JP3300242B2 - ブラシレスモータ駆動回路 - Google Patents

ブラシレスモータ駆動回路

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JP3300242B2
JP3300242B2 JP00591497A JP591497A JP3300242B2 JP 3300242 B2 JP3300242 B2 JP 3300242B2 JP 00591497 A JP00591497 A JP 00591497A JP 591497 A JP591497 A JP 591497A JP 3300242 B2 JP3300242 B2 JP 3300242B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、永久磁石界磁形
のブラシレスモータ駆動回路に関し、特に、界磁の磁極
位置センサを用いることなくブラシレスモータを駆動す
ることができるセンサレス駆動回路に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】 従来、この種のブラシレスDCモータ
のセンサレス駆動回路は、回転駆動中のモータの電機子
巻線に生じる速度起電力と界磁の位置の相関に着目し
て、該速度起電力によりモータの転流タイミングを決定
していた。また、モータの始動時においては、同期モー
タあるいはステッピングモータとして、予め設定された
周波数と電圧とで強制転流し、界磁位置検出に充分な速
度起電力が発生する回転域まで負荷とのバランスを保ち
ながら徐々に加速するようにしていた。
【0003】しかしながら、かかるモータ駆動回路にお
いては、モータ始動後の加速時間が必然的に長くなり、
しかも、低回転高トルクでの始動や運転が困難であっ
た。即ち、速度トルク特性の不安定さ故に急速な加速制
御が困難であるので、強制転流モード(いわゆる他制運
転)と、推定した位置情報のフィードバックによる同期
インバータ運転モード(いわゆる自制運転)との2モー
ドを有し、モータを含む動力系イナーシャや負荷トルク
とのバランスを維持しながら緩やかに加速せざるを得な
かった。また、転流タイミングは速度起電力によって決
定されるが、この速度起電力はモータの電機子巻線電圧
を利用して検出せざるを得ず、高負荷トルク時には、通
電切替に伴う電機子電流の還流作用による転流スパイク
電圧が増大するので、検出できる速度起電力情報に大き
な誤差が生じてしまう。その結果、界磁磁極位置の推定
結果に大きなエラーが生じて、適切な転流タイミングを
決定することができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 そこで、本願出願人
は、特願平7−207665号(未公知)に記載するブ
ラシレスモータのセンサレス駆動回路を発明した。かか
るモータ駆動回路は、図4(a)に示すようなモータ各
相の電機子電流波形を構成する4つの波形ブロックの各
ブロックに共通する波形的特徴に着目して、各相の通電
領域の各ブロックにあらわれる2つの顕著な電流増加領
域41,42のうち(図4(b))、第2の電流増加領
域42を検出して、これを転流時期の到来(転流タイミ
ング)と決定し、転流制御を行うものである。この第2
の電流増加領域42の検出は、モータの電機子電流が、
その電機子電流の平均値の所定倍(例えば1.2倍)と
なったことを目安として検出するようにしている(以
下、「平均値方式」と称す)。
【0005】しかしながら、電機子電流の平均化処理に
は所定時間を要するので、かかる平均値方式は、搬送機
器やエアコンの室外ファン等のように、負荷トルクが外
乱により急変するモータには使用することができないと
いう問題点があった。即ち、電機子電流の平均値は、負
荷トルクの急変に対応して急変することができない。よ
って、かかる急変時には、第2の電流増加領域42を誤
って検出してしまうので、適切な転流動作を行うことが
できず、ブラシレスモータを振動させてしまったり、同
期脱出させて停止させてしまったりして、安定して駆動
することができないという問題点があった。
【0006】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、負荷トルクが急変する場合にも、
ブラシレスモータを安定して駆動することができるブラ
シレスモータ駆動回路を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに請求項1記載のブラシレスモータ駆動回路は、ブラ
シレスモータの複数相の電機子巻線に直流電圧を順次通
電するための複数のスイッチング素子を有するインバー
タ回路と、そのインバータ回路の複数のスイッチング素
子をオンオフさせて転流を行い、前記ブラシレスモータ
を回転させる通電制御回路とを備え、更に、前記ブラシ
レスモータの電機子巻線に流れる電流を電圧に変換して
検出する電流検出回路と、その電流検出回路の瞬時出力
、前記電機子巻線に流れる電流値の第1の電流増加領
域後であって第2の電流増加領域前に抽出し、その抽出
値を保持するサンプリング回路と、前記電流検出回路の
出力が前記サンプリング回路の抽出値の所定倍となった
場合に、前記通電制御回路へ転流指令を出力する転流指
令回路とを備えている。
【0008】ブラシレスモータが回転すると、モータの
界磁と通電中の電機子巻線との位置関係が変化し、この
変化にともなって、該電機子巻線に流れる電流値も変化
する。請求項1記載のブラシレスモータ駆動回路は、か
かる電機子電流の変化に着目して転流タイミングを決定
することにより、ブラシレスモータのセンサレス駆動を
可能にしている。具体的には、ブラシレスモータの駆動
中に電機子巻線に通電を行うと、その電機子巻線に流れ
る電流値は、2度にわたって顕著な増加を見せる。よっ
て、この2度目の顕著な電流増加領域を検出して転流タ
イミングを決定するのである。
【0009】即ち、この請求項1記載のブラシレスモー
タ駆動回路によれば、電流検出回路により、ブラシレス
モータの電機子巻線に流れる電流が電圧変換されて検出
され、サンプリング回路と転流指令回路とへそれぞれ出
力される。サンプリング回路では、かかる電流検出回路
の瞬時出力が電機子巻線に流れる電流値の第1の電流増
加領域後であって第2の電流増加領域前に抽出され、そ
の抽出値が保持されつつ転流指令回路へ出力される。サ
ンプリング回路の抽出値と電流検出回路の出力とは、転
流指令回路で比較される。比較の結果、電流検出回路の
出力がサンプリング回路の抽出値の所定倍となった場合
には、モータの電機子巻線に流れる電流の2度目の顕著
な電流増加領域の到来と判断し、転流指令回路から通電
制御回路へ転流指令が出力される。この転流指令に基づ
いて、通電制御回路により、インバータ回路のスイッチ
ング素子がオン又はオフされ、ブラシレスモータへの転
流が行われ、ブラシレスモータがいわゆるセンサレスで
駆動される。
【0010】請求項2記載のブラシレスモータ駆動回路
は、請求項1記載のブラシレスモータ駆動回路におい
て、前記サンプリング回路による前記電流検出回路の瞬
時出力の抽出は、前記通電制御回路による転流動作毎に
行われるものである。
【0011】
【0012】請求項記載のブラシレスモータ駆動回路
は、請求項1又は2に記載のブラシレスモータ駆動回路
において、前記ブラシレスモータの始動時に、そのブラ
シレスモータの始動トルクを発生させるために充分な値
から時間の経過とともに逓減する転流目標電圧を前記転
流指令回路へ出力する始動補償回路を備え、前記転流指
令回路は、前記電流検出回路の出力が前記始動補償回路
の出力の所定倍となった場合に、前記通電制御回路へ転
流指令を出力するものである。
【0013】請求項記載のブラシレスモータ駆動回路
は、請求項1からのいずれかに記載のブラシレスモー
タ駆動回路において、前記サンプリング回路から前記転
流指令回路へ出力される出力と、前記始動補償回路から
前記転流指令回路へ出力される出力とのうち、大きい方
の出力を転流目標電圧として前記転流指令回路へ出力す
る優先回路を備えている。
【0014】この請求項記載のブラシレスモータ駆動
回路によれば、請求項1からのいずれかに記載のブラ
シレスモータ駆動回路と同様に作用する上、優先回路に
よって、サンプリング回路からの出力と始動補償回路か
らの出力とのうち、大きい方の出力が転流目標電圧とし
て転流指令回路へ出力される。即ち、ブラシレスモータ
の始動時には始動補償回路からの出力が、定常運転時に
はサンプリング回路からの出力が、転流目標電圧として
転流指令回路へ出力される。従って、転流目標電圧はブ
ラシレスモータの始動時と定常運転時とで自動的に切り
替えられるので、始動から定常運転へブラシレスモータ
を円滑に駆動させることができる。
【0015】請求項記載のブラシレスモータ駆動回路
は、請求項1からのいずれかに記載のブラシレスモー
タ駆動回路において、前記転流指令回路による転流指令
毎に、その転流指令回路へ出力される前記電流検出回路
の出力をゼロリセットするゼロリセット回路を備えてい
る。
【0016】この請求項記載のブラシレスモータ駆動
回路によれば、請求項1からのいずれかに記載のブラ
シレスモータ駆動回路と同様に作用する上、電流検出回
路の出力がサンプリング回路(又は、始動補償回路、優
先回路)の出力より大となると、転流指令回路から転流
指令が出力される。かかる転流指令がゼロリセット回路
に入力されると、そのゼロリセット回路によって、電流
検出回路の出力が擬制ゼロリセットされる。よって、転
流指令毎に、電流検出回路の出力がサンプリング回路
(又は、始動補償回路、優先回路)の出力より確実に小
とされ、転流指令が確実にリセットされる。
【0017】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施
例におけるブラシレスモータ駆動回路の動作原理につい
ては、特願平7−207665号に記載されているの
で、その説明は省略する。
【0018】図1は、本実施例のセンサレスDCブラシ
レスモータ駆動回路1の回路図である。このモータ駆動
回路1は、室内ファン用の小型PMブラシレスモータの
他、負荷トルクの急変し得る搬送装置や突風などによる
外乱を受けるエアコンの室外ファン等に用いられるブラ
シレスモータのセンサレス駆動回路として使用される。
駆動対象のブラシレスモータ51は、永久磁石の界磁を
回転子とし、3相の電機子巻線を固定子とした、表面磁
石形のブラシレスモータである。なお、界磁を固定子に
電機子巻線を回転子にしたスリップリング付きモータ
や、埋め込み磁石形のブラシレスモータに、このモータ
駆動回路1を用いることも可能である。
【0019】モータ駆動回路1は、補助電源回路2と、
インバータ回路3と、電流検出回路4と、サンプリング
回路5と、増幅回路6と、始動補償回路7と、優先回路
8と、転流指令回路9と、ゼロリセット回路10と、計
数回路11と、分配回路12とを備えている。
【0020】補助電源回路2は、30ボルトの直流電源
50から安定した10ボルト電圧を生成し出力する回路
である。補助電源回路2で生成された10ボルト電圧
は、始動補償回路7や転流指令回路9など各回路の駆動
電圧として、各回路へ供給される。
【0021】インバータ回路3は、ブラシレスモータ5
1の3相(U相、V相、W相)の電機子巻線に、30ボ
ルトの直流電圧を順次通電切替するための回路である。
インバータ回路3の直流電源50のプラス側入力端Pに
は、3つのP−MOS電界効果トランジスタQu,Q
v,Qwのソース端子が接続され、直流電源50のグラ
ンド側入力端Nには、3つのN−MOS電界効果トラン
ジスタQx,Qy,Qzのソース端子が接続されて、こ
れらにより3相の電機子巻線に対応した3つのアームが
形成されている。各電界効果トランジスタQu〜Qz
は、ゲート端子が1kΩの抵抗Ru1〜Rz1を介して
分配回路12の各出力とそれぞれ接続されており、分配
回路12の出力に応じてオンオフされるように構成され
ている。また、各電界効果トランジスタQu〜Qzのゲ
ート・ソース間には、保護及びゲート電圧のフローティ
ング防止用の10kΩの抵抗Ru2〜Rz2がそれぞれ
接続されている。更に、各電界効果トランジスタQu〜
Qzのソース・ドレイン間には、各電界効果トランジス
タQu〜Qzのオンオフ時に、ブラシレスモータ51の
電機子巻線に生じる逆起電力作用に起因する電流を還流
させるためのフリーホイールダイオードDu〜Dzが、
それぞれ逆並列に接続されている。
【0022】電流検出回路4は、ブラシレスモータ51
の電機子巻線に流れる電流を電圧に変換して、サンプリ
ング回路5および転流指令回路9へ出力するための回路
である。この電流検出回路4は、直流電源50のグラン
ド側入力端Nとインバータ回路2との間に挿入された1
Ωのシャント抵抗Rsから構成されている。ブラシレス
モータ51の3相の電機子電流は、フリーホイールダイ
オードDu〜Dzへの還流電流を除いて、全てこのシャ
ント抵抗Rsにより電圧変換される。なお、図5(a)
には、ブラシレスモータ51の通常運転時における電流
検出回路4の出力電圧波形が図示される。
【0023】サンプリング回路5は、電流検出回路4の
瞬時出力を抽出して、その瞬時出力を増幅回路6へ出力
するための回路である。このサンプリング回路5は、ア
ナログスイッチAS1と、コンデンサC1と、抵抗R3
とを備えている。アナログスイッチAS1の一方のチャ
ネル端子は、電流検出回路4の出力端に接続され、他方
のチャネル端子は、共に一端が回路接地された0.1μ
FのコンデンサC1及び2MΩの抵抗R3に接続されて
いる。アナログスイッチAS1のゲートは、後述する転
流指令回路9の出力端に接続されており、転流指令回路
9からハイ信号の転流指令が出力されている間、アナロ
グスイッチAS1がオンされる。
【0024】コンデンサC1は、アナログスイッチAS
1のオン中に電流検出回路4の出力端と接続され、同一
電圧値に充電されて、電流検出回路4の電圧値を記憶す
る。このコンデンサC1の非接地端子は、アナログスイ
ッチAS1及び抵抗R3の他には、増幅回路6のオペア
ンプOPの非反転入力端が接続されるだけであり、しか
も、抵抗R3の抵抗値は非常に大きいので(2MΩ)、
コンデンサC1の電圧値はアナログスイッチAS1のオ
フ後も所定時間保持される。よって、コンデンサC1に
は、アナログスイッチAS1のオフ直前における電流検
出回路4の電圧値(瞬時出力)が記憶されるのである。
【0025】なお、転流指令は、後述するように、電流
検出回路4の出力電圧値が、増幅回路6により増幅され
たサンプリング回路5の出力電圧値よりも大きくなった
場合に、転流指令回路9から出力される。このため何ら
かの原因によって、サンプリング回路5のコンデンサC
1に大きな電圧値が保持されると、電流検出回路4の出
力電圧値が、増幅されたサンプリング回路5の出力電圧
値より大きくなり得ず、転流指令が発生不能となって、
ブラシレスモータ51が停止してしまう。
【0026】しかし、電流検出回路4の電圧値を記憶す
るコンデンサC1には、抵抗R3が並列接続されている
ので、コンデンサC1に蓄積された電荷は、わずかずつ
ではあるが抵抗R3によって徐々に放電される。その結
果、コンデンサC1の電圧値も徐々に低下していく。よ
って、抵抗R3をコンデンサC1に並列接続することに
より、コンデンサC1に大きな電圧値が保持されてしま
った場合にも、必ず、転流指令を再発生させることがで
きるので、ブラシレスモータ51を停止させてしまうこ
とがない。
【0027】この抵抗R3の抵抗値は、コンデンサC1
の容量と、始動時におけるインバータ回路3の転流周波
数の下限値との関係で決定される。即ち、始動時におけ
る転流周波数の下限値を1Hz前後とする場合は、その
6倍の6Hzの周期より若干大きめの時定数を設定し、
略0.2秒前後の範囲となるように、抵抗R3の抵抗値
とコンデンサC1の容量とが決定される。本実施例で
は、コンデンサC1の容量は0.1μFであるので、抵
抗R3の抵抗値は2MΩとされている。
【0028】なお、増幅回路6のオペアンプOPの品種
によっては、非反転入力端からグランドへ漏れ電流(入
力バイアス電流)が流れることがある。かかる場合に
は、その漏れ電流により、コンデンサC1の電圧値が上
昇してしまうので、即ち、保持された電流検出回路4の
電圧値である転流目標電圧が上昇方向に変化してしまう
ので、正常な転流動作を行わせることができない。しか
し、抵抗R3をコンデンサC1に並列接続することによ
り、かかる漏れ電流を抵抗R3に流すことができるの
で、コンデンサC1の電圧値の上昇を防ぐことができ、
かつ、コンデンサC1の電圧値は必ず低下する方向に作
用するので、コンデンサC1に電流検出回路4の電圧値
に基づいた抽出電圧を維持させることができる。
【0029】増幅回路6は、サンプリング回路5によっ
て抽出された電圧値を増幅して、優先回路8へ出力する
回路であり、オペアンプOPと2つの抵抗R4,R5と
により構成された非反転増幅器と、その非反転増幅器の
出力を1倍以下に低減する100kΩの可変抵抗VR1
とを備えており、可変抵抗VR1の摺動子端から定常運
転時の転流目標電圧を出力する。非反転増幅器のオペア
ンプOPは、その非反転入力端にサンプリング回路5の
出力端であるコンデンサC1が接続され、オペアンプO
Pの出力端には、抵抗R4及び一端が回路接地された可
変抵抗VR1が接続されている。抵抗R4の他端は、オ
ペアンプOPの反転入力端と抵抗R5の一端とに接続さ
れ、抵抗R5の他端は回路接地されている。
【0030】非反転増幅器の2つの抵抗R4,R5の抵
抗値は、いずれも同一値の100kΩである。よって、
サンプリング回路5の出力は、この非反転増幅器により
2倍に増幅される。2倍に増幅されたサンプリング回路
5の出力は、可変抵抗VR1へ出力され、可変抵抗VR
1により1倍以下に低減されて、優先回路8へ出力され
る。本実施例では、非反転増幅器により2倍に増幅され
たサンプリング回路5の出力は、可変抵抗VR1によっ
て0.7倍に低減されるので、増幅回路6全体としてサ
ンプリング回路5の出力は、1.4倍に増幅される。な
お、当然のことながら、可変抵抗VR1の摺動子位置を
調整することにより、増幅回路6全体の増幅率も変更で
きるので、使用状況に合わせて、その増幅率を変化させ
ることができる。即ち、ブラシレスモータ51の常用運
転領域で最もモータ効率が向上するようにチューニング
することができるのである。図5(b)には、この増幅
回路6によって増幅されたサンプリング回路5の出力電
圧波形が図示されている。
【0031】始動補償回路7は、ブラシレスモータ51
の始動時に、ブラシレスモータ51が充分な始動トルク
を発生できるようにするため、増幅されたサンプリング
回路5の出力に代わって、転流目標電圧を優先回路8へ
出力するための回路である。始動補償回路7は、50k
Ωの可変抵抗VR2を備えており、その可変抵抗VR2
の一端は、補助電源回路2の10ボルト出力と、ダイオ
ードD1のカソードとに接続されている。また、可変抵
抗VR2の他端は、ダイオードD1のアノードに接続さ
れるとともに、コンデンサC2の一端に接続されてい
る。コンデンサC2の他端は、一端が回路接地された1
00kΩの抵抗R6と、アノード接地されたダイオード
D2のカソードとに接続されるとともに、始動補償回路
7の出力端として、優先回路8のダイオードD3のアノ
ードに接続されている。
【0032】この始動補償回路7は、コンデンサC2、
可変抵抗VR2および抵抗R6の直列回路よりなる微分
回路である。よって、直流電源50が印加されると(図
2(a))、始動補償回路7から優先回路8へ出力され
る電圧、即ち、抵抗R6の非接地端の電圧は、可変抵抗
VR2の電圧降下分を差し引いた10ボルト弱の電圧値
から時間の経過とともに逓減する電圧21となり、か
つ、その開始電圧値は可変抵抗VR2により可変設定す
ることができる(図2(b)参照)。このように、始動
補償回路7の駆動電圧を、電流検出回路4の検出電圧よ
り高く、かつ、安定した電圧とすることにより、ブラシ
レスモータ51始動時の転流目標電圧を確実に高く、か
つ、自由に設定することができ、ブラシレスモータ51
の始動時に、始動トルクを発生させるために充分な電機
子電流をブラシレスモータ51へ流すことができる。
【0033】なお、可変抵抗VR2及び抵抗R6には、
ダイオードD1,D2が逆並列に接続されているので、
直流電源50のオフ時に、コンデンサC2を急速に放電
させることができる。よって、直流電源50のオフ毎
に、コンデンサC2の放電は確実に行われるので、ブラ
シレスモータ51の始動開始毎に、始動補償回路7を正
常に機能させることができる。
【0034】優先回路8は、増幅回路6によって増幅さ
れたサンプリング回路5の出力、即ち、定常運転時にお
ける転流目標電圧と、始動補償回路7の出力、即ち、始
動時における転流目標電圧とのうち、大きい方の出力を
優先して、転流指令回路9へ出力するための回路であ
り、ダイオードD3により構成されている。このダイオ
ードD3は、そのアノードが始動補償回路7の出力端と
接続され、カソードが増幅回路6の出力端と接続されて
いる。また、ダイオードD3のカソードは、転流指令回
路9の1つの入力端であるコンパレータCPの反転入力
端にも接続されている。よって、優先回路8により、増
幅回路6と始動補償回路7とのうち大きい方の出力が、
転流指令回路9へ転流目標電圧として出力されるのであ
る。なお、図2(b)に、優先回路8の出力電圧波形を
図示している。
【0035】転流指令回路9は、ブラシレスモータ51
の転流指令を計数回路11、サンプリング回路5、及
び、ゼロリセット回路10へ出力するための回路であ
る。転流指令回路9は、コンパレータCPと、単安定マ
ルチバイブレータMMと、その単安定マルチバイブレー
タMMから出力されるワンショットパルス(転流指令)
のパルス幅を設定するための0.1μFのコンデンサC
3及び100kΩの可変抵抗VR3とを備えている。コ
ンパレータCPの反転入力端は優先回路8の出力端と接
続され、その非反転入力端は抵抗R7を介して電流検出
回路4の出力端と接続されている。また、コンパレータ
CPの出力端は、単安定マルチバイブレータMMの入力
端Aに接続され、単安定マルチバイブレータMMの出力
端Qは、計数回路11の入力端CK、サンプリング回路
5及びゼロリセット回路10のアナログスイッチAS
1,AS2のゲートに接続されている。
【0036】転流指令回路9では、コンパレータCPに
よって、電流検出回路4の出力電圧と優先回路8の出力
電圧との大小が比較され、電流検出回路4の出力電圧が
優先回路8の出力電圧より大きくなると、図5(c)に
図示するように、コンパレータCPの出力端からハイ信
号55が単安定マルチバイブレータMMの入力端Aへ出
力される。この結果、図5(d)に図示するように、単
安定マルチバイブレータMMの出力端Qから計数回路1
1へ、ワンショットのハイ信号(転流指令56)が出力
される。なお、このハイ信号は、サンプリング回路5及
びゼロリセット回路10のアナログスイッチAS1,A
S2のゲートへも同時に出力され、ハイ信号の間、両ス
イッチAS1,AS2をオン状態にする。
【0037】ところで、サンプリング回路5には、アナ
ログスイッチAS1のオフ直前における電流検出回路4
の瞬時出力が保持される。具体的には、アナログスイッ
チAS1は、ハイ信号の転流指令56が出力されている
間オンされるので、サンプリング回路5には、転流指令
56の立ち下がり時のタイミングで電流検出回路4の瞬
時出力が保持される。即ち、ハイ信号の転流指令56の
パルス幅によって、サンプリング回路5による抽出タイ
ミングが決定されるのである。
【0038】このため転流指令56のパルス幅は、単安
定マルチバイブレータMMに接続されたコンデンサC3
及び可変抵抗VR3によって、そのパルスの終了位置
が、図4の第1の電流増加領域41と第2の電流増加領
域42との中間に位置するように設定される。即ち、第
1及び第2の電流増加領域41,42以外の領域で、サ
ンプリング回路5による抽出が行われるように転流指令
56のパルス幅が設定されるのである。
【0039】この理由は、第1の電流増加領域41の電
流値は、ブラシレスモータ51の電機子巻線への印加電
圧とモータの回転による速度起電力との差、及び、電機
子インピーダンスとにより定まり、特に、電流上昇率は
電機子インピーダンスの時定数により一義的に定まるも
のであって、モータの発生トルクにより定まる電流値及
び上昇率ではないからである。また、第2の電流増加領
域42の電流値は、ブラシレスモータ51の電機子巻線
への印加電圧とモータの回転による速度起電力との差、
及び、電機子インピーダンス中の抵抗成分とによりおお
むね定まり、モータの発生トルクに殆ど寄与しない電流
値だからである。よって、第1及び第2の電流増加領域
41,42の電流値を基準にしては、負荷に応じた発生
トルクを維持するための適切な転流タイミングを決定す
ることはできないのである。言い換えれば、第1及び第
2の電流増加領域41,42以外の領域における電流値
を基準にすれば、適切な転流タイミングを決定すること
ができるので、かかる第1及び第2の電流増加領域4
1,42以外の領域で、サンプリング回路5による抽出
が行われるように転流指令56のパルス幅が設定され
る。
【0040】具体的には、転流指令56のパルスが第1
及び第2の電流増加領域41,42以外の領域で終了す
るように、転流指令56の最短パルス幅は、ブラシレス
モータ51の電機子インピーダンスにより定まるLR時
定数(τ)の3乃至10倍以上の時間(3τ〜10τ
秒)とされる。サンプリング回路5のサンプル保持動作
時において、電流検出回路4の瞬時出力が大略飽和傾向
を示し、終値の95%以上となる時間的余裕を考慮した
ものである。また、転流指令56の最長パルス幅は、ブ
ラシレスモータ51の最速回転時における転流周期
(T)の2/3倍の時間(2/3×T秒)とされる。こ
れは、実験により、最速回転時における第2の電流増加
領域42の幅を1/3×Tと設定したからである((1
−1/3)×T=2/3×T)。よって、モータの仕様
及び負荷条件に合わせて、単安定マルチバイブレータM
Mから出力される転流指令56のパルス幅が、かかる範
囲内に収まるように、可変抵抗VR3の抵抗値が調整さ
れる。
【0041】ゼロリセット回路10は、転流指令回路9
から出力される転流指令56毎に、電流検出回路4の出
力電圧を0ボルトに擬制リセットするための回路であ
り、10kΩの抵抗R7と、アナログスイッチAS2と
から構成されている。抵抗R7の一端は電流検出回路4
の出力端に接続され、その抵抗R7の他端は、アナログ
スイッチAS2の一方のチャネル端子、及び、転流指令
回路9の1つの入力端であるコンパレータCPの非反転
入力端に接続されている。アナログスイッチAS2の他
方のチャネル端子は回路接地されており、ゲートは転流
指令回路9の出力端と接続されている。
【0042】このため転流指令回路9からハイ信号の転
流指令56が出力されると、その転流指令56によっ
て、アナログスイッチAS2がオンされて、転流指令回
路9のコンパレータCPの非反転入力端が回路接地され
る。即ち、0ボルトにリセットされるのである。なお、
抵抗R7の抵抗値は、シャント抵抗Rs(1Ω)に対し
て充分に大きな10kΩとされているので、アナログス
イッチAS2のオン時に、電流検出回路4から抵抗R7
を介してグランドへ流れる電流を微小とすることができ
る。よって、ゼロリセット回路10の動作による電流検
出回路4の検出誤差を生じることなく、電流検出回路4
の出力電圧を、サンプリング回路5で正確に抽出するこ
とができる。
【0043】計数回路11は、転流指令回路9から出力
される転流指令56の立ち上がり毎にカウントされる6
進カウンタCT(TC4017とクリア回路)により構
成されている。カウンタCTの入力端CKには、転流指
令回路9の出力端が接続されており、カウンタCTの出
力端0〜5は、分配回路12の各オアゲートORu〜O
Rzに、出力端6〜9は、オアゲートOR1,OR2お
よびダイオードD5,D6を介してクリア端子CLRに
接続されて、4入力OR回路を構成している。なお、ク
リア端子CLRには、他端が回路接地されたノイズ防止
用のコンデンサC4およびプルダウン抵抗R10が接続
されている。カウンタCTの入力端CKへ立ち上がり信
号が入力されると、かかる信号の入力毎に、出力端0、
出力端1、・・・、出力端5、出力端0の順に、カウン
タCTからハイ信号が出力される。
【0044】分配回路12は、計数回路11からの出力
をインバータ回路3へ分配して出力するための回路であ
り、6個のオアゲートORu〜ORzと、3個のインバ
ータIu〜Iwとを備えている。各インバータIu〜I
wは、エミッタ端子を回路接地したオープンコレクタの
NPN形デジタルトランジスタで構成され、高耐圧とさ
れている。なお、各インバータIu〜Iwを、デジタル
トランジスタに代えて、ソース端子を回路接地したN−
MOS電界効果トランジスタで構成するようにしても良
い。また、必要に応じてフォトカプラなどを用いて構成
しても良い。
【0045】分配回路12のオアゲートORuの入力端
は、カウンタCTの出力端0,1と接続され、その出力
端はインバータIuの入力端に接続されている。オアゲ
ートORvの入力端は、カウンタCTの出力端2,3と
接続され、その出力端はインバータIvの入力端に接続
されている。オアゲートORwの入力端は、カウンタC
Tの出力端4,5と接続され、その出力端はインバータ
Iwの入力端に接続されている。オアゲートORxの入
力端はカウンタCTの出力端3,4と接続され、オアゲ
ートORyの入力端はカウンタCTの出力端5,0と接
続され、更に、オアゲートORzの入力端はカウンタC
Tの出力端1,2と接続されている。インバータIu〜
IwおよびオアゲートORx〜ORzの出力端は、イン
バータ回路3の各電界効果トランジスタQu〜Qzのゲ
ート端子に接続された抵抗R1u〜R1zに接続されて
いる。図3は、かかる分配回路12の入出力の関係と、
その関係に対応したブラシレスモータ51の3相(U
相、V相、Z相)の電機子巻線に流れる電流方向を示し
ている。
【0046】次に、上記のように構成されたブラシレス
モータ駆動回路1の動作を説明する。直流電源50から
30ボルトの直流電圧が印加されると、補助電源回路2
から各回路へ10ボルトの安定化した電圧が供給され
る。補助電源回路2から10ボルトの駆動電圧をうけた
計数回路11は、出力端0〜5から例えば「10000
0」の信号を、分配回路12に対して出力する。これを
うけた分配回路12は、「uvwxyz」の出力として
「011010」をインバータ回路3へ出力し、インバ
ータ回路3では、かかる信号により電界効果トランジス
タQu,Qyがオンされ、ブラシレスモータ51の電機
子巻線のU相からV相へ電機子電流が流される(図3参
照)。この結果、ブラシレスモータ51の駆動が開始さ
れる。
【0047】ブラシレスモータ51に流された電機子電
流は、電流検出回路4のシャント抵抗Rsによって検出
され、電圧変換されて、抵抗R7を介して、転流指令回
路9のコンパレータCPの非反転入力端へ出力される。
【0048】一方、始動補償回路7は、コンデンサC2
と、可変抵抗VR2及び抵抗R6との直列回路よりなる
微分回路を構成しているので、10ボルト電圧の供給に
より、抵抗R6には、図2(b)に示すように、10ボ
ルト弱の電圧値から下降する微分パルス状の電圧21が
印加される。この始動補償回路7の電圧21は、優先回
路8へ出力される。優先回路8へは、始動補償回路7か
らの電圧21の他に、増幅回路6により増幅されたサン
プリング回路5の電圧も出力されるが、転流指令が未だ
1度も発せられていない状態では、サンプリング回路5
のサンプル動作は行われておらず、出力電圧は0ボルト
であるので、優先回路8によって、始動補償回路7の出
力が、サンプリング回路5の出力より優先され、転流指
令回路9のコンパレータCPの反転入力端へ出力され
る。
【0049】転流指令回路9では、コンパレータCPに
より、電流検出回路4の出力電圧と、優先回路8を介し
て出力された始動補償回路7の出力電圧とが比較され
る。比較の結果、電流検出回路4の出力電圧が始動補償
回路7の出力電圧より大きくなるまで、転流指令56の
出力が待機される。この転流指令56の出力が待機され
る間、電機子巻線の同じ相(例えば、U相からV相)へ
の通電が継続されるので、ブラシレスモータ51へ始動
トルクを発生させるために充分な電機子電流が供給さ
れ、ブラシレスモータ51の界磁回転子が徐々に回転を
開始する。
【0050】界磁の回転にともなって、ブラシレスモー
タ51の電機子電流の値は変化する。電機子電流値の変
化は、電流検出回路4のシャント抵抗Rsによって検出
され、電圧に変換されて、転流指令回路9のコンパレー
タCPの非反転入力端へ出力される。この結果、電流検
出回路4の出力電圧が始動補償回路7の出力電圧より大
となると、転流指令回路9のコンパレータCPからハイ
信号55が出力され、単安定マルチバイブレータMMか
らワンショットの転流指令56が計数回路11へ出力さ
れる。
【0051】転流指令56を入力した計数回路11のカ
ウンタCTは、転流指令56のパルスの立ち上がりに応
動して出力端0〜5の出力を更新し、分配回路12へ出
力する。例えば、転流指令前の出力端0〜5の出力が
「100000」であれば、転流指令56によって、
「010000」に更新される(図3参照)。この結
果、分配回路12の「uvwxyz」の各出力は「01
1001」となり、インバータ回路3のオンされていた
電界効果トランジスタQu,Qyに代わって、電界効果
トランジスタQu,Qzがオンされ、U相からV相へ流
されていたブラシレスモータ51の電機子電流がU相か
らW相へ転流される。
【0052】一方、転流指令回路9から出力されるハイ
信号の転流指令56は、計数回路11のみならず、サン
プリング回路5及びゼロリセット回路10へも出力さ
れ、両回路5,10のアナログスイッチAS1,AS2
をオンさせる。
【0053】ゼロリセット回路10のアナログスイッチ
AS2がオンされると、電流検出回路4の出力電圧が0
ボルトに擬制リセットされる。これによりコンパレータ
CPの非反転入力端へ出力される電圧が、その反転入力
端へ出力される電圧より確実に低くされるので、転流指
令回路9のコンパレータCPの出力がハイからロウに切
り替えられ、単一パルス55を生じる。よって、前記単
一パルス55に応動した転流指令回路9の単安定マルチ
バイブレータMMは、可変抵抗VR3及びコンデンサC
3で定まる所定時間が経過すると、その出力をハイから
ロウへ切り替えて、次の転流指令56の発生待機状態へ
移行する。
【0054】一方、ハイ信号の転流指令56により、サ
ンプリング回路5のアナログスイッチAS1がオンされ
ると、電流検出回路4の出力端とコンデンサC1とが接
続され、電流検出回路4の出力電圧がコンデンサC1に
入力される。転流指令56の発生後、可変抵抗VR3及
びコンデンサC3で定まる所定時間が経過すると、転流
指令56はハイからロウへ切り替わる。すると、アナロ
グスイッチAS1がオフされるが、このオフ直前の電流
検出回路4の電圧値(瞬時出力)が、コンデンサC1に
保持される。この保持された電流検出回路4の電圧値
(瞬時出力)は、増幅回路6により略1.4倍に増幅さ
れて、優先回路8へ出力される。なお、前記したよう
に、転流指令56は、第1及び第2の電流増加領域4
1,42の中間領域でハイからロウへ切り替わるので、
その中間領域における電流検出回路4の瞬時出力が、サ
ンプリング回路5により抽出されるのである。
【0055】ところで、図2(b)に図示するように、
始動補償回路7の出力電圧21は、前記した通り、10
ボルト弱の電圧値から時間の経過とともに負の勾配を有
して逓減する。一方、サンプリング回路5の出力は、電
流検出回路4によって検出された電機子電流の瞬時値で
あるので、ブラシレスモータ51の始動後徐々に上昇し
ていく。このため増幅されたサンプリング回路5の出力
電圧22は、電機子電流の通電開始後、時間の経過とと
もに徐々に離散的に上昇する。
【0056】優先回路8は、この増幅されたサンプリン
グ回路5の出力電圧22と、始動補償回路7の出力電圧
21とのうち、大きい方の電圧を転流指令回路9へ出力
するので、図2(b)に示すように、優先回路8の出力
電圧は、ある時点Bを境にして、始動補償回路7の出力
電圧21から、増幅されたサンプリング回路5の出力電
圧22へと切り替わり、以降は、増幅されたサンプリン
グ回路5の出力電圧22が、優先回路8の出力電圧(即
ち、転流目標電圧)として、継続して転流指令回路9へ
出力される。
【0057】転流指令回路9のコンパレータCPは、電
流検出回路4の出力電圧がサンプリング回路5の出力電
圧の1.4倍以上となると、単安定マルチバイブレータ
MMへハイ信号55を出力する。その結果、転流指令回
路9からワンショットの転流指令56が計数回路11
(及び、サンプリング回路5、ゼロリセット回路10)
へ出力され、計数回路11、分配回路12及びインバー
タ回路3によって、ブラシレスモータ51の転流が行わ
れる。
【0058】このように、ブラシレスモータ51の電機
子電流が、サンプリング回路5により保持された瞬時値
の1.4倍以上となると、転流指令56が出力される。
サンプリング回路5による抽出は、第1及び第2の電流
増加領域41,42の中間の領域で行われるので、転流
指令56は第2の電流増加領域42において出力され、
この領域42でブラシレスモータ51の転流が行われ
る。よって、本実施例のブラシレスモータ駆動回路1に
より、ホール素子やシャフトエンコーダなどの回転子磁
極位置センサを用いることなく、ブラシレスモータ51
を円滑に駆動することができる。特に、本実施例では、
電流検出回路4の瞬時出力をサンプリング回路5により
抽出し、その瞬時値に基づいて転流動作を行うようにし
ているので、負荷トルクの急変時にも、転流タイミング
が迅速に調節され、適切な転流動作を行うことができ
る。
【0059】また、本モータ駆動回路1では、負荷トル
クの変動によるブラシレスモータ51の加減速現象に対
しても、転流タイミングの自己修復作用を備えているの
で、モータ51の回転とインバータ回路3による出力周
波数の同期状態が、自己修復されるのである。
【0060】例えば、負荷トルクが大きくなると、ブラ
シレスモータ51の回転速度は遅くなるが、この回転速
度の遅れに伴って、サンプリング回路5の抽出時期が、
電機子電流波形に対して通常よりも速くなる。すると、
サンプリング回路5は、第1の電流増加領域41に近い
領域の電機子電流値を抽出する。図4(b)に示すよう
に、電機子電流の波形は中央部で最小となり、その前後
では増加傾向を示すため、通常の抽出値より大きな値が
抽出される。このため転流指令が発生されるべき電機子
電流値が上昇し、転流指令の発生タイミングが通常より
も遅くなる。即ち、転流指令56の発生タイミングが、
第2の電流増加領域42の終端側へ移行するからであ
る。また、モータの回転速度の低下に伴う速度起電力の
低下により電機子巻線に印加される実効の電圧が増加す
るため、電機子電流も増加して、この現象が電流検出回
路4及びサンプリング回路5を介してフィードバックさ
れるため、転流指令56の発生タイミングはモータの回
転速度に追従して、常に適正な位置に修復される。よっ
て、1ブロックの通電時間が長くなり、ブラシレスモー
タ51へ供給されるトルクが増加するので、ブラシレス
モータ51の減速傾向が抑制され、モータの回転とイン
バータ回路3による出力周波数の同期関係が適正に自己
修復されるのである。
【0061】一方、負荷トルクが小さくなると、ブラシ
レスモータ51の回転速度が速くなるので、サンプリン
グ回路5の抽出時期が、電機子電流波形に対して通常よ
りも遅くなる。すると、サンプリング回路5は、第2の
電流増加領域42に近い領域の電機子電流値を抽出する
ので、通常の抽出値より大きな値が抽出される。このた
め転流指令56が発生される電機子電流値が上昇し、転
流指令56の発生タイミングが通常よりも遅くなる。す
ると、負荷トルクの減少により速く回転しようとするブ
ラシレスモータ51に対して、転流動作が遅れ気味に推
移し、結果的に、ブラシレスモータ51の回転にブレー
キがかけられることになり、モータ51の回転上昇が抑
制されて、モータの回転とインバータ回路3による出力
周波数の同期関係が適正に自己修復されるのである。そ
の後、回転速度の増加に伴う速度起電力の増加により、
電機子巻線に印加される実効の電圧が減少するため、電
機子電流も減少傾向をたどり、この現象が電流検出回路
4及びサンプリング回路5を介してフィードバックさ
れ、転流タイミングは適正な位置に修復される。
【0062】なお、直流電源50の印加がオフされる
と、始動補償回路7のコンデンサC2に充電された電荷
は、ダイオードD1,D2によって急速に放電される。
これにより、直流電源50を再投入(オン)した場合に
も、始動補償回路7の出力電圧は、図2(b)に示す1
0ボルト弱の電圧値から時間の経過とともに下降する微
分パルスとなるので、かかる直流電源50の再投入時に
も、ブラシレスモータ51を円滑に始動させることがで
きる。
【0063】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0064】例えば、本実施例のブラシレスモータ駆動
回路1では、電流検出回路4を構成するシャント抵抗R
sは、DCリンクのグランド側ラインに挿入され、1個
のシャント抵抗Rsにより3相全ての電機子電流を検出
するようにしている。しかし、電機子電流を検出できる
電流検出回路であれば、DCリンクのグランド側ライン
以外の他の位置に設けるようにしても良い。また、3相
の電機子電流を個別に検出するように、3個の電流検出
回路をそれぞれ別個に設けるようにしても良い。
【0065】電流検出回路4のシャント抵抗Rsは1Ω
とされた。よって、ブラシレスモータ51に大きな電機
子電流を流す場合には、シャント抵抗Rsでの発熱が大
きくなってしまうので、その発熱を低く抑える必要があ
る。よって、かかる場合には、1Ωより抵抗値の小さ
い、例えば、0.1Ωのシャント抵抗を使用するように
しても良い。シャント抵抗の抵抗値を小さくすると、電
流検出回路4の出力電圧は小さくなってしまうので、か
かる場合には、電流検出回路4の出力端に非反転増幅器
を接続して、電流検出回路4の出力を所定倍に増幅した
後に、サンプリング回路5及び転流指令回路9へ出力す
るのである。
【0066】また、サンプリング回路5による電流検出
回路4の瞬時出力の検出は、負荷トルクの急変に迅速に
対応するため、各転流指令毎に行われた。しかし、必ず
しもこれに限られるものではなく、複数回の転流指令毎
に1回ずつ、電流検出回路4の瞬時出力の検出を行うよ
うにしても良い。本実施例のように、3相の電機子巻線
を備えたブラシレスモータ51では、3回または6回の
転流指令毎に1回ずつ、かかる検出を行うようにしても
良い。
【0067】更に、サンプリング回路5の出力は、増幅
回路6によって略1.4倍に増幅されたが、この増幅倍
率は、電機子電流のサンプル位置に応じて、当然に変更
されるものである。よって、増幅回路6の増幅率は、必
ずしも1.4倍に限られるものではなく、1倍以上でも
1倍以下であっても良い。また、始動補償回路7の出力
は、何ら増幅されずに、そのまま優先回路8から転流指
令回路9へ出力されたが、この始動補償回路7の出力に
ついても、1倍以上(あるいは1倍以下)に、増幅(あ
るいは低減)して、転流指令回路9へ出力するようにし
ても良い。
【0068】なお、PWMチョッパ駆動方式などを本発
明へ適用する場合や、外来ノイズの多い環境で本発明を
使用する場合には、電流検出回路4の出力などに、コン
デンサを付加して、ノイズの除去を図ることなども、容
易に推察できるものである。
【0069】
【発明の効果】 請求項1記載のブラシレスモータ駆動
回路によれば、サンプリング回路により電流検出回路の
瞬時出力が抽出及び保持され、その抽出値に基づいて、
転流指令が出力される。よって、負荷トルクが急変する
場合、その急変はサンプリング回路により瞬時に抽出さ
れる。その結果、転流指令の発生タイミングが迅速に調
節されるのである。従って、負荷トルクが急変する場合
にも、適切な転流動作を行うことができ、ブラシレスモ
ータを安定して駆動することができるという効果があ
る。特に、サンプリング回路による瞬時出力の抽出は、
電機子巻線に流れる電流値の第1の電流増加領域後であ
って第2の電流増加領域前に行われるので、サンプリン
グ回路によって、ブラシレスモータの発生トルクに直接
寄与する電機子電流の瞬時出力を抽出することができ
る。よって、この瞬時出力に基づいて転流指令を発生す
ることにより、適切なタイミングで転流動作を行うこと
ができ、ブラシレスモータを安定して駆動することがで
きるという効果がある。
【0070】請求項2記載のブラシレスモータ駆動回路
によれば、請求項1記載のブラシレスモータ駆動回路の
奏する効果に加え、サンプリング回路による瞬時出力の
抽出は転流動作毎に行われるので、負荷トルクの急変時
に、一層迅速に転流指令の発生タイミングを調節するこ
とができるという効果がある。
【0071】
【0072】請求項記載のブラシレスモータ駆動回路
によれば、請求項1又は2に記載のブラシレスモータ駆
動回路の奏する効果に加え、ブラシレスモータの始動時
には、ブラシレスモータの始動トルクを発生させるため
に充分な転流目標電圧が、始動補償回路から転流指令回
路へ出力される。よって、ブラシレスモータの始動時に
おいても、始動トルクを発生させるために充分な電機子
電流を流すことができるので、ブラシレスモータを的確
に始動することができるという効果がある。
【0073】請求項記載のブラシレスモータ駆動回路
によれば、請求項1からのいずれかに記載のブラシレ
スモータ駆動回路の奏する効果に加え、優先回路によ
り、転流目標電圧がブラシレスモータの始動時と定常運
転時とで切り替えられるので、始動から定常運転へブラ
シレスモータを円滑に駆動させることができるという効
果がある。
【0074】請求項記載のブラシレスモータ駆動回路
によれば、請求項1からのいずれかに記載のブラシレ
スモータ駆動回路の奏する効果に加え、転流指令は電流
検出回路の出力がサンプリング回路(又は、始動補償回
路、優先回路)の出力より大となることにより出力され
るが、ゼロリセット回路によって、その転流指令毎に電
流検出回路の出力がサンプリング回路(又は、始動補償
回路、優先回路)の出力より小とされるので、電機子電
流の微小な無負荷時等においても、ゼロ点が明確となり
転流指令を確実にリセットすることができる。よって、
転流指令の多重発生や異常なほどの長時間出力が防止さ
れ、常に安定したセンサレス運転を実現することができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例であるブラシレスモータ駆動
回路の回路図である。
【図2】 (a)は、直流電源の出力電圧波形を表した
図であり、(b)は、優先回路の出力電圧波形(転流目
標電圧波形)を表した図である。
【図3】 計数回路の出力と分配回路の出力との関係、
及び、そのときのブラシレスモータの電機子巻線に流れ
る電流方向の関係を表した図である。
【図4】 (a)は、ブラシレスモータの電機子巻線の
1相に流れる電流波形を示した図であり、(b)は、
(a)の電流波形の1ブロックを拡大して示した図であ
る。
【図5】 ブラシレスモータの定常運転時における各回
路の出力電圧波形を示した図である。(a)は、電流検
出回路の出力電圧波形を示した図であり、(b)は、
(a)に対応する増幅回路の出力電圧波形を示した図で
あり、(c)は、(a)に対応するコンパレータの出力
電圧波形を示した図であり、(d)は、(a)に対応す
る転流指令回路の出力電圧波形を示した図である。
【符号の説明】
1 ブラシレスモータ駆動回路 2 補助電源回路 3 インバータ回路 4 電流検出回路 5 サンプリング回路 6 増幅回路 7 始動補償回路 8 優先回路 9 転流指令回路 10 ゼロリセット回路 11 計数回路(通電制御回路の一
部) 12 分配回路(通電制御回路の一
部) 21,22 優先回路の出力電圧(転流目
標電圧) 50 直流電源 51 ブラシレスモータ 56 転流指令

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラシレスモータの複数相の電機子巻線
    に直流電圧を順次通電するための複数のスイッチング素
    子を有するインバータ回路と、そのインバータ回路の複
    数のスイッチング素子をオンオフさせて転流を行い、前
    記ブラシレスモータを回転させる通電制御回路とを備え
    たブラシレスモータ駆動回路において、 前記ブラシレスモータの電機子巻線に流れる電流を電圧
    に変換して検出する電流検出回路と、 その電流検出回路の瞬時出力を、前記電機子巻線に流れ
    る電流値の第1の電流増加領域後であって第2の電流増
    加領域前に抽出し、その抽出値を保持するサンプリング
    回路と、 前記電流検出回路の出力が前記サンプリング回路の抽出
    値の所定倍となった場合に、前記通電制御回路へ転流指
    令を出力する転流指令回路とを備えたことを特徴とする
    ブラシレスモータ駆動回路。
  2. 【請求項2】 前記サンプリング回路による前記電流検
    出回路の瞬時出力の抽出は、前記通電制御回路による転
    流動作毎に行われることを特徴とする請求項1記載のブ
    ラシレスモータ駆動回路。
  3. 【請求項3】 前記ブラシレスモータの始動時に、その
    ブラシレスモータの始動トルクを発生させるために充分
    な値から時間の経過とともに逓減する転流目標電圧を前
    記転流指令回路へ出力する始動補償回路を備え、 前記転流指令回路は、前記電流検出回路の出力が前記始
    動補償回路の出力の所定倍となった場合に、前記通電制
    御回路へ転流指令を出力することを特徴とする請求項1
    又は2に記載のブラシレスモータ駆動回路。
  4. 【請求項4】 前記サンプリング回路から前記転流指令
    回路へ出力される出力と、前記始動補償回路から前記転
    流指令回路へ出力される出力とのうち、大きい方の出力
    を転流目標電圧として前記転流指令回路へ出力する優先
    回路を備えたことを特徴とする請求項1からのいずれ
    かに記載のブラシレスモータ駆動回路。
  5. 【請求項5】 前記転流指令回路による転流指令毎に、
    その転流指令回路へ出力される前記電流検出回路の出力
    をゼロリセットするゼロリセット回路を備えたことを特
    徴とする請求項1からのいずれかに記載のブラシレス
    モータ駆動回路。
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