JP3334064B2 - エンジンの吸気制御装置 - Google Patents

エンジンの吸気制御装置

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JP3334064B2 JP11856694A JP11856694A JP3334064B2 JP 3334064 B2 JP3334064 B2 JP 3334064B2 JP 11856694 A JP11856694 A JP 11856694A JP 11856694 A JP11856694 A JP 11856694A JP 3334064 B2 JP3334064 B2 JP 3334064B2
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intake passage
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B2275/00Other engines, components or details, not provided for in other groups of this subclass
    • F02B2275/48Tumble motion in gas movement in cylinder
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸気通路内に通路面積
を可変制御する吸気制御弁を備えたエンジンの吸気制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの特に低速回転域における燃焼
状態を改善するために、気筒内に導入される吸気流に気
筒軸方向への方向性をもった縦渦、いわゆるタンブルを
発生させることが有効であることが知られている。
【0003】このタンブルを発生させる手段として、従
来例えば、吸気通路を通路軸方向に延びる隔壁で天壁側
通路と底壁側通路とに分離し、底壁側通路を開閉するバ
タフライ型の切り換え弁を備えたものがある。この例で
は、低速回転域等の吸気量の少ない運転域では、前記切
り換え弁を閉じることにより、吸入空気が吸気通路の天
壁側に偏って流れ、気筒内に気筒軸心付近から軸方向に
方向付けして導入され、その結果前記タンブルが発生す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが前記従来装置
の場合、隔壁が必要な分だけ吸気通路の形状が複雑化す
る問題がある。また、タンブルの発生は可能であるもの
の、隔壁および切り換え弁が大きな吸気抵抗となって吸
気騒音が大きくなってしまうという不具合もあった。
【0005】本願出願人は、前記吸気通路形状の複雑
化、吸気抵抗の増大を回避できる吸気制御装置として、
円柱体に吸気通路形状に対応した形状の切欠面を有する
弁部を備えた弁体を、前記吸気通路を横切るように形成
された弁穴内に回転可能に挿入配設したものを提案して
いる。
【0006】この吸気制御装置では、全閉時には前記弁
部が吸気通路面積を縮小して吸気を天壁側に偏って流す
ことができ、この偏流によってタンブルを発生できる。
一方、全開時には前記弁部が吸気通路底壁内に没入して
前記切欠面が吸気通路の内面と連続面をなし、したがっ
て吸気抵抗が増大することはない。
【0007】しかし、前記提案にかかる吸気制御弁を、
複数気筒を並列配置してなる多気筒エンジンに採用する
場合、シリンダヘッドに、前記弁体を装着するための大
掛かりな機械加工を施す必要があるが、このシリンダヘ
ッドは重量、容積共に大きいことから機械加工における
取り回しが容易ではない。
【0008】本発明の目的は、吸気通路形状が複雑化し
たり全開時の吸気抵抗が増大することがなく、かつ多気
筒エンジンの場合でも弁体装着のために過大な機械加工
を要することもないエンジンの吸気制御装置を提供する
点にある。また、本発明の別の目的は、吸気制御弁によ
り吸気を吸気通路の天壁側へ偏流させて気筒内にタンブ
ルが発生する構成を採りつつ、気筒内に気筒軸回りの旋
回流からなるスワールをも発生させることができるよう
にする点にある。さらにいえば、タンブルとスワールと
を簡単な構成によって制御できるようにすることをも目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るエンジ
ンの吸気制御装置は、シリンダヘッドの吸気通路に連通
するバルブ内吸気通路が形成された吸気制御弁用バルブ
ボディをシリンダヘッドに設け、前記バルブ内吸気通路
をシリンダヘッドの吸気通路の横断面形状に対応した形
状に形成すると共に、このバルブボディに、閉状態では
前記バルブ内吸気通路の底壁を天壁側へ移動させて吸気
流を天壁側に偏らせる弁体を設け、この弁体に吸気流を
吸気カム軸の軸方向の少なくとも一方へ向ける閉状態用
吸気ガイド溝を設けたものである。
【0010】第2の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第1の発明に係るエンジンの吸気制御装置におい
て、バルブボディをシリンダヘッドとは別体に形成した
ものである。第3の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第1または第2の発明に係るエンジンの吸気制御装
置において、吸気弁が3本設けられてシリンダヘッドの
吸気通路が吸気弁近傍で吸気弁毎に分岐されたエンジン
を採用し、吸気ガイド溝の下流端を、吸気流の上流側か
ら見て前記3つの吸気通路のうち吸気カム軸の軸端側に
位置する側部吸気通路と中央の吸気通路との間の隔壁よ
り側部吸気通路側に位置づけたものである。
【0011】第4の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第1の発明ないし第3の発明のうち何れか一つのエ
ンジンの吸気制御装置において、バルブ内吸気通路およ
びシリンダヘッドの吸気通路における弁体の吸気ガイド
溝側となる側壁を、弁体が全開状態にあるときの吸気通
路より側方へ拡げたものである。
【0012】第5の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第1の発明ないし第4の発明のうち何れか一つのエ
ンジンの吸気制御装置において、弁体の吸気ガイド溝
を、上流端から下流端へ向かうにしたがって次第に幅狭
になるよう形成したものである。
【0013】第6の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第1の発明ないし第5の発明のうち何れか一つのエ
ンジンの吸気制御装置において、弁体をその一部がバル
ブ内吸気通路の底壁内に没入する略円柱状に形成してバ
ルブボディにカム軸方向回りに回動自在に支持させ、こ
の弁体に、バルブ内吸気通路の横断面形状に対応した形
状の切欠面からなる全開用吸気ガイド溝と、吸気流をバ
ルブ内吸気通路の天壁側へ偏らせる閉状態用吸気ガイド
溝とを形成したものである。
【0014】
【0015】
【作用】第1の発明によれば、バルブ内吸気通路の底壁
が天壁側へ移動されると、吸気流がバルブ内吸気通路の
天壁側に偏るようになり、気筒内に気筒中心付近から縦
方向に流入し、タンブルが発生する。そして、弁体はバ
ルブ内吸気通路の底壁を天壁側へ移動させて閉状態にな
るので、閉状態でも吸気抵抗は小さい。また、バルブ内
吸気通路の底壁が天壁側へ移動されると、吸気流がバル
ブ内吸気通路の天壁側およびカム軸方向一方に偏るよう
になる。このため、気筒内にタンブルが発生すると共
に、気筒軸回りの旋回流からなるスワールをも発生する
ことになる。
【0016】第2の発明によれば、バルブボディおよび
弁体をユニット化してなるバルブユニットをシリンダヘ
ッドに取付ける構成になるので、大重量,大容積のシリ
ンダヘッドに対する吸気制御弁配設のための機械加工を
最小限にすることができる。なお、前記バルブユニット
自体は比較的軽量小型であり、別の製造ラインにおいて
いわゆるサブアッシーすることができるので、シリンダ
ヘッドに直接弁体を装着する場合に比較して製造組立が
容易である。
【0017】
【0018】第3の発明によれば、閉状態用吸気ガイド
溝を通った吸気は主に側部吸気通路に流されるので、気
筒内にスワールが発生する傾向が大きくなる。第4の発
明によれば、閉状態用吸気ガイド溝を通った吸気は、吸
気通路側壁の拡張部分を通って弁体が全開状態のときの
流入経路に対してより側方から側部吸気通路に流入する
ので、気筒内にスワールが発生し易くなる。
【0019】第5の発明によれば、吸気が閉状態用吸気
ガイド溝を通るときの抵抗が小さくなるので、吸気抵抗
がより一層小さくなる。その上、閉状態用吸気ガイド溝
の下流側に乱気流が発生し難く円滑に吸気が流れるの
で、吸気の流量も確保することができる。第6の発明に
よれば、バルブボディに円形の弁穴を穿設してこの弁穴
に弁体を嵌合させることによって吸気制御装置が組立て
られる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に沿って説
明する。図1ないし図11は第1〜第6の発明に係る一
実施例によるV型エンジンの吸気制御装置を説明するた
めの図である。図1は本実施例装置を備えたエンジンの
全体構成を示す正面概略図、図2,図3は本実施例装置
の断面正面図、図4は底面図である。
【0021】図5はバルブユニットの側面図、図6は図
2におけるVI−VI線断面図、図7は全開時における図6
相当図、図8は弁体を全閉位置に回動させた状態を示す
図で、同図は図2におけるVIII−VIII線断面図である。
図9は弁体を全開位置に回動させた状態を示す図で、同
図は図3におけるIX−IX線断面図である。図10は図6
におけるX−X線断面図、図11は図6におけるXI−XI線
断面図である。
【0022】これらの図において、1は水冷式4サイク
ルV型8気筒エンジンであり、このエンジン1はシリン
ダブロック2のクランク室上部を形成するスカート部2
aの下側合面にクランク室下部を形成するオイルパン3
を結合し、前記シリンダブロック2のVバンクをなす
左,右シリンダ部2b,2cの合面に左,右シリンダヘ
ッド4,5をシリンダボア周囲に配設されたヘッドボル
ト1aで結合し、前記左,右のシリンダヘッド4,5の
上側合面に左,右ヘッドカバー6,7を装着した構造の
ものである。なお、本実施例エンジンは、左,右シリン
ダ部2b,2c、左,右シリンダヘッド4,5、左,右
ヘッドカバー6,7および内部に配置された動弁機構等
は左右対称であるので、以下の説明および図示は左右何
れかについてのみ行う場合がある。
【0023】前記各シリンダ部2b,2cにはそれぞれ
シリンダボア(気筒)2dが4つづつ並列に形成されて
おり、各シリンダボア2d内に摺動自在に挿入されたピ
ストン8はコンロッド9を介してクランク軸10に連結
されている。
【0024】前記左,右のシリンダヘッド4,5のシリ
ンダブロック側合面4a,5aにはそれぞれ燃焼室を形
成する燃焼凹部11が4つづつ凹設されている。各燃焼
凹部11には、中央吸気弁開口11aおよび左,右吸気
弁開口11b,11cと、2つの排気弁開口11d,1
1eが形成されており、これらの弁開口11a〜11e
の中心は気筒軸線Hを中心とする円周上に概ね位置して
いる。また、カム軸直角方向の位置について見ると、
左,右吸気弁開口11b,11cは中央吸気弁開口11
aより気筒軸線H寄り、つまり気筒中心側寄りに位置し
ている。前記中央吸気弁開口11aは中央吸気弁12a
により開閉され、左,右吸気弁開口11b,11cは
左,右吸気弁12b,12bによって開閉される。そし
て、これらの吸気弁12a,12bは吸気カム軸13で
開閉駆動されるように構成されている。また、前記各排
気弁開口11d,11eは排気弁14によって開閉され
る。この排気弁14は排気カム軸15によって開閉駆動
されるように構成されている。
【0025】前記中央吸気弁開口11aは図4に示すよ
うに、左,右吸気弁開口11b,11cより小径に形成
されており、これにより中央吸気弁開口11aを可能な
限り気筒軸線H寄りに位置させている。この中央吸気弁
開口11aを気筒軸線H側に寄せることにより、前記中
央吸気弁12aの気筒軸線Hに対する角度θ2 を左,右
吸気弁12bの気筒軸線Hに対する角度θ3 に近似させ
ることができ、その分だけ燃焼室形状の偏平化を抑制し
て燃焼状態を良好にできる。ちなみに中央吸気弁開口1
1aを左,右吸気弁開口11b,11cと同径にする
と、各開口の干渉を回避するために中央吸気弁開口11
aを外側に配置する必要が生じ、それだけ燃焼室が偏平
化してしまい、燃焼性が悪化する。また、中央吸気弁開
口11aを気筒軸線H側に寄せることによって、スキッ
シュエリアを確保することができるようになる。
【0026】前記各排気弁開口11d,11eは2股状
の排気ポート16で各シリンダシリンダヘッド4,5の
バンク外側壁に導出されており、この各排気ポート16
の外部接続開口16aには排気マニホールド17が接続
されている。
【0027】前記吸気弁開口11a〜11cは、シリン
ダヘッド内吸気通路としての吸気ポート18で各シリン
ダヘッド4,5のバンク内側壁に導出されている。この
吸気ポート18は、中央吸気弁開口11aに連なる中央
通路18aと、左,右吸気弁開口11b,11cに連な
る左,右通路18b,18cとを各吸気弁開口の直近上
流側で合流させた形状のものである。そして、前記中央
通路18aと左,右通路18b,18cとはその外部接
続口18d付近では、図10に示すように楕円状の連続
面をなしているが、ここから下流側へ向かうほど図11
に示すように中央通路18aが左,右通路18b,18
cに対して前記シリンダブロック側合面5a側に偏位す
るように分岐しており、前記外部接続口18d付近で前
記分岐が開始している。
【0028】そして、前記吸気ポート18の外部接続口
18dは、シリンダヘッド5のバンク内側壁を削り込む
ことによって形成されており、この接続口18dに吸気
装置19が接続されている。また、この吸気ポート18
における左通路18bの側部には、図10および図11
に示すように、側壁の一部を側方へ膨出させてなる吸気
導入溝18eが形成されている。この吸気導入溝18e
は、図6および図7に示す平面視において3つの通路1
8a〜18cと同様にシリンダヘッド5のバンク内側壁
に開口され、左吸気弁開口11bの近傍まで延設されて
いる。
【0029】前記吸気装置19は、図1に示すように、
左,右シリンダ部2b,2c、左,右シリンダヘッド
4,5および左,右ヘッドカバー6,7で形成されるV
バンク空間A内を埋めるように構成されている。
【0030】この吸気装置19は、前記外部接続口18
dに接続された左,右のバルブユニット20,20と、
これらのバルブユニット20,20どうしの間にアーチ
状に掛け渡して配設された吸気マニホールド21と、こ
の吸気マニホールド21の下側に吊設されたサージタン
ク22とを備えている。前記吸気マニホールド21は、
前記バルブユニット20に接続された合流通路23(図
2,図3)と、この合流通路23の上流端部に分岐接続
され、前記サージタンク22内に開口する長尺通路24
および短尺通路25を備えている。また、短尺通路25
の分枝部には吸気通路長の切換弁26が配設されてい
る。
【0031】前記左,右のバルブユニット20,20
は、図2および図3に示すように、左,右シリンダヘッ
ド4,5の各外部接続口18d部に面一かつクランク軸
10と平行に形成された接続合面18fにボルト27に
よって前記吸気マニホールド21と共締めにより接続固
定されている。このバルブユニット20は、カム軸方向
(各気筒の並列方向)に延びる角柱状のバルブボディ2
8と、このバルブボディ28内にカム軸と平行にかつ回
動自在に挿入された弁体29と、バルブボディ28に取
付けられた燃料噴射弁30とを備えている。
【0032】前記バルブボディ28には、各気筒毎に1
つのバルブ内吸気通路31が前記シリンダヘッド5の各
吸気ポート18と連続面をなす横長の楕円状に形成され
ており、このバルブ内吸気通路31に図2および図3に
示すように前記吸気マニホールド21の合流部23が連
通接続されている。
【0033】さらに、このバルブボディ28には4つの
気筒に共通の円形の弁穴32がカム軸方向に貫通形成さ
れている。この弁穴32の軸線はバルブ内吸気通路31
の底壁31aの内面より若干上方に位置している。ま
た、この弁穴32の直径は、その上縁部がバルブ内吸気
通路31の天壁31bより若干下方に位置するように、
また前記底壁31a内に後述する弁体29の弁部29a
を収容する半円状の溝が形成されるように設定されてい
る。
【0034】弁体29はバルブ内吸気通路31を横切る
弁部29aが吸気通路毎に設けられて略円柱状に形成さ
れており、弁部29aどうしの間に小径の連結部29b
が形成されている。前記弁部29aは、前記弁穴32の
内面に概ね気密に摺接しつつ回転可能に形成されてい
る。そして、この弁体29は弁穴32内に挿入され、両
端部が弁穴32の両端部内に嵌合装着された軸受33に
より回転自在に支持されている。なお、図5(b)に示
すように、弁体29を左,右に2分割すると共に、両者
を係脱自在に嵌合させ、対向軸部34を軸受33で支持
する構成を採ってもよい。このように構成すれば、長尺
状の弁体を焼き付き等の問題を生じることなく円滑に回
転自在に支持できる。
【0035】ここで、前記バルブボディ28をシリンダ
ヘッド5に固定するためのボルト27は、前記小径の連
結部29b部分に挿通されており、これによりボルト2
7の配置位置を確保することに起因してバルブユニット
20が大型化するのを回避している。
【0036】また、図5(a)において右側に位置する
弁体29の外方吐出端には歯車軸29cが形成されてい
る。この歯車軸29cには歯車35が固着され、この歯
車35に噛合する歯車36を介してサーボモータ37に
連結されている。このサーボモータ37はバルブボディ
28に支持固定され、図示しないコントロールユニット
からの制御信号により弁体29の回動位置を後述する全
閉位置と全開位置との間で制御するように構成されてい
る。
【0037】本実施例の装置では、弁体29が全開位置
に回動されるのはエンジンが中速回転・中負荷域より高
速回転・高負荷域側で運転される場合とされ、全閉位置
に回動されるのはエンジンが低速回転・低負荷域で運転
される場合とされている。なお、このように全開位置と
全閉位置との2つの開度位置を切り換える構成を採る以
外に、全開位置と全閉位置との間でエンジン運転状態に
応じて徐々に開度を変化させる構成を採ることもでき
る。
【0038】前記弁部29aには、この弁体29が全開
位置に回動したときにバルブ内吸気通路31の内面と連
続面をなす切欠面29dが形成されており、また、この
切欠面29dの裏面側に位置する外周面部分には吸気ガ
イド溝38が形成されている。弁体29の全開位置と
は、図3、図7および図9に示すように前記切欠面29
dがバルブ内吸気通路31の内面と連続するような開度
位置のことである。また、弁体29の全閉位置とは、図
2、図6および図8に示すように、前記吸気ガイド溝3
8がバルブ内吸気通路31内に臨むと共に、この吸気ガ
イド溝38の下流縁38aが天壁31bに接近して吸気
通路面積が減少するような開度位置のことである。な
お、弁体29が全閉位置に回動されたときには、弁部2
9aの外周面と天壁31bとの間に図8に示すように僅
かな隙間Gが形成されるように構成されている。また、
この弁体29を全開位置から全閉位置へ回動させるとき
には弁体29を図2、図3において右回りに回すことに
よって行ない、全閉位置から全開位置に回動させるとき
には上記とは逆に左回りに回して行う。
【0039】このように弁体29を全閉位置に回動させ
ると、図8に示すようにバルブ内吸気通路31は前記隙
間Gによって形成される空間と、吸気ガイド溝38と天
壁31bとの間の空間のみに吸気が流れるように略閉塞
される。このときに吸気が流れる空間を以下において全
閉時通気空間Sという。隙間Gが形成されていると、3
つの通路にわたっての吸気量を制御できるので、タンブ
ルおよびスワールの制御を3つの通路から気筒内に流入
した吸気によって行うことができる。なお、本実施例で
は、前記隙間Gによって形成される空間内にも吸気が流
れる例を示してあるが、隙間Gを狭めて主に吸気ガイド
溝38と天壁31bとの間の空間のみに吸気が流れる構
成することもできる。なお、隙間Gは、生産性を考慮す
るとある程度の寸法は確保することが望ましい。これ
は、隙間Gを小さくすると弁体29における切欠面29
dの上流端縁および下流端縁となる角部が尖ることにな
り、この角部分が組付け時などにバルブボディ28に当
たると損傷される恐れがあるからである。
【0040】前記吸気ガイド溝38を全閉位置にある場
合に吸気通路軸線直角方向に見ると、図6に示すよう
に、その上流縁38b側はバルブ内吸気通路31の約半
分の幅をもって弁体29の軸方向一側(左通路18b
側)に形成され、下流縁38a側ほど左通路18b側に
偏るように狭くなっている。この様子は図8に示すよう
に、吸気通路軸方向に見た場合も同様である。そして、
吸気ガイド溝38の下流側開口の位置は、本実施例では
バルブ内吸気通路31およびこの下流側の吸気ポート1
8を上流側から見たときに、左通路18bと中央通路1
8aとの間の隔壁39より左通路18b側となるような
位置(図6参照)であって、しかも、吸気ポート18に
おける前記吸気導入溝18eと対向する位置に位置づけ
られている。なお、バルブボディ28における吸気ガイ
ド溝38の下流側開口と対応する部分には、吸気を吸気
ガイド溝38から吸気導入溝18eへ入り易くするため
に凹溝28aが形成されている。このため、弁体29が
全閉になったときには、全開時にバルブ内吸気通路31
の側壁となる部分よりも側方に通路自体も偏るようにな
る。
【0041】すなわち、弁体29が全閉位置に回動する
と、吸気は前記全閉時通気空間Sを通ることによりバル
ブ内吸気通路31の天壁31bおよび吸気ポート18の
天壁18g側に偏って流れることになる。しかも、この
ときに全閉時通気空間Sを通る吸気は、前記隙間Gによ
って形成される空間よりも吸気ガイド溝38と天壁31
bとの間の空間の方へ多く流れるので、バルブ内吸気通
路31中を弁体29の軸方向に対して一方(図6、図8
において左方)に偏って流れるようになる。言い換えれ
ば、吸気ポート18の左通路18b並びに吸気導入溝1
8e側により多く吸気が流れるようになる。
【0042】なお、本実施例では全閉状態において前記
隙間Gによって形成される空間内にも吸気が流れる例を
示してあるが、隙間Gを狭めて主に吸気ガイド溝38と
天壁31bとの間を主に吸気が流れるように構成するこ
ともできる。このように構成すると、左通路18bに流
入する吸気がより一層多くなる。
【0043】前記バルブボディ28の前記天壁31b部
分には、図2および図3に示すように燃料噴射孔41が
各吸気通路毎に天壁内面に開口するように形成されてい
る。この各燃料噴射孔41に前記燃料噴射弁30が装着
されている。なお、燃料噴射弁30の上端にはカム軸方
向に延びる1本の共通の燃料供給レール30aが装着さ
れている。この燃料供給レール30aは前記吸気マニホ
ールド21の合流部23に一体形成されたボス部23a
にボルト締め固定されている。
【0044】前記燃料噴射孔41は、側面から見ると図
2に示すように左,右の吸気弁開口11b,11cを指
向している。また平面から見ると図6に示すようにバル
ブ内吸気通路31の軸線上に位置しており、さらに左,
右の吸気弁開口11b,11cに向かって円錐状に拡が
っている。燃料噴射弁30は噴射口を2個有するタイプ
のもので、各噴射口は左,右の吸気弁開口11b,11
cに向かって図6中に破線で示すようにそれぞれ円錐状
に燃料を噴射するようになっている。
【0045】なお、前記燃料噴射弁30は、吸気通路の
底壁側に配設してもよく、このように配設した場合に
は、吸気通路をより気筒軸側に起立させることができ、
吸気抵抗を低減できる。また、バルブボディ28の上流
端面に気化器を接続することも可能であり、この場合に
も吸気制御弁まわりのユニット化を図ることができ、組
立性を向上できる。
【0046】ここで本実施例では、前記バルブユニット
20を吸気弁開口11a〜11cにより近接させて配置
し、バルブユニット20により吸気流の偏流制御をより
確実にするために、以下の構成を採用している。図2に
示すように、点火プラグ42の軸線Pを気筒軸線Hに対
してθ1 だけバンク外側(排気弁側)に傾斜させ、これ
に応じて吸気弁12a,12bの気筒軸線Hに対する角
度θ2,θ3を排気弁14の気筒軸線Hに対する角度θ4
より小さくして吸気弁12a,12bを気筒軸線H寄り
に起立させる。この吸気弁12a,12bの起立配置に
より気筒軸線Hから排気カム軸15までの距離はL1 で
あるのに対し、吸気カム軸13までの距離はL2 と小さ
くする。これによりシリンダヘッド5のバンク内側の外
部接続面18fを可能な限り吸気弁開口11a〜11c
側に寄せて形成し、前記バルブユニット20、ひいては
弁体29を吸気弁開口11a〜11cに近接させる。
【0047】また、上述した吸気弁12a,12bの起
立配置、ひいては吸気カム軸13の気筒中心側配置によ
り、燃料噴射弁30についてもより起立させて配置する
ことが可能となり、その結果、燃料噴射孔41のバルブ
内吸気通路31への開口の上流縁41aをより下流側に
位置させることが可能となっている。本実施例では、燃
料噴射弁30の起立配置により、前記上流縁41aと前
記吸気ガイド溝38の下流縁38aとの吸気通路軸方向
位置を略一致させている。これにより燃料噴射孔41が
吸気通路内に開口していることにより、吸気流の偏流が
阻害されるのを回避している。
【0048】ちなみに、シリンダヘッドのバンク内側壁
面部に燃料噴射弁の配置スペースが十分に確保できない
場合は、燃料噴射弁はそれだけバンク内側、すなわち吸
気通路上流側に配置せざるを得ない。このようにした場
合は、仮に弁体を下流側に配置したとしても上述した上
流縁41aが吸気ガイド溝38の下流縁38aより上流
側に移行してしまい、この下流縁38aに対向する壁面
が無いこととなり、弁体29による吸気流の偏流作用が
阻害される。
【0049】次に、本実施例装置の動作を説明する。エ
ンジン回転数2600rpm以下、スロットル開度20
%以下程度の低速回転・低負荷で吸入空気量の比較的少
ない運転域(低吸入空気量運転域)では、弁体29は図
2、図6に示す全閉位置に回動し、また吸気通路長切換
弁26(図1参照)は、短尺通路25を閉じる。このと
き吸気は、サージタンク22内から長尺通路24を通り
バルブ内吸気通路31、吸気ポート18を介してシリン
ダボア2d内に導入される。この場合、吸気は、弁体2
9とバルブ内吸気通路31の天壁31bとの間に形成さ
れた全閉時通気空間Sを通ることになり、これによって
バルブ内吸気通路31の天壁31bおよび吸気ポート1
8の天壁18g側に偏り、かつ左吸気弁開口11bに連
なる左通路18b、吸気導入溝18e側に偏りつつ流
れ、主としてこの左吸気弁開口11bからシリンダボア
2d内に導入される。
【0050】上述した吸気流の偏り状況を概念的に説明
すると、吸気通路の上下方向の偏りについては、図2中
に6本の矢印で示すように、全ての吸気が天壁31b,
18g側に偏って流れる。一方、吸気通路の幅方向の偏
りについては、図6中に6本の矢印で示すように、吸気
の大部分は吸気ガイド溝38と天壁31bとの間の空間
を通ることにより左通路18b並びに吸気導入溝18e
側に偏流し、一部は弁部29aの外周面と天壁31bと
の間の空間(隙間G)を通って中央通路18a、右通路
18c側に流れる。この結果、左,中央,右吸気弁開口
11b,11a,11cへの吸気量はそれぞれ大,小,
小の割合となる。
【0051】このように本実施例では、吸気流を吸気通
路の天壁側に偏流させ、かつ左吸気弁開口11bに偏ら
せたので、特に、左吸気弁開口11bからの吸気流は、
カム軸方向に見ると、気筒中心側から縦方向に流入し、
いわゆるタンブル流の傾向を有し、かつ気筒軸方向に見
ると図6中に二点鎖線矢印aで示すようにシリンダボア
2dの内周面に沿って流れ、いわゆるスワール流の傾向
を示す。このスワール流は、吸気が左吸気弁開口11b
へ吸気導入溝18eからも流入することに起因してきわ
めて強く発生する。
【0052】この結果、図2中に二点鎖線矢印bで示す
ように、前記左吸気弁開口11bからの吸気流は右吸気
弁開口11c側ほど低くなるように斜めに流れることと
なり、したがって本実施例では、シリンダボア2d内に
おいてタンブル流とスワール流とを合成したようないわ
ゆる斜めスワール流が発生する。また、このときの吸気
抵抗は、吸気ガイド溝38が上流側から下流側へ向かう
にしたがって次第に天壁31bに近づくと共に、開口幅
が上流側から下流側に向かうにしたがって次第に狭めら
れて円滑に吸気を流す構造になっているため、きわめて
小さくなる。すなわち、吸気ガイド溝38を吸気が流れ
るときに生じる吸気騒音を低く抑えることができる。し
かも、吸気ガイド溝38の下流側では乱気流が発生し難
く円滑に吸気が流れるので、吸気の流量をも確保するこ
とができる。
【0053】また、前記燃料噴射弁30からの燃料は、
図6中に破線で示すように、左,右吸気弁開口11b,
11cに向けて噴射される。このため、シリンダボア2
d内に導入される混合気の濃度について見ると、右,
左,中央吸気弁開口11c,11b,11aからの混合
気の濃度はそれぞれ大,中,小の割合となる。
【0054】このように本実施例では、吸入空気量の比
較的少ない運転域において、シリンダボア2d内に導入
される吸気流にいわゆる斜めスワールを発生させること
ができ、その結果、燃焼状態を改善できる。
【0055】ここで、弁体29を全閉位置に回動させた
場合、この弁体29は吸気抵抗となることから吸気量が
不足する懸念がある。これに対して本実施例では、低速
・低負荷域では、吸気通路長の切換弁26によって、こ
の運転域において慣性過給効果が得られる長さを有する
長尺通路24側に切り換えられる。このため、この吸気
通路長による慣性過給効果によって、弁体29が吸気抵
抗となることに起因して吸気量が不足するのを補うこと
ができ、必要な吸気量を確保できる。
【0056】また、エンジン回転数が例えば2600〜
4600rpmで、スロットル開度が例えば40%程度
の中速回転・中負荷域では、弁体29は全開位置に回動
される。すなわち、図3に示すように、弁体29におけ
る全閉時に吸気通路を塞いでいた部分が底壁31a内に
没入し、切欠面29dがバルブ内吸気通路31の内面と
連続面をなすようになる。この結果、吸気通路内に抵抗
となるものが残存することがなくなり、吸気抵抗をなく
すことができて必要な吸気量が確保される。
【0057】そして、エンジン回転数が例えば4600
rpm以上で、スロットル開度が略全開の高速回転・高
負荷域では、さらに前記通路長切換弁26が短尺通路2
5を開く。これにより吸気の大部分は高速回転域におい
て慣性過給効果の得られる長さの短尺通路25を通っ
て、残りは長尺通路24を気筒内に導入され、高速回転
域において多量の吸気が確保される。
【0058】また、本実施例では、吸気ポート18を構
成する中央通路18aと左,右通路18b,18cとの
気筒軸方向への分岐開始部より上流側にバルブユニット
20を配設したので、特に弁体29の構造を簡素化で
き、また弁体29の直径を最小限にすることができる。
ちなみに、前記分岐開始部より下流側に配置した場合、
弁体の外形および切欠面形状を例えば図11に示す通路
横断面形状に対応したものとする必要があり、その形状
がきわめて複雑になると共に、その直径が大きくなる。
これに対して、本実施例の弁体29は単純な円柱体に単
純な楕円状の切欠面29dを形成するだけでよく、形状
が簡単であり、また直径も小さくて済む。
【0059】さらに、本実施例では点火プラグ42を排
気側に傾斜させ、吸気弁12a,12bを起立させるこ
とにより吸気カム軸13を気筒中心側に寄せて配置した
ので、シリンダヘッド4,5の吸気側にスペースが得ら
れ、バルブユニット20を上述した分岐開始部より上流
側でかつ吸気弁開口11a〜11cにより近接させて配
置できる。その結果、上述のバルブ構造を簡単にしなが
ら、吸気流の制御性を向上できる。すなわち、本実施例
構造の吸気制御弁を設ける場合、弁体29が吸気弁開口
から離れるほど天壁側への偏流が拡散してしまうが、本
実施例では前記点火プラグ42、吸気カム軸13等の配
置構造を採用したことにより、弁体29を吸気弁開口に
近接させることができる。
【0060】さらにまた、本実施例では、バルブボディ
28、弁体29、燃料噴射弁30および駆動用サーボモ
ータ37をユニット化してなるバルブユニット20をシ
リンダヘッドの外部接続面18fに取付ボルト27で着
脱可能に装着するようにしたので、多数の気筒を有する
エンジンの場合のシリンダヘッドまわりの加工および組
立が容易である。例えば、シリンダヘッドに直接弁体を
挿入する構造を採用した場合は、重量,容積共に大きい
シリンダヘッド4,5の取り回し工数が増加することか
ら加工組立上の負担が大きくなる。これに対して、本実
施例の場合は、別の製造ラインにおいてバルブユニット
20を加工組立するサブアッシーが可能であり、このバ
ルブユニット20は軽量小型であるので取り回しは容易
であり、全体として見た場合、製造工数を軽減できる。
【0061】なお、本実施例では吸気ガイド溝を3つの
吸気通路のうち側方の一方に吸気を流す構成とした例を
示したが、この吸気ガイド溝としては、両側の吸気通路
に吸気を流すように構成することもできる。この場合に
は、本実施例とは左右対称の別の吸気ガイド溝を弁体に
追加する構造になる。また、本実施例ではシリンダヘッ
ド4,5とバルブボディ28とを別体に形成した例を示
したが、これらは一体に形成してもよい。この場合、シ
リンダヘッド4,5に弁体29を回動自在に嵌合させる
構造になる。さらにまた、本実施例では燃料噴射装置3
0として燃料を2方向に噴射する構造のものを採用した
例を示したが、燃料噴射方向は適宜変更することができ
る。例えば3つの吸気通路の全てに1つの燃料噴射口か
ら燃料を噴射する構造のものであってもよい。
【0062】加えて、本実施例では弁体を円柱状に形成
してバルブボディ内で回動させる構造とした例を示した
が、弁体としては図12および図13に示すように構成
することもできる。図12は弁体をバルブ内吸気通路に
対して平行移動自在に構成した他の実施例を示す断面
図、図13は弁体をバルブ内吸気通路に対して出没する
ように揺動自在に構成した他の実施例を示す断面図で、
これらの図において前記図1ないし図11で説明したも
のと同一もしくは同等部材については、同一符号を付し
詳細な説明は省略する。
【0063】図12に示す弁体51は略板状に形成さ
れ、下端に連結された駆動軸52を不図示のアクチュエ
ータにより同図中矢印で示す方向に平行移動させること
によってバルブ内吸気通路31を開閉する構造になって
いる。図13に示す弁体53も略板状に形成され、不図
示のアクチュエータによって回転駆動される支軸54を
介してバルブボディ28に揺動自在に枢支されている。
【0064】前記図12および図13に示したように弁
体51,53をバルブ内吸気通路31に突出させること
によって、吸気を天壁31b側に偏らせて流すことが可
能になる。なお、全開時には図中二点鎖線で示したよう
に各弁体51,53をバルブボディ28内に没入させ
る。55は弁体収容空間を閉塞するためのカバーであ
る。このように構成しても吸気を吸気通路の天壁側に偏
らせることができるので、気筒内にタンブルを発生させ
ることができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明に係るエ
ンジンの吸気制御装置は、シリンダヘッドの吸気通路に
連通するバルブ内吸気通路が形成された吸気制御弁用バ
ルブボディをシリンダヘッドに設け、前記バルブ内吸気
通路をシリンダヘッドの吸気通路の横断面形状に対応し
た形状に形成すると共に、このバルブボディに、閉状態
では前記バルブ内吸気通路の底壁を天壁側へ移動させて
吸気流を天壁側に偏らせる弁体を設け、この弁体に吸気
流を吸気カム軸の軸方向の少なくとも一方へ向ける閉状
態用吸気ガイド溝を設けたため、バルブ内吸気通路の底
壁が天壁側へ移動されると、吸気流がバルブ内吸気通路
の天壁側に偏るようになり、気筒内に気筒中心付近から
縦方向に流入し、タンブルが発生する。また、バルブ内
吸気通路の底壁が天壁側へ移動されると、吸気流がバル
ブ内吸気通路の天壁側およびカム軸方向一方に偏るよう
になる。このため、気筒内にタンブルが発生すると共
に、気筒軸回りの旋回流からなるスワールをも発生する
ことになる。したがって、エンジンの燃焼状態を良好に
できる効果がある。その上、弁体の開度に応じてタンブ
ルやスワールの発生量が増減するようになるから、タン
ブルおよびスワールの両方を簡単な構成によって同時に
制御できるという効果がある。また、弁体はバルブ内吸
気通路の底壁を天壁側へ移動させて閉状態になるので、
閉状態でも吸気抵抗は小さくなる。このため、弁体が閉
状態になっているときでも吸気抵抗が小さいので、吸気
騒音を低く抑えることができる。
【0066】第2の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第1の発明に係るエンジンの吸気制御装置におい
て、バルブボディをシリンダヘッドとは別体に形成した
ため、バルブボディおよび弁体をユニット化してなるバ
ルブユニットをシリンダヘッドに取付ける構成になるの
で、大重量,大容積のシリンダヘッドに対する吸気制御
弁配設のための機械加工を最小限にすることができる。
なお、前記バルブユニット自体は比較的軽量小型であ
り、別の製造ラインにおいていわゆるサブアッシーする
ことができるので、シリンダヘッドに直接弁体を装着す
る場合に比較して製造組立が容易である。
【0067】
【0068】
【0069】第3の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第1の発明または第2の発明に係るエンジンの吸気
制御装置において、吸気弁が3本設けられてシリンダヘ
ッドの吸気通路が吸気弁近傍で吸気弁毎に分岐されたエ
ンジンを採用し、吸気ガイド溝の下流端を、吸気流の上
流側から見て前記3つの吸気通路のうち吸気カム軸の軸
端側に位置する側部吸気通路と中央の吸気通路との間の
隔壁より側部吸気通路側に位置づけたため、閉状態用吸
気ガイド溝を通った吸気は主に側部吸気通路に流される
ので、気筒内にスワールが発生する傾向が大きくなる。
【0070】第4の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第1の発明ないし第3の発明のうち何れか一つのエ
ンジンの吸気制御装置において、バルブ内吸気通路およ
びシリンダヘッドの吸気通路における弁体の吸気ガイド
溝側となる側壁を、弁体が全開状態にあるときの吸気通
路より側方へ拡げたため、閉状態用吸気ガイド溝を通っ
た吸気は、吸気通路側壁の拡張部分を通って弁体が全開
状態のときの流入経路に対してより側方から側部吸気通
路に流入するので、気筒内にスワールが発生し易くな
る。
【0071】第5の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第1の発明ないし第4の発明のうち何れか一つのエ
ンジンの吸気制御装置において、弁体の吸気ガイド溝
を、上流端から下流端へ向かうにしたがって次第に幅狭
になるよう形成したため、吸気が閉状態用吸気ガイド溝
を通るときの抵抗が小さくなるので、吸気抵抗がより一
層小さくなる。このため、吸気騒音を可及的に小さく抑
えることができる。その上、閉状態用吸気ガイド溝の下
流側に乱気流が発生し難く円滑に吸気が流れるので、吸
気の流量も確保することができる。
【0072】第6の発明に係るエンジンの吸気制御装置
は、第1の発明ないし第5の発明のうち何れ一つのエン
ジンの吸気制御装置において、弁体をその一部がバルブ
内吸気通路の底壁内に没入する略円柱状に形成してバル
ブボディにカム軸方向回りに回動自在に支持させ、この
弁体に、バルブ内吸気通路の横断面形状に対応した形状
の切欠面からなる全開用吸気ガイド溝と、吸気流をバル
ブ内吸気通路の天壁側へ偏らせる閉状態用吸気ガイド溝
とを形成したため、バルブボディに円形の弁穴を穿設し
てこの弁穴に弁体を嵌合させることによって吸気制御装
置が組立てられる。このため、製造がきわめて容易であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例装置を備えたエンジンの全体構成を
示す正面概略図である。
【図2】 本実施例装置の全閉状態の断面正面図であ
る。
【図3】 本実施例装置の全開状態の断面正面図であ
る。
【図4】 本実施例装置の底面図である。
【図5】 バルブユニットの側面図である。
【図6】 図2におけるVI−VI線断面図である。
【図7】 本実施例装置の全開状態を示す断面平面図で
ある。
【図8】 弁体を全閉位置に回動させた状態を示す図
で、同図は図2におけるVIII−VIII線断面図である。
【図9】 弁体を全開位置に回動させた状態を示す図
で、同図は図3におけるIX−IX線断面図である。
【図10】 図6におけるXI−XI線断面図である。
【図11】 図6におけるXII −XII線断面図である。
【図12】 弁体をバルブ内吸気通路に対して平行移動
自在に構成した他の実施例を示す断面図である。
【図13】 弁体をバルブ内吸気通路に対して出没する
ように揺動自在に構成した他の実施例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…エンジン、2d…シリンダボア、4,5…シリンダ
ヘッド、12a,12b…吸気弁、13…吸気カム軸、
14…排気弁、15…排気カム軸、18…吸気ポート、
20…バルブユニット、28…バルブボディ、29…弁
体、29a…弁部、29d…切欠面、30…燃料噴射
弁、31…バルブ内吸気通路、31a…底壁、31b…
天壁、38…吸気ガイド溝、51,54…弁体。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドの吸気通路に連通するバ
    ルブ内吸気通路が形成された吸気制御弁用バルブボディ
    をシリンダヘッドに設け、前記バルブ内吸気通路をシリ
    ンダヘッドの吸気通路の横断面形状に対応した形状に形
    成すると共に、このバルブボディに、閉状態では前記バ
    ルブ内吸気通路の底壁を天壁側へ移動させて吸気流を天
    壁側に偏らせる弁体を設け、この弁体に吸気流を吸気カ
    ム軸の軸方向の少なくとも一方へ向ける閉状態用吸気ガ
    イド溝を設けたことを特徴とするエンジンの吸気制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンの吸気制御装置
    において、バルブボディをシリンダヘッドとは別体に形
    成したことを特徴とするエンジンの吸気制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のエンジン
    の吸気制御装置において、吸気弁が3本設けられてシリ
    ンダヘッドの吸気通路が吸気弁近傍で吸気弁毎に分岐さ
    れたエンジンを採用し、吸気ガイド溝の下流端を、吸気
    流の上流側から見て前記3つの吸気通路のうち吸気カム
    軸の軸端側に位置する側部吸気通路と中央の吸気通路と
    の間の隔壁より側部吸気通路側に位置づけたことを特徴
    とするエンジンの吸気制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のうち何れか一
    つのエンジンの吸気制御装置において、バルブ内吸気通
    路およびシリンダヘッドの吸気通路における弁体の吸気
    ガイド溝側となる側壁を、弁体が全開状態にあるときの
    吸気通路より側方へ拡げたことを特徴とするエンジンの
    吸気制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のうち何れか一
    つのエンジンの吸気制御装置において、弁体の吸気ガイ
    ド溝を、上流端から下流端へ向かうにしたがって次第に
    幅狭になるよう形成したことを特徴とするエンジンの吸
    気制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のうち何れ
    つのエンジンの吸気制御装置において、弁体をその一部
    がバルブ内吸気通路の底壁内に没入する略円柱状に形成
    してバルブボディにカム軸方向回りに回動自在に支持さ
    せ、この弁体に、バルブ内吸気通路の横断面形状に対応
    した形状の切欠面からなる全開用吸気ガイド溝と、吸気
    流をバルブ内吸気通路の天壁側へ偏らせる閉状態用吸気
    ガイド溝とを形成したことを特徴とするエンジンの吸気
    制御装置。
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