JP3301816B2 - ポリエステル系複合成形品及びその製造法 - Google Patents

ポリエステル系複合成形品及びその製造法

Info

Publication number
JP3301816B2
JP3301816B2 JP10738593A JP10738593A JP3301816B2 JP 3301816 B2 JP3301816 B2 JP 3301816B2 JP 10738593 A JP10738593 A JP 10738593A JP 10738593 A JP10738593 A JP 10738593A JP 3301816 B2 JP3301816 B2 JP 3301816B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin material
resin
molded article
composite molded
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10738593A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06293044A (ja
Inventor
初彦 原科
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to JP10738593A priority Critical patent/JP3301816B2/ja
Publication of JPH06293044A publication Critical patent/JPH06293044A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3301816B2 publication Critical patent/JP3301816B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は気密性及び密着性に優れ
た複合成形品及びその製造法に関し、自動車や電気・電
子分野の各種機器部品に好適な複合成形品を提供するも
のである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】結晶性
熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PE
T樹脂)、ポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)
等は機械的性質、電気的性質、その他物理的・化学的特
性に優れ、かつ、加工性が良好であるがゆえにエンジニ
アリングプラスチックとして自動車、電気・電子部品等
の広汎な用途に使用されている。しかしながら近年、自
動車、電気・電子部品には多種の特性が求められてお
り、その特性付与手法の1つとして異質材料を組み合わ
せた2体成形部品が開発されている。一般に2種の材料
を一体的に成形する方法としては、樹脂の一次側成形品
上に異材質樹脂を二次成形してその界面を融着固定させ
る二重成形法により部分的に異なる特性を有する複合成
形品を得ることが知られているが、高結晶性熱可塑性ポ
リエステルを多重成形に使用した複合成形品では一次側
の樹脂と二次側の樹脂の界面の融着が不充分であり、外
力によって剥離しやすく、又、そり変形等を生じ易く、
使用上一体成形品としての機能を満足しないことが多
い。両樹脂の界面の融着強度を補う目的で一次側成形品
にアンダーカットや貫通孔を設ける等メカニカルなアン
カー効果を有する形状構造を設けたり、一次成形品に接
着剤を塗布する等の工夫が見られるが、形状が複雑化し
たり、工程が煩雑化して経済的にも不利であり、又、生
産効率の面でも望ましくない。特にポリブチレンテレフ
タレートやポリプロピレンテレフタレート又はポリエチ
レンテレフタレートは高い結晶性を有するために、これ
を二重成形法により成形し、樹脂間の界面の融着強度の
高い複合成形品を簡単な方法で経済的に効率良く生産す
るのは至難であった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアル
キレンテレフタレート系樹脂の優れた機械的性質、化学
的性質、熱的性質等を有する一体成形品で、特にアンカ
ー形状の付与や接着剤等を用いることなく簡単な多重成
形法により樹脂間の融着強度の高い複合成形品を経済的
に効率良く得るべく鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち本発明は下記(I)又は(II)で示される樹脂
材料(A) と下記(III) で示される樹脂材料(B) とを多重
成形法により一体的に成形してなる気密性及び密着性の
高い複合成形品及びその製造法である。 (I)ポリアルキレンテレフタレート(アルキレン基の
炭素数2〜4)を主体とし1〜40モル%の他のジカルボ
ン酸化合物或いは低分子量ジヒドロキシ化合物から導入
されるコモノマーユニットを含有する共重合体(但し、
液晶性ポリエステルを除く) (II)上記(I)の共重合体にポリアルキレンテレフタ
レート(アルキレン基の炭素数2〜4)を全量に対して
1〜95重量%混合したブレンド物 (III)ポリアルキレンテレフタレート(アルキレン基の
炭素数2〜4)又はこれを主体とし40モル%以下の他の
ジカルボン酸化合物或いは低分子量ジヒドロキシ化合物
から導入されるコモノマーユニットを含有する重合体
(但し、液晶性ポリエステルを除く) 以下、本発明の一体成形品の構成材料及びその成形法に
ついて詳しく説明する。
【0004】本発明の複合成形品に有効な樹脂材料(A)
の一つを構成する(I)は、ポリアルキレンテレフタレ
ート(アルキレン基の炭素数2〜4)を主体とし1〜40
モル%の他のコモノマーユニットを含有する共重合体で
あり、具体的にはテレフタル酸又はそのエステル形成誘
導体と炭素数2〜4のアルキレングリコール又はそのエ
ステル形成誘導体を重縮合反応して得られるポリアルキ
レンテレフタレートを主体とするものであり、例えばポ
リエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレ
ート又はポリブチレンテレフタレートを主成分とし、こ
れに1〜40モル%の他のコモノマーユニットを導入した
共重合体が挙げられる。かかる共重合体を構成する第三
成分(コモノマー)としては、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニル
エーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、ドデカン二酸の如き公知のジカルボン酸及びこれ
らのアルキル、アルコキシ又はハロゲン置換体等が挙げ
られる。また、これらのジカルボン酸化合物は、エステ
ル形成可能な誘導体、例えばジメチルエステルの如き低
級アルコールエステルの形で重縮合に使用しコモノマー
成分として導入することも可能である。又、共重合体を
構成するための第三成分として使用されるジヒドロキシ
化合物の例を示せば、エチレングリコール、1,3 −プロ
パンジオール、1,4 −ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシ
フェニル、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、シクロヘキサンジオール、2,2 −ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、ジエトキシ化ビスフ
ェノールAの如き比較的低分子量のジヒドロキシ化合
物、及びこれらのアルキル、アルコキシ又はハロゲン置
換体等である。これらのコモノマー成分は2種以上混合
して導入したものであってもよい。本発明では、上記の
如き化合物をコモノマー成分として、重縮合により生成
する熱可塑性ポリエステル共重合体を単独又は2種以上
混合して本発明の樹脂材料(A) として使用することがで
きる。本発明における一体成形品を構成するポリアルキ
レンテレフタレートを主体とする樹脂材料(A) は本来の
エンジニアリングプラスチックとしての特性を有し且つ
気密性及び密着性に優れた特性を兼備する材料であるた
め、共重合成分の含有量は1〜40モル%の範囲であり、
好ましくは3〜35モル%の範囲である。またかかる樹脂
材料(A) は、一般には一次成形品として使用し、この上
に二次材料(B) を成形融着するので、その界面の融着強
度を得るためには二次成形において樹脂材料(B) によっ
てその表面(界面)部が一時的に溶融することが必要と
なり、その融点も考慮する必要がある。そのため樹脂材
料(A) の融点は 250℃以下、好ましくは 240℃以下であ
ることが望ましい。樹脂材料(A) の融点が高すぎると、
二次成形における樹脂材料(B) の成形樹脂温度を更に高
くする必要が生じ、その熱分解等を生じ易く、又、粘度
低下等により成形性を害し、好ましくない。又、樹脂材
料(A) の融点が低過ぎると、二次成形時に一次材料の変
形を生じ易く、好ましくない。樹脂材料(A) の融点はこ
れに使用するポリアルキレンテレフタレート系樹脂の種
類、共重合成分の種類と量等により調製される。この見
地から特に好ましいのはポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレンテレフタレート又はポリブチレンテレフ
タレートを主体とし、3〜35モル%共重合成分を有する
共重合体である。又、本発明の複合成形品に有効な樹脂
材料(A) として、前記(I)の共重合体にポリアルキレ
ンテレフタレート(アルキレン基の炭素数2〜4)を全
量に対して1〜95重量%混合したブレンド物(II)も挙
げられる。ブレンドされるポリブチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレンテレフタレートあるいはポリエチレ
ンテレフタレートの混合量は、成形品の気密性及び融着
性の付与及び混合物の融点の観点から(II)全量に対し
て95重量%以下、好ましくは90重量%以下が好ましい。
【0005】更に本発明の成形品を構成する樹脂材料
(A) としては、目的とする性質を付与するため、前記の
(I)又は(II)で示される樹脂以外に、補助的に少量
の他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。かかる補助的熱
可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン系重合体、
ポリアミド系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリ
アリレート系重合体、主成分以外のポリエステル系重合
体(例えば完全芳香族ポリエステル)、スチレン系重合
体(例えばAS又はABS樹脂)、ポリフェニレンオキ
サイド系重合体、アクリレート系重合体、ポリアセター
ル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテ
ルイミド、ポリエーテルケトン、ポリアリーレンサルフ
ァイド系重合体、フッ素樹脂、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー(例えばEPDM又はアイオノマー)、スチ
レン系熱可塑性エラストマー(例えばSBS又はSEB
S)、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル
系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラス
トマー、ポリエーテル系熱可塑性エラストマー、或いは
これらの変性体などを挙げることができ、これらの熱可
塑性樹脂は2種以上混合して使用することもできるが、
このような他の熱可塑性樹脂を補助的に配合する場合も
上述の如く、その配合物の剛性、融点等に配慮する必要
がある。又、本発明の成形品を構成する樹脂材料(A) に
は無機充填剤を配合することが出来る。かかる充填剤
は、機械的強度、耐熱性、寸法安定性、電気的性質等の
性能に優れた性質を得るためには配合することが好まし
く、特に剛性を高める目的で有効である。これは目的に
応じて繊維状、粉粒状又は板状の充填剤が用いられる。
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、
カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジ
ルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊
維、チタン酸カリ繊維、更にステンレス、アルミニウ
ム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無機質
繊維状物質が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤は
ガラス繊維である。尚、ポリアミド、フッ素樹脂、アク
リル樹脂などの高融点有機質繊維状物質も使用すること
ができる。一方、粉粒状充填剤としては、カーボンブラ
ック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、硅
酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、タルク、
クレー、硅藻土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、酸化
鉄、酸化チタン、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸
カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他
炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げ
られる。又、板状充填剤としては、マイカ、ガラスフレ
ーク、各種金属箔等が挙げられる。これらの無機充填剤
は1種又は2種以上併用することができる。繊維状充填
剤、特にガラス繊維又はカーボン繊維と、粒状又は板状
充填剤の併用は特に機械的強度と寸法精度、電気的性質
等を兼備する上で好ましい組み合わせである。無機充填
剤の添加量は樹脂材料(A) 全量に対し40重量%以下であ
る。これより多いと成形加工性や靭性を害し好ましくな
い。特に好ましくは30重量%以下である。
【0006】次に複合成形品の他部分を形成するための
樹脂材料(B) を構成する(III) は、主としてポリエチレ
ンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、又は
これらを主成分とし、これに40モル%以下の他のコモノ
マーユニットを導入した重合体である。かかる共重合体
を構成する第三成分(コモノマー)としては、前記樹脂
材料(A) で記載したものと同様のジカルボン酸化合物、
ジヒドロキシ化合物が挙げられ、コモノマー成分は2種
以上混合して導入したものであってもよい。本発明で
は、上記の如き化合物をコモノマー成分として、重縮合
により生成する熱可塑性ポリエステル共重合体を単独又
は2種以上混合して本発明の樹脂材料(B) として使用す
ることができる。本発明における一体成形品を構成する
樹脂材料(B) は本来エンジニアリングプラスチックとし
ての特性を有するための材料であるため、共重合成分の
含有量は多くとも、40モル%以下であり、好ましくは35
モル%以下である。又、これを曲げ弾性率で示せば少な
くとも15000kgf/cm2以上、好ましくは18000kgf/cm2以上
であることが望ましい。又、本発明の成形品を構成する
樹脂材料(B) としては、前記の(III) で示される樹脂以
外に熱可塑性樹脂および/又は種々の充填剤を配合して
もよい。かかる配合する熱可塑性樹脂および充填剤とし
ては前記樹脂材料(A) で用いるものと同様のものが例示
される。
【0007】尚、本発明において使用する樹脂材料(A)
及び(B) は何れか一方又は両方にその目的に応じ所望の
特性を付与するため、一般に熱可塑性樹脂に添加される
上記以外の公知の物質、すなわち、酸化防止剤、紫外線
吸収剤等の各種安定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助
剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤及び結晶化
促進剤、結晶核剤、離型剤等を配合することも勿論可能
である。
【0008】本発明の複合成形品は、上記(A) 、(B) 2
種の樹脂材料を使用して、いわゆる多重成形法により成
形される。成形方法としては射出成形、圧縮成形その他
の成形法が適用されるが一般には射出成形が好ましい。
樹脂材料(A) 又は(B) の何れか一方を予め成形して一次
成形品とし、次いでこれに他の樹脂材料を成形して融着
し一体化するもので、成形品の形状構造或いは目的とす
る用途により何れを一次側成形品としてもよいが、一般
には樹脂材料(A) で一次成形し、次いで樹脂材料(B) を
二次成形する方が成形品の形崩れや成形時又は成形後に
おける変形を防止する上で好ましい。この場合、強固に
融着させるためには、二次成形において、樹脂材料(B)
の樹脂温度によって一次成形品の表層(界面)部が溶融
することが必要であり、このため二次成形における樹脂
温度は少なくとも一次成形品の樹脂材料(A) の融点以上
の温度とする必要があり、二次成形における接触時の二
次材料の樹脂温度を一次材料の融点より10〜120 ℃、好
ましくは30〜100 ℃高くして二次成形を行うことが好ま
しい。しかし、二次材料の樹脂温度が高すぎると二次材
料の分解変質をまねく場合があり、これを避けるため一
次成形品の樹脂材料(A) の融点が高過ぎるものは好まし
くなく、一般には前述の通り、一次材料の融点が 250℃
以下、好ましくは 240℃以下であって、これは一次成形
品を構成する樹脂材料(A) のポリアルキレンテレフタレ
ート系樹脂の共重合成分及びその導入量、補助的成分及
びその配合量等によって調節することができるが、かか
る調整は材料自体の剛性にも影響するため、その兼ね合
いによって樹脂材料構成は選択される。
【0009】
【実施例】本発明者は、ポリエステルの最適な組み合わ
せを見出すため、異なる特性のポリエステルを選択し、
それらの組み合わせにより発揮される密着強度について
の実験を行った。次にその実験例を説明する。先ず、樹
脂材料(A) を用い、一次成形品として80mm角、厚さ2mm
の平板を成形した。次にこの平板を80mm角、厚さ4mmの
金型キャビティーに装着し、樹脂材料(B) を二次材とし
てその樹脂温度を変えて、二次成形を行い平板状の複合
成形品を成形し、界面の剥離強度を測定した。尚、剥離
強度の測定は、複合成形品を巾10mmに切断し、その一端
の接合界面を一定の長さだけナイフで強制剥離し、その
各々を引張り試験機の固定具にセットし引張り、剥離を
生じる最大荷重を剥離強度とした。又、本発明者は各ポ
リエステルの組み合わせにより発揮される気密性につい
ての実験も行った。次にその実験例を説明する。検査方
法は、平板状の複合成形品を 130℃の雰囲気中に60分間
さらした後、それを0℃の水中に60分間浸漬し、水中か
ら取り出して常温で15分間放置する加熱・冷却サイクル
を50回繰り返し、次いで浸透性の高いインクに浸漬し、
インクが乾いた後接着面を破壊してインクの進入状況を
目視観察した。
【0010】以下に本発明の実施例を示すが本発明はこ
れに限定されるものではない。 実施例1 樹脂材料(A) としてDMI(ジメチルイソフタレート)
を約 12.5mol%を共重合することにより変性した変性P
BT(融点 205℃)(A-1) を一次成形し、PBT樹脂
(融点 225℃)(B-1) を二次材としてその樹脂温度を変
えて二次成形を行い、平板状の複合成形品を成形し、そ
の剥離強度と気密性の評価を行った。結果を表1に示
す。
【0011】実施例2 樹脂材料(A) として、DMI変性PBT(融点205 ℃)
(A-1) を一次成形し、樹脂材料(B) として同じDMI変
性PBT(A-1) を、その樹脂温度を変えて二次成形し、
実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0012】実施例3 樹脂材料(A) としてDMIを約5 mol%共重合すること
により変性したDMI変性PBT(融点 215℃)(A-2)
を一次成形し、樹脂材料(B) として、PET樹脂(B-2)
をその樹脂温度を変えて二次成形し、実施例1と同様の
評価を行った。結果を表1に示す。
【0013】実施例4 樹脂材料(A) としてエチレングリコールを約17.5mol %
共重合することにより変性した変性PBT(融点 205
℃)(A-3) を一次成形し樹脂材料(B) としてPBT樹脂
(B-1) をその樹脂温度を変えて二次成形し実施例1と同
様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0014】比較例1 PBT樹脂(融点 257℃)(B-1) を一次成形し、ついで
同じPBT樹脂(B-1)をその樹脂温度を変えて二次成形
し、実施例2と同様の評価を行った。結果を表1に示
す。
【0015】比較例2 PET樹脂(融点257 ℃)(B-2) を一次成形し、次いで
同じPET樹脂(B-2)をその樹脂温度を変えて二次成形
し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】実施例5 樹脂材料(A) として、DMI変性PBT(融点 205℃)
(A-1) (70重量%)とガラス繊維(30重量%)よりなる
組成物(a-1) 、樹脂材料(B) としてPBT樹脂(融点 2
25℃)(B-2) (70重量%)とガラス繊維(30重量%) よ
り成る組成物(b-1) を使用して複合成形品を成形し実施
例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0018】実施例6 樹脂材料(A) 及び樹脂材料(B) として実施例5と同じ組
成物(a-1) を使用して複合成形品を成形し、同様の評価
を行った。結果を表2に示す。
【0019】実施例7 樹脂材料(A) としてDMI変性PBT(融点215 ℃)(A
-2) (70重量%)とガラス繊維(30重量%)より成る組
成物(a-2) 、樹脂材料(B) としてPET樹脂(融点 257
℃)(B-2) (70重量%)とガラス繊維(30重量%)より
成る組成物(b-2) を使用して、複合成形品を成形し実施
例5と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0020】実施例8 樹脂材料(A) としてエチレングリコール変性PBT(融
点 205℃)(A-3) (70重量%)とガラス繊維(30重量
%)より成る組成物(a-3) 、樹脂材料(B) として、PB
T樹脂(融点 225℃)(B-1) (70重量%)とガラス繊維
(30重量%)より成る組成物(b-1) を使用して複合成形
品を成形し実施例5と同様の評価を行った。結果を表2
に示す。
【0021】実施例9 樹脂材料(A) としてDMI変性PBT(融点 205℃)(A
-1) を使用し、そして樹脂材料(B) としてPBT樹脂
(融点 225℃)(B-1) (70重量%)とガラス繊維(30重
量%)より成る組成物(b-1) を使用して複合成形品を成
形し実施例5と同様の評価を行った。結果を表2に示
す。
【0022】実施例10 樹脂材料(A) としてDMI変性PBT(融点 205℃)(A
-1) (30重量%)、PBT樹脂(融点 225℃)(B-1)
(40重量%)とガラス繊維(30重量%)より成る組成物
(組成物の融点 215℃)(b-3) を一次成形し、樹脂材料
(B) としてPBT樹脂(融点 225℃)(B-1) (70重量
%)とガラス繊維(30重量%)より成る組成物(b-1) を
使用して、複合成形品を成形し実施例5と同様の評価を
行った。結果を表2に示す。
【0023】比較例3 PBT樹脂(融点 225℃)(B-1) (70重量%)とガラス
繊維(30重量%)より成る組成物(b-1) を一次成形し、
ついで同じ組成物(b-1) を二次成形し実施例5と同様の
評価を行った。結果を表2に示す。
【0024】比較例4 PET樹脂(融点 257℃)(B-2) (70重量%)とガラス
繊維(30重量%)より成る組成物(b-2) を一次成形し、
ついで同じ組成物(b-2) を二次成形し、実施例5と同様
の評価を行った。結果を表2に示す。
【0025】比較例5 PBT樹脂(融点 225℃)(B-1) を一次成形し、ついで
PBT樹脂(B-1) (70重量%)とガラス繊維(30重量
%)より成る組成物(b-1) を二次成形し、実施例5と同
様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】多重成形法によって複合成形品を作製す
るにあたってPBT樹脂を使用する場合、二次成形時の
樹脂温度が 260℃以下では実用的な樹脂間の密着強度及
び気密性は期待されず、さらにPET樹脂を使用する場
合では、 290℃の二次樹脂材料温度でさえも充分な樹脂
間の密着性及び気密性が得られていない。しかしながら
本発明によれば前記の如き特定の樹脂材料(A) 、(B) を
使用することにより樹脂の熱分解の恐れのない通常の成
形樹脂温度条件下でアンカー形状を設けたり、接着剤を
使用することなく、従来の二重成形法では得られない強
固な界面密着強度及び気密性を有する複合成形品を簡単
に経済的に効率よく生産することができる。
【0028】しかも本発明の複合成形品はポリエステル
系エンジニアリングプラスチックの優れた熱安定性、物
理的性質、機械的性質等を備え、特に薬品、溶剤、潤滑
剤、洗剤等に対する化学安定性を有する成形品としてか
かる特性の要求される自動車分野や電気・電子分野の多
くの用途に好適である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(I)又は(II)で示される樹脂材
    料(A) と下記(III)で示される樹脂材料(B) とを多重成
    形法により一体的に成形してなる気密性及び密着性の高
    い複合成形品。 (I)ポリアルキレンテレフタレート(アルキレン基の
    炭素数2〜4)を主体とし1〜40モル%の他のジカルボ
    ン酸化合物或いは低分子量ジヒドロキシ化合物から導入
    されるコモノマーユニットを含有する共重合体(但し、
    液晶性ポリエステルを除く) (II)上記(I)の共重合体にポリアルキレンテレフタ
    レート(アルキレン基の炭素数2〜4)を全量に対して
    1〜95重量%混合したブレンド物 (III)ポリアルキレンテレフタレート(アルキレン基の
    炭素数2〜4)又はこれを主体とし40モル%以下の他の
    ジカルボン酸化合物或いは低分子量ジヒドロキシ化合物
    から導入されるコモノマーユニットを含有する重合体
    (但し、液晶性ポリエステルを除く)
  2. 【請求項2】 樹脂材料(A) が融点250 ℃以下である請
    求項1記載の複合成形品。
  3. 【請求項3】 樹脂材料(A) が無機充填材を樹脂材料
    (A) の全量に対し、1〜40重量%含有する組成物である
    請求項1又は2記載の複合成形品。
  4. 【請求項4】 樹脂材料(B) が無機充填剤を樹脂材料
    (B) の全量に対し、1〜40重量%含有する組成物である
    請求項1〜3の何れか1項記載の複合成形品。
  5. 【請求項5】 下記(I)又は(II)で示される樹脂材
    料(A) を射出成形して一次成形品を形成し、この一次成
    形品に更に下記(III) で示される樹脂材料(B) を二次的
    に射出成形して両者を融着し一体化することを特徴とす
    る気密性及び密着性に優れた複合成形品の製造法。 (I)ポリアルキレンテレフタレート(アルキレン基の
    炭素数2〜4)を主体とし1〜40モル%の他のジカルボ
    ン酸化合物或いは低分子量ジヒドロキシ化合物から導入
    されるコモノマーユニットを含有する共重合体(但し、
    液晶性ポリエステルを除く) (II)上記(I)の共重合体にポリアルキレンテレフタ
    レート(アルキレン基の炭素数2〜4)を全量に対して
    1〜95重量%混合したブレンド物 (III)ポリアルキレンテレフタレート(アルキレン基の
    炭素数2〜4)又はこれを主体とし40モル%以下の他の
    ジカルボン酸化合物或いは低分子量ジヒドロキシ化合物
    から導入されるコモノマーユニットを含有する重合体
    (但し、液晶性ポリエステルを除く)
  6. 【請求項6】 樹脂材料(B) を二次的に射出成形する時
    の樹脂温度が樹脂材料(A) の融点より10℃以上高い請求
    項5記載の複合成形品の製造法。
JP10738593A 1993-04-08 1993-04-08 ポリエステル系複合成形品及びその製造法 Expired - Lifetime JP3301816B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10738593A JP3301816B2 (ja) 1993-04-08 1993-04-08 ポリエステル系複合成形品及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10738593A JP3301816B2 (ja) 1993-04-08 1993-04-08 ポリエステル系複合成形品及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06293044A JPH06293044A (ja) 1994-10-21
JP3301816B2 true JP3301816B2 (ja) 2002-07-15

Family

ID=14457792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10738593A Expired - Lifetime JP3301816B2 (ja) 1993-04-08 1993-04-08 ポリエステル系複合成形品及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3301816B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3315594B2 (ja) * 1996-06-28 2002-08-19 ポリプラスチックス株式会社 ポリエステル系複合成形品及びその製造法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02220821A (ja) * 1989-02-22 1990-09-04 Toppan Printing Co Ltd 多層成形物
JPH089187B2 (ja) * 1990-09-10 1996-01-31 ポリプラスチックス株式会社 ポリエステル系複合成形品及びその製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06293044A (ja) 1994-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5354532A (en) Methods for molding composite polyester articles having rigid and flexible regions
JP4024437B2 (ja) インサート成形品
WO2008075776A1 (ja) ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物
JP2001026656A (ja) 溶着加工によって成形体を製造する方法
JP3301816B2 (ja) ポリエステル系複合成形品及びその製造法
KR950009155B1 (ko) 폴리에스테르 수지조성물 및 그 제조방법
JP6953716B2 (ja) 複合成形体およびその製造方法
KR920004813B1 (ko) 열가소성 폴리에스테르 수지 조성물
JPH11320606A (ja) ポリアセタール複合成形品及びその製造方法
JPH07126496A (ja) ポリエステル樹脂組成物及び成形品
JP3325102B2 (ja) ポリエステル系複合成形品及びその製造方法
JP2000263586A (ja) インサート成形品
JP3014594B2 (ja) 密閉器用複合樹脂成形品並びにその製造法
JP3315594B2 (ja) ポリエステル系複合成形品及びその製造法
JP3269763B2 (ja) ポリエステル系複合成形品及びその製造法
JPH11320605A (ja) 複合成形品及びその製造方法
JP3315570B2 (ja) ポリエステル系複合成形品の製造法
JP3274886B2 (ja) 結晶性ポリアリーレンサルファイド樹脂複合成形品及びその製造法
JP3250865B2 (ja) ポリエステル樹脂成形品
JPH03247436A (ja) ポリアリーレンサルファイド系樹脂中空成形品及びその製造法
JP3311566B2 (ja) 複合成形品およびその製造方法
EP0332429A2 (en) Thermoplastic polyester resin composition
JPH09208810A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP2002234991A (ja) 複合成形体用樹脂組成物
JPH10235678A (ja) ポリエステル複合成形品およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090426

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090426

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100426

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110426

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120426

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130426

Year of fee payment: 11