JP3322211B2 - 複合金めっき皮膜及びその製造方法、並びに該複合金めっき皮膜を有する電気接点 - Google Patents

複合金めっき皮膜及びその製造方法、並びに該複合金めっき皮膜を有する電気接点

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JP3322211B2
JP3322211B2 JP14407598A JP14407598A JP3322211B2 JP 3322211 B2 JP3322211 B2 JP 3322211B2 JP 14407598 A JP14407598 A JP 14407598A JP 14407598 A JP14407598 A JP 14407598A JP 3322211 B2 JP3322211 B2 JP 3322211B2
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晃宏 湯川
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有限会社プロトニクス研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合金めっき処理技
術に属し、例えば、電気接点表面のめっき処理等に特に
適した複合金めっき処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】コネクタ、プリント回路基板、機器スリ
ップリング、スイッチ、バッテリその他の電流輸送デバ
イスには、電子機器の接続若しくは断続を可能にする電
気接点が用いられている。これら電気接点の接触面に
は、安定した接続若しくは断続を維持するための各種表
面処理がなされており、通常、接触電気抵抗が低く且つ
耐摩耗性に優れた貴金属めっきが用いられる。そして、
特に信頼性が要求される電気接点には、前記貴金属めっ
きの中でも汚染により酸化被膜等が生成する心配の少な
い金めっきが用いられる。
【0003】このように前記接触面を金めっき処理する
場合は、まず素地金属をニッケルめっき処理又はコバル
トめっき処理することで下地層を作成し、その上から金
めっき処理することが一般的である。これら下地層は、
金めっきの密着性を向上させるとともに該金めっきに孔
が生じた場合にも素地金属の腐食を防止し、更にはその
高い硬度により金めっきの耐摩耗性を向上させる。
【0004】また、前記金めっき処理としては、近年、
無電解金めっき法が多く用いられている。該無電解金め
っき法は電流を使用しないため素地表面上の電流密度分
布を考慮する必要がなく、めっき浴を管理するだけで均
一な厚みで均質な金めっき皮膜が得られるといった特徴
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
如き優れた金めっき処理を施した電気接点も、水分、そ
の他の汚れが付着する可能性が高い環境下で使用される
場合には容易に電気瞬断等の接触不良が生じていた。
【0006】本発明はかかる現況に鑑みてなされたもの
で、汚れが付着し難く付着しても容易に除去できるとと
もに金本来の低い接触電気抵抗及び優れた耐摩耗性を維
持できる電気接点の金めっき処理技術を提供せんとする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は前述の課題を
解決するにあたり鋭意検討を進めた結果、ニッケルめっ
きに対して既に実績のあるフッ素系高分子化合物を金と
複合させることで金めっき皮膜表面上に撥水性をもたせ
ることができ、更に、最終的に熱処理を施すことによっ
て140度の水の接触角と1.0Ω以下の接触電気抵抗
を同時に実現にできるとの予測に基づき、本発明を完成
するに至った。
【0008】すなわち本発明は、金又はフッ素系高分子
化合物との付着性が向上する下地層を上面に設けた素材
にめっき処理を施して金並びにフッ素系高分子化合物を
共析させた複合金めっき皮膜であって、前記下地層を、
無電解めっき処理によりニッケル並びにフッ素系高分子
化合物が共析した複合ニッケルめっき層とし、220〜
360℃の熱処理を施したことを特徴とする複合金めっ
き皮膜を提供する。ここに、前記熱処理温度は使用する
フッ素系高分子化合物の溶融温度に密接に関連付けられ
たものであり、例えば該フッ素系高分子化合物としてP
TFEを用いた場合には330〜360℃が好ましい範
囲となる。
【0009】このような複合金めっき皮膜にあっては、
前記熱処理によりフッ素系高分子化合物が溶融し表面上
で網目状に結合することで、該表面上に十分な撥水性及
び低摩擦性をもたらし、水分等の汚れが付着することを
未然に防止するとともに万一汚れが付着したとしても容
易に剥離させる。また、前記下地層内のフッ素系高分子
化合物がその表面移行性によって複合金めっき皮膜に拡
散移行し、結果として該複合金めっき皮膜の撥水性を増
大させる。そして前記下地層のニッケルが前記複合金め
っき皮膜の密着性を向上させるとともに、熱処理によっ
て前記複合ニッケルめっき層の硬度が増大することで前
記複合金めっき皮膜の機械的強度が増大し耐久性が向上
する。
【0010】また本発明は、金又はフッ素系高分子化合
物との付着性が向上する下地層を上面に設けた素材にめ
っき処理を施して金並びにフッ素系高分子化合物を共析
させた複合金めっき皮膜であって、前記下地層を置換金
めっき処理してなる第1金系めっき層と、該第1金系め
っき層表面をめっき処理して金とフッ素系高分子化合物
を共析させた第2金系めっき層とからなり、220〜3
60℃の熱処理を施したことを特徴とする複合金めっき
皮膜をも提供する。ここに、前記金との付着性が向上す
る下地層とは通常金めっきの下地処理として用いられる
ニッケルストライク等の前処理以外に、例えば素材表面
をスパッタリングやエッチングしてなる表面層をも含む
ものである。
【0011】このような複合金めっき皮膜にあっては、
上記と同様、前記熱処理によりフッ素系高分子化合物が
溶融し表面上で網目状に結合することで、該表面上に十
分な撥水性及び低摩擦性をもたらし、水分等の汚れが付
着することを未然に防止するとともに万一汚れが付着し
たとしても容易に剥離させる。また、前記置換金めっき
処理とは、めっき浴中に浸漬したイオン化傾向の大きい
金属が溶出する際に遊離する電子によって浴中の金イオ
ンを還元析出させる成膜技術であって、金によって下地
層が完全に被覆された時点で反応が停止する。したがっ
て、前記置換金めっき処理のみでは厚い皮膜を得ること
ができないが、本発明の場合には該第1金系めっき層の
上に第2金系めっき層を形成しているので、複合金めっ
き皮膜全体の厚みが調整され、下地層の露出度を減少さ
せている。
【0012】ここで、前記下地層がニッケル並びにフッ
素系高分子化合物を共析してなる複合ニッケルめっき層
である場合には、該下地層を置換金めっき処理した前記
第1金系めっき層には該下地層のフッ素系高分子化合物
が析出することとなり、結果的に前記複合金めっき皮膜
の表面上に析出するフッ素系高分子化合物の量が増大し
て撥水性が向上する。
【0013】以上の複合金めっき皮膜は、水の接触角に
して100〜140度の撥水性を有していることが好ま
しい。ここに、水の接触角は、図3に示す如く、複合金
めっき皮膜21の表面21eにおける水滴22の接線2
2fが前記表面21eとの間でなす角αで定義され、該
接触角αが100度より小さいと表面上に汚れ等が付着
しやすく付着した汚れは容易に落とすことができない。
この水の接触角が大きいほど撥水性に優れていることに
なるが、該撥水性は複合金めっき皮膜表面及びその近傍
に位置する絶縁性のフッ素系高分子化合物によるもので
あり、本発明においては100〜140度が好ましい範
囲である。
【0014】本発明は、これら複合金めっき皮膜を製造
する方法として、素材表面上の不純物を除去する洗浄工
程と、前記洗浄した素材に無電解めっき処理を施してニ
ッケル並びにフッ素系高分子化合物を共析させた複合ニ
ッケルめっき層からなる下地層を形成する下地処理工程
と、前記下地処理した素材にめっき処理を施して金並び
にフッ素系高分子化合物を共析させた複合金めっき皮膜
を形成する複合金めっき処理工程と、前記複合金めっき
皮膜を220〜360℃で熱処理する熱処理工程とから
なる製造方法を提供する。ここに、前記洗浄工程は、通
常の金めっき処理で行われる脱脂、酸洗い、水洗い等を
必要に応じて行うものであり、また、前記洗浄工程以外
の各工程間でも必要に応じて水洗い等簡単な洗浄を行
う。
【0015】このような製造方法にあっては、表面に十
分な撥水性及び低摩擦性を有する複合金めっき皮膜が実
現できる。下地処理工程により形成された前記下地層と
しての複合ニッケルめっき層には十分量のフッ素系高分
子化合物が共析しており、該フッ素系高分子化合物は前
記複合ニッケルめっき層上に形成される複合金めっき皮
膜内に拡散浸透してその表面に十分な撥水性を齎す。ま
た該複合ニッケルめっき層は前記熱処理により極度に硬
化するため、該複合ニッケルめっき層上に形成される複
合金めっき皮膜の機械的強度が増大する。そしてニッケ
ルは金との密着性に優れており、前記複合金めっき皮膜
の剥離を未然に防止する。
【0016】また、本発明は、素材表面上の不純物を除
去する洗浄工程と、前記洗浄した素材に表面処理を施し
て金又はフッ素系高分子化合物の付着性が向上する下地
層を形成する下地処理工程と、前記下地処理した素材に
置換金めっき処理を施して金を析出させた第1金系めっ
き層を形成する置換金めっき処理ステップと、前記第1
金系めっき層表面にめっき処理を施して金並びにフッ素
系高分子化合物を共析させた第2金系めっき層を形成す
る複合金めっき処理ステップとからなる複合金めっき処
理工程と、前記複合金めっき皮膜を220〜360℃で
熱処理する熱処理工程とからなる複合金めっき皮膜の製
造方法をも提供する。ここに、前記下地処理工程は前述
の複合金めっき皮膜の場合と同様、ニッケルストライク
等の通常行われる前処理以外に、例えば素材表面をスパ
ッタリングやエッチングすることも含まれる。
【0017】このような製造方法にあっては、上記と同
様、表面に十分な撥水性及び低摩擦性を有する複合金め
っき皮膜が実現できるとともに、このような複合金めっ
き処理工程により形成された複合金めっき皮膜は下地層
の金属を金に置き換えた前記第1金系めっき層が該下地
層と強固に密着しており、さらに該第1金系めっき層上
に形成される第2金系めっき層も金の上に成膜すること
となるため、全体として密着性が向上する。また前記第
1金系めっき層は下地層を完全に被覆した時点で成膜を
終了するので厚い層を得ることができないが、前記第2
金系めっき層により複合金めっき皮膜全体の厚みが調整
され、下地層の露出度を減少させている。
【0018】ここで、前記下地層がニッケル並びにフッ
素系高分子化合物を共析してなる複合ニッケルめっき層
である場合には、該下地層を置換金めっき処理した前記
第1金系めっき層には該下地層のフッ素系高分子化合物
が析出することとなり、結果的に複合金めっき皮膜の表
面に析出するフッ素系高分子化合物の量が増大して撥水
性が向上する。
【0019】以上の製造方法によると、複合金めっき皮
膜の表面に水の接触角にして100〜140度の撥水性
が得られる。
【0020】そして、以上にしてなる複合金めっき皮膜
を電気接点の表面皮膜として用いた場合には、該電気接
点の表面上には金本来の低い接触電気抵抗に加えて優れ
た撥水性、耐摩耗性及び耐食性が齎される。具体的に
は、水の接触角にして100〜140度の撥水性が実現
され、汚れ等が付着しやすい環境下において微弱な電流
を扱う場合にも、電気瞬断を未然に防止し安定した通電
性を確保できる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に本発明の詳細を図示した実施
例に基づき説明する。図1に示す如く、複合金めっき皮
膜1は金又はフッ素系高分子化合物との付着性が向上す
る下地層3を上面に設けた電気接点2にめっき処理を施
して、金6a並びにフッ素系高分子化合物微粒子6cを
共析して形成され、本実施例における前記下地層3は、
ニッケルめっき液中にフッ素系高分子化合物微粒子を界
面活性剤で分散させためっき液を用いて電気接点2表面
に無電解めっき処理を施しニッケル4bとフッ素系高分
子化合物微粒子4cを共析させて形成した複合ニッケル
めっき層4であり、前記複合金めっき皮膜1は、該複合
ニッケルめっき層4を置換金めっき処理してなる第1金
系めっき層5と、金めっき液中にフッ素系高分子化合物
微粒子を界面活性剤で分散させためっき液を用いて前記
第1金系めっき層5表面に無電解めっき処理を施し金6
aとフッ素系高分子化合物微粒子6cを共析させて形成
した第2金系めっき層6とから構成されている。
【0022】前記フッ素系高分子化合物としては、炭化
水素基の水素部分を全て若しくはその一部をフッ素に置
換したパーフルオロアルキル基若しくはポリフルオロア
ルキル基を有する高分子化合物が好ましく、その中でも
ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロ
エチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の1種若しく
は2種以上を用いることが好ましい。特に、前記ポリテ
トラフルオロエチレン(以下、単に「PTFE」と称
す。)を用いることが入手しやすい点で好ましい。
【0023】また、前記ニッケルめっき液は、還元剤と
しての次亜リン酸塩及び錯化剤を添加することで前記複
合ニッケルめっき層4中にリンを均一に析出するものが
好ましい。このようにリンを均一に析出することで複合
ニッケルめっき層4の耐食性が著しく向上する。
【0024】前記複合金めっき皮膜1の構成要素である
第1金系めっき層5は、置換金めっき処理により前記複
合ニッケルめっき層4表面及びその近傍のニッケル4b
を金5aに置換して形成されるため、その主成分は金5
a及びフッ素系高分子化合物微粒子5cとなり、金とフ
ッ素系高分子化合物の複合皮膜を実現している。
【0025】しかし、前記置換金めっき処理は、めっき
液中に浸漬した複合ニッケルめっき層4のニッケル4b
が溶出する際に遊離する電子によって溶液中の金イオン
を還元析出するものであり、前記複合ニッケルめっき層
4表面が完全に金5aで被覆された時点で反応が停止す
るため達成される層の厚みには限界がある。そこで、本
実施例においては前記第1金系めっき層5表面に更に無
電解金めっき処理を施した第2金系めっき層6が形成さ
れる。前記無電解金めっき処理において金めっき液中の
フッ素系高分子化合物微粒子を分散させる界面活性剤と
しては、カチオン系活性剤1F若しくはノニオン・カチ
オン混合系活性剤を使用することが好ましい。このよう
な活性剤は金めっき浴中でのフッ素系高分子化合物の凝
集を最小限に抑え、結果として前記第2金系めっき層6
に略30体積%のフッ素系高分子化合物を共析させるこ
とが可能となる。
【0026】以上にしてなる複合金めっき皮膜1を有す
る電気接点2は、220〜360℃の熱処理を施すこと
で該表面に水の接触角で100〜140度の撥水性、
2.5〜3.0×10-6Ω・cmの固有抵抗及び0.0
5〜1.0Ωの接触電気抵抗を実現しており、表面に水
分その他の汚れが付着することを防止しつつ、金めっき
本来の低接触電気抵抗を達成し、電気瞬断を未然に防止
して安定した通電性を確保できる。前記接触電気抵抗と
は、接触針により前記複合金めっき皮膜に加える荷重を
2〜8gまで変化させた際の接触抵抗をミリオームメー
タで読み取ったものである。また、前記熱処理によって
複合金めっき皮膜1の下地層3である複合ニッケルめっ
き層4の機械的強度が著しく向上するため、該複合金め
っき皮膜1の耐摩耗性及び耐久性が向上する。
【0027】尚、本発明における下地層は複合ニッケル
めっき層4に限定されるものではなく、例えばニッケル
合金めっき層やコバルト合金めっき層も金との付着性が
向上する点で好ましい実施例である。また、前記第2金
系めっき層6に関しても、無電解めっき処理に限らず電
解金めっき処理を施してなるものも好ましい。
【0028】次に、本発明の複合金めっき皮膜の製造方
法を図2に基づいて説明する。
【0029】本実施例においては、先ず洗浄工程7にお
いて電気接点12表面上の不純物12dを除去する。具
体的には、浸漬脱脂剤を使用したアルカリ浸漬脱脂を
常温で5分間行ない、水酸化ナトリウムを加えた電解
脱脂剤を使用して陰極電解脱脂を常温で5分間行ない、
10重量%の塩酸を使用した酸洗を常温で1分間行な
い、塩化ニッケルと塩酸を使用したニッケルストライ
クを常温で1分間行なう。尚、これら各処理を終了する
毎に水洗を行なう。
【0030】次に、PTFE微粒子を界面活性剤で分散
させた無電解Ni−Pめっき浴を用いて複合ニッケルめ
っき層14を形成する下地処理工程8を行なう。めっき
処理時の浴条件は、浴温が88〜92℃、好ましくは
90〜91℃、浴比が0.5〜1.5dm2/L、好
ましくは略0.8dm2/L、ニッケル濃度が4.6
〜5.1g/L、好ましくは4.9〜5.0g/L、
pHが4.8〜5.2、好ましくは4.9〜5.1であ
る。この下地処理工程8によって略2.0μm厚の複合
ニッケルめっき層14が形成され、該複合ニッケルめっ
き層14には略32体積%のPTFE微粒子14cが含
有する。
【0031】次に、下地層である前記複合ニッケルめっ
き層14表面に金並びにフッ素系高分子化合物を共析さ
せる複合金めっき処理工程9A,9Bを行なう。該複合
金めっき処理工程は、第1金系めっき層15を形成する
置換金めっき処理ステップ9Aと、PTFE微粒子をカ
チオン系活性剤1Fで分散させた無電解金めっき浴を用
いて第2金系めっき層16を形成する複合金めっき処理
ステップ9Bの2つのステップからなる。具体的には、
前記置換金めっき処理ステップ9Aは、有機酸金を含有
した置換型金めっき浴を使用する。浴条件は、浴温が
略80℃、浴比が略1.0dm2/L、金濃度が
2.0g/L、pHが6〜8である。この置換金めっ
き処理ステップ9Aによって前記複合ニッケルめっき層
14表面及びその近傍のニッケルが金に置換し、略0.
25μm厚の第1金系めっき層15が作成されると同時
に、前記複合ニッケルめっき層14の厚みは減少する。
この第1金系めっき層15には当然のことながら略32
体積%のPTFE微粒子15cが含有している。
【0032】また、前記複合金めっき処理ステップ9B
は、PTFE微粒子を含有した自己触媒型ノンシアン無
電解金めっき浴を使用する。浴条件は、浴温が70〜
90℃、浴比が略1.0dm2/L、金濃度が1.
0〜3.0g/L、pHが6.5〜10である。この
複合金めっき処理ステップ9Bによって略0.75μm
の第2金系めっき層16が作成される。
【0033】そして、本発明の最大の特徴である熱処理
工程10としては、電気接点12、複合ニッケルめっき
層14(下地層)及び複合金めっき皮膜11を220〜
360℃でベーキングして複合金めっき皮膜11中のP
TFE微粒子を溶融、拡散、更には表面上で網目状に結
合させた後、冷却固化する。これにより、複合金めっき
皮膜11の表面上に水の接触角で略140度の十分な撥
水性が生じる。本発明者はSEM写真により前記表面上
に直径約0.2μmのPTFE微粒子16cが多数存在
していることを確認している。
【0034】本発明の複合金めっき皮膜はフッ素系高分
子化合物を表面上に被覆するのではなく内部から表面に
移行析出させているため、該表面は金本来の輝きを維持
しており、特に汗等の汚れが付着し易い時計、眼鏡等の
装飾金めっきとして使用することも好ましい。
【0035】次に、複合金めっき皮膜の撥水性を実験に
基づいて説明する。
【0036】(実験1) 実施例1として、Ni/P−PTFE複合めっき層から
なる下地層上に置換金めっき処理ステップ及びPTFE
微粒子を分散させた電解金めっき浴を用いた複合金めっ
き処理ステップからなる複合金めっき処理を施した複合
金めっき皮膜、及び実施例2〜10として、Ni/Pめ
っき層からなる下地層上に置換金めっき処理ステップ及
びPTFE微粒子を分散させた無電解金めっき浴を用い
た複合金めっき処理ステップからなる複合金めっき処理
を施した複合金めっき皮膜を用いて、PTFE微粒子の
共析量を調べる実験を行なった。前記実施例1における
複合金めっき処理は、シアン化第一金カリウム、クエン
酸カリウム及びクエン酸を含有した厚付け純金めっき浴
を使用した。浴条件は、金板又はチタン上白金めっき板
を陽極として、浴温が65〜75℃、電流密度が
0.5〜2A/dm2、好ましくは略1A/dm2、金
濃度が略8.2g/L、pHが5.6〜6.2であ
る。前記PTFE微粒子の分散に用いる界面活性剤とし
ては、実施例1〜4にカチオン系活性剤Fを使用し、実
施例5〜7にカチオン系活性剤1Fを使用し、実施例8
〜10にはノニオン・カチオン混合系活性剤を使用し
た。洗浄工程としては、浸漬脱脂剤30g/Lを用い
たアルカリ浸漬脱脂を常温で5分間、水酸化ナトリウ
ム50g/L及び電解脱脂剤50g/Lを用いた陰極電
解脱脂を常温で5分間、ニッケルストライクを常温で
1分間を行なった。熱処理工程における温度はいずれも
350℃とした。
【0037】実験結果は、実施例1については膜厚が
1.0μm、水の接触角が140度となり、実施例2〜
10については表1に示している。
【0038】
【表1】
【0039】表1より、無電解金めっき浴に界面活性剤
としてカチオン系活性剤Fを使用した場合、PTFE分
散量が1g/Lの実施例2においては1.1μm以上の
膜厚が得られたが、水の接触角は85度であり、PTF
E分散量が5g/Lの実施例4においては水の接触角が
128度と十分な撥水性を示したが、膜厚は0.543
μmであった。一方、カチオン系活性剤1Fを使用した
場合には、実施例5〜7の何れにおいても1.1μm以
上の膜厚と130度以上の水の接触角を同時に達成し
た。更に、ノニオン・カチオン混合系活性剤を使用した
場合には、実施例8〜10の何れにおいても1.1μm
以上の十分な膜厚を達成しているが、PTFEの分散量
が15g/L以上である実施例9及び10においてはP
TFE共析量が20体積%より少なくなり、水の接触角
も100度より小さくなった。
【0040】
【発明の効果】以上にしてなる本発明の複合金めっき皮
膜は、220〜360℃の熱処理によってフッ素系高分
子化合物が溶融し表面上で網目状に結合するため、該表
面上に十分な撥水性及び低摩擦性をもたらし、水分等の
汚れが付着することを未然に防止できるとともに万一汚
れが付着したとしても容易に剥離できる。
【0041】下地層が無電解めっき処理によりニッケル
並びにフッ素系高分子化合物が共析した複合ニッケルめ
っき層であると、前記下地層内のフッ素系高分子化合物
がその表面移行性によって複合金めっき皮膜に拡散移行
し、結果として該複合金めっき皮膜の撥水性を増大でき
る。そして、ニッケルにより前記複合金めっき皮膜の密
着性が向上するとともに、熱処理により前記複合ニッケ
ルめっき層の硬度が増大し、複合金めっき皮膜の機械的
強度が増大して耐久性を向上できる。
【0042】複合金めっき皮膜が、下地層を置換金めっ
き処理してなる第1金系めき層と、該第1金系めっき層
表面をめっき処理して金とフッ素系高分子化合物を共析
させた第2金系めっき層とからなることで、複合金めっ
き皮膜の密着性が増し剥離を未然に防止できる。また、
ここで前記下地層がニッケル並びにフッ素系高分子化合
物を共析してなる複合ニッケルめっき層である場合に
は、該下地層を置換金めっき処理した前記第1金系めっ
き層には該下地層のフッ素系高分子化合物が析出するこ
ととなり、結果的に前記複合金めっき皮膜の表面上に析
出するフッ素系高分子化合物の量が増大して撥水性を向
上できる。
【0043】そして、以上の複合金めっき皮膜は水の接
触角にして100〜140度の撥水性が得られる。
【0044】また、前記複合金めっき皮膜を電気接点の
表面皮膜として用いると、該電気接点は耐食性、密着性
及び耐摩耗性に優れるとともに、汚れ等が付着しやすい
環境下で微弱な電流を扱う場合にも電気瞬断を未然に防
止して安定した通電性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合金めっき皮膜を示す簡略断面
説明図。
【図2】本発明に係る複合金めっき皮膜の製造方法を示
す簡略説明図。
【図3】水の接触角の定義を示す説明図。
【符号の説明】
1、11 複合金めっき皮膜 2、12 電気接点 3 下地層 4、14 複合ニッケルめっき層 5、15 第1金系めっき層 6、16 第2金系めっき層 7 洗浄工程 8 下地処理工程 9A 置換金めっき処理ステップ 9B 複合金めっき処理ステップ 10 熱処理工程 21 複合金めっき皮膜 22 水滴 4b ニッケル 4c、5c、6c フッ素系高分子微粒子 14c、15c、16c PTFE微粒子 12d 汚れ 21e 表面 22f 接線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01R 13/03 H01R 13/03 A (56)参考文献 特開 平6−108260(JP,A) 特開 昭61−195570(JP,A) 特開 平7−235461(JP,A) 特開 平6−108296(JP,A) 特開 平8−283955(JP,A) 特開 平6−108295(JP,A) 特開 平6−108294(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/52 C23C 18/44 C25D 15/02 H01H 1/00 H01R 13/03

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金又はフッ素系高分子化合物との付着性
    が向上する下地層を上面に設けた素材にめっき処理を施
    して金並びにフッ素系高分子化合物を共析させた複合金
    めっき皮膜であって、前記下地層を、無電解めっき処理
    によりニッケル並びにフッ素系高分子化合物が共析した
    複合ニッケルめっき層とし、220〜360℃の熱処理
    を施したことを特徴とする複合金めっき皮膜。
  2. 【請求項2】 金又はフッ素系高分子化合物との付着性
    が向上する下地層を上面に設けた素材にめっき処理を施
    して金並びにフッ素系高分子化合物を共析させた複合金
    めっき皮膜であって、前記下地層を置換金めっき処理し
    てなる第1金系めっき層と、該第1金系めっき層表面を
    めっき処理して金とフッ素系高分子化合物を共析させた
    第2金系めっき層とからなり、220〜360℃の熱処
    理を施したことを特徴とする複合金めっき皮膜。
  3. 【請求項3】 金又はフッ素系高分子化合物との付着性
    が向上する下地層を上面に設けた素材にめっき処理を施
    して金並びにフッ素系高分子化合物を共析させた複合金
    めっき皮膜であって、前記下地層を、無電解めっき処理
    によりニッケル並びにフッ素系高分子化合物が共析した
    複合ニッケルめっき層とし、前記下地層を置換金めっき
    処理してなる第1金系めっき層と、該第1金系めっき層
    表面をめっき処理して金とフッ素系高分子化合物を共析
    させた第2金系めっき層とからなり、220〜360℃
    の熱処理を施したことを特徴とする複合金めっき皮膜。
  4. 【請求項4】 表面の水の接触角が100〜140度で
    あることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載
    の複合金めっき皮膜。
  5. 【請求項5】 素材表面上の不純物を除去する洗浄工程
    と、 前記洗浄した素材に無電解めっき処理を施してニッケル
    並びにフッ素系高分子化合物を共析させた複合ニッケル
    めっき層からなる下地層を形成する下地処理工程と、 前記下地処理した素材にめっき処理を施して金並びにフ
    ッ素系高分子化合物を共析させた複合金めっき皮膜を形
    成する複合金めっき処理工程と、 前記複合金めっき皮膜を220〜360℃で熱処理する
    熱処理工程と、 からなる複合金めっき皮膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 素材表面上の不純物を除去する洗浄工程
    と、 前記洗浄した素材に表面処理を施して金又はフッ素系高
    分子化合物の付着性が向上する下地層を形成する下地処
    理工程と、 前記下地処理した素材に置換金めっき処理を施して金を
    析出させた第1金系めっき層を形成する置換金めっき処
    理ステップと、前記第1金系めっき層表面にめっき処理
    を施して金並びにフッ素系高分子化合物を共析させた第
    2金系めっき層を形成する複合金めっき処理ステップと
    からなる複合金めっき処理工程と、 前記複合金めっき皮膜を220〜360℃で熱処理する
    熱処理工程と、 からなる複合金めっき皮膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 素材表面上の不純物を除去する洗浄工程
    と、 前記洗浄した素材に無電解めっき処理を施してニッケル
    並びにフッ素系高分子化合物を共析させた複合ニッケル
    めっき層からなる下地層を形成する下地処理工程と、 前記下地処理した素材に置換金めっき処理を施して金を
    析出させた第1金系めっき層を形成する置換金めっき処
    理ステップと、前記第1金系めっき層表面にめっき処理
    を施して金並びにフッ素系高分子化合物を共析させた第
    2金系めっき層を形成する複合金めっき処理ステップと
    からなる複合金めっき処理工程と、 前記複合金めっき皮膜を220〜360℃で熱処理する
    熱処理工程と、 からなる複合金めっき皮膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 表面の水の接触角が100〜140度と
    なる請求項5〜7の何れか1項に記載の複合金めっき皮
    膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜4のいずれかに記載の複合金
    めっき皮膜を表面に有する電気接点。
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