JP3325381B2 - 変色作用の少ない抗菌性ゼオライトの製造法 - Google Patents

変色作用の少ない抗菌性ゼオライトの製造法

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JP3325381B2 JP06810294A JP6810294A JP3325381B2 JP 3325381 B2 JP3325381 B2 JP 3325381B2 JP 06810294 A JP06810294 A JP 06810294A JP 6810294 A JP6810294 A JP 6810294A JP 3325381 B2 JP3325381 B2 JP 3325381B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性ゼオライトを含
む有機ポリマーを熱又は日光などの影響下に置いた時に
該ポリマーを変色させる作用が少ない抗菌性ゼオライト
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン等が抗
菌性を有することは古くより知られており、例えば銀イ
オンは硝酸銀の溶液の形態で消毒剤や抗菌剤として広く
利用されてきた。しかしながら溶液状では取扱いの点で
不便があり、また用途の点でも限定される。こうした欠
点を取り除くために、金属イオンをゼオライト等の固体
に保持させた製品が開発されてきた。例えばフランス国
特許出願第1061158号には、銅、亜鉛、銀等で飽
和されたゼオライトを20〜30重量%含む船舶用塗料
が記載されている。また、日本国特公昭63−5401
3号、特開昭63−260810号及び特開昭63−2
70764号公報には、抗菌性の更に改善されたゼオラ
イト組成物が記載されている。
【0003】日光等の紫外線で経時的に変色することの
ない抗菌性ゼオライトが提案されている(特開昭63−
265809号公報)。これはゼオライト中のイオン交
換可能なイオンの一部又は全部をアンモニウムイオン及
び抗菌性金属イオンで置換した抗菌性ゼオライト及び抗
菌性ポリマー組成物に関するものである。しかし、この
抗菌性ゼオライトは、抗菌性金属として銀イオンだけを
保持したときは熱安定性に欠け、A型ゼオライトを用い
た場合特に、これ自体が300℃の加熱ですでに黄土色
に変色し、ポリプロピレン樹脂(練り込み温度240
℃)に練り込むと薄茶色に変色するという不具合があ
り、著しく商品価値を損なうという問題点があった。
【0004】シリコーン系コーティング剤の溶液で抗菌
性ゼオライト粒子を処理することによって、シリコーン
系コーティング被覆を有する抗菌性ゼオライト粒子を作
ることが知られている(特公平3−80814号公
報)。これは、吸湿能を必要な程度に抑えられ、疎水性
又は撥水性を有し、これと有機ポリマーとを配合して成
形する際に水分を放出しないので成形が有利に行える利
点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機ポリマ
ー等、特に溶剤を含む有機ポリマーに配合した場合、加
工時の熱の影響下で、あるいは日光等紫外線下でポリマ
ー等を変色させる作用が極めて少ない抗菌性ゼオライト
の製造方法及びそうして作られた抗菌性ゼオライトを提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、エチレン性
不飽和化合物が持つ優れた耐候性、及びむらのない薄膜
を形成し得るという特質に着目し、下記の所定量でアル
コキシシラン化合物との共重合体を形成してゼオライト
表面を処理することにより、アルコキシシラン化合物が
本来有するゼオライト表面への接着力を保持しながら、
上記特質を生じせしめ、今迄にない耐候性をゼオライト
に付与し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、本発明は、抗菌性金属を担持するゼ
オライトの変色作用を抑制する方法において、抗菌性金
属を担持するゼオライト1000重量部に対して、0.
05重量部以上のエチレン性不飽和結合を含むアルコキ
シシラン単量体と9.95重量部以上のエチレン性不飽
和単量体から少なくとも成り、かつ該アルコキシシラン
単量体と該エチレン性不飽和単量体との総和が10〜2
00重量部である共重合体により、上記ゼオライトを表
面処理することを特徴とする方法である。
【0008】抗菌性金属を担持するゼオライト自体は公
知であり、ゼオライトへの抗菌性金属のイオン交換によ
って作ることができる。抗菌性金属としては、銀、銅、
亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、
コバルト、ニッケル、又はこれらの2種以上の組合せが
挙げられる。好ましくは、銀、銅、亜鉛、又はこれらの
組合せが用いられ、特に銀単独、又は銀と銅又は亜鉛の
組合せが抗菌性に優れている。銀を担持する抗菌性ゼオ
ライトの場合に特に、熱、光の作用下での有機ポリマー
の変色が比較的大きいので、本発明の効果が顕著であ
る。抗菌性ゼオライトを作る方法は、たとえば特公昭6
3−54013号及び特公平3−80814号公報に記
載されている。
【0009】ゼオライトは一般に三次元的に発達した骨
格構造を有するアルミノシリケートであって、一般には
Al2 3 を基準にしてxM2/n O・Al2 3 ・yS
iO2 ・zH2 Oで表わされる。Mはイオン交換可能な
金属イオンを表わし、通常は1〜2価の金属であり、n
はこの原子価に対応する。一方、x及びyはそれぞれ金
属酸化物、シリカの係数を表し、zは結晶水の数を表わ
している。ゼオライトは、その組成比及び細孔径、比表
面積などの異なる多くの種類のものが知られている。
【0010】本発明で使用するゼオライト素材としては
天然または合成品の何れのゼオライトも使用可能であ
る。
【0011】例えば天然のゼオライトとしてはアナルシ
ン、チャバサイト、クリノプチロライト、エリオナイ
ト、フォジャサイト、モルデナイト、フィリップサイト
等が挙げられる。一方合成ゼオライトの典型的なものと
してはA‐型ゼオライト、X‐型ゼオライト、Y‐型ゼ
オライト、モルデナイト等が挙げられるが、これらの合
成ゼオライトは本発明のゼオライト素材として好適であ
る。特に好ましいものは、合成のA‐型ゼオライトであ
り、これは変色作用が大きいので本発明の効果が顕著に
表われる。
【0012】ゼオライトの形状は粉末粒子状が好まし
く、粒子径は用途に応じて適宜選べばよい。厚みのある
成形体、例えば各種容器、パイプ、粒状体あるいは太デ
ニールの繊維等に本発明の殺菌性ゼオライトを混入して
使用する場合には粒子径は数ミクロン〜数10ミクロン
あるいは数100ミクロン以上でよく、一方細デニール
の繊維やフィルムに成形する場合は粒子径が小さい方が
好ましく、例えば衣料用繊維の場合は5ミクロン以下、
特に2ミクロン以下であることが望ましい。また、家庭
用塗料等の合成樹脂塗料や各種合成樹脂接着剤に用いる
場合にも、粒子径の小さいもの、例えば3〜5ミクロン
以下が好ましい。
【0013】金属はゼオライト固体粒子にイオン交換反
応により担持されていることが好ましい。イオン交換に
よらず単に金属化合物を吸着あるいは付着した場合に
は、最終製品の抗菌効果の持続性が不十分となるおそれ
がある。ゼオライト固体粒子のイオン交換容量未満、特
にその約90%以下の量の金属イオンでイオン交換する
のが好ましい。飽和以上にイオン交換したものでは、抗
菌効果及びその持続性の劣ることがある。
【0014】金属イオンを保持させる方法として各種の
ゼオライトをAg‐ゼオライトに転換する場合を例にと
り説明する。通常Ag‐ゼオライト転換に際しては硝酸
銀のような水溶性銀塩の溶液が使用されるが、これの濃
度及びpHに十分留意する必要がある。例えばA‐型又は
X‐型ゼオライト(ナトリウム‐型)をイオン交換反応
を利用して銀イオンを担持させる際、銀イオン濃度が大
であると(例えば1〜2M AgNO3 使用時は)イオ
ン交換により銀イオンが固相のナトリウムイオンと置換
すると同時にゼオライト固相中に銀の酸化物等として沈
殿析出することがある。銀酸化物が析出すると抗菌力は
低下することが知られている。かかる沈澱の生成を防止
するために、銀溶液の濃度を希釈状態例えば0.3M以
下に保つか、又はイオン交換時に酸を添加して、溶液の
pHを酸性側に調節するのが好ましい。かかる濃度の硝酸
銀溶液を使用するか又は溶液のpHを酸性側に保つと、抗
菌力の効果が最適条件で発揮できる。
【0015】上述のイオン交換反応をバッチ法で実施す
る際には、上述の濃度、又は酸性側のpHを有する塩類溶
液を用いてゼオライト素材を浸漬処理すればよい。ゼオ
ライト素材中への金属含有量を高めるためにはバッチ処
理の回数を増大すればよい。一方、上述の濃度、pHを有
する塩類溶液を用いてカラム法によりゼオライト素材を
処理する場合には、吸着塔にゼオライト素材を充填し、
これに塩類溶液を通過させれば容易に目的とする金属‐
ゼオライトが得られる。
【0016】上記の金属‐ゼオライト(無水ゼオライト
基準)中に占める金属の量は、銀については好ましくは
20重量%以下であり、特に0.001〜5重量%であ
る。銅及び亜鉛については、金属‐ゼオライト(無水ゼ
オライト基準)中に占める銅又は亜鉛の量は好ましくは
25重量%以下特に0.01〜15重量%である。銀、
銅、亜鉛及び他の金属イオンを併用することも出来る。
この場合、金属イオンの合計量は金属イオンの構成比に
より左右されるが、好ましくは金属‐ゼオライト(無水
ゼオライト基準)に対し25重量%以下、特に0.00
1〜15重量%程度である。
【0017】また、抗菌性金属以外の金属イオン、例え
ばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムあ
るいは他の金属イオンが共存していても殺菌効果を妨げ
ることはないので、これらのイオンの残存又は共存は何
ら差支えない。
【0018】イオン交換の後にゼオライトを通常、液か
ら分離し、洗浄する。分離は瀘過、デカンテーション等
任意の方法で行うことができる。洗浄処理法は任意であ
り、例えば少量の蒸留水により洗浄しても良い。洗浄後
のゼオライトに任意的に乾燥処理を施しても良い。乾燥
条件は常圧又は減圧下100〜500℃の温度で行うの
が好ましい。特に好ましい乾燥条件は減圧下100〜3
50℃である。乾燥を行わずに、次の工程に移してもよ
い。
【0019】抗菌性金属を担持させられたゼオライト
(以下では簡単のために抗菌性ゼオライトと言う)は、
次にエチレン性不飽和結合を含むアルコキシシラン単量
体とエチレン性不飽和単量体から成る共重合体により処
理される。処理は好ましくは、抗菌性ゼオライトを有機
溶媒、好ましくはアルコール系溶媒中に分散した状態で
行われる。一般の合成ゼオライト(及び従って抗菌性ゼ
オライト)の溶媒分散物は強いアルカリ性を示し、酸を
加えても中和しても数時間又は一日後にはまた強いアル
カリ性を示す。その場合、本発明に従う共重合体による
処理はpH7未満、好ましくはpH6.5以下で行われるの
が好ましいので、処理前に予め酸を加えて、pHを維持す
る必要がある。
【0020】そこで、好ましくは抗菌性金属を担持させ
る前、後又は同時に、ゼオライトを特開平3−1973
13号、同3−131513号、同3−164423号
及び同3−242317号公報ならびに特願昭2−29
7841号明細書に記載された方法に準じて酸浸漬する
ことが好ましい。これは、基本的には合成ゼオライトを
酸性水性液に浸漬し、浸漬液のpHを約7以下の所定の値
(好ましくは4.5〜7.0、特に5.0〜6.5)に
保つように酸を追加し、もはや酸を追加しなくてもほぼ
一定のpHを少なくとも0.5時間持続するまで浸漬を持
続するものである。つぎに合成ゼオライトを洗浄し、ま
たは洗浄することなく、また乾燥しあるいは乾燥するこ
となく次の工程に用いる。
【0021】合成ゼオライトを浸漬する酸水性液は、無
機酸及び/又は有機酸の水性液である。例えば、塩酸、
硫酸、硝酸、燐酸などの無機酸、及び蟻酸、酢酸、シュ
ウ酸、酒石酸などの有機酸を用いることができる。なか
でも弱酸、例えば、酢酸、蟻酸、酒石酸、アジピン酸、
ホウ酸等が好ましい。更に、緩衝剤を酸水溶液に加える
ことが好ましい。緩衝剤は酸水性液に緩衝作用を付与す
るものであれば良く、典型的には種々の弱酸とその塩の
組み合せ、例えば酢酸と酢酸ナトリウム、酢酸カリウム
または酢酸アンモニウム、シュウ酸とシュウ酸ナトリウ
ム、シュウ酸カリウムまたはシュウ酸アンモニウム、酒
石酸と酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウムまたは酒石酸
アンモニウム、リン酸とリン酸ナトリウム、リン酸カリ
ウムまたはリン酸アンモニウム等の組み合わせが挙げら
れるが、これらに限定されない。2種類以上の酸及び/
または緩衝剤を混合使用しても良い。
【0022】上記浸漬の代りに洗浄することによっても
一定の効果が得られるが、効果の程度は小さい。なお、
天然ゼオライトの場合には、これが元々、アルカリ性を
呈さないので、上記の浸漬又は洗浄の効果はあまりな
い。
【0023】本発明において抗菌性ゼオライトを処理す
る共重合体は、該抗菌性ゼオライト1000重量部に対
して、0.05重量部以上、好ましくは0.5重量部以
上、特に好ましくは2.0重量部以上のエチレン性不飽
和結合を含むアルコキシシラン単量体、及び9.95重
量部以上、好ましくは9.5重量部以上、特に好ましく
は8.0重量部以上のエチレン性不飽和単量体から少な
くとも成る。上記未満では、ゼオライトの変色を防止す
ることができず好ましくない。上記共重合体において、
アルコキシシラン単量体対エチレン性不飽和単量体の共
重合比は、重量比で好ましくは0.5/9.5以上、特
に好ましくは2.0/8.0以上である。該共重合比を
採用することにより、アルコキシシラン単量体の有する
密着力と、エチレン性不飽和単量体の有する耐候性及び
造膜形成性とをバランスよく生じせしめることができ、
ゼオライト表面にむらのないかつ密着性に優れた膜を形
成することができる。従って、有機ポリマーとの混練に
よる膜の剥離がなく著しく良好な耐候性を付与し得る。
【0024】また、上記共重合体において、該アルコキ
シシラン単量体とエチレン性不飽和単量体の総和は、抗
菌性ゼオライト1000重量部に対して10〜200重
量部、好ましくは20〜150重量部、特に好ましくは
25〜100重量部である。該総和が、上記下限より少
ないと抗菌性ゼオライトの変色作用が改善されず、ま
た、上記上限を超えては抗菌性ゼオライトの抗菌力を保
持し得ず好ましくない。本発明に使用するアルコキシシ
ラン単量体としては下記式(I)で示されるものが好ま
しい。
【0025】
【化2】 (ここで、Rは水素原子又はメチル基であり;Zは‐
(CH2 n ‐又は‐C(O)O(CH2 n ‐であ
り、ここでnは0〜3の整数を示し;Xは‐OCH3
‐OC2 5 又は‐O(CH2 m ‐O‐(CH2 p
‐Hであり、ここでm、pは1〜3の整数を示し;Yは
‐(CH2 q ‐Hであり、ここでqは0〜3の整数を
示し;aは1〜3の整数を示す。) 該アルコキシシラン単量体としては、例えばビニルエト
キシシラン、ビニルトリス(2‐メトキシエトキシシラ
ン)、3‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
等が挙げられる。
【0026】エチレン性不飽和単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、又はそれらの誘導体が好ましい。
例えばアクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2‐エチルヘキシ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソオクチル、
アクリル酸イソノニル、アクリル酸2‐ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸2‐ヒドロキシプロピル等のアクリル酸
エステル;アクリル酸亜鉛等のアクリル酸金属塩;メタ
クリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ターシャリーブ
チル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2‐
ヒドロキシエチル、メタクリル酸2‐ヒドロキシプロピ
ル等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
【0027】上記アルコキシシラン単量体とエチレン性
不飽和単量体の特に好ましい組合わせにおいて、アルコ
キシシラン単量体が3‐メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン又はビニルトリス(2‐メトキシエトキ
シ)シランであり、エチレン性不飽和単量体がメタクリ
ル酸エステル又はアクリル酸エステルである。
【0028】上記アルコキシシラン単量体とエチレン性
不飽和単量体との重合反応は好ましくは有機溶媒中で行
われる。好ましくはメタノール、エタノール、ノルマル
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアル
コール系有機溶媒中で、抗菌性ゼオライトをスラリー状
に分散させた系中で重合反応を実施することができる。
該スラリー中には、多少の水が存在していてもよく、p
H調節剤等の第三物質を存在させることもできる。有機
溶媒は、好ましくは上記ゼオライトと重量比で等量以
上、特に好ましくは2倍量以上で使用される。反応温度
は、好ましくは30℃以上、特に好ましくは使用した系
の還流温度であり、該温度で好ましくは1時間以上、特
に好ましくは2時間以上共重合反応が行われる。これに
よって、該ゼオライトの表面処理がなされる。また、重
合開始剤を用いることが好ましく、その使用量は、アル
コキシシラン単量体とエチレン性不飽和単量体との合計
量に対して、好ましくは0.001〜5重量%、特に好
ましくは0.01〜2重量%の範囲である。該重合開始
剤としては、好ましくは過酸化ベンゾイル又はアゾイソ
ブチロニトリルが用いられるが、これに限定されるもの
ではない。抗菌性ゼオライトの処理は、アルコキシシラ
ン単量体とエチレン性不飽和単量体との重合を行い予め
共重合体を製造した後に実施することも考えられるが、
好ましくは上記のように重合と抗菌性ゼオライト処理を
同時に行うことにより、効率良く、より簡便でかつ経済
的に実施することができる。
【0029】更に、ゼオライト表面における共重合体の
膜の形成を容易にすべく、助剤として例えばブチルセル
ソルブ、エチルセルソルブ等、及び例えばシリコーン系
の消泡剤を用いることができる。上記物質の添加は、ア
ルコキシシラン単量体とエチレン性不飽和単量体との重
合を妨げるものではない。
【0030】共重合体による処理終了後、通常、抗菌性
ゼオライトを有機溶媒から分離し、次いで洗浄、乾燥す
る。分離操作は任意であり、例えば濾過、デカンテーシ
ョン等の方法で行うことができる。また、洗浄は省略し
てもよい。乾燥処理は常圧又は減圧下において、使用し
た有機溶媒の沸点付近の温度で行うことが好ましい。本
発明の処理により抗菌性ゼオライト表面に、アルコキシ
シラン単量体とエチレン性不飽和単量体から少なくとも
成る共重合体が形成されるが、抗菌性は阻害されない。
本発明に従って表面処理された抗菌性ゼオライトは、ア
ルコキシシラン単量体とエチレン性不飽和単量体の総和
が抗菌性ゼオライト1000重量部に対して200重量
部以下の範囲で、該処理を施されなかった抗菌性ゼオラ
イトと比べて、実用上遜色のない同等の抗菌性を示す。
【0031】本発明で得られる抗菌性ゼオライトは、従
来の抗菌性ゼオライトと同じ分野で用いられることがで
き、特に任意の低分子量又は高分子量有機ポリマーに配
合されて、抗菌性を発揮すると共に、有機ポリマー配合
物を変色させない。有機ポリマーとしては、たとえばポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリエステルエラストマー、ポリビニルアルコー
ル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ABS樹脂、
アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、弗素樹脂、ポリウレタ
ンなどの熱可塑性合成高分子、フェノール樹脂、ユリヤ
樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性合成高分子、レー
ヨン、キュプラ、アセテート、トリアセテートなどの再
生または半合成高分子などが例示される。また、製紙な
どにおいて紙原料に配合することができる。特に、残留
触媒、反応性末端基を有するポリエチレン、ポリプロピ
レンなどのポリオレフィンの場合、従来の抗菌性ゼオラ
イト、特に銀担持ゼオライトを配合すると、加工時の熱
又は使用時の日光などの紫外線によって経時的に変色し
やすかったところ、本発明に従い処理された抗菌性ゼオ
ライトを用いると、変色が顕著に抑制される。また、本
発明で得られる抗菌性ゼオライト自体も白色度が高く、
かつ低分子量から高分子量の広い領域の合成高分子樹脂
に良好に分散され得るので、食品、医療及び環境分野
で、たとえば繊維、フィルムその他の成形物品の形で用
いるのに適している。また、該抗菌性ゼオライト自体が
安定であるので、塗装剤、接着剤などを包含する幅広い
分野のポリマーに適用できる。なお、他の抗菌剤、特に
有機系抗菌剤と併用することもできる。
【0032】特に本発明で得られる抗菌性ゼオライト
は、低分子量有機ポリマーに対する分散性、相溶性が優
れている傾向にあり、各種の粘着剤、接着剤、及びペイ
ントなどの塗膜性が要求される塗装剤に有効に利用し得
る。該抗菌性ゼオライトは抗菌性に優れ、白色性が高
く、有機ポリマー特に低分子量有機ポリマーへの配合性
が優れている。従って、特に変色防止を重視する分野で
の使用、例えば寝室、浴室、台所、洗面所、居室などの
清潔、快適さが要求されている各種生活関連高分子材料
を含む幅広い高分子体への適用が可能である。また、長
期安定な品質を保証し得る抗菌性高分子製品、例えば壁
紙接着剤、木工及び壁補修剤、ホーロー充填剤、目地
剤、水漏れ防止剤等を得ることが可能となった。
【0033】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0034】
【実施例】
【0035】
【実施例1〜7及び比較例1〜8】白色度は、表面処理
した抗菌性ゼオライトを下記のように有機ポリマーに配
合してプレートを作り、各プレートのハンター白度をT
C‐1型測色計(東京電色工業株式会社製)で測定して
評価した。
【0036】抗菌性は、大腸菌(Escherichia coli) 、
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、又はクロカビ(Asper
gillus niger) に対する表面処理した各抗菌性ゼオライ
トの最小阻止濃度(MIC)を測定して評価した。
【0037】抗菌性金属の担持(イオン交換) 市販A型ゼオライト(エチル社製、平均粒径2.0μ
m)2000gをイオン交換水10リットル中に分散さ
せ、1時間煮沸処理した後、充分に洗浄及び瀘過を行っ
た。このA型ゼオライトを出発原料とした。
【0038】内容量20リットルの撹拌装置付反応槽に
上記煮沸洗浄後のA型ゼオライトを入れ、イオン交換水
に分散させて10リットルのスラリーとし、撹拌速度1
00rpm で撹拌を継続した(当初pH11)。次いで、1
0%硝酸水溶液を徐々に添加して、ゼオライトスラリー
のpHを5.5に調整した。30分間撹拌後、硝酸銀(A
gNO3 )120g、硝酸亜鉛(Zn(NO3 2 ・6
2 O)700gをイオン交換水5リットルに溶解させ
た液を30分間かけて徐々に添加し、次に温度を65℃
に昇温して更に5時間撹拌を行って抗菌性イオンのイオ
ン交換反応を終えた。続いて、ブフナー瀘過装置を用い
て固液分離しイオン交換水で洗浄した後、130℃で4
時間乾燥し、塊を砕いた。白色度の高い抗菌性ゼオライ
トを得た。
【0039】アルコキシシラン単量体とエチレン性不飽
和単量体から成る共重合体による処理 アルコキシシラン単量体として3‐メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン[式(I)中、Rがメチル基で
あり、Zが‐COO(CH2 3 ‐であり、Xが‐OC
3 であり、かつaが3である]、エチレン性不飽和単
量体としてメチルメタクリレートと2‐エチルヘキシル
アクリレート、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニ
トリルを用いた。
【0040】攪拌翼、滴下ロート、温度計及び還流冷却
器を取付けた四つ口フラスコに上記の抗菌性ゼオライト
1000gとイソプロピルアルコール2000gを投入
し、攪拌した後、重合開始剤を、表1及び2に示す量
(g)で添加した。次に、滴下ロート中に表1及び2に
示す量(g)の各単量体を投入し、撹拌下、還流温度で
4時間かけて滴下して重合反応を行った後、更に、アゾ
ビスイソブチロニトリル0.05gを添加して、2時間
攪拌して反応を完結させた。次に、65℃に降温した
後、減圧下でイソプロピルアルコールを回収し、得られ
た表面処理後の抗菌性ゼオライトを130℃で1時間熱
風乾燥機中に入れて、残留しているイソプロピルアルコ
ールを揮散させた。該抗菌性ゼオライトをボールミルに
入れて塊を砕き325メッシュの金属製フルイを通し、
通過しないものは再度ボールミルで塊を砕いて325メ
ッシュの金属製フルイを通す操作を繰返した。
【0041】有機ポリマーへの配合 有機ポリマーとしてポリプロピレンチップ(KJ‐20
9、エースポリマー株式会社製)を使用した。該抗菌性
ゼオライト及びポリプロピレン樹脂は、いずれも105
℃で2時間予備乾燥を行った上で使用した。また、該抗
菌性ゼオライトの樹脂への配合量は2.0重量%とし
た。
【0042】抗菌性ゼオライトとポリプロピレン樹脂を
射出成形機(MODEL IS‐EPN型、東芝機械株
式会社製)に供給し、200℃の射出温度で、50mm
×90mm×5mmのプレートを作った。
【0043】上記表面処理後の抗菌性ゼオライトの抗菌
性と各プレートのハンター白度を表1及び2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】 実施例1〜5は、アルコキシシラン単量体対エチレン性
不飽和単量体の重量比を0.053と一定にして、両者
の添加量の合計を本発明の範囲内で変化させたものであ
る。合計量を増加するとハンター白度が増加した。ま
た、抗菌性は良好な値を維持することが分かった。実施
例6は、上記重量比を0.005にしたものであり、実
施例7は、上記重量比を0.429としたものであり、
単量体の合計量は実施例3と同じである。該重量比を低
下するとハンター白度が低下し、増加するとハンター白
度が上昇することが分かった。また、抗菌性はいずれも
良好な値を維持した。比較例1〜6は、アルコキシシラ
ン単量体を添加しなかったものである。いずれもハンタ
ー白度は低かった。比較例6は、エチレン性不飽和単量
体の添加量が多いため抗菌性も悪化した。比較例7は、
実施例1〜5と同じくアルコキシシラン単量体対エチレ
ン性不飽和単量体の重量比を0.053としたものであ
るが、添加量の総和が本発明の範囲を超えたものであ
る。ハンター白度は良好であるが、抗菌性は悪化した。
比較例8は、アルコキシシラン単量体の添加量が少ない
ものである。ハンター白度が低いことが分かった。比較
例9は、アルコキシシラン単量体のみにより表面処理し
たものである。良好な抗菌性は得られたが、ハンター白
度は低かった。比較例10は、表面処理を施さなかった
ものである。抗菌性は良好であるが、ハンター白度は、
実施例と比較して著しく低いものであった。以上より、
本発明に従い得た抗菌性ゼオライトは、比較例と比べ
て、抗菌性、白色度共に優れた性能を有していることが
分かった。
【0046】これらの各プレートを直射日光が当る室内
窓際に3か月間置き、観察を続けた。本発明のプレート
の白度は殆ど変らず、成形初期の白度を維持していた。
一方、比較例のプレートは、次第に白度が低下して茶褐
色に変色し、ほぼ1か月後には相当着色が目立つ状態と
なった。
【0047】
【実施例8及び比較例11】市販の水性白色合成樹脂塗
料(アサヒペン株式会社製、家庭用、室内壁及び浴室用
塗料、アクリル樹脂白色1号ペイント)に対して、実施
例3及び比較例3で調製した表面処理後の抗菌性ゼオラ
イトを配合した。配合量は上記塗料100重量部に対し
て上記表面処理後の抗菌性ゼオライト0.5重量部と
し、ホモジナイザーで10分間攪拌した。別途対照とし
て、表面処理のされていない上記の抗菌性ゼオライトと
塗料を同様に攪拌混合した。
【0048】抗菌性ゼオライトを配合した塗料を杉材に
二度繰返し塗装した上で自然乾燥し、1週間後、表面の
ハンター白度を測定した。また、ブランクテストとし
て、抗菌性ゼオライトを含まない塗料を用いた。結果を
表3に示す。実施例8は、比較例11及び対照と比べて
ハンター白度が良好であった。また、ブランクと比べ
て、ハンター白度の低下は少なかった。
【0049】
【表3】 上記の塗装された杉材を屋外に吊し、3か月間置き、観
察を続けた。実施例8の白色塗装板の白度が殆ど変ら
ず、塗装初期の白度を維持していた。一方、比較例11
及び対照品は次第に白度が更に低下していき、ほぼ1か
月後には相当変色が目立つ状態となった。
【0050】
【実施例9及び比較例12】市販の油性白色合成樹脂塗
料(日本ペイント株式会社製、門扉、フェンス、シャッ
ター、ガレージ用途、室内、屋外用塗料、油性フタル酸
樹脂、ホワイトホームペイント)に、上記表面処理後の
抗菌性ゼオライト又は無処理の抗菌性ゼオライトを実施
例8と同じく配合した。
【0051】得た塗料は塗布直前にペイント薄め液を用
いて、重量比でほぼ等量に希釈した。これをアルミ板に
二度繰返し塗装した上で自然乾燥し、1週間後、表面の
ハンター白度を測定した結果を表4に示す。実施例9
は、比較例12又は対照と比べてハンター白度が良好で
あった。また、ブランクと比べて、ハンター白度の低下
は少なかった。
【0052】
【表4】 上記の塗装されたアルミ板を屋外に吊し、3か月間置
き、観察を続けた。実施例9の白色塗装板の白度は殆ど
変らず、塗装初期の白度を維持していた。一方、比較例
及び対照品では次第に変色が進行することが観察され
た。
【0053】
【実施例10】アクリル系樹脂エマルジョン(ボンコー
トR‐3020、商標、大日本インキ株式会社製)に対
して、実施例3で調製した表面処理後の抗菌性ゼオライ
トを1.4重量%配合した。これに、ポリエステル/綿
(30/70)の生地を浸漬した後、絞り率70%に調
節したマングルを通して絞液し、該生地に上記抗菌性ゼ
オライトを含むアクリル系樹脂を含浸させた。次に、1
20℃で5分間及び160℃で30秒間、硬化処理して
目付け約140g/m2 の樹脂加工された生地を得た。
【0054】別途対照として、表面処理のされていない
抗菌性ゼオライトを用いて、上記と同一の樹脂加工を行
った。
【0055】抗菌性試験は、SEK法に準拠しシェーク
フラスコ法により実施した。振とう機としては、リスト
アクションシェーカー[バレル コーポレーション(Bur
rellCorporation) (米国、ペンシルバニア州、ピッツ
バーグ)、Model‐75]を使用した。生地:液の
重量比は1:100とした。菌種として、肺炎かん菌(K
lebsiella Pneumoniae)<K.Pneumoniae ATCC 4352> を使
用した。
【0056】抗菌性試験方法の概要は下記の通りであ
る。 (1) まず、菌液を調製し、菌量が1.4×104 となる
ように液量を調製する。 (2) 生地0.75グラム(一辺の長さがほぼ10mmの
正方形)を、200ミリリットルの密栓付フラスコ中に
入れる。次いで、1.4×104 菌量の液75ccを入
れる。 (3) フラスコに密栓を施した後、上記のリストアクショ
ンシェーカーを使用して、25℃で、1時間振とうす
る。 (4) 振とう後、菌液と生地を分離し、菌液につき寒天培
地に塗布し、培養してコロニーを形成する。 (5) コロニーを計測し、振とう1時間後の生菌数を求め
る。同様にして振とう0時間の生菌数を求める。
【0057】洗濯テストは、JIS L‐0217、1
03法に準拠して実施した。
【0058】耐候性試験は、JIS L‐0842に準
拠しウェザーオメーターにより実施した。照射時間は5
0時間とした。
【0059】初期退色、変退色における変色は、変色度
合をグレースケール(標準変色ものさし)で評価した。
表6中の数字は下記の内容を示す。
【0060】5:非常に良好 4:良好 3:やや不良 2:不良 1:著しく不良 結果を表5及び6に示す。表5中、「生地のみ」は、ア
クリル系樹脂及び抗菌性ゼオライトによる含浸を施して
いない生地について抗菌性試験を実施したものであり、
空試験は、いずれの生地も用いず菌のみにて抗菌性試験
を実施したものである。
【0061】
【表5】 表5 洗濯回数 振とう 振とう 減菌率 (回) 0時間 1時間 コロニー コロニー (%) 本発明生地 0 1.4 ×104 900 93.6 10 1.4 ×104 1.6 ×103 88.6 対照品生地 0 1.4 ×104 400 97.1 10 1.4 ×104 1.0 ×103 92.9 生地のみ 0 1.4 ×104 1.2 ×104 14.2 10 1.4 ×104 1.4 ×104 0 空試験 1.4 ×104 1.4 ×104 0
【0062】
【表6】 本発明の処理を施した抗菌性ゼオライトを配合したアク
リル系樹脂を含浸させた生地(本発明生地)は、該処理
を施していない抗菌性ゼオライトを配合したアクリル系
樹脂を含浸させた生地(対照品生地)に比べて、洗濯回
数が0回及び10回のいずれにおいてもほぼ同程度の減
菌率が得られ、本発明の処理を施しても良好な抗菌性を
保持し得ることが分った。また、生地のみの場合には、
減菌率は著しく低い。また、初期退色及び変退色におい
て、本発明の生地は、対照品生地に比べて良好であり、
耐光性に優れていることが分かった。また、何も含浸し
ていない生地と比べても、本発明の生地は、初期退色は
良好であり、また変退色も同程度であり変化がないこと
が分かった。
【0063】
【発明の効果】本発明に従い処理された抗菌性ゼオライ
トは、有機ポリマーに配合した場合、加工時の熱の影響
下で、あるいは日光等の紫外線下でポリマーを変色させ
る作用が極めて少ない。該処理による抗菌性の低下はな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−176423(JP,A) 特開 平4−224505(JP,A) 特開 平4−66512(JP,A) 特開 平3−269030(JP,A) 特開 平1−164722(JP,A) 特開 昭62−7746(JP,A) 特開 昭62−7748(JP,A) 特開 平6−1680(JP,A) 特開 平6−166830(JP,A) 特開 平6−116530(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 39/00 - 39/54 A01N 59/16 A01N 25/08 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌性金属を担持するゼオライトの変色
    作用を抑制する方法において、抗菌性金属を担持するゼ
    オライト1000重量部に対して、0.05重量部以上
    のエチレン性不飽和結合を含むアルコキシシラン単量体
    と9.95重量部以上のエチレン性不飽和単量体から少
    なくとも成り、かつ該アルコキシシラン単量体と該エチ
    レン性不飽和単量体との総和が10〜200重量部であ
    る共重合体により、上記ゼオライトを表面処理すること
    を特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 上記アルコキシシラン単量体対エチレン
    性不飽和単量体との重量比が0.5/9.5以上である
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記アルコキシシラン単量体が下記式
    (I)で示される物質であり、 【化1】 (ここで、Rは水素原子又はメチル基であり;Zは‐
    (CH2 n ‐又は‐C(O)O(CH2 n ‐であ
    り、ここでnは0〜3の整数を示し、Xは‐OCH3
    ‐OC2 5 又は‐O(CH2 m ‐O‐(CH2 p
    ‐Hであり、ここでm及びpは、夫々独立して1〜3の
    整数を示し;Yは‐(CH2 q ‐Hであり、ここでq
    は0〜3の整数を示し;aは1〜3の整数を示す)かつ
    上記エチレン性不飽和単量体がアクリル酸、メタクリル
    酸又はそれらの誘導体である請求項1又は2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 抗菌性金属を担持するゼオライトの存在
    下で上記アルコキシシラン単量体とエチレン性不飽和単
    量体の重合反応を行うことにより、上記共重合体による
    処理を施す請求項1〜3のいずれか一に記載の方法。
  5. 【請求項5】 アルコキシシラン単量体が3‐メタクリ
    ロキシプロピルトリメトキシシラン又はビニルトリス
    (2‐メトキシエトキシ)シランである請求項1〜4の
    いずれか一に記載の方法。
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