JP3315933B2 - 導電性シームレスベルト - Google Patents

導電性シームレスベルト

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JP3315933B2
JP3315933B2 JP23289598A JP23289598A JP3315933B2 JP 3315933 B2 JP3315933 B2 JP 3315933B2 JP 23289598 A JP23289598 A JP 23289598A JP 23289598 A JP23289598 A JP 23289598A JP 3315933 B2 JP3315933 B2 JP 3315933B2
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  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性シームレスベ
ルトに関し、より詳しくは、複写機、ファクシミリ、プ
リンター等の電子写真方式または静電印刷方式にて画像
形成を行う画像形成装置内で、シート材搬送ベルト、転
写ベルト、中間転写ベルト、定着ベルト、現像ベルト、
感光体基体用ベルト等に使用される導電性シームレスベ
ルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機、ファクシミリ、プリ
ンター等の電子写真方式または静電印刷方式にてトナー
画像の形成を行う画像形成装置内では、シート材搬送ベ
ルト、転写ベルト、中間転写ベルト、定着ベルト、現像
ベルト、感光体基体用ベルト等に導電性シームレスベル
トを用いている。
【0003】例えば、転写領域においては、導電性シー
ムレスベルトは一般に転写ベルトと呼ばれており、例え
ば、図1のような形態で用いられている。すなわち、転
写ベルト1は2個以上(図では2個)のプーリー2によ
って張架状態とされてプーリー2の駆動によりベルトの
長手方向(図中矢印X方向)に回転移動するようになっ
ている。そして、回転移動するベルト1の上側の直線状
部分3に紙等のシート材4を担持して搬送する。一方、
感光体10はシート材4の搬送に同期して図中の矢印Y
方向に回転移動し、感光体10上のトナーTがシート材
4の表面に近接または接触する位置に運ばれる。また、
回転移動する転写搬送ベルト1の下側の直線状部分5に
は電極、帯電ローラ等の帯電手段6が接触しており、該
帯電手段6により転写搬送ベルト1の表面はトナーTの
電荷とは逆極性に帯電される(トナーTの電荷がプラス
(+)の場合はマイナス(−)に、トナーTの電荷がプ
ラス(−)の場合はプラス(+)に帯電される)。よっ
て、感光体10上のトナーTはシート材4の表面に近接
または接触した時に、トナーTと逆の電荷に帯電されて
いる転写ベルト1の電荷に引き付けられて、シート材4
の表面に転写される。
【0004】上記のように、転写ベルトは2個以上のプ
ーリーによって張架状態とされてプーリーの駆動により
回転運動するようになっている。よって、長期間良好な
転写特性を得るためには、転写ベルトには長期に亘って
張架状態としても伸びることなく安定走行することが要
求される。これは、転写ベルトに伸びが生じると、回転
ムラを生じて、シート材を一定速度で一定の走行状態に
て移動することが困難となり、シート材に転写される感
光体上のトナーが本来転写されるべき位置からずれて、
所謂、転写ズレを生じてしまうためである。
【0005】また、電子写真方式または静電印刷方式に
てトナー画像の形成を行う画像形成装置では、例えば、
ジャンピング現像法等の現像スリーブ表面にブレードに
よりトナー薄層を形成して該トナー薄層を静電潜像保持
体表面に近接または接触させて現像を行う一成分現像方
式を用いた装置があるが、近年、図2に示すように、現
像スリーブを用いる代わりにゴムを主成分とする弾性シ
ームレスベルト20をプーリー21a、21bにより張
架状態にして回転運動させ、該回転運動するベルト(現
像ベルト)20の表面にブレード22によりトナー薄層
23を形成して、これを感光体24に近接または接触さ
せて現像を行う方法が使用されている。かかる磁性キャ
リアを用いずにトナーのみの薄層で現像を行う一成分現
像方式では、良好な現像特性を得るためには均一な厚み
のトナー薄層を形成するかが重要である。よって、現像
ベルトを用いる場合、均一な厚みのトナー薄層を形成す
るには、現像ベルトが張架状態としても伸びることな
く、ベルトが波打ったりぜずに安定走行することが要求
される。
【0006】また、定着領域では、導電性シームレスベ
ルトは一般に定着ベルトと呼ばれ、多くの場合、加熱手
段(例えば加熱ロール)と対向する位置で上記転写ベル
トと同様に2個以上のプーリーによって張架状態とされ
てプーリーの駆動によって回転運動し、トナーが転写さ
れたシート材をその上面に担時して搬送してシート材上
の転写されたトナーをシート材に定着するようになって
いる。よって、かかる定着領域においても、長期間良好
な定着性能が得られためには、導電性シームレスベルト
は、長期に亘って張架状態としても伸びることなく安定
走行することが要求される。
【0007】また、所謂、ベルト状感光体においては、
導電性シームレスベルトを導電性基体として該基体上に
感光層を形成している。感光体は画像形成プロセスの初
期段階において感光層表面に静電潜像を形成するための
ものであり、よって、繰り返し安定した画像形成プロセ
スが行われるにはベルト状感光体、すなわち、導電性シ
ームレスベルトが伸びることなく安定走行することが要
求される。
【0008】一方、フルカラー画像を形成する画像形成
装置では、図3に示すように、感光体10等に形成され
たトナー像を一次的に弾性シームレスベルトからなる中
間転写ベルト11に転写し、次いで、該中間転写ベルト
11に転写されたトナーをシート材4に二次的に転写す
る作業が行われる。すなわち、感光体10は矢印A方向
に回転する一方、中間転写ベルト11が3個のプーリー
7、8、9により張架状態とされてプーリー7、8、9
の駆動により矢印B方向に回転運動し、感光体10の表
面に形成されたトナー像が感光体10の表面と中間転写
ベルト11の直線状部11Aの接触部において中間転写
ベルト11に転写され、該一次転写されたトナー像がプ
ーリー9と転写ローラ12間に挿入されるシート材4に
二次転写される。なお、図中、13は露光用光学系、1
4は帯電器、15は現像器、16は感光体用のクリーニ
ングブラシ、17は中間転写ベルト11の内部に設けら
れた転写用チャージャーである。かかる転写プロセスは
中間転写ベルトへ異なる色相のトナー像を転写して重
ね、重ねたトナー像を一括してシート材に転写すること
により、異なる色相のトナー像を形成する度にシート材
を感光体と近接する領域に搬送してシート材にトナーを
転写するという煩雑な作業を解消している。この中間転
写ベルト11は、上記転写ベルトや定着ベルトのよう
に、シート材をベルト上に担持して搬送するものではな
く、ベルト上にトナー像が転写され、該一次転写された
トナー像をシート材に二次転写するものであるが、かか
る中間転写ベルトにおいてもベルトの伸びは致命的で、
ベルトの伸びにより転写ズレ(トナーがベルトの本来転
写されるべき位置からずれた位置に転写される)やトナ
ーの転移不良(転写されるべきトナーが転写しない転写
抜け)を発生し、所望のカラー画像が形成できなくなっ
てしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】画像形成装置内で使用
する導電性シームレスベルトとしては、例えば、ポリカ
ーボネート樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂にカー
ボンブラック等の導電性充填剤を配合したものや、ゴム
に導電性充填剤とともにシリカや酸化マグネシウム等の
補強用充填剤を配合したものが知られていおり、これら
は張架状態で回転運動させても比較的伸びを生じにくい
ものである。しかしながら、柔軟性に乏しく厚み方向の
バネ定数が高いため、例えば、転写ベルト(中間転写ベ
ルト)においては感光体とのニップ量を大きくできず、
転写効率が低下したり、また、定着ベルトにおいては加
熱ロールとのニップ量を大きくできず良好な定着性が得
られない場合がある。
【0010】また、上記ゴムをポリマー材料に用いたベ
ルトでは、ベルトの弾性率等を調整するために架橋ゴム
を用いる場合があり、この場合はゴムに不飽和カルボン
酸等のビニル系モノマー及び有機過酸化物等の架橋剤を
添加してゴムを架橋しているが、架橋剤や未反応のモノ
マーがベルト使用時にブリードアウトし、感光体等を汚
染してしまうことがある。
【0011】一方、近年の画像形成装置の普及はめざま
しく、画像形装置により得られるトナー画像の画質もよ
り高いレベルのものが求められるようになってきてい
る。このため、シート搬送、転写、現像、定着等の各種
プロセスに使用される導電性シームレスベルトはより一
層の安定走行が求められるようになってきており、単
に、伸びにくいだけでなく、ベルトに振動が加わった場
合には振動が速やかに減衰し、しかも、感光体等の被接
触部材にはソフトにかつ均一に接触する柔軟性が要求さ
れている。例えば、ベルトが振動したまま走行したり、
感光体等への追従性が低下した場合、モノカラー画像
(単色トナーの画像)では問題にならないレベルの転写
ズレであっても、フルカラー画像(シアントナー、イエ
ロートナー、マゼンダトナー、ブラックトナーの4色ト
ナーの重ね合わせ画像)の場合には色ズレを発生し、画
像劣化が顕著に現れる。
【0012】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たもので、電子写真方式または静電印刷方式にて画像形
成を行う画像形成装置内で少なくとも2個以上のプーリ
ーにより張架状態で回転運動させて使用する導電性シー
ムレスベルトであって、感光体等を汚染することがな
く、厚み方向に適度な柔軟性を有すると共に、長期に亘
って連続運転しても長さ方向に伸びが生じず、しかも、
制振性に優れた導電性シームレスベルトを提供すること
を課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、体積固有抵抗値が1×104 〜1×10
12Ω・cmの範囲にある導電性ベース層を備えた導電性
シームレスベルトであって、上記導電性ベース層は融点
が160〜210℃の範囲のポリエステルポリエーテル
樹脂に導電性充填剤を分散させてなり、23℃、10H
z、伸長歪み4%の測定条件で測定した時の損失正接
(tanδ)が0.1〜0.2の範囲にあることを特徴
とする導電性シームレスベルトを提供している。
【0014】本発明の導電性シームレスベルトは、導電
性ベース層単体で構成しても、また、ベルトにより良好
な表面特性等を付与するために、上記導電性ベース層の
表面に導電性ベース層とは異なる材質の表面層を形成し
てもよい。この場合、表面層の厚みは、導電性ベース層
に表面層を積層したベルトの体積固有抵抗値が導電性ベ
ース層単体の体積固有抵抗値と殆ど変わらない程度の極
薄の厚みとする。
【0015】また、上記導電性ベース層は23℃、10
Hz、伸長歪み4%の測定条件で測定した時の動的弾性
率が2.5×108 〜2.0×1011dyn/cm2
範囲にあることが好ましい。
【0016】なお、上記損失正接(tanδ)と動的弾
性率はレオロジー(株)製の粘弾性スペクトルメーター
を用いて測定した数値である。
【0017】上記本発明の導電性シームレスベルトで
は、融点が特定範囲のポリエステルポリエーテル樹脂に
導電性充填剤を添加してシームレスベルトを形成するこ
とで、厚み方向には適度な柔軟性を有する一方、長さ方
向には伸びにくく、しかも、振動性にも優れたシームレ
スベルトを得ている。これにより、例えば、転写ベルト
(中間転写ベルト)として用いた場合には、転写ズレや
転写不良を発生することなく良好な転写性能を長期に亘
って得ることができる。また、シート搬送ベルト、現像
ベルト、定着ベルト、ベルト状感光体の基体ベルト等に
使用すると、それぞれについて従来よりも良好な性能を
得ることができ、その結果として高画質化を達成するこ
とができる。
【0018】融点が160℃より小さいポリエステルポ
リエーテル樹脂を用いた場合、ハードセグメントである
ポリエステルの割合が少な過ぎるため、導電性ベース層
の損失正接(tanδ)が0.2より大きくなり、その
結果、導電性ベース層(ベルト)に引張力が長期にわた
って作用した場合に、応力緩和を引き起こしてベルトの
伸びが生じてしまう。また、融点が210℃より大きい
ポリエステルポリエーテル樹脂を用いた場合は、結晶性
が高くなり過ぎて、導電性ベース層(ベルト)の損失正
接(tanδ)が0.1より小さくなり、ベルトに振動
が加わった場合に振動が速やかに減衰しなくなる。ま
た、ベルトの弾性率が高くなりすぎ、ベルトの厚み方向
の柔軟性が損なわれて、感光体表面等のベルトの被接触
面への追従性が悪くなる。よって、ポリエステルポリエ
ーテル樹脂は好ましくは融点が170〜200℃の範囲
のものを用いるのがよい。
【0019】上記したように、本発明では上記導電性ベ
ース層の23℃、10Hz、伸長歪み4%の測定条件で
測定した時の動的弾性率が2.5×108 〜2.0×1
11dyn/cm2 の範囲にあるのが好ましい。これ
は、動的弾性率が2.5×10 8 dyn/cm2 以上で
あると導電性ベース層はベルトの引っ張り方向に対して
伸びがより生じにくくなるが、動的弾性率が2.0×1
11dyn/cm2 を越える程度まで大きくなると、導
電性ベース層の厚み方向(ベルトの厚み方向)への弾性
率が高くなり過ぎて、ベルトの感光体表面等への追従性
が低下する傾向を示すためである。
【0020】上記導電性充填剤としては、カーボンブラ
ック、酸化スズ、酸化チタン(表面が酸化スズで被覆さ
れたものも含む)等の金属酸化物、または、導電性シリ
カ、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム等の金属粉等を用
いることができる。これらの充填剤は単独でも2種以上
を混合して用いてもよい。
【0021】カーボンブラックとしては、例えば、チャ
ンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラ
ック等の各種カーボンブラックを用いることができ、平
均粒径が18〜120nm、とりわけ22〜90nmの
範囲にあるものが好適に用いられる。
【0022】上記導電性充填剤はポリエステルポリエー
テル樹脂100重量部に対して10〜50重量部、好ま
しくは10〜35重量部の範囲から所要の配合量を決定
する。すなわち、画像形成装置内での導電性シームレス
ベルトの体積固有抵抗値は一般に1×104 〜1×10
12Ω・cmの範囲内でその適用プロセスに応じた値に設
定している。よって、本発明においても、ポリエステル
ポリエーテル樹脂に対して導電性充填剤を上記範囲内で
配合して、導電性ベース層の体積固有抵抗値が1×10
4 〜1×1012Ω・cmの範囲内でその適用プロセスに
応じた値となり、かつ、導電性ベース層の損失正接(t
anδ)が上記0.1〜0.2の範囲内となるように調
整している。ここでの体積固有抵抗値はJIS K69
11の「5.13 抵抗率」に記載の方法に従って求め
られる体積抵抗率ρV である。
【0023】また、ポリエステルポリエーテル樹脂には
導電性充填剤とは別に例えば炭酸カルシウム、シリカ、
クレー、タルク、硫酸バリウム、ケイ藻土等の補強用の
充填剤を配合してもよい。ただし、かかる補強用の充填
剤を配合する場合、ゴム組成物の損失正接(tanδ)
が上記の数値範囲を越えて大きくなったり、製造時の加
工性が低下したりすることがない配合量とする。
【0024】また、導電性ベース層の柔軟性を増すため
に、ポリエステルポリエーテル樹脂には、例えば、ステ
アリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、綿実油、トール
油、アスファルト物質、パラフィンワックス等の軟化剤
を配合してもよい。また、可塑剤として、例えば、ジメ
チルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸系化
合物、ジオクチルアジペート等のアジピン酸系化合物、
ジブチルセバケート等のセバチン酸系化合物、安息酸系
化合物等を配合してもよい。また、導電性ベース層の耐
久性を向上させるために、老化防止剤として、例えば2
−メルカプトベンゾイミダゾール等のイミダゾール類、
フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−β−ナ
フチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’
−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等のアミン
類、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェ
ノール等のフェノール類等を配合してもよい。
【0025】導電性ベース層の厚みは、0.1〜1.0
mm、好ましくは0.3〜0.7mmとするのがよい。
これは、前記範囲よりも厚みが小さくなるとベルトの張
力が低くなり、プーリーとベルトとの間ですべりを発生
しやすくなり、前記範囲よりも厚みが大きくなると、ベ
ルトの張力が高くなってプーリーの駆動系に負担がかか
るためである。
【0026】 導電性ベース層の表面に表面層を設ける
場合、例えばウレタン樹脂、フッ素樹脂等を薄膜を形成
するのが好ましい。該薄膜は静電塗装機等を用いて導電
性ベース層の表面にコーティングする。該ウレタン樹
脂、フッ素樹脂等の薄膜を形成すると、ベルト表面の化
学的安定性が向上するとともに表面抵抗率が安定化し、
更にベルト表面に付着したトナーのクリーニング性が向
上する。表面層の厚さは、通常、1〜10μm、好まし
くは5μm程度の薄厚とする。
【0027】本発明において、導電性ベース層の製造方
法は特に限定されるものではないが、通常、ポリエステ
ルポリエーテル樹脂に導電性充填剤等を混練し、該混練
物をシームレスベルト状に成形する。混練はオープンロ
ール、ニーダー、密閉式混練機、一軸押出機、二軸押出
機等で混練し、該混練組成物を射出成形、プレス成形、
押出成形等の従来公知の成形方法でシームレスベルト状
(無端のベルト状)に成形する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態(実施
例)と比較例により更に詳しく説明する。下記表1の上
段に記載した配合からなる原料をニーダーで混練し、該
混練物を180℃で幅360mm、内径φ100mm、
厚み1.5mmの筒状の金型に流し込んだ後、常温まで
冷却して脱型した。筒状成形物の表面を円筒研削盤を用
いて研磨して筒状成形物の厚みを0.5mmに調整し、
研磨後の表面に静電塗装機でウレタン樹脂を塗布して、
厚み5μmの表面層を形成して各実施例及び比較例の導
電性シームレスベルトを完成させた。
【0029】
【表1】
【0030】表1の上段中の数値は全て重量部である。
また、表1の上段におけるDCPはジクミルパーオキサ
イドである。
【0031】以上作製した各実施例及び各比較例の導電
性シームレスベルトについて、体積固有抵抗値を測定す
るとともに、レオロジー(株)の粘弾性スペクトルメー
ターを用いて、23℃、10Hz、伸長歪み4%の測定
条件で損失正接(tanδ)と動的弾性率を測定した。
【0032】また、各実施例及び各比較例の導電性シー
ムレスベルトにおける長期伸長による応力緩和の有無、
転写ズレの有無、トナーの転移不良の有無、感光体汚染
の有無等について試験を行った。
【0033】(長期伸長による応力緩和の有無)ベルト
をプーリーで張架して、18kg/cm2 の応力をかけ
た際の初期の伸びを保持したまま、2時間後の応力を測
定し、応力の減少率(%)を下記の式(1)により測定
し、応力の減少率(%)が30%以下のときを合格
(○)、応力の減少が30%より大きい場合を不合格
(×)とした。
【0034】 減少率(%)=[1−(2時間後の応力/初期応力)]×100……(1)
【0035】(転写ズレの有無)ベルトを市販の電子写
真複写機に図3に示すように中間転写ベルトとして搭載
して、ベルトのA4用紙の長手方向の一端側に短手方向
に走る直線状の基準線を引き、該基準線より長手方向の
他端側に向けて270mm離間した位置に短手方向に走
る直線状の標線を引いた原稿を用いてA4の転写用紙で
複写を行い、複写物のベルト駆動方向への画像のズレを
調べた。すなわち、実際の標線の複写位置の理想的な複
写位置(基準線の複写位置から270mm離れた位置)
からのズレを調べた。理想的な複写位置からのズレが5
0ミクロン未満の場合を合格(○)、50ミクロン以上
の場合を不合格(×)とした。
【0036】(トナーの転移不良の有無)黒べた原稿を
用い、市販の電子写真複写機でA4の転写用紙で複写を
行って、複写物を目視でチェックして、目視可能な転移
抜け(白い部分)の有無を調べた。目視可能な転移抜け
(白い部分)がない場合を合格(○)、目視可能な転移
抜け(白い部分)が発生している場合を不合格(×)と
した。
【0037】(感光体汚染の有無)市販の電子写真複写
機の感光体上にベルトを3×5mmの大きさにカットし
たものを貼り付けて40℃、90%で1週間放置後、ベ
ルトを取り外し、ハーフトーン原稿を用いて複写を行っ
て、複写画像を目視で観察し、複写画像に不要な汚れが
発生していないかをチェックした。
【0038】以上の試験結果をベルトの物性とともに表
1の下段に記載した。いずれの実施例及び比較例も従来
の架橋ゴムでベルトを形成した場合のような感光体の汚
染は発生しなかった。
【0039】しかしながら、比較例1の融点が217℃
のポリエステルポリエーテル樹脂を用いたものは、損失
正接(tanδ)が0.1より小さくなり過ぎ、動的弾
性率は3.0×1011dyn/cm2 まで上昇し、ベ
ルトに振動が加わった場合に振動が速やかに減衰せず、
また、ベルトの厚み方向の柔軟性が乏しいため感光体表
面へのベルトの追従性が悪く、及びトナー転移不良を発
生した。
【0040】また、比較例2の融点が154℃のポリエ
ステルポリエーテル樹脂を用いたものは、損失正接(t
anδ)が0.2よりも大きくなり、応力緩和を引き起
こして、転写ズレも発生した。
【0041】一方、融点が163℃〜196℃の範囲の
ポリエステルポリエーテル樹脂を用いた実施例1〜5で
は、損失正接(tanδ)が0.1〜0.17の範囲に
あり、かつ、動的弾性率も8×10〜1.2×10
11dyn/cm2 の範囲にあり、いずれも応力緩和を
起こさず、ベルトの振動減衰性及びベルトの厚み方向の
柔軟性も優れ、転写ズレやトナー転移不良も発生せず、
良好な画質の画像を得ることができた。
【0042】なお、ここでは導電性シームレスベルトを
中間転写ベルトとして用いた場合について記載したが、
実施例1〜5のベルトと同じポリエステルポリエーテル
樹脂を用い導電性充填剤の配合量を変更してベルトを寸
法調整を行ったものを転写ベルト、定着ベルト、現像ベ
ルトとして使用したが、この場合も従来よりも性能改善
された良好な結果を得ることができた。
【0043】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の導電性シームレスベルトによれば、厚み方向には適度
な柔軟性を有すると共に、プーリーにより張架状態とし
て回転運動させても、ベルトは伸びを生じることなく、
かつ、大きく振動することなく安定走行する。よって、
従来よりも改善された転写性能、シート搬送性能、定着
性能、現像性能等を奏することとなり、高品質な画像形
成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像形成装置内で導電性シームレスベルトを
転写ベルトとして使用している状態の概略平面図であ
る。
【図2】 画像形成装置内で導電性シームレスベルトを
現像装置の現像ベルトとして使用している状態の概略平
面図である。
【図3】 画像形成装置内で導電性シームレスベルトを
中間転写ベルトとして使用している状態の概略平面図で
ある。
【符号の説明】
7、8、9 プーリー 10 感光体 11 中間転写ベルト 12 転写ローラ 13 露光用光学系 14 帯電器 15 現像器 16 感光体用のクリーニングブラシ 17 転写用チャージャー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 15/20 102 G03G 15/20 102 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 5/02 G03G 5/10 G03G 15/00 G03G 15/08 501 G03G 15/16 G03G 15/20 102

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体積固有抵抗値が1×104 〜1×10
    12Ω・cmの範囲にある導電性ベース層を備えた導電性
    シームレスベルトであって、 上記導電性ベース層は融点が160〜210℃の範囲の
    ポリエステルポリエーテル樹脂に導電性充填剤を分散さ
    せてなり、23℃、10Hz、伸長歪み4%の測定条件
    で測定した時の損失正接(tanδ)が0.1〜0.2
    の範囲にあることを特徴とする導電性シームレスベル
    ト。
  2. 【請求項2】 上記導電性ベース層の23℃、10H
    z、伸長歪み4%の測定条件で測定した時の動的弾性率
    が2.5×108 〜2.0×1011dyn/cm2 の範
    囲にある請求項1に記載の導電性シームレスベルト。
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