JP3308092B2 - 食用の顆粒状材料およびこれが添加されている食品 - Google Patents

食用の顆粒状材料およびこれが添加されている食品

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JP3308092B2
JP3308092B2 JP03434694A JP3434694A JP3308092B2 JP 3308092 B2 JP3308092 B2 JP 3308092B2 JP 03434694 A JP03434694 A JP 03434694A JP 3434694 A JP3434694 A JP 3434694A JP 3308092 B2 JP3308092 B2 JP 3308092B2
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俊明 杉谷
武雄 水谷
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新三井製糖株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食用の顆粒状材料、お
よびこの顆粒状材料が添加されている食品に係り、さら
に詳しく言えば、そのままでも菓子のような嗜好性を備
えた食品となり、また食品に添加することによってその
食品に好ましい食感、着色料、芳香剤、高甘味度甘味料
または機能性物質を付与することができる食用の顆粒状
材料およびそれが添加された食品に関する。
【0002】
【従来の技術】食品に好ましい食感、着色料、芳香剤、
高甘味度甘味料または機能性物質を付与することができ
る顆粒状の食品添加剤として、蔗糖の結晶に糖衣した顆
粒、マイクロカプセル、キャンディーチップ、氷の粒な
どが従来より知られている。これらの添加剤は食品に添
加され、その食品が食に供されることによって初めて食
品添加剤として機能する。例えば、単に着色料を包含さ
せたものを色付けのために食品に添加する場合もある
が、一般には、食品に添加された形でヒトの口腔内に入
ると、唾液や温度による溶解、咀嚼などにより、ヒトは
食感の変化を感じたり、内容物である芳香剤等が口腔内
に広がることを感ずる。このような食品添加剤は、理想
的には、様々な物質を広い範囲の量で包含することがで
き、時間が経過してもその保持性に変化がなく、また口
腔内での溶解や咀嚼に対する性質を自由に調整すること
ができ、さらに製造工程が簡易で、低製造コストである
ことが望ましい。さらに、近年の食品業界の流れとし
て、「シュガーレス」を謳えるような低う蝕性、低カロ
リー性であることが望ましい。
【0003】まず、蔗糖の結晶に糖衣した顆粒は、蔗糖
の結晶に蔗糖やその他の糖類を糖衣することによって得
られる。必要に応じて、糖衣する糖類に芳香剤や着色料
を混合することによって、芳香剤や着色料を包含する顆
粒状添加剤が得られる。この顆粒状添加剤の製造工程は
比較的複雑であり、また乾燥工程が必要なため、芳香剤
のような揮発性の高い物質を包含させる場合はロスが大
きく、経済的に不利である。また、包含させることが出
来る芳香剤や着色料の量の範囲は限られている。さら
に、食感は固く、中心部は蔗糖の結晶であるため固さの
調整を行なうことはできない。
【0004】次に、マイクロカプセルは内容物を膜で被
膜したものであり、製造方法として界面重合法、不溶化
反応法、相分離法、界面沈澱法などが知られている。マ
イクロカプセルでは包含される物質の量を高くすること
ができるという利点がある。食品に添加されたマイクロ
カプセルは、主に咀嚼による物理的エネルギーにより破
断され、内容物である芳香剤等が口腔内に広がることに
よりヒトはその芳香剤の味を感ずるが、マイクロカプセ
ルはその性質上、咀嚼された瞬間に破断され内容物が口
腔内に広がることから、芳香剤の立ち上がりが早いとい
う性質を有する。しかしながら、マイクロカプセルの性
質を調整することは困難である。また、マイクロカプセ
ルの製造工程はいずれも複雑であることから、経済的に
不利である。
【0005】次に、キャンディーチップは、あらかじめ
着色料、芳香剤等を添加したキャンディーを作り、これ
を粉砕することによって得られる。しかしながら、粉砕
時に過粉砕物が出来てしまうことから歩留りが低く、コ
ストが高くなる。食感は、固さがキャンディーであるこ
とから弱く、頼りないが、固さの調整はほとんど不可能
である。
【0006】次に、氷の粒は、あらかじめ着色料や芳香
剤等を溶解させた水溶液を凍らせたものである。これは
氷菓に使われており、主に食品に好ましい色彩を付与す
るために使われている。しかし、常温で流通する食品に
は使えず、用途が制限される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、食品に
添加する顆粒状添加剤であって、添加することによりそ
の食品に好ましい食感、着色料、芳香剤、高甘味度甘味
料または機能性物質を付与することができる顆粒状添加
剤として理想的なものは、様々な物質を広い範囲の量で
包含させることができ、時間が経過してもその保持性の
変化が小さく、また口腔内での溶解や咀嚼に対する性質
を自由に調整することができ、さらに製造工程が簡易
で、低製造コストであることが望ましい。さらに、近年
の食品業界の流れとして「シュガーレス」を謳えるよう
な低う蝕性、低カロリー性であることが望ましい。
【0008】しかしながら、このような目的で使用され
ている添加剤は前述のようにいくつかあるが、満足でき
るものはなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の状
況に鑑みて、パラチノースを還元して得られる還元パラ
チノース(α−D−グルコピラノシル−1,6−マンニ
トールとα−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビト
ールとをほぼ等モル量で乾燥固形分重量比で95%以上
含む混合物)の特徴について種々研究を重ねた結果、
(1)顆粒状の還元パラチノースは、芳香剤、着色料、
高甘味度甘味料または機能性物質のうちから選ばれる1
種または2種以上の添加剤の溶液を容易に、かつ多量に
吸収し、そしてこの溶液を吸収した後に得られる顆粒状
材料は格別乾燥させなくても、溶液を吸収させる前の顆
粒状還元パラチノースと同様なさらさらした状態を保つ
と同時に、菓子のような好ましい嗜好性も備えており、
(2)また吸収処理後における顆粒の固さは吸収される
溶液の量を変化させることによって様々に調節すること
ができるので、単に溶液を吸収させるだけで様々な食感
を有する、すなわち口腔内において様々な溶解挙動や咀
嚼に対する様々な抵抗性を有する食用の顆粒状材料を得
ることができ、(3)さらに、このように溶液を単に吸
収させるだけで、前記顆粒状材料は前記添加剤を高い保
持性をもって長時間安定して保有することができるの
で、この添加剤が例えば芳香剤であるときには、長時間
にわたって芳香を維持できること、(4)このような芳
香の保持性は上記の顆粒状材料の表面を糖または糖アル
コールで糖衣すると、一層高まること、および(5)前
記食用の顆粒状材料をチョコレートやキャンディーのよ
うな食品に複合させると、様々な食感、色彩、芳香、甘
味度または風味を有する食品が容易に得られることを見
出した。
【0010】本発明は、上記知見に基づいて発明された
もので、低う蝕性であるとともに低カロリー性であり、
そして変化に富んだ食感、着色料、芳香剤、高甘味度甘
味料または機能性物質を長時間にわたって十分に保持し
て、菓子のような嗜好性を有する顆粒状材料を提供する
ことを目的とし、 1.芳香剤、着色料、高甘味度甘味料および機能性物質
のうちから選ばれる1種または2種以上の添加剤が顆粒
状の還元パラチノースに担持されている食用の顆粒状材
料であって、前記添加剤が、その添加剤の溶液の形で前
記顆粒状還元パラチノースに吸収されていることによっ
てこの顆粒状還元パラチノースに担持されていることを
特徴とする前記顆粒状材料、 2.芳香剤、着色料、高甘味度甘味料および機能性物質
のうちから選ばれる1種または2種以上の添加剤が顆粒
状の還元パラチノースに担持され、かつ前記還元パラチ
ノースの顆粒の表面が糖および糖アルコールのうちから
選ばれる1種または2種以上の被覆剤で糖衣されている
食用の顆粒状材料であって、前記添加剤が、その添加剤
の溶液の形で前記顆粒状還元パラチノースに吸収されて
いることによってこの顆粒状還元パラチノースに担持さ
れていることを特徴とする前記顆粒状材料、および 3.芳香剤、着色料、高甘味度甘味料および機能性物質
のうちから選ばれる1種または2種以上の添加剤が顆粒
状の還元パラチノースに担持されている食用の顆粒状材
料であって、前記添加剤が、その添加剤の溶液の形で前
記顆粒状還元パラチノースに吸収されていることによっ
てこの顆粒状還元パラチノースに担持されていることを
特徴とする前記顆粒状材料、および芳香剤、着色料、高
甘味度甘味料および機能性物質のうちから選ばれる1種
または2種以上の添加剤が顆粒状の還元パラチノースに
担持され、かつ前記還元パラチノースの顆粒の表面が糖
および糖アルコールのうちから選ばれる1種または2種
以上の被覆剤で糖衣されている食用の顆粒状材料であっ
て、前記添加剤が、その添加剤の溶液の形で前記顆粒状
還元パラチノースに吸収されていることによってこの顆
粒状還元パラチノースに担持されていることを特徴とす
る前記顆粒状材料のうちのいずれか一方または双方が添
加されている食品に係るものである。
【0011】本発明についてさらに詳しく説明すると以
下の通りである。本発明で使用される還元パラチノース
は、蔗糖にα−グルコシルトランスフェラーゼを作用さ
せることによって生産されるパラチノースを触媒存在下
に高圧水素ガスで還元させることによって得られる二糖
類アルコールである。一般にパラチノースからはα−D
−グルコピラノシル−1,6−マンニトール(以下、G
PMと略すことがある)とα−D−グルコピラノシル−
1,6−ソルビトール(以下、GPSと略すことがあ
る)のほぼ等モル混合物が得られる。
【0012】本発明で使用される顆粒状の還元パラチノ
ースは、α−D−グルコピラノシル−1,6−マンニト
ールとα−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトー
ルのほぼ等モル混合物を乾燥固形分重量比で95%以上
含むもので、以下のようにして製造させるものであるこ
とが好ましい。すなわち、パラチノースを還元処理した
後、処理液を減圧下で加熱して濃縮液を得る。次いで、
適度な減圧下でゆっくりと回転するドラムの内壁にこの
濃縮液を吹き付け、内壁面に付着した還元パラチノース
を攪拌器で掻き取り、さらに掻き取られた還元パラチノ
ースをドラムの回転により顆粒状に造粒したものであ
る。本発明においてはこのような手順で製造された還元
パラチノースからなる顆粒状物質のみならず、パラチニ
ットという名称で市販されている顆粒状の還元パラチノ
ースを用いることもできる。
【0013】還元パラチノースを構成する2種類の成分
のうちGPMは1分子あたり2分子の結晶水を有し、G
PSは結晶水を持たないので、還元パラチノース全体と
しては5重量%の結晶水を持つことになる。他方、通常
の市販のパラチニット製品の水分を測定すると、結晶水
を含めて3〜4重量%であった。
【0014】還元パラチノースの甘味度は蔗糖の約50
%である。また水に対する溶解度は常温で蔗糖の約50
%である。還元パラチノースの生理的エネルギー値は約
1.5kcal/g、蔗糖の約40%であり、また還元
パラチノースは、摂取された場合、インスリンの分泌を
ほとんど刺激しないので、肥満抑制や糖尿病に適してい
る。
【0015】このようにして製造される還元パラチノー
スからなる顆粒状物質および市販の顆粒状の還元パラチ
ノースは、微細な多孔質構造を持ち、着色料、芳香剤、
高甘味度甘味料および/または機能性物質の溶液を多量
に長時間保持することができる。溶液状の芳香剤と還元
パラチノース顆粒を混合すると、芳香剤の溶液は顆粒の
内部に浸透、保持され、以降の芳香の放出が除々に行な
われるので、長時間芳香を維持する。例えば油溶性のリ
キッドメントールの溶液を、顆粒状物質に10重量%添
加して混合すると、十分に内部に吸収、保持されて長期
間保存しても芳香が保たれる。蔗糖や澱粉などの多孔質
顆粒の場合は僅かな溶液にも溶解するので、このような
効果は期待できない。
【0016】還元パラチノース顆粒の際立った特徴はこ
れらの溶液を多量に吸収しても適当な硬度を維持し、さ
らさらした状態を保ちベトつくことはないことである。
この性質は還元パラチノースの水に対する溶解度が蔗糖
に比較してやや低いことや、顆粒が硬質であることなど
が要因として考えられるものの、それだけでは説明でき
ない現象であり、例えば水分の一部を結晶水として分子
内部に取り込んでしまうか、あるいは何らかの化学的な
結合が関与していることも考えられる。このように、還
元パラチノース顆粒が高い溶液保持能力を有し、溶液吸
着後も一定の硬度を有し、顆粒表面がさらさらした状態
を保つことは予想外の驚くべき現象である。
【0017】また、顆粒状物質の物質内に吸収させる着
色料、芳香剤、高甘味度甘味料または機能性物質の溶液
の量は特に制限されず、一般に顆粒状材料に対して0.
01〜50重量%であるが、たとえ容易に吸収するとい
っても吸収させる溶液の量が増えるほど時間がかかり、
さらさらの状態になるまでには時間を要することから、
30重量%以下が実用的であった。特に、吸収させる溶
液が水溶液の場合は、顆粒状物質がその水に溶解するこ
とから10重量%以下が実用的であった。
【0018】本発明で使用される芳香剤としては、食品
の香り付けに一般に使用される物質であれば如何なるも
のでもよく、例えば、メンソール、レモンフレーバー、
ミントフレーバーなどの香料が挙げられる。
【0019】本発明で使用される着色料としては、食品
の色付けに使われているものであれば天然着色料でも合
成着色料でもよく、例えば、クロロフェル、カラメル、
赤色40号などが挙げられる。
【0020】本発明で使用される高甘味度甘味料として
は、例えば、ステビア抽出甘味物、α−グルコシルステ
ビア甘味物、アスパルテーム、アセスルファム Kなど
が挙げられる。
【0021】本発明で使用される機能性物質としては、
ヒトがそれを摂取することによって好ましい効果を発現
するものであれば如何なるものでもよく、例えば、口臭
除去効果を有する物質としてクロロフィル、綱クロロフ
ィル、銅クロロフィリンナトリウムまたは緑茶フラボノ
イド、虫歯予防物質としてムタスチィン、眠気予防物質
としてカフェイン、ガラナエキスまたはメントール、そ
の他の栄養強化物質としてビタミン類、アミノ酸、無機
質、ハーブエキス、茶抽出物、オリゴ糖または食物繊維
などが挙げられる。
【0022】このようにして製造された顆粒状材料は着
色料、芳香剤、高甘味度甘味料または機能性物質の溶液
を吸収させただけで高い保持性を維持できるが、その表
面を糖衣することによってそれらの保持性をさらに高め
ることができる。糖衣には、蔗糖、グルコース、パラチ
ノース、還元パラチノース、還元乳糖、エリスリトー
ル、キシリトール、マルチトール、マンニトール等の糖
または糖アルコールを用いることができるが、その他一
般に糖衣に使用される物質も使用できる。また、糖衣に
は、着色料や芳香剤を用いてあらかじめ着色あるいは着
香させた前記物質を用いることもできる。
【0023】本発明による顆粒状材料は、それ自体単独
の食品となるが、食品添加剤として使用することもでき
る。本発明による顆粒状材料を食品添加剤として使用す
る場合、本発明による顆粒状材料を、他の食品に添加で
きる量は特に制限されないが、その食品の本来の形態や
食感などを維持するためには、その食品に対して10重
量%以下であることが好ましい。添加する時期は添加さ
れる食品の製造上の特性や形態的な特性にもよるが、製
造工程の途中であってもかまわないし、製造後であって
もかまわない。本発明による顆粒状材料が添加される食
品は特に制限されないが、本発明による顆粒状材料を添
加することによって好ましい食感を与えるものとして特
に好ましいものとしては、チョコレート、ソフトキャン
ディー、ハードキャンディー、グミキャンディー、ゼリ
ー、錠菓、シリアルまたはアイスクリームなどの菓子類
が挙げられる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0025】以下、実施例では配合割合を表す単位は
「部」は特に規定しない限り重量部を表す。 実施例1 食用の顆粒状材料 三井製糖(株)が市販しているパラチニットMタイプを
篩別機で分級し、粒子の大きさが篩の目の開き800〜
1200μmのものを得た。この篩別品100部に対し
て表1記載の配合量で着色量、芳香剤および/または機
能性物質からなる溶液を加え、20分間よく混合して本
発明の顆粒状材料A〜Eを得た。これらの顆粒状材料は
いずれもさらさらした状態であるため乾燥工程を必要と
しなかった。
【0026】
【表1】
【0027】これらの顆粒状材料のうち着色料を吸収さ
せたものはいずれも着色料による着色が外観的に均一に
なされていた。このことから着色料だけでなく、芳香剤
または機能性物質も均一に吸収されていることがわか
る。
【0028】また、優良パネラーを使って芳香剤の保持
性について官能検査を行なったところ、芳香剤を吸収さ
せた顆粒状材料はいずれも製造直後、1週間後、1ヵ月
後において官能的な芳香剤の強さにほとんど差がなかっ
た。このことから、一般に揮発性の高い芳香剤はもちろ
んのこと、揮発性の高くない着色料または機能性物質に
ついても長期間安定に保持されていることがわかる。
【0029】実施例2 食用の顆粒状材料 実施例1と同様のパラチニットMタイプの篩別品100
部に、溶液状のグレープフルーツフレーバー(長谷川香
料(株)製 No. 6-3380)1部を加え、20分間よく混合
して顆粒状材料を得た。
【0030】パラチニット7部に水3部を加え、80℃
で加温溶解した後、パプリカ色素(三栄源エフ・エフ・
アイ(株)製 パプリカベースL)1部を混合した液
を、この顆粒状材料101部に加え、手早く攪拌して液
を顆粒状材料の表面に均一に糖衣した。これを本発明の
顆粒状材料Fとした。
【0031】本品は、グレープフルーツフレーバーを吸
収した顆粒状材料の表面を、パプリカ色素で着色した糖
衣で覆ったものである。 実施例3 食用の顆粒状材料 実施例1と同様のパラチニットMタイプの篩別品100
部に対して1.5部の水を噴霧し、混合機で混合した。
これに実施例1の顆粒状材料Aと同様に混合色素(長谷
川香料(株)製TH−LとTH−3との5:2混合物)
1部と、グレープフレーバー(長谷川香料(株)製 No.
6-6240)2部とからなる水溶液を加え、20分間よく混
合して本発明の顆粒状材料Gを得た。この顆粒状材料は
さらさらした状態であるため乾燥工程を必要としなかっ
た。
【0032】顆粒状材料Gは歯で噛んだときに容易に破
断されるソフトなテクスチャーを有していたのに対し
て、顆粒状材料Aは歯で噛んだときにカリカリした破断
性のあるテクスチャーを有していた。
【0033】この結果から、顆粒状の還元パラチノース
に吸収させる水分の量を調整することによって固さの調
整が容易にでき、例えば、顆粒状材料AとGの中間のテ
クスチャーを有するものや顆粒状材料Gよりソフトなテ
クスチャーを有するものまで様々な固さを有するものが
容易に得られることがわかる。
【0034】実施例4 顆粒状材料のハードキャンディ
ーへの使用 70部の砂糖と23部の水を蒸発釜に入れ、温めながら
砂糖を完全に溶解させ、これにBx. 85の水飴を35部加
えてから160℃になるまで煮詰めた。この後、115
〜125℃に冷却してから飴を蒸発釜から取り出し、グ
レープフレーバー(長谷川香料(株) No. 6-6240)0.
15部、クエン酸粉末1部、実施例1で作った顆粒状材
料A1部を加え、攪拌混合し、得られた混合物を成型お
よび冷却し、顆粒状材料の入ったハードキャンディーを
作った。
【0035】このハードキャンディーはその中に顆粒状
材料が封入されているため、これが口に入れられ唾液と
体温によって溶かされていくに従って、顆粒状材料がキ
ャンディーの表面に現れ、この時、顆粒状材料に吸収さ
れたグレープフレーバーが一度に口腔内に広がった。こ
れは、今までに見られない新しい呈味性であった。ま
た、ブルーベリー色素で着色された顆粒状材料がキャン
ディー内に封入されているので、今までにない新しい外
観を持つキャンディーであった。
【0036】実施例5 顆粒状材料のミルクチョコレー
トへの使用 35部の粉末状パラチニット、12部のカカオマス、1
6.5部のココアバターおよび25部の全脂粉乳を混合
機で混合してから、リァイニング工程を行なった。これ
に11部のココアバターを添加し、コンチング工程を行
い、さらに0.4部のレシチンと0.1部のバニラ芳香
剤(長谷川香料(株)性 No. 6-2438)を加えた後、テン
パリング工程を行なった。これに顆粒状材料B2部を加
え、よく混合した後成型した。
【0037】このミルクチョコレートは実施例4のハー
ドキャンディーと同様に今までにない新しい呈味性と外
観を有していた。さらにチョコレートの場合は口腔内で
咀嚼されるので今までにない噛み心地も見られた。
【0038】実施例6 顆粒状材料のコーンフレークへ
の使用 63部のパラチニットおよび0.165部のアスパルテ
ームに22.7部の水を加え、80℃に加温してこれら
を水に完全に溶解させた。この水溶液を100部のコー
ンフレーク(日本ケロック(株)製)に加え、手早く攪
拌して均一にコーンフレークに絡め、さらに顆粒状材料
Cを加えて攪拌した。コーンフレークの表面に付着した
パラチニット溶液の粘性により、顆粒状材料がコーンフ
レークの表面に付着した。さらに45〜50℃の温風を
あてながら攪拌し、完全に乾燥させることによって、析
出したパラチニットとともに顆粒状材料がコーンフレー
ク表面に固定された。
【0039】このコーンフレークは、実施例5のミルク
チョコレートと同様に今までにない新しい呈味性、外観
および噛み心地を有していた。 実施例7 顆粒状材料の錠菓(ラムネ菓子)への使用 60部の粉末状パラチニット、0.15部のアスパルテ
ーム、28.2部の澱粉、1.5部のクエン酸、0.8
部の部分α化澱粉、2部のレモンフレーバー(長谷川香
料(株) No. 6-6238)、5部の水および2部の顆粒状材
料Dを均一になるまで混合し、打錠機で打錠した後乾燥
した。
【0040】この錠菓は、実施例5のミルクチョコレー
トと同様に今までにない新しい呈味性、外観および噛み
心地を有していた。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、低う蝕性であるととも
に低カロリー性であり、そして変化に富んだ食感、着色
料、芳香剤、高甘味度甘味料または機能性物質を長時間
にわたって十分に保持して、菓子のような嗜好性を有す
る顆粒状材料を極めて簡単な手段で提供することがで
き、したがってこのような顆粒状材料を食品と複合させ
れば、様々な色彩、芳香、甘味料または機能を長時間に
わたって十分に保持した、食感の変化に富んだ食品が得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A23L 1/22 A23L 1/22 E 1/236 1/236 A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/00 - 1/03 A23G 1/00 - 3/30 A23L 1/236 食品関連文献情報(食ネット)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香剤、着色料、高甘味度甘味料および
    機能性物質のうちから選ばれる1種または2種以上の添
    加剤が顆粒状の還元パラチノースに担持されている食用
    の顆粒状材料であって、前記添加剤が、その添加剤の溶
    液の形で前記顆粒状還元パラチノースに吸収されている
    ことによってこの顆粒状還元パラチノースに担持されて
    いることを特徴とする前記顆粒状材料。
  2. 【請求項2】 芳香剤、着色料、高甘味度甘味料および
    機能性物質のうちから選ばれる1種または2種以上の添
    加剤が顆粒状の還元パラチノースに担持され、かつ前記
    還元パラチノースの顆粒の表面が糖および糖アルコール
    のうちから選ばれる1種または2種以上の被覆剤で糖衣
    されている食用の顆粒状材料であって、前記添加剤が、
    その添加剤の溶液の形で前記顆粒状還元パラチノースに
    吸収されていることによってこの顆粒状還元パラチノー
    スに担持されていることを特徴とする前記顆粒状材料。
  3. 【請求項3】 前記被覆剤が蔗糖、グルコース、パラチ
    ノース、還元パラチノース、還元乳糖、エリスリトー
    ル、キシリトール、マルチトールおよびマンニトールの
    うちのいずれか1種または2種以上である請求項2記載
    の顆粒状材料。
  4. 【請求項4】 前記顆粒状材料に担持されている添加剤
    の重量割合が、顆粒状材料の重量に対して0.01〜3
    0重量%である請求項1〜3のいずれか1つに記載の顆
    粒状材料。
  5. 【請求項5】 芳香剤、着色料、高甘味度甘味料および
    機能性物質のうちから選ばれる1種または2種以上の添
    加剤が顆粒状の還元パラチノースに担持されている食用
    の顆粒状材料であって、前記添加剤が、その添加剤の溶
    液の形で前記顆粒状還元パラチノースに吸収されている
    ことによってこの顆粒状還元パラチノースに担持されて
    いることを特徴とする前記顆粒状材料、および芳香剤、
    着色料、高甘味度甘味料および機能性物質のうちから選
    ばれる1種または2種以上の添加剤が顆粒状の還元パラ
    チノースに担持され、かつ前記還元パラチノースの顆粒
    の表面が糖および糖アルコールのうちから選ばれる1種
    または2種以上の被覆剤で糖衣されている食用の顆粒状
    材料であって、前記添加剤が、その添加剤の溶液の形で
    前記顆粒状還元パラチノースに吸収されていることによ
    ってこの顆粒状還元パラチノースに担持されていること
    を特徴とする前記顆粒状材料のうちのいずれか一方また
    は双方が添加されている食品。
  6. 【請求項6】 前記顆粒状材料に担持されている添加剤
    の重量割合が、顆粒状材料の重量に対して0.01〜3
    0重量%である請求項5記載の食品。
  7. 【請求項7】 顆粒状材料が一様に分布している請求項
    5または6記載の食品。
  8. 【請求項8】 前記顆粒状材料が添加されている食品
    が、チョコレート、ソフトキャンディー、ハードキャン
    ディー、グミキャンディー、ゼリー、錠菓用糖類、シリ
    アル、クッキー、ケーキ、アイスクリームまたはシャー
    ベットである請求項5〜7のいずれか1つに記載の食
    品。
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