JP3303392B2 - 樹脂多層構造体 - Google Patents

樹脂多層構造体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂多層構造体に関す
る。さらに詳しくは、特定構造の芳香環含有ポリエステ
ルからなる層と、他の熱可塑性樹脂層を有し、両層が、
カルボキシル基及び/または酸無水物基を含有するポリ
オレフィン樹脂層によって充分な強度を以て接着された
樹脂多層構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレート(PET)は耐薬品性、耐熱性、機械的性質、
電気的性質などに優れ、繊維、フィルム等として多くの
工業製品に使用されている。またポリエチレンテレフタ
レートは、ガスバリアー性、透明性にも優れるので、調
味料、清涼飲料水、洗剤、化粧品などの容器の素材とし
て採用されている。
【0003】しかし、炭酸入り清涼飲料水、食品の鮮度
保持容器など高いガスバリアー性能が必要な用途に関し
ては、ポリエステル単独ではその要求に充分応じられな
いのが現状である。また、PET等は融点が高いためヒ
ートシール性に劣り、また剛直であるため一部の包装材
料として使用する場合には問題があった。そこでこれら
の欠点を解決すべくポリエステルと他の適当な熱可塑性
樹脂とからなる多層フィルムの開発が検討された。しか
し、この場合にもポリエチレンテレフタレートと他の熱
可塑性樹脂との接着の問題が解決すべき問題として残っ
ていた。即ち、一般に両者は極性が著しく異なるため、
本質的に接着しにくいのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の問題点を解決するものであり、その目的とするとこ
ろは、芳香環含有ポリエステル層を有し、ガスバリアー
性能、ヒートシール性、保香性等に優れ、また、各樹脂
層間が充分な強度を持って接着している樹脂多層構造体
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アミノ基
及び/またはアミド結合を導入したポリエステル材料
が、カルボキシル基及び/または酸無水物基を含むポリ
オレフィン類と強力に接着することを見出し、該ポリオ
レフィン類を介して、芳香環含有ポリエステルと適当な
他の熱可塑性樹脂を積層することにより、ガスバリアー
性能、ヒートシール性、保香性等に優れる樹脂多層構造
体が得られることを見出だした。
【0006】即ち本発明は、下記またはのいずれか
のポリエステル材料からなる層(a)、ポリオレフィ
ン、またはエチレン−ビニルアルコール共重合体からな
樹脂層(b)、及び分子中にカルボキシル基及び/ま
たは酸無水物基を含有するポリオレフィン樹脂からなる
層(c)を含み、かつ(a)層と(b)層が(c)層を
介して積層されていることを特徴とする、樹脂多層構造
体に存する。 アミド結合及び/またはアミノ基を分子中に含む芳香
環含有ポリエステル アミド結合及び/またはアミノ基を有する重合体(ビ
ニル系重合体を除く。)と芳香環含有ポリエステルとの
樹脂組成物
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられるアミド結合及び/またはアミノ基を導入した
ポリエステル材料とは、アミド結合及び/またはアミ
ノ基をその分子中に含む芳香環含有ポリエステル樹脂、
またはアミド結合及び/またはアミノ基を有する重合
体と、芳香環含有ポリエステルとの樹脂組成物である。
ここで、芳香環含有ポリエステルとは、ポリエステル形
成成分であるジカルボン酸またはそのエステル、及び/
またはジオール類に芳香族環を有するものである。特に
芳香族ジカルボン酸またはそのエステルから形成される
ポリエステルが好ましい。
【0008】かかる芳香族ジカルボン酸としては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が
挙げられ、特にテレフタル酸が好ましい。また、ジオー
ル類としては、エチレングリコール、テトラメチレング
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙
げられる。これらは各々単独で、または2種以上併せて
用いることができる。
【0009】芳香環含有ポリエステルとして好ましいの
は、アルキレンテレフタレート単位を含むポリエステル
である。アミド結合及び/またはアミノ基をその分子中
に含む芳香環含有ポリエステルとは、重合体分子中に一
つ以上の該官能基を含むものであり、具体的には、ポリ
アミドエステルが挙げられる。
【0010】かかるポリアミドエステルとしては、上記
芳香環含有ポリエステルの原料中に、ヘキサメチレンジ
アミン、テトラメチレンジアミン、等のジアミンを存在
させて重縮合することにより得られるものが挙げられ
る。また、アミド結合及び/またはアミノ基を有する重
合体と芳香環含有ポリエステルとの樹脂組成物を用いる
場合のアミド結合及び/またはアミノ基を有する重合体
としては、ポリアミド、ポリエーテルアミド等が挙げら
れる。また、上述したポリアミドエステル等のアミド結
合及び/またはアミノ基を分子中に有する芳香環含有ポ
リエステルを、かかる官能基を含まない芳香環含有ポリ
エステルに配合してもよい。
【0011】尚、芳香族環含有ポリエステルに含まれる
アミノ基及び/またはアミド結合の数は、ポリエステル
一分子又は組成物中に少なくとも一つ以上あれば良く、
含量の上限に特に制限はないが、芳香環含有ポリエステ
ル又は組成物全体に対し10重量%以下となるようにす
るのが好ましい。本発明の樹脂多層構造体は、上述した
芳香環含有ポリエステルからなる層(a)と熱可塑性樹
脂層(b)とが、分子中にカルボキシル基及び/または
酸無水物基を含有するポリオレフィン樹脂からなる層
(c)を介して積層されていることを特徴とする。これ
により、各樹脂層間が充分な強度を持って接着してお
り、かつガスバリヤー性能、ヒートシール性、保香性等
に優れた積層フィルムが得られる。
【0012】ここで、熱可塑性樹脂層としては、ポリオ
レフィン、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共
重合体、ポリエーテル、ポリケトン、ポリイミド、もし
くはポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のビニ
ル系重合体など、一般に熱可塑性樹脂と呼称される重合
体よりなる層であれば、いずれでもよいが、好ましく
は、ポリオレフィン、ポリアミド又はエチレン−ビニル
アルコール共重合体である。ポリオレフィンとしては、
低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等
が挙げられる。
【0013】本発明における、分子中にカルボキシル基
及び/または酸無水物基を含有するポリオレフィンとし
ては、例えば、未変性のポリオレフィンに、α,β−不
飽和カルボン酸等をグラフト反応させて得た、いわゆる
変性ポリオレフィンが挙げられる。未変性のポリオレフ
ィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、または
エチレン、プロピレン、ブテン等のα−オレフィン同
士、或いは該α−オレフィンとブタジエン等のジエン類
或いは他の共重合モノマーとを共重合して得られるポリ
オレフィンが挙げられる。
【0014】好ましくは、エチレン50モル%以上のエ
チレンとプロピレン、又はエチレンとブテンの共重合体
が用いられる。グラフト反応させるα,β−不飽和カル
ボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸またはこれらの酸の無水物などが挙げられ
る。これらのうち、無水マレイン酸が特に好ましい。
【0015】分子中のカルボキシル基又は酸無水物基の
含有量は、好ましくは500〜15,000ppmであ
る。尚、かかる変性ポリオレフィンは、未変性のポリオ
レフィンと混合して用いてよく、その場合も、混合物全
体に対するカルボキシル基又は酸無水物基の量が500
〜15,000ppmになるようにするのが好ましい。
【0016】本発明の芳香環含有ポリエステルからなる
a層と、熱可塑性樹脂からなるb層が、分子中にカルボ
キシル基及び/または酸無水物基を含有するポリオレフ
ィン樹脂からなるc層を介して積層されている積層構造
を含む樹脂多層構造体としては、a/c/b,a/c/
b/c/a,a/c/b/c/b等の層構造をとる多層
構造体を考えることができる。
【0017】これらの多層構造体を構成する各層の厚さ
は特に限定されないが、多層フィルムの場合は通常1μ
m〜500μmが好ましい。この多層体は、さらに目的
に応じてアルミ板(箔)、紙、金属板、他のプラスチッ
クフィルム、シート等と積層した多層構造体として用い
ることもできる。これらの多層構造体の製造法は特に限
定されないが、簡便には各層相当のフィルム、シートを
積層して加熱、加圧することにより得られる。工業的に
は、複数の押出機を用いて溶融樹脂を同一ダイス内で接
合する共押出法、もしくは、その後延伸を加える共押出
/共延伸法等が用いられる。
【0018】
【実施例】以下に本発明を詳述するが本発明はその要旨
を越えない限り、以下の実施例に制約されるものではな
い。 製造例 撹拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス重合管に1
08.75g(0.56mol)のテレフタル酸ジメチ
ル、27.19g(0.14mol)のイソフタル酸ジ
メチル、及び104.28g(1.68mol)のエチ
レングリコールを仕込み、減圧−窒素置換を3回繰り返
した。1.0gのテトラブトキシチタンを加え、180
℃から230℃まで3時間かけ昇温し、発生するメタノ
ールを留去した。
【0019】その後、18.0g(0.155mol)
のヘキサメチレンジアミンを加え、230℃で1時間反
応した。さらに、徐々に減圧を行い重合管内の圧力を1
mmHgに保ち、2時間重合した。重合管内に窒素を導
入し常圧に戻し重合を停止した。生成物は重合管底部よ
り抜き出し可能で、得られたポリマーは褐色透明であっ
た。また、生成物のIRスペクトル測定により、153
0cm-1にアミド結合に由来する吸収が観測された。
【0020】実施例1 製造例で得られた重合体を5重量部とPET−G(イー
ストマンコダック社製、商品名テイナイト6763、P
ET−Gは、テレフタル酸、エチレングリコール及び
1,4−シクロヘキサンジメタノールからなるポリエス
テル)95重量部をブラベンダープラストグラフ中26
0℃で、3分間混練した。このようにして得られた樹脂
組成物を熱プレスを用い、0.5mm厚のシートとし
た。また、低密度ポリエチレン(ダイアポリマー社製、
商品名:三菱ポリエチL320)を同様に熱プレスによ
り0.5mm厚のシートとした。この両シートをPET
用接着剤(エチレン−ブテン共重合体に無水マレイン酸
を約1200ppmグラフトさせたもの)を用いて、熱
プレス230℃、1分間の条件で接着した。このシート
のT剥離強度を測定したところ、3.8Kg・cm-1
あった。
【0021】実施例2 製造例で得られた重合体を5重量部とPET−G95重
量部をブラベンダープラストグラフ中260℃で、3分
間混練した。このようにして得られた樹脂組成物を熱プ
レスを用い、0.5mm厚のシートとした。また、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体(エチレン含量32モ
ル%、MI=1.3g/10分、190℃)を同様に熱
プレスにより0.5mm厚のシートとした。この両シー
トを実施例1と同じPET用接着剤を用いて、熱プレス
230℃、1分間の条件で接着した。このシートのT剥
離強度を測定したところ、3.5Kg・cm-1であっ
た。
【0022】
【発明の効果】本発明では、アミド結合又はアミノ基等
を導入した芳香環含有ポリエステルを用い、かつ特定構
造の積層体とすることにより、他の熱可塑性樹脂との接
着力を著しく向上させることができたものであり、これ
により、ヒートシール性、ガスバリアー性、耐熱性、耐
薬品性などを兼ね備えるプラスティックフィルム、シー
トを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−97377(JP,A) 特開 平3−193344(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記またはのいずれかのポリエステ
    ル材料からなる層(a)、ポリオレフィン、またはエチ
    レン−ビニルアルコール共重合体からなる樹脂層
    (b)、及び分子中にカルボキシル基及び/または酸無
    水物基を含有するポリオレフィン樹脂からなる層(c)
    を含み、かつ(a)層と(b)層が(c)層を介して積
    層されていることを特徴とする、樹脂多層構造体。 アミド結合及び/またはアミノ基を分子中に含む芳香
    環含有ポリエステル アミド結合及び/またはアミノ基を有する重合体(ビ
    ニル系重合体を除く。)と芳香環含有ポリエステルとの
    樹脂組成物
  2. 【請求項2】 の芳香環含有ポリエステルまたはの
    樹脂組成物中のアミド結合及び/またはアミノ基の含量
    が10重量%以下である請求項1に記載の樹脂多層構造
    体。
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