JP3334395B2 - 非接触給電装置 - Google Patents

非接触給電装置

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JP3334395B2
JP3334395B2 JP00519095A JP519095A JP3334395B2 JP 3334395 B2 JP3334395 B2 JP 3334395B2 JP 00519095 A JP00519095 A JP 00519095A JP 519095 A JP519095 A JP 519095A JP 3334395 B2 JP3334395 B2 JP 3334395B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非接触給電装置に関す
るものであり、詳しくは、倉庫などの構内で荷物の搬送
を自動的に行う搬送システムにおいて、荷物の搬送ルー
トに沿って構内に設置された給電ユニットから、実際に
荷物の搬送を行う移動体に対し、必要な電力を非接触で
供給するための非接触給電装置に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、倉庫などの構内で、荷物の搬送
を人手によらず自動的に行う搬送システムは、荷物の搬
送ルートに沿って構内に設置されたレール状の給電ユニ
ットと、この給電ユニットから電力の供給を定常的に受
けながら、実際に荷物の搬送を行う移動体とから構成さ
れるが、その給電ユニットから移動体に対する電力の供
給は、通常、非接触の形態(非接触給電)で行われる。
というのは、仮に、給電ユニットから移動体に対する電
力の供給を、両者を機構的に接触させて行えば(接触給
電)、実際に電力の受渡しを行う給電部(集電部を含
む)が移動体の走行に応じて摩擦されて、その移動体の
機動性が低下する結果となり、加えて、この摩擦に伴っ
て給電部が磨耗して、その給電部に関して充分な耐久性
や信頼性が得られなくなる、などといった不都合が生じ
るためである。
【0003】このため、この種の搬送システムでは、上
述の給電ユニットから移動体に対する電力の供給を非接
触で行うための特殊な機構として、非接触給電装置が用
いられている。以下、従来の搬送システムに適用されて
いる非接触給電装置の原理的構成について、図面を参照
しながら説明する。
【0004】図3は、従来の搬送システムに適用されて
いる非接触給電装置の原理構成図である。同図に示すよ
うに、まず、この従来の非接触給電装置は、搬送システ
ムの給電ユニット1自身を構成するレール部材11、お
よび平行給電線路12a,12bと、移動体2の側に装
備されるE型コア21、二次コイル22、およびモータ
駆動回路23とを中心に構成される。
【0005】このうち、給電ユニット1自身を構成する
レール部材11は、アルミニウムなどの常磁性体から成
り、その断面形状に関してはコの字状を成している。ま
た、平行給電線路12a,12bは、共に合成樹脂など
の絶縁体から成る線路支持材13a,13bにより、そ
れぞれ、レール部材11の側辺の内壁から隔絶された状
態に支持されるよう、そのレール部材11の長手方向
(図面を垂直に貫く方向)に沿って連続的に架設されて
いる。そして、以上のように構成された給電ユニット1
は、実際の搬送システムの構築にあたり、倉庫などの構
内の床面などに、荷物の搬送ルートに沿うよう所定の固
定具(図示せず)を用いて敷設され、この状態で、所定
の電源装置(図示せず)から供給される高周波電流が、
平行給電線路12a,12bに通電されるようになって
いる。
【0006】一方、移動体2の側に装備されるE型コア
21は、フェライトなどのフェリ磁性体から成り、その
向かい合う突辺同士の間に、上述の平行給電線路12
a,12bがそれぞれ位置するよう、コア保持具24、
固定シャフト25、およびシャフト保持具26を通じ
て、移動体2の筐体を成す構造部材27の一部に固定さ
れている。また、二次コイル22は、E型コア21の突
辺のうち、その中央に位置する突辺に巻回されており、
上述の平行給電線路12a,12bに通電される高周波
電流に応じて、その各々の線路の周囲に右ねじの法則に
従って生じる2つの磁束が、上述のレール部材11とE
型コア21とを磁路としながら、この二次コイル22の
内部を同じ向きに貫くようになっている(図中にある時
刻での磁束の向きを矢印でしめす)。そして、以上の原
理から、平行給電線路12a,12bと二次コイル22
との間に磁気的な結合が得られるようになって、その二
次コイル22に所定の誘導起電力が定常的に誘起される
ようになり、さらに、モータ駆動回路23が、その誘導
起電力から、この移動体2に装備される各種モータの駆
動に必要な種々の電圧を生成し、その生成した種々の電
圧の各種モータへの供給を時間的に制御するようになっ
ている。
【0007】ここで、以上のモータ駆動回路23の構成
について付言すれば、例えば、移動体2に装備される各
種モータが交流モータのみである場合には、所要の交流
電圧を得るためのインバータ回路(図示せず)が内蔵さ
れ、それに直流モータが含まれる場合には、二次コイル
22の交流電圧から所要の直流電圧を得るための整流回
路(図示せず)が内蔵され、さらに、これらの回路で得
た種々のモータ駆動用の電圧(以下、モータ駆動電圧と
いう)の出力を、プログラム制御によってオン/オフさ
せるためのマイクロ・プロセッサおよびメモリ(共に図
示せず)が内蔵される。そして、以上のモータ駆動電圧
の出力は、少なくとも、この移動体2を走行させる(荷
物を水平方向に移動させる)動力を得るための走行用モ
ータ28(交流、直流の何れでもよい)と、この移動体
2に装備される荷台(図示せず)を昇降させる(荷物を
垂直方向に移動させる)動力を得るための昇降用モータ
(交流、直流の何れでもよい。図示せず)とに接続さ
れ、このうち、走行用モータ28の駆動時に得られる動
力は、回転シャフト29を通じて、前述のレール部材1
1の上辺上に接触する走行タイヤ30に伝達されるよう
になっている。そして、この移動体2は、以上の構成を
基礎として、給電ユニット1との間で所定の相関関係を
保ちながら、荷物の搬送ルートに沿って走行するように
なる。
【0008】なお、ここでいう、給電ユニット1と移動
体2との間の所定の相関関係とは、主に、この非接触給
電装置を構成するうえで最も重要な、両者の間の距離関
係のことをいう。すなわち、非接触給電装置は、前述し
たように、接触給電によって生じる不都合(給電部の摩
擦や磨耗に伴う不都合)を避ける目的で用いられるた
め、給電ユニット1のレール部材11と移動体2のE型
コア21とが、移動体2の走行時に接触することのない
よう、図中に示すように、レール部材11の側辺の内壁
とE型コア21の突辺の先端との間に、相応の距離l
(移動体2の停止時における距離lをギャップ長gとす
る(l=g))を確保しておく必要があるわけである。
このため、実際の搬送システムでは、通常、給電ユニッ
ト1と移動体2との間の距離関係を所定の状態に保つた
めの距離保持機構(例えば、ガイド・レールなど。図示
せず)が設けられる。
【0009】ただ、実際の搬送システムでは、荷物の搬
送ルートが直線路のみで完結することはまれで、その搬
送ルートに幾つかの曲線路が存在し、この曲線路におけ
る移動体2の曲線走行時には、レール部材11の側辺の
内壁とE型コア21の突辺の先端とがかなり接近するた
め、上述の距離保持機構を設ける際には、その移動体2
の曲線走行時においても必要かつ充分な距離lが確保さ
れるよう、システム設計の段階で、ギャップ長gを比較
的大きめに選定しておく必要がある。ただし、単にこれ
に従ってギャップ長gを必要以上に大きくすると、今度
は、移動体2の直線走行時における距離l(移動体2の
停止時における距離lと実質的に等価)が大きくなり過
ぎて、平行給電線路12a,12bと二次コイル22と
の磁気的な結合が極端に弱くなり、これによって、二次
コイル22に誘起される誘導起電力が大幅に低下する可
能性があるため、この点に関しては充分に注意しなけれ
ばならない(実際には、実験的に最良点を見出せばよ
い)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、給電ユニッ
ト1から移動体2のモータ駆動回路23に供給される電
力(二次コイル22に誘起される誘導起電力)は、当然
のことながら、その大部分が、荷物の搬送に関与する走
行用モータ28や昇降用モータを駆動するために用いら
れる。そして、これらのモータには、重い荷物の搬送に
も充分に耐えうるよう、当然、大きな動力を有するもの
が用いられる。特に、昇降用モータは、荷物が乗せられ
た状態の荷台を重力に逆らって昇降させるための重要な
動力源であるため、これには特に大きな動力のものを用
いる必要があり、その荷台の昇降時に消費される電力の
最大値も、単に移動体2を走行させるだけの動力源であ
る走行用モータ28のそれと比較して格段に大きなもの
となる。
【0011】ここで、その消費電力の大きい昇降用モー
タの駆動が実際に行われるときの状況を考えた場合、仮
に、移動体2の走行時に、荷物の乗せられた状態の荷台
の昇降を行ったとすれば、その走行時の慣性により、荷
物が荷台から脱落するなどの危険性があることから、実
際には、昇降用モータの駆動時に走行用モータ28の駆
動が行われることはない。換言すれば、モータ駆動回路
23は、走行用モータ28の駆動を行っていないとき
(移動体2の停止時)に限り、昇降用モータの駆動を行
うようになっており、双方のモータの駆動を同時に行う
ことはない。したがって、モータ駆動回路23に対し、
昇降用モータ単体で消費される電力の最大値を上回る電
力が供給されさえすれば、移動体2に装備される各種モ
ータの全てが安定的に動作するようになる。
【0012】しかし、前述もしたように、昇降用モータ
で消費される電力の最大値は格段に大きいことから、実
際に必要な電力を得るには、レール部材11とE型コア
21とによって形成される磁路の磁気抵抗をできるだけ
低減させることが必要で、これを行うには、そのE型コ
ア21にかなり大きなものを用いなければならない。す
ると、レール部材11にも、E型コア21の大きさに見
合ったものを用いなければならず、その結果、この非接
触給電装置の大型化をまねくだけでなく、給電ユニット
1や移動体2の大型化も同時にまねいてしまう。これで
は、所要の搬送システムを構築するうえで、かなりの支
障をきたす結果となる。
【0013】本発明は、こうした実情に基づいて為され
たものであり、その目的は、構造的に、昇降用モータの
駆動に必要かつ充分な電力を確実に得ることの可能な、
小型の非接触給電装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも、
非磁性体から成るレール部材と、このレール部材の側辺
の内壁から隔絶された状態にそれぞれ支持されるよう、
そのレール部材の長手方向に沿って連続的に架設された
平行給電線路とを、給電ユニットの側に有するととも
に、その向かい合う突辺同士の間に平行給電線路がそれ
ぞれ位置するよう保持された、フェリ磁性体から成るE
型コアと、このE型コアの中央に位置する突辺に巻回さ
れた二次コイルと、荷台を昇降させる動力を得るための
昇降用モータとを、移動体の側に有して成る非接触給電
装置に適用され、レール部材の側辺の内壁とE型コアの
突辺の先端との間の距離を可変して、平行給電線路と二
次コイルとを磁気的に深く結合させる磁気結合可変機構
と、前記移動体が停止し、この磁気結合可変機構によっ
て平行給電線路と二次コイルとが磁気的に深く結合した
状態が得られたときに限り、昇降用モータを駆動するた
めのモータ駆動電圧の出力をオン状態に設定するモータ
駆動回路とを、有して成ることを特徴としている。
【0015】
【作用】本発明によれば、移動体は給電線路と二次コア
との磁気的な結合により二次コアに誘起される電力に基
づいて走行する。そして移動体が荷役手段により作業、
例えば荷物の昇降等を行う際には、駆動制御手段により
磁気結合可変機構を駆動させ、レール部材とコアとの距
離を短く、あるいは長くすることにより給電線路と二次
コアとの磁気的な結合を強くする。このとき移動体が給
電ユニットから得る電力はレール部材とコアとの距離を
変化させる前より増大する。従って、荷役手段による作
業に必要な電力はレール部材とコアとの距離を変化させ
ることにより確保されることになる。そのためこの荷役
手段による作業に必要な電力のために給電ユニット等を
大型化する必要がなくなる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。なお、本発明の構成は、従来のそれ
と基本的な点で同じであるので、本実施例を説明するた
めの図面には、従来の図面に示した部材と構成が同一な
ものに関し、それと対応する同じ符号を付すものとす
る。また、本発明は、従来より小型のものを提供するこ
とを目的としているが、本実施例では、便宜的に、本発
明を構成する部材の寸法が、従来のそれと同じである場
合を前提にして説明を行う。
【0017】図1は、本発明の一実施例に係る非接触給
電装置の原理構成図である。同図に示すように、この一
実施例の非接触給電装置は、従来とほぼ同様、搬送シス
テムの給電ユニット1自身を構成するレール部材11、
および平行給電線路12a,12bと、移動体20(従
来の移動体2とは異なる)の側に装備されるE型コア2
1、二次コイル22、モータ駆動回路31(従来のモー
タ駆動回路23とは異なる)、および複数の部材から成
る磁気結合可変機構(詳細は後述)とを中心に構成され
る。
【0018】このうち、給電ユニット1は、それ自身を
構成する全ての部材について、従来のそれと何ら変わる
ところはなく、その全体が、この非接触給電装置を実現
するための構成の一部を成している。
【0019】すなわち、アルミニウムなどの常磁性体か
ら成るレール部材11は、その断面形状がコの字状を成
しており、平行給電線路12a,12bは、共に合成樹
脂などの絶縁体から成る線路支持材13a,13bによ
り、それぞれ、レール部材11の側辺の内壁から隔絶さ
れた状態に支持されるよう、そのレール部材11の長手
方向に沿って連続的に架設されている。そして、以上の
構成を有する給電ユニット1は、実際の搬送システムの
構築にあたり、従来の場合と全く同様、倉庫などの構内
の床面などに、荷物の搬送ルートに沿うよう所定の固定
具を用いて敷設され、この状態で、所定の電源装置から
供給される高周波電流が、平行給電線路12a,12b
に通電されるようになっている。
【0020】一方、この非接触給電装置を実現するため
に、移動体20の側に装備される部材は、E型コア21
と二次コイル22とについては、従来のそれと全く同じ
であるが、モータ駆動回路31については、従来のそれ
に若干の機能の追加が為されており、さらに、従来の固
定シャフト25およびその周辺部材に代えて、新たに磁
気結合可変機構が設けられている。
【0021】すなわち、フェライトなどのフェリ磁性体
から成るE型コア21は、その向かい合う突辺同士の間
に、前述の平行給電線路12a,12bがそれぞれ位置
するよう、コア保持具24、およびスライド・シャフト
(例えば、ボールねじ)32を通じて、構造部材33
(従来の構造部材27とは異なる)の内部に設置された
ギア・ボックス(例えば、ウォーム・ギア)34によっ
て保持されている。そして、このギア・ボックス34に
は、E型コア21を、前述のレール部材11の奥行き方
向(図面の左右方向)に対して移動させる動力を得るた
めの移動用モータ35のシャフト(符号は付さず)が連
結されている。つまり、以上のスライド・シャフト3
2、ギア・ボックス34、および移動用モータ35によ
り、この非接触給電装置に、レール部材11の側辺の内
壁とE型コア21の突辺の先端との間の距離(詳細は後
述)を可変するための磁気結合可変機構が構成される。
また、二次コイル22は、E型コア21の突辺のうち、
その中央に位置する突辺に巻回されており、ここに、前
述の原理により、平行給電線路12a,12bに通電さ
れる高周波電流に応じて、所定の誘導起電力が定常的に
誘起され、さらに、モータ駆動回路31が、その誘導起
電力から、この移動体20に装備される各種モータの駆
動に必要な種々のモータ駆動電圧を生成し、その生成し
た種々のモータ駆動電圧の各種モータへの供給を時間的
に制御するようになっている。
【0022】ここで、以上のモータ駆動回路31で生成
される種々のモータ駆動電圧の出力は、従来と同様、少
なくとも、この移動体20を走行させる動力を得るため
の走行用モータ28と、この移動体20に装備される荷
台を昇降させる動力を得るため昇降用モータとに接続さ
れるとともに、先に説明した移動用モータ35にも接続
され、このうち、走行用モータ28の駆動時に得られる
動力は、従来と同様、回転シャフト29を通じて、レー
ル部材11の上辺上に接触する走行タイヤ30に伝達さ
れるようになっている。そして、これら種々のモータ駆
動電圧を得るために、このモータ駆動回路31には、従
来と同様、インバータ回路、整流回路、マイクロ・プロ
セッサ、メモリなどが内蔵され、特に、この非接触給電
装置におけるモータ駆動回路31にあっては、前述のス
ライド・シャフト32、ギア・ボックス34、および移
動用モータ35から成る磁気結合可変機構によって、平
行給電線路12a,12bと二次コイル22とが磁気的
に深く結合した状態が得られたときに限り、昇降用モー
タを駆動するためのモータ駆動電圧の出力をオン状態に
設定するように機能する。
【0023】すなわち、以上のモータ駆動回路31の機
能を、磁気結合可変機構との関係に基づいて説明すれ
ば、まず、実際の搬送システムでは、前述したように、
移動体20の曲線走行時に、レール部材11の側辺の内
壁とE型コア21の突辺の先端とが接触するのを避ける
ため、図中に示すように、その両者の間に、相応の距離
l(移動体20の停止時における距離lを定常ギャップ
長go とする(l=go))を確保しておかなければな
らないが、仮に、この距離lを現況よりも小さくするこ
とができれば(前述の磁路を短くすることができれ
ば)、平行給電線路12a,12bと二次コイル22と
の磁気的な結合が深まって、その二次コイル22に誘起
される誘導起電力が増加し、この結果、消費電力の大き
い昇降用モータを余裕で駆動することのできる電力がモ
ータ駆動回路31に供給されるはずである。一方、モー
タ駆動回路31により、荷台の昇降に際して昇降用モー
タの駆動が行われるのは、前述もしたように、走行用モ
ータ28の駆動が行われずに移動体20が停止している
ときに限られ、かつ、その荷台の昇降が行われるのは、
通常、荷物の搬送ルートの直線路上であるので、この状
況下においてなら、上述の距離lを、レール部材11の
側辺の内壁とE型コア21の突辺の先端とが接触しない
程度にまで小さくすることが可能である。そこで、この
非接触給電装置では、消費電力の大きい昇降用モータを
駆動するに足る電力を得るために、それ自身を大型化す
るのではなく、磁気結合可変機構とモータ駆動回路31
との機能を用いることにより、上述の状況下において、
随意に、平行給電線路12a,12bと二次コイル22
との磁気的な結合を深めようというのである。
【0024】具体的には、モータ駆動回路31は、内蔵
されたマイクロ・プロセッサ(およびメモリ)を用いて
プログラム制御を行うことにより、例えば、まず、荷
物の搬送ルートを走行中の移動体20が荷台の昇降地点
に到達したところで、走行用モータ28の駆動に係るモ
ータ駆動電圧の出力をオフ状態に設定し、次に、この
設定に応じて、移動体20が停止すると、移動用モータ
35の正転駆動(E型コア21をレール部材11に近づ
けるための駆動)に係るモータ駆動電圧の出力をオン状
態に設定して、距離lを定常ギャップ長go から所定の
ギャップ長(記号は付さず)に縮小させる(完了時の当
該モータ駆動電圧の出力はオフ状態)。そして、これに
より、平行給電線路12a,12bと二次コイル22と
が磁気的に深く結合した状態が得られると、モータ駆動
回路31は、昇降用モータの駆動に係るモータ駆動電
圧の出力をいよいよオン状態に設定して、実際に荷台を
昇降させるための一連の動作を移動体20に行わせ、さ
らに、この一連の昇降動作の完了に伴って、当該モータ
駆動電圧の出力をオフ状態に設定した後に、移動用モ
ータ35の逆転駆動(E型コア21をレール部材11か
ら遠ざけるための駆動)に係るモータ駆動電圧の出力を
オン状態に設定して、距離lを上述の所定のギャップ長
から定常ギャップ長go に戻すのである(完了時の当該
モータ駆動電圧の出力はオフ状態)。
【0025】つまり、この非接触給電装置においては、
荷台の昇降に際して移動体20が停止しているときに、
スライド・シャフト32、ギア・ボックス34、および
移動用モータ35から成る磁気結合可変機構を機能させ
ることで、レール部材11の側辺の内壁とE型コア21
の突辺の先端との間の距離lを、定常ギャップ長go
ら所定のギャップ長に縮小させて、平行給電線路12
a,12bと二次コイル22とを磁気的に深く結合させ
た状態とし、さらに、この状態が得られたときに、モー
タ駆動回路31を機能させて、昇降用モータを駆動する
ためのモータ駆動電圧の出力を初めてオン状態に設定す
ることにより、装置自身を大型化することなく、上述の
昇降用モータを駆動するに足る電力を得ているのであ
る。そして、以上の結果、この非接触給電装置によれ
ば、これを構成するレール部材11やE型コア21など
の個々の部位の寸法が従来のそれと何ら変わりはなく、
したがって、その全体の大きさも従来のそれと全く同じ
でありながら、必要時には従来より大きな電力が得られ
るようになり、仮に、ここで得ようとする電力の最大値
が従来のそれと同じレベルとなるような寸法設計を行え
ば、相対的に、本発明の目的である装置自身の小型化が
達成されようになる。
【0026】次に、以上の構成を有する非接触給電装置
の電気的特性について、実験で得られたデータに基づき
ながら考察する。なお、ここで行う考察は、二次コイル
22から実際に取り出すことのできる電力が、上述の距
離lの可変に応じてどのように変化するかに関しての考
察である。
【0027】図2(a)および(b)は、本発明の一実
施例に係る非接触給電装置の電気的特性を示す図であ
る。ただし、同図(a)は、距離lの3つの代表値につ
いての電流に対する電圧の変化の様子を示す図であり、
同図(b)は、距離lを連続的に可変したときの電力の
変化の様子を示す図である。
【0028】まず、同図(a)に示すように、距離lが
定常ギャップ長go のときには、電流の増加とともに著
しい電圧降下が生じてしまい、消費電力の大きい昇降用
モータを駆動するのには適さないことが理解される。し
かし、その距離lを縮小させ、これを定常ギャップ長g
o から負側ギャップ長g- (実験値)とすれば、予想ど
おり、電流の増加によっても電圧降下はほとんど生じな
くなり、昇降用モータを余裕で駆動できることが理解さ
れる。また、試みに、距離lを拡大させ、これを定常ギ
ャップ長go から正側ギャップ長g+ (実験値)とした
場合にも、予想に反し、あまり電圧降下は生じず、この
状況下においても、昇降用モータの駆動が充分に可能で
あることが理解される。
【0029】すなわち、同図(b)に示すように、二次
コイル22から取り出すことのできる電力が増大する距
離lは、定常ギャップ長go よりも短い地点だけに存在
しているのではなく、意外なことに、それより長い地点
にも存在しており、こうした現象が生じるのは、レール
部材11とE型コア21とを通っている磁束(図3を参
照)が、距離lを拡大させるにつれてレール部材11を
通りにくくなって、E型コア21の向かい合う突辺の先
端同士を直接経由するようになり、このときの磁路の磁
気抵抗が、本来の磁路のそれよりも低下する点が生じる
ためと考えられる。なお、この曲線をみると、距離lを
縮小させ過ぎても電力の低下が生じることが理解される
が、これは、その距離lを縮小させるにつれて、レール
部材11における渦電流損が極端に増加するためであ
る。
【0030】したがって、この非接触給電装置において
は、その運用にあたり、これまで説明したように、平行
給電線路12a,12bと二次コイル22との磁気的な
結合を、距離lを縮小させて深めるのではなく、それを
拡大させて深めることも可能なわけである。そこで、こ
の非接触給電装置では、その構造化にあたり、上述の負
側ギャップ長g- を、その周辺で供給可能電力がピーク
となる最小ギャップ長gmin (適用値)に選定するとと
もに、正側ギャップ長g+ を、同じく、その周辺で供給
可能電力がピークとなる最大ギャップ長gmax (適用
値)に選定し、さらに、この両者間をE型コア22の
「振れ幅」とするような機構設計(プログラム設計を含
む)を行えば、随意に、平行給電線路12a,12bと
二次コイル22との磁気的な結合を可変できるようにな
る。もちろん、この「振れ幅」の設定は、供給可能電力
がピークとなる何れかの点を含んでいればよく、例え
ば、それを定常ギャップ長go と最小ギャップ長gmin
との間のみ(距離lを縮小させる方向)に限定したり、
反対に、定常ギャップ長go と最大ギャップ長gmax
の間のみ(距離lを拡大させる方向)に限定することも
可能である。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、荷台の昇降に際して移動体が停止しているときに、
磁気結合可変機構を機能させることで、レール部材の側
辺の内壁とE型コアの突辺の先端との間の距離を可変し
て、平行給電線路と二次コイルとを磁気的に深く結合さ
せた状態とし、さらに、この状態が得られたときに、モ
ータ駆動回路を機能させて、昇降用モータを駆動するた
めのモータ駆動電圧の出力を初めてオン状態に設定する
ようにしたことから、装置自身を大型化することなく、
昇降用モータを駆動するに足る電力が得られるようにな
る。そして、以上の結果、本発明によれば、これを構成
するレール部材やE型コアなどの個々の部位の寸法が従
来のそれと何ら変わりはなく、したがって、その全体の
大きさも従来のそれと全く同じでありながら、必要時に
は従来より大きな電力を得ることができるようになり、
仮に、ここで得ようとする電力の最大値が従来のそれと
同じレベルとなるような寸法設計を行えば、相対的に、
本発明の目的である装置自身の小型化が達成されるよう
になる。
【0032】尚、上述の実施例ではE型コアについて説
明したが、E型コアに限らずC型コアであっても良いこ
とは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る非接触給電装置の原理
構成図である。
【図2】本発明の一実施例に係る非接触給電装置の電気
的特性を示す図である。
【図3】従来の搬送システムに適用されている非接触給
電装置の原理構成図である。
【符号の説明】
1 給電ユニット 11 レール部材 12a,12b 平行給電線路 20 移動体 21 E型コア 22 二次コイル 31 モータ駆動回路 32 スライド・シャフト 34 ギア・ボックス 35 移動用モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 5/00 B60M 7/00 B65G 43/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性体から成るレール部材と、 前記レール部材から隔絶された状態に支持されるよう該
    レール部材の長手方向に沿って連続的に架設された給電
    線路と、 を有する給電ユニットと、 前記給電線路に流れる電流による磁束の磁路を形成する
    コアと、 前記コアに巻回された二次コイルと、 前記二次コイルに誘起された電力に基づいて作業を行う
    荷役手段と、 を有する移動体と、 からなる非接触給電装置において、 前記レール部材とコアとの距離を変化させて前記給電線
    路と二次コイルとの磁気的な結合を強くする磁気結合可
    変機構と、前記移動体が停止し、 前記荷役手段により作業を行う際
    に前記磁気結合可変機構を駆動させる駆動制御手段とを
    設けたことを特徴とする非接触給電装置。
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