JP3306859B2 - オフセット印刷用塗被紙の製造方法及び塗被紙 - Google Patents

オフセット印刷用塗被紙の製造方法及び塗被紙

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JP3306859B2
JP3306859B2 JP23337796A JP23337796A JP3306859B2 JP 3306859 B2 JP3306859 B2 JP 3306859B2 JP 23337796 A JP23337796 A JP 23337796A JP 23337796 A JP23337796 A JP 23337796A JP 3306859 B2 JP3306859 B2 JP 3306859B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、原紙に顔料と接着剤と
を含有する塗被液をフィルムトランスファー方式で塗被
する場合において、高速操業性に優れ、品質も良好なオ
フセット印刷用塗被紙の製造方法及びその塗被紙に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷用紙の需要も徐々に増大する
傾向にある。とりわけ、チラシ、カタログ、パンフレッ
ト、ダイレクトメール等広告、宣伝を目的とした商業印
刷分野での需要が伸びていることが特徴である。これら
商業印刷物は、それ自体の商品価値は低いが、宣伝媒体
として目的が達成されることが重要であるので、低コス
トで印刷仕上がりの良いものが求められ、紙ユーザーの
コストダウン指向は一層強まってきており、使用する紙
もより低グレード化、軽量化に向かっている。
【0003】このような旺盛な需要に対応するため、紙
メーカーでは製品のより効率的な生産とコストダウンを
図るべく、塗被装置の広幅、高速化を進めており、高品
質を維持したまま生産性を高めることが重要な技術課題
である。
【0004】塗被紙の生産方式としては、抄紙と塗被と
を別々の工程で行う通常用いられるオフマシン塗被方式
と、一台のマシンで抄紙と塗被を同時に行うオンマシン
塗被方式があり、オンマシン塗被方式の方がオフマシン
塗被方式に比べて、製品の製造原価を抑えることが可能
で、価格競争力のある製品を製造できる特徴がある。特
に多層塗被紙の場合、原紙に安価な顔料を含む下塗り塗
被液をオンマシンで塗被した後、上塗り塗被液を塗被す
ることにより、単層塗被紙より安価な製品が製造でき、
また、品質的にも下塗り塗被により原紙の被覆性が向上
し、面状や印刷品質も良くなることから近年、従来の高
級グレード(アート紙)に限らず、より塗被量の少ない
塗被紙の製造においても多層塗被による製品が増えてい
る。そのため、オンマシン塗被方式であるフィルムトラ
ンスファー塗被装置の一層の高速化が求められている。
【0005】しかし、オンマシン塗被方式で使用するゲ
ートロールコータやブレードあるいはロッドメタリング
サイズプレスコータなどを用いて、通常の塗被液を原紙
に塗被する場合、現在までのところ操業最高速度で約1
100m/分が高速化の限界である。この高速化を阻ん
でいる原因の一つに、ブレードあるいはロッドメタリン
グサイズプレスコータの場合、アプリケーションロール
ニップ出口で塗被液が霧状になって飛散する、ミストと
呼ばれる現象がある。ミストは、操業条件によっては1
100m/分より低速でも発生し始めるが、高速条件に
なるほどその程度が増し、作業環境の悪化を招くと同時
に、周辺ロールを汚し、更に乾燥固化した場合には紙表
面に落下し、製品欠陥となる。また、ゲートロールコー
タの場合にも、同様なミスト発生の問題が生じると同時
に、塗被液の機械的安定性が劣るとインナーロールとア
ウターロール間或いは、インナーロールとアプリケータ
ロール間のように互いにロール径、周速が異なるロール
間にかかるせん断力によって、塗被液が凝固してロール
表面に付着するガムアップと呼ばれる現象が生じ操業性
を低下させる。これらの問題は塗被液濃度を低下させる
ことによって低減できるが、乾燥負荷を増すうえ、塗被
液の原紙へのしみ込みが多くなり、原紙被覆性が劣るた
め、塗被後の光沢ムラが多くなり、面状、印刷適性が低
下してしまう問題がある。
【0006】特開昭63ー99395号公報には、ラテ
ックスのスチレン・ブタジエン量、ガラス転移点、粒子
径、配合量を規定することにより、ゲートロール塗工で
のガムアップやアプリケーターロール汚れの改善を行っ
ている。しかしながら、塗工速度が600m/分以上で
の効果と記載しているが、実際の高速条件についての記
載がない。また、特開平7ー189188号公報では、
トランスファーロール塗被液を、濃度58%以上で、B
型粘度を1500cps以下に調節することによって、
良好な塗工ができるとしている。しかしながら、これら
の塗被液を低速で塗被した場合は問題ないが、高速で塗
被した時、特に1100m/分以上の高速操業条件では
ミスト発生及びガムアップが一層顕著になるという問題
があった。
【0007】また、ダブル塗工紙の製造において、輪転
オフセット印刷用塗被紙の製造における下塗り顔料塗被
組成物に関し、特開昭64ー33297号公報では、重
質炭酸カルシウムを70〜100重量%、接着剤として
デンプン誘導体4〜13部および合成ポリマー(ラテッ
クス)0〜5重量部を含有する組成物が開示されてい
る。この組成物の下塗り顔料塗被により輪転オフセット
印刷時の耐ブリスター性や表面強度、白紙光沢度等が改
善されるとしているが、フィルムトランスファー方式の
塗被装置に特有の操業性に関しては何等記載されていな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況に鑑
み、本発明の課題は、フィルムトランスファー方式を使
用し、高速条件、特に1100m/分以上の高速に於て
も塗被液を塗被する製造工程で問題となる操業性の改
善、及び品質に優れたオフセット印刷用塗被紙の製造方
法及び塗被紙を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題について鋭意研究を重ねた結果、原紙に顔料と接着剤
とを含有する塗被液を塗被するオフセット印刷用塗被紙
の製造方法において、顔料100部に対して重質炭酸カ
ルシウムを70〜100重量%、接着剤としてゲル含量
70〜90重量%である共重合体ラテックスを1〜10
重量部含有し、高せん断速度(106 -1)下における
粘度を35〜60cpsに調製した塗被液を、フィルム
トランスファー方式の塗被装置で原紙に塗被することに
より、高速条件、特に1100m/分以上において問題
となるミストやガムアップなどを改善することができ
た。また、この塗被紙を下塗り塗被紙として、更に所望
の表面品質に調整するための上塗り塗被液を上塗り塗被
することにより、品質的に良好なオフセット印刷用塗被
紙を得ることができた。
【0010】本発明で使用する重質炭酸カルシウムは、
顔料100部に対して、70〜100重量%が必要であ
り、重質炭酸カルシウムが70重量%より低い場合に
は、塗被液の高せん断速度下における粘度が高くなり過
ぎてミストが発生することを認めた。
【0011】本発明で使用する共重合体ラテックスは、
ゲル含量が70〜90重量%であり、配合量が1〜10
重量部を用いる。ゲル含量が70%より低いラテックス
を含む塗被液を原紙に塗被した場合、ラテックスの機械
的安定性が劣るため互いにロール径、周速が異なるロー
ル間にかかるせん断力によりロール表面にガムアップが
発生して、操業性を低下させ、特に1100m/分以上
の高速でより顕著に現れた。またゲル含量が90%より
高いラテックスは、一般に接着剤としての機能を果たさ
ない。配合量が1重量部より少ない場合は、ウェット強
度及びドライ強度が低い。また、10重量部より多い場
合は、乾燥時にラテックスの収縮の影響を受けるため表
面性が劣ってしまい、更に塗被液の機械的安定性が劣
り、ガムアップが発生する。
【0012】更に本発明者等は、特に1100m/分以
上の高速操業条件下で一層顕著に現れるミスト発生の問
題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、通常操業管理
で使用されるB型粘度計による粘度では特定の関係を見
い出すことはできなかったが、高せん断速度(106
-1)下における粘度とは相関が見い出された。塗被液の
高せん断速度(106 -1)下における粘度を60cp
s以下にすることによってよりミストの発生を大幅に軽
減できることを認めた。また35cpsより粘度が低い
と塗被液が原紙に過度にしみ込むため、塗被後の被覆性
が劣り、面状や塗被ムラが発生する。尚、本発明におい
て、高せん断速度(106 -1)下における粘度とは、
高圧毛細管粘度計(アントン・パール社製)によって測
定された値を意味する。
【0013】本発明で使用する共重合体ラテックス以外
の接着剤として水溶性接着剤特にデンプン誘導体を5〜
30重量部より好ましくは15〜23重量部配合するこ
とが望ましい。これにより、紙への剛度の付与、塗被液
の適度な粘性及び保水性等を維持することができる。5
重量部より少ない場合、塗被液の粘度が低すぎて、フィ
ルムトランスファーロール方式において、塗被量が少な
くなり、目標の塗被量が得られにくく、表面強度が劣る
傾向にある。30重量部より多い場合、塗被液の高せん
断速度下の粘度が高すぎてミストが発生し易く、低濃度
ではミストなしで塗工可能であるが被覆性が低下する傾
向にある。特にこの塗被液を下塗り塗被し、更に上塗り
塗被液を上塗り塗被する場合には、表面強度、面状など
の点で15〜23重量部にするのが好ましい。
【0014】また、本発明においてフィルムトランスフ
ァー方式の塗被装置は、ゲートロールコータ、ブレード
あるいはロッドメタリングサイズプレスコータなどが使
用できる。ロッドメタリングサイズプレスを使用する場
合には、操業上ストリーク発生を避ける上で、表面が平
滑なロッドを用いることが望ましい。更にそのロッドの
径を30〜50mmにすることにより、より好ましい操
業性と品質を得ることができる。直径が30mmより小
さいロッドでは、フィルムの形成能が低下し面状が劣る
傾向があり、50mmより大きいロッドでは効果が変わ
らないため、特に大きくする必要性がない。
【0015】更に本発明においては、原紙に塗被液を少
なくとも2度塗被するオフセット印刷用塗被紙の製造方
法において、顔料100部に対して重質炭酸カルシウム
を70〜100重量%、接着剤としてゲル含量70〜9
0重量%である共重合体ラテックスを1〜10重量部含
有し、高せん断速度(106 -1)下における粘度を3
5〜60cpsに調製した塗被液を、フィルムトランス
ファー方式の塗被装置で原紙表面に下塗り塗被し、更に
その上に別に調製した上塗り塗被液を上塗り塗被するこ
とにより、従来の多層塗工等に比べ、生産性が高く、低
コストで且つ、単層で塗被したものより、平滑度あるい
は白紙光沢度等の表面性に優れたオフセット印刷用塗被
紙を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において使用する重質炭酸
カルシウム以外の顔料は、軽質炭酸カルシウム、カオリ
ン、クレー、サチンホワイト、水酸化アルミニウム、タ
ルク、酸化チタン、シリカ、プラスチックピグメント等
である。
【0017】本発明において使用する共重合体ラテック
スの種類は特に規定するものではないが、スチレン・ブ
タジエン系、スチレン・アクリル系、酢酸ビニル・アク
リル系、ブタジエン・メチルメタクリル系等の各種共重
合体ラテックス、あるいはこれらの各種共重合体ラテッ
クスの化学反応による変成物が使用し易い。
【0018】また、ラテックス以外に塗被層の保水性を
維持し、原紙の内部結合強度を高めるために、酸化デン
プン、エステル化デンプン、酵素変性デンプン、エーテ
ル化デンプンやそれらをフラッシュドライして得られる
冷水可溶性デンプン等のデンプン誘導体の他、カゼイ
ン、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子接着剤を
1種以上併用することが好ましい。
【0019】本発明の塗被液には分散剤、増粘剤、保水
剤、消泡剤、耐水化剤等通常の塗被紙用顔料に配合され
る各種助剤を使用しても良い。また、塗被液の固形分濃
度は、高せん断速度下の粘度が35〜60cpsになる
範囲であれば良く、好ましくは40〜55重量%であ
る。40重量%より低い場合は、高せん断速度下の粘度
が低くなり易く、反対に55重量%より高い場合には、
高せん断速度下の粘度が高くなるため、適度な粘度を維
持しにくい。また原紙としては、一般の印刷用塗被紙に
用いられる坪量30〜200g/m2 の原紙が好まし
く、目的により上質紙、中質紙を選択して使用する。
【0020】尚、原紙表面上に塗被する塗被量は、原紙
の片面当たり固形分で2〜10g/m2 の範囲で塗被す
るのが好ましい。2g/m2 より少ない量を塗被する場
合、装置上の限界から塗被液濃度を大幅に下げざるを得
ず、その結果原紙被覆性、面状が低下しやすい。10g
/m2 より多い量を塗被する場合は、逆に塗被液濃度を
高くする必要があり、この場合装置上塗被量のコントロ
ールが困難になると同時に、オレンジピール等梨地状の
面荒れやロールパターンが紙表面に発生する傾向にあ
る。
【0021】原紙に塗被液を塗被、乾燥後にスチールカ
レンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー処理
などの光沢仕上げなどを行っても良い。
【0022】次に本発明において、少なくとも2度塗被
する場合、原紙表面上の下塗り塗被液に含有されるもの
は、上記記載のものが使用される。
【0023】上塗り塗被液については、顔料、接着剤組
成、配合量、塗被量等は特に限定されず、一般に使用さ
れる顔料、接着剤で良い。塗被液濃度は60〜68%が
好ましく、上塗り塗被液の塗被量は通常片面当たり固形
分で6〜14g/m2 が好ましい。また、下塗り塗被及
び上塗り塗被の回数は、それぞれ1回以上塗被しても良
い。
【0024】上塗り塗被液を塗被後乾燥された塗被紙
は、通常のごとく最終仕上げ工程として、スーパーカレ
ンダー、ソフトカレンダー等の光沢付けをすることが好
ましい。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示す
が、これらによって本発明は何等制約を受けるものでは
ない。なお、例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量
%を示す。
【0026】[実施例1]平均粒子径が0.7μmの重
質炭酸カルシウム80部、1.5μmのカオリン20部
に対して、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤0.3部を添
加し、カウレス分散機を用いて水に分散し、接着剤とし
てゲル含量が80%であるスチレン・ブタジエン共重合
ラテックス5部と酸化デンプン25部を配合し、固形分
濃度50%の塗被液を調製した。高せん断速度(106
-1)下の粘度は54cpsであった。
【0027】坪量54g/m2 の広葉樹晒しクラフトパ
ルプ単独配合原紙に、塗被装置として高速ゲートロール
コータを使用して塗被速度1200m/分で塗被液を、
片面当たり固形分で2g/m2 を両面に塗被、乾燥した
後、ソフトカレンダー処理(条件;50℃、100kg
/cm)した。
【0028】[実施例2]塗被液を調製する際、ゲル含
量が87%のスチレン・ブタジエン共重合ラテックスを
使用した以外は、実施例1と同様に塗被紙を製造した。
【0029】[実施例3]塗被液を調製する際、ゲル含
量が80%であるスチレン・ブタジエン共重合ラテック
スを7部使用し、塗被液固形分濃度を46%とした以外
は、実施例1と同様に塗被紙を製造した。
【0030】[実施例4]塗被装置として直径35mm
の表面が平滑なロッドを有するロッドメタリングサイズ
プレスコータを使用し、塗被速度1400m/分で塗被
液を塗被した以外は、実施例1と同様に塗被紙を製造し
た。
【0031】[比較例1]塗被液を調製する際、ゲル含
量が60%であるスチレン・ブタジエン共重合ラテック
スを使用した以外は、実施例1と同様に塗被紙を製造し
た。
【0032】[比較例2]塗被液を調製する際、ゲル含
量が40%であるスチレン・ブタジエン共重合ラテック
スを使用した以外は、実施例1と同様に塗被紙を製造し
た。
【0033】[比較例3]塗被液を調整する際、平均粒
子径0.7μmの重質炭酸カルシウムを60部、1.5
μmのカオリンを40部使用した以外は、実施例1と同
様に塗被紙を製造した。
【0034】[比較例4]塗被液を調整する際、スチレ
ン・ブタジエン共重合ラテックスを11部配合した以外
は実施例1と同様に塗被紙を製造した。
【0035】以上の結果を表1に示した。
【0036】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜4ではガムアップ
及びミストの発生がなく、高速操業性が良好で、品質的
にもチラシ、下級印刷用紙及びアンダー塗工紙として利
用できる塗工紙を得ることができた。比較例1〜4で
は、高速操業性が劣っていた。
【0037】[実施例5]平均粒子径が0.7μmの重
質炭酸カルシウム90部、0.55μmのカオリン10
部に対して、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤0.3部を
添加し、カウレス分散機を用いて水に分散し、接着剤と
して酸化デンプン17部とゲル含量が80%であるスチ
レン・ブタジエン共重合ラテックス5部を配合し、固形
分濃度50%の下塗り塗被液を調製した。高せん断速度
(106 -1)下の粘度は51cpsであった。
【0038】更に、平均粒子径が0.5μmの重質炭酸
カルシウム60部、カオリン40部に対して、ポリアク
リル酸ソーダ系分散剤0.3部を添加し、カウレス分散
機を用いて水に分散し、接着剤として酸化デンプン5部
とスチレン・ブタジエン共重合ラテックス10部を配合
し、固形分濃度65%の上塗り塗被液を調製した。
【0039】坪量54g/m2 の広葉樹晒しクラフトパ
ルプ単独配合原紙に、高速ゲートロールコータで、塗被
速度1200m/分で下塗り塗被液を、片面当たり固形
分で5g/m2 を両面に塗被、乾燥した後、ソフトカレ
ンダー処理(条件;50℃、100kg/cm)した。
【0040】更に上塗り塗被液を、高速ブレードコータ
を使用し、塗被速度1200m/分で片面当たり固形分
で8g/m2 を両面に塗被した。更に、12段スーパー
カレンダーを用いて光沢仕上げを行った。 [実施例6]下塗り塗被液を調製する際、ゲル含量が8
7%のスチレン・ブタジエン共重合ラテックスを使用し
た以外は、実施例5と同様に塗被紙を製造した。
【0041】[実施例7]下塗り塗被液を調製する際、
ゲル含量が80%であるスチレン・ブタジエン共重合ラ
テックスを7部使用し、塗被液固形分濃度を46%とし
た以外は、実施例5と同様に塗被紙を製造した。
【0042】[実施例8]塗被装置として直径35mm
の表面が平滑なロッドを有するロッドメタリングサイズ
プレスコータを使用し、塗被速度1400m/分で下塗
り塗被液を塗被した以外は、実施例5と同様に塗被紙を
製造した。
【0043】[実施例9]下塗り塗被液を調製する際、
平均粒子径が0.7μmの重質炭酸カルシウムを100
部使用した以外は、実施例5と同様に塗被紙を製造し
た。
【0044】[比較例5]下塗り塗被液を調製する際、
ゲル含量が50%であるスチレン・ブタジエン共重合ラ
テックスを使用した以外は、実施例5と同様に塗被紙を
製造した。
【0045】[比較例6]下塗り塗被液を調製する際、
平均粒子径1.0μmの重質炭酸カルシウム90部、
0.55μmのカオリン10部及びリン酸エステル化デ
ンプン8.5部とゲル含量が28%であるスチレン・ブ
タジエン共重合ラテックスを2.5部配合し、塗被液固
形分濃度を64%にした以外は、実施例5と同様に塗被
紙を製造した。
【0046】[比較例7]下塗り塗被液を調製する際、
酸化デンプン17部とゲル含量が80%であるスチレン
・ブタジエン共重合ラテックスを0.5部使用した以外
は、実施例5と同様に塗被紙を製造した。
【0047】[比較例8]下塗り塗被液を調製する際、
酸化デンプン17部とゲル含量が80%であるスチレン
・ブタジエン共重合ラテックスを11部使用した以外
は、実施例5と同様に塗被紙を製造した。
【0048】[比較例9]下塗り塗被液を調製する際、
平均粒子径が0.7μmの重質炭酸カルシウムを60
部、0.55μmのカオリン40部を使用した以外は、
実施例5と同様に塗被紙を製造した。
【0049】以上の結果を表2に示した。
【0050】
【表2】 表2から明らかなように、実施例5〜9では高速操業性
が良好で、品質的にも一般及び上級印刷用紙として利用
できる塗工紙を得ることができた。それに対して、比較
例5〜9では、高速操業性に劣っていたり、品質的にも
劣っているものがあった。
【0051】く品質評価方法〉 (1)重質炭酸カルシウム平均粒子径 セイシン企業光透過式粒度分布測定装置SHC5000
を用いて、重量累積分布の50%点を平均粒子径として
測定した。
【0052】(2)ラテックスゲル含量 ラテックス約0.3gをスライドグラス上に薄く広げ、
50℃の乾燥機でフィルムとなるまで乾燥する。ラテッ
クスフィルムを約50m1のトルエン中に一昼夜浸漬し
ガラスフィルターでろ過後、ろ液を105℃の乾燥機で
乾燥して、トルエン可溶分の重量を測定する。ここで得
られたトルエン可溶分の重量から、次式によりゲル含量
を算出した。
【0053】ゲル含量(%) =(乾燥フィルム重量−トルエン可溶
分重量)×100 /(乾燥フィルム重量) (3)高速流動性評価 高速流動性は以下の毛細管粘度値で評価した。下塗り塗
被液を45℃に保温し、アントンパール社製高圧毛細管
粘度計HVA6型を使用して、直径0.4mm、管長1
0mmの毛細管を用い、せん断速度1×106 -1の条
件下で測定した粘度値。
【0054】(4)白紙光沢度 JIS Pー8142に従い角度75度で測定した。
【0055】(5)印刷後光沢度 RIーII型印刷試験機を用い、サカタインクスオフセ
ット印刷用インキ(商品名:ダイアトーンGSL紅)を
0.35cc使用して印刷し、一昼夜放置後、75度光
沢度を測定した。
【0056】(6)平滑度 JAPAN Tappi No5 王研式平滑度試験機
で測定した。
【0057】(7)印刷表面強度 RIーII型印刷機(明製作所製)を用い、東洋インキ
製TVー24を使用し、回転数40rpm、インキ量
0.35cc―定で印刷し、印刷面のピッキングの程度
を目視で相対評価した。
【0058】 ◎=全く発生しない、○=ほとんど発生しない △=発生する、×=発生が著しい (8)白紙面状 白紙光沢度のむらを目視で相対評価した。
【0059】 ◎=全くむらがない、○=ほとんどむらがない △=むらがある、×=むらが著しい (9)ミスト発生評価 フィルムトランスファー方式で塗被した時のミストの発
生状況を目視で判断した。
【0060】 ◎=全く発生しない、○=ほとんど発生しない △=発生する、×=発生が著しい (10)ガムアップ発生評価 フィルムトランスファー方式で長時間連続して塗被した
時のガムアップの発生状況を目視で判断した。
【0061】 ◎=24時間以上の連続操業においてもガムアップが発
生しない ○=24時間の連続操業においてガムアップの発生が認
められる △=8時間の連続操業においてガムアップの発生が認め
られる ×=4時間の連続操業においてガムアップの発生が認め
られる
【0062】
【発明の効果】フィルムトランスファー方式を使用し、
高速条件、特に1100m/分以上の高速で、塗被液を
塗被する製造工程で問題となる操業性を改善し、製品の
面状(表面被覆性、光沢ムラ)や印刷表面強度等に優れ
たオフセット印刷用塗被紙を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 秀樹 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製 紙株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−99395(JP,A) 特開 平7−189188(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 19/36 - 19/84

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙に顔料と接着剤とを含有する塗被液
    を塗被するオフセット印刷用塗被紙の製造方法におい
    て、顔料100部に対して重質炭酸カルシウムを70〜
    100重量%、接着剤としてゲル含量70〜90重量%
    である共重合体ラテックスを1〜10重量部含有し、高
    せん断速度(106 秒-1)下における粘度を35〜60
    cpsに調製した塗被液を、フィルムトランスファー方
    式の塗被装置で原紙に塗被することを特徴とするオフセ
    ット印刷用塗被紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 ゲル含量70〜90重量%の共重合体ラ
    テックスを4〜8重量部塗被液に含有することを特徴と
    する請求項1に記載のオフセット印刷用塗被紙の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 接着剤として、更にデンプン誘導体を5
    〜30重量部塗被液に含有することを特徴とする請求項
    1または2に記載のオフセット印刷用塗被紙の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 塗被速度が1100m/分以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオフセ
    ット印刷用塗被紙の製造方法。
  5. 【請求項5】 塗被速度が1100m/分以上で請求項
    1に記載の製造方法で製造された塗被紙上に、更に別に
    調整された上塗り塗被液を塗被して製造されたオフセッ
    ト印刷用塗被紙。
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