JP3320342B2 - 印刷をプリンタ・システムに実行させる方法、印刷実行方法、コンピュータ、及びプリンタ・システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、印刷処理に関し、
より詳しくは、移動エージェント技術の印刷処理への適
用に関する。

【０００２】

【従来の技術】コンピュータとプリンタをネットワーク
で結び、１又は複数のコンピュータが１又は複数のプリ
ンタを共有することが可能である。このようなネットワ
ークでは、プリンタにＩＤを割り当て、コンピュータの
側からこのＩＤを用いてプリンタに印刷要求を送るよう
になっている。プリンタは、コンピュータからの要求
（印刷ジョブ）を一時的に記憶し、プリンタの機械装置
側で印刷が可能になり次第、次々に印刷ジョブの実行を
行うスプール機能を有するのが一般的である。この機能
により、複数の文書の印刷を行うときプリンタのアイド
ル時間を最小限にして印刷することが可能となる。

【０００３】以上のシステムでは、印刷要求を実行した
場合、印刷開始時までに印刷ジョブが特定のプリンタに
割り当てられる。この割り当ての変更はユーザ操作によ
ってのみ可能である。プリンタでは、電子的な手段で制
御不可能な紙詰まりや紙切れ、インクやトナー切れ等の
エラーが頻繁に発生し得る。このような障害が発生した
場合、印刷システムは作業を中断するのみであり、別の
プリンタに出力を行うといったことを行う機能を提供す
るシステムは存在しない。このため、これらの障害がオ
ペレータによって解消されるまで、障害が発生したプリ
ンタに割り当てられた印刷ジョブは、障害回復を待つこ
とになる。

【０００４】また、大量のデータからなる１つ又は複数
の文書を出力する場合、複数のプリンタを同時に利用す
れば全体の処理時間を削減することができるが、現在の
印刷制御装置では自動的にこのような並列印刷を行うこ
ということは行われていない。現在のシステムでこのよ
うな並列印刷を実行するためには、アプリケーション・
プログラムやユーザの側から明示的に印刷ジョブを個別
のプリンタに割り当てることが必要となり、ユーザ又は
アプリケーション・プログラムに負担がかかる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】複数のプリンタを制御
することができる中規模以上のコンピュータでは、複数
あるプリンタの中で負荷の低いプリンタに新たに発生し
た印刷ジョブを割り当てることにより、プリンタの稼働
率を高めることができる。このような制御方法は、高速
且つ信頼性の高いプリンタでは大きな効果を有する。

【０００６】しかし、昨今のオフィス環境では、個人使
用を目的とする小規模、低速且つ信頼性の低い印刷装置
が複数使用されている。このような環境では、印刷ジョ
ブの単位でプリンタを割り当てて印刷することは必ずし
も最善とは言えない。今までの印刷制御方法では、一つ
の印刷ジョブが特定のプリンタを占有する時間が長い反
面、使用されていない、ネットワークに接続されたプリ
ンタが多く存在するという資源の有効利用に反した状況
を生じている。

【０００７】よって、本発明の目的は、ネットワークに
複数のプリンタが接続されている環境で、あるプリンタ
に障害が発生しても、自動的に別のプリンタを選択しそ
のプリンタで印刷を実行できるようにする方法を提供す
ることである。

【０００８】また、ネットワークに複数のプリンタが接
続されている環境で、複数のプリンタを組み合わせて並
列印刷可能とする方法を提供することも目的である。

【０００９】さらに、移動エージェントの技術を用い
て、印刷処理を実施する方法を提供することも目的であ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、文書を印刷す
る必要が生じ、印刷の要求をプリンタに出力する時、文
書ごとに文書モニタというプロセスを実行する。文書モ
ニタは、現在利用可能なプリンタ資源の状況を調査し、
印刷の要求を最適化するために、印刷する文書を複数の
印刷ジョブとして分割する。これらの印刷ジョブへの分
割は、ターンアラウンド時間の減少、印刷スループット
の向上、印刷品質の最適化、障害回避などさまざまな最
適化要求に対応することが可能である。印刷ジョブは、
ある文書の「xページからyページまで」のようにページ
単位での印刷を管理するプログラムであり、文書印刷の
実行をモニタする機能をもつ。このプログラムにより、
印刷ジョブごとに異なる挙動を行うことが可能になる。

【００１１】具体的手順は以下のようになる。一台のプ
リンタに対して対応するプリンタ・モニタと呼ぶ移動エ
ージェントの実行環境がプリンタ上または関連づけられ
たコンピュータ上で実行される。このプリンタ・モニタ
はプリンタと接続されており、プリンタとの通信手段を
介して、プリンタに印刷用のデータやコマンドを送った
り、プリンタの状態を調べたりすることが可能である。
プリンタ・モニタは定期的にプリンタの状態を調べるこ
とにより、それが接続されたプリンタの状況を知り、ネ
ットワークを介して他のプロセスに伝える作業が可能で
ある。この機能によりネットワーク上のコンピュータ
は、「現在、どのプリンタが紙詰まりを起こしている
か」や、「どのプリンタはあと何枚プリント作業が残っ
ているか」といったような状態を常にモニタすることが
可能になる。なお、本願発明の移動エージェントは、プ
ログラムとデータとが一体となっており、ネットワーク
内を移動可能なオブジェクトという意味で用いる。

【００１２】プリンタ・モニタは印刷ジョブ・エージェ
ント（移動エージェント）を受け取ることができる。印
刷ジョブ・エージェントがプリンタ・モニタに到着する
と、その印刷ジョブ・エージェントに定義されたプログ
ラムがプリンタ・モニタによって実行状態にされる。プ
リンタ・モニタは複数の印刷ジョブ・エージェントを受
け取ることができるが、複数の印刷ジョブ・エージェン
トのうちプリンタに印刷要求をすることが許されるの
は、ただ一つの印刷ジョブ・エージェントだけである。
実行状態でかつ印刷可能な状態に置かれた印刷ジョブ・
エージェントはプリンタに印刷要求を出すとともに、プ
リンタ・モニタを介して、または直接プリンタと通信を
することによってプリンタの状態を常時監視する。

【００１３】印刷ジョブ・エージェントのプログラム
は、プリンタからのエラーが生じなければ、定められた
文書の印刷を行い、正常にプリントが完了したことを要
求元に通知する。作業中にプリンタ上でエラーが生じた
ときは印刷ジョブ・エージェント中に定義されたプログ
ラムがそのエラーの内容を判断し、必要に応じて印刷要
求元に状況を通知する。通知は、メッセージを発しても
よいし、印刷データ及び印刷制御データをもって自ら印
刷要求元に戻ることも可能である。自ら印刷要求元に戻
る際には、未印刷データを保持するして戻るようにして
もよい。

【００１４】ネットワーク・プリント・モニタはネット
ワーク上の計算機上におかれ、ネットワーク上における
グローバルな情報の管理を行うために作られる。プリン
タ・モニタからの報告もしくはこのネットワーク・プリ
ント・モニタからの問い合わせによりプリンタの状況を
確認し、プリンタの性能や状態をモニタするプロセスで
ある。複数のプリンタの状況を記録するための表と、プ
リンタからの報告を受けるための機構及びプリンタの状
況を定期的にチェックする機構を持っている。

【００１５】文書モニタは、文書を印刷するときに生成
される印刷データをもったプロセスである。特に、文書
を複数に分割して印刷する場合に有効なしくみである。
このプロセスでは印刷することを要求されたページをど
のように分割し、どのプリンタに作業を割り当てたか、
実行中の印刷作業がどのような状態にあるのか、どのプ
リンタがどれぐらいの待ち時間で利用でき、またカラー
印刷ができるか、どれぐらいの処理能力があるかなどと
いった印刷のための資源の管理を行う。文書モニタは印
刷するためのデータの情報ならびに、プリンタ単位で生
成した印刷ジョブの表を持っている。同時に、印刷が終
了したとき、どのページがどのプリンタで出力されてい
るかなどを管理し報告する機能をもつ。このプロセスは
必要に応じて生成され文書印刷とそのレポートを作成し
たあとは消滅するようにすることも可能である。

【００１６】印刷を行うにあたっては、どのような制限
を設けて印刷をするのかに関するオプションをユーザが
指定し、これにしたがってプリンタ・ドライバは、文書
モニタを生成する。このようにして生成された文書モニ
タは一又は複数の印刷ジョブ・エージェントを生成す
る。文書モニタが生成した印刷ジョブ・エージェント
は、文書モニタによって実行時において印刷実行に都合
の良いプリンタを割り当てられ、それぞれのプリンタで
印刷が行われる。印刷が無事に終わったときは単純に文
書が出力されたプリンタ名のリストが返される。エラー
が生じたときは文書モニタによって出力候補となるプリ
ンタが再指定され、まだ印刷されていないと推測される
文書の印刷についての割り当てが行われる。

【００１７】以上を再度まとめると、複数のプリンタ・
システムとコンピュータとが接続されたネットワークに
おいて、コンピュータが印刷をプリンタ・システムに実
行させる際には、まず印刷データと、当該印刷データの
印刷制御データとを受け取る。そして、複数のプリンタ
・システムに関する情報（例えば、性能及び状況）を取
得する。次に、この情報（性能及び状況）と印刷制御デ
ータとを参照して、印刷データをどのプリンタ・システ
ムにどのように割り振るか決定し、決定された割り振り
に従い印刷データを分割する。その後、分割された印刷
データの各々について、当該分割された印刷データと印
刷コントローラを含む移動エージェントを作成する。こ
の移動エージェントを当該移動エージェントが含む印刷
データが割り振られたプリンタ・システムに送信する。
このようにすれば、印刷ジョブの分散及び並列処理が実
施可能となる。なおプリンタ・システムは、コンピュー
タとプリンタの組み合わせや、ネットワーク対応でコン
ピュータが内蔵されたプリンタを含むことを意味する。

【００１８】上記印刷制御データが、ユーザの印刷要求
仕様と、出力態様とを含むようにすることが考えられ
る。例えば、ユーザの印刷要求仕様とはカラー印刷／モ
ノクロ印刷や高速印刷主体であるといったデータであ
り、出力態様とは、例えばページ１，２，３，１，２，
３の順番で印刷するか、１，１，２，２，３，３で印刷
するのか等のデータである。

【００１９】上記の移動エージェントを作成する処理で
は、この出力態様を参照して、印刷コントローラの設定
データを作成するようにすることも考えられる。上記の
ような出力順番を設定データとして印刷コントローラに
設定し、移動エージェントがプリンタ・システムの実行
環境で設定データに従い、印刷データを出力するように
する。

【００２０】この印刷コントローラは、プリンタ・シス
テムの状況を監視するモニタと、モニタが通知するプリ
ンタ・システムのエラーに対応するエラー・ハンドラ
と、印刷データの出力を制御する制御モジュールとを含
むようにすることができる。エラー・ハンドラを含むこ
とによって、プリンタ・システムにおいて頻繁に起こる
障害に自動的に対応できるようになる。

【００２１】印刷終了の通知を受信し、全印刷の終了を
確認したことに応答して、印刷レポートを作成するよう
構成することも可能である。電子メールやメッセージを
ディスプレイに表示する等の手段で、ユーザに印刷終了
を通知し、どのプリンタにどのページが印刷されたかを
知らせることにより、ユーザが簡単に印刷物を回収でき
るようにする。なお、障害が発生した場合に印刷レポー
トを作成するようにすることも可能である。

【００２２】プリンタ・システムのエラー及び未印刷デ
ータを含む移動エージェントを受信した場合には、未印
刷データに対して、分割処理以下を実行ようにする。障
害が発生した時点で最良の印刷ジョブ割り当てを実施す
るためである。

【００２３】先に述べた検査処理は、各プリンタ・シス
テムの性能を保持し、各プリンタ・システムの状況をモ
ニタするネットワーク・プリント・モニタから、各プリ
ンタ・システムの性能及び状況を読み出すよう構成する
ことが可能である。集中的にプリンタ・システムの状況
及び性能データを監督するプログラムを設ければ、複数
の文書モニタの各々が同機能を保持しなくとも済むとい
う効果が生じる。

【００２４】同様のシステムにおいて、プリンタ・シス
テムで実行される処理は、印刷データと印刷コントロー
ラとを含む移動エージェントを受信するステップと、移
動エージェントを実行可能状態に変換するステップと、
印刷コントローラがそれ自身の設定に従って印刷データ
を出力するステップと、全ての印刷データを印刷し終え
た場合、印刷終了を移動エージェント送信元に通知する
ステップとを含む。これにより、印刷が無事終了したこ
とを文書モニタに知らせることができる。また、印刷コ
ントローラはそれ自身の設定に従い印刷データをプリン
タに出力することができる。なお、印刷終了を移動エー
ジェントからのメッセージで知らせても、移動エージェ
ント自身が文書モニタに戻ることにより通知してもよ
い。

【００２５】プリンタ・システムにエラーが発生した場
合、当該エラーの内容を印刷コントローラが検査し、エ
ラーの内容が所定の条件を満たしている場合には、エラ
ーの内容及び未印刷データを含む移動エージェントを、
その送信元に送信するように構成する場合もある。場合
によっては、エラー内容及び未印刷データに関する情報
（又は印刷済みデータ）をメッセージで通知するように
することも、障害回復まで移動エージェントを休止する
ようにすることも考えられる。

【００２６】印刷データ及び印刷コントローラを含む第
２移動エージェントを受信した場合には、第１の移動エ
ージェントによる印刷処理が終了しているか否か判断す
るステップと、終了していない場合、第２移動エージェ
ントを実行不能状態で保管するステップとを含むように
することも考えられる。同一プリンタ・システム内では
複数の印刷処理は並列して処理できないため、プリンタ
・モニタに到着した順番で移動エージェントを起動し、
それ以外は凍結保存する。その後、第１の移動エージェ
ントが印刷処理を終了して、実行状態でなくなった後
に、第２の移動エージェントを実行可能状態に戻すこと
も考えられる。なお、タイミングとしては、印刷処理終
了を実行環境が通知された時点で第２の移動エージェン
トを実行可能とすることも考えられる。

【００２７】以上は、処理のフローとして本願発明を表
現したが、これらの処理を実行するモジュールを構成
し、それらを含むコンピュータ・システム又はローカル
・エリア・ネットワークとして発明を実施することも可
能である。また、処理のフローをコンピュータ・プログ
ラムとして実施し、ＣＤ−ＲＯＭやフロッピー・ディス
クなどの記憶媒体又は記憶デバイスに記憶することもあ
る。

【００２８】

【発明の実施の形態】図１は、システム全体を示した図
である。コンピュータ１（３）、コンピュータ２
（５）、コンピュータ３（７）、プリンタ・システム１
（９）、プリンタ・システム２（１１）、及びプリンタ
・システム３（１３）がネットワーク１に接続されてい
る。このコンピュータ１乃至３は、通常のコンピュータ
であり、ディスプレイやキーボード等の入出力装置を含
み、ＣＰＵやメイン・メモリを有しており、文書等を作
成するアプリケーション・プログラムを実行することが
できる。コンピュータ１乃至３は、二次記憶装置として
ＨＤＤやＦＤＤ、ＣＤ−ＲＯＭドライブ、ＤＶＤドライ
ブ等を備えることも可能である。また、プリンタ・シス
テム１乃至３は、コンピュータとプリンタの組み合わせ
や、ネットワーク対応でコンピュータが内蔵されたプリ
ンタでもよい。なお、プリンタ・システム１乃至３は以
下で述べるような印刷ジョブ・エージェントの実行環境
（プリンタ・モニタ）を提供できるような能力が必要と
される。エージェントの実行環境とは、移動エージェン
トが活動するために必要な計算機資源及びサービスを提
供するプログラムであり、エージェントの生成・停止・
移動等を制御する機構及びエージェント自身やその管理
情報などを状態として保持するものである。

【００２９】図１には、本発明で用いられる文書モニタ
１（１５ａ）及び文書モニタ２（１５ｂ）、ネットワー
ク・プリント・モニタ１７、プリンタ・モニタ１（１９
ａ）及びプリンタ・モニタ２（１９ｂ）及びプリンタ・
モニタ３（１９ｃ）が示されている。これらは、位置関
係を明らかにするために示したものであって、実際は、
それぞれのシステムの中に存在するものである。すなわ
ち、コンピュータ１（３）には文書モニタ１（１５ａ）
が、コンピュータ２（５）には文書モニタ２（１５ｂ）
が、コンピュータ３（７）にはネットワーク・プリント
・モニタ１７が、プリンタ・システム１（９）にはプリ
ンタ・モニタ１（１９ａ）が、プリンタ・システム２
（１１）にはプリンタ・モニタ２（１９ｂ）が、プリン
タ・システム３（１３）がプリンタ・モニタ３（１９
ｃ）が存在している。コンピュータ１乃至３における文
書モニタの配置は任意である。また、コンピュータ１又
は２に、又はすべてのコンピュータに、ネットワーク・
プリント・モニタを設けてもよいし、コンピュータ３に
も文書モニタが存在するようにしてもよい。

【００３０】図１のシステムにおいては、コンピュータ
１又は２で作成された印刷データは、文書モニタが印刷
すべきプリンタ・システムを決定し、印刷ジョブ・エー
ジェントとして、プリンタ・システムに送信される。プ
リンタ・システムに設けられたプリンタ・モニタにおい
て、印刷ジョブ・エージェントは活動化され、実行すべ
き印刷ジョブを実行する。全ての印刷が終了すれば、当
該印刷ジョブ・エージェントの送信元である文書モニタ
に印刷終了の通知がなされる。全ての印刷ジョブ・エー
ジェントから印刷終了の通知を受信すると、文書モニタ
はユーザに対し、どのプリンタにどのページが印刷され
たか等の情報を提示する。

【００３１】では、図１におけるコンピュータ１内の構
成を図２に示す。コンピュータ１（３）は、ネットワー
ク１に接続している。このネットワーク１との接続のた
め通信モジュール２７を含んでいる。さらに、文書等を
作成する文書作成アプリケーション・プログラム２１が
実行されている。また、印刷用のデバイス・ドライバ２
３が存在している。通常のコンピュータ１（３）内はこ
のような構成であるが、ユーザが印刷を命じると、印刷
する文書データがデバイス・ドライバ２３に渡され、さ
らに文書モニタ１５ａを活動化する。デバイス・ドライ
バ２３は、文書データを印刷データに変換し、これを活
動化した文書モニタ１５ａに渡す。さらに、デバイス・
ドライバ２３は、文書データを印刷するに際しユーザが
指定したパラメータ（例えば、カラー印刷の指定や、高
速印刷又は品質優先の指定、部数や出力形態）を印刷制
御データとして文書モニタ１５ａに出力する。文書モニ
タ１５ａは、後述するネットワーク・プリント・モニタ
１７からプリンタ・システムに関する情報を取得し、印
刷制御データと合わせて、プリンタ・システムに対する
最適な印刷データの割り当てを決定する。この処理につ
いては後に述べる。そして、割り当てが決定されると、
割り当てのあったプリンタ・システムごとに印刷ジョブ
・エージェント２５ａ乃至２５ｃを生成する。図２では
印刷ジョブ・エージェントは３つしか示されていない
が、この個数は文書モニタ１５ａの割り当て処理によっ
て決定される。この印刷ジョブ・エージェント１乃至３
（２５ａ乃至２５ｃ）は、通信モジュール２７を介して
宛先のプリンタ・システムに送信される。

【００３２】文書モニタ１５ａは、１つのコンピュータ
・システムにおいて１つ設けるようにしてもよいし、１
つの印刷命令に１つの文書モニタを生成するようにする
ことも可能である。１つのコンピュータ・システムに１
つの文書モニタを設けるようにする場合には、文書モニ
タ内で印刷命令ごとに管理が必要となる。以上の構成
は、コンピュータ２（７）でも同様である。

【００３３】図３は、プリンタ・システム１（９）内の
構成を示す図である。プリンタ・システム１（９）は通
信モジュール２９を介してネットワーク１に接続してい
る。プリンタ・システム１（９）内にはプリンタ・モニ
タ１（１９ａ）と、プリンタ９ａが存在している。ま
た、プリンタ・モニタ１（１９ａ）は、印刷ジョブ・エ
ージェントの実行環境であり、内部で印刷ジョブ・エー
ジェント２５ｄを実行している。さらに、プリンタ・モ
ニタ１（１９ａ）は、エージェント管理モジュール３３
及びモニタ・モジュール３１を含んでいる。印刷ジョブ
・エージェント２５ｄは、ネットワーク１及び通信モジ
ュール２９を介してプリンタ・モニタ１（１９ａ）に到
達する。エージェント管理モジュール３３は、受信した
印刷ジョブ・エージェント２５ｄを実行可能な形態に変
換する処理、その逆で印刷ジョブ・エージェントを凍結
する処理、複数の印刷ジョブ・エージェントを受信した
場合には１つの印刷ジョブ・エージェント以外は活動化
せずにキューに保管し、可能な時点で取り出す処理等を
実行する。また、モニタ・モジュール３１は、プリンタ
９ａを監視し、その監視結果を印刷ジョブ・エージェン
ト２５ｄ及びネットワーク・プリント・モニタ１９に通
知する。印刷ジョブ・エージェント２５ｄは、印刷コン
トローラを有しており、この印刷コントローラから印刷
データがプリンタ９ａに出力され、実際に文書が印刷さ
れる。他のプリンタ・システムもこれと同様の構成であ
る。

【００３４】図４に印刷ジョブ・エージェントのブロッ
ク図を示す。印刷ジョブ・エージェントは、印刷データ
３５及び印刷コントローラを有している。この印刷コン
トローラは、印刷制御モジュール３７及びエラー・ハン
ドラ３９及びプリンタ・モニタ４１を含む。印刷制御モ
ジュール３７は、プリンタへの印刷データの出力制御が
主な機能であり、印刷が無事に成功した場合のメッセー
ジ送信等も実行する。エラー・ハンドラ３９は、エラー
が発生した場合に起動される。プリンタ・モニタ４１は
プリンタ・モニタ内のモニタ・モジュール３１を介して
プリンタの状態を監視し、場合によってはエラー・ハン
ドラ３９に情報を通知する。

【００３５】図５にコンピュータ３（７）に設けられる
ネットワーク・プリント・モニタ１７のブロック図を示
す。コンピュータ３（７）はネットワーク１に接続され
ているので、通信モジュールを有している。ネットワー
ク・プリント・モニタ１７は、この通信モジュールを介
して他のコンピュータからのプリンタ情報検索命令に応
答する検索モジュール４５と、プリンタ情報４３、プリ
ンタ情報を格納したテーブルのテーブル管理モジュール
４７を含む。先に述べたように、プリンタ・モニタ１９
ａはモニタ・モジュール３１を含んでおり、このモニタ
・モジュール３１はネットワーク・プリント・モニタ１
９にプリンタの現在の状態に関する情報を通知する。こ
の情報を受信するのはテーブル管理モジュール４７であ
り、このテーブル管理モジュール４７がプリンタ情報を
更新する。新たなプリンタ・システムがネットワーク１
に接続された場合や既存のプリンタ・システムがネット
ワーク１か取り除かれた場合、テーブル管理モジュール
４７に通知すると、このプリンタ情報４３を更新する。
テーブル管理モジュール４７が自発的にネットワーク内
のプリンタ・システムを定期的にモニタするようにする
ことも可能である。また、性能等のデータをプリンタ情
報４３に含ませることにより、現在の処理状況からター
ンアラウンド・タイム等を予想する処理を実施するよう
にしてもよい。

【００３６】プリンタ情報４３は、図５に示したよう
に、プリンタの動作状況（ダウンしてないかどうか）、
カラー出力の可否、 印刷品質（印字品質の指定）、 1
ページあたりの出力時間、現在予約されている印刷文書
の分量等を含む。

【００３７】図６にコンピュータ１（３）の処理のフロ
ーを示す。最初に、プリンタのデバイス・ドライバ２３
が文書モニタ１５ａを活動化する（ステップ１１０）。
そして、文書モニタ１５ａは、印刷制御データを受信
し、ネットワーク・プリント・モニタ１９からの情報を
取得して、印刷データの割り当てを決定する。この割り
当てに基づき、文書モニタ１５ａは、印刷ジョブ・エー
ジェントを生成する（ステップ１２０）。そして、生成
した印刷ジョブ・エージェントを送信する（ステップ１
３０）。

【００３８】生成した印刷ジョブ・エージェントはプリ
ンタ・モニタにて処理を進め、全ての印刷データを印刷
し終えると印刷ジョブ・エージェントは送信元の文書モ
ニタに印刷終了を通知する。文書モニタ１５ａは全ての
印刷ジョブ・エージェントから印刷終了の通知を受信し
たか否か判断する（ステップ１４０）。もし、印刷終了
の通知をすべての印刷ジョブ・エージェントから受信し
た場合には、ユーザに印刷レポートを出力する（ステッ
プ１７０）。この印刷レポートは、電子メールの形態で
あっても、デバイス・ドライバ２３によってディスプレ
イ上に表示するような形態であってもよい。例えば、 プリンタ１ ページ１乃至５ プリンタ２ ページ６ プリント３ ページ７乃至９ 等といったデータをユーザに提示する。ユーザはこの情
報を元にプリントアウトした紙を取りに行く。

【００３９】もし、全ての印刷ジョブ・エージェントか
ら印刷終了を受信していない場合、未印刷データありの
通知を受信したか否か判断する（ステップ１５０）。受
信していない場合にはステップ１４０に戻る。一方、未
印刷データありの通知を受け取った場合、例えば、未印
刷データを含む印刷ジョブ・エージェント自身が戻って
きた場合、又は未印刷データが存在していることを示す
メッセージを受け取った場合、未印刷データを用意し、
ステップ１２０に戻って、この未印刷データに対して印
刷ジョブ・エージェントを生成する（ステップ１６
０）。このような繰り返しで、最終的に全ての印刷デー
タがプリントアウトされる。なお、未印刷データの用意
は、印刷ジョブ・エージェントが戻ってきた場合にはそ
れから抽出し、そうでなければ保持している印刷データ
から抽出する。

【００４０】次に、どのように文書モニタが印刷ジョブ
・エージェントを生成するかについて図７を用いて説明
する。最初に、印刷データ及び印刷制御データをデバイ
ス・ドライバから受信する（ステップ２１０）。そし
て、ネットワーク・プリント・モニタにアクセスし、プ
リンタ情報４３を取得する（ステップ２２０）。プリン
タ情報４３は図５に示したようなデータである。続いて
印刷制御データを検査する（ステップ２３０）。印刷制
御データは、印刷要求仕様とページの出力順序等のデー
タである。印刷要求仕様とは、例えば「高速印刷」「高
品質印刷」「カラー印刷」といったユーザの印刷要求の
タイプを示す。また、出力順序指定とは、例えば、複数
部数印刷する場合に、同一ページをまとめて印刷する
か、同一ページをページ順に印刷するか等の選択を示
す。

【００４１】この印刷制御データとネットワーク・プリ
ント・モニタからの情報から、割り当てポリシーを決定
する。すなわち、例えば、カラー印刷を指定された場合
には、プリンタ情報４３を用いて、カラーを印刷できる
プリンタを識別し、カラー印刷の必要なページを割り当
てる。また、高速印刷を指定された場合には、プリンタ
情報を用いて、よりターンアラウンド・タイムの短いプ
リンタを割り当ての中心とする。但し、１つのプリンタ
に集中させると全体としては時間がかかり過ぎることも
あるので、１ページ割り当てを実施するごとにターンア
ラウンド・タイムを見積もるなどの処理を実施するとよ
い。さらに、高品質印刷が指定された場合には、プリン
タ情報を用いて、所定以上の高品質印刷が可能なプリン
タを割り当ての中心とする。そして、各ページごとに印
刷すべきプリンタを決定する（ステップ２４０）。

【００４２】印刷すべきページが割り当てられたプリン
タごとに、印刷コントローラを作成し、印刷ジョブ・エ
ージェントを生成する（ステップ２５０）。エージェン
トの作成は、印刷コントローラに対応するプログラム・
コードを用意しておき、これに出力順序など印刷制御モ
ジュールに関する設定情報及び印刷データをセットする
ことにより行う。

【００４３】現在、図５に示したプリンタ情報４３のよ
うなシステムで、４ページ目だけがカラーの合計８枚の
文書を印刷するような状況で、「カラー印刷」及び「高
速印刷」を指定した印刷要求があったとする。このと
き、「カラー印刷」の指定により4ページ目は必然的にP
rinter2に割り当てられる。そこで、4ページ目の印刷を
行う印刷ジョブ・エージェントを生成する。ここで、条
件が以下のように変わる(Printer2が変化)。それととも
に最低６０秒の出力時間が必要であることが判明する。

【表１】 Printer1 Attribute: B&W Speed: 5 sheets/min in process: 0 sheets Printer2 Attribute: Color Speed: 1 sheets/min in process: 1 sheets Printer3 Attribute: B&W Speed: 4 sheets/min in process: 2 sheets

【００４４】ここでプリンタごとにｎ枚の出力を行う場
合の経過時間は以下の式で算出できる。 Printer1 T1 = (60/5) * n1 = 12 * n1 Printer2 T2 = (60/1) * n2 + (60/1) * 1 = 60 * n2 + 60 Printer3 T3 = (60/4) * n3 + (60/4) * 2 = 15 * n3 + 30 いずれも１次関数として表現される。もっとも単純な決
定の手順としては、同一ページをｍ枚まとめて出力する
としてｍ枚ごとに3つのプリンタのうちどれで出力する
のが全体の最短時間になるのかを チェックしていく方
法がある。今回は1枚ごとに出力するため、以下のよう
になる。

【表２】 出力を Printer1 にした場合には T1= 12, T2= 60, T3
=30 T=max( 12, 60, 30)= 60 出力を Printer2 にした場合には T1= 0, T2=120, T3
=30 T=max( 0, 120, 30)=120 出力を Printer3 にした場合には T1= 0, T2= 60, T3
=45 T=max( 0, 60, 45)= 60 （T は全体で印刷にかかる時間）

【００４５】したがって Printer１またはPrinter3に出
力を行うことが妥当となる。Printer1, Priner3のうち
高速のものを選び、Printer１に一枚の出力を割り当て
るものとする。同様に二枚目は、と算出される。

【表３】 出力を Printer1 にした場合には T1= 24, T2= 60, T3=
30 T=max( 24, 60, 30)= 60 出力を Printer2 にした場合には T1= 0, T2=120, T3=
30 T=max( 0, 120, 30)=120 出力を Printer3 にした場合には T1= 0, T2= 60, T3=
45 T=max( 0, 60, 45)= 60

【００４６】よってPrinter１に合計2枚が割り当てられ
ることになる。このようにして、ｎ枚の出力の割り当て
は

【表４】 n （Printer1, Printer2, Printer3) 1 ( 1, 0, 0) 2 ( 2, 0, 0) 3 ( 3, 0, 0) 4 ( 4, 0, 0) 5 ( 5, 0, 0) 6 ( 5, 0, 1) 7 ( 5, 0, 2) と変化する。最終的にはPrinter1 へは ページ 1-3 及
び ページ 5-6 の 印刷を割り当て、印刷ジョブ・エー
ジェントを生成する。Printer3 へは ページ 7-8の印刷
を割り当て、印刷ジョブ・エージェントを生成する。

【００４７】では、図８を用いてプリンタ・システムに
おける処理フローを説明する。プリンタ・システムのプ
リンタ・モニタは、印刷ジョブ・エージェントを受信す
る（ステップ３１０）。次に、エージェント管理モジュ
ール３３は、既に実行中の印刷ジョブ・エージェントが
存在するか否かを判断する（ステップ３２０）。もし、
存在する場合には、今受信した印刷ジョブ・エージェン
トを活動化することなく、バッファに格納する（ステッ
プ３３０）。バッファは、メインメモリ上に用意しても
よいし、二次記憶装置内に用意してもよい。このバッフ
ァは基本的にはＦＩＦＯであり、到着順に取り出す。但
し、印刷ジョブ・エージェントに優先度を設けて、優先
度順にバッファから取り出すような機構を設けることも
可能である。

【００４８】一方、実行中の印刷ジョブ・エージェント
が存在しない場合には、エージェント管理モジュール３
３は当該印刷ジョブ・エージェントを実行可能状態に変
換する（ステップ３４０）。そして、印刷ジョブ・エー
ジェントは自身のプリンタ・モニタ４１がプリンタの状
況を検査し、エラーが発生していないか判断する（ステ
ップ３５０）。もし、エラーが発生しているようであれ
ば、エラー・ハンドラ３９を起動する（ステップ３８
０）。もし、エラーが発生してなければ、印刷データを
プリンタ９ａに出力する（ステップ３６０）。そして、
印刷が終了すれば（ステップ３７０）、送信元に印刷終
了を通知する（ステップ３９０）。この通知は、メッセ
ージを送信するようにすることも、印刷ジョブ・エージ
ェントを返信することも可能である。ここでは、メッセ
ージを送信することにして、印刷終了とともに印刷ジョ
ブ・エージェントを消滅させる（ステップ４００）。印
刷ジョブ・エージェント内のプリンタ・モニタは、印刷
終了までにエラーが発生しないか常時プリンタを観察す
る。エラーが発生すれば、エラー・ハンドラ３９を起動
する。

【００４９】図９にエラー・ハンドラ３９の処理の一例
を示す。エラー・ハンドラ３９は起動されると、印刷ジ
ョブ・エージェント内のプリンタ・モニタ４１からのエ
ラー通知からそのエラー内容を検査する（ステップ５１
０）。ここでは、エラー内容を３つのケースに分けて、
ケースごとに処理を変えている。ケース１は、例えばプ
リンタの電源の立ち上げ待ち状態のような場合を想定
し、所定時間待つことにより解消されるものである。よ
って、エラー・ハンドラ３９も待ち状態になり（ステッ
プ５２０）、所定時間後図８のステップ３５０に戻る
（ステップ５３０）。

【００５０】ケース２は、例えばユーザが直ぐに対処し
た方がよいようなエラーが発生した場合には、送信元に
エラー・メッセージを送信し（ステップ５４０）、文書
モニタ１５及びデバイス・ドライバ２３を介してユーザ
に警告を発するようにするものである。また、ケース２
とケース３は通常のエラーでどちらかの処置を実施する
ように設定することも可能であり、エラー・メッセージ
を送信元に返送することにより、送信元の文書モニタが
未印刷データを用意してそれに対するジョブの割り当て
を再度行うようにしてもよい。この時エラー・メッセー
ジには、エラー内容と、未印刷データに関する情報を含
める必要がある。さらに、ケース３は、他のプリンタ・
システムにて印刷をした方がよい場合であって、エラー
内容を格納し（ステップ５５０）、未印刷データの準備
をする（ステップ５６０）。ここでは、既に印刷されて
いる印刷データについては破棄する。そして、印刷ジョ
ブ・エージェントの凍結処理及び送信元への返送をエー
ジェント管理モジュール３３に命する（ステップ５７
０）。エージェント管理モジュール３３は、命令に従っ
て動作する。凍結処理及び実行可能状態への変換は、
「Ｐｉｃｋｌｉｎｇ Ｓｔａｔｅ ｉｎ ｔｈｅ Ｊａ
ｖａ Ｓｙｓｔｅｍｓ」（Ｔｈｅ ２ｎｄ ＵＳＥＮＩ
Ｘ Ｃｏｎｆｅｒｅｎｃｅ ｏｎ Ｏｂｊｅｃｔ−Ｏｒ
ｉｅｎｔｅｄ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ， １９９
６）に実装方法の一例が述べられている。

【００５１】以上、本発明の一実施例を示したが、本発
明はこれに限定されるものではない。例えば、上の説明
では、プリンタ・システムにエラーが発生した場合、印
刷ジョブ・エージェントが送信元の文書モニタに戻るよ
うな例を示したが、エラー・メッセージにより文書モニ
タにエラーを通知し、それにより文書モニタが再割り当
て処理を実施して、メッセージにより次の移動先プリン
タ・モニタを指定するような構成にすることも可能であ
る。また、エラーの発生したプリンタ・システムのプリ
ンタ・モニタ上で印刷ジョブを文書モニタからのメッセ
ージに従って分割するようなことも考えられる。また、
図２乃至図５に示した文書モニタ、プリンタ・モニタ、
印刷ジョブ・エージェント、及びネットワーク・プリン
ト・モニタ内のモジュール分けは任意であって、このよ
うなモジュール分けに限定されるわけではなく、上で述
べたような機能を有するように、モジュールを分離合併
可能である。

【００５２】

【効果】ネットワークに複数のプリンタが接続されてい
る環境で、あるプリンタに障害が発生しても、自動的に
別のプリンタを選択しそのプリンタで印刷を実行できる
ようにする方法を提供することができた。

【００５３】また、ネットワークに複数のプリンタが接
続されている環境で、複数のプリンタを組み合わせて並
列印刷可能とする方法を提供することもできた。

【００５４】さらに、移動エージェントの技術を用い
て、印刷処理を実施する方法を提供することもできた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体構成を示す図である。

【図２】コンピュータ１における構成を示すブロック図
である。

【図３】プリンタ・システム１における構成を示すブロ
ック図である。

【図４】印刷ジョブ・エージェントのブロック図であ
る。

【図５】ネットワーク・プリント・モニタのブロック図
である。

【図６】コンピュータ１における処理フローを示す図で
ある。

【図７】文書モニタの印刷データの割り振りに関する処
理フローを示す図である。

【図８】プリンタ・システム１における処理フローを示
す図である。

【図９】エラー・ハンドラの処理フローを示す図であ
る。

【符号の説明】

１ ネットワーク ３ コンピュータ１ ５ コンピュータ２ ７ コンピュータ３ ９ プリンタ・システム１ ９ａ プリンタ １１ プリンタ・システム２ １３ プリンタ・システム３ １５ａ 文書モニタ１ １５ｂ 文書モニタ２ １７ ネットワーク・プリント・モニタ １９ａ プリンタ・モニタ１ １９ｂ プリンタ・モニタ２ １９ｃ プリンタ・モニタ３ ２１ 文書作成アプリケーション ２３ デバイス・ドライバ ２５ａ乃至ｄ 印刷ジョブ・エージェント ２７ 通信モジュール ２９ 通信モジュール ３１ モニタ・モジュール ３３ エージェント管理モジュール ３５ 印刷データ ３７ 印刷制御モジュール ３９ エラー・ハンドラ ４１ プリンタ・モニタ ４３ プリンタ情報 ４５ 検索モジュール ４７ テーブル管理モジュール

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小坂 一也 神奈川県大和市下鶴間1623番地14 日本 アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研 究所内 (56)参考文献 特開 平９−171445（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−319651（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−324823（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−230372（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−218764（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G06F 3/12 B41J 29/38 G06F 15/16 620

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のプリンタ・システムとコンピュータ
   とが接続されたネットワークにおいて、印刷コントロー
   ラと印刷データを含むプログラムとデータが一体となっ
   たオブジェクトである移動エージェントを用いて、前記
   コンピュータが印刷を前記プリンタ・システムに実行さ
   せる方法であって、 前記コンピュータが、 印刷データと、当該印刷データの印刷制御データとを受
   け取るステップと、 前記複数のプリンタ・システムに関する情報を取得する
   検査ステップと、 前記複数のプリンタ・システムに関する情報と前記印刷
   制御データとを参照して、前記印刷データをどのプリン
   タ・システムにどのように割り振るか決定し、決定され
   た割り振りに従い前記印刷データを分割する分割ステッ
   プと、 分割された印刷データの各々について、当該分割された
   印刷データと前記印刷データの出力を制御する制御モジ
   ュールを有する印刷コントローラを含むオブジェクトで
   ある移動エージェントを作成するステップと、 前記移動エージェントを当該移動エージェントが含む印
   刷データが割り振られた前記プリンタ・システムに送信
   するステップを有し、 送信された前記移動エージェントが、 前記割り振られたプリンタ・システムに印刷要求を出す
   ステップと、 前記割り振られたプリンタ・システムの状態を監視する
   ステップと、 前記割り振られたプリンタ・システムに障害が生じたと
   きは、前記コンピュータに状況を通知するか、障害回復
   まで休止するか、前記印刷データを保持したまま前記コ
   ンピュータに戻るか、または他の印刷可能なプリンタ・
   システムに移動するステップと、 を含む方法。
2. 【請求項２】印刷コントローラと印刷データを含むプロ
   グラムとデータが一体となったオブジェクトである移動
   エージェントを用いて、ネットワークで接続された複数
   のプリンタ・システムに印刷を実行させるコンピュータ
   であって、 印刷データと、当該印刷データの印刷制御データとを受
   け取る手段と、 前記複数のプリンタ・システムに関する情報を取得する
   検査手段と、 前記複数のプリンタ・システムに関する情報と前記印刷
   制御データとを参照して、前記印刷データをどのプリン
   タ・システムにどのように割り振るか決定し、決定され
   た割り振りに従い前記印刷データを分割する分割手段
   と、 分割された印刷データの各々について、当該分割された
   印刷データと前記印刷データの出力を制御する制御モジ
   ュールを有する印刷コントローラを含むオブジェクトで
   ある移動エージェントを作成する手段と、 前記移動エージェントを当該移動エージェントが含む印
   刷データが割り振られた前記プリンタ・システムに送信
   する手段を有し、 送信された前記移動エージェントが、 前記割り振られたプリンタ・システムに印刷要求を出す
   手段と、 前記割り振られたプリンタ・システムの状態を監視する
   手段と、 前記割り振られたプリンタ・システムに障害が生じたと
   きは、前記コンピュータに状況を通知するか、障害回復
   まで休止するか、前記印刷データを保持したまま前記コ
   ンピュータに戻るか、または他の印刷可能なプリンタ・
   システムに移動する手段と、 を具備する、コンピュータ。