JP3323081B2 - タッチ信号プローブ - Google Patents

タッチ信号プローブ

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JP3323081B2
JP3323081B2 JP25355496A JP25355496A JP3323081B2 JP 3323081 B2 JP3323081 B2 JP 3323081B2 JP 25355496 A JP25355496 A JP 25355496A JP 25355496 A JP25355496 A JP 25355496A JP 3323081 B2 JP3323081 B2 JP 3323081B2
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定部材と可動部
材とを備え、可動部材に外部から力が作用したとき固定
部材に対する可動部材の変位を許容し、かつ、可動部材
に作用する力がなくなったときに可動部材を静止位置に
復帰させるプローブの着座機構を備えたタッチ信号プロ
ーブに関する。このタッチ信号プローブは三次元測定機
などに用いられる。
【0002】
【背景技術】三次元測定機では、固定台上に置かれたワ
ークに対して、三次元方向に移動可能なプローブを接触
させ、プローブがワークに接触した瞬間を電気的トリガ
として各軸(三次元方向の各軸)の送り座標値を読み取
り、これらの座標値を基にワークの寸法や形状を測定す
る。この測定に用いられるプローブは、ワークとの接触
状態を電気的なタッチ信号として出力することができる
タッチ信号プローブと称され、広く用いられている。
【0003】一般に、このタッチ信号プローブは、ワー
クと接触するときのスタイラスの僅かな動きを検知する
ための検出機構と、プローブの大きな動きに対してプロ
ーブの破損を防止するためのセイフティ機構とを備え
る。セイフティ機構には、プローブのハウジングに対し
てスタイラスが大きく動けるようにした逃げ機能と、そ
の逃げ動作の後にスタイラスを動作前の元の位置に戻す
レシート機能とが要求される。ここで、この2つの機能
を備えたものを着座機構と呼ぶ。後者のレシート機能
は、測定動作の直前にはスタイラスを常に一定位置(こ
の位置を着座位置あるいは休止位置と称す)に位置づけ
る機能であり、繰り返し精度そのものに直接影響する。
【0004】従来、この2つの機能を満足させる着座機
構として、6点接触形の着座機構が知られている。図1
は6点接触形の着座機構を有するタッチトリガプローブ
の全体構成を示している。図1において、スタイラス1
は可動部材2に固定されている。可動部材2の周囲に
は、3本の円柱体3が、スタイラス1の軸線に対して直
角な面内で、かつ、スタイラス1の軸線を中心として1
20度間隔で放射状に突設されている。一方、プローブ
のハウジング4に設けられる固定部材(ハウジング4の
底壁)5には、2本の円柱体をV字状に組み合わせたV
字状係止部6が3組、可動部材2の円柱体3と対応する
位置にそれぞれ固定されている。
【0005】このような構成において、可動部材2を付
勢力発生機構としてのばね7で固定部材5に押圧する
と、可動部材2は所定の位置に静止する。このとき、可
動部材2上の各円柱体3はV字状係止部6と2点、全体
として6点で接触するので、6点接触形の逃げ機構、あ
るいは、6点接触形の着座機構と呼ばれる。また、この
ときの静止する位置を静止位置、休止位置、あるいは、
着座位置と呼ぶ。
【0006】ここでは、円柱体3とV字状係止部6との
組合せ、つまり、円柱体どうしの組合せを示したが、こ
れに限らず、図2に示す円柱体3と硬球8との組合せ、
あるいは、図3に示す硬球9とV溝10との組合せでも
同様な機能をもたらすことができる。なお、図3では、
円柱体3とV溝10が組み合わされているように見える
が、円柱体3の下側には硬球9が一体に設けられてい
る。円柱体どうしの組合せ、円柱体と硬球との組合せ、
あるいは、硬球とV溝との組合せは、一対の接触点を形
成し、これらにおける接触を保ちながら、固定部材と可
動部材との相対変位が可能な変位許容位置は限定され
る。この変位許容方向は、例えば、硬球とV溝の組み合
わせにおいては、V溝の方向であり、円柱体と硬球との
組み合わせの場合には、円柱体の軸方向となる。
【0007】図4は図3における着座機構の一部を拡大
図示したものである。図4において、第1の方向には硬
球9の動きが阻止され、第2の方向には硬球9に加わる
押圧力により硬球9の動きが阻止される。そのため、第
3の方向にのみ硬球9の動きが許容される。なお、第
1、第2および第3の方向は互いに直交している。円柱
体どうしの組合せ、円柱体と硬球との組合せにおいて
も、両者の接触点における接平面を考えると、それぞれ
に変位許容方向あるいは変位許容面のあることが理解で
きる。
【0008】ここで、6つの接点を形成する円柱体3や
硬球8,9は両者の繰り返し接触に対しても変形や摩耗
が生じないように超硬合金で作られるなどの工夫がされ
ている。また、硬球8,9はきわめて硬くつくられた球
の意味であり、鉄を主成分とする場合、鋼球とも記され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した着座機構は、
安定位置が一義的に決まるため、位置の再現性は理想的
であると思われるが、これは、接触点の摩擦力が零の場
合であって、実際にはこの摩擦力のために、位置の再現
性が悪化するという問題がある。
【0010】ここで、硬球9とV溝10を例に、何故、
着座位置にばらつきが生じるのかを考察する。逃げ機構
の各要素は金属のブロックより作られているので、一
見、剛体のように見えるが、接点付近をミクロ的に見れ
ば、様々なばねの組み合わせとして表すことができる。
すなわち、両者は相対的に動き得るわけである。しか
し、接点付近がいくら弾性変形しても、そこに作用する
押し付け力が一定であれば、着座位置は一義的に決ま
り、位置の再現性はきわめて高いものとなるはずであ
る。
【0011】ところが、実際には、接触点に摩擦力が作
用するので、たとえ押し付け力が一定であっても、硬球
9がV溝10の壁面を押す力は一定とはならない。すな
わち、硬球9がV溝10に着座、あるいは、休止してい
る状態では、摩擦力の作用方向が様々であり、従って、
硬球〜V溝壁面間の力の大きさが様々に異なるため、位
置の再現性が悪くなるわけである。摩擦力の作用方向
は、硬球とV溝の接触点の相対的な滑りの方向によって
決定するため、プロービングの際におけるスタイラスへ
加わる力の方向が異なると、その前後における着座位置
が大きく異なる。この現象は、実際にも多くの装置にお
いて確認されている。従来、潤滑剤の工夫、つまり、摩
擦力を低減するための工夫がなされてきたが、潤滑剤の
劣化などのため長期安定性に問題があった。
【0012】また、米国特許第5018280 号公報に見られ
るように、固定部材と可動部材とを相対的に振動させ、
これにより位置の再現性を高める(ディザー効果)ため
の工夫がなされてきたが、「振動させる」ことは「反復
運動させる」ことであり、ある程度の時間を必要とする
うえ、接触子の摩耗、劣化を招く。図1ないし図3に示
すような着座機構の場合、接触面の粗さが再現能力に大
きく影響を及ぼすため、適用が困難であった。さらに、
ディザー効果を得るためには、振動数と振幅を選択する
必要があり、正しく選択されると効果を発揮するが、摩
擦係数が変化するなど環境が変化すると、振動数や振幅
を再調整する必要があり、長期にわたり高い位置の再現
性を確保できなかった。
【0013】本発明の目的は、このような従来の点に鑑
み、摩擦力が作用する状態にあっても、長期にわたり高
い位置の再現性を確保できる着座機構を備えたタッチ信
号プローブを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】一般に、可動部材が固定
部材の所定位置で接触することにより着座、あるいは、
休止している状態においては、接触点における摩擦力の
作用方向が様々であり、従って、各接触点に働く力の大
きさが様々に異なり、着座位置がばらつく。これが復帰
精度の悪化の元凶であることに鑑み、本発明において
は、各接触点に作用する摩擦力の大きさの低減を図るの
ではなく、摩擦力の作用方向を一定にすることにより、
復帰位置の再現性を高めるようにしたものである。
【0015】具体的には、ハウジングに取り付けられた
固定部材と、可動部材と、前記固定部材と前記可動部材
とが互いに離隔した3箇所のそれぞれにおいて一対の接
触点で接触し、これにより前記固定部材と前記可動部材
との相対位置を一義的に定める機能を有する着座機構
と、前記可動部材に設けられ先端に被測定物と接触する
接触子を有するスタイラスと、前記接触子に外部から力
が加えられたとき前記固定部材に対する前記可動部材の
変位を許容し、かつ、前記接触子に加えられる力がなく
なったとき前記可動部材を静止位置に復帰させるための
付勢力発生手段と、を有するタッチ信号プローブにおい
て、前記接触子へ加えられる力がなくなった後、前記着
座機構における前記固定部材と前記可動部材の接触状態
を保ちつつ、各接触点において前記固定部材と前記可動
部材とを、その作動時には常に一定の方向へ所定の手順
で相対変位させる変位発生機構を、前記可動部材および
前記固定部材の少なくとも一方に設けることを特徴とす
る。
【0016】また、本願の異なる発明は、ハウジングに
取り付けられた固定部材と、可動部材と、前記固定部材
と前記可動部材の相対位置を一義的に定めることのでき
る互いに離隔した6箇所の接触点において前記固定部材
と前記可動部材とを接触させる着座機構と、前記可動部
材に設けられ先端に被測定物と接触する接触子を有する
スタイラスと、前記接触子に外部から力が加えられたと
き前記固定部材に対する前記可動部材の変位を許容し、
かつ、前記接触子に加えられる力がなくなったとき前記
可動部材を静止位置に復帰させるための付勢力発生手段
と、を有するタッチ信号プローブにおいて、前記接触子
へ加えられる力がなくなった後、前記着座機構における
前記固定部材と前記可動部材の6箇所の接触点における
接触状態を保ちつつ、各接触点において前記固定部材と
前記可動部材とを、その作動時には常に一定の方向へ所
定の手順で相対変位させる変位発生機構を、前記可動部
材および前記固定部材の少なくとも一方に設けることを
特徴とする。
【0017】このような構成により、スタイラスに働く
力がゼロになり前記付勢力により前記所定の静止位置に
ほぼ着座した後、前記付勢力の接触部位における分力
と、接触部位の摩擦係数に応じてその大きさが定まる接
触部位の摩擦力の着座後の向きが前記変位発生機構の作
動により所定の向きに揃えられることになるので、結果
的には前記静止位置に正確に復帰させることが可能とな
る。もとより、米国特許第5018280 号公報に見られるよ
うに、固定部材と可動部材とを相対的に振動させるもの
でないため、接触子の摩耗が少なく、長期にわたり高い
位置の再現性を確保できる。
【0018】さらに、本発明では、前記変位発生機構
は、複数の圧電素子等を用いて、固定部材と可動部材と
の各接触点における相対変位の方向を互いに異なる複数
の方向とし、さらに、これらの方向が前記スタイラスの
軸を中心として略放射状である構造、あるいは、放射方
向と略直交する方向である構造としてもよい。また、上
記各構成において、前記固定部材または前記可動部材の
前記各接触点と前記スタイラスの軸との間に複数(例え
ば、3個)の収納孔が設けられ、これらの収納孔にそれ
ぞれ収納され、かつ、略前記放射方向に伸縮する複数個
(3個)の駆動素子を備えて前記変位発生機構が構成さ
れたものでもよい。このような構成によれば、収納孔内
において各圧電素子が放射方向に伸縮するため、固定部
材と可動部材とを放射方向に正確に変位させることがで
きる。
【0019】また、前記固定部材または前記可動部材の
6個の接触点により囲まれる範囲より内側に貫通孔が設
けられ、この貫通孔内に収納される中空輪状の駆動素子
を備えて前記変位発生機構が構成されたものでもよい。
この構成では、変位発生機構を1個の駆動素子によって
構成することができるから、部品点数および組立工数を
低減できる。さらに、前記駆動素子は、圧電素子または
磁歪素子としてもよい。このような構成によっても、上
記と同様に部品点数および組立工数を低減できる。
【0020】さらに、前記付勢力発生機構は、前記固定
部材と前記可動部材との接触点に弾性体の弾性力により
押圧力を付与するように構成されたものでもよく、より
具体的には、前記固定部材と前記可動部材との間に配置
され前記固定部材と前記可動部材とを互いに近接する方
向に引張する引張ばねを備えて構成されたものでもよ
い。付勢力発生機構を圧縮ばねから構成する場合には、
ばねの座屈変形により、着座精度が必ずしも高くはない
が、引張ばねを利用すれば、ばねの座屈変形に伴う問題
がなくなり、着座精度の向上が図れる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図を参
照しながら詳細に説明する。ここで、各実施形態中、同
一構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略
にする。図5から図7には第1の実施形態が示されてい
る。図5は圧電素子を用いた着座機構を有するタッチ信
号プローブの実施形態を示す分解斜視図である。この着
座機構は、固定部材11と、可動部材21と、この可動
部材21に外部から力が作用したとき固定部材11に対
する可動部材21の変位を許容し、かつ、可動部材21
に作用する力がなくなったとき可動部材21を静止位置
に復帰させる付勢力発生手段(図示していないが、図1
で示した付勢力発生用ばね7と同じ)とを備える。
【0022】固定部材11は、その中心部分がプローブ
のハウジング(図示せず)に固定されており、可動部材
21のスタイラス22の軸を中心に120度間隔で放射
状に延びた3本の腕部121 〜123 を有し、その各腕
部121 〜123 の先端上面に硬球131 〜133 が配
置されている。3個の硬球131 〜133 の中心位置
は、スタイラス22の軸に対して等距離で、かつ、12
0度間隔である。また、各腕部121 〜123 におい
て、硬球131 〜133 より内側部分には収納孔141
〜143 が上下面に貫通形成され、その各収納孔141
〜143 内には変位発生機構としての圧電素子151
153 が予圧を加えられた状態で埋め込まれている。
【0023】各圧電素子151 〜153 は前記放射方向
に略沿って伸縮するように配置されている。従って、各
圧電素子151 〜153 に電圧を印加すると、各硬球1
1〜133 はスタイラス22の軸を中心に略放射方向
に変位されるように構成される。なお、16は固定部材
11の中心に穿設された挿通孔で、前記可動部材21の
スタイラス22が挿通される。可動部材21の中心に
は、スタイラス22が直角にかつ下方に向かって突設さ
れている。
【0024】スタイラス22の下端部には被測定物と接
触する球状の接触子23が設けられている。また、スタ
イラス22の軸を中心として120度間隔でかつ互いに
離間した3箇所にはV溝241 〜243 が設けられてい
る。各V溝241 〜243 は、溝方向が前記放射方向に
略一致するように配置されている。以上のような構成に
おいて、固定部材11に対して可動部材21を着座させ
る。着座状態では、固定部材11および可動部材21の
それぞれの3箇所において、硬球131 〜133 とV溝
241 〜243 とが1対で2箇所、3対で6箇所におい
て点接触した状態で、固定部材11に対し可動部材21
が着座、静止される。
【0025】図6は本実施形態の回路構成を示すブロッ
ク図である。同回路は、接触子23に被測定物が接触す
ることにより生じる可動部材21の変位を検知し、タッ
チ信号を出力する接触検知回路31と、そのタッチ信号
の入力を時間基準にし、所定の電圧を圧電素子151
153 に印加する変位制御回路32とから構成されてい
る。従って、全体の回路の動作としては、可動部材21
の変位変化が接触検知回路31で検知されると、それに
伴いタッチ信号が出力され、その信号を受けて変位制御
回路32では然るべきタイミングで圧電素子151 〜1
3 に所定の電圧を印加する。
【0026】図7(A)は圧電素子151 〜153 へ印
加する電圧波形と、その駆動動作をプロービング動作の
どの点で行うかを説明するための略図である。この図に
示されるように、通常、プロービング動作は、接触子2
3が被測定物に接触している接触状態Aと、接触子23
が被測定物から逃避してから再び被測定物に接触して測
定し得る安定状態Eに達するまでの状態、つまり、接触
を検知してから安定状態Eになるまでの間の着座状態B
とで1サイクルを形成する。着座状態Bの最初の状態は
スタイラス22が大きく変位して着座位置まで戻る時
間、即ち、移動状態Cが避けられない。この移動状態C
では、圧電素子151 〜153 を駆動しても効果が不確
かとなるため、変位制御回路32は、検知回路31によ
る検知信号が消えてから一定時間Cを経過した後一定時
間Dの間、圧電素子151 〜153 を駆動する。
【0027】圧電素子151 〜153 へ印加する電圧
は、例えば、図7(A)中にVE1 で示され、正弦波に
近似した波形を有し、波高値±15V、信号幅10msで
ある。なお、電圧VE1 に代えて、図7(B)の矩形波
形電圧VE2 や図7(C)の三角波形電圧VE3 を用い
ても同じ効果が得られる。このような電圧信号の印加に
より、圧電素子151 〜153 は、各硬球131 〜13
3 をスタイラス22の方向へ一旦近づけてから逆に遠ざ
けた後に元の位置に戻る(あるいはその逆の)伸縮変位
を与える。
【0028】これに伴い、硬球131 〜133 が前述し
た変位許容方向に変位し、各接触点における摩擦力の方
向が一定方向に揃えられ、結果として所定位置への高い
復帰精度が得られる。さらに詳細に述べれば、硬球13
1 〜133 とV溝241 〜243 との相対的な滑りを、
毎回同じ一定方向に一定の手順で起こさせると、摩擦力
とV溝間に働く力を常に一定にできるということであ
り、着座位置のばらつきをなくすことができる。
【0029】変位量がミクロ的に微小であれば、硬球1
1 〜133 とV溝241 〜243とは自由に動き得る
ので、圧電素子151 〜153 による変位を加える一定
方向がV溝241 〜243 の方向と厳密に一致している
必要はなく、微小な範囲であれば、これらの方向がかな
りずれていても摩擦力の方向を一定方向に揃えることが
可能である。
【0030】なお、第1の実施形態では、硬球とV溝と
の相対変位を行うために、3個のV溝241 〜243
対し硬球131 〜133 を変位させたが、本発明は硬球
13 1 〜133 とV溝241 〜243 を所定の方向に相
対変位させることが重要であるため、たとえば、3個の
硬球131 〜133 に対してV溝241 〜243 を変位
させても何ら差し支えない。
【0031】図8は本発明の第2の実施形態を示すもの
である。図8において、第2の実施形態は、隣接する硬
球131 〜133 の中心を結ぶ線上に収納孔411 〜4
3 を形成し、この各収納孔411 〜413 内に圧電素
子151 〜153 を予圧を加えた状態で収納配置した例
である。これは、スタイラス22の軸を中心とする放射
方向に対して、各圧電素子151 〜153 の伸縮方向が
異なっているが、それぞれの硬球131 〜133 への力
の合力が、3個の硬球131 〜133 を略放射方向に変
位させるようになっている。これによれば、図5の構成
に比べ、スタイラス22の軸から硬球131 〜133
での距離を短くできるから、プローブ径を小さくでき
る。
【0032】図9は本発明の第3の実施形態を示すもの
である。図9において、第3の実施形態は、固定部材1
1の中心に大きな6角形状の貫通孔42を形成し、この
貫通孔42内に3個の押圧子431 〜433 を介して中
空輪状の圧電素子154 を1個配置した例である。な
お、この場合には、圧電素子154 の中心中空部をスタ
イラス22が通るようになっている。これによれば、圧
電素子154 が1個で実現できるから、部品点数および
組立工数を低減できる。
【0033】図10および図11は本発明の第4の実施
形態を示すものである。これらの図において、第4の実
施形態は、固定部材11の曲げにより硬球13 1 〜13
3 を変位させる例である。構成的には、固定部材11の
中心に3個の接触周面部441 〜443 を有する貫通孔
44を形成するとともに、各接触周面部441 〜443
の両側に薄肉部451A, 451B、452A, 452B、45
3A, 45 3Bを有する逃げ溝4613, 4612, 4623を形
成し、前記3つの接触周面部44 1 〜443 の内周面に
接するように中空輪状の圧電素子154 を1個配置した
構造である。なお、3個の接触周面部441 〜44
3 は、硬球131 〜133 の間に配置されている。圧電
素子154 が伸縮すると、固定部材11にはA方向の力
が作用するから、薄肉部451A, 451B、452A, 45
2B、453A, 453Bの作用によって、硬球131 〜13
3 をスタイラス22の軸に対して略放射方向に変位させ
ることができる。これによれば、図9と同じ効果が期待
できる。
【0034】図12は本発明の第5の実施形態を示すも
のである。図12において、第5の実施形態は、駆動手
段として励磁コイルを用いた例である。これは、固定部
材11に励磁コイル47を内蔵し、この励磁コイル47
によって磁性体からなる可動部材21の中心部分を任意
の力で圧縮するようにしたものである。可動部材21の
3箇所にはV溝241 〜243 が配置され、その内側に
ヒンジ部481 〜483 が設けられている。励磁コイル
47によって可動部材21の中心部分を圧縮すると、可
動部材21の中心部分が上下に変位するから、3箇所の
V溝241 〜243 を硬球131 〜133 に対して、略
放射状に変位させることができる。これによっても、図
9の第3の実施形態と同じ効果が期待できる。
【0035】次に、本発明の第6の実施形態を図13か
ら図18に基づいて説明する。第6の実施形態は、固定
部材61にV溝241 〜243 を配置し、可動部材62
に硬球131 〜133 に配置した点で第1の実施形態と
相違する。全体構成を示す図13において、固定部材6
1は、有底円筒状のプローブのハウジング(図示せず)
の開口端部に固定されたリング状部材から構成され、こ
のリング状部材の上面には120度間隔離れて3個のブ
ロック24が配置されている。これらのブロック24の
上部にはV溝241 〜243 が形成されている。なお、
符号63は付勢力発生手段としてのコイルばねであり、
このコイルばねは、図1で示した付勢力発生用ばね7と
同じである。
【0036】可動部材62は、スタイラス22が取り付
けられた中心部から120度間隔で放射状に延びた3本
の腕部621 〜623 を有し、その各腕部621 〜62
3 の先端下面に硬球131 〜133 が配置されている。
3個の硬球131 〜133 は、それぞれV溝241 〜2
3 と一致し、固定部材61に対する可動部材62の位
置は一義的に決定される。腕部621 〜623 には、そ
れぞれ図示しない収納孔が形成され、その各収納孔内に
は変位発生機構としての圧電素子151 〜153 が予圧
を加えられた状態で埋め込まれている。各圧電素子15
1 〜153 は前記放射方向に略沿って伸縮するように配
置されている。
【0037】ここで、V溝241 〜243 の軸方向(硬
球131 〜133 とV溝241 〜243 とを相対変位さ
せる方向)は、図13では、スタイラス22の軸を中心
として略放射方向であるが、第6の実施形態では、この
方向に限定されるものではない。例えば、図14に示さ
れる通り、各V溝241 〜243 が同じ略円周方向(円
周方向に対して若干ずれた角度)に向いていてもよく、
あるいは、図15および図16に示される通り、各V溝
241 〜243 がそれぞれランダムな角度を向いている
ものでもよい。なお、図14および図15では、圧電素
子の図示を省略する。
【0038】一般に、ある物体の位置を一義的に決定す
るのは3つの並進成分と3つの回転成分であり、6個の
拘束があれば物体が一義的に決定する。従って、第6の
実施形態によれば、第1の実施形態と同じ作用効果を奏
することができる。逆に、図17(A)に示される通
り、全てのV溝241 〜243 が正確な円周方向を向い
ていたり、図17(B)に示される通り、各V溝241
〜243 が同一方向を向いていたり、図17(C)に示
される通り、1つのV溝241 が正確な円周方向を向い
ている場合には、物体を5個以下でしか拘束していない
ので、位置を一義的に決定できない。
【0039】なお、第6の実施形態では、図18に示さ
れる通り、各V溝241 〜243 をスタイラス22の軸
心に対して傾斜させ、これらのV溝241 〜243 に接
触するように硬球131 〜133 を可動部材62の腕部
621 〜623 の端部に取り付ける構造としてもよい。
これらの腕部621 〜623 には図示しない圧電素子が
設けられている。
【0040】次に、本発明の第7の実施形態を図19お
よび図20に基づいて説明する。第7の実施形態は、接
触面の構成が第6の実施形態と相違するもので、他の構
成は第6の実施形態と同じである。図19において、固
定部材71は、有底円筒状のプローブのハウジング(図
示せず)の開口端部に固定されたリング状部材から構成
され、このリング状部材の内周面にはテーパ面711
716 が六角錐状に形成されている。これらのテーパ面
711 〜716 は、その頂点がスタイラス22の軸線上
に位置する。
【0041】可動部材72は、スタイラス22が取り付
けられた中心部から60度間隔で放射状に延びた6本の
腕部721 〜726 を有し、その各腕部721 〜726
の先端側下面に硬球131 〜136 が配置されている。
6個の硬球131 〜136 は、それぞれテーパ面711
〜716 と一致し、固定部材71に対する可動部材72
の位置は一義的に決定される。腕部721 〜726
は、それぞれ図示しない収納孔が形成され、その各収納
孔内には変位発生機構としての圧電素子151 〜156
が予圧を加えられた状態で埋め込まれている。各圧電素
子151 〜156 は前記放射方向に略沿って伸縮するよ
うに配置されている。
【0042】従って、第7の実施形態によれば、第6の
実施形態と同じ作用効果を奏することができる。なお、
第7の実施形態では、図20に示される通り、固定部材
71の内周面に形成される接触面を三角錐状のテーパ面
71A,71B,71Cとしてもよい。この場合、1つ
のテーパ面71A(71B,71C)に2個の硬球13
1 ,13 2 (133 〜136 )が接触する。
【0043】次に、本発明の第8の実施形態を図21か
ら図23に基づいて説明する。第8の実施形態は可動部
材の形状ならびに圧電素子の取付構造が図20で示す第
7の実施形態と相違するもので、他の構成は第7の実施
形態と同じである。図21は第8の実施形態の要部を示
す斜視図、図22はその断面図である。これらの図にお
いて、固定部材71は、有底円筒状のプローブのハウジ
ング(図示せず)の開口端部に固定されたリング状部材
から構成され、このリング状部材の内周面には三角錐状
に接触面としてのテーパ面71A,71B,71Cが形
成されている。これらのテーパ面71A,71B,71
Cは、その頂点がスタイラス22の軸線上に位置する。
【0044】可動部材82は、3つのテーパ面82Aを
有する三角錐台状に形成され、その中心部にはスタイラ
ス22が取り付けられている。各テーパ面82Aには、
第2接触面としての硬球13がそれぞれ2個ずつ、合計
6個設けられている。1つのテーパ面71A(71B,
71C)に2個の硬球13が接触する。この硬球13の
取付構造が図23(A)に拡大して示されている。図2
3(A)において、可動部材82のテーパ面82Aには
収納孔82Bが形成され、その収納孔82Bの側面に
は、剛性を有する薄板83が2枚ずつ互いに所定間隔離
れ合計4枚対向配置され、これらの薄板83の端部には
硬球13を一部埋設したブロック84が支持固定されて
いる。
【0045】このブロック84の側面と2枚の薄板83
と収納孔82Bの側面との間に形成されたスペースには
圧電素子15が設けられている。この圧電素子15は、
ブロック84を挟んで2枚対向配置されており、一方の
圧電素子15が伸びる時は他方の圧電素子15が縮むよ
うに電気制御されている。これらの圧電素子15に電圧
を印加すると、圧電素子15は薄板83の剛性に打ち勝
って伸縮し、ブロック84を介して硬球13が変位す
る。
【0046】この構成の第8の実施形態では、第6の実
施形態と同様の作用効果を奏することができる他に、2
枚の圧電素子15で硬球13を確実に変位させることが
できる。なお、第8の実施形態では、図23(B)に示
される通り、V溝241 (24 2 ,243 )の部材24
を挟むように配置された2個の圧電素子15で変位させ
る構成としてもよい。つまり、図23(B)に示される
通り、固定部材61には収納孔61Bが形成され、その
収納孔61Bの側面には4枚の薄板83が配置され、こ
れらの薄板83の端部にはV溝241 が形成されたブロ
ック24が支持固定されている。このブロック24の側
面と2枚の薄板83と収納孔61Bの側面との間に形成
されたスペースには圧電素子15が設けられている。
【0047】次に、本発明の第9の実施形態を図24お
よび図25に基づいて説明する。第9の実施形態は固定
部材、可動部材および変位発生機構の構成が第6の実施
形態と相違するもので、他の構成は第6の実施形態と同
じである。図24および図25において、固定部材91
は、円盤状のベース92と、このベース92の周縁下部
に設けられた複数個(図では3個)のブラケット93
と、これらのブラケット93の下端部にそれぞれ設けら
れたブロック24とを備え、ベース92は図示しないハ
ウジングに取り付けられている。
【0048】ブラケット93は、その長手方向がスタイ
ラス22の軸線と同じ方向となるように配置された板部
材であり、その途中に下端部のスタイラス22の軸線と
交差する方向の変位を許容する切欠ヒンジ93Aが形成
されている。ブラケット93は切欠ヒンジ93Aより下
方に第1の側板93Bと第2の側板93Cとを備えてい
る。第1の側板93Bの先端部にはブロック24が固定
され、このブロック24に形成されたV溝241 は可動
部材62の腕部621 〜623 に設けられた硬球13を
支持している。
【0049】第2の側板93Cの先端部には押し板94
が支持され、この押し板94はベース92との間で変位
発生機構である1個のアクチュエータ95を支持固定す
る。このアクチュエータ95は3個のV溝面241を同
時に変位させるように上下方向に伸縮する圧電素子であ
る。なお、図25には付勢力発生手段97が可動部材6
2の上に配置された状態が示されている。この付勢力発
生手段97は、固定部材91に対して可動部材62を磁
気力により変位させる磁気力発生機構、あるいは、固定
部材91に対して可動部材62を流体圧で変位させる流
体圧発生機構である。
【0050】この構成の第9の実施形態によれば、第6
の実施形態と同様の作用効果を奏する他に、固定部材9
1は、ベース92と、このベース92に変位可能に設け
られそれぞれV溝面241 が形成された複数個のブラケ
ット93とを備え、変位発生機構は、ベース92とブラ
ケット93との間に配置されたアクチュエータ94であ
り、このアクチュエータ94はブラケット93に形成さ
れたV溝面241 を同時に変位させるように伸縮する構
造としたから、前記相対変位させるためのアクチュエー
タ94を1個設ければ十分となり、装置の構造が簡単と
なる。
【0051】次に、本発明の第10の実施形態を図26
から図28に基づいて説明する。図26は第10の実施
形態のタッチ信号プローブの要部を示す斜視図である。
図26において、タッチ信号プローブは、互いに接触可
能とされた可動部材100と固定部材200とを備えて
構成されている。この固定部材200は図示しないハウ
ジングに取り付けられている。可動部材100は、三角
テーブルの形状をした第1部材101と、この第1部材
101の脚部に取り付けられた第2部材102とからな
り、第2部材102の中心部に形成された貫通孔103
には図示しないスタイラスが取り付けられる。このスタ
イラスは、その先端に図示しない接触子を有する。第1
部材101の上部側面部には3個の円柱体104の一部
が埋設されており、これらの円柱体104の軸方向は、
互いにスタイラスの軸Zの回りに等しい方位角間隔を形
成する。
【0052】固定部材200は、板状部材の3箇所の端
部に側板部材201が形成されており、それぞれの側板
部材201の上端面には2個の硬球202の下半分が埋
め込まれている。固定部材200の中心部は、可動部材
100の内部空間に配置され、これらの部材100,2
00の間には固定部材200と可動部材100とを互い
に近接する方向に引張する付勢力発生機構としての引張
ばね300(図27参照)が連結されている。この引張
ばね300の引張力により、可動部材100の円柱体1
04と固定部材200の硬球202とが6箇所で接触す
る。
【0053】図27は固定部材200の上面図であり、
2つの側板部材201については、2つの円柱体104
との接触した状態が描かれ、残りの側板部材201につ
いては、その下方部分の断面が描かれている。固定部材
200の3方向に伸びた腕部分の中央には正方形状の収
納孔203がそれぞれ形成されており、この収納孔20
3の内部には圧電素子400が収納されている。固定部
材200の3個の腕部分の先端部には、収納孔203に
まで達するねじ孔204げ形成されており、このねじ孔
204に螺合するねじ401を回転調整することによ
り、収納孔203内の圧電素子400に加える予圧を加
減することができる。
【0054】この第10の実施形態によれば、第1の実
施形態と同様の作用効果を奏することができる。この効
果を確認するために、実際の装置で得られた実験結果を
図28で示す。図28はプローブの先端の接触子がプロ
ーブの軸と垂直な±300ナノメータ四方の平面を表し
ている。実験は、プローブの軸回りに等しい方位角10
度間隔で接触子に力を与え、休止位置に復帰した時の接
触子の位置を特殊な装置で測定したものである。破線円
P内の3箇所に集中した36の微小円で表される測定結
果は着座状態において変位を与えなかった時のものであ
り、破線円Q内に集中する36の微小円で表される測定
結果は着座状態において変位を与えた時のものである。
これらの結果から、第10の実施形態による復帰精度の
向上が5倍以上であることがわかる。
【0055】また、第10の実施形態では、付勢力発生
機構を、固定部材200と可動部材100との間に配置
され固定部材200と可動部材100とを互いに近接す
る方向に引張する引張ばね300を備えて構成したか
ら、固定部材200から可動部材100が離れた時に、
ばね300に座屈変形並びに捻じれ挙動が生じることが
ないから、スタイラスの着座精度が向上する。
【0056】次に、本発明の第11の実施形態を図29
に基づいて説明する。図29において、スタイラス1を
固定した略円板状の可動部材2の周囲には、3本の円柱
体3が放射状に突設されている。一方、図示しないプロ
ーブケースに設けられる固定部材(プローブケースの底
壁)には、2個が一対となった硬球8が3組、可動部材
2の円柱体3と対応する位置にそれぞれ固定されてい
る。
【0057】可動部材2の周囲にはアクチュエータ99
が配置されている。このアクチュエータ99は、固定部
材に固定された本体99Aと、可動部材2をその軸心に
向かって矢印P方向に変位させる可動片99Bとを備
え、電気的に駆動されるソレノイドタイプ、空気圧駆動
タイプ、油圧駆動タイプ等から構成されるリニアアクチ
ュエータである。可動片99Bと可動部材2は機械的に
は分離されており、可動部材2を軸心に向かって変位さ
せる時にのみ可動片99Bは可動部材2の側面に接す
る。
【0058】また、可動片99Bは可動部材2を最大変
位位置まで押した後には、可動部材2が付勢力発生手段
(図示せず)により静止位置に戻る以上の速度で、戻る
必要があるが、これは容易に実現可能である。これは、
可動部材2に作用する外乱要素をできる限り排除し、静
止位置における力の作用状態を常に一定にせんがためで
ある。なお、第10の実施形態では可動部材2全体を変
位させる構成であれば、アクチュエータはリニアタイプ
に限定されない。従って、第11の実施形態では、1個
のアクチュエータ99で可動部材2全体を変位させる構
成であるから、装置全体を簡易な構造とすることができ
る。
【0059】以上、本発明について好適な実施形態を挙
げて説明したが、本発明は、この実施形態に限られるも
のでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更が可
能である。たとえば、前記各実施形態では、放射方向へ
のすべりを圧電素子や励磁コイルを用いて生じさせる例
であったが、これに限定されるものでなく、静電力、空
圧力、油圧力などの他の駆動手段を用いてもいっこうに
差し支えない。さらに、本発明では、変位発生機構を固
定部材と可動部材の双方に設けてもよい。
【0060】
【発明の効果】本発明のタッチ信号プローブによれば、
摩擦力が存在する状態にあっても、長期にわたり高い位
置の再現性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の6点接触形着座機構を有するタッチトリ
ガプローブを示す図である。
【図2】着座機構の各要素を円柱体と硬球との組合せで
構成した例を示す図である。
【図3】着座機構の各要素を硬球とV溝との組合せで構
成した例を示す図である。
【図4】硬球とV溝との組合せにおいて相対変位が可能
な方向を説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示す分解斜視図であ
る。
【図6】同上実施形態における回路構成を示すブロック
図である。
【図7】圧電素子へ印加する電圧波形と、その駆動動作
をプロービング動作のどの点で行うかを説明するための
略図である。
【図8】本発明の第2の実施形態(3つの硬球を結ぶ線
上に圧電素子を配置した駆動手段の例)を示す斜視図で
ある。
【図9】本発明の第3の実施形態(中空輪状の圧電素子
を用いた駆動手段の例)を示す斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施形態(中空輪状の圧電素
子を用いて固定部材の曲げにより駆動させる例)を示す
斜視図である。
【図11】図10の平面図である。
【図12】本発明の第5の実施形態(励磁コイルを用い
た駆動手段の例)を示す斜視図である。
【図13】本発明の第6の実施形態を示す斜視図であ
る。
【図14】同上実施形態においてV溝の向きが異なる場
合を示す斜視図である。
【図15】同上実施形態においてV溝の向きがさらに異
なる場合を示す斜視図である。
【図16】図15の要部を示す平面図である。
【図17】同上実施形態においてV溝の向きが不適切で
ある場合を示す平面図である。
【図18】同上実施形態においてV溝の配置状態が異な
る場合を示す斜視図である。
【図19】本発明の第7の実施形態を示す斜視図であ
る。
【図20】同上実施形態の変形例を示す斜視図である。
【図21】本発明の着座機構の第8の実施形態を示す斜
視図である。
【図22】同上実施形態の断面図である。
【図23】同上実施形態の要部斜視図である。
【図24】本発明の第9の実施形態を示す斜視図であ
る。
【図25】同上実施形態の断面図である。
【図26】本発明の第10の実施形態の要部を示す斜視
図である。
【図27】同上実施形態の固定部材を示す上面図であ
る。
【図28】同上実施形態の実験結果を示す図である。
【図29】本発明の第11の実施形態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
7,63,300 付勢力発生用ばね(付勢力発生手
段) 11,61,71,91,200 固定部材 131 〜136,13,202 硬球 141 〜143 収納孔 151 〜154,15,400 圧電素子(変位発生機構) 2,21,62,72,81,100 可動部材 22 スタイラス 23 接触子 241 〜243 V溝 411 〜413 収納孔 42,44 貫通孔 47 励磁コイル(変位発生機構) 711 〜716 テーパ面 71A,71B,71C テーパ面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−69613(JP,A) 特開 昭63−263406(JP,A) 特開 昭59−92301(JP,A) 特開 平8−201009(JP,A) 特開 平8−178608(JP,A) 実開 平1−58109(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 21/00 G01B 5/20 G01B 7/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングに取り付けられた固定部材と、
    可動部材と、前記固定部材と前記可動部材とが互いに離
    隔した3箇所のそれぞれにおいて一対の接触点で接触
    し、これにより前記固定部材と前記可動部材との相対位
    置を一義的に定める機能を有する着座機構と、前記可動
    部材に設けられ先端に被測定物と接触する接触子を有す
    るスタイラスと、前記接触子に外部から力が加えられた
    とき前記固定部材に対する前記可動部材の変位を許容
    し、かつ、前記接触子に加えられる力がなくなったとき
    前記可動部材を静止位置に復帰させるための付勢力発生
    手段と、を有するタッチ信号プローブにおいて、 前記接触子へ加えられる力がなくなった後、前記着座機
    構における前記固定部材と前記可動部材の接触状態を保
    ちつつ、各接触点において前記固定部材と前記可動部材
    とを、その作動時には常に一定の方向へ所定の手順で相
    対変位させる変位発生機構を、前記可動部材および前記
    固定部材の少なくとも一方に設けることを特徴とするタ
    ッチ信号プローブ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のタッチ信号プローブにお
    いて、前記固定部材と前記可動部材との各一対の接触点
    における相対移動が特定の許容方向に許容され、前記変
    位発生機構による相対変位方向が前記許容方向と略一致
    するように構成したことを特徴とするタッチ信号プロー
    ブ。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のタッチ信号プローブにお
    いて、前記着座機構の各一対の接触点における各許容方
    向が前記スタイラスの軸を中心とする放射方向と略一致
    するように構成したことを特徴とするタッチ信号プロー
    ブ。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかに記載のタッチ
    信号プローブにおいて、前記固定部材または前記可動部
    材の前記各一対の接触点と前記スタイラスの軸との間に
    3個の収納孔が設けられ、これらの収納孔にそれぞれ収
    納され、かつ、略前記放射方向に伸縮する3個の駆動素
    子を備えて前記変位発生機構が構成されたことを特徴と
    するタッチ信号プローブ。
  5. 【請求項5】請求項1から3のいずれかに記載のタッチ
    信号プローブにおいて、前記固定部材または前記可動部
    材の3組一対の前記接触点により囲まれる範囲より内側
    に貫通孔が設けられ、この貫通孔内に収納される中空輪
    状の駆動素子を備えて前記変位発生機構が構成されたこ
    とを特徴とするタッチ信号プローブ。
  6. 【請求項6】請求項4または5に記載のタッチ信号プロ
    ーブにおいて、前記駆動素子は、圧電素子または磁歪素
    子であることを特徴とするタッチ信号プローブ。
  7. 【請求項7】請求項2から6のいずれかに記載のタッチ
    信号プローブにおいて、前記着座機構の各一対の接触点
    における各許容方向が前記スタイラスの軸を中心とする
    放射方向と略直交する方向であることを特徴とするタッ
    チ信号プローブ。
  8. 【請求項8】請求項1から7のいずれかに記載のタッチ
    信号プローブにおいて、前記付勢力発生機構は、前記固
    定部材と前記可動部材との接触点に弾性体の弾性力によ
    り押圧力を付与するように構成されたことを特徴とする
    タッチ信号プローブ。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のタッチ信号プローブにお
    いて、前記付勢力発生機構は、前記固定部材と前記可動
    部材との間に配置され前記固定部材と前記可動部材とを
    互いに近接する方向に引張する引張ばねを備えて構成さ
    れたことを特徴とするタッチ信号プローブ。
  10. 【請求項10】ハウジングに取り付けられた固定部材
    と、可動部材と、前記固定部材と前記可動部材の相対位
    置を一義的に定めることのできる互いに離隔した6箇所
    の接触点において前記固定部材と前記可動部材とを接触
    させる着座機構と、前記可動部材に設けられ先端に被測
    定物と接触する接触子を有するスタイラスと、前記接触
    子に外部から力が加えられたとき前記固定部材に対する
    前記可動部材の変位を許容し、かつ、前記接触子に加え
    られる力がなくなったとき前記可動部材を静止位置に復
    帰させるための付勢力発生手段と、を有するタッチ信号
    プローブにおいて、 前記接触子へ加えられる力がなくなった後、前記着座機
    構における前記固定部材と前記可動部材の6箇所の接触
    点における接触状態を保ちつつ、各接触点において前記
    固定部材と前記可動部材とを、その作動時には常に一定
    の方向へ所定の手順で相対変位させる変位発生機構を、
    前記可動部材および前記固定部材の少なくとも一方に設
    けることを特徴とするタッチ信号プローブ。
  11. 【請求項11】請求項10に記載のタッチ信号プローブ
    において、前記固定部材と前記可動部材との各接触点に
    おける相対移動が特定の許容方向に許容され、前記変位
    発生機構による相対変位方向が前記許容方向と略一致す
    るように構成したことを特徴とするタッチ信号プロー
    ブ。
  12. 【請求項12】請求項11に記載のタッチ信号プローブ
    において、前記着座機構の各接触点における各許容方向
    が前記スタイラスの軸を中心とする放射方向と略一致す
    るように構成したことを特徴とするタッチ信号プロー
    ブ。
  13. 【請求項13】請求項9から12のいずれかに記載のタ
    ッチ信号プローブにおいて、前記固定部材または前記可
    動部材の前記各接触点と前記スタイラスの軸との間に複
    数の収納孔が設けられ、これらの収納孔にそれぞれ収納
    され、かつ、略前記放射方向に伸縮する複数個の駆動素
    子を備えて前記変位発生機構が構成されたことを特徴と
    するタッチ信号プローブ。
  14. 【請求項14】請求項9から12のいずれかに記載のタ
    ッチ信号プローブにおいて、前記固定部材または前記可
    動部材の6個の接触点により囲まれる範囲より内側に貫
    通孔が設けられ、この貫通孔内に収納される中空輪状の
    駆動素子を備えて前記変位発生機構が構成されたことを
    特徴とするタッチ信号プローブ。
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