JP3305373B2 - 導電性無機粉体及びその製造方法並びに該導電性無機粉体を充填してなる帯電防止性高分子材料 - Google Patents

導電性無機粉体及びその製造方法並びに該導電性無機粉体を充填してなる帯電防止性高分子材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性無機粉体及びそ
の製造方法並びに該導電性無機粉体を充填してなる帯電
防止性高分子材料に関し、更に詳しくは、白色度が高
く、分散性が良く、安価且つ取り扱いの容易な導電性無
機粉体及びその製造方法並びに該導電性無機粉体を充填
してなる帯電防止性高分子材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にプラスチツク、ゴム、塗料、紙等
の高分子材料は高絶縁体であるので、接触あるいは摩擦
によって容易に帯電する。近年、前述の高分子材料はそ
れ自身が高絶縁体であることによる静電気障害が目立ち
はじめ、その対策が要望されている。従来は導電性のブ
ラツクカーボン、金属繊維、金属酸化物、樹脂等の導電
性材料を前述の高分子材料に充填または塗布することに
よって、帯電防止効果を得ようとしてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、これらの
導電性材料は黒色または有色であるために、これらを充
填した製品は自由に着色することができないので用途に
よっては使用が制限され、またファッション性に欠け
る。またこれらの導電性材料は高価なものであるため
に、これを充填または塗布した製品は高価となる。更に
は、導電性の樹脂を充填または塗布した製品は表面がベ
タツキやすく、その帯電防止効果は不安定で経時的にそ
の効果が低下し、また水洗等によってその効果が著しく
失われる。導電性材料の多くは前述の高分子材料中に均
一に分散させることが困難であるので、十分な帯電防止
効果を得ることができない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決せんとして鋭意研究の結果、特定の重合体で表面
処理することにより、前記問題を一挙に解消し得る導電
性無機粉体を提供するに至ったものである。即ち、本発
明は、炭酸カルシウム及びケイ酸塩鉱物よりなる群から
選択される少なくとも1種の無機粉体(A)の表面を下
記の一般式(I)
【0005】
【化3】
【0006】(式中、R1 は水素原子又はメチル基、M
はアルカリ金属、アンモニウム又はアミンである。)で
表されるスルホン酸塩を含む構造単位を有し、前記スル
ホン酸塩の含量が少なくとも30モル%である重合体
(B)で処理してなる導電性無機粉体、及びその製造方
法、並びに該導電性無機粉体を充填してなる帯電防止性
高分子材料を内容とするものである。
【0007】本発明に用いられる無機粉体(A)として
は、炭酸カルシウム及びケイ酸塩鉱物よりなる群から選
択される少なくとも1種であり、ケイ酸塩鉱物の好まし
いものとしては、タルク、マイカ、クレー及びこれらの
2種以上の混合物が例示される。本発明に用いられる前
記重合体(B)の具体例は下記のようなものである。 (1)ポリスチレンのスルホン化物の塩 ポリスチレンは、スチレン又はα−メチルスチレンの単
独重合体及び共重合体を包含する。スチレン又はα−メ
チルスチレンと共重合するモノマーとしては、疎水性モ
ノマー、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ステ
アリル、酢酸ビニル等の脂肪族モノマー、及びビニルナ
フタレン、ビニルトルエン等の芳香族モノマー、並びに
親水性モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、無
水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられ、これらは
単独又は2種以上組み合わせて用いられる。ポリスチレ
ンのスルホン化物の塩中のスルホン酸塩の含量は、少な
くとも30モル%であることが好ましく、より好ましく
は、50モル%以上である。スルホン酸塩の含量が30
モル%未満では導電性が低下する傾向がある。スルホン
化は、通常のスルホン化剤を使用し、溶媒中において公
知の方法で行われる。このスルホン化剤としては、無水
硫酸(以下SO3 と記す。)クロルスルホン酸等が使用
される。特にSO3 は、液体SO3 、窒素・乾燥空気等
の不活性ガス及び1,2−ジクロロエタン、塩化エチル
等の炭素数1〜2の脂肪族ハロゲン化炭化水素で希釈し
たSO3 等何れも使用できる。スルホン化剤の使用量
は、原料ポリスチレン中のスチレンモノマー1モルに対
し、通常0.5〜2モル量、好ましくは、0.6〜1.
5モル量である。使用モル量が小さいと、スルホン化度
が不十分で不溶分が増加し、一方、使用モル量が多い
と、ボウ硝などの副生物が増加する。溶媒は、通常、炭
素数1〜2の脂肪族ハロゲン化炭化水素が使用される。
この様なハロゲン化炭化水素の具体例としては、1,2
−ジクロロエタン、メチレンジクロリド、塩化エチル、
四塩化炭素、1,1−ジクロルエタン、1,1,2,2
−テトラクロルエタン、クロロホルム、エチレンジブロ
ミド等のスルホン化剤に不活性なものが挙げられ、これ
らは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。溶媒の
使用量は、ポリスチレンの分子量にもよるが、原料ポリ
スチレンに対して通常1〜30重量部、好ましくは、2
〜20重量部である。スルホン化温度は通常0〜50℃
である。ポリスチレンのスルホン化後は、アルカリ金
属、アルカリ土類金属等の水酸化物、炭酸塩等によって
中和され、溶剤は、濾過、留出等によって分離され、粉
末状又は水溶液状のポリスチレンのスルホン化物の塩を
得る。
【0008】(2)スチレンスルホン酸塩重合体 スチレンスルホン酸塩重合体は、単独重合体及び共重合
体を包含する。スチレンスルホン酸塩と共重合するモノ
マーとしては、疎水性モノマー、例えばアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ステアリル、醋酸ビニル等の脂肪族
モノマー、及びスチレン、ビニルナフタレン、ビニルト
ルエン、p−メチルスチレン等の芳香族モノマー、並び
に親水性モノマー、例えばアクリルアミド、アクリル
酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチル
アクリル酸エステル、ヒドロキシエチルメタクリル酸エ
ステル、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミドプロピ
ルスルホン酸等が挙げられ、これらは単独又は2種以上
組み合わせて用いられる。スチレンスルホン酸共重合体
中のスチレンスルホン酸塩の含有量は、少なくとも30
モル%以上であることが好ましく、より好ましくは50
モル%以上である。スチレンスルホン酸塩含量が30モ
ル%未満では導電性が低下する傾向がある。スチレンス
ルホン酸塩重合体は、公知の方法で容易に製造できる。
例えば、スチレンスルホン酸塩及び必要により他の単量
体を、過硫酸塩、アゾビスイソブチルニトリル等のラジ
カル開始剤を単量体に対し0.1〜5重量%用い、水、
またはアルコール系溶剤中で50〜150℃で重合す
る。必要であれば、メルカプタン類等の連鎖移動剤を用
いる。該重合体(B)の塩としては、ナトリウム、カリ
ウム、リチウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、
エタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン塩が挙
げられ、好ましくは、ナトリウム、カリウムのアルカリ
金属塩である。前記重合体(B)は1種または2種以上
混合して使用される。尚、必要により既知の炭酸カルシ
ウム等用の脂肪酸、樹脂酸等有機物またはMg、Zn等
の無機物を併用してもよく、そのことにより帯電防止効
果等は失われない。
【0009】上記の重合体(B)は、無機粉体(A)1
00重量部あたり、有効成分換算で0.1〜10重量部
の範囲にあることが好ましい。この添加量が0.1重量
部未満では、得られた導電性無機粉体の帯電防止効果が
十分でなく、10重量部を越えると、それ以上添加して
も得られた導電性無機粉体の帯電防止効果に殆ど大差が
ない。
【0010】無機粉体(A)の表面を重合体(B)で処
理する方法としては、(A)が乾燥粉体である場合に
は、スーパーミキサーまたはパドルドライヤー等の80
〜120℃の加熱と撹拌が可能な装置を用い、(A)を
80〜120℃まで加熱と撹拌しながら(A)100重
量部あたり(B)を1種または2種以上混合して0.1
〜10重量部添加し、さらに加熱と撹拌を行い、(A)
の粒子表面に(B)を付着・吸着処理することによって
導電性無機粉体を得るものである。尚、使用される無機
粉体は予め表面処理されたものであってもよい。
【0011】また、(A)がペーストまたは水懸濁液で
ある場合には、脱水、乾燥、粉砕し粉体とした後に前述
の処理を行うか、または、そのままの状態で撹拌しなが
ら(A)100重量部あたり(B)の1種または2種以
上を0.1〜10重量部添加し、さらに撹拌を行い、脱
水、乾燥、粉砕して粉体とし、導電性無機粉体を得る。
尚、脱水は乾燥効率を上げる為に行うもので、直接スプ
レードライヤー等の乾燥装置で脱水を行わずに乾燥して
もよい。
【0012】このようにして得られた本発明の導電性無
機粉体は、それ自身が導電性であるだけでなく、白色度
が高く、各媒体に均一に分散し、安価で、取り扱いが容
易であり、プラスチツク、ゴム、塗料、紙等の高分子材
料に充填した場合には優れた帯電防止効果が得られ、そ
の効果は安定で長期間持続する。特にポリオレフィン、
塩ビ等のプラスチックにその効果が大きい。また、シー
ト、繊維状にプラスチックを加工するときや、これを他
のものとブレンド加工等する場合に発生する静電気によ
る作業性低下を防ぐことが出来る。また、白色度が良好
であるために、前述の高分子材料の帯電防止製品は自由
に着色することができファッション性があり、着色によ
る用途に制限がない他、表面のベタツキ等の問題がな
く、安価であり、本来、無機粉体を使用することによっ
て得られていた効果は失われない。
【0013】重合体(B)をそのまま前述の高分子材料
に充填した場合にも、当初、優れた帯電防止効果が得ら
れるが、その効果は本発明の導電性無機粉体に比べ劣
り、また経時的にその帯電防止効果は低下する傾向があ
り、耐熱性等の他の物性も劣る。なお、この理由として
は、本発明の導電性無機粉体の場合は、無機粉体粒子表
面に重合体(B)を付着・吸着させて処理しているの
で、高分子材料に充填した場合に、該重合体(B)を均
一に分散させることが容易である。したがって、高分子
材料の表面だけでなく内部まで帯電防止効果が発揮され
る。また、このことにより重合体(B)自身が高分子材
料の表面にブリード・アウトすることが防止されるもの
と思われる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を記載して
より詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限
されるものではない。 実施例1 重質炭酸カルシウム(比表面積:11,000cm2 /g、空気
透過法による測定値、以下同様)100重量部をスーパ
ーミキサーで80〜100℃に加熱と撹拌をしながらス
ルホン化ポリスチレンのナトリウム塩(スルホン酸塩含
量=60モル%)の30%水溶液を2重量部添加し、さ
らに加熱と撹拌を行い、炭酸カルシウム粒子表面に処理
することによって導電性炭酸カルシウムを得た。なお、
スーパーミキサー槽内の最終温度は100〜120℃で
あった。
【0015】実施例2 実施例1で使用したスルホン化ポリスチレンのナトリウ
ム塩に代えてスルホン化スチレン−無水マレイン酸共重
合体のナトリウム塩(スチレン/無水マレイン酸のモル
比=2/1、スルホン酸塩含量=55モル%)を使用し
た他は実施例1と同様にして導電性炭酸カルシウムを得
た。
【0016】実施例3 実施例1で使用したスルホン化ポリスチレンのナトリウ
ム塩に代えてスチレンスルホン酸ナトリウム−アクリル
酸ナトリウム共重合体(スチレンスルホン酸ナトリウム
/アクリル酸ナトリウムのモル比=7/3)を使用した
他は実施例1と同様にして導電性炭酸カルシウムを得
た。
【0017】比較例1 実施例1で使用した無処理の重質炭酸カルシウム(比表
面積:11,000cm2 /g)を調製した。
【0018】実施例4 1次粒子径0.1μmのサイコロ状沈降製炭酸カルシウ
ムの固形分15重量%の水懸濁液に対して、炭酸カルシ
ウム100重量部当たり実施例2で使用したスルホン化
スチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩を2
重量部添加した後、充分に撹拌を行った。得られた炭酸
カルシウム処理水懸濁液を脱水、乾燥、粉砕仕上を行
い、前述の炭酸カルシウム粒子表面に処理することによ
って導電性炭酸カルシウムを得た。
【0019】実施例5 実施例4で使用した無処理の1次粒子径0.1μmのサ
イコロ状沈降製炭酸カルシウムの固形分15重量%の水
懸濁液をそのまま処理を行わずに実施例4と同様にして
脱水、乾燥、粉砕仕上を行い、得られた無処理の炭酸カ
ルシウム粉体に対して実施例1と同様にして、この炭酸
カルシウム粉体100重量部をスーパーミキサーで80
〜100℃に加熱と撹拌をしながら実施例1で使用した
スルホン化ポリスチレンのナトリウム塩を2重量部添加
し、さらに加熱と撹拌を行い、炭酸カルシウム粒子表面
に処理することによって導電性炭酸カルシウムを得た。
なお、スーパーミキサー槽内の最終温度は100〜12
0℃であった。
【0020】比較例2 実施例4で使用した無処理の1次粒子径0.1μmのサ
イコロ状沈降製炭酸カルシウム粉体を調製した。
【0021】比較例3 実施例4で使用したスルホン化スチレン−無水マレイン
酸共重合体のナトリウム塩に代えて脂肪酸石鹸を使用し
た他は実施例4と同様にして導電性炭酸カルシウム粉体
を調製した。
【0022】実施例6 実施例1で使用した重質炭酸カルシウムに代えて、比表
面積25,000cm2 /gの重質炭酸カルシウムを使用した他
は実施例1と同様にして導電性炭酸カルシウムを得た。
【0023】実施例7 実施例1で使用した重質炭酸カルシウムに代えて、タル
ク(比面積11,000cm2/gを使用した他は実施例1と同
様にして導電性タルクを得た。
【0024】比較例4 実施例7で用いた無処理のタルク粉体を調製した。
【0025】実施例1〜7と比較例1〜4で得られた無
機粉体について、体積固有抵抗値と白色度を測定した。
無機粉体は予め105℃で2時間乾燥した後、デシケー
ター中で放冷後、加圧して錠剤状に成型し直ちに測定し
た。測定機器は横河ヒューレット・パッカード株式会社
MODEL 4329A HIG- H RESIST
ANCE METER を用い、粉体の白色度はケット
光電白度計にて測定した。結果を表1に示したが、比較
例1〜4の無機粉体が高絶縁体であるのに対して、実施
例1〜7の本発明の導電性無機粉体は導電領域にある。
【0026】
【表1】
【0027】*測定条件 30℃、60%RH 500V、60秒チャージ後体積固有抵抗を測定 放置条件 20℃、60%RH (以上の測定及び放置条件は、以下においても同様であ
る。)
【0028】実施例8〜14、比較例6〜9 下記の配合及びシート作成条件により、実施例1〜7と
比較例1〜4で得られた無機粉体を配合した軟質塩化ビ
ニルシートを作成した。作成したシートの1日後の体積
固有抵抗値を測定した。結果を表2に示した。
【0029】比較例10 比較例1の重質炭酸カルシウム(比表面積:11,000cm2
/g)を軟質塩化ビニルシート作成の際に配合するとき
に、実施例1で使用したスルホン化ポリスチレンのナト
リウム塩を同量の2重量部添加した他は実施例8〜1
4、比較例6〜9と同様にして軟質塩化ビニルシートを
作成し、これの体積固有抵抗値を測定した。結果を表2
に示す。
【0030】
【表2】
【0031】実施例8と比較例10で得られた軟質塩化
ビニルシートについて、下記の水洗試験方法による水洗
試験を実施した。結果を表3に示した。 「水洗試料方法」 水洗条件 試料シートを流水中に放置 水洗時間 1日、7日、1箇月 測定方法 各水洗後の試料シートの体積固有抵抗値を前
記の方法で測定
【0032】
【表3】
【0033】実施例8と比較例6、10で得られた軟質
塩化ビニルシートについて、下記の熱安定性試験方法に
よる熱安定性試験を実施した。シート作成直後のシート
の白色度と熱安定性の結果を表4に示した。シートの白
色度は株式会社村上色彩技術研究所製ディジタル光沢計
GMー3Dにて測定した。 「熱安定性試験方法」 加熱装置 ギャーオーブン、ファン付き 加熱温度 180℃ 加熱時間 10分、20分、30分、40分、50分、60分 測定方法 試料のシートの変色度合を○、△、×で表示
【0034】
【表4】
【0035】表2から、比較例1〜4の無機粉体を配合
した比較例6〜9で得られた軟質塩化ビニルシートは高
絶縁体であるのに対して、実施例1〜7の無機粉体を配
合した実施例8〜14で得られた軟質塩化ビニルシート
は体積固有抵抗値が109 Ω-cm オーダーと低い値を示
し、優れた帯電防止効果が認められた。また無処理重質
炭酸カルシウムと重合体(B)を配合時に添加した比較
例10で得られた軟質塩化ビニルシートは、実施例8と
同量の重合体(B)を添加しているのにも拘わらず、そ
の体積固有抵抗値は1010Ω-cm オーダーと実施例8よ
り1オーダー高い値を示し、帯電防止効果は実施例8よ
り劣っていた。また表3から、実施例1の無機粉体を配
合した実施例8で得られた軟質塩化ビニルシートの帯電
防止効果は長時間持続し水洗によっても失われていなか
った。これに対し、比較例10で得られた軟質塩化ビニ
ルシートの体積固有抵抗値は経時的に高くなり、帯電防
止効果が低下した。また、水洗により軟質塩化ビニルシ
ートの体積固有抵抗値は1012Ω-cm 付近まで高くな
り、著しく帯電防止効果が低下した。さらに表4から、
実施例1の無機粉体を配合した実施例8で得られた軟質
塩化ビニルシートは、白色度が高く、熱安定性は比較例
1の無機粉体を配合した比較例6のものより僅かに低い
が大差がない。また、実施例8と同量の重合体(B)を
添加しているのにも拘わらず、比較例10で得られた軟
質塩化ビニルシートは実施例8のものより白色度が低
く、熱安定性は実施例8のものより大きく劣るものであ
った。
【0036】実施例15〜20、比較例11〜14 下記の配合及びシート作成条件により、実施例1〜6と
比較例1〜4の無機粉体を配合し、ポリプロピレンシー
トを作成した。作成したシートの1日後の体積固有抵抗
値を測定した。結果を表5に示した。 「配合」 ポリプロピレン樹脂(三菱樹脂 MH8) 70 重量部 無機粉体 30 重量部
【0037】
【表5】
【0038】表5から、比較例1〜4の無機粉体を配合
した比較例11〜14のポリプロピレンシートの体積固
有抵抗値は1015〜1016オーダーであるのに対し、実
施例1〜6の無機粉体を配合した実施例15〜20のポ
リプロピレンシートの体積固有抵抗値は1014オーダー
であり、優れた帯電防止効果が認められた。
【0039】
【発明の効果】本発明の導電性無機粉体はそれ自身が導
電性であるばかりでなく、白色度が高く、軟質塩化ビニ
ル等のプラスチツク等に配合した場合に優れた帯電防止
効果が得られ、その効果は水洗によっても失われず安定
で長時間持続する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 9/00 C08K 9/00 C09C 1/28 C09C 1/28 1/42 1/42 3/10 3/10 C09D 5/00 C09D 5/00 5/24 5/24 D21H 17/69 D21H 17/69 (72)発明者 藤原 敏男 兵庫県姫路市大塩町292の4 (72)発明者 西垣内 靖 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の 1 三洋化成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−73540(JP,A) 特開 平3−31347(JP,A) 特開 昭60−60140(JP,A) 特開 平1−231931(JP,A) 特開 平3−103479(JP,A) 特開 昭62−91416(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09C 1/00 - 3/12 C08K 3/26 C08K 3/34 C08K 9/00 C09D 5/24 C01B 33/20 C01F 11/18 H01B 1/00 - 1/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸カルシウム及びケイ酸塩鉱物よりな
    る群から選択される少なくとも1種の無機粉体(A)の
    表面を下記の一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素原子又はメチル基、Mはアルカリ金
    属、アンモニウム又はアミンである。)で表されるスル
    ホン酸塩を含む構造単位を有し、前記スルホン酸塩の含
    量が少なくとも30モル%である重合体(B)で処理し
    てなる導電性無機粉体。
  2. 【請求項2】 ケイ酸塩鉱物がタルク、マイカ及びクレ
    ーよりなる群から選択される請求項1記載の導電性無機
    粉体。
  3. 【請求項3】 炭酸カルシウム及びケイ酸塩鉱物よりな
    る群から選択される少なくとも1種の無機粉体(A)と
    下記の一般式(I) 【化2】 (式中、R1 は水素原子又はメチル基、Mはアルカリ金
    属、アンモニウム又はアミンである。)で表されるスル
    ホン酸塩を含む構造単位を有し、前記スルホン酸塩の含
    量が少なくとも30モル%である重合体(B)とを攪拌
    することにより前記無機粉体(A)の表面に該重合体
    (B)を付着・吸着処理させることを特徴とする導電性
    無機粉体の製造方法。
  4. 【請求項4】 無機粉体(A)100重量部に対し、前
    記重合体(B)を0.1〜10重量部の範囲で使用する
    請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ケイ酸塩鉱物がタルク、マイカ及びクレ
    ーよりなる群から選択される請求項3又は4記載の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 プラスチック、ゴム、塗料および紙から
    選ばれる高分子材料に請求項1又は2記載の導電性無機
    粉体を充填してなる帯電防止性高分子材料。
JP28946792A 1992-10-01 1992-10-01 導電性無機粉体及びその製造方法並びに該導電性無機粉体を充填してなる帯電防止性高分子材料 Expired - Fee Related JP3305373B2 (ja)

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