JP3317624B2 - 生分解性複合材料の製造方法 - Google Patents

生分解性複合材料の製造方法

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正美 篠原
清 篠原
一郎 曽原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性複合材料
の製造方法に関し、更に詳しくは、包装材、農園芸用の
フィルムや育苗ポット、土木及び建材用の資材、成形ト
レイその他の成形体などに利用され、優れた強度を有
し、土壌中の微生物により分解可能な生分解性複合材料
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロース、澱粉、蛋白質などの天然物
を素材とした成形体が数多く知られているが、これらの
成形体は何れも汎用のプラスチックに比べて強度が弱
く、また湿潤状態での吸湿により更に強度が低下した
り、水中で溶解するなどの問題点がある。
【0003】これらの問題点を改良する為に、例えば、
澱粉を用いる成形体ではホルムアルデヒドなどの架橋剤
を反応させたり、蛋白質を用いる成形体では、イソシア
ネートやジメチロール尿素などの架橋剤を反応させるな
どの操作が行われている。
【0004】例えば、特開平3−131636号公報に
記載の如く、水中や湿潤状態での強度を向上させる目的
で、蛋白質水溶液と微細セルロース繊維及び/又は可塑
剤を混合後、乾燥させることにより複合化して、水中で
も形状を保ち、十分な湿潤強度を示す成形体が得られる
ことが見い出されている。
【0005】また、特開平2−6689号公報に記載の
如く、天然素材である 微細セルロース繊維とキトサン
を複合させると云う簡単な方法により、汎用プラスチッ
クと同等又はそれ以上の強度を有し、水中や湿潤状態で
も十分な強度を有する新規な複合材料が見いだされてい
る。
【0006】更に、特開平4−59830号公報や特公
平6−25260号公報に記載の如く、複合材料の微生
物分解速度を速めるために、微細セルロース繊維とキト
サンに加えて更に蛋白質を添加することで、或いは、添
加量を変えることにより、微生物分解速度を調節できる
ことが見い出されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記、蛋白質と微細セ
ルロース繊維及び/又は可塑剤から成る複合材料、及び
微細セルロース繊維とキトサン及び/又は蛋白質から成
る複合材料は、これらの水分散性又は水溶液を乾燥する
ことにより生分解性複合材料を得るため、成形、乾燥な
ど成形加工に煩雑な操作が必要である。また、乾燥工程
で収縮が生じ、寸法精度が悪くなる難点がある。
【0008】本発明は、上記に鑑み、成形加工が容易で
あり、しかも、汎用プラスチックと同様な強度を有し、
土中の微生物により容易に分解される生分解性複合材料
の製造方法を明らかにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る生分解性複
合材料の製造方法は、微細セルロース繊維と蛋白質及び
可塑剤を混合し、熱プレス成形することを特徴とする。
【0010】即ち、本発明は微細セルロース繊維と蛋白
質及び可塑剤から成る生分解性複合材料の強度を十分に
保持し、しかも容易に成形出来る加工方法を鋭意検討し
た結果、微細セルロース繊維と蛋白質及び可塑剤を混合
後、熱プレス成形することにより、複合材料の強度低下
がなく微生物分解性の速い、しかも成形加工の容易な生
分解性複合材料を得られることを見出し本発明に至った
ものである。
【0011】
【作用】微細セルロース繊維と蛋白質及び可塑剤を水溶
液に溶解又は分散させた後乾燥することにより複合化さ
せた場合、その製造方法、特に乾燥工程が煩雑であり、
しかも乾燥時に成形材料の収縮が生じ寸法精度が悪いこ
とが挙げられる。
【0012】本発明による微細セルロース繊維と蛋白質
及び可塑剤を十分に混合後、熱プレス成形にて複合化す
ることにより、汎用プラスチックと同様な強度を保ち、
しかも成形加工が容易であり生分解性複合材料を得るこ
とが出来る。また生分解性の原料を使用しているため土
中の微生物に容易に分解される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の方法に係る複合材料で使
用されるセルロース繊維としては、例えば、紙粉、木
材、綿、麻、藁、竹、籾殻、バガスなどの植物から得ら
れるセルロース、ヘミセルロース、リグノセルロース、
ベクトセルロースや菌が生産するバクテリアセルロース
などからなる繊維が挙げられる。
【0014】これらセルロース繊維は公知の種々の方法
で微細化したものが使用される。微細セルロースの大き
さは、長さ3000μm以下、直径50μm以下である
ことが好ましいが、これらの中にそれ以上の大きさの繊
維が一部に混じっていてもさしつかえない。
【0015】本発明の方法に係る複合材料で使用される
蛋白質としては、例えば、カゼイン、アルブミン、グル
テン、大豆蛋白、とうもろこし蛋白、ゼラチン、膠など
各種の動植物体や微生物から分離又は濃縮して得られる
ものが挙げられる。これらは、単独又は二種以上を混合
して使用することができる。これらは各々の蛋白質の溶
解に適したpHに調整した水に溶解して使用される。
【0016】本発明において成形材料に可塑性を付与す
る目的で可塑剤を使用するが、使用する可塑剤として
は、親水性のものが挙げられる。例えば、グリセリン、
ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール
等の多価アルコールが好ましく用いられる。これらは単
独及び二種以上混合して使用することができるが、これ
らに限定されるものではない。
【0017】使用原料の配合割合としては、微細セルロ
ース繊維100重量部に対し蛋白質2〜200重量部、
特に20〜100重量部、可塑剤2〜200重量部、特
に20〜100重量部が好ましい。
【0018】本発明の生分解性複合材料の製造方法を示
すと、先ず微細セルロース繊維と蛋白質及び可塑剤を十
分に混合する。混合する装置としてはヘンシェルミキサ
ー、リボンブレンダー等の混合機、ロールミル、らい潰
機等が使用される。この混合物を熱プレスすることによ
り本発明の生分解性複合材料が得られる。
【0019】熱プレス成形温度は、50〜250℃の範
囲、特に好ましくは120〜180℃の範囲である。熱
プレス成形圧は10〜200Kgf/cmの範囲であ
る。プレス成形時間は5秒〜20分、好ましくは1分〜
10分である。
【0020】尚、混合物を調整する際に、必要に応じて
着色剤、充填材、補強剤、架橋剤等の添加剤を添加する
ことができる。特に耐水性が要求される用途には、ポリ
エチレンワックス、パラフィンワックス、油脂類、シリ
コン系化合物、フッ素系化合物等を添加することにより
耐水性が向上される。また、これらの耐水性向上剤を成
形品に塗布することで耐水性を付与することもできる。
【0021】熱プレス成形による複合化の機構について
は詳細は明らかではないが、セルロース中の水酸基やカ
ルボニル基及び可塑剤の水酸基と、蛋白質のアミノ基や
カルボキシル基が熱プレス成形の間に互いに化学結合を
生じ複合化していることと推測される。
【0022】熱プレス形成することにより、各種成形品
及びシートが成形される。更に、得られたシートを真空
成形、圧空成形等で二次成形することで所望のトレイや
各種容器に成形することができる。
【0023】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。これらの例において、部は全て重量部を表わす。
【0024】引張り強度はJIS K7113に準じて
測定し、曲げ強度はJIS K7203に準じて測定し
た。微生物分解性試験は、試料を土中に埋め一週間毎に
掘り出し、その分解状態を観察して行った。
【0025】実施例1〜6 微細セルロース繊維(針葉樹漂白パルプを叩解したも
の、以下全て同様)と大豆蛋白及びグリセリンを表1に
示す比率で混合した後、熱プレス温度160℃、圧力1
20Kgf/cm、プレス時間2分間で、厚さ2mm
及び5mmのシートを得た。得られたシートの引張り強
度(2mmシートを使用)、曲げ強度(5mmシートを
使用)及び微生物分解日数(週)を表1に示した。
【0026】比較例1〜2 微細セルロース繊維の水分散液(濃度3%)と大豆蛋白
水溶液(濃度3%、pH8)及びグリセリンを表1に示
す比率で混合したものをガラス板に流延し、70℃で6
時間送風乾燥して、厚さ2mm及び5mmのシートを得
た。得られたシートの引張り強度(2mmシートを使
用)、曲げ強度(5mmシートを使用)及び微生物分解
日数(週)を表1に示した。
【0027】
【表1】 実施例7〜10 微細セルロース繊維とグルテン及びエチレングリコール
を表2に示す比率で混合した後、熱プレス温度140
℃、圧力120Kgf/cm 、プレス時間2分間
で、厚さ2mm及び5mmのシートを得た。得られたシ
ートの引っ張り強度(2mmシートを使用)、曲げ強度
(5mmシートを使用)及び微生物分解日数(週)を表
2に示した。
【0028】比較例3〜4 微細セルロース繊維とグルテン及びエチレン不リコール
を表2に示す比率で混合した後、上記実施例7〜10と
同様の条件で熱プレス成形し、厚さ2mm及び5mmの
シートを得た。得られたシートの引っ張り強度(2mm
シートを使用)、曲げ強度(5mmシートを使用)及び
微生物分解日数を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明の方法により得られる生分解性複
合材料は、優れた強度と微生物分解性を有し、成形加工
も容易であり、また、天然物を原料に用いているため分
解された後でも有害物質を生じないと云う特徴も有して
おり、包装材、農園芸用のフィルムや育苗ポット、土木
及び建材用の資材、成形トレイその他の成形体等の分野
において汎用プラスチック成形品、紙製品、パルプモー
ルド成形品等の代替材料として優れた効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 C08L 1/00 - 1/32 C08L 89/00 - 89/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細セルロース繊維と蛋白質及び可塑剤を
    混合し、熱プレス成形することを特徴とする生分解性複
    合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】熱プレス成形温度が50〜250℃であ
    り、熱プレス成形圧が10〜200Kgf/mである
    ことを特徴とする請求項1記載の生分解性複合材料の製
    造方法。
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