JP3329152B2 - ディスク収納ケース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、データファイル装置お
よび画像ファイル装置などの情報記憶装置に用いられ
る、ディスク状の情報記録媒体を収納するディスク収納
ケースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ＣＤ、ＣＤＲＯＭ等の光ディスクには中
心孔が形成されている。かかる光ディスクを収納するケ
ースとしては図６に示すＣＤ用ディスク収納ケースがよ
く知られている。ＣＤ用ディスク収納ケースはディスク
３１を収納するディスク収納本体３３、ディスク収納本
体３３を固定保持する透明の外装ケース３５、外装ケー
ス３５に軸支され、回動開閉が可能な透明の外装蓋３６
より構成されている。ディスク収納本体３３の中央部に
はディスク３１の中心孔３２と嵌合可能な複数の弾性爪
からなる円筒状のディスク固定部材３４が形成されてい
る。外装蓋３６の内側の両側面には冊子３８を収納保持
するための半円状の突起爪３７が設けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなの従来構成のディスク収納ケースでは下記の課題
を有している。 １）外装ケースは外装蓋を回動開閉が可能に構成されい
るので、開閉動作が不便であり、また、外装蓋は薄いプ
ラスチックでできており、過大な力での開閉動作時にお
いては、比較的強度の弱い軸支部に、過度の応力集中が
発生することがある。 ２）ディスク固定部材の弾性爪でディスクの中心孔を弾
性保持しているので、ディスクを取り出す際には、ディ
スク固定部材を押圧している状態で、ディスクの外周を
持ち上げなければならず、両手を必要とし、取扱いが不
便である。 ３）冊子を外装蓋の収納部に入れる時、冊子の先端が突
起爪と接触し、冊子の挿入が非常に煩雑になる。

【０００４】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためのものであり、ディスクの取り出し及び収納が簡
単で、さらには冊子の取り出しが容易なディスク収納ケ
ースを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のディスク収納ケースは、ディスクの着脱が可
能なディスク固定部材を有する弾性部材からなるディス
ク収納本体と、前記ディスク収納本体を収納でき、かつ
側面に形成されて開口部から前記ディスク収納本体の引
き出しが可能な箱状の外装ケースとを具備し、前記ディ
スク収納本体を前記外装ケースから引き出し、前記ディ
スク固定部と前記ディスクとの係合を解除もしくは係合
が緩む方向に弾性変形させ、前記ディスクの着脱を行う
ことができ、前記ディスク固定部材はディスクの中心孔
と嵌合可能な弾性部材からなる円筒部材で構成され、デ
ィスク収納本体は中央部に外装ケースからの引き出し方
向に沿って、前記円筒部材を通る貫通溝が形成され、前
記外装ケースから前記ディスク収納本体と引き出した際
に、前記円筒部材が収縮するようにしたものである。

【０００６】

【０００７】また、外装ケースには、ディスク収納本体
の貫通溝より太い幅の突起部を有し、ディスク収納本体
が外装ケースに収納された時に、突起部が貫通溝と係合
し、ディスクをディスク収納本体に固定保持するととも
にディスク収納本体を外装ケースに固定保持する構成の
場合もある。外装ケース内に説明書等の冊子を収納する
冊子収納部を設け、冊子が冊子収納部に収納された際
に、冊子の一部が露出するよう、外装ケース及びディス
ク収納本体の一部に切り込む部を設けた構成の場合もあ
る。

【０００８】冊子収納部の冊子取り出し側端部に、冊子
を保持する突起部を設け、ディスク収納本体を引き出す
動作に抗して、冊子を冊子収納部に保持する構成の場合
もある。

【０００９】さらに、前記ディスク収納本体の冊子収納
部側の面に、冊子を押圧保持する弾性部材よりなる冊子
押圧爪を設けた構成の場合もある。

【００１０】

【作用】上記構成により、外装ケースからディスクを収
納したディスク収納本体を簡単に取り出すことができ、
しかもディスクに負荷をかけずにディスク収納ケースか
ら取り出せ、ディスクの収納時には確実に固定保持がで
きるので、信頼性のあるディスク収納ケースを提供でき
る。さらには、冊子を外装蓋を開けることなく収納およ
び取り出しが可能で操作性がよい。

【００１１】

【実施例】本発明の実施例について以下説明する。ま
ず、本実施例のディスク収納ケースの構成を図１〜図３
に基づいて説明する。ディスク収納ケースはディスク６
を収納する弾性部材からなるディスク収納本体１、外装
上ケース３と外装下ケース４からなる一端が開口部５を
有する外装ケース２から構成されている。ディスク収納
本体１は中央部にディスク６の中心孔７を固定保持する
ための複数の弾性爪からなる円筒状のディスク固定部８
が形成されている。ディスク固定部８は引き出し方向に
はディスク６の中心孔７より小さく、引き出し方向とは
直交方向にはディスク６の中心孔７と略同一の楕円であ
る。また、ディスク収納本体１は外装ケース２の両側壁
に形成されたガイド溝１２と係合するガイドフランジ部
９を後述する凹み部１１とは反対側に有し、外装ケース
２の開口部５からの摺動出し入れが可能になっている。
また、ディスク収納本体１の中央部にはディスク収納本
体１の引き出しの方向にディスク固定部８を通る貫通溝
１０が形成されている。貫通溝１０はディスク収納本体
１の凹み部１１とは反対側の、引き出し方向の直交方向
の略中央から、引き出しの方向にディスク固定部８を通
り、ディスク収納本体が弾性変形可能になる距離までと
する。

【００１２】さらに、ディスク収納本体１には、取り出
しを容易にするための凹み部１１、後述する冊子２１の
取り出しを容易にする第１の切欠き１９、冊子２１を外
装下ケース４に押圧するための弾性部材よりなる冊子押
圧爪２２を有する。外装ケース２のガイド溝１２の開口
部５側には、ディスク収納本体１のガイドフランジ部９
と当接可能な当接部材をなす、ガイド傾斜部１３と溝深
さの浅い押圧ガイド部１４が形成されている。

【００１３】また、外装上ケース３の開口部５近傍に
は、ディスク収納本体１の抜け止め防止用のストッパ１
５が、開口部５と反対側には、貫通溝１０の溝幅より太
く、貫通溝１０と嵌合可能な、ディスク収納本体１およ
びディスク６を固定するための係止突起部１６が形成さ
れている。外装下ケース４には、冊子２１を収納する冊
子収納部１７、冊子２１の抜け止め防止用の突起部１
８、および第１の切欠き１９と同様な第２の切欠き２０
が形成されている。冊子２１が冊子収納部１７に収納さ
れたとき、第１の切欠き１９と第２の切欠き２０より、
冊子２１の一部が露出する構成となっている。

【００１４】次にその動作について図２〜図５を用いて
説明する。図２はディスク収納本体１が外装ケース２に
収納された状態を示す外観斜視図、図３はディスク収納
本体１が外装ケース２から引き出された状態を示す外観
斜視図、図４ａはディスク収納本体１が外装ケース２か
ら引き出された状態での係合関係を示す図、図４ｂはデ
ィスク収納本体１が外装ケース２に収納された状態での
係合関係を示す図、図５はディスク収納ケースの冊子収
納状態を示す断面図である。

【００１５】はじめに、ディスク６の収納動作について
説明する。図３および図４ａにおいて、ディスク収納本
体１のガイドフランジ部９は外装ケース２の押圧ガイド
部１４と当接しており、ディスク収納本体１は貫通溝１
０の溝幅が狭まる方向に弾性変形している。その結果、
ディスク固定部８もその直径が収縮する方向に変形して
おり、ディスク６の中心孔７とほぼ同等な形状をなして
いる。したがって、ディスク６をディスク収納本体１に
収納するときは、ディスク６の中心孔７をディスク固定
部８に無理なく挿入できる。このため、ディスク６には
変形を伴うような過大な応力は発生しない。ディスク６
をディスク収納本体１に装着後、ディスク収納本体１を
外装ケース２内に挿入していくと、ディスク収納本体１
のガイドフランジ部９は、外装ケース２の押圧ガイド部
１４からガイド傾斜部１３を介して、ガイド溝１２へ摺
動移動する。ガイドフランジ部９がガイド傾斜部１３を
通過する過程で、ディスク収納本体１の弾性変形が解除
され、ディスク固定部８もその直径が拡大するため、デ
ィスク６はディスク固定部８に軽く固定保持される。弾
性変形が解除されたディスク収納本体１は、そのガイド
フランジ部９が外装ケース２のガイド溝１２に案内され
て、外装ケース２の内部に挿入されていく。ディスク収
納本体１が外装ケース２の奥まで挿入されると、図４ｂ
に示すように、外装上ケース３に設けられた係止突起部
１６がディスク収納本体１の貫通溝１０と嵌合し、貫通
溝１０を押し広げる。この結果、ディスク収納本体１は
外装ケース２に固定保持されるとともに、ディスク固定
部８もさらに押し広げられるのでディスク６も確実にデ
ィスク収納本体１に固定保持されることとなる。

【００１６】ディスク収納ケースからディスク６を取り
出す方法は、前述した収納動作と逆の動作である。すな
わち、図２に示す状態において、ディスク収納本体１の
凹み部１１に指を引っ掛けて、ディスク収納本体１を外
装ケース２から引き出すと、ディスク収納本体１の貫通
溝１０と外装上ケース３の係止突起部１６の係合が外
れ、外装ケース２から引き出される。やがて、図３に示
すように、ディスク収納本体１の後端部が外装上ケース
３のストッパ１５に当接し、ディスク収納本体１の引き
出し動作が完了する。このとき、ディスク収納本体１の
ガイドフランジ部９が外装ケース２の押圧ガイド部１４
と当接するので、ディスク収納本体１は弾性変形し、デ
ィスク固定部８は収縮する。したがって、ディスク６の
中心孔７とディスク固定部８の固定保持が解除され、デ
ィスク６に過度の応力をかけることなくディスク６を取
り出すことができる。

【００１７】つぎに、冊子２１の収納取り出し動作につ
いて説明する。図２、図５に示すように、ディスク収納
本体１を外装ケース２に収納した状態で、冊子２１をデ
ィスク収納本体１と外装下ケース４との隙間より冊子収
納部１７に挿入する。冊子２１は外装下ケース４の内側
壁に案内されるとともに、ディスク収納本体１の冊子押
圧爪２２により押圧挟持されながら、冊子２１の後端が
外装下ケース４の突起部１８を乗り越えて、冊子収納部
１７内に収納される。冊子２１が収納された状態で、冊
子２１の後端部の一部は、ディスク収納本体１の第１の
切欠き１９および外装下ケース４の第２の切欠き２０か
ら露出し、指で冊子２１を挟むことができる。

【００１８】冊子２１を冊子収納部１７に収納した状態
で、ディスク収納本体１を外装ケース２から引き出して
も、冊子２１の後端は突起部１８と当接し冊子２１の移
動が阻害されるため、冊子２１は冊子収納部１７内に保
持される。

【００１９】冊子２１を冊子収納部１７から取り出すに
は、第１の切欠き１９および第２の切欠き２０から露出
している冊子２１の後端部を指で挟んで、ディスク収納
本体１側に押し上げながら引き出す。すると冊子２１の
後端が突起部１８を乗り越えて、容易に冊子２１を取り
出すことができる。

【００２０】上述のように、本実施例のディスク収納ケ
ースでは、ディスク収納本体１を外装ケース２から引き
出すことでディスク６の収納取り出しが容易にでき、し
かもディスク収納本体１にディスク６を脱着するとき、
ディスク６に過度の変形が生じないためディスク６を傷
つけることがない。また、冊子２１はディスク収納本体
１と外装下ケース４との間に設けられた冊子収納部１７
にディスク収納ケースの外側から直接挿入できる。収納
された冊子２１はディスク収納本体１の冊子押圧爪２２
によって押圧保持されるので抜け落ちる恐れはない。さ
らに、冊子２１は外装下ケース４の突起部１８でその移
動を阻止されるので、ディスク収納本体１を外装ケース
２から引き出しても冊子２１は冊子収納部１７から出る
ことはない。一方、収納された冊子２１はその一部がデ
ィスク収納本体１の第１の切欠き１９および外装下ケー
ス４の第２の切欠き２０から露出しているので、指で挟
んで容易に取り出すことが可能である。

【００２１】本実施例では、冊子を収納するディスク収
納ケースについて説明したが、冊子を必要としない場合
は、冊子収納部１７、ディスク収納本体１の第１の切欠
き１９、外装下ケース４の第２の切欠き２０、ディスク
収納本体１の冊子押圧爪２２がない構成でよい。

【００２２】また、冊子の厚みがほぼ冊子収納部１７の
隙間と同じ場合は、ディスク収納本体１の冊子押圧爪２
２がない構成にしてもよい。

【００２３】

【発明の効果】本発明のディスク収納ケースは、ディス
クの着脱が可能なディスク固定部を有する弾性部材から
なるディスク収納本体と、ディスク収納本体を収納及び
引き出し可能な箱状の外装ケースと、ディスク収納本体
には中央部に外装ケースからの引き出し方向に、円筒部
材を通る貫通溝が形成され、外装ケースからディスク収
納本体と引き出した際に収縮し、外装ケースにはディス
ク収納本体の貫通溝より太い幅の係止突部を有し、ディ
スク収納本体が収納された時に突起部が貫通溝に挿入嵌
合し、ディスクをディスク収納本体に固定保持すること
ができ、ディスクに負担をかけずにディスク収納ケース
から取り出せ、ディスク収納時には確実に固定保持がで
きるので、信頼性のある収納ケースを提供できる。

【００２４】また、外装ケース内に説明書等の冊子を収
納する冊子収納部を設け、前記冊子が前記冊子収納部に
収納された際に、前記冊子の一部が露出するよう、前記
外装ケース及び前記ディスク収納本体の一部に切り込む
部を設けることで、冊子を外装蓋を開けることなく収納
および取り出しが可能で操作性がよい。

【００２５】また、冊子収納部の冊子取り出し側端部
に、冊子を保持する突起部を設けることで、ディスク収
納本体を外装ケースから引き出しても冊子を冊子収納部
に保持できるので、操作性がさらに向上する。

【００２６】さらに、ディスク収納本体の冊子収納部側
の面に、冊子を押圧保持する弾性部材よりなる冊子押圧
爪を設けることで、厚みの異なる冊子を確実に保持でき
るので、１種類のディスク収納ケースで多様な種類のデ
ィスクに対応できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のディスク収納ケースの分解斜
視図

【図２】本発明の実施例のディスク収納ケースのディス
ク収納状態を示す外観図

【図３】本発明の実施例のディスク収納ケースのディス
ク取り出し状態を示す外観図

【図４】本発明の実施例のディスク収納ケースのディス
ク収納本体と外装ケースの係合関係を示す要部平面図

【図５】本発明の実施例のディスク収納ケースの冊子収
納状態を示す断面図

【図６】従来のディスク収納ケースの外観斜視図

【符号の説明】

１ ディスク収納本体 ２ 外装ケース ３ 外装上ケース ４ 外装下ケース ５ 開口部 ６ ディスク ７ 中心孔 ８ ディスク固定部 ９ ガイドフランジ部 １０ 貫通溝 １１ 凹み部 １２ ガイド溝 １３ ガイド傾斜部 １４ 押圧ガイド部 １５ ストッパ １６ 係止突起部 １７ 冊子収納部 １８ 突起部 １９ 第１の切欠き ２０ 第２の切欠き ２１ 冊子 ２２ 冊子押圧爪

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平２−1693（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−185777（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65D 85/57 G11B 23/03

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクの着脱が可能なディスク固定部
   材を有する弾性部材からなるディスク収納本体と、前記
   ディスク収納本体を収納でき、かつ側面に形成されて開
   口部から前記ディスク収納本体の引き出しが可能な箱状
   の外装ケースとを具備し、前記ディスク収納本体を前記
   外装ケースから引き出し、前記ディスク固定部と前記デ
   ィスクとの係合を解除もしくは係合が緩む方向に弾性変
   形させ、前記ディスクの着脱を行うディスク収納ケース
   であって、前記ディスク固定部材はディスクの中心孔と
   嵌合可能な弾性部材からなる円筒部材で構成され、ディ
   スク収納本体は中央部に外装ケースからの引き出し方向
   に、前記円筒部材を通る貫通溝が形成され、前記外装ケ
   ースから前記ディスク収納本体と引き出した際に、前記
   円筒部材が収縮することを特徴とするディスク収納ケー
   ス。
2. 【請求項２】 外装ケースはディスク収納本体の貫通溝
   より太い幅の係止突起部を有し、前記ディスク収納本体
   が前記外装ケースに収納された時に、前記係止突起部が
   前記貫通溝に挿入嵌合し、ディスクを前記ディスク収納
   本体に固定保持するとともに前記ディスク収納本体を前
   記外装ケースに固定保持することを特徴とする請求項１
   記載のディスク収納ケース。
3. 【請求項３】 外装ケース内に説明書等の冊子を収納す
   る冊子収納部を設け、前記冊子が前記冊子収納部に収納
   された際に、前記冊子の一部が露出するよう、前記外装
   ケース及びディスク収納本体の一部に切り込み部を設け
   たことを特徴とする請求項１記載のディスク収納ケー
   ス。
4. 【請求項４】 冊子収納部の冊子取り出し側端部に、前
   記冊子を保持する突起部を設け、ディスク収納本体を引
   き出す動作に抗して、前記冊子を前記冊子収納部に保持
   することを特徴とする請求項３記載のディスク収納ケー
   ス。
5. 【請求項５】 ディスク収納本体の冊子収納部側の面
   に、前記冊子を押圧保持する弾性部材よりなる冊子押圧
   爪を設けたことを特徴とする請求項４記載のディスク収
   納ケース。