JP3328694B2 - 含窒素複素環化合物の製造方法 - Google Patents

含窒素複素環化合物の製造方法

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JP3328694B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含窒素複素環化合
物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】天然由来の核酸塩基は相補的な分子構造
持つもの同士が数個の水素結合対を介して選択的に結合
する。核酸塩基であるアデニンはチミジンとの間で水素
結合を介在して選択的に結合する。結合は核酸塩基上の
ある決まった原子の間でおこり、この場合には2本の水
素結合対が形成される。また同じようにシチジンはグア
ニンとの間で水素結合を介在して選択的に結合するが、
先の場合とは異なり3本の水素結合対が生じる。特定の
核酸塩基同士の結合対の形成は、生命現象の根本である
遺伝子(核酸)の生化学機能の発現に必須な性質であ
り、生化学現象としてよく観察されてきたところであ
る。また、核酸塩基の選択的な結合の形成は物理化学現
象として、様々な分光学的な手法やX回折などで詳細
が明らかにされている。このような水素結合に基づく核
酸塩基間の相補的な結合は、核酸関連物質または核酸塩
基の部分構造をもつ有用物質の回収、精製に利用されて
きた。例えば、回収、精製を対象とする核酸塩基に対し
て、それと相補的な構造を持つ核酸塩基を適宜な方法で
化学結合させた不溶性の担体を予め用意し、この担体に
対象とする核酸塩基を含む原料を接触させれば目的の核
酸塩基は選択的に担体に捕捉される。再沈殿法、抽出
法、イオン交換法による核酸関連物質の回収方法に比べ
て、核酸塩基間の相補的な結合力を利用した回収方法
は、目的物質の回収率に優れ、一段階当たりの精製の効
率が高いという特徴を持つ重要な方法である。特に化学
的挙動の酷似した核酸関連物質間の相互分離、とりわけ
液体クロマトグラフによる分離では高い理論段数を必要
とするために核酸塩基の特異的な相互作用の利用は必須
の方法となっている。従来より、上記のような回収・精
製、又は分析の目的では、対象とする核酸関連物質を選
択的に捕捉する材料もまた天然の核酸関連化合物やその
部分修飾化合物が専ら利用されてきた。しかし、捕捉材
料として天然の核酸関連化合物は、小さな分子種である
ために担体上への固定化に利用できる官能基が少なく、
結合方法が非常に限られている。担体への固定化位置が
不適当であると、核酸塩基間の水素結合形成が阻害さ
れ、本来の相補的な構造をもつ核酸塩基間の選択的結合
能が発現されず、担体の有効性が失われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、天然の核酸
塩基と同等以上の結合力、選択性、結合数を持ち、かつ
化学修飾によっても結合能の阻害のない 、含窒素複素
環化合物の製造方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決のための手段】本発明者らは、前課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、発明を完成するに至
った。本発明によれば、以下の発明が提供される。下記
一般式(2)
【化2】 (2)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含窒
素複素環化合物を製造する方法において、下記一般式
(3)
【化3】 (3)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表され
る複素環化合物中の塩素原子を加水分解することを特徴
とする含窒素複素環化合物の製造。下記一般式(4)
【化4】 (4)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含窒
素複素環化合物を製造する方法において、下記一般式
(5)
【化5】 (5)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表され
る複素環化合物中の塩素原子をアルキルアミンと反応さ
せることを特徴とする含窒素複素環製造方法。下記一般
式(6)
【化6】 (6)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含窒
素複素環化合物を製造する方法において、下記一般式
(7)
【化7】 (7)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表され
る複素環化合物中の塩素原子をアルキルアミンと反応さ
せることを特徴とする含窒素複素環化合物の製造方法。
下記一般式(8)
【化8】 (8)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含窒
素複素環化合物を製造する方法において、下記一般式
(9)
【化9】 (9)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表され
る複素環化合物中の塩素原子を加水分解することを特徴
とする含窒素複素環化合物の製造方法。下記一般式(1
0)
【化10】 (10)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含
窒素複素環化合物を製造する方法において、下記一般式
(11)
【化11】 (11)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表さ
れる複素環化合物中の塩素原子をアルキルアミンと反応
させることを特徴とする含窒素複素環化合物の製造方
法。下記一般式(12)
【化12】 (12)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含
窒素複素環化合物を製造する方法において、下記一般式
(13)
【化13】 (13)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表さ
れる複素環化合物中の塩素原子をアルキルアミンと反応
させることを特徴とする含窒素複素環化合物の製造方
法。下記一般式(14)
【化14】 (14)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含
窒素複素環化合物を製造する方法において、下記一般式
(15)
【化15】 (15)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表さ
れる複素環化合物中の塩素原子をフッ素化することを特
徴とする含窒素複素環化合物の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の核酸塩基捕捉剤は、下記
一般式(1)で表される含窒素複素環化合物である。
【化1】 (1)前記一般式(1)において、R1、R2、R3,R4
は、置換又は未置換のアミノ基、ヒドロキシル基又はフ
ッ素原子であるが、その少なくとも1つはヒドロキシル
基又はフッ素原子である。また、合成中間体に適度な溶
解性を付与するために置換基に置換アミノ基を一つ以上
導入するのが好ましい。このとき、置換のアミノ基の置
換基は単純な直鎖構造のアルキル基ばかりでなく、分枝
構造のもの、環構造のアルキル基でもよい。また、置換
アミノ基は、アルキル基に限らず、アリール基やアリー
ルアルキル基等の置換基を有するものであってもよい。
さらに、これらのアルキル基や、アリール基、アリール
アルキル基は、核酸塩基の捕捉を妨害することのない置
換基、例えば、アルコキシ基、エステル基、アシル基等
の置換基を有していてもよい。アルキル基を有する置換
アミノ基において、そのアルキル基の炭素数は1〜2
5、好ましくは8〜20である。
【0006】本発明による前記一般式(1)の含窒素複
素環化合物のうち、下記一般式(2)
【化2】 (2)(式中、Rは水素又はアルキル基を示す)で表さ
れる化合物は、下記一般式(3)
【化3】 (3)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表され
る化合物を加水分解することによって得ることができ
る。この場合、加水分解剤としては、触媒としてKOH
と18−クラウン−6を含む水溶液の使用が好ましい。
また、前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般
式(16)で表される化合物をアルキルアミンと反応さ
せることによって得ることができる。
【化16】 (16)
【0007】本発明による前記一般式(1)の含窒素複
素環化合物のうち、下記一般式(4)
【化4】 (4)(式中、Rは水素又はアルキル基を示す)で表さ
れる化合物は、下記一般式(5)
【化5】 (5)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表され
る化合物とアルキルアミンとを反応させることによって
得ることができる。また、前記一般式(5)で表される
化合物は、下記一般式(17)で表される化合物に含ま
れる塩素原子の1つを加水分解することによって得るこ
とができる。
【化17】 (17)前記加水分解は、塩酸と酢酸を含む水溶液中で
行うのが好ましい。
【0008】本発明による前記一般式(1)の含窒素複
素環化合物のうち、下記一般式(6)
【化6】 (6)(式中、Rは水素又はアルキル基を示す)で
れる化合物は、下記一般式(7)
【化7】 (7)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表され
る化合物をアルキルアミンと反応させることによって得
ることができる。また、前記一般式(7)で表される化
合物は、下記一般式(18)
【化18】 (18)で表される化合物とアルキルアミンとを反応さ
せた後、得られる下記一般式(19)
【化19】 (19)(式中、Rは水素又はアルキル基を示す)で表
される化合物中に含まれる1つの塩素を加水分解するこ
とによって得ることができる。
【0009】本発明による前記一般式(1)の含窒素複
素環化合物のうち、下記一般式(8)
【化8】 (8)(式中、Rは水素又はアルキル基を示す)で
れる化合物は、下記一般式(9)
【化9】 (9)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表され
る化合物中に含まれる位の塩素を加水分解することに
よって得ることができる。この場合、加水分解剤として
は、塩酸とNaOHを含む水溶液の使用が好ましい。ま
た、前記一般式(9)で表される化合物は、前記一般式
(7)で表される化合物に含まれる6位の塩素をアルキ
アミンと反応させることによって得ることができる。
【0010】本発明による前記一般式(1)の含窒素複
素環化合物のうち、下記一般式(10)
【化10】 (10)(式中、Rは水素又はアルキル基を示す)で
される化合物は、下記一般式(11)
【化11】 (11)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表さ
れる化合物に含まれる2位の塩素をアルキルアミンと反
応させることによって得ることができる。また、前記一
般式(11)で表される化合物は、前記一般式(7)で
表される化合物に含まれる6位の塩素を加水分解させる
ことによって得ることができる。この場合の加水分解は
塩素と酢酸を含む水溶液中で行なうのが好ましい。
【0011】本発明による前記一般式(1)の含窒素複
素環化合物のうち、下記一般式(12)
【化12】 (12)(式中、Rは水素又はアルキル基を示す)で
される化合物は、下記一般式(13)
【化13】 (13)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表さ
れる化合物中に含まれる2位の塩素にアルキルアミンを
反応させることによって得ることができる。
【0012】本発明による前記一般式(1)の含窒素複
素環化合物のうち、下記一般式(14)
【化14】 (14)(式中、Rは水素又はアルキル基を示す)で
される化合物は、下記一般式(15)
【化15】 (15)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表さ
れる化合物に含まれる2位と6位の塩素をフッ素原子と
することによって得ることができる。この場合、フッ素
化剤としては、KF−18−クラウン6を用いるのが好
ましい。
【0013】前記一般式(2)、(4)、(6)、
(8)及び(10)で表わされる化合物中に含まれるヒ
ドロキシル基は、実際にはケト形の互変異性体として存
在する。例えば、前記一般式(2)の化合物のケト形の
互変異性体は下記一般式(20)で表わされる。
【化20】 (20)前記一般式(2)の化合物の構造は、天然の核
酸塩基の一つであるシチジン二分子が縮合した構造に相
当する。前記一般式(4)の化合物の構造は、天然の核
酸塩基アデニンのピリミジン環部分とシチジンが縮合し
た構造に相当する。前記一般式(6)の化合物の構造は
アデニンのピリミジン環部分とグアニンのピリミジン環
部分が縮合した構造に相当する。前記一般式(8)の化
合物の構造はシチジンとグアニンのピリミジン環部分が
縮合した構造に相当する。前記一般式(10)の化合物
の構造はアデニンのピリミジン環部分とチミジンが縮合
した構造に相当する。
【0014】
【発明の効果】一般式(1)で表わされる含窒素化合物
は、核酸塩基捕捉剤として用いられ、天然由来の核酸関
連物質又は核酸塩基の部分構造をもつ複素環化合物と水
素結合により選択的に結合するので、それらの物質の分
離回収や精製を効率よく行うことが可能である。また、
その選択性の高さ故に性質の類似した核酸塩基関連物質
の定性及び定量分析を行うための材料として利用するこ
とが可能である。本発明によれば、一般式(1)で表さ
れる含窒素複素環化合物の製造方法が得られる。
【0015】
【実施例】本発明を実施例により詳細に説明する。
【0016】実施例1 2,6−ジクロロ−4,8−ジオクタデシルアミノ−ピ
リミド[5,4−d]ピリミジン(一般式(3)におい
て、R=オクタデシル)(化合物3)の合成 2,4,6,8−テトラクロロピリミド[5,4−d]
ピリミジン 2.50gを乾燥クロロホルム25mlに
撹拌により懸濁させ、オクタデシルアミン5.49gお
よびエチルジイソプロピルアミン2.64gの乾燥クロ
ロホルム溶液50mlを30分かけて滴下した。反応容
器を冷却して反応温度を5−10℃に保った。滴下後室
温で2時間放置した。クロロホルム相を水で洗浄した
後、硫酸マグネシウムで乾燥し、目的物を得た。酢酸エ
チルで再結晶し精製した(収量4.84g)。融点11
2℃。同様にして、2,6−ジクロロ−4,8−ジドデ
シルアミノ−ピリミド[5,4−d]ピリミジンを得
。融点102℃。 2,6−ジヒドロキシ−4,8−ジオクタデシルアミノ
−ピリミド[5,4−d]ピリミジン(一般式(2)に
おいて、R=オクタデシル)(化合物2)の合成 2,6−ジクロロ−4,8−ジオクタデシルアミノ−ピ
リミド[5,4−d]ピリミジン(化合物)300
mg、18−クラウン−6 215mg、および水酸
化カリウム 120mgに トリエチレングリコール
ジメチルエーテル2 lを加え、窒素雰囲気下、攪拌
しながら185℃に12時間加熱した。反応液より溶媒
を真空下に加熱して除いた後、反応物にクロロホルムを
加え、希酢酸水溶液と水で水洗した。硫酸マグネシウム
で溶液を乾燥後、カラムクロマトグラフ(シリカゲル/
アセトン−クロロホルム)で目的物を単離した。収率5
0%。薄層クロマトグラフ(シリカゲル/アセトン:ク
ロロホルム1:9)Rf値0.3。
【0017】実施例2 2−クロロ−4,8−ジオクタデシルアミノ−6−ヒド
ロキシピリミド[5,4−d]ピリミジン(一般式
(5)において、R=オクタデシル)(化合物5) 2,6−ジクロロ−4,8−ジオクタデシルアミノ−ピ
リミド[5,4−d]ピリミジン(化合物3)300m
gに酢酸8mlと濃硫酸2mlを加え、110℃で加熱
撹拌した。反応液にクロロホルムを加え、水、5%炭酸
水素ナトリウム水溶液、水の順で洗浄し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、目的物を得た。酢酸エチルで再結晶し精
製した(淡黄色固体、収量235mg)薄層クロマトグ
ラフ(シリカゲル/アセトン:クロロホルム1:9)R
f値0.4。6−ヒドロキシ−2,4,8−トリオクタ
デシルアミノ−ピリミド[5,4−d]ピリミジン(一
般式(4)において、R=オクタデシル)(化合物4)
2−クロロ−4,8−ジオクタデシルアミノ−6−ヒド
ロキシピリミド[5,4−d]ピリミジン(一般式
(5)において、R=オクタデシル)(化合物5)80
mgとオクタデシルアミン72mgとトリエチレングリ
コールジメチルエーテル2mlの混合物を180℃に6
時間加熱した。放冷後反応混合物にクロロホルムを加
え、溶液を5%炭酸ナトリウムと水で洗浄した後、硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒及び未反応のオクタデシ
ルアミンを真空加温下に除去した後、酢酸エチルで再結
晶により精製した(収量83mg)。薄層クロマトグラ
フ(シリカゲル/アセトン:クロロホルム1:9)Rf
値 0.5。
【0018】実施例3 4−オクタデシルアミノ−2,6,8−トリクロロピリ
ミド[5,4−d]ピリミジン(一般式(19)におい
て、R=オクタデシル)(化合物19)2,4,6,8
−テトラクロロピリミド[5,4−d]ピリミジン(
造式(16)) 2.88gを乾燥クロロホルム30
mlに撹拌により懸濁させ、オクタデシルアミン2.8
7gおよびエチルジイソプロピルアミン1.38gの乾
燥クロロホルム溶液30mlを1時間かけてゆっくり滴
下した。反応容器を氷冷し溶液の温度は0℃に保った。
反応液を水で洗い、目的物を得た。薄層クロマトグラフ
(シリカゲル/クロロホルム)Rf値0.5。4−オク
タデシルアミノ−8−ヒドロキシ−2,6−ジクロロピ
リミド[5,4−d]ピリミジン(一般式(7)におい
て、R=オクタデシル)(化合物7)4−オクタデシル
アミノ−2,6,8−トリクロロピリミド[5,4−
d]ピリミジン(一般式(19)において、R=オクタ
デシル)(化合物19)5.0gをテトラヒドロフラ
ン50mlに溶解し、1mol/lの水酸化ナトリウム
水溶液20mlを加え室温で3時間撹拌した。反応液を
300mlの水に注ぎ、析出物を回収した。これを酢酸
エチルで再結晶し精製した(収量2.5g)。薄層クロ
マトグラフ(シリカゲル/アセトン:クロロホルム1:
2)Rf値0.05。赤外吸収スペクトル(カルボニル
基)1703cm−1。融点165℃。8−ヒドロキシ
−2,4,6−トリオクタデシルアミノピリミド
[5,4−d]ピリミジン(一般式(6)において、R
=オクタデシル)(化合物6)4−オクタデシルアミノ
−8−ヒドロキシ−2,6−ジクロロピリミド[5,4
−d]ピリミジン(化合物7)100mgとオクタデシ
ルアミン228mg、溶媒ジメチルイミダゾリジノン2
mlを150℃に12時間加熱した。反応物をクロロホ
ルムに溶解させ、溶液を炭酸ナトリウム水溶液と水で洗
浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥して目的物を得た。
酢酸エチルで再結晶して精製した(収量225mg)。
薄層クロマトグラフ(シリカゲル/メタノール:クロロ
ホルム1:9)Rf値0.3。
【0019】実施例4 2−クロロ−4,6−ジオクタデシルアミノ−8−ヒド
ロキシ−ピリミド[5,4−d]ピリミジン(一般式
(9)において、R=オクタデシル)(化合物9)4−
オクタデシルアミノ−8−ヒドロキシ−2,6−ジクロ
ロピリミド[5,4−d]ピリミジン(化合物7)15
0mg、オクタデシルアミン89mg、N,N−ジブチ
ルアニリン77mg、及びN,N−ジメチルホルムアミ
ド2mlの混合物を90℃に5時間加熱した。反応物を
クロロホルムに溶解し、溶液を水洗、硫酸マグネシウム
で乾燥した。酢酸エチルで再結晶し目的物を得た(収量
131mg)。薄層クロマトグラフ(シリカゲル/メタ
ノール:クロロホルム1:9)Rf値0.5。4,6−
ジオクタデシルアミノ−2,8−ジヒドロキシピリミド
[5,4−d]ピリミジン(一般式(8)において、R
=オクタデシル)(化合物8)2−クロロ−4,6−ジ
オクタデシルアミノ−8−ヒドロキシピリミド[5,4
−d]ピリミジン(化合物9)42mgに酢酸1.5m
lと2mol/lの塩酸0.2mlを加え、12時間8
0℃に加熱した。反応物を水に注ぎ、生じた固体を希ア
ンモニア水と水で洗浄し目的物を得た(収量33m
g)。酢酸エチルで再結晶し精製した。
【0020】実施例5 2−クロロ−6,8−ジヒドロキシ−4−オクタデシル
アミノピリミド[5,4−d]ピリミジン(一般式
(11)において、R=オクタデシル)(化合物11)
4−オクタデシルアミノ−8−ヒドロキシ−2,6−ジ
クロロピリミド[5,4−d]ピリミジン(化合物7)
357mgに酢酸10mlと水2mlを加え、6時間9
0℃に加熱した。反応物を水に注ぎ、析出した固体を濾
別し、希アンモニア水と水で洗浄した(収量346m
g)。薄層クロマトグラフ(シリカゲル/メタノール:
クロロホルム1:2)Rf値0.8。6,8−ジヒドロ
キシ−2,4−ジオクタデシルアミノ−ピリミド[5,
4−d]ピリミジン(一般式(10)において、R=オ
クタデシル)(化合物10)2−クロロ−6,8−ジヒ
ドロキシ−4−オクタデシルアミノピリミド[5,4
−d]ピリミジン(一般式(11)において、R=オク
タデシル)(化合物11)60mgをエタノール1ml
と1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液0.13ml
を加え、しばらく撹拌した後、溶媒を揮発除去した。得
れた固体にオクタデシルアミン37mgとジメチルピロ
リジノン2mlを加え、2日間150℃に加温した。反
応物を水に注ぎ、析出した固体を濾取し、カラムクロマ
トグラフ(シリカゲル/メタノール:クロロホルム1:
4)で精製した(収量75mg)。薄層クロマトグラフ
(シリカゲル/メタノール:クロロホルム1:4)Rf
値0.3。融点78℃
【0021】実施例6 6−クロロ−2,4,8−トリオクタデシルアミノ−ピ
リミド[5,4−d]ピリミジン(一般式(12)にお
いて、R=オクタデシル)(化合物12)の合成 2,6−ジクロロ−4,8−ジオクタデシルアミノ−ピ
リミド[5,4−d]ピリミジン(一般式(13)にお
いて、R=オクタデシル)(化合物13)100mg、
オクタデシルアミン73mgにN,N−ジメチルアセト
アミド2mlを加え100℃で12時間加熱した。反応
液より溶媒を減圧して除去した後、クロロホルムを加え
た。有機相を5%炭酸ナトリウムと水で洗浄した後、硫
酸マグネシウムで乾燥した。組成物をカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル/ヘキサン−ベンゼン1:1)で
精製し目的物を単離した(収量112mg)。薄層クロ
マトグラフ(シリカゲル/シクロヘキサン−ベンゼン
1:1)Rf値0.6。
【0022】実施例7 2,6−ジフルオロ−4,8−ジオクタデシルアミノ
ピリミド[5,4−d]ピリミジン(一般式(14)に
おいて、R=オクタデシル)(化合物14)の合成。 2,6−ジクロロ−4,8−ジオクタデシルアミノ体
(一般式(15)において、R=オクタデシル)(化合
物15)100mg、18−クラウン−611mg、お
よびフッ化カリウム81mgに乾燥アセトニトリル10
mlを加え140℃で2日間加熱した。反応液にクロロ
ホルム100mlを加え有機相を水洗した後、クロロホ
ルム相を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下に
除去して得た固体を、カラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル/ヘキサン−ベンゼン2:3)で精製し目的物を
単離した。収率39%、薄層クロマトグラフ(シリカゲ
ル/シクロヘキサン:ベンゼン1:1)Rf値0.4。 19−FNMR:δ(CDCl3、内標準物質ヘキサフ
ルオロベンゼン)115.15(s) 1HNMR:δ(CDCl3):6.86(2H,t,
NH),3.57(4H,d,NCH2),1.69
(4H,t,NCCH2)1.25(60H,bs,C
H2),0.88(6H,t,CH3)
【0023】実施例8 2,6−ジクロロ−4,8−ビス(4−メトキシベンジ
ルアミノ)ピリミド[5,4−d]ピリミジン(一般式
(3)において、R=オクタデシル)(化合物3
(2))の合成 2,4,6,8−テトラクロロピリミド[5,4−d]
ピリミジン式(16)1.33gを乾燥クロロホルム3
0mlに撹拌により懸濁させ、4−メトキシベンジルア
ミン1.39gおよびエチルジイソプロピルアミン1.
31gの乾燥クロロホルム溶液25mlを15分かけて
滴下した。反応容器を冷却して反応温度を5℃に保っ
た。滴下後室温で2時間放置した。溶媒を減圧下に蒸発
除去して得た固体を水洗して目的物を得た(収量2.2
7g)。メトキシエタノールで再結晶して精製した。薄
層クロマトグラフ(シリカゲル/クロロホルム)Rf値
0.6。
【0024】実施例9 異種類の複素環化合物の水素結合の基づく捕捉 複素環化合物をクロロフォルムに溶解し、風乾した後K
Br錠剤法で複素環化合物のカルボニル基の伸縮振動を
赤外分光光度計で測定した。複素環化合物A−複素環化
合物B(混合モル比)カルボニル基の伸縮振動の波数
(cm-1) 化合物2(単独) 1679 化合物5(単独) 1694 化合物9(単独) 1694 化合物11(単独) 1702 化合物5−化合物9(1:1) 1686 化合物11−化合物12(1:1) 1652 化合物14−化合物9(1:2) 1702
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内丸 祐子 つくば市東1丁目1番 工業技術院物質 工学工業技術研究所内 (72)発明者 平谷 和久 つくば市東1丁目1番 工業技術院物質 工学工業技術究所内 審査官 上條 のぶよ (56)参考文献 特開 昭50−11391(JP,A) 特開 昭50−106997(JP,A) 特開 昭51−136696(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 487/04 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(2) 【化2】 (2)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含窒
    素複素環化合物を製造する方法において、 下記一般式(3) 【化3】 (3)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表され
    る複素環化合物中の塩素原子を加水分解することを特徴
    とする含窒素複素環化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】下記一般式(4) 【化4】 (4)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含窒
    素複素環化合物を製造する方法において、 下記一般式(5) 【化5】 (5)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表され
    る複素環化合物とアルキルアミンと反応させることを特
    徴とする含窒素複素環化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】下記一般式(6) 【化6】 (6)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含窒
    素複素環化合物を製造する方法において、 下記一般式(7) 【化7】 (7)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表され
    る複素環化合物とアルキルアミンと反応させることを特
    徴とする含窒素複素環化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】下記一般式(8) 【化8】 (8)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含窒
    素複素環化合物を製造する方法において、 下記一般式(9) 【化9】 (9)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表され
    る複素環化合物中の塩素原子を加水分解することを特徴
    とする含窒素複素環化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】下記一般式(10) 【化10】 (10)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含
    窒素複素環化合物を製造する方法において、 下記一般式(11) 【化11】 (11)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表さ
    れる複素環化合物中の塩素原子をアルキルアミンと反応
    させることを特徴とする含窒素複素環化合物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】下記一般式(12) 【化12】 (12)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含
    窒素複素環化合物を製造する方法において、 下記一般式(13) 【化13】 (13)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表さ
    れる複素環化合物中の塩素原子をアルキルアミンと反応
    させることを特徴とする含窒素複素環化合物の製造方
    法。
  7. 【請求項7】下記一般式(14) 【化14】 (14)(式中、Rはアルキル基を示す)で表される含
    窒素複素環化合物を製造する方法において、 下記一般式(15) 【化15】 (15)(式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表さ
    れる複素環化合物中の塩素原子をフッ素化することを特
    徴とする含窒素複素環化合物の製造方法。
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