JP3310456B2 - 塗布具 - Google Patents

塗布具

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JP3310456B2
JP3310456B2 JP11370394A JP11370394A JP3310456B2 JP 3310456 B2 JP3310456 B2 JP 3310456B2 JP 11370394 A JP11370394 A JP 11370394A JP 11370394 A JP11370394 A JP 11370394A JP 3310456 B2 JP3310456 B2 JP 3310456B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、文字を書いたり色を塗
る等の用途に用いる塗布具に関するものであり、特にロ
ーラの回転によってインキを転写する塗布具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】手軽な塗布具としてボールペンが広く普
及している。ところがボールペンは、インキを塗布面に
転写する部材が文字通りボールであり、塗布面と点接触
するものであることから、太い線を描いたり、広い面も
塗りつぶす等の用途には適当ではない。
【0003】そこで、ボールペンのボールに代わってロ
ーラを採用し、ローラによって幅の広い線を描く塗布具
が提案されている。従来技術の塗布具は、周知のボール
ペンのボールをローラに置き代えたものであり、インキ
溜の先端に設けられたホルダー内に、ローラが収納され
たものである。従来技術においては、ローラは中実であ
る。
【0004】またボールペンの技術分野においては、ボ
ールの脱落の防止は、ボール保持部の先端をかしめた
り、ボール保持部の開口を狭く作ってボールを圧入する
ことによって成されている。
【0005】さらにボールペンの技術分野においては、
ボールのインキ溜側の部分は、ボール保持部の内面と直
接当接している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の塗布具は、
着想として優れたものがある。そこで本発明者らは、ボ
ールペンのボールをローラに置き換えた塗布具を試作し
た。ところが、この塗布具は衝撃に弱く、衝撃を受ける
とローラがローラ保持部から簡単に脱落してしまう欠点
があった。そこで、ボール保持部の先端のかしめ方を工
夫したり、ボール保持部の開口を調節する等の様な、ボ
ールペンの技術分野で行われている手法によってローラ
の脱落防止を試みてみたが、いずれも満足の行く結果は
得られなかった。この原因について研究すると、塗布具
で採用しようとするローラは、ボールペンのボールに比
べて質量が大きいため、塗布具が衝撃を受けた場合にロ
ーラが受ける慣性力が大きく、この慣性力にボール保持
部の開口の剛性が耐えられないためであると言う結論に
至った。
【0007】そこで本発明は、ローラを用いた塗布具の
欠点を改善し、塗布具の対衝撃性を向上させ、実用的な
塗布具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ための本発明は、ローラ収納部およびインキ流通孔が設
けられたホルダーがインキ溜の先端に装着されて成る塗
布具において、ホルダーは先端開口を有し、ホルダーの
ローラ収納部には円柱状のローラが配され、前記ローラ
は中空体であり、当該先端開口の幅は、ローラの直径よ
りも小さいことを特徴とする塗布具である。
【0009】上記した発明の実施態様としての発明は、
ローラは中心に孔が設けられた中空体であり、該中心の
孔には軸が挿入され、当該軸がホルダーによって支持さ
れていることを特徴とする塗布具である。
【0010】同じく上記した発明の実施態様としての発
明は、ローラは中心に孔または凹部が設けられた中空体
であり、前記ローラ収納部の内部の端面には、突起が設
けられており、当該突起はローラの孔または凹部に係合
していることを特徴とする。
【0011】また前記した発明と同様の目的を達成する
ための発明は、ローラ収納部およびインキ流通孔が設け
られたホルダーがインキ溜の先端に装着されて成る塗布
具において、ホルダーは先端開口を有し、ホルダーのロ
ーラ収納部には円柱状のローラが配され、前記ローラは
多孔質体であり、前記ホルダーは先端開口を有し、当該
先端開口の幅は、ローラの直径よりも小さいことを特徴
とする塗布具である。
【0012】以上説明した発明のいずれにも共通する実
施態様は、前記ローラ収納部は先端側に開口を有し、イ
ンキ流通孔側には底面部が設けられており、当該ローラ
収納部の底面部の内面には、1以上の突起が設けられて
おり、該突起の先端部の幅の合計は、前記ローラの幅の
5分の3以下であり、前記ローラは前記突起によって支
持されていることを特徴とする。
【0013】同じくもう一つの実施態様としての発明
は、前記ローラ収納部は先端側に開口を有し、インキ流
通孔側には底面部が設けられており、前記インキ流通孔
内には中継芯が配されており、中継芯の先端は前記ロー
ラと当接し、前記ローラは、中継芯によってローラ収納
部の開口に向かって押圧されていることを特徴とするも
のである。さらに、もう一つの実施態様としての発明
は、前記ローラ収納部は先端側に開口を有し、インキ流
通孔側には底面部が設けられており、当該ローラ収納部
の底面部は、その断面形状が2段以上のテーパまたは円
弧状であることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の塗布具は、ローラ収納部およびインキ
流通孔が設けられたホルダーがインキ溜の先端に装着さ
れ、このホルダーのローラ収納部に、円柱状のローラが
配された構成であるため、インキ溜内のインキは、毛細
管現象や重力によってインキ流通孔を経てローラ収納部
に入る。そしてローラ収納部内でインキはローラと接す
る。従ってローラを紙等に押し当てて塗布具を移動させ
ると、ローラが転がり、ローラに付着したインキが紙等
に転写される。
【0015】本発明の塗布具では、ローラに中空体(請
求項1)や多孔質体(請求項4)が採用されているの
で、ローラの質量が軽い。従って本発明の塗布具が衝撃
を受けた際に、ローラに発生する慣性力は小さい。その
ため本発明の塗布具が衝撃を受けても、ローラ収納部は
ローラを保持し続けることができる。
【0016】また請求項2記載の塗布具では、中空体に
軸が挿入され、この軸がホルダーによって支持されてい
るので、相当に大きな衝撃を受けても、ローラが脱落す
ることはない。また同じく請求項4記載の塗布具でも、
ローラの孔または凹部にローラ収納部の突起が係合する
ので、前記した軸を設けた場合と同様の作用を奏する。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
構成に加えてローラ収納部の内面に突起が設けられてお
り、ローラはこの突起によって支持されている。そのた
め、ローラはこの突起によってローラ収納部の内面から
浮いた状態にある。ここで先端部の幅の合計がローラの
幅の5分の3以下であるから、筆記時にローラと突起と
の接触面積は少ない。その結果本発明の塗布具は、ロー
ラが回転する際の摩擦抵抗が小さい。
【0018】また請求項6記載の塗布具では、中継芯の
先端は前記ローラと当接し、前記ローラは、中継芯によ
ってローラ収納部の開口に向かって押圧されているの
で、ローラは中継芯によってあたかも浮き上げられた状
態になっている。そのため本発明の塗布具も、前記した
請求項5記載の塗布具と同様に、筆記時にローラと底面
部との接触面積が少なく、ローラが回転する際の摩擦抵
抗が小さい。
【0019】請求項7記載の発明は、上記した請求項1
乃至6の構成に加えてローラ収納部の底面部の断面形状
を、2段以上のテーパまたは円弧状とし筆記能力をさら
に向上させたものである。
【0020】即ちローラを利用した塗布具では、ローラ
の直径や長さが、ポールペンのボールに比べて大きいた
め、ローラとローラ収納部の底面部側との間の隙間が大
きくなりがちである。その結果当該部分にインキが多量
に残留することとなるが、このインキは、塗布具を逆さ
にして放置すると、インキ溜の中に戻ってしまい、当該
部分が空気と置換されて空洞ができる。そのため従来技
術の塗布具では、筆記開始時にインキがかすれる問題が
あった。これに対して請求項7記載の筆記具では、ロー
ラ収納部の底面部の断面形状が、2段以上のテーパまた
は円弧状となっているので、ローラとローラ収納部の底
面部側との間の隙間が小さい。そのため、当該部分に存
在するインキは、ローラおよびローラ収納部間の毛細管
力によって止り、落下することはない。
【0021】
【実施例】以下さらに本発明の具体的実施例について説
明する。図1は、本発明の具体的実施例の塗布具のホル
ダー部分の正面図である。図2は、図1の塗布具のホル
ダー部分の正面断面図である。図3は、図1の塗布具の
ホルダー部分の側面断面図である。図4は、図2の要部
拡大図である。図5は、図3のホルダーの要部拡大図で
ある。図6は、図3の要部拡大図である。図7は、図1
の塗布具の一部断面分解斜視図である。
【0022】図1乃至図7において、1は、本発明の具
体的実施例における塗布具を示す。本実施例の塗布具1
の基本構成は、公知のボールペンと同様であり、インキ
溜2の先端にホルダー3が装着され、さらにインキ溜2
の外側にペン軸5が取り付けられたものである。そして
本実施例に特有の構成として、ホルダー3には中空のロ
ーラ7が回転可能に収納されている。
【0023】各部材の構成を説明すると、インキ溜2と
ペン軸5は、ボールペンのそれと全く同一であり、合成
樹脂によって作られた筒である。
【0024】ホルダー3は、ローラ7を保持する部材で
あり、ポリアセタール、ポリプロピレン等の射出成形や
金属の切削加工によって作られたものである。ホルダー
3の外観形状は、大きく分けてインキ装着部8,ペン軸
挿入部9,露出部10の3つの部分に区分される。イン
キ装着部8は、断面が円形であり、その外形は、前記し
たインキ溜2の内径にほぼ等しい。またインキ装着部8
の底面にはインキ導入孔11が開口している。
【0025】ペン軸挿入部9も断面形状は円であるが、
インキ装着部8よりもやや太く作られている。ペン軸挿
入部9の外径は、ペン軸5の内径にほぼ等しい。またペ
ン軸挿入部9には、軸方向に2つの溝12が設けられて
いる。この溝12は、ペン軸5の内外の気圧を等しくし
て、インキ装着部8からホルダー3へのインキの流出を
円滑化させる作用を行う。
【0026】露出部10は、ペン軸挿入部9との境界部
分の断面形状が円形であり、先に行く程細くなってい
る。そして、先端部分は、稜線形をしている。即ち露出
部10の先端は、中心軸に対して垂直方向に延びてい
て、頂面の幅は狭い。そして、露出部10の先端には、
長方形の先端開口15が設けられている。この先端開口
15の幅は、ローラ7の直径よりも幾分小さい。
【0027】次にホルダー3の内部に目を移すと、図
2、図3のように前記したインキ導入口11と、先端開
口15は、インキ流通孔17及びローラ収納部18を介
して連通している。ここでインキ流通孔17は、断面形
状がなだらかに変化し、断面が円形のインキ導入孔11
から、断面が長方形のローラ収納部18にインキが滞り
なく送られるように工夫がされている。即ちインキ流通
孔17は、インキ導入孔11側から、円柱状部19、絞
部20、およびスリット21の3つの部分から成る。順
次述べると、インキ流通孔17の内、インキ導入孔11
から、露出部10付近までの間は、平面から見た断面形
状が円形であり、当該部分は円柱状部19となってい
る。そして、露出部10とペン軸挿入部9との境界付近
から先端側は、二面が削られた(ホルダー3の内部が肉
盛りされた)状態になっており、孔の平面から見た断面
形状は次第に絞られている。
【0028】絞部20の頂面からは、スリット21が設
けられている。そしてスリット21の先端は、ローラ収
納部18に開口している。尚本実施例では、ローラ収納
部18へのスリット21の開口形状は、長方形をしてい
るが、楕円等他の形状であってもよい。
【0029】ローラ収納部18はローラ7が回転可能に
配置される室である。ローラ収納部18の内法の長さ
は、後記するローラ7の全長よりも、100分の1mm
程度大きく設計されており、ローラ7の端面13を圧縮
しない状態で保持することができる。前記したスリット
21は、ローラ収納部18の底面部23に開口してお
り、スリット21の中心線とローラ収納部18の軸中心
線の方向は一致する。そしてローラ収納部18の底面部
23には、スリット21からローラ収納部18に向かっ
て広がるテーパが形成されている。
【0030】尚、本実施例の底面部23に設けられたテ
ーパは、図5の様に2段テーパになっており、スリット
に連続する鈍角テーパ28と、これに続く鋭角テーパ2
9によって構成されている。この様に二段のテーパを設
けた理由は、ローラ7と、ローラ収納部18の内壁との
隙間を小さくして、インキの空気との置換を防ぐためで
ある。
【0031】即ちローラ7の直径は、ボールペンのボー
ルのそれよりも大きい。従って単に底面部23をテーパ
形状にしただけでは、どうしてもローラ7と、ローラ収
納部18の内壁との間に隙間ができてしまう。ローラ7
と、ローラ収納部18の内壁にある程度の隙間があるこ
とは、ローラ7の回転を円滑化する上で望ましいことで
あるが、これが過度に大きい場合は、塗布具を逆さまに
立てた場合に、インキがインキ溜2の方向に落下してし
まう。そこで本実施例では、底面部23に二段テーパを
設けてローラ7とローラ収納部18との隙間を小さく
し、インキの落下を防止したものである。本実施例と同
様の作用効果は、当該部分を3段以上のテーパとした
り、円弧状とすることによっても達成可能である。
【0032】ローラ収納部18の底面部23は突起25
が5列形成されている。本実施例で採用する突起25
は、図4,図7の様にスリット21を挟んでローラ収納
部18の底面部23の短辺方向の全域に渡って延びてい
る。即ち突起25の稜線の方向は、スリット21の開口
に対して直角方向に延びる。従って突起25の稜線の方
向は、ローラ収納部18にローラ7が取り付けられた
際、ローラ7の軸線に対して垂直に位置する。
【0033】また突起25はローラ収納部18の底面部
23に設けられており、その高さは端部を除いてほぼ一
定であるので、突起25の稜線もローラ収納部18に向
かって広がる二段テーパを形成している。
【0034】突起25の断面形状を図4を参照しつつ説
明すると、突起25の幅Aは、0.05mmから0.5
mm程度が好ましい。また突起25の高さBは、筆圧に
よってローラ7が押された時に、ローラ7の表面がロー
ラ収納部18の底面部23と当接しない程度の高さであ
る事が望ましく、具体的には、0.02mmから0.1
mm程度が好ましい。
【0035】また突起25の数は、ローラ7を安定して
支持するために2以上であることが望ましい。しかしな
がら、過度に突起25の数を増加させると、突起25の
頂面と、ローラ7の表面との当接面積が増加してしまう
ので、突起25の数は、先端部分の幅Aの合計が、ロー
ラ7の幅の5分の3以下になるように配慮する必要があ
る。尚、先端部分の幅Aの合計が、ローラ7の幅の5分
の3を越えると、ローラ7の表面と、突起25との当接
面積が大きくなってしまい、ローラの摩擦抵抗が、ロー
ラ7を直接ローラ収納部18の底面部23に当接させた
場合と大差ない状態になってしまう。
【0036】その一方、突起25の先端部分の幅Aの合
計が、余りに少ないと、ローラ7が筆圧によってぐらつ
くので、かえってローラ7の回転は阻害されてしまう。
これらの事情を考慮すると、突起25の数は、先端部分
の幅Aの合計が、ローラ7の幅の2分の1程度になるよ
うに設計することが最も望ましい。
【0037】ローラ7は、本実施例のおいて、最も特徴
的な部分である。本実施例の塗布具1で採用するローラ
7は、洋白(銅、ニッケル、亜鉛合金)や真鍮等の銅合
金、ステンレススチール、あるいはインキによって変質
しない樹脂によって作られたものである。そしてローラ
7には、中心に貫通孔31が設けられていて中空になっ
ている。ローラ7の中心の貫通孔31は、切削加工によ
って作られることが多い。ローラ7の内径と外形の比
は、例えば0.5:1から0.8:1程度である。この
比の選定は、主としてローラ7の剛性によって決定され
る。即ちローラ7の貫通孔31は、その剛性が許す限り
大きいほうが望ましく、貫通孔31が大きくなると当然
ローラの質量は低下する。従ってローラ7の貫通孔31
を大きく設定する程、衝撃を受けた際のローラに発生す
る慣性力は小さく、ローラは脱落しにくくなる。参考ま
でに、ローラの内外径比とローラ質量の比を示すと次の
表の通りである。
【0038】
【表1】
【0039】ローラ7は、ホルダー3のローラ収納部1
8内に配置される。そしてローラ7の一部は先端開口1
5から露出している。ローラ7は、図6のように先端開
口15の端部26(図6参照)がローラ7の表面と当接
するため、ローラ収納部18から脱落することはない。
また塗布具1のローラ収納部18内では、ローラ収納部
18の底面部23に設けられた突起25の先端がローラ
7の表面に当接されている。本実施例では突起25の稜
線は、図5の様にゆるやかな二段のテーパを形成してい
るので、突起25の頂面の全てがローラ7の表面と当接
するのではなく、一部分(2か所)だけが当接してい
る。そしてローラ7は、突起25によって支持され、ロ
ーラ収納部18の底面部23からは浮き上がった状態に
なっている。
【0040】本実施例の塗布具1の組み立て手順は、特
に限定するものではないが、ローラ7はホルダー3の先
端開口15から圧入することによってローラ収納部18
内に収容することが適切である。
【0041】次に本実施例の塗布具1の基本的な作用に
ついて説明する。本実施例の塗布具1では、インキ溜2
からインキがホルダー3に流れ込み、ローラ収納部18
がインキで満たされる。本実施例の塗布具1は、公知の
ボールペンと全く同様の操作で太い線を描くものであ
る。例えば塗布具1を用いて紙に線を描く時は、塗布具
1のペン軸5を手で持ち、ローラ7の露出部を紙面に押
し当て、塗布具1を移動する。するとローラ7が転がっ
て、ローラ収納部18のインキが紙に転写される。
【0042】ここで本実施例の塗布具1では、ローラ7
は、ローラ収納部18に設けられた突起25によって支
持されており、ローラ収納部18の底面部23から浮い
た状態にある。そのため、ローラ7が回転する際の摩擦
抵抗は小さい。従って本実施例の塗布具1では、ローラ
7の回転は円滑である。そのため本実施例の塗布具1に
よって描かれる線は、線の太さや濃度が一定であり、ま
たかすれることもない。
【0043】本実施例の塗布具1の特徴的な作用は、塗
布具1を落とすと言う様に、塗布具に強い衝撃を与えた
時に発揮される。即ち本実施例の塗布具1を落とすと、
ローラ7に慣性力が発生し、この慣性力は、ローラ7が
ホルダー3から脱落する方向に作用する。しかしなが
ら、本実施例の塗布具1では、ローラ7が中空であるた
め、質量が小さく、従ってローラ7発生する慣性力は小
さい。そのため例え大きな衝撃を受けても、ローラ7は
脱落しない。
【0044】本発明の塗布具の効果を確認するために、
長さが4mm、外形の直径が2mmであって、内径は外
径の75パーセントのステンレス製ローラを備えた塗布
具1を試作した。また比較例として、長さおよび外形
が、実施例に等しい中実のステンレス製ローラを備えた
塗布具を試作した。そして両者を1mの高さから落下し
た。その結果、比較例の塗布具では、ローラが脱落した
のに対して、本実施例の塗布具1では、ローラ7はしっ
かりと保持されたままであった。
【0045】以上の実施例では、ローラ7のホルダー3
への保持は、ローラ保持部18の先端開口15がローラ
7よりも狭く、ローラ7の周面が先端開口15の裏面と
当接することによって確保されている。貫通孔31が設
けられたローラ7を利用する場合は、上述の様な先端開
口15を狭くする方策に代えて、或いは上述の方策に加
えて、貫通孔31を利用してローラ7の脱落を防止する
ことも可能である。以下図8、図9を参照しつつ、貫通
孔31を利用してローラ7の脱落を防止する構成につい
て説明する。以下の実施例では、先の実施例と同一の部
材は、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0046】図8は、本発明の変形実施例の塗布具の要
部断面拡大図である。図9は、本発明の他の変形実施例
の塗布具の要部断面拡大図である。図8に示した塗布具
40では、ローラ収納部41の内部であって、ローラ7
の端面が当接する位置に丸い突起43が設けられてい
る。そしてローラ7の圧入時には、突起43は変形し、
ローラ3が正規の位置に配置された際には、突起43は
ローラ3の貫通孔31内に挿入される。
【0047】本実施例の塗布具40では、相当の大きな
衝撃を受けても、ローラ7の貫通孔31が突起43と係
合しているので、ローラ7が脱落することはない。尚本
実施例の様な突起43をローラ7と係合させる場合で
は、ローラ7には必ずしも貫通孔が設けられている必要
はなく、例えば概ね中空であって、中間部に仕切りがあ
る様なローラであってもよい。またローラの端面に相当
の大きさの凹部が設けられていて、中空状態となってい
るものでよい。
【0048】図9に示す塗布具50は、突起41に代わ
って軸51を利用してローラ7の脱落を防ぐものであ
る。即ち本実施例で採用するホルダー53では、ローラ
収納部52に貫通孔54が設けられている。そしてロー
ラ収納部52には、ローラ7が配置され、ローラ7の貫
通孔54とローラ収納部52の間には軸51が掛け渡さ
れている。軸51を配する目的は、本実施例では、単に
ローラ7の脱落を防止することだけにあり、ローラ7の
回転軸としての作用は意図していない。従って軸51の
直径は、ローラの貫通孔31の直径よりも、明らかに小
さい。
【0049】以上の実施例では、ローラ7は筒状のもの
を開示したが、同様の作用を発揮するものとして、例え
ば図10の様な多孔質体のローラ60を採用することも
可能である。多孔質体のローラ60は、中実のローラに
比べて質量が小さいので、先の実施例と同様に、衝撃に
よる慣性力が小さく、衝撃を受けても脱落しにくい。多
孔質体のローラ60の孔は、連続気泡であっても、独立
気泡であってもよい。ローラ60の表面は、平滑であっ
ても、凹凸があっても可能である。ローラ60の表面が
平滑である場合は、筆記時にローラ収納部の座面とロー
ラとの滑りが円滑であり、ローラの回転が滑らかである
と言う利点がある。
【0050】これに対してローラ60の表面に凹凸があ
る場合には、インキの乗りが良いと言う効果がある。
【0051】以上の実施例では、ローラ7,60の回転
を円滑にするために、ローラ収納部18,41,52の
底面部に突起25が設けられており、ローラ7,60は
この突起25によって支持して、あたかも浮き上がった
状態にしたが、これに代わって、中継芯によってローラ
を支持する構成も推奨される。図11は、本発明の変形
実施例の塗布具のホルダー部分の側面断面図であり、中
継芯を利用した構成を例示するものである。図11の塗
布具70では、インキ流通孔内に中継芯61が配されて
いる。そしてこの中継芯61の先端はローラ7と当接さ
れ、ローラ7は、中継芯61によってローラ収納部18
の開口に向かって押圧されている。そのためローラ7
は、底面部23から僅かに浮き上がった状態となってい
る。塗布具70によって線等を描く場合は、ローラ7は
押しつけられ、底面部23と当接することとなるが、本
実施例では、ローラ7は中継芯61によって開口方向に
押圧されているので、ローラ7と座面23の接触力は小
さい。そのため筆記は円滑である。
【0052】
【発明の効果】本発明の塗布具では、ローラに中空体
(請求項1)や多孔質体(請求項4)が採用されている
ので、ローラの質量が軽く、衝撃を受けた際に、ローラ
に発生する慣性力は小さい。そのため本発明の塗布具が
衝撃を受けても、ローラ収納部はローラを保持し続ける
ことができる。従って本発明の塗布具は、衝撃に強い効
果がある。
【0053】また請求項2、3記載の塗布具は、ローラ
に軸や突起が係合するので、ローラの脱落は、より完全
に阻止される効果がある。
【0054】請求項5記載の発明では、上記した効果に
加えてローラが回転する際の摩擦抵抗が小さい効果があ
り、筆記が滑らかであると言う効果がある。
【0055】同じく請求項6記載の塗布具では、ローラ
は中継芯によってあたかも浮き上げられた状態になって
いるので、筆記時にローラと底面部との接触面積が少な
く、ローラが回転する際の摩擦抵抗が小さいので、筆記
が滑らかであると言う効果がある。
【0056】請求項7記載の発明では、未使用時にロー
ラとローラ収納部の間にあるインキが、インキ溜めの方
へ落下することが防がれるので、筆記の開始時にインキ
がかすれる不具合が防止される効果を併せて持つ。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的実施例の塗布具のホルダー部分
の正面図である。
【図2】図1の塗布具のホルダー部分の正面断面図であ
る。
【図3】図1の塗布具のホルダー部分の側面断面図であ
る。
【図4】図2の要部拡大図である。
【図5】図3のホルダーの要部拡大図である。
【図6】図3の要部拡大図である。
【図7】図1の塗布具の一部断面分解斜視図である。
【図8】本発明の変形実施例の塗布具の要部断面拡大図
である。
【図9】本発明の他の変形実施例の塗布具の要部断面拡
大図である。
【図10】本発明の変形実施例の塗布具で採用するロー
ラの斜視図である。
【図11】本発明の変形実施例の塗布具のホルダー部分
の側面断面図である。
【符号の説明】
1 塗布具 2 インキ溜 3 ホルダー 5 ペン軸 7 ローラ 15 先端開口 18 ローラ収納部 23 底面部 25 突起 31 貫通孔 40 塗布具 41 ローラ収納部 43 突起 50 塗布具 51 軸 60 ローラ 61 中継芯 70 塗布具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−231811(JP,A) 特開 昭50−117526(JP,A) 実開 平7−780(JP,U) 実公 昭52−26541(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B43K 1/00 B43K 5/00 - 8/24 B05C 17/00 B43M 11/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラ収納部およびインキ流通孔が設け
    られたホルダーがインキ溜の先端に装着されて成る塗布
    具において、ホルダーは先端開口を有し、ホルダーのロ
    ーラ収納部には円柱状のローラが配され、前記ローラは
    中空体であり、当該先端開口の幅は、ローラの直径より
    も小さいことを特徴とする塗布具。
  2. 【請求項2】 ローラは中心に孔が設けられた中空体で
    あり、該中心の孔には軸が挿入され、当該軸がホルダー
    によって支持されていることを特徴とする請求項1記載
    の塗布具。
  3. 【請求項3】 ローラは中心に孔または凹部が設けられ
    た中空体であり、前記ローラ収納部の内部の端面には、
    突起が設けられており、当該突起はローラの孔または凹
    部に係合していることを特徴とする請求項1記載の塗布
    具。
  4. 【請求項4】 ローラ収納部およびインキ流通孔が設け
    られたホルダーがインキ溜の先端に装着されて成る塗布
    具において、ホルダーは先端開口を有し、ホルダーのロ
    ーラ収納部には円柱状のローラが配され、前記ローラは
    多孔質体であり、前記ホルダーは先端開口を有し、当該
    先端開口の幅は、ローラの直径よりも小さいことを特徴
    とする塗布具。
  5. 【請求項5】 前記ローラ収納部は先端側に開口を有
    し、インキ流通孔側には底面部が設けられており、当該
    ローラ収納部の底面部の内面には、1以上の突起が設け
    られており、該突起の先端部の幅の合計は、前記ローラ
    の幅の5分の3以下であり、前記ローラは前記突起によ
    って支持されていることを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれかに記載の塗布具。
  6. 【請求項6】 前記ローラ収納部は先端側に開口を有
    し、インキ流通孔側には底面部が設けられており、前記
    インキ流通孔内には中継芯が配されており、中継芯の先
    端は前記ローラと当接し、前記ローラは、中継芯によっ
    てローラ収納部の開口に向かって押圧されていることを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の塗布具。
  7. 【請求項7】 前記ローラ収納部は先端側に開口を有
    し、インキ流通孔側には底面部が設けられており、当該
    ローラ収納部の底面部は、その断面形状が、2段以上の
    テーパまたは円弧状であることを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれかに記載の塗布具。
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