JP3326983B2 - 耐火性に優れた高力ボルト用鋼 - Google Patents
耐火性に優れた高力ボルト用鋼Info
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Description
ける各種構造物に用いる摩擦接合用の高力ボルトに関
し、特に耐火構造建造物への利用に適した耐火性に優れ
た高力ボルト用鋼に関する。
温にさらされると強度が著しく低下するため火災が発生
しても鋼材の温度が高くならないように耐火被覆を施す
ことが義務づけられていた。
て高温強度に優れた鋼材を使用することで法令で義務づ
けられていた耐火被覆を削減または省略することが可能
となったことから、摩擦接合用の高力ボルトに対しても
高温強度の向上が要求されるようになってきた。
報、特開平5−51698号公報、特開平5−1059
57号公報等に開示されているように、Mo添加鋼を基
本として耐火性の向上を図ったボルトおよびナット用鋼
が提案されている。
2−247355号公報に開示されたボルトおよびナッ
トは耐火性が十分とはいえず、より高い高温強度を得る
ためにはNi,V等の高価な合金元素を添加しなければ
ならない。また、特開平5−51698号公報および5
−98389号公報に開示されたボルトおよびナット用
鋼は600℃で40kg/mm2 以上の耐力を有してお
り、高温強度が優れているが、Nb、W等の特殊元素の
添加が必要であり、素材コストの上昇を招くという問題
がある。さらに、特開平5−105957号公報に開示
されたボルトもTi,Bを添加する点で同様にコストの
上昇を招く。
ものであって、特殊元素の添加による素材コストの上昇
を招くことなく、室温で100kgf/mm2 以上の高
い引張強度を有しかつ耐火性に優れた高力ボルト用鋼を
提供することを目的とする。
は、上記課題を解決すべく、鋼材の化学成分と高温強度
の関係について鋭意研究を重ねた結果、優れた高温強度
を得るためにはCr,Moの添加が必須であり、さらに
Nを通常レベルより多く含有させ、かつAl/Nを一定
範囲に制限すればよいことを見出した。
されたものであり、C:0.15〜0.30wt%、S
i:0.50wt%以下、Mn:0.30〜1.50w
t%、Cr:0.50〜1.50wt%、Mo:0.2
5〜0.65wt%、Al:0.01〜0.05wt
%、N:0.007〜0.030wt%を含有し、Al
/Nが重量比で1.5〜2.8の範囲であり、残部Fe
および不可避不純物からなることを特徴とする耐火性に
優れた高力ボルト用鋼を提供する。
由について説明する。 (1)C:0.15〜0.30wt% Cは焼入れ焼戻し処理により引張強度を確保するために
必要な元素であるが、0.15wt%未満では必要な引
張強度が得られず、0.35wt%を超えるとボルト成
形加工時の変形抵抗が増大し加工性が低下する。従っ
て、その含有量を0.15〜0.30wt%とした。
えると変形抵抗の増大を招くため、その上限を0.50
wt%とした。
び靭性を確保するために有効であるが、0.3wt%未
満では十分な強度が得られず、1.5wt%を超えると
Siと同様に変形抵抗の増大を招き、ボルト成形加工時
の加工性が低下する。従って、その含有量を0.30〜
1.50wt%とした。
る元素であるが、0.50wt%未満では必要な高温強
度が得られず、また1.50wt%を超えると変形抵抗
が増大し加工性の低下を招く。従って、その含有量を
0.50〜1.50wt%とした。
果を得るには0.25wt%以上の添加が必要である
が、0.65wt%を超えて添加してもその効果が飽和
し素材コストの上昇を招くばかりでなく加工性が低下し
てしまう。従って、その含有量を0.25〜0.65w
t%とした。
析出して組織を微細化することにより高温強度を向上さ
せる元素であるが、0.01wt%未満では必要な高温
強度が得られず、0.05wt%を超えると酸化物系の
介在物が増加し靭性の低下を招く。従ってその含有量を
0.01〜0.05wt%とした。
度の向上に寄与する有効な元素であるが、0.007w
t%未満では必要な高温強度が得られず、0.030w
t%を超えると靭性の低下を招く。従って、その含有量
を0.007〜0.030wt%とした。
とによって高温強度を上昇させる作用を有し、本発明に
おいて最も重要な元素であるが、このような作用を発揮
させるためにはこれらの比が重要であり、重量比Al/
Nの値が1.5〜2.8の場合に組織の微細化が達成さ
れ、必要な高温強度が得られる。この値が1.5未満の
場合および2.8を超える場合にはいずれも組織が粗大
化してしまい、必要な高温強度が得られない。従って、
重量比で規定するAl/Nの値を1.5〜2.8とし
た。
表1に示す成分組成の鋼を溶製し、熱間圧延により30
mmφの丸棒にした。そして、これらの丸棒に対し、8
70〜900℃の温度に加熱し焼入れを行い、その後4
60〜580℃の温度で焼戻し処理を行った。
の丸棒から引張試験片を切出し、室温および600℃で
引張試験を行った。焼入れ焼戻し条件と、引張試験の結
果を表2に示す。
1〜6はいずれも常温で100kgf/mm2 以上の引
張強度を有しており、600℃の高温においても優れた
引張特性を有していることが確認される。
はCr,Mo,AlまたはNが本発明の範囲よりも少な
いため、600℃での強度が低かった。また、No.1
1,12は、個々の成分は本発明の範囲内であるが、A
l/Nの値が本発明の範囲から外れているために、十分
な高温強度が得られなかった。
特殊元素の添加による素材コストの上昇を招くことな
く、室温で100kgf/mm2 以上の高い引張強度を
有しかつ耐火性に優れた高力ボルト用鋼が提供される。
本発明の鋼は耐火構造建造物での摩擦接合用高力ボルト
として使用可能であり低コストであることから、産業上
極めて有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 C:0.15〜0.30wt%、 Si:0.50wt%以下、 Mn:0.30〜1.50wt%、 Cr:0.50〜1.50wt%、 Mo:0.25〜0.65wt%、 Al:0.01〜0.05wt%、 N :0.007〜0.030wt% を含有し、Al/Nが重量比で1.5〜2.8の範囲で
あり、残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴
とする耐火性に優れた高力ボルト用鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20393294A JP3326983B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 耐火性に優れた高力ボルト用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20393294A JP3326983B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 耐火性に優れた高力ボルト用鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0867943A JPH0867943A (ja) | 1996-03-12 |
JP3326983B2 true JP3326983B2 (ja) | 2002-09-24 |
Family
ID=16482083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20393294A Expired - Fee Related JP3326983B2 (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 耐火性に優れた高力ボルト用鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3326983B2 (ja) |
-
1994
- 1994-08-29 JP JP20393294A patent/JP3326983B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0867943A (ja) | 1996-03-12 |
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