JP3324440B2 - エンジンの潤滑装置 - Google Patents

エンジンの潤滑装置

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JP3324440B2
JP3324440B2 JP09389197A JP9389197A JP3324440B2 JP 3324440 B2 JP3324440 B2 JP 3324440B2 JP 09389197 A JP09389197 A JP 09389197A JP 9389197 A JP9389197 A JP 9389197A JP 3324440 B2 JP3324440 B2 JP 3324440B2
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賢一 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オイルポンプから
の圧油をエンジン潤滑部に供給するエンジンの潤滑装
置、特に、エンジン駆動のオイルポンプからの圧油をオ
イルクーラで冷却するようにしたエンジンの潤滑装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関はその内部に多くの摺動部を備
え、この摺動部の潤滑や冷却のために潤滑油供給系を備
えている。この潤滑油供給系はエンジンに直接駆動され
るオイルポンプを油圧供給源としており、このオイルポ
ンプの吐出した圧油を流量圧力調整手段で調整し、オイ
ルクーラで油温の過度の上昇を防止し、その上で圧油を
エンジン内部のメインギャラリを介して各摺動部に分散
供給し、各摺動部を通過後の低圧油をドレーン路を通し
てオイル溜に戻すようにしている。
【0003】例えば、図8に示す潤滑油供給系は、オイ
ルポンプ100からの圧油を受ける吐出路101と、同
吐出路の圧油の過度の圧力上昇を防止するリリーフ弁1
02と、吐出路101上のオイルフィルタ103及びそ
の下流のオイルクーラ104と、同オイルクーラを迂回
するバイパス路105上に配備されオイルクーラの流量
を調整する油温調整弁106と、メインギャラリ107
へ供給される圧油を定圧化する調圧弁108と、メイン
ギャラリ107より図示しないエンジン内の各摺動部を
経てオイル溜109に達するドレーン路110とを備え
る。
【0004】ところで、エンジンの潤滑油供給系で油圧
発生源として駆動するオイルポンプ100はエンジン回
転に比例してポンプ作動するので、エンジン運転域の変
化により潤滑油の供給量や油圧が大きく増減変化し易
く、油温もエンジン運転域によって変化する。そこでこ
の潤滑油供給系では、最大油圧をリリーフ弁102で調
整し、メインギャラリ107へ供給される圧油の流量が
調圧弁108で調整されている。しかも、油温が油温調
整弁106で調整されており、即ち、ここで、油温が低
く粘性が高いと油温調整弁106が大きく開いてオイル
クーラ104を通過する圧油量を低減させて暖機促進を
図り、油温が高く粘性が低いと油温調整弁106が狭め
られてオイルクーラ104を通過する圧油量を増大させ
て油温の過度の上昇を防止している。なお、エンジンの
メインギャラリへ供給される圧油をオイルクーラで冷却
し、調圧手段で調圧し、流量調整手段で調量するという
潤滑油供給系の一例が特開平1−45912号公報に開
示される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図8や特開
平1−45912号公報にそれぞれ開示されている各エ
ンジンの潤滑油供給系のオイルポンプはエンジンの回転
に連動して油圧及び油量を増減させている。そこで、こ
れら従来装置では、エンジンのメインギャラリ側に供給
される圧油をメインギャラリの上流側に配置される調圧
弁108等で予め調整しており、即ち、調圧弁108に
達した一部の圧油をドレーン側に排出している。ここ
で、調圧弁108等で排除されてしまう圧油はこの調圧
弁108まで、即ち、オイルフィルタやクーラの下流ま
でオイルポンプの駆動エネルギを使用して圧送されてお
り、この調圧弁108等で排除される圧油がオイルポン
プの駆動エネルギを無駄に消費してしまう。
【0006】しかも、エンジンの潤滑部は、通常、エン
ジン負荷の増加したときに油圧及び油量を比較的多く必
要とし、無負荷時には油圧及び油量を余り必要としな
い。ところが上述の従来装置の調圧弁108等はメイン
ギャラリ側に供給される圧油を単に定圧制御するのみで
あり、エンジン負荷に応じた油圧及び油量制御を行うこ
とができず、このため、エンジン負荷の大きな運転域で
は潤滑信頼性を低下させ、エンジン負荷の小さな運転域
ではオイルポンプの駆動エネルギを無駄に消費してしま
う。
【0007】更に、従来の各エンジンの潤滑油供給系で
は、オイルポンプの吐出油をオイルクーラに通す比率が
大きい。特に、図8のエンジンの潤滑油供給系の場合の
ようにバイパス路105の油温調整弁106が感圧式で
あると、吐出路101の圧油が低温で粘度が高い時、あ
るいは、異常により下流のメインギャラリ側の圧力が高
くなった時以外、圧油の大部分はオイルクーラ104に
流入し、過剰冷却が進み易い。このため、エンジン冷態
始動時の油温上昇、即ち、暖機が遅れやすく、結果とし
てエンジンの潤滑部の摩擦抵抗が増し、エネルギ損失が
増してしまう。
【0008】本発明の第1目的は、エンジンの潤滑信頼
性を確保できると共に潤滑油供給系への無駄な潤滑油の
供給を抑えることができ、しかも、潤滑油の過冷却によ
る流動抵抗の増加を抑えてエンジンのエネルギ損失を低
減し、燃費向上を図れるエンジンの潤滑装置を提供する
ことにあり、更に、本発明の第2目的は、エンジンの暖
機促進を図れるエンジンの潤滑装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、エン
ジン駆動のオイルポンプによりオイル溜の油をオイルク
ーラに圧送し、同オイルクーラを通過した圧油をエンジ
ン潤滑部に供給するエンジンの潤滑装置において、上記
オイルクーラの上流側の油路に設けられ、上記オイルポ
ンプからの圧油を直接オイル溜に戻すことによりエンジ
ン潤滑部への圧油の供給量を制御する油圧制御弁と、上
記オイルクーラを迂回するバイパス通路に設けられ、上
記オイルクーラへ流入する圧油の量を制御する油温制御
弁と、エンジンの負荷を検出するエンジン負荷検出手段
と、上記負荷が増大したときに、上記エンジン潤滑部へ
の圧油の供給量を増加させるように上記油圧制御弁を制
御すると共に上記オイルクーラへの流入量を多くするよ
うに上記油温制御弁を制御するコントローラとを設けた
ことを特徴とする。従って、エンジンの負荷が増大する
と、油圧制御弁を閉じてエンジン潤滑部への圧油の供給
量を高め、しかも、油温制御弁がバイパス通路を閉じて
オイルクーラへの流入量を多くして油温の過度な上昇を
抑えて、潤滑信頼性を確保しておく。逆に、エンジンの
負荷が低いと、油圧制御弁を開いて圧油をオイル溜に戻
しエンジン潤滑部への潤滑油の過度の供給を抑え、しか
も油温制御弁が圧油をバイパス通路へ流入させてオイル
クーラへの流入量を抑え、圧油の過冷却による流動抵抗
の増加を防止して、エンジンのエネルギ損失を低減し燃
費の向上を図る。
【0010】請求項2の発明は、請求項1記載のエンジ
ン潤滑装置において、上記圧油の油温を検出する油温セ
ンサと、上記エンジンの冷却水温を検出する水温センサ
と、を更に備え、上記コントローラは、上記圧油の油温
がエンジンの冷却水温より低い時は、上記バイパス通路
を閉鎖するように上記油温制御弁を制御する。従って、
圧油の油温がエンジンの冷却水温より低い始動時等の場
合は、圧油を全てオイルクーラに流入させ、このオイル
クーラを加熱器として用いて圧油をエンジンの冷却水に
より温めて油温の上昇を図り、これによりエンジンの暖
機促進を図り、エンジンのエネルギ損失を低減させる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1には本発明の適用されたエン
ジンの潤滑装置を示した。この潤滑装置は図示しない車
両用のディーゼルエンジンに装備され、同エンジンのエ
ンジン本体1内の図示しない各摺動部に圧油を分流して
それぞれに供給し、各摺動部の潤滑及び冷却を行ってい
る。このエンジンの潤滑装置は、潤滑油循環系A及び同
潤滑油循環系内の潤滑油の流動を制御する制御手段Bと
で構成される。
【0012】ここで潤滑油循環系Aは、図示しないエン
ジン回転伝達系に連動して回転する油圧発生源としての
オイルポンプ2と、オイルポンプ2からの圧油を送油す
る吐出路3と、吐出路3上でオイルポンプ2の直後の位
置に配備される油圧制御弁4と、吐出路3上のオイルフ
ィルタ5及びその下流のオイルクーラ6と、同オイルク
ーラを迂回するバイパス路7と、バイパス路7上に配備
されオイルクーラ6に流入する圧油量を調整する油温制
御弁8と、吐出路3上でバイパス路7の下流側に配置さ
れ圧油の油温を検出する油温センサ9及び油圧を検出す
る油圧センサ11と、エンジン本体1内の各エンジン潤
滑部に連通するメインギャラリ12と、メインギャラリ
12より図示しないエンジン内の各摺動部を経て流下す
るオイルをオイル溜14に導くドレーン路13とを備え
る。
【0013】吐出路3上の油圧制御弁4は比例制御弁で
あり、この油圧制御弁4は圧油をオイル溜14に直接戻
すリークポート405を開閉する弁体401をバネ40
2で閉弁付勢している。バネ402のバネ受け403の
中央にはチェック弁408を配備すると共に同弁を可動
鉄芯404で閉弁付勢し、この可動鉄芯404を開放駆
動するソレノイド406を後述のコントローラ15に接
続している。なお、弁体401は吐出路3上の圧油を流
入する中央穴hを形成され、この中央穴hを流動する制
御油の流速に応じリークポート405をバネ402の弾
性力に抗して開放し、圧油をオイル溜14に直接戻すこ
とができる。中央穴hよりチェック弁408に流入した
制御油はドレーンポート407を経てオイル溜14に戻
される。
【0014】この場合、後述するように弁開度相当の出
力値Ipでソレノイド406を駆動するとチェック弁4
08がこの出力値Ipに応じて変位し、このチェック弁
408を通過する制御油の流速に応じて弁体401がバ
ネ402に抗して変位しリークポート405を所定の開
度に切り換える。そして、そのリークポート405の開
度、即ち、出力値Ipに比例した相当量の圧油が直接オ
イル溜14に戻され、これにより、吐出路3よりメイン
ギャラリ12に向かう圧油を目標油圧(制御圧)Pαに
調整することができる。オイルフィルタ5は吐出路3の
圧油を全て濾過し、下流のオイルクーラ6及びバイパス
路7側に供給する。オイルクーラ6は吐出路3からの圧
油をエンジン本体1より循環してくる冷却水で冷却し、
メインギャラリ12側に供給する。油温センサ9及び油
圧センサ11は、オイルクーラ6の下流側でバイパス路
7との合流部aの直後に配置され、オイルクーラ6で冷
却された圧油と冷却されてないバイパス路7からの圧油
との混合圧油の油温Ot及び油圧Poを検出する。
【0015】バイパス路7上に配備された油温制御弁8
はデューティー弁であり、この油温制御弁8は流出ポー
ト805を開閉する弁体801をバネ802で閉弁付勢
し、このバネ802のバネ受け803の中央にチェック
弁808を配備すると共に同弁を可動鉄芯804で閉弁
付勢し、この可動鉄芯804を開放駆動するソレノイド
806を後述のコントローラ15に接続している。弁体
801は中央穴iより圧油を流入でき、この流入した制
御油はチェック弁808よりドレーンポート807を経
てオイル溜14に戻される。
【0016】ここでの油温制御弁8は、オン時に可動鉄
芯804が退却作動してチェック弁808を開放させ、
この際、中央穴iよりドレーンポート807に向かう制
御油の流速に応じて弁体801は流出ポート805を開
放させ、圧油をバイパス路7及び合流位置aを通過させ
てメインギャラリ12に流入させる。この場合、単位時
間当たりの閉鎖(オン)時間の比であるデューティー比
Duに応じチェック弁808を通過する制御油量が変化
する。即ち、デューティー比Du(=0)では制御油の
流速がゼロで、弁体801はバネ802で閉弁付勢さ
れ、流出ポート805及びバイパス路7は閉鎖され、圧
油は全てオイルクーラ6を経てメインギャラリ12に供
給される。一方、デューティー比Du(=100)では
制御油の流速が最大となり、弁体801はバネ802の
閉弁付勢力に抗して移動し、流出ポート805及びバイ
パス路7を全開し、オイルクーラ6の流量を低減させ、
メインギャラリ12に向かう圧油の油温(合流部aの直
後の油温)を増加させる。
【0017】ところで、潤滑油循環系A内の潤滑油の流
動を制御する制御手段Bは、油圧制御弁4を比例制御
し、油温制御弁8を所定のデューティー出力で駆動する
コントローラ15により構成される。コントローラ15
には、エンジンの負荷としてのレバー開度位置Lq信号
がエンジン負荷検出手段をなす負荷センサ16により、
エンジン回転数Ne信号がエンジン回転センサ17によ
り、エンジンの冷却水温Wt信号が水温センサ18によ
り、圧油の油温Ot信号が油温センサ9により、圧油の
油圧Poが油圧センサ11によりそれぞれ入力される。
このコントローラ15は次のような機能を備える。即
ち、エンジン負荷としてのレバー開度位置Lqが増大し
たときにエンジン潤滑部(メインギャラリ12側)への
圧油の供給量を増加させると共にオイルクーラ6への流
入量を多くするように油圧制御弁4及び油温制御弁8を
共に制御する。逆に、レバー開度位置Lqが低いと、油
圧制御弁4を開いて圧油をオイル溜14に戻しメインギ
ャラリ12側への潤滑油の過度の供給を抑え、しかも油
温制御弁8が圧油をバイパス通路7へ流入させてオイル
クーラ6への流入量を抑える。更に、圧油の油温Otが
エンジンの冷却水温Wtより低い時は、圧油をオイルク
ーラ6側に流すように油温制御弁8を制御する。
【0018】このようなエンジンの潤滑装置の作動や同
装置内のコントローラの行う制御処理を、図6及び図7
の各制御ルーチン及び図2の制御特性線図に沿って説明
する。 コントローラ15は図示しないエンジンキーの
オンに伴い図示しないメインルーチンの制御処理に入
り、各センサや各制御弁の初期設定や故障判定を行い、
その上で、順次、図6の油圧制御ルーチン及び図7の油
温制御ルーチンに達し、各制御ルーチンでの制御処理を
行う。図6の油圧制御ルーチンに達すると、ステップa
1では各センサよりエンジン回転数Ne、負荷としての
レバー開度位置Lq、圧油の油圧Po、圧油の油温Ot
の各データをそれぞれ取り込み、これら最新値により各
データの所定の記憶エリアの値を更新する。ステップa
2では図3の吐出圧マップM1より目標油圧を設定す
る。この場合、現在のエンジン回転数Ne及び負荷とし
てのレバー開度位置Lqに応じた圧油の目標油圧Pα
(ポンプ吐出圧)を求める。
【0019】なお、この吐出圧マップM1は、図3に破
線で示すように、レバー開度位置Lq(負荷)が0%よ
り100%側に増大するのに応じて目標油圧Pαを増加
させ、即ち吐出量を増加させるように設定する。このよ
うな設定により、図示しない各エンジン摺動部の潤滑信
頼性を高めることができる。ステップa3,a4では、
現状油圧Poと目標油圧Pαの差圧Δpを算出し、この
差圧Δpを打ち消す、即ち目標油圧Pαが得られる弁開
度(ここでは開度相当の出力値)Ipを所定の差圧Δp
−弁開度変換マップ(図示せず)で決定する。この後、
ステップa5では今回の弁開度Ipの出力で油圧制御弁
4を駆動し、即ちリークポート405より直接オイル溜
14に戻る圧油の漏れ量を調整し、これによって吐出路
3の下流のメインギャラリ12へ供給される圧油を目標
油圧Pα、即ち目標流量に調整し、メインルーチンに戻
る。上述の油圧制御ルーチンでは、レバー開度位置(負
荷)Lqが増大(100%側)していると、目標油圧P
αを高め、即ち、エンジン潤滑部への圧油の供給量を高
め、潤滑特性を良好に維持できる。逆に、レバー開度位
置(負荷)Lqが低い(0%側)と、目標油圧Pαを低
下させ、即ち、エンジン潤滑部への潤滑油の無駄な供給
を抑え、エンジンのエネルギ損失を低減し燃費の向上を
図れる。
【0020】一方、図7の油温制御ルーチンに達する
と、ステップb1では各センサより負荷としてのレバー
開度位置Lq、圧油の油温Ot、エンジンの冷却水温W
tの各データをそれぞれ取り込み、各データの所定の記
憶エリアの値を更新する。ステップb2では圧油の油温
Otがエンジンの冷却水温Wtを上回るか否か判断し、
上回ると(図2の時点t0参照)暖機完了としてステッ
プb3に、そうでないと、冷態始動時と見做しステップ
b7に進み、ここでは、デューティー比Du(=0)に
設定し、ステップb12においてDu(=0)相当の出
力で油温制御弁8を駆動する。これによって、チェック
弁808が閉じて制御油は流れず、弁体801が流出ポ
ート805及びバイパス路7を閉鎖し、油温Otの圧油
は全てオイルクーラ6に流入し、水温Wtの冷却水Wt
(>Ot)により温められて油温の上昇が早められ、即
ち、エンジンの暖機促進を図れる。ここではオイルクー
ラ6を加熱器として用いて油温Otの昇温を早め、エン
ジンのエネルギ損失を早期に低減させることができる。
【0021】圧油の油温Otがエンジンの冷却水温Wt
より高まり暖機完了ではステップb3に進む。ここでは
現在の実油温Otと目標油温Oαとの偏差ΔOtを求め
る。次いで、ステップb4で偏差ΔOtがデューティー
制御帯e内に入ったか否か判断し、入らない間はステッ
プb6に進み、入るとステップb5に進む。ステップb
6では、更に、目標油温Oαより実油温Otが大きいか
否か判断し、Yesでステップb9にNoでステップb
8に進む。ステップb8に達すると、この運転域では実
油温Otが目標油温Oαより低く、暖機域(図2中の領
域E0)を脱した直後、あるいは低温での一般走行域に
あると見做し、実油温Otを目標油温Oαに急速に近付
ける(高める)べく、バイパス路7を全開(ON)する
ための最大のデューティー比Du(=100)を設定
し、ステップb12においてデューティー比Du(=1
00)で油温制御弁8を駆動してメインルーチンに戻
る。これにより、油温制御弁8はチェック弁808が開
き制御油が流れ、弁体801が流出ポート805及びバ
イパス路7を全開し、オイルクーラ6に流入する圧油量
は激減して油温の急速上昇を図れ、即ち、エンジンの暖
機促進を図れる。
【0022】ここで、図2、図5に2点鎖線で示す無制
御状態時(バイパス路7がしぼられ、オイルクーラ6で
圧油が過冷却される状態)のような場合であると、エン
ジン回転数Neが低い運転域では油温があまり上昇せ
ず、この運転域が長引くと圧油の粘性によるエネルギ損
失が増加するが、図1のエンジンの潤滑装置の場合で
は、エンジン回転数Neが低い運転域でも、目標油温O
α(図5参照)を設定し、同油温に早期に達するので、
圧油の粘性によるエネルギ損失の増を抑え、従来装置よ
り、燃費向上を図れる。次に、ステップb4で偏差ΔO
tがデューティー制御帯e内に入った(図2の時点t
1)としてステップb5に達すると、ここでは、実負荷
としてのレバー開度位置Lqが一定値Lq1を上回り、
且つ、負荷変化率dLq/dtが設定変化率βを上回る
か否か判断し、Yesでステップb9に、Noでステッ
プb10に進む。ここでの一定値Lq1は一般走行を判
定するレバー開度位置に基づき設定される。負荷変化率
dLq/dtは前回と今回のレバー開度位置の偏差(=
Lqn−Lqn-1)を1制御周期dtで除算して求めら
れ、設定変化率βは油温上昇がこのまま急激に生じると
見做される所定の変化率値に設定される。
【0023】デューティー制御帯e内にあって、レバー
開度位置Lqが一定値Lq1を上回り、負荷変化率dL
q/dtが設定変化率βより大きい場合、あるいは、
ューティー制御帯e内にはないが、目標油温Oαを実油
温Otが既に上回る場合には、ステップb5,b6より
ステップb9に進む。ここでは、この後、油温が目標油
温Oαを上回り、あるいは更に上昇すると予測されるこ
とより、ここでは急速冷却処理に入る。即ち、ここで
は、バイパス路7を閉じ、オイルクーラ6に圧油を全て
流入させるべく、デューティー比Du(=0)に設定
し、ステップb12においてデューティー比Du(=
0)相当の出力で油温制御弁8を駆動し、メインルーチ
ンに戻る。これによって、油温制御弁8のチェック弁8
08が閉じ制御油が流れず、弁体801が流出ポート8
05及びバイパス路7を全閉し、オイルクーラ6に圧油
を全て流入させて冷却水で油温の急速上昇を抑制し、即
ち、油温が目標油温Oαを大きく上回るオーバーシュー
トを防止し、実油温を目標油温Oαに収束させるように
予測制御を行う。
【0024】デューティー制御帯e内にあって、レバー
開度位置Lqが一定値Lq1以下、あるいは負荷変化率
dLq/dtが設定変化率β以下の場合は、目標油温O
αを実油温Otが急激に上回ることはない場合であり、
ステップb10に進む。ここでは、この後、油温が目標
油温Oαに収束するようにデューティー制御処理に入
る。即ち、ここでは、ステップb3で求めた油温の偏差
ΔOt相当のデューティー比増減量ΔDu2を求め、現
在のデューティー比Du2にデューティー比増減量ΔD
u2を加算あるいは減算して、今回のデューティー比D
u2を更新する。なお、ここでのステップb10の演算
処理に代えて、実油温Ot相当のデューティー比Du2
を図4に示すようなデューティー比マップM2により直
接演算し、今回のデューティー比として設定することも
可能である。
【0025】その後ステップb11に達すると、ここで
は今回のデューティー比Du2相当の出力で油圧制御弁
4を駆動し、メインルーチンに戻る。即ち、ここでは、
デューティー比Du2相当の出力で可動鉄芯804がチ
ェック弁808の開き量を調整することとなり、その開
き量相当の制御油が流れ、弁体801が制御油の流量相
当移動して流出ポート805及びバイパス路7を開き、
オイルクーラ6に流入する圧油量を増減し、合流点aの
下流側の油温を増減調整し、即ち、実油温を目標油温O
αに収束させるようにデューティー制御を行い、メイン
ルーチンに戻る。
【0026】図1のエンジンの潤滑装置によれば、レバ
ー開度位置(負荷)Lqが増大(100%側)している
と、目標油圧Pαを高め、油圧制御弁4のしぼり率を高
め、エンジン潤滑部への圧油の供給量を高め、潤滑特性
を良好に維持し、潤滑信頼性を確保でき、逆に、レバー
開度位置(負荷)Lqが低い(0%側)と、目標油圧P
αを低下させ、油圧制御弁4のリークポート405を開
いて圧油をオイル溜14に戻し、エンジン潤滑部のオイ
ルフィルタ5やオイルクーラ6への潤滑油の無駄な供給
を抑え、エンジンのエネルギ損失を低減し燃費の向上を
図れる。
【0027】更に、圧油の油温Otがエンジンの冷却水
温Wtより低い場合は、オイルクーラ6を加熱器として
用い、圧油を冷却水により温めてエンジンの暖機促進を
図ることができ、この点でもエンジン1のエネルギ損失
を早期に低減させ燃費の向上を図れる。上述のところに
おいて、図1のエンジンの潤滑装置はディーゼルエンジ
ンに装備されるものとしていたが、これに限定されるも
のではなく、オイルクーラとこれを迂回するバイパス路
を有した潤滑油循環系を備えるガソリンエンジン等のそ
の他のエンジンにも本発明を同様に適用でき、同様の作
用効果を得られる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、エン
ジンの負荷が増大すると、油圧制御弁を閉じてエンジン
潤滑部への圧油の供給量を高め、しかも、油温制御弁が
バイパス通路を閉じてオイルクーラへの流入量を多くし
て油温の過度な上昇を抑えて、潤滑信頼性を確保してお
く。逆に、エンジンの負荷が低いと、油圧制御弁を開い
て圧油をオイル溜に戻しエンジン潤滑部への潤滑油の無
駄な供給を抑え、しかも油温制御弁が圧油をバイパス通
路へ流入させてオイルクーラへの流入量を抑え、圧油の
過冷却による流動抵抗の増加を防止して、エンジンのエ
ネルギ損失を低減し燃費の向上を図れる。このようにエ
ンジン負荷の増大時の潤滑信頼性の確保と、エンジン負
荷の低下時の潤滑油の無駄な供給や過冷却を防止し、エ
ネルギ損失の低下を図ることができる。
【0029】請求項2の発明は、圧油の油温がエンジン
の冷却水温より低い始動時等の場合は、オイルクーラを
加熱器として用い、圧油をエンジンの冷却水により温め
て油温の上昇を図り、これによりエンジンの暖機促進を
図り、エンジンのエネルギ損失を低減させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用されたエンジンの潤滑装置の全体
構成図である。
【図2】図1のエンジンの潤滑装置のコントローラが行
う油温制御特性線図である。
【図3】図1のエンジンの潤滑装置のコントローラが用
いるポンプ吐出圧設定マップの特性線図である。
【図4】図1のエンジンの潤滑装置のコントローラが用
いる油温対応デューティー比設定マップの特性線図であ
る。
【図5】図1のエンジンの潤滑装置の油温制御で用いる
目標油温とエンジン回転数との相関を示す特性線図であ
る。
【図6】図1のエンジンの潤滑装置のコントローラが行
う油圧制御ルーチンのフローチャートである。
【図7】図1のエンジンの潤滑装置のコントローラが行
う油温制御ルーチンのフローチャートである。
【図8】従来のエンジンの潤滑装置の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 2 オイルポンプ 3 吐出路 4 油圧制御弁 6 オイルクーラ 7 バイパス通路 8 油温制御弁 9 油温センサ 11 油圧センサ 12 メインギャラリ(エンジン潤滑部側) 14 オイル溜 15 コントローラ 16 負荷センサ 18 水温センサ Lq レバー開度位置(エンジン負荷) Ot 油温 Po 油圧 Wt 冷却水温
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−34322(JP,U) 実開 昭63−73510(JP,U) 実開 昭61−183408(JP,U) 実開 昭56−132305(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01M 1/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン駆動のオイルポンプによりオイル
    溜の油をオイルクーラに圧送し、同オイルクーラを通過
    した圧油をエンジン潤滑部に供給するエンジンの潤滑装
    置において、 上記オイルクーラの上流側の油路に設けられ、上記オイ
    ルポンプからの圧油を直接オイル溜に戻すことによりエ
    ンジン潤滑部への圧油の供給量を制御する油圧制御弁
    と、 上記オイルクーラを迂回するバイパス通路に設けられ、
    上記オイルクーラへ流入する圧油の量を制御する油温制
    御弁と、 エンジンの負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、 上記負荷が増大したときに上記エンジン潤滑部への圧
    油の供給量を増加させるように上記油圧制御弁を制御す
    ると共に上記オイルクーラへの流入量を多くするよう
    上記油温制御弁を制御するコントローラとを設けたこと
    を特徴とするエンジンの潤滑装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のエンジン潤滑装置におい
    て、 上記圧油の油温を検出する油温センサと、 上記エンジンの冷却水温を検出する水温センサと、を更
    に備え、 上記コントローラは、上記圧油の油温がエンジンの冷却
    水温より低い時は、上記バイパス通路を閉鎖するように
    上記油温制御弁を制御することを特徴とするエンジンの
    潤滑装置。
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