JP3327984B2 - 繊維強化樹脂製異形棒状物の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂製異形棒状物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄筋コンクリート用の
主筋や剪断補強筋として用いられる異形棒鋼の代替品や
補助部材等として利用可能な繊維強化樹脂(以下、FR
Pと略記する)製異形棒状物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄筋コンクリート用の主筋や剪断
補強筋として用いられる異形棒鋼の代替品や補助部材等
とし、FRP製の異形棒状物を使用することが提案され
ている。このFRP製異形棒状物は、一般に、一方向強
化FRP製の棒状物からなるコア部とこのコア部の表面
に設けられた突起部とを主要構成部材としており、コア
部の表面に突起部を設けることによりコンクリートとの
定着強力を向上させている。このようなFRP製異形棒
状物の製造方法としては、下記〜の方法が知られて
いる。
【0003】補強繊維からなる繊維体に熱硬化性樹脂
を含浸させ、これを所望断面を有する金型内に導いて所
望断面形状に引抜き成形し、次いで半硬化状態の引抜き
繊維体(本発明でいうコア部に相当)の外周に突部形成
部材を配置してその外周から紐状体を巻き付け、その後
該熱硬化性樹脂を硬化させて該突部形成部材を該紐状体
に固着させることによりFRP製異形棒状物を得る(特
開昭61−49809号公報参照)。この方法では、引
抜き成形したものを例えばテープで巻回被覆してその形
状を規制しながら半硬化処理を施して半硬化状態の引抜
き繊維体(巻回被覆されているもの)を得る。そして、
半硬化処理後に前記テープを解き外して半硬化状態の引
抜き繊維体(巻回被覆されていないもの)を得、この引
抜き繊維体の外周に突部形成部材を配置する。
【0004】熱硬化性樹脂を含浸させた複数本のフィ
ラメントまたは粗糸を集めて加熱成形型に導き、ここで
熱硬化性樹脂を硬化させながら所定形状に引き抜くこと
により円柱状のコア(本発明でいうコア部に相当)を形
成した後、これを所定の長さに切断する。次いで、別工
程において、コア(切断後のもの)にフィラメントを螺
旋状に巻回させてエンボス部を形成する。螺旋状に巻回
されたフィラメントとコアとの固定は、フィラメントを
巻回する前にコアを熱硬化性材料で湿潤させるか、また
は加熱により硬化する粗糸をフィラメントとして用いる
ことで行う。この巻回過程の後に樹脂の重合を行って、
FRP製異形棒状物を得る(特開昭61−274036
号公報参照)。この方法では、必要に応じて、コアおよ
びエンボス部(螺旋)を巻回過程の後に熱硬化性樹脂層
で被包する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法では、引抜き成形したのの形状を規制するために
はこれをテープ等で巻回被覆しなければならず、かつ巻
回被覆に用いた部材は半硬化処理後に解き外さなければ
ならない。このため、上記の方法には生産性が低いと
いう難点がある。また、上記の方法では、コアを形成
するために型内硬化および硬化したものの引抜きを行わ
なければならない。このため、上記の方法にも生産性
が低いという難点がある。
【0006】本発明の目的は、FRP製異形棒状物を高
い生産性の下に製造することができる方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のFRP製異形棒状物の製造方法は、長繊維状の補強
繊維束に液状の熱硬化性樹脂を含浸させ後、この補強繊
維束に含浸した余分な樹脂を絞り出しながら該補強繊維
束を所定の断面形状に成形することによりコア部を形成
する工程と、前記コア部の外周に補強繊維からなる紐状
体を一方向または複数方向から巻き付けて未硬化の異形
棒状物を形成する工程と、前記未硬化の異形棒状物の表
面に光硬化性樹脂をコーティングする工程と、前記光硬
化性樹脂を硬化させる工程と、前記光硬化性樹脂の硬化
後に、前記コア部に含浸している熱硬化性樹脂を硬化さ
せる工程とを含むことを特徴とするものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
方法では、まず、長繊維状の補強繊維束に液状の熱硬化
性樹脂を含浸させ後、この補強繊維束に含浸した余分な
樹脂を絞り出しながら該補強繊維束を所定の断面形状に
成形することによりコア部を形成する工程(以下、第1
の工程という)を行う。
【0009】ここで、長繊維状の補強繊維束としては、
ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、炭素繊維、セラミ
ック繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリアリレート繊
維、ビニロン繊維等、高強度低伸度で補強効果のある繊
維(連続繊維)の1種または複数種を所望本数収束させ
たものを用いることができる。
【0010】また、この補強繊維束に含浸させる液状の
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル
樹脂[エポキシ(メタ)アクリレート]、ウレタン(メ
タ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレー
ト、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂、マ
レイミド樹脂、トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、フェ
ノール樹脂等の重合性モノマー、プレポリマー、ポリマ
ーまたはこれらの混合物に熱硬化触媒を添加したものを
用いることができる。ここに「(メタ)アクリレート」
はアクリレートとメタクリレートの両者を意味する。熱
硬化触媒としては、エポキシ樹脂系の熱硬化性樹脂に対
してはジシアンジアミドや酸無水物等を、その他のもの
に対してはケトンパーオキサイド、ジアシルパーオキサ
イド、アルキルパーエステル、パーカーボネート、ハイ
ドロパーオキサイド、パーオキシケタール等の過酸化物
等を用いることができる。なお上記の「液状の熱硬化性
樹脂」とは、熱硬化性樹脂自体が液状の場合だけでな
く、固体の熱硬化性樹脂を希釈剤、溶媒等に溶解して液
状にしたものを包含する。
【0011】長繊維状の補強繊維束に液状の熱硬化性樹
脂を含浸させるにあたっては、浸漬法等の公知の方法を
適用することができる。
【0012】第1の工程では、上述のようにして長繊維
状の補強繊維束に液状の熱硬化性樹脂を含浸させ後、こ
の補強繊維束に含浸した余分な樹脂を絞り出しながら該
補強繊維束を所定の断面形状に成形してコア部を形成す
る。このときの余分な樹脂の絞り出しおよび補強繊維束
(樹脂が含浸したもの)の成形は、例えば、絞りノズ
ル、絞りガイド、ローラ等を所定数用いた絞り成形によ
り行うことができる。
【0013】余分な樹脂の絞り出しは、最終的に得られ
るFRP製異形棒状物における前記補強繊維束と前記熱
硬化性樹脂(硬化後のもの)の割合が、補強繊維束50
〜65vol%、熱硬化性樹脂50〜35vol%とな
るようにするのが好ましい。その理由は補強繊維束が5
0vol%未満で、熱硬化性樹脂が50vol%を超え
ると、補強効果が不足するため、コア部の所定形状保持
と寸法精度維持が困難となるからである。また、最終的
に得られるFRP製異形棒状物の強度、弾性率が低くな
るからでもある。一方、補強繊維束が65vol%を超
え、熱硬化性樹脂が35vol%未満であると、補強繊
維束への樹脂含浸量が不足するため、樹脂の絞り出しを
行う際の抵抗が大きく作業性が悪いからである。また、
成形後のコア部が賦形した寸法より膨脹し、所定の形状
維持が困難となるからでもある。
【0014】コア部の形成は、最終的に得られるFRP
製異形棒状物が一方向強化FRP製となるように、長繊
維状の補強繊維束がコア部の長手方向に向けて配列する
ように行う。このときのコア部の断面形状は、目的とす
るFRP製異形棒状物の用途等に応じて、正方形、矩
形、円形、楕円形、三角形等の任意の形状とすることが
できる。
【0015】本発明の方法では、上述した第1の工程に
よりコア部を形成した後に、このコア部の外周に補強繊
維からなる紐状体を一方向または複数方向から巻き付け
て未硬化の異形棒状物を形成する工程(以下第2の工程
という)を行う。
【0016】ここで、補強繊維からなる紐状体として
は、前述した長繊維状の補強繊維束と同質の単繊維(連
続繊維)の1種または複数種を所望本数収束させた繊維
束からなるロービング、撚糸、テープ状成形物等を用い
ることができる。紐状体の材質は、前述した長繊維状の
補強繊維束の材質と一致させてもよいし、一致させなく
てもよい。
【0017】紐状体の外径および巻き付けピッチは、例
えばJIS G3112「鉄筋コンクリート用棒鋼」に
規定される公称直径やふし高さ、ふし間隔に応じて適宜
設定することができるが、これに限定されるものではな
い。前記規格に応じた場合、一般的には、ふし高さは公
称直径の4〜10%、巻き付けピッチは公称直径の0.
5〜2.0倍とされている。
【0018】コア部の外周への前記紐状体の巻き付け
は、この紐状体によりコア部の表面に突起部を設けるこ
とができさえすれば基本的によく、一方向から巻き付け
てよいし2方向から巻き付けてもよい。紐状体の巻き付
けは、縦方向の引張り荷重により生じる捩れを防止する
うえから、2方向から2本の紐状体が互いに交差するよ
うに行うことが好ましい。コア部の外周に前記紐状体を
巻き付けることにより、未硬化の異形棒状物を形成する
ことができる。
【0019】本発明の方法では、上述した第2の工程に
より未硬化の異形棒状物を形成した後に、この未硬化の
異形棒状物の表面に光硬化性樹脂をコーティングする工
程(以下、第3の工程という)を行う。ここで、光硬化
性樹脂としては、以下(a)〜(b)のものを用いるこ
とができる。
【0020】(a)エポキシ樹脂、ビニルエステル[エ
ポキシ(メタ)アクリレート]、ウレタン(メタ)アク
リレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエ
ステル(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル、ジ
アリルフタレート樹脂等のプレポリマー、ポリマー、あ
るいはこれらの混合物。 (b)単官能または2官能エポキシモノマー、(メタ)
アクリレート系のモノマー[ヒドロキシプロピルアクリ
レート(HDPA)、トリメチルプロパントリアクリレ
ート(TMPTA)、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート(NPGDA)等]、ビニルモノマー(スチレ
ン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、無水マレイン酸、
N−ビニルピロリドン等)等の重合性モノマーあるいは
これらの混合物。
【0021】上記(a)の光硬化性樹脂と上記(b)の
光硬化性樹脂とは、それぞれ単独で用いてもよいし、両
者を併用してもよい。また、上記(a)〜(b)の光硬
化性樹脂とともに光硬化開始剤が通常用いられる。すな
わち、エポキシ樹脂系の光硬化性樹脂の場合にはジアゾ
ニウム化合物等の公知の光カチオン重合開始剤を用いる
ことができ、その他の光硬化性樹脂の場合にはベンゾイ
ン化合物、チオキサントン等の公知の光ラジカル重合開
始剤を用いることができる。
【0022】光硬化性樹脂のコーティングは、浸漬法、
滴下法、スプレー法等により行うことができる。このコ
ーティングは、コア部表面で紐状体に覆われていない部
分も光硬化性樹脂により十分に覆われるように行うこと
が好ましい。また、紐状体が複数本の補強繊維からなる
ことから、この紐状体の内部に光硬化性樹脂が十分に含
浸するようにコーティングを行うことが好ましい。その
ため、光硬化性樹脂の粘度(25℃下での測定値)は1
0ポイズ以下、好ましくは1ポイズ以下であることが望
ましい。
【0023】光硬化性樹脂のコーティング量は、補強繊
維からなる紐状体とこれに含浸した光硬化性樹脂との割
合が、前者が50〜65vol%、後者が50〜35v
ol%となるようにすることが好ましい。コーティング
量が多すぎる場合には、コア部表面で紐状体に覆われて
いない部分の表面樹脂量が過大となり、液状樹脂が垂れ
落ちる等の不都合が生じる。一方、コーティング量が少
なすぎる場合には、紐状体への含浸樹脂量が不足するた
めに紐状体の表面形状を平滑に維持することができなく
なる。
【0024】本発明の方法では、上述した第3の工程に
より未硬化の異形棒状物の表面に光硬化性樹脂をコーテ
ィングした後に、この光硬化性樹脂を硬化させる工程
(以下、第4の工程という)を行う。光硬化性樹脂の硬
化は、光硬化性樹脂の種類に応じて、キセノンランプ、
高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等を光源とした
紫外線照射装置等の高エネルギー線照射装置を用いて行
うのが好ましい。この光硬化により、コア部が未硬化状
態のまま、異形棒状物の形態が保持される。
【0025】本発明の方法では、上述した第4の工程に
より光硬化性樹脂を硬化させた後に、前述したコア部に
含浸している熱硬化性樹脂を硬化させる工程(以下、第
5の工程という)を行う。熱硬化性樹脂の硬化は、表面
にコーティングされた光硬化性樹脂が硬化した後の異形
棒状物を、例えば熱硬化性樹脂の種類に応じた所定の温
度で所定の時間、所定の加熱槽中で加熱することにより
行うことができる。上述のようにしてコア部に含浸して
いる熱硬化性樹脂を硬化させることにより、目的とする
FRP製異形棒状物を得ることができる。なお、得られ
たFRP製異形棒状物は、必要に応じて所望長に切断す
る。
【0026】このようにして得られるFRP製異形棒状
物では、コア部の外周に紐状体を巻き付けることにより
形成された突起部は最終的にFRP製となっており、コ
ア部とこのコア部の外周に巻き付けられた紐状体との界
面が接着して両者は一体化している。このため、このF
RP製異形棒状物を鉄筋コンクリート用の異形棒鋼の代
替品や補助部材等として用いた場合には、突起部が容易
に剪断剥離することがないため、コンクリートとの定着
強力を確保することができる。
【0027】
【作用】本発明の方法では、第1の工程で形成されたコ
ア部は第5の工程で熱硬化性樹脂が硬化されるまで未硬
化状態のままであるが、第2の工程においてその外周に
補強繊維からなる紐状体が巻き付けられて未硬化の異形
棒状物に成形されることから、コア部の形状はこの段階
である程度保持される。そして、未硬化の異形棒状物の
表面に第3の工程でコーティングされた光硬化性樹脂
は、紐状体の内部に含浸するのみならずコア部表面で紐
状体に覆われていない部分を覆うことから、第4の工程
でこの光硬化性樹脂を硬化させると、コア部の熱硬化性
樹脂は未硬化状態のままで、異形棒状物の形状が実質的
に保持される。
【0028】コア部に含浸している熱硬化性樹脂を第5
の工程で硬化させると、コア部は初め反応熱により膨脹
し、反応後に収縮するが、このような膨脹および収縮が
生じても、コア部の表面に巻き付けられた紐状体と硬化
後の光硬化性樹脂との固定効果により、コア部の形状を
含めて、異形棒状物の形状は崩れることなく実質的に成
形時の形状が保持される。
【0029】このように、本発明の方法ではコア部の形
状を容易に保持することができ、コア部の形状を保持す
るためのテープ等の巻回被覆およびその解き外しは不要
である。また、コア部を形成するための型内硬化および
硬化したものの引抜きも不要である。さらに本発明の方
法では、光硬化性樹脂を硬化させるために照射する光
(高エネルギー線)の照射エネルギーおよび熱硬化性樹
脂を硬化させるための加熱温度を上げて樹脂の硬化に要
する反応時間を短縮することにより、容易に製造速度を
上げることができる。このときの反応時間の確保は、例
えば高エネルギー線照射槽および加熱槽の長さを所望長
にすることにより容易に行うことができる。したがっ
て、本発明によれば従来法よりも高い生産性の下にFR
P製異形棒状物を製造することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0031】実施例1 まず、長繊維状の補強繊維束としてアラミド繊維(デュ
ポン社製:ケブラー49)のロービング(2840de)
を48本用意し、図1に示すように、各スタンド1から
アラミド繊維束を引き出し、引き出した各繊維束は繊維
ガイド2を介して、液状の熱硬化性樹脂を満たした樹脂
含浸槽3に通した。これにより、長繊維状のアラミド繊
維束に液状の熱硬化性樹脂が含浸した。このときの液状
の熱硬化性樹脂としては、ビニルエステル樹脂(三井東
圧化学社製:エスターH−2000HV)80部に架橋
成分としてトリプロピレングリコールジメタクリレート
(新中村化学社製:NKエステル3G)20部を加え、
さらに、熱硬化触媒としてベンゾイルパーオキサイド
(化薬アクゾ社製:カドックスBCH50)4部とアル
キルパーエステル系過酸化物(化薬アクゾ社製:カヤブ
チルB)0.5部を添加したものを用いた。
【0032】次いで、一連の絞りノズルおよび絞りダイ
ス4を通過させて、アラミド繊維含有率が65.3vo
l%になるまで余分な樹脂を絞りかつ断面形状が外径
4.5mmの円形になるように成形して、コア部を形成し
た。このときの絞りノズルおよび絞りダイス4は、一番
目がφ2.4mm×32ホール、二番目がφ4.5mm×4
ホールとし、三番目から四番目、五番目、六番目、七番
目までは1ホールとしてφ6.2mm、φ5.6mm、φ
5.3mm、φ4.7mm、φ4.5mmの順に絞った。
【0033】次に、補強繊維からなる紐状体としてケブ
ラー撚糸[三星ベルト社製:アラミドコード(1000
Tex×3本の撚糸]を2本用意し、これらのケブラー
撚糸を左右両方向のスタンド5,6から各々引き出し
て、上で形成したφ4.5mmのコア部の外周に6mmのピ
ッチで螺旋状に巻き付けた。これにより、未硬化の異形
棒状物が形成された。
【0034】次いで、光硬化開始剤を含有する光硬化性
樹脂を満たしたコーティング樹脂槽7に上で得られた未
硬化の異形棒状物を通して、その表面に1m当たり3g
の割合で光硬化性樹脂をコーティングした。このときの
光硬化性樹脂としては、ビニルエステル樹脂(三井東圧
化学社製:エスターH−2000HV)48部に架橋成
分としてトリプロピレングリコールジメタクリレート
(新中村化学製:NKエステル3G)12部、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート(日本化薬社製:TM
PTA)20部、およびヘキサンジオールジアクリレー
ト(日本化薬社製:HDDA)20部を加えたものを用
いた。また、光硬化開始剤としてはイルガキュア651
(チバガイギー社製)を3部用いた。
【0035】次に、コーティング後の異形棒状物を直ち
に紫外線照射装置8(オーク社製:QR4000、ラン
プ長;600mm、槽長;750mm)中に温度80℃とし
て1m/分の速度で通して、光硬化性樹脂を硬化させ
た。これに引き続き、表面にコーティングされた光硬化
性樹脂が硬化した後の異形棒状物をガイド9を介して槽
内温度220℃の熱風硬化槽10に通して、コア部に含
浸している熱硬化性樹脂を硬化させた。これによりFR
P製異形棒状物が得られた。このFRP製異形棒状物は
キャタピラ式引取機11で引き取り、連続的に3m長に
切断した。
【0036】このようにして得られたFRP製異形棒状
物の表面形状は良好であり、外径(最大径)寸法測定結
果は最小5.1mmから最大5.3mm(n=10)の範囲
となり寸法精度は良好であった。また、このFRP製異
形棒状物を埋め込み長さが100mmとなるようにコンク
リート中に埋め込み、コンクリートを90時間養生した
後の定着強度を測定したところ、その定着強度は77kg
/cm2 と良好であった。なお定着強度は、引抜き時の最
大引抜き抵抗力をコンクリートとの接触面積で除するこ
とにより求めた。このFRP製異形棒状物について引張
速度5mm/分の条件で行なった引張試験の結果は次の通
りであった。 破断強力:2.7ton ,破断伸度:4%,引張弾性率:
8520kg/mm2
【0037】比較例1 コア部の外周にケブラー撚糸を巻き付けなかった以外は
実施例1と同様にして、FRP製棒状物を得た。このよ
うにして得られたFRP製棒状物の表面形状は実施例1
のものに比べて劣り、外径寸法測定結果は最小5.1mm
から最大6.3mm(n=10)の範囲となり実施例のも
のに比べて寸法精度が劣っていた。また、このFRP製
棒状物の定着強度を実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、定着強度は15kg/cm2 と低かった。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
FRP製異形棒状物を高い生産性の下に製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維強化樹脂製異形棒状物の製造工程
の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1…スタンド、2…繊維ガイド、3…樹脂含浸槽、4…
一連の絞りノズルおよび絞りダイス、5…スタンド、6
…スタンド、7…コーティング樹脂槽、8…紫外線照射
装置、9…ガイド、10…熱風硬化槽、11…引取機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−295239(JP,A) 特開 昭62−174134(JP,A) 特開 平4−108132(JP,A) 特開 平3−268927(JP,A) 特開 昭61−274036(JP,A) 特表 平3−500665(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 70/00 - 70/88 E04C 5/00 - 5/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長繊維状の補強繊維束に液状の熱硬化性
    樹脂を含浸させ後、この補強繊維束に含浸した余分な樹
    脂を絞り出しながら該補強繊維束を所定の断面形状に成
    形することによりコア部を形成する工程と、 前記コア部の外周に補強繊維からなる紐状体を一方向ま
    たは複数方向から巻き付けて未硬化の異形棒状物を形成
    する工程と、 前記未硬化の異形棒状物の表面に光硬化性樹脂をコーテ
    ィングする工程と、 前記光硬化性樹脂を硬化させる工程と、 前記光硬化性樹脂の硬化後に、前記コア部に含浸してい
    る熱硬化性樹脂を硬化させる工程とを含むことを特徴と
    する繊維強化樹脂製異形棒状物の製造方法。
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