JP3323254B2 - 複合記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

複合記録媒体及びその製造方法

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JP3323254B2
JP3323254B2 JP31295292A JP31295292A JP3323254B2 JP 3323254 B2 JP3323254 B2 JP 3323254B2 JP 31295292 A JP31295292 A JP 31295292A JP 31295292 A JP31295292 A JP 31295292A JP 3323254 B2 JP3323254 B2 JP 3323254B2
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耕太郎 檀上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱転写リボンによる
インキ記録と、透明状態のものを不透明状態あるいは不
透明状態のものを透明状態に変化させることからなる感
熱記録とを併用して行ない得る複合記録媒体、及び、そ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱転写リボンによるインキ記録を行な
うための感熱記録媒体は、基材シートと該基材シートの
上に形成されている転写用インキ受理層とからなり、感
熱転写リボンの着色ワックス層を転写用インキ受理層に
転写することによって記録が行なわれる。
【0003】また、感熱記録層を透明状態から不透明状
態に変化させることによって、あるいは、不透明状態か
ら透明状態に変化させることによって記録が行なわれる
感熱記録媒体は、基材シートと該基材シートの上に形成
されている感熱記録層とからなり、該感熱記録層とし
て、例えば高分子化合物中に脂肪酸を分散させた樹脂
層、高分子化合物の相変化を利用する樹脂層、さらには
高分子化合物中に液晶を分散させた樹脂層等が利用され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、インキ受理層に対して感熱転写リボンによ
る転写方式にて固定情報を記録し得ると共に、インキ受
理層の上に部分的に形成されている感熱記録層に対して
可変情報を記録し得るもので、これらのタイプの相違す
る複数種の記録を書き込むことのできる複合記録媒体で
あって、しかも感熱記録層を別のものに置き換えること
による偽造防止効果をも有する複合記録媒体、及びその
製造方法を提供することにある。
【0005】
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下に記載
する本発明の複合記録媒体及びその製造方法によって解
決することができる。すなわち本発明は、基材シート
と、該基材シートの上に形成されている転写用インキ受
理層と、該転写用インキ受理層の上に部分的に形成され
ている感熱記録層と、前記感熱記録層と転写用インキ受
理層との間の少なくとも1部に形成されている反射層と
を具備しており、かつ前記転写用インキ受理層面には柄
層が設けられていて、該柄層を介して形成されている前
記反射層が柄層に起因して変形しており、しかも前記感
熱記録層への記録が、該層を透明状態から不透明状態に
あるいは不透明状態から透明状態に変化させることによ
って行なわれる複合記録媒体からなる。
【0007】
【0008】前記構成による本発明の複合記録媒体にお
いては、柄層が地紋からなるものであることが好まし
い。
【0009】又、前記構成による本発明の複合記録媒体
においては、基材シートの表面または裏面に、磁気記録
層を有していることが好ましい。
【0010】
【0011】更に、本発明の複合記録媒体の製造方法
は、支持体上に、保護層と、透明状態から不透明状態に
あるいは不透明状態から透明状態に変化させることによ
って熱記録が行なわれる感熱記録層と、反射層と、接着
層とを順次形成してなる転写層を有する転写用シートの
接着層面と、基材シートと該基材シートの上に形成され
ている転写用インキ受理層と該転写用インキ受理層の上
に形成されている柄層とを有する基体シートの前記柄層
の形成面とを当接させた後、転写用シートの支持体面か
ら加熱,加圧することによって、前記柄層を有する転写
用インキ受理層面に転写用シートを貼着すると共に、前
記柄層の存在に起因する変形を前記反射層に生じさせ、
続いて転写用シートにおける支持体のみを剥離,除去し
て、複合記録媒体を得る方法からなる。
【0012】前記構成による本発明の複合記録媒体及び
その製造方法における基材シートとしては、記録媒体に
必要な剛性を具備するシート、例えば、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム,ポリブチレンテレフタレートフ
ィルム等のポリエステルフィルム、ポリメタクリル酸メ
チル,ポリアクリル酸メチル,ポリメタクリル酸エチル
等のアクリル系樹脂フィルム、更には、ポリスチレンフ
ィルム、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重
合体フィルム、三酢酸セルロースフィルム、ポリカーボ
ネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等による厚さ
10〜500μ程度のプラスチックフィルムや上質紙等
が使用される。
【0013】基材シートの上に設けられる転写用インキ
受理層は、例えば、エチルセルロース,硝酸セルロー
ス,エチルヒドロキシエチルセルロース,セルロースア
セテートプロピオネート,酢酸セルロース等のセルロー
ス誘導体、ポリスチレン,ポリ−α−メチルスチレン等
のスチレン樹脂及びスチレン共重合体樹脂、ポリメタク
リル酸メチル,ポリメタクリル酸エチル,ポリアクリル
酸エチル,ポリアクリルブチル等のアクリルまたはメタ
クリル酸エステルの単独または共重合体樹脂、ポリ塩化
ビニル,ポリ酢酸ビニル,塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体,ポリビニルブチラール樹脂等のビニル重合体、ロ
ジン,ロジン変性マレイン酸樹脂,ロジン変性フェノー
ル樹脂,重合ロジン等のロジンエステル樹脂、クマロン
樹脂,ビニルトルエン樹脂,ポリウレタン,ポリアミド
樹脂等のその他の樹脂等、さらには、紫外線硬化型樹脂
等により、厚さ1〜10μ程度に形成される。
【0014】紫外線硬化型樹脂には、分子中に重合性不
飽和結合またはエポキシ基を有するプレポリマー、オリ
ゴマー、及び/ 又は単量体等による混合樹脂組成物が利
用される。前記プレポリマーやオリゴマーの具体例は、
不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等によ
る不飽和ポリエステル類をはじめ、ポリエステルメタク
リレート,ポリエーテルメタクリレート,ポリオールメ
タクリレート,メラミンメタクリレート等によるメタク
リレート類、ポリエステルアクリレート,エポキシアク
リレート,ウレタンアクリレート,ポリエーテルアクリ
レート,ポリオールアクリレート,メラミンアクリレー
ト,シリコーン変性アクリレート等によるアクリレート
類等が利用される。さらに、単量体の具体例は、スチレ
ン,α・メチルスチレン等によるスチレン系単量体、ア
クリル酸メチル,アクリル酸−2−エチルヘキシル,ア
クリル酸メトキシエチル,アクリル酸ブトキシエチル,
アクリル酸ブチル,アクリル酸メトキシブチル,アクリ
ル酸フェニル等によるアクリル酸エステル類、メタクリ
ル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピ
ル,メタクリル酸メトキシエチル,メタクリル酸エトキ
シメチル,メタクリル酸フェニル等によるメタクリル酸
エステル類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミ
ノ)エチル,メタクリル酸−2−(N,N−ジメチルア
ミノ)エチル,アクリル酸−2−(N,N−ジベンジル
アミノ)エチル,メタクリル酸−2−(N,N−ジメチ
ルアミノ)メチル,アクリル酸−2−(N,N−ジエチ
ルアミノ)プロピル等による不飽和酸の置換アミノアル
コールエステル類、アクリルアミド,メタクリルアミド
等による不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコール
ジアクリレート,プロピレングリコールジアクリレー
ト,ネオペンチルグリコールジアクリレート,1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート,ジエチレングリコー
ルジアクリレート,トリエチレングリコールジアクリレ
ート等のジアクリレート化合物、ジプロピレングリコー
ルジアクリレート,エチレングリコールアクリレート,
プロピレングリコールジメタクリレート,ジエチレング
リコールジメタクリレート等による多官能性化合物、ト
リメチロールプロパントリチオグリコレート,トリメチ
ロールプロパントリチオプロピレート,ペンタエリスリ
トールテトラチオグリコール等による分子中に2個以上
のチオール基を有するポリチオール化合物等が利用され
る。
【0015】紫外線硬化型樹脂による転写用インキ受理
層を形成する場合には、コーティング剤の塗工適性を考
慮して、通常、前述のプレポリマー又はオリゴマーの5
〜95重量%と、単量体及び/又はポリチオール化合物
の95〜5重量%と、及び/又は先の転写用インキ受理
層として説明したエチルセルロース,硝酸セルロース,
エチルヒドロキシエチルセルロース,セルロースアセテ
ートプロピオネート,酢酸セルロース等のセルロース誘
導体、ポリスチレン,ポリ−α−メチルスチレン等のス
チレン樹脂及びスチレン共重合体樹脂、ポリメタクリル
酸メチル,ポリメタクリル酸エチル,ポリアクリル酸エ
チル,ポリアクリルブチル等のアクリルまたはメタクリ
ル酸エステルの単独または共重合体樹脂、ポリ塩化ビニ
ル,ポリ酢酸ビニル,塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体,ポリビニルブチラール樹脂等のビニル重合体、ロジ
ン,ロジン変性マレイン酸樹脂,ロジン変性フェノール
樹脂,重合ロジン等のロジンエステル樹脂、クマロン樹
脂,ビニルトルエン樹脂,ポリウレタン,ポリアミド樹
脂等のその他の樹脂0〜50重量%との混合組成物が利
用される。
【0016】また、紫外線硬化型樹脂によるコーティン
グ剤中には、例えば、アセトフェノン類,ベンゾフェノ
ン類,ミヒラーベンゾイルベンゾエート,α・アミロキ
シムエステル,テトラメチルメウラムモノサルファイ
ド,チオキサントン類等による光重合開始剤と、必要に
応じて添加される光増感剤、例えば、n−ブチルアミ
ン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチルホスフィン等
による光増感剤とを含有することは勿論である。
【0017】転写用インキ受理層を形成するコーティン
グ剤の塗工は、例えば、ロールコート,カーテンフロー
コート,ワイヤーバーコート,リバースコート,グラビ
アコート,グラビアリバースコート,エアナイフコー
ト,キスコート,ブレードコート,スムーズコート,コ
ンマコート等によって行なわれる。
【0018】また、紫外線硬化型樹脂による転写用イン
キ受理層は、紫外線照射の際にマスキングすることによ
って部分硬化させても良く、この場合には、該層を転写
用インキ受理層と保護層とに、平面方向において区分け
することができる。紫外線硬化型樹脂の硬化は、超高圧
水銀灯,高圧水銀灯,低圧水銀灯,カーボンアーク,ブ
ラックライトランプ,メタルハライドランプ等の光源の
紫外線照射によって行なわれる。
【0019】転写用インキ受理層は、該インキ受理層中
に0.1μ以下の耐熱性微粒子を含有し、しかも、0.
1μ〜数μの表面粗さを有することが好ましい。すなわ
ち、0.1μ以下の耐熱性微粒子を含有する転写用イン
キ受理層は、転写リボン中のインキの吸収性が良好にな
り、また、0.1μ〜数μの表面粗さを有する転写用イ
ンキ受理層は、転写リボン中のインキの転写性及び接着
性が良好になる。なお、耐熱性微粒子としては、融点1
50℃以上の微粒子粉末、例えば、マイクロシリカ,テ
フロンパウダー等が利用される。
【0020】転写用インキ受理層の上には、部分的に形
成されている感熱記録層が設けられており、しかも該感
熱記録層と転写用インキ受理層との間には反射層が設け
られている。
【0021】反射層は、透明状態から不透明状態に変化
させるかあるいは不透明状態から透明状態に変化させる
ことによって記録が行なわれる感熱記録層の透明部分に
反射性を与える作用を奏するものである。
【0022】この反射層は、例えば、Cr,Ti,F
e,Co,Ni,Cu,Ag,Au,Ge,Al,M
g,Sb,Pb,Pd,Cd,Bi,Sn,Se,I
n,Ga,Rb等の金属及びその酸化物や窒化物等の単
独あるいは2種以上の組み合わせからなるもの、特に、
Al,Cr,Ni,Ag,Au等によるものが好まし
く、例えば、真空蒸着法,スパッタ法,メッキ法等によ
り、厚さ200〜2000Å程度に形成される。
【0023】
【0024】さらに、この反射層は全面に形成されてい
ても部分的に形成されていても良く、全面に形成されて
いる場合には、複合記録媒体の装飾性が向上し、意匠性
に優れた作用を奏するようになる。反射層を部分的に形
成する方法としては、従来公知の部分エッチング法、マ
スクを介して反射層を形成するマスキング法、または、
全面に反射層形成した後に不要な部分にオイルを付着さ
せる部分形成方法等を利用することができる。
【0025】なお、金属層からなる反射層に対しては、
該反射層を部分的に溶融,除去することによる固定情報
の記録が可能であるため、該層を固定情報記録層として
利用することもできる。
【0026】透明状態から不透明状態あるいは不透明状
態から透明状態に変化させることによって記録が行なわ
れる感熱記録層は、感熱記録層の透明状態と不透明状態
との間の可逆的変化によって繰り返して記録を行なうこ
とができる性質を有するものであり、具体的には、高分
子化合物中に脂肪酸を分散させた樹脂層、高分子化合物
の相変化を利用する樹脂層、高分子化合物中に液晶を分
散させた樹脂層等が利用される。
【0027】高分子化合物中に脂肪酸を分散させた樹脂
層からなる感熱記録層が、記録と該記録の消去とを感熱
記録層の透明状態と不透明状態との間の可逆的変化によ
って繰り返して行なうことができる性質を有しているこ
とは公知であり、少なくとも1種の樹脂によるマトリッ
クス材、例えば、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体
等の塩化ビニル系樹脂,ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビ
ニリデン樹脂,エステル系樹脂,アクリル系樹脂,メタ
クリル系樹脂,ウレタン系樹脂,フェノール系樹脂,シ
リコン系樹脂,メラミン系樹脂,エポキシ系樹脂,アリ
ール系樹脂,アミド系樹脂及びそれらの共重合体、変性
物、さらには、これらの混合物等と、少なくとも1種の
脂肪族モノカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸か
らなる高級脂肪酸、例えば、カプリル酸,ペラルゴン
酸,カプリン酸,ウンデシル酸,ラウリン酸,トリデシ
ル酸,ミリスチン酸,ペンタデシル酸,パルミチン酸,
ヘプタデシル酸,ステアリン酸,ノナデカン酸,アラキ
ン酸,ベヘン酸,リクノセリン酸,セロチン酸,ヘンエ
イコサン酸,ヘプタコサン酸,モンタン酸,メリシン
酸,ラクセル酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸,クロトン
酸,イソクロトン酸,ヘキサデセン酸,ヘプタデセン
酸,ウンデシレン酸,オレイン酸,オクタデセン酸,エ
ライジン酸,セトレイン酸,エルカ酸,エレオステアリ
ン酸,ブラシジン酸,ソルビン酸,プロピオール酸,ス
テアロール酸等の不飽和脂肪酸、シュウ酸,マロン酸,
コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベ
リン酸,マゼライン酸,セバシン酸,エイコサン2酸,
ドデカン2酸,マレイン酸,フマル酸,ブラシル酸の脂
肪族ジカルボン酸等とが用いられる。
【0028】高分子化合物中に脂肪酸を分散させた樹脂
層からなる感熱記録層の透明化温度範囲を広くし、か
つ、透明状態と不透明状態との比であるコントラストを
高める目的で、前記感熱記録層中にはポリオキシエチレ
ン鎖を有する有機系低分子化合物を添加することがで
き、例えば、[化1]及び[化2]で表示されるポリオ
キシエチレン脂肪酸エステル類、[化3]で表示される
ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、[化4]で表
示されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
類、[化5]で表示されるポリオキシエチレンソルビタ
ンアルキルエステル類、[化6]で表示されるポリオキ
シエチレンアルキルアミン類等を利用し得る。
【0029】
【化1】
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】
【化6】
【0035】なお、前記ポリオキシエチレン鎖を有する
有機系低分子化合物を選択する場合には、併用する脂肪
族モノカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸との組
み合わせでそれぞれ好適なものを選ぶことが望ましい。
例えば、ベヘン酸/ステアリン酸による系では、ポリオ
キシエチレン・アルキルフェニルエーテル等が望まし
く、また、エイコサン・2・酸/ステアリン酸による系
では、ポリオキシエチレン・ソルビタンアルキルエステ
ル等が望ましい。勿論、このような特定の組み合わせで
なくとも、先のポリオキシエチレン鎖を有する有機系低
分子化合物を混在させることにより透明化温度範囲が広
く、しかも、透明化時の透明性と白濁時の不透明性との
比であるコントラストが充分な感熱記録層が得られる。
【0036】ポリオキシエチレン鎖を有する有機系低分
子化合物の混合量は、脂肪族モノカルボン酸と脂肪族ジ
カルボン酸との総重量に対して50〜500重量%、望
ましくは50〜200重量%程度である。脂肪族モノカ
ルボン酸と脂肪族ジカルボン酸との総重量に対してポリ
オキシエチレン鎖を具備する有機系低分子化合物が50
重量%未満になると、該有機系低分子化合物による添加
の改良効果が計られず、目的とする特性を得ることがで
きない。また500重量%を超えるようになると感熱記
録層における加熱による記録ー消去の可逆性が損なわれ
るようになる。一般的に、ポリオキシエチレン鎖を具備
する有機系低分子化合物の混合量は、脂肪族モノカルボ
ン酸と脂肪族ジカルボン酸との総重量に対し、同量程度
かそれ以上の量を混入させることが望ましい。
【0037】高分子化合物の相変化を利用する樹脂層か
らなる感熱記録層は、高分子化合物の結晶・非晶状態の
可逆的変化に伴う屈折率や透過率等の光学特性の変化を
使用することによる記録が得られるものであり、例え
ば、「−{−S−(C64 )−S−CH2 −CH2
(C64 )−CH2 −CH2n −」で表示されるポ
リ(1,4−ベンゼンジチオール−CO−1,4−ジビ
ニルベンゼン)は、非晶状態では透明(光透過率91%
以上)で高屈折率(1.81)を有し、結晶状態では不
透明(光透過率1%未満)となり、厚さ0.1〜0.5
μの薄膜層を記録層とした場合に170℃,1〜2秒の
熱記録で透明になり、この薄膜層を70〜80℃で20
〜30分間加熱すると再び不透明になり、かかるメカニ
ズムを利用して感熱記録層への記録と記録の消去とを可
逆的に繰り返して行なうことができる。
【0038】高分子化合物中に液晶を分散させた樹脂層
からなる感熱記録層は、製膜性能を有する高分子物質と
液晶物質とを含有する高分子物質・液晶物質による複合
膜層からなるもので、通常、製膜性能を有する高分子物
質100重量部に対して液晶物質10〜500重量部を
含有する複合膜層として形成される。
【0039】製膜性能を有する高分子物質と液晶物質と
を含有する高分子物質・液晶物質からなる複合膜層は、
液晶物質が製膜性能を有する高分子物質中に、マイクロ
カプセル化法,溶媒蒸発法,懸濁重合法等の方法によっ
て略均一に分散している形態をなす複合膜層であり、該
複合膜層が記録特性と記録された情報を消去し得る特性
とを有する。
【0040】この高分子物質・液晶物質からなる複合膜
層においては、高分子物質としては、皮膜形成能及び耐
熱性の良好なものが好ましく、例えば、ポリ塩化ビニ
ル,塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系
樹脂、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニリデン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリレ
ート,ポリメタクリレート,アクリレート・メタクリレ
ート共重合体等によるアクリル系樹脂、ポリウレタン樹
脂等が利用される。また、液晶物質としては、メモリ性
を有するスメクチック型の液晶ポリマー、例えば、英国
プール(Pool)のBDH化学(BDH Chemi
cal)から市販されている”スメクチックA相物質S
2”や、西ドイツのダルムスタット(Darmstad
t)のE.メルク化学(E.Merk Chemica
ls)から市販されているK24,K30,K36,Z
LI1840,CB15等を利用し得る。
【0041】なお、製膜性能を有する高分子物質・液晶
物質による複合膜層において、高分子物質100重量部
に対して液晶物質が10重量部未満になると、該複合膜
層における記録の印字感度が低くなり易く鮮明な記録が
得られ難くなる。また、高分子物質100重量部に対し
て液晶物質が500重量部を超えるようになると、複合
膜層の表面への液晶の浸み出しが多くなるために、該複
合膜層の表面に対して保護用の樹脂層を形成することが
困難になり易い。このため、製膜性能を有する高分子物
質・液晶物質による複合膜層においては、製膜性能を有
する高分子物質100重量部に対して液晶物質10〜5
00重量部を利用するのが好ましく、より好ましくは5
0〜200重量部程度の液晶物質が利用される。
【0042】また、高分子物質・液晶物質による複合膜
層中に、該複合膜層中の液晶物質の分子と整合して液晶
物質と同様に光学的な機能を果たす二色性色素分子を含
有させることにより、記録部の呈色を一層明瞭にするこ
とができる。この二色性色素分子として、例えば、イン
ドール・ブルー,スーダン・ブラックB,スーダン3,
スーダン2、更には、E.メルク化学(E.Merk
Chemicals)から市販されているD−37,D
−43,D−85等を利用し得る。
【0043】製膜性能を有する高分子物質と液晶物質と
を含有する高分子物質・液晶物質による複合膜層からな
る感熱記録層は、該感熱記録層が例えばコロナ帯電等に
よる電場に通されると、感熱記録層中の高分子物質・液
晶物質による複合膜層内に分散した液晶粒子中の液晶分
子が同一方向に整列され、高分子物質と液晶物質との屈
折率が一致することから、複合膜層には透明な状態が呈
される。かかる状態の感熱記録層が加熱されると、高分
子物質・液晶物質による複合膜層内に分散した液晶粒子
中の液晶分子の配列がランダムな状態となり、高分子物
質と液晶物質との屈折率に差異が生じることから、熱を
受けた部分のみが不透明な濁状態として外部から視認さ
れる。したがって、感熱記録層が再度電場に通される
と、複合膜層内の高分子物質と液晶物質との分子の方向
が同一に整列されることから、高分子物質と液晶物質と
の屈折率が一致して透明な状態になり、感熱記録層への
記録と該記録の消去とを、感熱記録層の透明状態と不透
明状態との間の可逆的変化によって繰り返して行なうこ
とができる。
【0044】基材シートの表面または裏面に、必要に応
じて設けられる磁気記録層は、本発明の複合記録媒体に
さらに磁気記録を併用することを可能にするものであ
り、例えば、Fe34 ,γ−Fe23 ,Co被着γ
ーFe23 ,Baフェライト等の酸化物磁性粉やF
e,Fe−Co合金等の金属磁性粉とカーボン等の有機
顔料とを合成樹脂バインダー中に均一に分散させた塗工
剤により、黒色または有色の塗膜層として形成された
り、あるいは、例えばCo,Co−Ni蒸着またはスパ
ッタ膜等による高保磁力金属薄膜として形成される。
【0045】さらに、本発明の複合記録媒体には、感熱
記録層の上に透明な保護層が形成されるのが普通であ
る。
【0046】また、感熱記録層が積層されていない部分
の転写用インキ受理層に対して転写印字後に、該転写用
インキ受理層の上に透明な保護層を形成しても良い。
【0047】この表面保護層は、本発明の複合記録媒体
の保護を図るためのもので、堅牢性に優れた性質を有す
ることが必要であり、例えば、熱可塑性樹脂,電離放射
線硬化型樹脂,シリコン樹脂等により、通常、厚さ0.
1〜10.0μ程度に形成される。
【0048】なお、表面保護層形成用の熱可塑性樹脂と
しては、例えば、エチルセルロース,硝酸セルロース,
エチルヒドロキシエチルセルロース,セルロースアセテ
ートプロピオネート,酢酸セルロース等のセルロース誘
導体、ポリスチレン,ポリ−α−メチルスチレン等のス
チレン樹脂及びスチレン共重合体樹脂、ポリメタクリル
酸メチル,ポリメタクリル酸エチル,ポリアクリル酸エ
チル,ポリアクリルブチル等のアクリルまたはメタクリ
ル酸エステルの単独または共重合体樹脂、ポリ塩化ビニ
ル,ポリ酢酸ビニル,塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体,ポリビニルブチラール樹脂等のビニル重合体、ロジ
ン,ロジン変性マレイン酸樹脂,ロジン変性フェノール
樹脂,重合ロジン等のロジンエステル樹脂、クマロン樹
脂,ビニルトルエン樹脂,ポリウレタン,ポリアミド樹
脂等のその他の樹脂等が使用される。
【0049】また、電離放射線硬化性樹脂としては、分
子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプレ
ポリマー、オリゴマー、及び/ 又は単量体等による混合
樹脂組成物が利用される。なお、前記プレポリマーやオ
リゴマーの具体例は、不飽和ジカルボン酸と多価アルコ
ールとの縮合物等による不飽和ポリエステル類をはじ
め、ポリエステルメタクリレート,ポリエーテルメタク
リレート,ポリオールメタクリレート,メラミンメタク
リレート等によるメタクリレート類、ポリエステルアク
リレート,エポキシアクリレート,ウレタンアクリレー
ト,ポリエーテルアクリレート,ポリオールアクリレー
ト,メラミンアクリレート等によるアクリレート類等が
利用される。さらに、単量体の具体例は、スチレン,α
・メチルスチレン等によるスチレン系単量体、アクリル
酸メチル,アクリル酸−2−エチルヘキシル,アクリル
酸メトキシエチル,アクリル酸ブトキシエチル,アクリ
ル酸ブチル,アクリル酸メトキシブチル,アクリル酸フ
ェニル等によるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メ
チル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メ
タクリル酸メトキシエチル,メタクリル酸エトキシメチ
ル,メタクリル酸フェニル等によるメタクリル酸エステ
ル類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エ
チル,メタクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)
エチル,アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミ
ノ)エチル,メタクリル酸−2−(N,N−ジメチルア
ミノ)メチル,アクリル酸−2−(N,N−ジエチルア
ミノ)プロピル等による不飽和酸の置換アミノアルコー
ルエステル類、アクリルアミド,メタクリルアミド等に
よる不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジア
クリレート,プロピレングリコールジアクリレート,ネ
オペンチルグリコールジアクリレート,1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート,ジエチレングリコールジア
クリレート,トリエチレングリコールジアクリレート等
のジアクリレート化合物、ジプロピレングリコールジア
クリレート,エチレングリコールアクリレート,プロピ
レングリコールジメタクリレート,ジエチレングリコー
ルジメタクリレート等による多官能性化合物、トリメチ
ロールプロパントリチオグリコレート,トリメチロール
プロパントリチオプロピレート,ペンタエリスリトール
テトラチオグリコール等による分子中に2個以上のチオ
ール基を有するポリチオール化合物等が利用される。
【0050】表面保護層を電離放射線硬化型樹脂によっ
て形成する場合には、電離放射線硬化型樹脂によるコー
ティング剤の塗工適性を考慮して、通常、前述のプレポ
リマー又はオリゴマーの5〜95重量%と、単量体及び
/又はポリチオール化合物の95〜5重量%との混合組
成物が利用される。また、電離放射線硬化型樹脂による
コーティング剤中には、該コーティング剤が紫外線の照
射によって硬化される場合には、例えば、アセトフェノ
ン類,ベンゾフェノン類,ミヒラーベンゾイルベンゾエ
ート,α・アミロキシムエステル,テトラメチルメウラ
ムモノサルファイド,チオキサントン類等による光重合
開始剤と、必要に応じて添加される光増感剤、例えば、
n−ブチルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチ
ルホスフィン等による光増感剤とを含有することは勿論
である。
【0051】表面保護層を形成するコーティング剤の塗
工は、例えば、ロールコート,カーテンフローコート,
ワイヤーバーコート,リバースコート,グラビアコー
ト,グラビアリバースコート,エアナイフコート,キス
コート,ブレードコート,スムーズコート,コンマコー
ト等によって行なわれる。また、電離放射線硬化型樹脂
による表面保護用の樹脂層の硬化には、超高圧水銀灯,
高圧水銀灯,低圧水銀灯,カーボンアーク,ブラックラ
イトランプ,メタルハライドランプ等にの光源の紫外線
照射、あるいは、コックロフトワルトン型,ハンデグラ
フ型,共振変圧器型,絶縁コア変圧器型,直線型,ダイ
ナミトロン型,高周波型等の各種の電子線加速器による
100〜1000KeV、好ましくは、100〜300
KeVのエネルギーの電子線の照射が利用される。
【0052】本発明の複合記録媒体において、柄層に起
因する変形を反射層に生じさせるには、例えば、支持体
上に、保護層と、透明状態から不透明状態にあるいは不
透明状態から透明状態に変化させることによって熱記録
が行なわれる感熱記録層と、接着層とを順次形成した転
写用シートの転写層を、基材シートの上に形成されてい
る転写用インキ受理層面の1部に転写することによって
感熱記録層を形成するときに、前記転写用インキ受理層
面に高さ1μ程度の凸条部からなる柄層を予め設けてお
き、しかも転写用シートにおける接着剤層の厚さを0.
5〜2.0μ程度の薄いものにすることにより、転写用
シートの接着剤層と反射層とに、前記高さ1μ程度の凸
条部からなる柄層に起因する変形を生じさせるようにす
ればよい。
【0053】
【0054】以上の通りの構成による本発明の複合記録
媒体は、転写箔,ラベル,シート,カード等の形態で使
用される。
【0055】
【作用】本発明の複合記録媒体へは、感熱プリンター,
サーマルヘッド等によって透明状態と不透明状態の間の
可逆による記録と該記録の消去とが感熱記録層に対して
行なわれ、また、感熱転写リボンによるインキ記録が転
写用インキ受理層面に対して行なわれる。
【0056】したがって、前者の記録による可変情報と
後者の記録による固定情報とを区分けして記録すること
ができる。このため、例えば、輸送機関の定期券に本発
明の複合記録媒体を利用した場合には、利用区間の駅名
を固定情報として転写用インキ受理層面に記録し、定期
券の利用者の日毎の入札及び出札の駅名を感熱記録層の
領域に可変情報として記録することにより、定期券を不
正使用する所謂キセル乗車等のチエックを容易に行ない
得る。
【0057】また、本発明の複合記録媒体への記録は、
転写用インキ受理層への転写記録と感熱記録層への熱記
録とを同一のサーマルプリンターで行なうことができる
ため、印字装置がコンパクトになる。
【0058】さらに、本発明の複合記録媒体への記録
は、感熱記録層の感度を調節することにより、同一のサ
ーマルプリンターによりしかも同一エネルギーで印字す
ることができる。なお、感熱記録層の感度の調節は、例
えば高分子化合物からなるマトリックス中に低分子有機
化合物を分散させた感熱記録層の場合には、低分子有機
化合物の相転移点温度,分散粒子径,その添加量等を調
整する等して行ない得る。
【0059】更に又、本発明の複合記録媒体は、柄層に
起因する変形が反射層に現出されているため、柄層の形
状を透かし状態にて明確に判別できる。このことによ
り、感熱記録層の部分を別のものに置き換えることの偽
造を防止することができる。
【0060】本発明の複合記録媒体の製造方法によれ
ば、前述の各特性を備えた複合記録媒体を容易、かつ的
確に得ることができ、特に、感熱記録層を転写用インキ
受理層の上の任意の所定の位置に形成することができ
る。
【0061】
【実施例】以下、本発明の複合記録媒体の具体的な構成
を実施例を以って説明する。
【0062】実施例1 厚さ188μの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムによる基材シートの表面に、下記の組成(A)に
よる磁気塗料をグラビアコート法によって塗工し、厚さ
15μの磁気記録層を形成した。
【0063】組成(A) 磁性粉末・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂・・・・20重量部 トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50重量部 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50重量部
【0064】続いて、前記磁気記録層の上に下記の組成
(B)によるコーティング剤を塗工,乾燥し、厚さ1μ
の転写用インキ受理層を形成した。
【0065】組成(B) ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂・・・・20重量部 トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50重量部 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50重量部
【0066】さらに、該転写用インキ受理層の上の全面
に下記の組成(C)によるグラビアインキにより、高さ
1μの地紋を形成することにより、基材シートと該基材
シートの上に形成されている転写用インキ受理層と該転
写用インキ受理層の上に形成されている柄層とを有する
基体シートを得た。
【0067】組成(C) ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20重量部 青色顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1重量部 トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50重量部 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50重量部
【0068】他方、厚さ25μのポリエチレンテレフタ
レートフィルムからなる支持体上の離型性面に、下記の
組成(D)によるコーティング剤をオフセット印刷法に
よって塗工し、厚さ1μの保護層を形成した。
【0069】組成(D) アクリル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10重量部 テトラフルオロエチレンパウダー・・・・・・・・ 1重量部 ポリエチレンワックス・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1重量部
【0070】続いて該保護層の上に、ベヘン酸8重量部
と塩ビ−酢ビ共重合体(UCC社製:VYHH)20重
量部とテトラヒドロフラン160重量部との混合溶液か
らなるコーティング剤を塗工,乾燥し、厚さ約10μの
感熱記録層を形成した。なお、この感熱記録層は高分子
化合物中に脂肪酸を分散させた樹脂層からなるもので、
該感熱記録層への記録と該記録の消去とを該感熱記録層
の透明状態と不透明状態との間の可逆的変化によって繰
り返して行なうことができる性質を有している。
【0071】さらに、感熱記録層の上に、真空蒸着法に
より厚さ400Åのアルミニウム蒸着層による反射層を
形成した後、該反射層の上に厚さ1μの接着層を形成す
ることにより転写用シートを得た。
【0072】所定のサイズに裁断した転写用シートの接
着層面と、前述の基材シートと磁気記録層と転写用イン
キ受理層と地紋とからなる基体シートの転写用インキ受
理層面とを当接させ、転写用シートの支持体面から加
熱,加圧することによって、転写用インキ受理層面の1
部に転写用シートを貼着した後、転写用シートにおける
支持体のみを剥離,除去することにより、本発明の1実
施例品である複合記録媒体を得た。
【0073】実施例2 前記実施例1の複合記録媒体の製造工程において、組成
(B)による厚さ1μの転写用インキ受理層の形成の代
わりに、テフロンパウダーを含有するウレタンアクリレ
ート系紫外線硬化性樹脂の酢酸ブチル溶液(大日本イン
キ化学工業 (株) 製:ユニディック17−824−9)
をワイヤーバーで塗布し、さらに、加熱乾燥後、ステン
レルスチール製の遮蔽板を当てがい、所定の開口部のみ
に80w/cmの紫外線ランプを5秒間照射することに
より、厚さ約2μの転写用インキ受理層を形成し、その
他の工程は、実施例1の対応する工程と同一の工程によ
り、本発明の別の実施例品である複合記録媒体を得た。
【0074】[実験]実施例1及び実施例2で得られた
複合記録媒体を100℃に加熱して感熱記録層を完全に
白濁の不透明状態にした後、サーマルヘッドによる0.
3mJ/dotのエネルギーを与えたら、該感熱記録層
が透明状態に変化し、該感熱記録層の下に積層されてい
る反射層が感熱記録層を通して視認された。
【0075】続いて、前記複合記録媒体に対してサーマ
ルヘッドによる0.6mJ/dotのエネルギーを与え
たら、感熱記録層が完全に白濁の不透明状態になり、先
の反射層が感熱記録層によって完全に隠蔽された。
【0076】また、複合記録媒体の感熱記録層が積層さ
れていない表面すなわち転写用インキ受理層面に、着色
ワックス層からなる転写層を有する転写用インキリボン
による熱転写を行なったところ、所定の固定情報が記録
された。
【0077】以上の事実により、実施例品による複合記
録媒体は、感熱記録層が積層されている領域を「記録−
消去」の可逆性の可変情報を記録する領域として使用し
得ると共に、感熱記録層が積層されていない転写用イン
キ受理層面を固定情報の領域として使用し得ることが確
認できた。
【0078】
【効果】本発明の複合記録媒体は、感熱転写リボンによ
るインキ記録と、透明状態から不透明状態あるいは不透
明状態から透明状態に変化させることからなる感熱記録
とのタイプの相違する記録を行なうことができるもので
あって、しかも感熱記録層と転写用インキ受理層との間
の少なくとも1部に形成されている反射層が、転写用イ
ンキ受理層面に設けられている柄層に起因して変形して
いるものである。従って、本発明の複合記録媒体に、感
熱転写リボンによるインキ記録と、透明状態から不透明
状態あるいは不透明状態から透明状態に変化させること
からなる感熱記録とのタイプの相違する記録を行なうよ
うにして、例えば輸送機関の定期券の不正使用等を極め
て効果的に防止し得るだけでなく、柄層に起因する変形
が反射層に現出されているため、柄層の形状を透かし状
態にて明確に判別できることから、感熱記録層の部分を
別のものに置き換えることの偽造を防止することもでき
る。又、本発明の複合記録媒体の製造方法は、感熱記録
層を転写方式によって形成するものであり、前述の各特
性を備えた複合記録媒体を容易、かつ的確に得ることが
できるだけでなく、特に感熱記録層を転写用インキ受理
層の上の任意の所定の位置に形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/36 - 5/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートと、該基材シートの上に形
    成されている転写用インキ受理層と、該転写用インキ受
    理層の上に部分的に形成されている感熱記録層と、前記
    感熱記録層と転写用インキ受理層との間の少なくとも1
    部に形成されている反射層とを具備しており、かつ前記
    転写用インキ受理層面には柄層が設けられていて、該柄
    層を介して形成されている前記反射層が柄層に起因して
    変形しており、しかも前記感熱記録層への記録が、該層
    を透明状態から不透明状態にあるいは不透明状態から透
    明状態に変化させることによって行なわれるものである
    ことを特徴とする複合記録媒体。
  2. 【請求項2】 柄層が地紋からなるものであることを
    特徴とする請求項1に記載の複合記録媒体。
  3. 【請求項3】 基材シートの表面または裏面に磁気記
    録層を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の複合記録媒体。
  4. 【請求項4】 支持体上に、保護層と、透明状態から
    不透明状態にあるいは不透明状態から透明状態に変化さ
    せることによって熱記録が行なわれる感熱記録層と、反
    射層と、接着層とを順次形成してなる転写層を有する転
    写用シートの接着層面と、基材シートと該基材シートの
    上に形成されている転写用インキ受理層と該転写用イン
    キ受理層の上に形成されている柄層とを有する基体シー
    トの前記柄層の形成面とを当接させた後、転写用シート
    の支持体面から加熱,加圧することによって、前記柄層
    を有する転写用インキ受理層面に転写用シートを貼着す
    ると共に、前記柄層の存在に起因する変形を前記反射層
    に生じさせ、続いて転写用シートにおける支持体のみを
    剥離,除去することを特徴とする複合記録媒体の製造方
    法。
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