプロトン核磁気共鳴スペクト
ルのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−28206(JP,A) 特開 平2−276808(JP,A) 特開 平5−59214(JP,A) 米国特許3159609(US,A) 英国特許出願公開1292643(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 216/14 - 216/20 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) 【化1】 (但し、Rは、アルキル基である。)で示されるビニル
    エーテル単量体単位40〜60モル%と、下記式(2) 【化2】 (但し、Rfは、パーフルオロアルキル基、または 【化3】 (但し、pは0以上の整数である。)である。)で示さ
    れる含フッ素ビニルエーテル単量体単位60〜40モル
    %とからなる数平均分子量が2,000〜200,00
    0である含フッ素ビニルエーテル共重合体。
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US20070088143A1 (en) * 2005-10-19 2007-04-19 Ming-Hong Hung Alpha, alpha-dihydrofluorovinyl ethers, homopolymers and copolymers thereof

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