JP3328159B2 - 携帯無線機のアンテナ構造 - Google Patents

携帯無線機のアンテナ構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸張時、収納時共
に良好な特性を得ることのできる携帯無線機のアンテナ
構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】携帯無線機用アンテナとしては、通話時
には人体劣化を軽減するためにλ／２長のホイップアン
テナを用い、待ち受け時には持ち運びに邪魔にならない
ようにヘリカルアンテナ等の小型アンテナを用いるのが
望ましい。そのために、従来より、ホイップアンテナと
ヘリカルアンテナとを組み合わせ、伸張時にはホイップ
アンテナとして動作させ、収納時にはヘリカルアンテナ
として動作させる、伸張収納可能なアンテナが用いられ
ている。
【０００３】ところで、近年、携帯無線機の小型化が進
むにつれて、ホイップアンテナにλ／２の長さを確保す
ることが難しくなってきており、そのために、ホイップ
アンテナの先端にヘリカルアンテナを同軸的に接続し、
電気長がλ／２になるようにして、人体劣化を軽減する
構造が採用されている。このアンテナ構造では、ホイッ
プアンテナとヘリカルアンテナを接続しているために、
収納時にホイップアンテナが影響し、ヘリカルアンテナ
の共振周波数の調整や整合状態を最適に調整することが
できないので、伸張時と収納時とのバランスを考えて調
整している。
【０００４】図７は特開平５−３４３９０７号公報に開
示されている可変長ホイップアンテナを示す断面図であ
り、図において、１は携帯電話機の筐体、２は筐体１内
部に設けられ送受信機を搭載したプリント基板、３はプ
リント基板２上の箔パターンに接続されるアンテナ保持
金具、４は前記箔パターンに接続されるヘリカルアンテ
ナ素子、５はヘリカルアンテナ素子４に同軸的かつ貫通
するように設けられ伸張収納可能なホイップアンテナ素
子、６は給電用同軸線、７は７は整合コイルである。
【０００５】この可変長ホイップアンテナでは、ホイッ
プアンテナ素子５伸張時には、ホイップアンテナ素子５
に給電し、収納時には、ホイップアンテナ素子５をヘリ
カルアンテナ素子４より奥に収納し、ヘリカルアンテナ
素子４に容量結合により給電している。
【０００６】図８は特開平６−２１６６３０号公報に開
示されている伸縮式ホイップアンテナを示す断面図であ
り、図において、１１は移動体通信用無線機の筐体、１
２は筐体１１に設けられ伸張収納可能なホイップアンテ
ナ素子、１３はホイップアンテナ素子１２が貫通するよ
うに同軸的に設けられたヘリカルアンテナ素子、１４は
ホイップアンテナ素子１２を被覆する絶縁体、１５は整
合回路である。
【０００７】この伸縮式ホイップアンテナでは、伸張時
には、ホイップアンテナ素子１２とヘリカルアンテナ素
子１３両方に給電し、収納時には、ホイップアンテナ素
子１２をヘリカルアンテナ素子１３より奥に収納し、ヘ
リカルアンテナ素子１３のみに給電している。
【０００８】また、携帯無線電話機の筐体に１／４波長
のヘリカルアンテナを固定し、該ヘリカルアンテナの中
央に形成された貫通孔を貫通するように１／２波長のホ
イップアンテナを伸張収納可能に取り付けたアンテナ構
造も提案されている（特開平７−２７３５２４号公報参
照）。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の伸張
時と収納時のバランスを考慮して調整するアンテナ構造
では、ホイップアンテナ、ヘリカルアンテナそれぞれの
単体としての特性を得ることができず、また、入力イン
ピーダンスが大きく異なるために電力伝送効率が悪いと
いう問題点があった。また、伸張収納のバランスを考慮
してヘリカルアンテナを調整しているために、収納時に
動作するヘリカルアンテナを最適な状態に調整すること
ができず、収納時の放射効率が低下してしまうという問
題点もあった。
【００１０】また、可変長ホイップアンテナでは、収納
時に容量結合による給電のため、ヘリカルアンテナに全
ての電力を供給することができず、収納時の放射効率が
低下してしまうという問題点があった。また、既に開示
されている可変長ホイップアンテナ、伸縮式ホイップア
ンテナ及び１／４波長のヘリカルアンテナを固定したア
ンテナ構造では、ホイップアンテナと無線回路の整合回
路として用いているヘリカルアンテナからの電力が全て
ホイップアンテナに伝わらず、給電部付近にあるヘリカ
ルアンテナがアンテナとして動作して放射してしまい、
ホイップアンテナ単体としての放射効率を得ることがで
きず、したがって、ホイップアンテナ単体としての特性
を得ることができないという問題点があった。
【００１１】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であって、伸張時、収納時共に良好な放射効率を得るこ
とができ、したがって、アンテナとして良好な特性を得
ることのできる携帯無線機のアンテナ構造を提供するこ
とにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な携帯無線機のアンテナ構造を採用
した。すなわち、請求項１記載の携帯無線機のアンテナ
構造は、携帯無線機の筐体に設けられ、棒状のストレー
ト部を有する伸張収納可能なホイップアンテナと、該ホ
イップアンテナの先端部に設けられたヘリカルアンテナ
給電部と、該ヘリカルアンテナ給電部に接続されたヘリ
カルアンテナとを備え、前記ヘリカルアンテナは、その
電気長が１／２波長とされ、前記ホイップアンテナと前
記ヘリカルアンテナ給電部とが絶縁体を介して容量結合
され、かつその結合量は伸張時の前記ヘリカルアンテナ
と前記ホイップアンテナを合わせた全体の電気長が１／
２波長になるように調整したものである。請求項２記載
の携帯無線機のアンテナ構造は、前記容量結合を、前記
ストレート部の前記ヘリカルアンテナ給電部への挿入量
により調整したものである。請求項３記載の携帯無線機
のアンテナ構造は、前記容量結合を、前記絶縁体の誘電
率により調整したものである。
【００１３】請求項４記載の携帯無線機のアンテナ構造
は、前記ストレート部を、棒状の上部ストレート部と、
収納時に該上部ストレート部を収納し伸張時に該上部ス
トレート部と同軸的に接続する下部ストレート部とによ
り構成したものである。
【００１４】請求項１記載の携帯無線機のアンテナ構造
では、前記ホイップアンテナと前記ヘリカルアンテナ給
電部とを絶縁体を介して容量結合したことにより、前記
ホイップアンテナ伸張時には、前記ストレート部と前記
ヘリカルアンテナ給電部を容量結合し、その結合容量を
調整することにより、全体の電気的な長さが調整され
る。また、収納時には、前記ストレート部を切り離して
ヘリカルアンテナ単体とすることにより、所望の帯域で
共振するように最適調整されたヘリカルアンテナとな
る。これにより、伸張時、収納時共に良好な放射効率が
得られる。
【００１５】請求項４記載の携帯無線機のアンテナ構造
では、前記ストレート部を、棒状の上部ストレート部
と、収納時に該上部ストレート部を収納し伸張時に該上
部ストレート部と同軸的に接続する下部ストレート部と
により構成したことにより、電気的な長さを確保した状
態で前記ストレート部の長さを短縮させることが可能に
なり、携帯無線機の小型化に対応することが可能にな
る。
【００１６】
【発明の実施の形態】以下、本発明の携帯無線機のアン
テナ構造の各実施形態について図面に基づき説明する。
【００１７】（第１の実施形態）図１は本発明の第１の
実施形態の携帯無線機のアンテナ構造を示す断面図であ
り、図２は図１の部分拡大断面図である。図において、
２０は携帯無線機の筐体、２１は筐体２０に設けられ伸
張時の電気長がλ／２（１／２波長）の伸張収納可能な
ホイップアンテナである。
【００１８】また、２２はホイップアンテナ２１の主要
部を構成するストレートエレメント（棒状のストレート
部）、２３はホイップアンテナ２１の先端部に設けられ
たヘリカルアンテナ給電部、２４はヘリカルアンテナ給
電部２３に接続される螺旋状のヘリカルアンテナ素子、
２５はホイップアンテナ２１の下端部に設けられたホイ
ップアンテナ給電部である。
【００１９】また、２６は筐体２０の上端部に設けられ
たアンテナ保持金具、２７はヘリカルアンテナ素子２４
を覆うカバー、２８はヘリカルアンテナ給電部２３の下
端部内に設けられストレートエレメント２２とヘリカル
アンテナ給電部２３とを容量結合する絶縁体、２９はス
トレートエレメント２２の先端部を絶縁体２８内に固定
する止め金である。
【００２０】図３は本実施形態のホイップアンテナ２１
を装着した携帯無線機３１の内部構成を示す縦断面図で
あり、携帯無線機３１の筐体３２の上端部に設けられた
ホイップアンテナ２１は、整合回路３３を介して無線回
路３４に接続されている。
【００２１】次に、このホイップアンテナ２１の動作に
ついて説明する。ホイップアンテナ２１伸張時には、図
１（ａ）に示すように、ホイップアンテナ給電部２５よ
りストレートエレメント２２に給電される。このとき、
ストレートエレメント２２はヘリカルアンテナ給電部２
３に容量結合されているので、この容量結合量を調整す
ることにより、全体の電気長がλ／２になるよう調整さ
れ（図４（ａ））、人体劣化の小さいホイップアンテナ
として動作する。
【００２２】電気長の調整は、ストレートエレメント２
２とヘリカルアンテナ給電部２３との結合量により調整
する。この結合量の調整は、ストレートエレメント２２
のヘリカルアンテナ給電部２３への挿入量と、その間を
絶縁している絶縁体２８の誘電率により調整する。
【００２３】一方、ホイップアンテナ２１収納時には、
図１（ｂ）に示すように、ストレートエレメント２２が
筐体２０内に収納される。このとき、ストレートエレメ
ント２２はヘリカルアンテナ給電部２３に容量結合され
ているので、収納されたストレートエレメント２２が電
気的に切り離されてヘリカルアンテナ給電部２３よりヘ
リカルアンテナ素子２４のみに給電され、電気長がλ／
２のヘリカルアンテナ素子２４単体として動作する（図
４（ｂ））。
【００２４】本実施形態のホイップアンテナ２１によれ
ば、伸張時には、ストレートエレメント２２とヘリカル
アンテナ給電部２３の容量結合量を調整することによ
り、ヘリカルアンテナ素子２４を調整することなく伸張
時の電気長を調整することができる。また、収納時に
は、ヘリカルアンテナ素子２４が単体として動作するこ
とにより、所望の共振周波数、比帯域になるよう構造寸
法を最適調整することができる。さらに、伸張時、収納
時共に電気長がλ／２のアンテナとすることにより、１
つの整合回路３３を共通に用いることができ、電力伝送
を効率的に行なうことができる。
【００２５】（第２の実施形態）図５は本発明の第２の
実施形態の携帯無線機のアンテナ構造を示す断面図であ
り、図６は図５の部分拡大断面図である。図において、
４１は伸張時の電気長がλ／２の伸張収納可能なホイッ
プアンテナであり、このホイップアンテナ４１は、上述
した第１の実施形態のストレートエレメント２２を、上
部ストレートエレメント（棒状の上部ストレート部）４
２と、収納時に上部ストレートエレメント４２を収納し
伸張時に上部ストレートエレメント４２と同軸的に接続
する下部ストレートエレメント（下部ストレート部）４
３とからなる２段構造のストレートエレメントに替えた
ものである。
【００２６】このホイップアンテナ４１においても、伸
張時には、図５（ａ）に示すように、上部ストレートエ
レメント４２とヘリカルアンテナ給電部２３の結合容量
により、下部ストレートエレメント４３を含めたホイッ
プアンテナとしての電気長をλ／２に調整する。一方、
収納時には、図５（ｂ）に示すように、上部ストレート
エレメント４２を下部ストレートエレメント４３内に、
下部ストレートエレメント４３を筐体２０内にそれぞれ
収納し、ヘリカルアンテナ給電部２３と電気的に切り離
すことにより、ヘリカルアンテナ素子２４の調整を最適
にする。
【００２７】本実施形態のホイップアンテナ４１におい
ても、上述した第１の実施形態のホイップアンテナ２１
と同様の効果を得ることができる。しかも、上部ストレ
ートエレメント４２と下部ストレートエレメント４３と
からなる２段構造のストレートエレメントとしたので、
電気長をλ／２に確保した状態でストレートエレメント
の長さを短縮させることができ、携帯無線機の小型化に
対応することができる。
【００２８】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の請求項１記
載の携帯無線機のアンテナ構造によれば、前記ホイップ
アンテナと前記ヘリカルアンテナ給電部とを絶縁体を介
して容量結合したので、前記ホイップアンテナ伸張時に
は、前記ストレート部と前記ヘリカルアンテナ給電部の
容量結合量を調整することにより、ヘリカルアンテナ素
子を調整することなく伸張時の電気長を調整することが
できる。また、収納時には、前記ストレート部を切り離
してヘリカルアンテナ単体とすることにより、所望の帯
域で共振するように最適調整されたヘリカルアンテナと
して動作させることができる。
【００２９】以上により、伸張時、収納時共に良好な放
射効率を得ることができる。さらに、伸張時、収納時共
に電気長が同一のアンテナとすることができるので、１
つの整合回路を共通に用いることができ、電力伝送を効
率的に行なうことができる。
【００３０】請求項４記載の携帯無線機のアンテナ構造
によれば、前記ストレート部を、棒状の上部ストレート
部と、収納時に該上部ストレート部を収納し伸張時に該
上部ストレート部と同軸的に接続する下部ストレート部
とにより構成したので、電気的な長さを確保した状態で
前記ストレート部の長さを短縮させることができ、携帯
無線機の小型化に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第１の実施形態の携帯無線機のホイ
ップアンテナを示す図であり、（ａ）は伸張時の状態
を、（ｂ）は収納時の状態をそれぞれ示す断面図であ
る。
【図２】 図１の部分拡大断面図である。
【図３】 本発明の第１の実施形態のホイップアンテナ
を装着した携帯無線機の内部構成を示す図であり、図で
あり、（ａ）は伸張時の状態を、（ｂ）は収納時の状態
をそれぞれ示す構成図である。
【図４】 本発明の第１の実施形態の携帯無線機のホイ
ップアンテナの動作を示す図であり、（ａ）は伸張時の
状態を、（ｂ）は収納時の状態をそれぞれ示す説明図で
ある。
【図５】 本発明の第２の実施形態の携帯無線機のホイ
ップアンテナを示す図であり、（ａ）は伸張時の状態
を、（ｂ）は収納時の状態をそれぞれ示す断面図であ
る。
【図６】 図５の部分拡大断面図である。
【図７】 従来の可変長ホイップアンテナを示す断面図
である。
【図８】 従来の伸縮式ホイップアンテナを示す図であ
り、（ａ）は伸張時の状態を、（ｂ）は収納時の状態を
それぞれ示す断面図である。
【符号の説明】
２０ 携帯無線機の筐体 ２１ ホイップアンテナ ２２ ストレートエレメント（棒状のストレート部） ２３ ヘリカルアンテナ給電部 ２４ ヘリカルアンテナ素子 ２５ ホイップアンテナ給電部 ２６ アンテナ保持金具 ２７ カバー ２８ 絶縁体 ２９ 止め金 ３１ 携帯無線機 ３２ 筐体 ３３ 整合回路 ３４ 無線回路 ４１ ホイップアンテナ ４２ 上部ストレートエレメント（棒状の上部ストレー
ト部） ４３ 下部ストレートエレメント（下部ストレート部）

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 携帯無線機の筐体に設けられ、棒状のス
    トレート部を有する伸張収納可能なホイップアンテナ
    と、該ホイップアンテナの先端部に設けられたヘリカル
    アンテナ給電部と、該ヘリカルアンテナ給電部に接続さ
    れたヘリカルアンテナとを備えた携帯無線機のアンテナ
    構造において、 前記ヘリカルアンテナは、その電気長が１／２波長とさ
    れ、前記ホイップアンテナと前記ヘリカルアンテナ給電
    部とが絶縁体を介して容量結合され、かつその結合量は
    伸張時の前記ヘリカルアンテナと前記ホイップアンテナ
    を合わせた全体の電気長が１／２波長になるように調整
    されていることを特徴とする携帯無線機のアンテナ構
    造。
  2. 【請求項２】 前記容量結合は、前記ストレート部の前
    記ヘリカルアンテナ給電部への挿入量により調整される
    ことを特徴とする請求項１記載の携帯無線機のアンテナ
    構造。
  3. 【請求項３】 前記容量結合は、前記絶縁体の誘電率に
    より調整されることを特徴とする請求項１記載の携帯無
    線機のアンテナ構造。
  4. 【請求項４】 前記ストレート部は、棒状の上部ストレ
    ート部と、収納時に該上部ストレート部を収納し伸張時
    に該上部ストレート部と同軸的に接続する下部ストレー
    ト部とからなることを特徴とする請求項１、２または３
    記載の携帯無線機のアンテナ構造。
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