JP3322472B2 - 熱処理装置 - Google Patents

熱処理装置

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JP3322472B2
JP3322472B2 JP35139893A JP35139893A JP3322472B2 JP 3322472 B2 JP3322472 B2 JP 3322472B2 JP 35139893 A JP35139893 A JP 35139893A JP 35139893 A JP35139893 A JP 35139893A JP 3322472 B2 JP3322472 B2 JP 3322472B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縦型プロセスチューブ
内で被処理体を熱処理するために用いられる熱処理装置
に関する。特に、プロセスチューブ内の処理位置に向け
高速搬入された被処理体に対して面状発熱源を用いて均
一加熱する構造を備えた熱処理装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体ウェハ、LCD基板などの
製造においては、酸化、拡散、アニール、CVDなどの
処理を行なうために各種の熱処理装置が使用される。こ
れらの熱処理装置では、例えばプロセスの高精度化を達
成すること、被処理体の面内での温度分布について均一
性を向上させること、また熱処理の効率を高めることな
どが大きな技術課題となっている。
【0003】一方、近年では、上記課題に加えて、より
微細化が進んだ被処理体を熱処理する際のスループット
の向上が望まれてきている。
【0004】そこで、このようなスループットを上げる
ためには、被処理体の高速移動および高速昇降温を行な
う必要がある。いま、このようなスループットを上げる
ための構造を備えた熱処理装置を例示すると、図9に示
す装置がある。この装置では、被処理体を枚葉式にて移
送することで被処理体の処理に要する時間を短縮化して
いる。
【0005】すなわち、図9に示されている熱処理装置
10は、下端開口を有する円筒状部材で構成された高純
度透明石英製のプロセスチューブ12を備えている。こ
のプロセスチューブ12の内部には、外部からプロセス
ガスを供給するために高純度石英製の給気パイプ14が
設けられている。この給気パイプ14は、プロセスチュ
ーブ12内の上端部に開口が位置されており、その途中
が、予熱チャンバー14Aに連通されている。予熱チャ
ンバー14Aは、プロセスチューブ12内の高温雰囲気
によって加熱され、蓄熱により、給気パイプ14を通過
するプロセスガスが予熱される。
【0006】また、プロセスチューブ12の周囲には、
例えばアルミナセラミックス等で構成された断熱材16
が配置されている。この断熱材16は、その外周に配置
されているセラミックスウール成形品からなる断熱材1
7の内部に位置している。
【0007】そして、断熱材17の外周囲には、インナ
ーシェル18Aとアウタシェル18Bとで形成された水
冷ジャケット18が設けられ、熱処理装置内部と外部と
の間で熱隔離が行なわれるようになっている。
【0008】一方、プロセスチューブ12の上方には、
被処理体100の上方に相当する位置に抵抗発熱体から
なる面状発熱源20が配置されている。そして、この面
状発熱源20とプロセスチューブ12との間には均熱部
材22が配置されている。均熱部材22は、一例とし
て、汚染の少ない高純度炭化ケイ素(SiC)が用いら
れ、面状発熱源20からの輻射熱を被処理体100の表
面全域に対して均一に与えるようになっている。なお、
図9には、被処理体100の面内での温度勾配を適正な
ものとするために、表面および裏面に対向する位置にそ
れぞれ均熱部材22を配置した例が示されている。
【0009】一方、プロセスチューブ12の内部には、
図示しない駆動機構によって昇降自在の被処理体用ホル
ダー30が設けられている。この被処理体用ホルダー3
0は、図において上端に形成されている載置部に被処理
体100を載置した状態で、プロセスチューブ12内の
処理位置と被処理体100のロード・アンロード位置と
の間で高速移動することができるようになっている。
【0010】このような構造からなる熱処理装置10に
おいて、プロセスチューブ12は、面状発熱源20およ
び均熱部材22により内部が高温雰囲気下に設定される
とともに給気パイプ14からプロセスガスを供給され
る。そして、この雰囲気中の処理位置に被処理体100
が配置されると、被処理体表面へのプロセスガスの接触
により、例えば、熱CVD等の処理が実行される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高温雰囲気
下において被処理体の表面にプロセスガスを拡散させ、
これにより被処理体表面での反応を行なわせる際には、
被処理体の高速移動および高速昇降温を実行すると次の
ような問題が発生する。
【0012】つまり、その問題とは、被処理体の面内均
一性、特に面内での膜厚が不均一に生成されてしまうこ
とである。
【0013】この原因は明らかでないが、次の理由が推
考される。
【0014】すなわち、一般に、プロセスチューブ内に
配置された被処理体を加熱した場合には、被処理体の中
央部と周辺部とで温度が異なる。これは、被処理体の周
辺部において放熱するためである。そこで、高温雰囲気
下にあるプロセスチューブ内の処理位置に向け被処理体
が高速移動された場合には、図10に示すように、被処
理体の中央部で急激な温度上昇が発生する。このため、
中央部近傍に滞留しているプロセスガスには上昇気流が
発生しやすくなる。
【0015】上昇気流は、被処理体の表面近傍に存在す
るプロセスガスに対流を生じさせる結果を招く。特に、
高温となっている被処理体の中央部では、プロセスガス
の上昇が著しくなる。このため、被処理体の中央部近傍
ではプロセスガスの濃度が低下することになり、プロセ
スガスと中央部表面とが接触した場合でも、所定の成膜
厚さを得ることができなくなる。
【0016】このような成膜厚さに関して、本発明者が
実験した結果は図9に示す通りである。図11に示す結
果は次の条件の基で得られたものである。
【0017】つまり、被処理体として、6インチの半導
体ウエハを用い、プロセスチャンバー内へのプロセスガ
スの流量を[10SLM]とし、プロセスチャンバー内
の温度を[1000℃]とし、被処理体100の処理位
置への移動速度を[100mm/秒]とした。
【0018】この結果から明らかなように、中央部と周
辺部とでは、図中、符号Hで示す成膜厚さにおいて、約
5オングストローム程度のばらつきが発生していた。ち
なみに、この場合の被処理体100の中央部と周辺部と
の間での温度差は、この種、熱処理装置に用いられる熱
電対の誤差範囲であり、具体的には、面内で均一温度が
設定されていると判断できる温度誤差範囲に収る約0.
5〜1.0℃であった。
【0019】このように、被処理体の面内での温度分布
を略均一にした場合であっても、面内での成膜厚さが著
しく異なってしまうことが明らかになっている。
【0020】そこで、本発明の目的とするところは、上
記従来の熱処理装置における問題に鑑み、被処理体の高
速昇降温および高速移動を行なう場合の面内均一性、特
に、均一な成膜厚さを確保することができる熱処理装置
を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記課題を決するため
に、請求項1記載の発明は、処理位置に配置される被処
理体を加熱する熱源を装備した縦型プロセスチューブを
備えた熱処理装置において、枚葉状態で水平に支持した
被処理体を上記縦型プロセスチューブ内に搬入し、処理
位置に配置する被処理体用ホルダーと、上記縦型プロセ
スチューブ内の処理位置に向け反応ガスを供給するガス
供給手段とを有し、上記縦型プロセスチューブは、アウ
タチューブとインナーチューブとで構成され、上記ガス
供給手段は、上記チューブ間に沿ってプロセスガスを被
処理体の中心上方に導く構造を有し、かつ、上記インナ
ーチューブは、上部にプロセスガスを内部に導入する開
口部を有し、その開口部から筒状側壁に移行する肩部が
湾曲あるいは傾斜面に形成され、上記ガス供給手段は、
上記被処理体のほぼ中心に向かうプロセスガスの流速を
10mm/秒以上に設定して供給することを特徴として
いる。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】請求項記載の発明は、被処理体を搬入出
するための開口を下端に有し、処理位置に配置される被
処理体を加熱するための面状発熱源が外側上方に配置さ
れている縦型プロセスチューブを備えた熱処理装置にお
いて、枚葉状態で水平に支持した被処理体を上記プロセ
スチューブ内に搬入し、所定の処理位置に配置する被処
理体用ホルダーと、上記プロセスチューブ内の処理位置
に向け反応ガスを供給するガス供給手段とを有し、上記
プロセスチューブ内で、上記プロセスガスの導入側の位
置には、均熱部材若しくは輻射熱透過可能な部材で形成
されていて、上記被処理体に近接して少なくとも上記被
処理体の中央部を覆い得る大きさをもつ整流部材が配置
されていることを特徴としている。
【0026】
【作用】本発明では、被処理体のほぼ中心に向けて供給
されるプロセスガスの流速が10mm/秒以上に設定さ
れている。このため、特に、高速昇降温を設定される被
処理体の中央部では、プロセスガスの噴流によって上昇
気流の発生が抑制されるので、プロセスガスの対流が発
生しないようにされる。したがって、被処理体の中央部
と接触するガスの濃度は低下しない。これにより、被処
理体の中央部での成膜厚さは減少することがない。特
に、このようなプロセスガスの流速は、イプロセスガス
がインジェクタによって被処理体のほぼ中心部に向け誘
導されることで確保することができる。
【0027】一方、被処理体のほぼ中心に向けてプロセ
スガスを供給する場合には、被処理体の上方に位置する
面状発熱源が問題になる。つまり、被処理体は、面状発
熱源による直接加熱によって面内の温度を均一化される
ようになっている。このため、面状発熱源の中央部にプ
ロセスガスの供給パイプ等を貫通させることは、被処理
体の面内での温度分布が均一化できなくなる虞れがあ
る。
【0028】そこで、本発明では、インジェクタを用い
たガス供給構造やインジェクタの配置構造、さらには、
プロセスチューブを構成するインナーチューブとアウタ
チューブとによるガスの供給路の構造によって、面状発
熱源の構成を変更することなく、プロセスガスを被処理
体の中心に向けたガスの供給を可能にしている。
【0029】また、プロセスチューブ内で被処理体の中
央に向け供給されるプロセスガスは、被処理体の中心に
発生している対流を打消すことが必要である。しかし、
やみくもにプロセスチューブ内にガスを導入しただけで
は、導入時に渦流や乱流が発生してしまい、結果として
対流を打消すことができない場合もある。
【0030】そこで、本発明では、プロセスガスが導入
されるチューブの肩部の形状を特定することで、プロセ
スガスが軸対称で層流状態に維持されて被処理体の中心
に向け供給される。換言すれば、チューブ内に導入され
たプロセスガスは、渦流や乱流が発生することなく、設
定された流速に維持される。また、このようなガスの流
れに対して被処理体が面状発熱源によって均一加熱され
るので、被処理体の面内均一性がさらに改善されること
になる。
【0031】さらに、本発明では、被処理体の近傍で発
生するガスの対流を起こす上昇気流そのものを消去する
ようになっている。つまり、プロセスガスと接触する被
処理体の面に対向する位置には、整流部材が接近させて
配置してある。特に、この整流部材は、少なくとも被処
理体の中央を覆うことができる大きさをもつ均熱部材あ
るいは輻射熱透過可能な部材で構成されている。このた
め、被処理体の中央では上昇気流の発生が緩和される。
しかも、被処理体は、整流部材によって面内での温度分
布が所定条件に設定されることにもなる。
【0032】
【実施例】以下、図1乃至図8に示す実施例によって本
発明の詳細を説明する。
【0033】図1は、本発明による熱処理装置の要部を
示す図9相当の断面図である。なお、図1において、図
9に示した部材と同じ構成部品については同符号により
示してある。
【0034】図1に示した実施例では、プロセスガス供
給用のインジェクタとして設けた給気パイプ14による
プロセスガスの供給方式に特徴がある。すなわち、給気
パイプ14は、プロセスチューブ12の内部で複数に分
岐され、分岐されたそれぞれが被処理体100の中央部
上方に向け延長されている。そして、その端末に形成さ
れた開口が、被処理体100の表面、特に、ほぼ中心部
に対して垂直に方向付けされている。
【0035】このような給気パイプ14は、プロセスチ
ューブ内部で複数に分岐されており、分岐されたそれぞ
れの開口が、プロセスチューブ12の中心を基準として
対称位置に配置されることが望ましい。これによって、
被処理体100の表面を覆う給気パイプ14の範囲が一
律になる。このため、被処理体100を回転させれば、
面状発熱源20からの直接加熱を阻害することなく均一
加熱を促進することができる。
【0036】そして、この給気パイプ14から供給され
るプロセスガスは、プロセスチューブ12内に位置する
被処理体100のほぼ中心に向う流速を10mm/秒以
上に設定されている。この流速は、給気パイプ14から
吐出されて被処理体100の中心部表面に達するガスの
速度をいう。
【0037】そして、この流速(V)は、次の式で求め
られる。
【0038】V=Q/S・(T1/T2) 但し、Q:被処理体100に対して垂直に供給されるプ
ロセスガスの量、S:プロセスガスの供給部断面積、T
1:処理温度、T2:供給前のガス温度(T1/T2:
ガスの膨張率)により決定される。
【0039】この流速は、被処理体100の中央部にお
いて発生する上昇気流を打消すための要素であり、供給
されるプロセスガスの量によって設定される。
【0040】本実施例は以上のような構成であるから、
プロセスチューブ12の処理位置に配置されている被処
理体100のほぼ中心部に向けて、給気パイプ14の開
口からプロセスガスが供給される。そして、プロセスガ
スは、給気パイプ14によって、被処理体100のほぼ
中心部に向け供給される際の流速が10mm/秒に設定
される。これにより、給気パイプ14から供給されるプ
ロセスガスは、被処理体100の中心部で発生している
上昇気流を打消しながら進行し、被処理体100の中心
部表面に達する。
【0041】ここで、本実施例による熱処理装置によっ
て得られる被処理体100の面内均一性、特に成膜厚さ
に関して本発明者が計測したところ、図5に示す結果を
得た。
【0042】図5に示した結果は、Q=20SLM、S
=125.6 (cm2 )(供給部の内径=40cm)、T1
=1000℃(絶対温度=1273°F)、T2 =20
℃(絶対温度=293°F)とした場合の結果である。
この各条件からプロセスガスの流速を概算すると、流速
(V)は、約10.6mm/sとなる。
【0043】図5に示す結果から、本実施例による熱処
理装置では、中心部および周辺部を含む面内において成
膜厚さの差が殆どないに等しい、約1〜2オングストロ
ーク程度となり、面内での成膜厚さが均一化されたとい
える状態の被処理体100が得られた。特に、中心部と
周辺部とでは、成膜厚さに関する差が殆どない状態が得
られた。この結果が得られる理由は、被処理体100の
中心部で発生する上昇気流が、被処理体100の表面の
中心に向け垂直に供給されるプロセスガスによって打消
されることにあると推考できる。
【0044】また、本発明者は、上記流速に関し、さら
に別の場合についても被処理体面内での成膜厚さを計測
し、図6に示す結果を得た。
【0045】図6に示す結果は、プロセスガスの供給量
を24SLMとし、以下、断面積(S)、処理温度(T
1 )、供給前のガス温度(T2 )を、図5に示した結果
と同じ条件とした場合の結果である。したがって、この
場合の流速(V)は、約12.7mm/sとなる。
【0046】図5と図6とに示した結果の違いは、流速
を増大させた場合の方が、中心部及び周辺部を含めた面
内での成膜厚さのばらつきが少ない点にある。つまり、
図5に示した結果における面内での成膜厚さのばらつき
量に相当する1〜2オングストロームよりも少なくする
ことができる。これは、流速を増大させた方が被処理体
100の面内での上昇気流を抑止する効果が大きく、プ
ロセスガスの対流をより効果的に防止することができる
ためと考えられる。
【0047】したがって、被処理体100の中心部で
は、上昇気流の発生が抑制されることによってプロセス
ガスの対流が防止されるので、表面に接触するプロセス
ガスの濃度が低下しない。このため、被処理体100の
表面に接触するプロセスガス中の成分量が確保されるこ
とになり、これによって、面内での成膜厚さを低減させ
ることがない。
【0048】このような実施例によれば、インジェクタ
を構成する給気パイプ14によってプロセスガスの流速
を設定することができるので、被処理体100のほぼ中
心部に向け正確な流速を確保することができる。換言す
れば、補処理体100の周辺でプロセスガスが滞るよう
な事態が防止されるので、被処理体100の中心部での
上昇気流の発生を確実に阻止することができる。しか
も、給気パイプ14は、プロセスチューブの中心を基準
として対称位置に配置されているので、面状発熱源14
に対する給気パイプ14の位置が常に同じ関係とされ
る。このため、被処理体100を回転させるだけで、面
状発熱源14からの被処理体100に対する直接加熱を
阻害しないで面内での温度分布を一様化することができ
る。
【0049】ところで、上記実施例において、給気パイ
プ14は、その開口が被処理体100の上方で表面に対
して垂直に方向付けされているが、要は、被処理体10
0の表面に対して上記流速を以てプロセスガスが垂直に
供給されること、および被処理体100の中心部にプロ
セスガスが導入されることを満足すれば、上記実施例の
構造に限らない。
【0050】図2は、給気パイプ14からの被処理体1
00へのプロセスガスの導入構造に関する変形例を示し
ている。すなわち、給気パイプ14は、プロセスチュー
ブ12の内部で下方から上方に向けプロセスガスを導く
ことができる状態に配置され、開口がプロセスチューブ
12の上端に向けられている。
【0051】一方、プロセスチューブ12の上壁におけ
る中心部には、被処理体100の表面中心部に向け突と
されたガイド部12Aが設けられている。このガイド部
12Aは、プロセスガスに乱流を生じさせないようにす
ることができる曲率を設定されている。
【0052】この構造では、給気パイプ14から吐出さ
れたプロセスガスがプロセスチューブ12の上壁内面を
伝わってガイド部12Aに達すると、流動方向が切り換
えられて被処理体100の中心部に対し垂直な方向に案
内される。当然のことではあるが、この場合のプロセス
ガスの流速は、10mm/s以上に設定されている。し
たがって、被処理体100の中心部にプロセスガスが導
入されるので、その部分に発生する上昇気流が打消され
ることになる。
【0053】次に、図3において本発明の別実施例を説
明する。
【0054】図3に示した実施例は、被処理体100に
向け導入されるプロセスガスの流速を変化させないため
の構造をプロセスチューブ側に備えたことを特徴として
いる。
【0055】すなわち、本実施例に用いられるプロセス
チューブは、図2に示した構造と同じ構造のアウタチュ
ーブ(便宜上、符号120とする)と、このチューブ1
2の内部に配置されているインナーチューブ40とで構
成されている。そして、インナーチューブ40は、アウ
タチューブ120と同様に、高純度石英が用いられてい
る。
【0056】インナーチューブ40の上端には、開口4
0Aが形成されている。この開口40Aは、アウタチュ
ーブ120の上面中央部に設けられたガイド部120A
に対向している。また、インナーチューブ40の下端
は、アウタチューブ120の排気口19よりも上方で開
口している。
【0057】このような構造のプロセスチューブに対す
るプロセスガスの供給には、アウタチューブ120とイ
ンナーチューブ40との間で面状発熱源20からの直接
加熱を阻害しない位置に開口を配置されている給気パイ
プ14が用いられる。このため、両チューブ間に供給さ
れたプロセスガスは、給気パイプ14からインナーチュ
ーブ40の開口40Aから内部に導入されるようになっ
ている。
【0058】一方、インナーチューブ40において、開
口40Aから側壁に移行する肩部40Bは、湾曲面ある
いは傾斜面に形成されている。肩部40Bは、その形状
により、開口40Aから導入されるプロセスガスの流路
形状を急激に拡大変化させないようになっている。
【0059】本実施例は以上のような構成であるから、
給気パイプ14から供給されたプロセスガスは、プロセ
スチューブ12のガイド部12Aによってインナーチュ
ーブ40の開口部40Aに向け案内される。この場合に
インナーチューブ40の開口40Aに向け案内されるプ
ロセスガスは、開口40Aから導入されて被処理体10
0に供給されるときの流速が10mm/秒以上に設定さ
れていること勿論である。
【0060】そして、インナーチューブ40の内部に導
入されたプロセスガスは、肩部40Bの形状によって整
流される。したがって、プロセスガスは、肩部40Bを
伝って流動することにより、急激な流路形状の拡大変化
に遭遇することなく徐々に流動方向が拡大される。これ
により、プロセスガスは、流路形状が急激に拡大した場
合に起こりがちな断面変形部での渦流や乱流を生じるこ
ともなく被処理体100の中心部に向け進行することが
できる。したがって、被処理体100の中心部で発生す
る上昇気流が、渦流や乱流による速度変化を起こしてい
ないプロセスガスによって打消されるので、被処理体1
00の中心部付近では、対流の発生が防止される。ま
た、インナーチューブ40内に導入されたプロセスガス
は、下端開口からプロセスチューブ12に設けられた排
気口19を介して外部に排出される。
【0061】このような実施例によれば、プロセスガス
が、給気パイプ14によってアウタチューブ120とイ
ンナーチューブ40との間を流れる際の流速が確保され
る。しかも、この流速を確保されてインナーチューブ4
0内に導入されるプロセスガスは、インナーチューブ4
0の肩部40Bの形状構造により、軸対称に流れ、渦流
や乱流を生じることがない。したがって、被処理体10
0の中心部に向け整流されたプロセスガスは、上記流速
を維持されることにより、被処理体100の中心部に発
生する上昇気流を確実に阻止することができる。
【0062】また、本実施例によれば、アウタチューブ
120とインナーチューブ40との間に位置する開口を
有する給気パイプ14は、面状発熱源20から被処理体
100に対する直接加熱を阻害しないので、被処理体1
00の面内での温度分布を均一化することができる。
【0063】次に本発明の別実施例について図4により
説明する。
【0064】図4に示した実施例は、被処理体100の
近傍で発生する上昇気流を直接抑えることができる構造
を備えたこと特徴としている。
【0065】すなわち、本実施例に用いられるプロセス
チューブは、図3に示した構造と同じ構造である。一
方、プロセスチューブ12の内部には、図3に示した実
施例と同様にインナーチューブ40が配置されている。
そして、インナーチューブ40の内部には、被処理体1
00に対するプロセスガスの導入側である被処理体10
0の上方に、整流部材50が配置されている。この整流
部材50は、高純度石英によって形成された平板部材で
あり、被処理体100との間で20mm以下、好ましく
は10mm以下の間隔(図4中、符号Lで示す間隔)に
相当する位置に配置されている。また、整流部材50
は、被処理体100の中心部を覆うことができる大きさ
に形成されている。したがって、整流部材50は、被処
理体100の中心部から発生する上昇気流を規制するこ
とができる。
【0066】本実施例は以上のような構成であるから、
インナーチューブ40の開口から導入されるプロセスガ
スは、被処理体100の中心部で発生している上昇気流
の影響を受けない。つまり、被処理体100の中心部で
発生している上昇気流は、整流部材50によって上昇を
遮られるので、導入されるプロセスガスの流れを乱すこ
とがない。
【0067】一方、被処理体100の中心部では、透明
体からなる整流部材50が配置されているだけであるの
で、面状発熱源20による被処理体100の直接加熱を
阻害することがない。したがって、この部分での温度が
周辺部に比べて高くなっていることを利用して、プロセ
スガスの供給律速ではなく反応律速を主な反応要因とし
て整流部材50の裏面に回り込んだプロセスガスによる
成膜が行なわれる。
【0068】本実施例によれば、整流部材50が、被処
理体100の中心部に対向していても、透明部材である
ので、面状発熱源20からの直接加熱を阻害することが
ない。したがって、被処理体100の面内での温度勾配
を悪化させることがない。しかも、整流部材50によっ
て被処理体100の上面で発生する上昇気流を抑止する
ことができるので、インナーチューブの内部に導入され
るプロセスガスの流れに拘らず、被処理体100の中心
部で発生する対流を防止することができる。このため、
インナーチューブ40の形状として、プロセスガスの対
流を防止するための形状設定が必要ないので、インナー
チューブの構造を簡単な形状とすることができる。
【0069】なお、上記した整流部材50は、面状発熱
源20からの直接加熱を阻害しないものであればよいの
で、例えば、透明石英に代えて、焼結によって内部が多
孔質に構成されている炭化ケイ素(SiC)等の均熱部
材を用いることも可能である。このような材質を用いる
と、整流部材50の内部で僅かながらではあるが、プロ
セスガスを通過させることができる。このため、被処理
体100の面内に直接対応する範囲では、単にプロセス
ガスを遮断するのでなく、整流されたプロセスガスを供
給することができる。したがって、被処理体100の面
内でのプロセスガスとの接触状態を均等化することがで
きる。
【0070】なお、整流部材50は、少なくとも被処理
体100の中心部を覆い得る大きさをもつものであるの
で、たとえば、被処理体100の面内全域を覆うことの
できる大きさを設定することも可能である。
【0071】ところで、このような整流部材50に加え
て、熱処理部内での対流を防止する構造を採用すること
も可能である。
【0072】つまり、この場合の構造の一例としては、
図7に示すように、被処理体100の周辺近傍に対向す
る遮蔽部材60が被処理体用ホルダー30の移動方向に
沿って複数配列した構造がある。この構造では、処理位
置に配置された被処理体100の上面と一致する水平線
上およびその下面にそれぞれ遮蔽部材60が配置されて
いる。
【0073】また、図8に示した構造は、上記遮蔽部材
60が、図7に示した場合と同様に、処理位置に配置さ
れた被処理体100に対応して配置されている構造に加
えて、被処理体100が、処理位置に移動する途中の位
置で、被処理体100の裏側にも複数の遮蔽部材60A
が配置されている。
【0074】このような遮蔽部材60、60Aは、熱処
理部内でプロセスガスを密封するとともに被処理体10
0が移動する際の気流の発生を防止する。つまり、被処
理体100が移動するときには、これに接近している給
気パイプ14との間に気体の巻き込みが発生して気流が
生じやすくなる。このため、被処理体100の周辺部で
の放熱が促進されるばかりでなく、熱処理部内のプロセ
スガス、特に、被処理体100の中心に向け流れようと
するプロセスガスに乱流が発生しやすくなる。そこで、
上記した遮蔽部材60、60Aを配置することにより、
被処理体100が移動するときは勿論、処理位置に配置
された場合でも、気流の影響を被処理体100の表面に
及ぼさないようにすることができる。つまり、被処理体
の中心部で発生しがちな上昇気流が、プロセスガスの噴
流によって打消されるので、被処理体の中心部で発生す
るプロセスガスの対流を防止することができる。このた
め、被処理体中心部でのプロセスガスの濃度を低下させ
ることがないので、被処理体の中心部での成膜厚さを減
少させることがない。しかも、上昇気流を打ち消すため
に導入されるプロセスガスは、インジェクタによって所
定流速を確保されるので、確実に対流を防止することが
できる。
【0075】また、本発明の実施例によれば、上記流速
が設定されたプロセスガスを被処理体の中心部に向ける
場合、被処理体を加熱するために向けてある面状発熱源
の構造を変更することがない。しかも、面状発熱源によ
る被処理体の直接加熱を阻害しないようにインジェクタ
の配置を構成しているので、被処理体の面内での温度分
布を変化させることがない。
【0076】また本発明の実施例によれば、プロセスチ
ューブを二層構造とし、そのチューブ間にプロセスガス
を通過させて供給する場合に場合においても、インナー
チューブの肩部の形状により、インジェクタから供給さ
れるプロセスガスの流速を変化させないようにすること
ができる。しかも、このインジェクタが面状発熱源から
の直接加熱を阻害しない構成とされているので、被処理
体からの上昇気流を阻止するとともに、被処理体の面内
温度分布を変化させることがない。
【0077】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、同じ面内
温度分布を設定した状況下で、面内均一性、特に、成膜
厚さを均一化することができる。
【0078】さらに、本発明によれば、整流部材を設け
ることにより、被処理体から発生しようとする上昇気流
を直接防止することが可能になる。
【0079】しかも、整流部材を均熱部材あるいは輻射
熱透過可能な部材とした場合には、面状発熱源からの直
接加熱を阻害することがないので、被処理体の面内での
温度分布を均一化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる熱処理装置の一実施例を説明す
るための熱処理装置の要部構成を示す局部的な断面図で
ある。
【図2】図1に示した熱処理装置に用いられるプロセス
チューブの構造の変形例を示す局部的な断面図である。
【図3】本発明にかかる熱処理装置の他の実施例を説明
するための熱処理装置の局部的な断面図である。
【図4】本発明にかかる熱処理装置の別実施例を説明す
るための熱処理装置の局部的な断面図である。
【図5】図1に示した実施例による熱処理装置によって
得られる被処理体の面内特性について説明するための線
図である。
【図6】図1に示した実施例による熱処理装置によって
得られる被処理体の面内特性に関し、プロセスガスの流
速を変更した場合の面内特性について説明するための線
図である。
【図7】本発明にかかる熱処理装置に用いられる対流防
止構造の変形例を説明するための模式図である。
【図8】本発明にかかる熱処理装置に用いられる対流防
止構造のさらに変形例を説明すうための模式図である。
【図9】熱処理装置の一例を説明するための局部的な断
面図である。
【図10】図7に示した熱処理装置における問題点を説
明するための模式図である。
【図11】図7に示した熱処理装置によって得られる被
処理体の面内特性を説明するための線図である。
【符号の簡単な説明】
10 熱処理位置 12 プロセスチューブ 12A ガイド部 14 ガス供給手段をなす給気パイプ 14A 予熱部 30 被処理体用ホルダー 40 インナーチューブ 40A 開口部 40B 肩部 50 整流部材 100 被処理体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 H01L 21/22 511

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理位置に配置される被処理体を加熱す
    る熱源を装備した縦型プロセスチューブを備えた熱処理
    装置において、 枚葉状態で水平に支持した被処理体を上記縦型プロセス
    チューブ内に搬入し、処理位置に配置する被処理体用ホ
    ルダーと、 上記縦型プロセスチューブ内の処理位置に向け反応ガス
    を供給するガス供給手段とを有し、上記縦型プロセスチューブは、アウタチューブとインナ
    ーチューブとで構成され、 上記ガス供給手段は、上記チューブ間に沿ってプロセス
    ガスを被処理体の中心上方に導く構造を有し、かつ、上
    記インナーチューブは、上部にプロセスガスを内部に導
    入する開口部を有し、その開口部から筒状側壁に移行す
    る肩部が湾曲あるいは傾斜面に形成され、 上記ガス供給手段は、上記被処理体のほぼ中心に向かう
    プロセスガスの流速を10mm/秒以上に設定して供給
    することを特徴とする熱処理装置。
  2. 【請求項2】 被処理体を搬入出するための開口を下端
    に有し、処理位置に配置される被処理体を加熱するため
    の面状発熱源が外側上方に配置されている縦型プロセス
    チューブを備えた熱処理装置において、 枚葉状態で水平に支持した被処理体を上記プロセスチュ
    ーブ内に搬入し、所定の処理位置に配置する被処理体用
    ホルダーと、 上記プロセスチューブ内の処理位置に向け反応ガスを供
    給するガス供給手段とを有し、 上記プロセスチューブ内で、上記プロセスガスの導入側
    の位置には、均熱部材若しくは輻射熱透過可能な部材で
    形成されていて、上記被処理体に近接して少なくとも上
    記被処理体の中央部を覆い得る大きさをもつ整流部材が
    配置されていることを特徴とする熱処理装置。
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