JP3298898B2 - 双頭型質量センサおよびその質量検出方法 - Google Patents

双頭型質量センサおよびその質量検出方法

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JP3298898B2 JP53475099A JP53475099A JP3298898B2 JP 3298898 B2 JP3298898 B2 JP 3298898B2 JP 53475099 A JP53475099 A JP 53475099A JP 53475099 A JP53475099 A JP 53475099A JP 3298898 B2 JP3298898 B2 JP 3298898B2
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幸久 武内
孝生 大西
浩二 木村
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    • G01G3/00Weighing apparatus characterised by the use of elastically-deformable members, e.g. spring balances
    • G01G3/12Weighing apparatus characterised by the use of elastically-deformable members, e.g. spring balances wherein the weighing element is in the form of a solid body stressed by pressure or tension during weighing
    • G01G3/16Weighing apparatus characterised by the use of elastically-deformable members, e.g. spring balances wherein the weighing element is in the form of a solid body stressed by pressure or tension during weighing measuring variations of frequency of oscillations of the body

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Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、主にナノグラム(10-9g)オーダーの微小
質量の測定に使用される質量センサであって、細菌、ウ
ィルス、原虫等の微生物を検出するための質量センサ
(免疫センサ)や、水分や有毒物質あるいば味覚成分等
の特定化学物質の検出に使用される質量センサ(水分
計、ガスセンサ、味覚センサ)として用いられる双頭型
質量センサおよび質量検出方法に関する。 なお、本発明においては、使用する2枚の振動板があ
たかも「二枚の頭(ヘッド)」のように見え、そして機
能することから、本発明の質量センサを双頭型質量セン
サと命名した。 また、本発明の双頭型質量センサにおいては、振動板
等に特定の物質が付着したときの共振周波数の変化を測
定し、振動板等の質量変化を検出することができるが、
振動板等自体の質量変化に伴う共振周波数の変化も、当
然測定が可能であるため、蒸着膜厚計や露点計として用
いることも可能である。 さらに、振動板の質量を変化させることがなくとも、
共振周波数の変化を起こさせる環境に置く、すなわち、
真空度や粘性、温度等の異なる気体や液体等の媒体環境
下に置くことによって、真空計や粘性計、温度センサと
して用いることもできる。 このように、本発明の双頭型質量センサは、その実施
の形態により、種々の用途があるが、振動板および振動
板を含む共振部の共振周波数の変化を測定するという基
本的な測定原理は同じものである。 以下、本発明の双頭型質量センサについて、主に免疫
センサとして使用する場合を中心に説明する。 背景技術 近年、病気と呼ばれるもののうち、細菌やウィルス、
原虫といった微生物に起因する病気については、まず、
これらの病原体を見つけ出し、それかいかなる種類のも
のかを明らかにし、次にどのような薬剤に感受性がある
かを決定する微生物検査が、病気の治療に際して必要不
可欠となっている。 ここで、現在では病状からおおよその原因、病原体の
種類を推測することが可能であるため、微生物検査の第
一段階では、病気の種類によって種々の検体が選ばれ、
得られた検体中に存在する病原体を形態学的に、あるい
は検体中にある病原体の抗原あるいは特異代謝産物(毒
素や酵素等)を免疫化学的に、確認している。この過程
は、細菌検査で行われている塗抹、染色、鏡検といった
作業であり、最近は、この段階で蛍光抗体染色や酵素抗
体染色等により、即時同定が可能となってきている。 また、ウィルスの検出に用いられているウィルス血清
検査法は、患者の血清中に出現する特異免疫抗体を証明
する方法であり、たとえば、試験血液を補体を加えるこ
とによって、補体がその血液中の抗原もしくは抗体と反
応して抗原もしくは抗体の細胞膜へ付着するか、あるい
は細胞膜を破壊することにより抗体もしくは抗原の存在
を決定する補体結合反応が利用される。 上述した微生物等が原因となっている病気の治療にお
いては、これらの微生物検査により、早期に病原体を発
見して、適当な処置を施すことができ、病状が悪化する
ことなく病人を回復に導くことが可能となる。 しかしながら、上述した塗抹、染色、鏡検等の方法で
は、微生物の量により検出が困難な場合が多々あり、必
要に応じて検体を寒天培地等で培養するといった時間を
要する処理を行う必要がある。また、ウィルス血清検査
法においては、原則として、急性期と恢復期の両者につ
いて測定し、その抗体量の動きから判定する必要があ
り、早期診断という観点から時間的な問題がある。 そこで、上述した補体結合反応にみられるように、被
検出体たる特定の微生物とのみ反応して被検出体を捕捉
する捕捉物質と被検出体が反応した場合には、非常に小
さいが被検出体の質量の分だけ捕捉物質の質量が増加す
ることに着目すると、この質量変化を測定することで病
原体の検出が可能と考えられる。この質量増加は、特定
のガス物質や臭い成分等の化学物質とその捕捉物質との
関係においても同様であり、さらに、質量変化のない基
板自体を捕捉物質と見立てて、その基板に特定物質が析
出、付加等した場合にもあてはまる。反対に、捕捉物質
等に捕捉されていた被検出体が脱離するような反応が起
こった場合には、捕捉物質等の質量が微小に減少するこ
ととなる。 このような微小質量の変化を検出する方法として、た
とえば、米国特許No.4789804には、図22に示されるよう
に、水晶振動子81の対向する面に電極82・83を形成し、
この電極83・83に何らかの物質が外部から付着したとき
の電極面の面方向の水晶振動子81の厚みすべり振動の共
振周波数の変化を利用して、その質量変化を検出する質
量センサ80が開示されている。そして、このような質量
センサ80は、基本的に、水晶振動子81の質量負荷の変化
に基づく共振周波数の変化を測定するものであるため、
たとえば、蒸着膜の膜厚や膜成長を計測するための蒸着
膜厚計あるいは水分計等としても使用が可能と考えられ
る。 しかし、このような水晶振動子81を用いた場合には、
外部からの物質の付着部と共振周波数の検出部とは同じ
部位となるため、たとえば、検体の温度あるいは温度変
化により水晶振動子81自体の圧電特性が変化して共振周
波数が一定せず、また、検体が導電性溶液の場合には質
量センサ80をそのまま検体に浸漬すると、電極82・83間
の短絡を引き起こすために常に、樹脂コーティング等の
絶縁処理を施さなければならないといった不具合が生ず
る。 さらに、特許協力条約による国際特許出願JP97/01094
には種々の振動ジャイロ・センサが開示されており、そ
の構造は、後述する本発明の双頭型質量センサに外観上
類似していると思われる。この振動ジャイロ・センサと
本発明の双頭型質量センサの差異については、本発明の
双頭型質量センサの実施の形態について説明する際に、
比較しながら説明することとする。 発明の開示 本発明は上述した質量センサの特性向上に鑑みてなさ
れたものであり、 すなわち、本発明によれば、第一の双頭型質量センサ
として、第一振動板と互いの側面において接合された第
一連結板と、第二振動板と互いの側面において接合され
た第二連結板との間に、少なくとも一方の平板面上の少
なくとも一部に主素子が配設された第一検出板が、当該
各連結板と当該各振動板との接合方向と垂直な方向にお
いて跨設されてなる共振部が、少なくとも当該第一連結
板と当該第二連結板の一部の側面をセンサ基板に接合し
てなることを特徴とする双頭型質量センサ、が提供され
る。 ここで、主素子は、第一検出板と各連結板との接合方
向に垂直な方向に分割されて配設されることも好まし
い。 なお、センサ基板と接合される第一連結板の一部の側
面とは、より具体的には、第一連結板における第一振動
板との接合面に対向する側面をいい、第二連結板につい
ても同様である。つまり、振動板とセンサ基板は各連結
板を介して接合される。そして、このような各連結板と
センサ基板との接合の形態は、後述する本発明の双頭型
質量センサに共通するものである。また、第一の双頭型
質量センサにおいては、第一検出板は、センサ基板と接
合されてもよいし、第一検出板とセンサ基板との間に間
隙部を設けるように配設されてもよい。このような第一
検出板の配設形態については、後述する他の双頭型質量
センサにおける各検出板についても同様に当てはまる。 また、本発明によれば、第二の双頭型質量センサとし
て、第一連結板は第一振動板と、第二連結板は第二振動
板と、それぞれ互いの側面において接合され、当該第一
連結板が第一検出板と第二検出板との間に位置し、当該
第二連結板が当該第一検出板と第三検出板との間に位置
するようにして、それぞれ互いの側面において接合さ
れ、当該第一検出板の少なくとも一方の平板面上の少な
くとも一部に主素子が配設され、および/または当該第
二検出板および当該第三検出板の少なくとも一方の平板
面上の少なくとも一部に副素子が配設されてなる共振部
が、センサ基板に、少なくとも当該各連結板の一部の側
面を接合してなることを特徴とする双頭型質量センサ、
が提供される。 ここで、配設された主素子および/または副素子は、
各検出板と各連結板との接合方向に垂直な方向に分割さ
れていてもよい。 なお、第一および第二の双頭型質量センサの双方にお
いて、第一検出板の平板面を二等分し、かつ第一検出板
の各連結板への跨設方向に垂直な中心線の伸長方向が、
第一連結板と第一振動板との接合方法および第二連結板
と第二振動板との接合方向に平行であって、この中心線
について対称な形状を有する共振部が形成されている構
造が好適に採用される。また、導電性溶液に双頭型質量
センサを浸漬させて用いる場合に、各振動板は導電性溶
液に浸漬されるが、主素子もしくは副素子は導電性溶液
に浸漬されないように、センサ基板上の、各振動板と主
素子との中間にあたる位置に、一対の電極からなる位置
センサを設けることも好ましい。 さらに、本発明によれば、第三の双頭型質量センサと
して、第一振動板が第一連結板と第二連結板に挟持さ
れ、第二振動板が第三連結板と第四連結板に挟持される
ように、各板が互いの側面において接合され、第一検出
板が当該第一連結板と当該第三連結板との間に、また、
第二検出板が当該第二連結板と当該第四連結板との間
に、それぞれ跨設され、当該各検出板の少なくとも一方
の平板面上にそれぞれ主素子が配設されてなる共振部
が、センサ基板の間隙部を挟んで対向する側面に、少な
くとも当該各連結板の一部の側面が接合するように跨設
されてなることを特徴とする双頭型質量センサ、が提供
される。 ここで、主素子は、各検出板と各連結板との接合方向
に垂直な方向に分割されて配設されることも好ましい。 さらに、本発明によれば、第四の双頭型質量センサと
して、第一振動板が第一連結板と第二連結板に挟持さ
れ、第二振動板が第三連結板と第四連結板に挟持される
ように、各板が互いの側面において接合され、当該第一
連結板が第一検出板と第三検出板との間に、当該第三連
結板が当該第一検出板と第四検出板との間に、当該第二
連結板が第二検出板と第五検出板との間に、当該第四連
結板が当該第二検出板と第六検出板との間にそれぞれ位
置するように、各板が互いの側面において接合され、当
該第一検出板および当該第二検出板の少なくとも一方の
平板面上の少なくとも一部にそれぞれ主素子が配設さ
れ、および/または当該第三検出板、当該第四検出板、
当該第五検出板、当該第六検出板のうち1枚以上の検出
板における少なくとも一方の平板面上の少なくとも一部
にそれぞれ副素子が、配設されてなる共振部が、センサ
基板の間隙部を挟んで対向する側面に、少なくとも当該
各連結板の一部の側面が接合されるように跨設されてな
ることを特徴とする双頭型質量センサ、が提供される。 ここで、主素子および/または副素子が、各検出板と
各連結板との接合方向に垂直な方向に分割されているこ
とも好ましい。 また、上記第三および第四の双頭型質量センサにおい
ては、第一検出板の平板面を二等分し、かつ第一検出板
の第一連結板並びに第三連結板との接合方向に垂直な中
心線が、第二検出板の平板面を二等分し、かつ第二検出
板の第二連結板並びに第四連結板との接合方向に垂直な
中心線と一致し、この中心線の伸長方向が、第一連結板
と第二連結板が第一振動板を挟持する方向、および第三
連結板と第四連結板が第二振動板を挟持する方向に平行
であって、この中心線、およびこの中心線に直交すると
ともに第一振動板および第二振動板の中心を通る直交線
の各線について対称な形状を有する共振部を構成するこ
とが好ましい。 さらに、上述した第一から第四の全ての双頭型質量セ
ンサにおいて、各主素子および/または各副素子とし
て、第一電極と第二電極および圧電膜よりなる圧電素子
が好適に用いられ、その構造としては、第一電極と第二
電極の間に圧電膜を挟んだ積層構造、もしくは、圧電膜
の平板面上もしくは当該圧電膜と当該圧電膜が配設され
た検出板との間に第一電極と第二電極とが対向した櫛型
電極を配設した構造、または、櫛型電極を形成する第一
電極および第二電極の各電極間の隙間に圧電膜を配設し
た構造が好適に採用される。そして、副素子を配設した
場合には、主素子の圧電膜における分極方向と副素子に
おける圧電膜の分極方向とを逆向きとすることが好まし
い。なお、圧電膜の材料としては、ジルコン酸鉛、チタ
ン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛からなる成分を主成分
とする材料が好適に用いられる。また、第一電極および
/または第二電極が、レーザ加工もしくは機械加工によ
りその一部を除去して圧電素子の有効電極面積を調整し
たものであることが好ましい。 なお、本発明における圧電という語意は、圧電作用並
びに電歪作用を含むものであり、たとえば、圧電セラミ
ックスには電歪セラミックスも含まれることを意味す
る。 さらに、各振動板と各連結板および各検出板が、互い
の接合により同一平板面を形成していることが好まし
く、各検出板は各連結板およびセンサ基板により形成さ
れる凹部に嵌合され、接合されていることが好ましい。
このため、各振動板と各連結板および各検出板が、1枚
の振動プレートから一体的に形成され、センサ基板が、
振動プレートとベースプレートを積層して一体的に形成
されていることが好ましい。 加えて、各連結板の同じ向きの一方の平板面もしく
は、各連結板の両平板面に、バネ板がそれぞれ貼合さ
れ、その各バネ板がセンサ基板もしくはバネ板補強部に
接合されていることが好ましい。ここで、各バネ板が振
動プレートとベースプレートとの間に嵌合されて一体化
される中間プレートと一体的に形成されるか、もしく
は、振動プレートに一体化されるバネ板補強部と一体的
に形成されて、各連結板とも一体的に形成され、各々を
接着剤等で貼合したものでない構造とすると、機械的な
信頼性、温度特性も向上し、好ましい。さらに、このよ
うなバネ板を設けた場合には、各バネ板に貼合され、か
つ、センサ基板に接合された補強板を設けた構造も好適
に採用される。この補強板も各バネ板およびセンサ基板
と一体的に形成されていることが好ましい。 また、第一振動板と第二振動板の少なくとも一方の表
面もしくは共振部の少なくとも一部の表面に、被検出体
とのみ反応して当該被検出体を捕捉する捕捉物質を塗布
することで、たとえば免疫センサとして好適に使用され
る。ここで、各主素子および/または各副素子並びに各
主素子および/または各副素子を形成する電極に導通す
る電極リードが、樹脂またはガラスからなる絶縁コーテ
ィング層により被覆されていると、導電性溶液中でも支
障なく使用することができる。なお、絶縁コーティング
材としてはガラスよりも樹脂を用いることが好ましく、
特に、フッ素樹脂もしくはシリコーン樹脂が好適に用い
られる。さらに、絶縁コーティング層の少なくとも一部
の表面を、導電性部材からなるシールド層により被覆す
ると、外部からの電磁波等のノイズを減少させることが
可能となり、好ましい。 なお、センサ基板、各振動板、各連結板、各検出板、
各バネ板およびバネ板補強部と補強板の材料としては、
安定化ジルコニアもしくは部分安定化ジルコニアが好適
に用いられ、各振動板、各連結板、各検出板、各バネ板
のいずれかの形状が、レーザ加工もしくは機械加工によ
りトリミングして寸法調整を行ったものであることが好
ましい。 次に、本発明によれば、2枚の振動板のそれぞれに、
連結板が互いの側面において接合され、必要に応じて主
素子もしくは副素子を配設した検出板が、当該連結板の
間に跨設され、もしくは当該連結板を挟持するように配
設されて、少なくとも当該連結板の一部の側面をセンサ
基板に接合してなる双頭型質量センサにおいて、当該連
結板と当該センサ基板との接合面を固定面として、当該
振動板が、当該固定面の中心を垂直に貫通する垂直軸に
垂直であり、かつ、当該振動板の平板面に垂直な方向へ
屈曲する曲げモード振動、もしくは、当該垂直軸を中心
軸として当該垂直軸回りに回転振動する軸回転モード振
動、もしくは、当該垂直軸を中心として、当該振動板の
側面に垂直であり、かつ、当該垂直軸に垂直な方向に振
り子状に振動するθモード揺れ振動、もしくは、当該垂
直軸を中心として、当該振動板の側面に垂直であり、か
つ、当該垂直軸に垂直な方向への揺れが当該各振動板の
側面に平行な方向の揺れを伴いながら振り子状に振動す
るφモード揺れ振動、のいずれかの振動に基づく当該双
頭型質量センサの共振部の共振周波数を当該素子により
測定することを特徴とする双頭型質量センサの質量検出
方法、が提供される。 なお、このような双頭型質量センサの質量検出方法
は、上述した第一および第二の双頭型質量センサを用い
た質量検出方法として好適に採用される。 さらに、本発明によれば、2枚の振動板のそれぞれ
が、連結板に挟持されるように互いの側面において接合
され、必要に応じて主素子もしくは副素子を配した検出
板が、当該連結板の間に跨設され、もしくは当該連結板
を挟持するように配設され、センサ基板の間隙部を挟ん
で対向する側面に、少なくとも当該連結板の一部の側面
が接合されるように跨設してなる双頭型質量センサにお
いて、当該連結板と当該センサ基板との接合面を固定面
として、当該振動板が、当該固定面の中心を垂直に貫通
する垂直軸を中心軸として当該垂直軸回りに回転振動す
る軸回転モード振動、もしくは、当該振動板の中心を中
心として当該振動板の平板面内において回転反復振動す
るηモード平面回転振動、もしくは、当該垂直軸を中心
として、当該振動板の側面に垂直、かつ、当該垂直軸に
垂直な方向への揺れが当該各振動板の側面に平行な方向
の揺れを伴いながら振り子状に振動するφモード揺れ振
動、もしくは、当該振動板の平板面内で、当該垂直軸に
直交する方向に往復振動する一軸モード往復振動、のい
ずれかの振動に基づく当該双頭型質量センサの共振部の
共振周波数を当該素子により測定することを特徴とする
双頭型質量センサの質量検出方法、が提供される。 なお、この場合の双頭型質量センサの質量検出方法
は、上述した第三および第四の双頭型質量センサを用い
た質量検出方法として好適に採用される。 また、上述した2通りの双頭型質量センサの質量検出
方法において、一方の振動板および一方の振動板に接合
される連結板の質量は変化せず、他方の振動板および他
方の振動板に接合される連結板の質量が変化することに
より現れる2つの共振周波数の差を求めることにより、
この他方の振動板および他方の振動板に接合される連結
板の質量変化を検出する方法が好適に採用される。 上述の通り、本発明の双頭型質量センサは、共振部の
共振周波数の変化という具体的な数値により、確実にし
かも短時間の間に共振部が生じた微小質量の変化を知る
ことができ、しかも、測定操作が容易であり、測定精度
も高いという特徴を有している。 また、双頭型質量センサは、振動板を含む共振部の共
振周波数を変化させる環境下におくことによって、種々
の物理量を測定することが可能である。たとえば、振動
板の直接の質量変化を利用する蒸着膜厚計や露点計、振
動板の置かれた真空度や粘性あるいは温度といった環境
を利用する真空計や粘性計あるいは温度センサ、そし
て、特に、検体中における微生物や化学物質等の被検出
体と選択的に反応する捕捉物質を振動板に塗布し、その
質量変化を利用した被検出体の存在の有無とその質量の
測定に好適に用いることができる。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の双頭型質量センサの一実施形態を示
す平面図である。 図2は、本発明の双頭型質量センサの別の実施形態を
示す平面図である。 図3は、本発明の双頭型質量センサのさらに別の実施
形態を示す平面図である。 図4は、本発明の双頭型質量センサに形成される圧電
素子の一実施形態を示す斜視図である。 図5は、本発明の双頭型質量センサに形成される圧電
素子の別の実施形態を示す斜視図である。 図6は、本発明の双頭型質量センサに形成される圧電
素子のさらに別の実施形態を示す斜視図である。 図7は、本発明の双頭型質量センサの振動モードの説
明図であり、(a)はθモード揺れ振動の説明図、
(b)はφモード揺れ振動の説明図である。 図8は、振動板の形状を異ならしめた本発明の双頭型
質量センサのさらに別の実施形態を示す平面図である。 図9は、本発明の双頭型質量センサ使用時の共振周波
数の変化の一態様を示す説明図である。 図10は、本発明の双頭型質量センサ使用時の共振周波
数の変化の別の態様を示す説明図である。 図11は、本発明の双頭型質量センサのさらに別の実施
形態を示し、(a)は平面図であり、(b)〜(e)は
断面図である。 図12は、本発明の双頭型質量センサの駆動に関する説
明図である。 図13は、本発明の双頭型質量センサのさらに別の実施
形態を示し、(a)は平面図であり、(b)は断面図で
ある。 図14は、本発明の双頭型質量センサのさらに別の実施
形態を示す平面図である。 図15は、本発明の双頭型質量センサのさらに別の実施
形態を示し、(a)は平面図であり、(b)〜(d)は
断面図である。 図16は、本発明の双頭型質量センサのさらに別の実施
形態を示す平面図である。 図17は、本発明の双頭型質量センサのさらに別の実施
形態を示す平面図である。 図18は、本発明の双頭型質量センサのさらに別の実施
形態を示す平面図である。 図19は、本発明の双頭型質量センサの作製に使用する
各種グリーンシートの形状の一実施形態を示す平面図で
ある。 図20は、本発明の双頭型質量センサにおける振動板の
形状設定に関する説明図である。 図21は、本発明の双頭型質量センサの圧電素子の加工
方法の一例を示す説明図である。 図22は、従来の質量センサの基本構造を示す断面図で
ある。 図23は、従来の水晶摩擦真空計の水晶振動子の構造を
示す斜視図である。 図24は、従来の振動ジャイロ・センサの一実施形態を
示す斜視図である。 図25は、従来の振動ジャイロ・センサの別の実施形態
を示す斜視図である。 発明を実施するための最良の形態 以下、本発明の双頭型質量センサについて、特に特定
の被検出体とのみ反応してその被検出体を捕捉する捕捉
物質を振動板に塗布して使用する質量センサとしての用
途を中心に図面を参照しながら説明する。 但し、本発明には上述したように他に多くの用途があ
るため、本発明が以下の説明に限定されるものではない
ことはいうまでもない。 図1は、第一の双頭型質量センサ25の一実施形態を示
す平面図である。第一振動板21Aと互いの側面において
接合された第一連結板22Aと、第二振動板21Bと互いの側
面において接合された第二連結板22Bとの間に、少なく
とも一方の平板面上に主素子44が配設された第一検出板
41Aが跨設されて、各振動板21A・21Bと各連結板22A・22
Bと第一検出板41Aおよび主素子44からなる共振部が、セ
ンサ基板27に第一連結板22Aと第二連結板22Bの一部の側
面を接合して、双頭型質量センサ25が形成されている。 なお、振動板とは主に質量変化を起こさせる場もしく
は受ける場であって、後述する種々のモードで振動する
要素をいい、連結板とは振動板とセンサ基板ならびに検
出板とを連結する要素をいい、検出板とは振動板の動き
によって歪みを生じ、表面に配設した圧電素子等の検知
素子にその歪みを伝達し、もしくはその逆に圧電素子等
の駆動素子が発生する歪みないし振動を振動板に伝達す
る要素をいうものとする。また、センサ基板は、共振部
を保持すると共に、測定装置へ取り付けるための種々の
電極端子を配設し、実際の使用においてハンドリングに
供される要素をいう。なお、双頭型質量センサ25におい
ては、検出板は1枚のみであるが、後述する他の双頭型
質量センサにおける各検出板との表記を合わせるため
に、第一検出板41Aと表すこととする。 この双頭型質量センサ25においては、第一検出板41A
は、センサ基板27とも接合されている。また、第一検出
板41Aの平板面を二等分し、第一検出板41Aの各連結板22
A・22Bへの跨設方向に垂直の中心線、すなわちY軸の伸
長方向が、第一連結板22Aと第一振動板21Aとの接合方向
であるY1軸、および第二連結板22Bと第二振動板21Bとの
接合方向であるY2軸に平行であって、Y軸について対称
な形状を有する共振部が構成されている。さらに、主素
子44を、センサ基板27側と各振動板21A・21B側とに分割
されている分割素子43A・43Bから形成する構造が好適に
採用される。 センサ基板27上の、各振動板21A・21Bと主素子44との
中間にあたる位置に、一対の電極からなる位置センサ28
が設けられているが、この位置センサ28は、導電性溶液
に双頭型質量センサ25を浸漬させて用いる場合に、各振
動板21A・21Bは導電性溶液に浸漬されるが、主素子44は
導電性溶液に浸漬されないようにするといった用途に好
適に用いられる。したがって、双頭型質量センサ全体を
導電性溶液に浸漬して使用する場合や気体雰囲気中で使
用する場合等においては、位置センサ28は必ずしも必要
なものではなく、位置センサ29を設けない場合には、セ
ンサ基板27として、図1に示されるような凹型の溝部23
を有するものを使用しなくともよい。 なお、双頭型質量センサ25全体を導電性溶液に浸漬し
て使用する場合には、主素子44および主素子44を構成す
る電極に導通する電極リードを、ガラスあるいは樹脂か
らなる絶縁コーティング層で被覆することが必要である
が、詳細は後に具体例を挙げて説明することとする。 次に、図2(a)は第二の双頭型質量センサ40Aの一
実施形態を示す平面図である。第一連結板22Aは第一振
動板21Aと、第二連結板22Bは第二振動板21Bと、それぞ
れ互いの側面において接合され、第一連結板22Aが第一
検出板41Aと第二検出板41Bとの間に位置し、第二連結板
22Bが第一検出板41Aと第三検出板41Cとの間に位置する
ようにして、それぞれ互いの側面において接合されてい
る。そして、第一検出板41Aの少なくとも一方の平板面
上に主素子44が配設されて、各振動板21A・21Bと各連結
板22A・22Bと各検出板41A・41B・41Cおよび主素子44か
らなる共振部が、センサ基板27に、各連結板22A・22Bの
一部の側面を接合することで、双頭型質量センサ40Aが
構成されている。 各検出板41A・41B・41Cは、双頭型質量センサ25の場
合と同様にセンサ基板27に接合されている。また、第一
検出板41Aの平板面を二等分し、第一検出板41Aの各連結
板22A・22Bへの跨設方向に垂直な中心線であるY軸の伸
長方向が、第一連結板22Aと第一振動板21Aとの接合方向
であるY1軸、および第二連結板22Bと第二振動板21Bとの
接合方向であるY2軸に平行であって、Y軸について対称
な形状を有する共振部が形成されている。また、センサ
基板27には、位置センサ28が設けられている。 ここで、双頭型質量センサ40Aにおいても、双頭型質
量センサ25と同様に、主素子44を、各検出板41A〜41Cと
各連結板22A・22Bとの接合方向であるY軸に垂直な方
向、つまりX軸方向に分割されている分割素子43A・43B
から形成してもかまわない。また、第二検出板41Bおよ
び第三検出板41Cのそれぞれ少なくとも一方の平板面に
副素子42Aおよび副素子42Bを設けることが好ましい。こ
うして、副素子42A・42Bを配設した場合には、副素子42
A・42Bを、主素子44と同様にして分割素子から形成して
もよい。 但し、第二検出板41Bと第三検出板41Cとを設けた場合
であっても、必ずしも副素子42A・42Bを配設する必要は
ない。これは、副素子42A・42Bは、後述するように、特
定の測定条件において共振周波数の測定に使用するもの
だからであり、また、第二検出板41Bと第三検出板41C
は、各連結板22A・22BのY1軸およびY2軸回りの回転を抑
える効果を有するからである。 一方、主素子44を使用せず、副素子42A・42Bのみを使
用することもまた可能である。例えば、後述する使用方
法でも述べているが、主素子44を使用して測定した場
合、共振ピークがスプリットしたツインピークとなる場
合がある。このとき、そのピーク位置が十分に離れてい
る場合には、それぞれのピーク位置から共振周波数を読
み取ることは容易であるが、非常に近い位置にピークが
ある場合には、ピークの分離が難しく、共振周波数を読
み取る際の誤差になり易いという問題が生じる。 このような事態が想定される場合には、主素子44を用
いずに副素子42A・42Bを用いて測定すると、ピーク値が
接近している場合であっても、強度差が明確に現れるた
めに判定し易いという利点がある。また、副素子42A・4
2Bのみを用いる場合には、図2(b)の双頭型質量セン
サ40Bに示されるように、主素子44を配設せずに、副素
子42A・42Bのみを配設すると、第一検出板41Aの部分の
剛性が低下して各振動板21A・21Bが振動し易くなり、ピ
ーク強度を上げることができ、好ましい。このとき、第
一検出板41Aに、Y軸方向(図2(a)参照)に平行な
1以上のスリット(切れ込み)を設けてもよい。なお、
副素子42A・42Bを配設した場合には、副素子42A・42Bを
利用すると利用しないとにかかわらず、副素子42A・42B
が共振部の構成要素であることはいうまでもない。 なお、双頭型質量センサ40A・40Bにおいては、各検出
板41A・41B・41Cは、各連結板22A・22Bとセンサ基板27
とから形成される3箇所の凹部24A・24B・24Cにそれぞ
れ嵌合され、接合されていることが高感度化でき、非常
に好ましい。しかし、図3に示す双頭型質量センサ45に
示されるように、第一検出板41Aがセンサ基板27と接合
されず、第一検出板41Aとセンサ基板27との間に間隙部4
6Aが設けられていても、必要とする感度に応じて使用で
きる場合もある。このような間隙部46Aは、双頭型質量
センサ25についても同様に形成することができる。 また、第二・第三検出板41B・41Cは、各振動板21A・2
1B等からの応力を受けて歪を生ずべきために、各連結板
22A・22Bとセンサ基板27の左右側面とにおいて接合され
る必要があるが、下部側面はセンサ基板27と接合される
ことなく、間隙部46Bを設けても構わない。但し、この
ような隙間部46A・46Bを設けた場合には、各検出板41A
・41B・41Cにかかる応力の一部が各検出板41A・41B・41
Cが変形することで解放されるために隙間部46A・46Bを
設けない場合よりも、検出感度が劣る欠点がある。 上述した双頭型質量センサ25・40A・40B・45および後
述する双頭型質量センサ50(以下、これらを「双頭型質
量センサ25等」とする。)において、各振動板21A・21B
の平板面の形状は図1〜図3に示した長方形に限定され
るものではなく、円形、三角形、多角形や楕円形、長円
形等の種々の任意の形状のものを用いることが可能であ
り、好ましくはY軸について対称となるように配設され
る。そして、この場合に各振動板21A・21Bは、Y軸につ
いて対称であれば、それぞれY1軸およびY2軸については
対称とならずに各連結板22A・22Bにそれぞれ接合されて
もよい。このような各振動板21A・21Bの形状に対する自
由度は、本発明の全ての双頭型質量センサに適用され
る。 双頭型質量センサ25等に配設される主素子44もしくは
副素子42A・42Bとしては、第一電極と第二電極および圧
電膜から構成される圧電素子が好適に用いられる。この
圧電素子としては、図4に示すような、第一電極90、圧
電膜91、第二電極92が層状に形成された積層型構造を有
する圧電素子100が挙げられる。ここで、第一電極90と
第二電極92には、それぞれリード部93、94が接続されて
おり、このリード部93・94を図1〜図4に示したセンサ
基板27の底部まで導き、測定端子等が接続される端子部
が形成される。なお、図1〜図3においては、これらリ
ード部93・94および端子部は省略されている。 また、図5に示すように、検出板95上に圧電膜96を配
し、圧電膜96上部に、第一電極97と第二電極98とが、一
定の隙間部99を形成した櫛型構造を有する圧電素子101
も好適に採用される。ここで、図5における第一電極97
と第二電極98は、検出板95と圧電膜96との接続面の間に
形成されてもかまわない。さらに、図6に示すように、
検出板95上に形成した櫛型の第一電極97と第二電極98と
の間隙部に圧電膜96を埋設するようにして圧電素子102
としてもよい。このような図5および図6に示した櫛型
電極を用いる場合には、ピッチWを小さくすることで、
測定感度を上げることが可能となる。これらの圧電素子
100〜102は、本発明における双頭型質量センサ全てに好
適に用いられる。 なお、双頭型質量センサ25等に配設される主素子44も
しくは副素子42A・42Bたる圧電素子100〜102をはじめ、
双頭型質量センサ25等における各振動板21A・21B等の共
振部を構成する各部材、センサ基板27の形成方法や好適
に使用される材料等については、後述する本発明の第
三、第四の双頭型質量センサの場合と重複するため、後
述する本発明の双頭型質量センサについての製造方法に
おいて併せて詳述する。 次に、双頭型質量センサ25等における各振動板21A・2
1Bの代表的な振動モードであり、好適に採用する振動モ
ードについて説明する。双頭型質量センサ25等の構造
は、簡単には、2枚の振動板のそれぞれに連結板が互い
の側面において接合され、必要に応じて主素子もしくは
副素子を配設した検出板が、その連結板の間に跨設さ
れ、もしくはその連結板を挟持するように配設されて、
その連結板およびその検出板をセンサ基板に接合してな
る、と表現することができる。そして、各振動板21A・2
1Bの振動モードは、第一振動板21Aと第二振動板21Bとで
同じであることから、以下、第一振動板21Aを例に、図
2を用いて説明する。 第1の振動モードは、第一連結板22Aとセンサ基板27
とが接合されている接合面を固定面として、第一振動板
21Aが、この固定面の中心を垂直に貫通する垂直軸であ
るY1軸に垂直であり、かつ、第一振動板21Aの平板面に
垂直な方向(Z軸方向、図2中には図示せず)へ屈曲す
る曲げモード振動であり、第2の振動モードは、第一振
動板21Aが、Y1軸を中心軸としてY1軸回りに回転振動す
る軸回転モードの振動である。 第3の振動モードは、第一振動板21Aが、このY1軸を
中心軸として、第一振動板21Aの側面に垂直であり、か
つ、Y1軸に垂直な方向であるX軸方向に振り子状に振動
するθモードの揺れ振動である。 第4の振動モードは、第一振動板21Aが、Y1軸を中心
として、第一振動板21Aの側面に垂直、かつ、Y1軸に垂
直な方向であるX軸への揺れが第一振動板21Aの側面に
平行な方向(Z軸、図2中に図示せず)の揺れを伴いな
がら振り子状に振動するφモード揺れ振動である。これ
ら4種の振動モードのいずれかの振動に基づく共振部の
共振周波数を主素子44を用いて、さらに、必要に応じて
副素子42A・42Bを併用して測定することが好ましい。 なお、これらの各種の変位モードは、振動板21Aの変
位方向がそれぞれ前述した方向に支配的であることを意
味しているものであって、記された方向以外の方向成分
を有することを完全に排除しているものではない。この
ことは、以下、種々の実施の形態について説明する際
に、変位モードについて言及する場合にも同様に言える
ことである。 ここで、上記θモードおよびφモードについてさらに
詳細に説明する。図7(a)はθモードを説明するため
の平面図であり、第一振動板21Aを図2の矢視AA、すな
わち、X軸上をY軸方向からみた平面図を示している。
第一振動板21Aの上部端面21Fは、振動していない状態で
は位置P1にある。ここで、上述の通り、θモードにおい
ては、第一振動板21Aは、第一振動板21Aの平板面に平行
な面、すなわち、X−Y平面内においてY1軸を中心とし
てY1軸と一定角度θをなすようにX軸方向に振り子状に
振動するため、矢視AAにおいては、上部端面21Fの動き
は、X軸上の位置P2と位置P3との間を往復する運動とし
て表すことができ、この振動運動をθモードと定義す
る。 次に、図7(b)はφモードを説明するための平面図
であり、図7(a)同様に、第一振動板21Aを図2中の
矢視AAから見た平面図を示している。ここでも第一振動
板21Aの上部端面21Fは、振動していない状態では位置P1
にある。前述の通り、φモードにおいては、第一振動板
21Aは、Y1軸を中心としたX軸方向への振動であり、か
つ、Y1軸から離れるにしたがって第一振動板21Aの側面
に平行なZ軸方向の揺れの成分が大きくなるように振り
子状に振動する。このことは、矢視AAにおける上部端面
21Fの動きが、Z軸上の一点を中心Oとし、位置P1を通
る円弧軌道S上の位置P4と位置P5間を往復する振動とし
て表されることを意味する。このときの、第一振動板21
Aを中心Oとを結ぶ直線とZ軸とのなす角がφであり、
上記振動モードをφモードと定義するものである。 上述した各種の振動モードを用いた場合、双頭型質量
センサ25等においては、第一検出板41Aについてみれ
ば、1つの主素子44に対して、2枚の振動板21A・21Bが
あるため、ダイナミックレンジを稼ぐことができる利点
があり、また、各振動板21A・21Bと各連結板22A・22Bお
よび第一検出板41Aと主素子44の構造は音叉型となり、
高いQ値を得るに適している。 なお、上述した各種の振動モードのうち、曲げモード
並びに軸回転モードを利用して各振動板21A・21Bを検体
たる液体に浸漬して共振周波数を測定する場合には、各
振動板21A・21Bは各振動板21A・21Bの面積の大きさに応
じて液体からの抵抗を受け、各振動板21A・21Bの微小質
量変化をとらえ難くなる欠点がある。しかし、検体が気
体の場合にはこの抵抗が小さいために曲げモードを用い
ることができ、このときは、各振動板21A・21BのY軸方
向長さとX軸方向長さを短くとることが好ましい。 また、Y軸を中心軸とする軸回転モードにおいては、
各振動板21A・21BにおけるY1・Y2軸上の質量変化は、各
振動板21A・21Bの回転振動にほとんど影響をおよぼさな
い。すなわち、各連結板22A・22Bの幅を各振動板21A・2
1Bへ延長した部分である各振動板21A・21BにおけるY1・
Y2軸近傍での各振動板21A・21Bの質量変化は、各振動板
21A・21Bの左右端における同じ質量変化よりも回転振動
に寄与せず、これらの場合を比較すると測定感度に差が
生ずる。そこで、図8に示す双頭型質量センサ50のよう
に、各振動板21A・21Bの形状を凹型とした振動板29A・2
9Bとすることにより、Y1・Y2軸近傍の面積を小さくする
ことで測定誤差を小さくすることができる。このとき、
質量変化が同じ場合に、付着位置での測定誤差を小さく
するためには寸法H1を短くし、ダイナミックレンジを上
げるためには寸法H2を長くすることが好ましい。 これに対し、θモードもしくはφモードを用いた場合
には、検体たる液体、気体の別を問わず、また、付着物
質の各振動板21A・21Bへの付着位置による影響は小さ
く、かつ、液体、気体中では各振動板21A・21Bの厚みが
薄いために密度や粘性等の影響が小さく、しかも各振動
板21A・21Bは剛体モードとして動作するために温度変化
に強く、最も検出感度と対環境性に優れたものとなる。
また、図2に示した寸法H3、H4を短くすることにより、
さらに付着位置による影響を小さくすることができる。
したがって、本発明の双頭型質量センサ25等においては
θモードもしくはφモードを利用することが好ましい。 さらに、双頭型質量センサ25等においては、主素子44
を図1〜図3に示すように、上下に分割し、独立した分
割素子43A・43Bの2素子から構成し、一方を駆動用(励
振用)、他方を検出用(受振用)とすると、主素子44を
分割せずに用いた場合と比較して、検出精度(S/N比)
を向上させることができる。この場合、各振動板21A・2
1B側の分割素子43Aを駆動用、センサ基板27側の分割素
子43Bを検出用として用いると、各振動板21A・21Bの振
動振幅を大きくし、分割素子43Bにかかる応力を大きく
することができるので好ましい。 このような主素子44の分割は、主素子44の形成時にお
いて、最初から各分割素子43A・43Bとして別々に形成す
る方法と、1つの主素子44を形成した後にレーザ加工あ
るいは機械加工等により分割して各分割素子43A・43Bを
形成する方法のいずれを用いてもよい。 但し、図5または図6に示した櫛型電極を有する圧電
素子では、後者の加工方法を用いた場合に、分割により
各分割素子43A・43Bが機能しないか、あるいは各分割素
子43A・43Bに新たにリード部を設ける必要が生ずること
から、このような作業を回避するため、図4に示した積
層型の圧電素子を採用することが製造工程上、好まし
い。この積層型の圧電素子を用いる場合には、上部電極
である第二電極92とこれに導通するリード部94および圧
電膜91を分割し、下部電極である第一電極90およびこれ
に導通するリード部93については分割することなく共通
に用いることもできる。もちろん、第一電極90とこれに
導通するリード部93を圧電膜91等と同様に分割してもか
まわない。
【0061】 こうして、主素子44のみを使用して共振周波数を測定す
ることが可能であり、副素子42A・42Bは必ずしも必要で
はないが、θモードにおけるQ値を向上させるために、
副素子42A・42Bを配設することが特に好ましい。このと
き、副素子42A・42Bにおける圧電膜の分極方向を同じく
し、主素子44の圧電膜の分極方向とは逆向きとすると、
圧電素子の電荷出力を大きくすることができ、好まし
い。 ここで、副素子42A・42Bについても、主素子44を分割
した場合と同様にして分割し、駆動と検出とを別個の素
子で行うと、主素子44において得られるS/N比の向上と
いう効果を、副素子42A・42Bについても得ることができ
るようになり、好ましい。 続いて、双頭型質量センサ25等の使用方法について、
双頭型質量センサ40Aを抗原等を検出する免疫センサと
して用いた場合を例に説明する。まず、検出すべき抗原
とのみ反応してその抗原を捕捉する抗体を共振部に塗布
するが、このとき主として各振動板21A・21Bに塗布す
る。また、各連結板22A・22Bに抗体を塗布してもよい。
但し、抗原を含む検体が導電性を有する液体等の場合に
は、各検出板41A・41B・41Cおよび主素子44、各副素子4
2A・42Bには抗体は塗布せずに、これらの表面をテフロ
ン等の化学的に安定で、しかも物質の付着し難い樹脂で
絶縁コーティングすることが好ましい。なお、このよう
な絶縁コーティングを主素子44、各副素子42A・42Bに施
した場合には、これら主素子44、各副素子42A・42Bに導
通するリード部にも絶縁コーティングを施すことが好ま
しい。 なお、抗原/抗体の組み合わせとしては、たとえば、
ヒト血清アルブミン/抗ヒト血清アルブミン抗体、ヒト
免疫グロブリン/抗ヒト免疫グロブリン抗体等が挙げら
れる。 そして、各振動板21A・21Bが検体たる液体に浸漬し、
あるいは特定のガス雰囲気にさらされた状態において、
主素子44および必要に応じて副素子42A・42Bを用いて共
振部の共振周波数を測定する。なお、各振動板21A・21B
を液体に浸漬させた後に気体中で、抗体を塗布した部分
もしくは双頭型質量センサ40A全体を乾燥させて共振周
波数を測定してもよい。 ここで、双頭型質量センサ40Aの共振周波数は、各振
動板21A・21Bの質量に依存して変化する。すなわち、図
9に示すように、各振動板21A・21Bに抗原が捕捉されて
いない初期状態での共振部の共振周波数F0と、抗原が捕
捉された後での共振部の共振周波数F1とは、捕捉された
抗原の質量に依存して異なる値を示す。したがって、こ
の共振周波数F0からF1への変化を主素子44により測定
し、さらに、状況に応じて副素子42A・42Bを併用して測
定することにより、各振動板21A・21Bに捕捉された抗原
の質量を測定することが可能となる。 このような使用方法に対し、各振動板21A・21Bの一
方、たとえば、第一振動板21Aにのみ抗体を塗布し、他
方の第二振動板21Bには塗布せず、もしくは無反応性の
化学物質等を塗布すると、図10(a)に示すように、初
期状態では各振動板21A・21Bに基づく共振周波数が同一
のF0であったものが、各振動板21A・21Bを検体に浸漬等
することにより、検体中の抗原が第一振動板21Aに塗布
された抗体に捕捉され、第一振動板21Aのみが質量変化
して第一振動板21Aに起因する共振周波数のみがシフト
してF1が現れ、周波数F0とF1においてピークを有するツ
インピーク型の曲線を示すようになる。このときの2つ
のピークを示す共振周波数の差であるΔFを求めると、
第一振動板21Aにおける質量変化を容易に測定すること
ができる。 これに対し、各振動板21A・21Bの一方、たとえば、第
一振動板21Aにある抗体を塗布し、他方の第二振動板21B
には第一振動板21Aに塗布したものと異なる抗体を塗布
すると、図10(b)に示すように、初期状態では各振動
板21A・21Bに基づく共振周波数が同一のF0であったもの
が、各振動板21A・21Bを検体に浸漬等することにより、
検体中のある抗原が第一振動板21Aに塗布された抗体に
捕捉され、一方、検体中に含まれていた別の抗原が第二
振動板21Bに塗布された抗体に捕捉されてそれぞれ共振
周波数がシフトして、周波数F0におけるピークが消失
し、代わりに周波数F1およびF2においてピークを有する
ツインピーク型の曲線を示すようになる。このときの初
期の共振周波数F0と2つのピークを示す共振周波数の差
であるΔF1およびΔF2を求めると、各振動板21A・21Bに
おけるそれぞれの質量変化を測定することができる。 このように、各振動板21A・21Bのいずれか一方を参照
用のセンサとして用いる方法、あるいはそれぞれ異なる
質量変化の測定に用いる方法を考慮すると、一方の振動
板を用いて主目的たる質量変化の測定を行いながら、検
体たる流体の流れや温度といった検体の物理的特性を他
方の振動板を用いて測定することで、検査環境の影響を
排除して、測定を行うこともまた可能となる。
【007
0】 なお、上述した共振周波数の変化は、振動板に質量変化
があったときに限られず、共振部を構成する連結板や検
出板あるいは主素子や副素子に質量変化等が生じた場合
にも生ずる。したがって、測定目的や測定対象によって
は、振動板以外の部位の質量変化を測定することが都合
のよい場合や、抗体等の塗布面積を広くするために共振
部全体に抗体等を塗布するといった使用方法も有り、必
ずしも質量変化等が振動板においてのみ起こらなければ
ならないというものではない。 同様の原理により、双頭型質量センサ25等は、各振動
板21A・21Bあるいは共振部の質量が初期状態から減少す
るような場合において、その減少量を測定するために使
用することも可能である。たとえば、塗布した抗体が何
らかの原因で剥離したときや、各振動板21A・21Bに塗布
した材料の微小腐食や特定溶液に対する微小溶解量を調
べる場合、あるいは各振動板21A・21Bに抗体ではなく特
定の化学物質を塗布して、その化学物質の変化(蒸発、
溶解等)量を測定する目的にも好適に使用することがで
きる。 このような各振動板21A・21Bもしくは共振部の質量変
化にともなう共振周波数変化の測定に当たっては、前述
したように、θモードもしくはφモードの共振周波数を
用いることが好ましい。たとえば、主素子44(および副
素子42A・42B)を構成する第一電極および第二電極を通
して圧電膜に交流電圧をかけた場合には、圧電膜にはd
31あるいはd33により伸縮振動が生じて第一検出板42A
(および第二検出板42Bと第三検出板42C)に屈曲運動が
生じ、各振動板21A・21Bの質量に応じて各振動板21A・2
1Bの振動角θが変化して、ある周波数のときに共振現象
が生ずる。したがって、この共振周波数の変化を調べる
ことは各振動板21A・21Bの質量変化の有無を調べること
となり、各振動板21A・21Bに抗原等の被検出体が捕捉さ
れたか否かを判断することが可能となる。 一方、各振動板21A・21Bが、外部からの励振力等で振
動すると、その動きは各検出板41A・41B・41Cへ伝達さ
れ、各検出板41A・41B・41Cに屈曲/撓み振動が生じ、
このとき、第一検出板41Aの平板面上に配設された主素
子44(および第二検出板41B上の副素子42Bと第三検出板
41C上の副素子42B)として、図4に示す積層型の圧電素
子100を用いた場合には、圧電膜91に伸縮振動が生じて
圧電膜91の電気機械結合係数k31(圧電定数d31)に基づ
く一定の電圧もしくは電荷が発生する。なお、主素子44
(および副素子42A・42B)が、櫛型電極構造を有する圧
電素子、たとえば、図5および図6に示した圧電素子10
1・102である場合にはk33(d33)に基づいて一定の電圧
もしくは電荷が発生する。このような電圧値のP−P値
を検出し、P−P値の極大となる周波数を検知すること
で、θモード等の共振周波数を検出し、質量変化を知る
ことが可能となる。 なお、主素子44(および副素子42A・42B)を第一検出
板41A(および第二検出板41Bと第三検出板41C)の両平
板面に2箇所設けて、得られる信号を比較演算すること
により、ノイズを減少させ、他の振動モードの影響を排
除し、検出精度を向上させることが可能となる。 また、検出感度を向上させる別の手段として、各振動
板21A・21Bを薄くして抗原等の被検出体との質量比(被
検出体の質量/各振動板21A・21Bの質量)を大きくす
る。すなわち、各振動板21A・21Bの質量変化割合を大き
くする方法が挙げられる。さらに、各振動板21A・21Bを
薄くするときに、質量を変えず表面積が大きくなるよう
にすると、抗体等の捕捉物質を塗布する面積が大きくな
りより多くの被検出体を捕捉することができるようにな
り、検出感度を向上させることができる。 次に、双頭型質量センサ40Aにバネ板47およびバネ板
補強部48を配設した実施形態である双頭型質量センサ55
の平面図を図11(a)に示し、図11(b)〜(e)に、
そのバネ板47およびバネ板補強部48の配設例を示すY1軸
におけるX軸方向から見た種々の断面図を示している。
なお、図11(b)〜(d)の断面形態はY2軸についても
同様であり、X軸はY1軸およびY2軸と直交する方向を示
す。 バネ板47は、各連結板22A・22Bの少なくとも同じ向き
の平板面に接合されるが、その幅は、図11(a)に示さ
れるように各連結板22A・22Bよりも狭くともよいが、各
連結板22A・22Bの幅と同じとすること、および各連結板
22A・22Bの両平板面にバネ板47を配設するときにはそれ
らの形状を同じくすることが、後述するセンサ特性上お
よび製造上好ましい。このようなバネ板47は、原則とし
てセンサ基板27とも接合されるが、このとき各連結板22
A・22Bのセンサ基板27との接合位置により、バネ板補強
部48の配設の必要性の有無が判断される。 すなわち、以下、第一連結板22Aを例にとれば、図11
(b)・(c)に示すように、バネ板47A・47Bが直接に
センサ基板27に接合できるような位置に第一連結板22A
が接合されている場合には、センサ基板27がバネ板補強
部48の機能を兼ねるためにバネ板補強部48を別途設ける
必要はない。またこのとき、バネ板47A・47Bは、片方の
みを第一連結板22Aの一方の平板面にのみ配設してもよ
い。 しかしながら、図11(d)に示されるように、第一連
結板22Aがセンサ基板27端部に接合されている場合に
は、バネ板47Aについてはセンサ基板27がバネ板補強部4
8の機能を兼ねるが、バネ板47Bについては、バネ板47B
を支持する部位としてバネ板補強部48を設けることが好
ましい。なお、図11(e)に示すように、第一連結板22
Aがセンサ基板27端部に接合されている場合であって
も、センサ基板27に接合することができるバネ板47Aの
みを設け、バネ板47Bを設けない場合には、バネ板補強
部48は必要ではない。なお、第二連結板22Bについて
は、第一連結板21Aと同様に考えることができる。 こうして、バネ板47を設けることにより、共振部の機
械的強度が高められる。また、これにより各振動板21A
・21Bおよび各連結板22A・22Bの薄肉化が図れ、液体中
での測定における共振ピークの減衰が少なくなるといっ
た利点がある。さらに、各連結板22A・22Bの両平板面に
バネ板47を設けた場合には、主素子44により各振動板21
A・21Bを励振させるときに、各連結板22A・22Bとバネ板
47から構成されるバネ部の重心点を励振できるため、各
振動板21A・21Bがθモードに揺れやすくなり、好まし
い。 すなわち、図11の平面図(a)において、断面図
(d)および(e)の実施形態を有するものの、X軸上
Y1軸方向から見た連結板22Aの近傍を示す断面図を、そ
れぞれ図12(a)、(b)に示すが、図12(a)におい
ては、主素子44は、バネ板47A・47Bが同じ材質からな
り、同じ形状を有する場合には、バネ板47Aとバネ板47B
および第一連結板22Aの中心OをX軸方向に励振できる
ために、第一振動板21Aおよび共振部全体がX軸方向に
揺れやすく、したがってθモードに揺れやすくなる。 このことから、各連結板22A・22Bの両平板面にバネ板
47A・47Bを貼合する場合には、バネ部の重心が各連結板
22A・22Bにあるならば、バネ板47A・47Bの材質に異なる
ものを用い、その形状を異ならしめてかまわない。 これに対し、図12(b)においては、バネ板47Aと第
一連結板22Aの中心Oが第一連結板22A上にないために、
バネ板47A自体の有する剛性に起因して、回転モードが
抑制されているにもかかわらず、主素子44によるX軸方
向の駆動力(矢印S1)は、中心Oに対して回転力(矢印
S2)として加わり、回転モードが生じ易くなることとな
る。 さて、前述のように、バネ板47を設けた場合には、さ
らに図13の双頭型質量センサ60に示すように、バネ板47
に貼合され、かつ、センサ基板27の側面に接合されるよ
うな補強板49を設けることも好ましい。なお、図13
(a)は、双頭型質量センサ60を裏面からみた正面図を
示し、図13(b)は、図13(a)中のX軸におけるY軸
方向から見た断面図を示したものである。ここで、補強
板49は、各連結板22A・22Bに貼合されたバネ板47A・47C
に貼合され、かつ、センサ基板27に接合されている。さ
らに、補強板49は、バネ板47A・47Cおよびセンサ基板27
と一体的に形成されていることが好ましい。 このような構造とすることにより、各振動板21A・21B
は、θモードおよびφモードにおいて共振し易くなるた
め、Q値の減衰が小さくなり、検出感度が向上するとい
った利点がある。そのため、特に、液体中での測定に好
適に使用することができる。 さらに、双頭型質量センサ55・60の検出感度をより向
上させるためには、共振部の共振周波数の変化を大きく
することが必要であるが、このための一つの手段とし
て、各振動板21A・21Bとバネ板47との質量比を制御する
方法が挙げられる。バネ板47を薄くして質量を軽くし、
各振動板21A・21Bとの質量比(各振動板21A・21Bの質量
/バネ板47の質量)が大きくなるほど検出感度が向上す
る。 しかしながら、バネ板47を薄くして軽量化するにした
がって、バネ板47の剛性が低下するため、各振動板21A
・21Bの厚みと面積を考慮に入れつつ、バネ板47および
各連結板22A・22Bの剛性が確保されるように、質量比
(各振動板21A・21Bの質量/(バネ板47の質量+各連結
板22A・22Bの質量))を0.1以上とし、さらに各振動板2
1A・21Bの面積を考慮し、適宜、好適な比率にすること
が好ましい。 なお、上述したバネ板は、後述する本発明の双頭型質
量センサの製造方法に記されるように、振動プレートと
ベースプレートとの間に嵌挿されて一体化される中間プ
レートと一体的に形成され、もしくは、振動プレートと
一体的に形成されるバネ板補強部と一体的に形成され、
さらに、各連結板とも一体的に形成されていることが好
ましい。 また、このようなバネ板は、連結板が構成部材として
使用されている本発明に係る全ての双頭型質量センサに
適用されるものであることはいうまでもない。また、上
述した双頭型質量センサ55・60の使用方法は、双頭型質
量センサ25等と同様であるが、抗体等の捕捉物質を各振
動板21A・21B等に塗布する際には、バネ板47や補強板49
にも抗体等を塗布してよい。 次に、図14に示した双頭型質量センサ40Cは、図2
(a)に示した双頭型質量センサ40Aにおける各連結板2
2A・22Bの長手方向中央部にスリット76を設けた実施形
態を示したものである。スリット76は空洞であり、各振
動板21A・21Bのθモード、φモードでの振動を起こり易
くし、共振周波数の認識を容易にする機能を有する。ま
た、各連結板22A・22Bの質量を減少させ、検出感度を向
上させる機能をも有する。さらに、バネ板を設ける際
に、バネ板をこのような空洞を有する形として連結板と
一体化してもよい。 続いて、図15(a)は、図2(a)記載の双頭型質量
センサ40Aの形態を、センサ基板27の貫通孔87に形成し
た実施形態である双頭型質量センサ40Dの平面図を示し
ており、図15(b)は、図15(a)中の破線AAにおける
断面図を示している。双頭型質量センサ40Dにおいて
は、主素子44のみが配設されており、主素子44には電極
リード85・86が接続されている。そして主素子44および
電極リード85・86を覆うように絶縁コーティング層77が
形成されている。この絶縁コーティング層77により、双
頭型質量センサ40Dの共振部を導電性の検体に浸漬させ
た場合であっても、主素子44および電極リード85・86の
短絡が防止される。 また、双頭型質量センサ40Dには、絶縁コーティング
層77を覆うように、導電性部材からなるシールド層78が
形成されており、シールド層78はスルーホール84を通じ
てセンサ基板27の両面に形成されている。0.1ngオーダ
ーの微小質量を検出する場合においては、外部からの電
磁波を遮断し、共振周波数の判定誤差を小さくする上
で、センサ基板27から計測器への配線はもちろんのこ
と、センサ基板27上の配線部分(主素子44、電極リード
85・86)についてもシールドすることが好ましい。 シールド層78の配設の形態としては、図15(b)に示
されるように、センサ基板27を挟み込むように形成する
形態の他、図15(c)の断面図に示されるように、セン
サ基板27上の配線部分のみを囲う形態や、図15(d)に
示すように、配線部分を上部片側のみでシールドする形
態が挙げられるが、中でも、図15(b)、(c)に示す
ような配線部分全体をシールドする形態が好ましい。な
お、図15(a)においては、スルーホール84を用いてセ
ンサ基板27の各面に形成されたシールド層78が導通して
いるが、センサ基板27の側面を利用して、この導通を図
ってもよい。これら、絶縁コーティング層77およびシー
ルド層78の形成に好適に用いられる材料の詳細について
は、双頭型質量センサに使用される材料について後述す
る際、併せて説明することとする。 さて、次に、本発明による双頭型質量センサは、図1
〜3や図11(a)、図14等に示したように、Y軸につい
て対称な形状を有しなければならないものではなく、図
16の平面図に示した双頭型質量センサ65のように、形状
の異なる第一振動板51Aと第二振動板51Bに、それぞれ異
なる形状を有する第一連結板52Aと第二連結板52Bを接合
して、互いに検出感度を異ならしめることも可能であ
る。なお、このように各振動板51A・51Bや各連結板52A
・52B等の形状を異ならしめることは、双頭型質量セン
サ25等・55・60に適用することができることはもちろ
ん、後述する双頭型質量センサ70・75A・75Bについても
適用することができることはいうまでもない。 こうして双頭型質量センサ65のような構造とすること
により、各振動板51A・51Bに基づくダイナミックレンジ
に差が生ずるため、双頭型質量センサ65全体としての総
合ダイナミックレンジを大きくとることが可能となる。
したがって、第二検出板41Bの高さHy1と第三検出板41C
の高さHy2は必ずしも同じでなくともよく、第二検出板4
1Bの幅Wx1と第三検出板41Cの幅WX2もまた必ずしも同じ
とする必要はない。なお、双頭型質量センサ65の使用方
法等は、双頭型質量センサ25等と同様である。 ところで、特許協力条約による国際特許出願JP97/010
94には、図24および図25に示されるような、上述した本
発明の双頭型質量センサに外観上類似した構造を有する
種々の振動ジャイロ・センサ(以下、「ジャイロ」とい
う)が開示されている。 図24のジャイロにあっては、2つの振動子2がそれぞ
れの基端側において支台4に連結され、また、支台4に
接近した部位が薄肉とされて、振動子2の配列方向に主
面(平板面)が延びる検出部たる第1の板状部6が形成
されている。また、各振動子2の基端側部位は、振動子
2の幅よりも細幅とされた、第1の板状部6に対して垂
直な方向に延びる主面を有する薄肉の第2の板状部8と
され、各振動子2は、この第2の板状部8を介して支台
4に連結されている。さらに、各振動子2は、それぞれ
の第1の板状部6と第2の板状部8との間に部位におい
て、第1の板状部6の主面に平行な主面を有する振動子
2よりも薄肉の第3の板状部10にて連結されている。 なお、これら振動子2等の各部材は、セラミックスの
一体焼成体にて構成され、第1の板状部6上には検出用
の圧電/電歪素子12が、第3の板状部10上には駆動用の
圧電/電歪素子14がそれぞれ形成されている。また、各
振動子2に設けられた除切部16は、トリミング加工等に
より振動子2の共振周波数を調整するためのものであ
り、支台4をスペーサ部18により振動子2よりも厚くす
ることで、ボルト20により支台4を基板等の平坦な取付
面に取り付けた場合にも、振動子2がその取付面に対し
て干渉されることのない構造となっている。 このような構造を有するジャイロにあっては、圧電/
電歪素子14の駆動によって、第3の板状部10が変形を受
けることにより、各振動子2が、X軸方向において近接
離隔する方向に振動せしめられる。この状態において、
各振動子2に対してZ軸周りの回転力が作用すると、Z
軸周りの角速度に基づいて、各振動子2にはY軸方向へ
コリオリ力が作用し、このコリオリ力にて各振動子2
は、Y軸方向に互いに逆向きに振動するようになる。こ
の振動子2の曲げ振動が、検出用の圧電/電歪素子12に
より、起電力として検出される。 したがって、ジャイロにおいては、検出精度、検出感
度を高めるために、コリオリ力が大きく発生するように
各部位の形状が設定される。そのためには、振動子2は
質量が大きい方がよく、したがって厚肉に設計されてい
る。また、振動子2は、使用中にその質量が変化するも
のであってはならない。振動子2において質量が変化す
ると、同じ大きさの回転力が振動子2に作用した場合で
あっても、生ずるコリオリ力に差が生じることで、検出
結果が異なるものとなり、正確な測定ができなくなるか
らである。 さらに、生じたコリオリ力を効率的に検出するため
に、検出用の圧電/電歪素子12は、振動子2を構成する
第1の板状部6上に形成される必要がある。加えて、第
2の板状部8は、Y軸方向に主面が延びる薄板とされて
いることで、X軸方向における剛性が低下せしめられて
おり、その幅と高さの比を小さくして、感度を下げる要
因となるY軸方向の振動を抑制するように設計され、し
かも、第3の板状部10と支台4との間には、間隙部が設
けられており、振動子がX軸方向に振動しやすい構造が
とられている。 これに対し、図25に示されるジャイロにあっては、薄
肉に形成された第1の板状部6上のほぼ全面を覆うよう
に、検出用の圧電/電歪素子12が設けられ、第1の板状
部6が振動子2となっているが、その他の部材の構成は
図24に示したジャイロと同等である。このような幅広で
長尺の第1の板状部6による振動子2では、質量および
モーメントが大きくなり、結果的に、圧電/電歪素子14
による駆動によって、振幅が大きくなるため、感度を向
上させることができる。また、圧電/電歪素子12の面積
が広いために、多くの電荷を蓄積することが可能とな
り、電流検出方式を用いた便利に有利になるといった利
点がある。 これら上述したジャイロに対し、本発明の双頭型質量
センサは、微小質量の検出を主な目的としていることか
ら、ジャイロの振動子に相当する振動板は、その重量が
できるだけ小さい方がよいために、薄板状に形成される
必要があり、しかも、振動板上に圧電素子を配設するこ
と、特に検出用の圧電素子を配設することは、上述した
測定原理から好ましくないことは明らかである。また、
振動板は、その質量が測定中に変化しなければならない
点、およびコリオリ力が作用しないような環境下で使用
しなければならないといった使用方法は、ジャイロの場
合とは正反対である。 さらに、上記ジャイロと同様に、双頭型質量センサに
おいて検出板とセンサ基板の間に間隙部を設けることは
可能であるが、この場合には、主素子に加わる応力が低
減されるために検出感度が悪くなるため、原則として、
双頭型質量センサにおいては、このような間隙部は設け
ない方が好ましい。また、ジャイロの第2の板状部8に
相当する双頭型質量センサの連結板およびバネ板につい
て、ジャイロで要求されるような薄板構造、すなわち、
板状部8のX方向長さがY方向長さに対して非常に短い
構造とすることは、たとえば、液体中での使用において
振動振幅の減衰を大きくする点で好ましくない。 加えて、ジャイロにおいては、検出用と駆動用の圧電
素子をそれぞれ分けて配設する必要があるのに対し、双
頭型質量センサの主素子は、基本的にそれ自体が検出用
と駆動用の両方の機能を果たすように使用するものであ
り、主素子を分割して駆動用(励振用)と検出用(受振
用)に用いるのは、あくまでS/N比の向上を図るための
一手段にすぎない。また、双頭型質量センサにおいて
は、共振周波数の測定方法もジャイロにおいて用いられ
る曲げモード以外に、θモードやφモード、軸回転モー
ドといった種々のモードを用いて測定を行うことができ
る点でも相違している。 このように、ジャイロと双頭型質量センサとでは、一
見して類似するように見える構造にも、その目的を達成
するための種々の基本的な相違があるとともに、その使
用方法、使用態様も全く異なるものであることは明らか
であろう。また、双頭型質量センサ60のように、連結板
21A・21Bの両面にバネ板を設ける構造、および双頭型質
量センサ65のように、さらに補強板を用いて、θモード
の振動モードを支配的とする双頭型質量センサの実施形
態は、JP97/01094には、開示あるいは示唆されていな
い。 さて、続いて、本発明の第三の双頭型質量センサ70の
一実施形態を示す平面図を図17に示す。第一振動板53A
が第一連結板54Aと第二連結板54Bに挟持され、第二振動
板53Bが第三連結板54Cと第四連結板54Dに挟持されるよ
うに、各板が互いの側面において接合されている。そし
て、第一検出板56Aが第一連結板54Aと第三連結板54Cと
の間に、また、第二検出板56Bが第二連結板54Bと第四連
結板54Dとの間に、それぞれ跨設され、第一検出板56Aの
少なくとも一方の平板面に第一主素子57Aが、第二検出
板56Bの少なくとも一方の平板面に第二主素子57Bがそれ
ぞれ配設されて、各振動板53A・53Bと各連結板54A〜54D
と各検出板56A・56Bおよび各主素子57A・57Bから共振部
が形成されている。こうして形成された共振部が、間隙
部を挟んで対向する側面を有するセンサ基板58の側面に
跨設されて、双頭型質量センサ70が形成されている。 なお、双頭型質量センサ70においては、第一連結板54
Aと第二連結板54Bが第一振動板53Aを挟持する方向であ
るY1軸と、第三連結板54Cと第四連結板54Dが第二振動板
53Bを挟持する方向であるY2軸、および第一検出板56Aと
第二検出板56Bのそれぞれの平板面を2等分する分割線
であるY軸の伸長方向が互いに平行となっており、この
分割線たるY軸に直交するとともに第一振動板53Aと第
二振動板53Bのそれぞれの中心を通る直線であるX軸、
および分割線たるY軸の両方の線(X軸、Y軸)につい
て対称な形状を有する共振部が形成されている。 双頭型質量センサ70においても、双頭型質量センサ25
等と同様に、各主素子57A・57Bをそれぞれ分割素子59A
・59Bおよび61A・61Bに分割して、各振動板53A・53B側
のものを駆動用、センサ基板58側のものを検出用に使用
することが好ましく、各主素子57A・57Bは、各検出板56
A・56Bを両平板面に配設してもよい。また、図11に示し
た双頭型質量センサ55と同様に、各連結板54A〜54Dには
バネ板および必要に応じてバネ板補強部を取り付けて各
連結板54A〜54Dの剛性を高めることも好ましい。 図18(a)は、第四の双頭型質量センサ75Aの一実施
形態を示す平面図である。第一振動板53Aが第一連結板5
4Aと第二連結板54Bに挟持され、第二振動板53Bが第三連
結板54Cと第四連結板54Dに挟持されるように、各板が互
いの側面において接合されている。そして、第一連結板
54Aが第一検出板56Aと第三検出板56Cとの間に、第三連
結板54Cが第一検出板56Aと第四検出板56Dとの間に、第
二連結板54Bが第二検出板56Bと第五検出板56Eとの間
に、第四連結板54Dが第二検出板56Bと第六検出板56Fと
の間にそれぞれ位置するように、各板が側面において接
合されている。さらに、第一検出板56Aの少なくとも一
方の平板面に第一主素子57Aが、第二検出板56Bの少なく
とも一方の平板面に第二主素子57Bが、それぞれ配設さ
れ、各振動板53A・53Bと各連結板54A〜54Dと各検出板56
A〜56Fおよび各主素子57A・57Bから共振部が形成されて
いる。この共振部が間隙部を挟んで対向する側面を有す
るセンサ基板58の側面に跨設されて、双頭型質量センサ
75Aが構成されている。 なお、双頭型質量センサ75Aにおいては、第一連結板5
4Aと第二連結板54Bが第一振動板53Aを挟持する方向であ
るY1軸と、第三連結板54Cと第四連結板54Dが第二振動板
53Bを挟持する方向であるY2軸、および第一検出板56Aと
第二検出板56Bのそれぞれの平板面を2等分する分割線
であるY軸が互いに平行であって、第一振動板53Aと第
二振動板53Bのそれぞれの中心を通りY軸に直交するX
軸、およびY軸の両方について対称な形状を有する共振
部が形成されている。 双頭型質量センサ75Aは、前述した双頭型質量センサ7
0と同様に、各主素子57A・57Bは、分割素子59A・59Bお
よび61A・61Bとすることが好ましい。さらに、双頭型質
量センサ40Aと同様に、副素子42A・42Bと同様の副素子6
2A・62B・62C・62Dをそれぞれ第三検出板56C、第四検出
板56D、第五検出板56E、第六検出板56Fに配設すること
が好ましい。 上述した双頭型質量センサ70・75Aの構造は、簡単に
は、二枚の振動板のそれぞれが、連結板に挟持されるよ
うに互いの側面において接合され、素子を配した検出板
が、その連結板の間に跨設され、もしくはその連結板を
挟持するように配設され、センサ基板の間隙部を挟んで
対向する側面に、連結板および検出板が接合されるよう
に跨設してなる、と表すことができる。 このような構造を有する双頭型質量センサ70・75Aの
使用用途は、上述した双頭型質量センサ25等と同様であ
り、各振動板53A・53Bの振動モードについても同様であ
る。しかし、本構造においては、加えて第一振動板53A
を例にとると、図17および図18(a)中に示されるよう
に、第一振動板53Aが、第一振動板53Aの中心を中心とし
て第一振動板53Aの平板面内において回転反復振動する
ηモードの平面回転振動、および矢印Kで表されるよう
に、Y軸に直交するX軸方向に第一振動板53Aの平板面
内での往復振動が支配的となる一軸モードの往復振動が
用いられる。なお、ηモードの平面回転振動や一軸モー
ドの往復振動とは一般的な名称ではなく、本発明におい
て、各種の振動モードをそれぞれ区別するために定義し
て用いているものであり、前述したθモード、φモード
等についても同様である。 特に、このX軸方向での一軸モードでの共振を利用す
ると、質量変化の起こった位置、たとえば抗原が各振動
板53A・53Bに付着して質量が増加した場合にはこの抗原
の付着位置による感度差が特に少ないという利点があ
る。また、ηモードを用いる場合には、各主素子57A・5
7Bの分極方向を互いに逆とする。 また、双頭型質量センサ70・75Aは、各振動板53A・53
Bを上下両方向の各連結板54A〜54D、および必要に応じ
てバネ板を貼合して支えるため、共振周波数を上げるこ
とができ、高感度化を図ることができる。また、双頭型
質量センサ25等よりも大きな面積の各振動板53A・53Bを
用いても共振周波数が高くとれ、単位質量当たりの変化
にともなう共振周波数のシフト量が増加し、判定がし易
くなる利点がある。さらに、双頭型質量センサ75Aにお
いて、副素子62A〜62Dを配設した場合には、前述したη
モードを用いて共振周波数の測定を行うと、Q値を大き
くとることが可能となる。もちろん、各副素子62A〜62D
をさらに、各主素子57A・57Bと同様に分割素子として配
設することもまた、好ましい。なお、双頭型質量センサ
75Aにおいては、各連結板54A〜54Dを同形状としている
が、一枚の振動板を挟持する連結板の幅を異ならしめ
る、例えば、図18(b)に示すように、第一連結板54A
の幅を狭くし、第二連結板54Bの幅を広く設定すること
で、θモードにおける測定感度を高めた双頭型質量セン
サ75Bとすることが可能となる。 次に、上述した本発明による全ての双頭型質量センサ
を構成する各部材について説明する。振動板、連結板、
検出板、バネ板、バネ板補強部、補強板ならびにセンサ
基板といった部材は、好適にはセラミックからなること
が好ましく、具体的には、安定化もしくは部分安定化さ
れたジルコニア、アルミナ、マグネシア、窒化珪素等を
用いることができる。このうち、薄板においても機械的
強度が大きいこと、靭性が高いこと、圧電膜や電極材と
の反応性が小さいことから、安定化もしくは部分安定化
ジルコニアが最も好適に採用される。なお、センサ基板
の材料等として、安定化もしくは部分安定化ジルコニア
を使用する場合には、少なくとも、検出板にアルミナあ
るいはチタニア等の添加物を含有させて構成するとさら
に好ましい。 振動板、連結板、検出板および必要に応じて配設され
るバネ板やバネ板補強部、補強板のそれぞれについて
は、必ずしも同一の材料から構成される必要はなく、設
計に応じて前述した各種セラミック材料を組み合わせて
用いることが可能である。しかし、同一の材料系のもの
を用いて一体的に形成することが、各接合部の信頼性の
確保や製造工程の簡略化等の見地から好ましい。したが
って、これらの部材はセンサ基板とも一体的に形成され
ることが好ましい。 このような一体構造を有する双頭型質量センサを得る
ためには、後述する双頭型質量センサの製造方法に示す
ように、振動板と連結板および検出板が、1枚の振動プ
レートからの打抜き加工等により一体的に形成され、セ
ンサ基板が、この振動プレートとベースプレートを積層
して一体的に形成されていることが好ましい。 また、連結板に貼合されるバネ板を形成する場合に
は、振動プレートとベースプレートとの間に中間プレー
トを挟み込んで一体化して形成されるセンサ基板中の元
の中間プレートからバネ板が形成されるようにすること
が好ましい。こうして、センサ基板とバネ板は一体的に
形成され、かつ、バネ板と連結板もまた一体的に形成す
ることができる。さらに、バネ板補強部もまた、振動プ
レートと一体的に形成され、補強板はベースプレートを
複数の薄いプレートを積層し、そのうちの1枚から数枚
がバネ板と貼合されるようにすることでセンサ基板と一
体的に形成することが可能である。すなわち、その部位
間の接合においても接着剤等を使用することなく一体化
でき、機械的に信頼性が高く、温度特性に優れたものと
なる。 なお、本発明の双頭型質量センサは、微小な質量変化
の検出を主な目的としているが、このためには、振動板
の厚みは3〜20μm程度とすることが好ましく、特に、
0.1ナノグラム(ng)オーダーの質量変化の検出には、
5〜15μm程度とすることが好ましい。連結板自体がバ
ネ板として機能することから、バネ板は必ずしも必要で
はないが、バネ板を設ける場合にはその連結板厚みを3
〜100μmとし、ベースプレートの厚みは操作性を考慮
し、適宜決められる。なお、バネ板を設けない場合に
は、中間プレートを設けなくともよいこととなるが、セ
ンサ基板の機械的強度を保つために、中間プレートの厚
み分ほどベースプレートを厚くするとよい。 但し、バネ板を連結板の両平板面に形成する場合に
は、圧電素子が形成される面側に形成されるバネ板につ
いては、圧電素子と同じ構造を有するものをバネ板とし
て形成して用いることもできる。この場合には、バネ板
を圧電素子と同時に形成することができるので、製造工
程上、好ましい。しかし、バネ板として形成された圧電
素子については、圧電素子を形成する電極は、電極とし
ては用いない。 バネ板を配設する場合には、連結板の片面あるいは両
面に貼合するいずれの場合であっても、その厚さは10〜
220μm、幅100〜500μmが好適であり、バネ板のアス
ペクト比(幅/厚み)は、0.4〜50の範囲とすることが
好ましい。さらに、液体中での双頭型質量センサの使用
による振動振幅の減衰を考慮すると、厚みが10〜70μm
で幅が100〜500μm、アスペクト比が1.4〜50とするこ
とが好ましい。さらに好ましくは、厚み10〜70μm、幅
が100〜300μm、アスペクト比が1.4〜30が好適な設定
範囲である。なお、バネ板補強部を必要とする場合のバ
ネ板補強部の厚さは、そのバネ板補強部に接合されるバ
ネ板の厚さと同じとすることが好ましく、また、このよ
うな厚さ範囲にあるバネ板の配設にあっても、前述した
バネ板と振動板等との質量比の範囲内とすることが好ま
しいことはいうまでもない。 次に、主・副素子として用いられる圧電素子における
圧電膜としては、膜状に形成された圧電セラミックスが
好適に用いられるが、電歪セラミックスあるいは強誘電
体セラミックスであってもよい。また、分極処理が必要
な材料、必要でない材料のいずれであってもよい。 圧電膜に用いるセラミックスとしては、たとえば、ジ
ルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニ
ッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸
鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、
コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム等を単独で、あ
るいは、これらのいずれかを組み合わせた成分を含有す
るセラミックスが挙げられるが、本発明においては、ジ
ルコン酸鉛とチタン酸鉛およびマグネシウムニオブ酸鉛
からなる成分を主成分とする材料が好適に用いられる。
これは、このような材料が高い電気機械結合係数と圧電
定数を有することに加え、後述する圧電膜の焼結時にお
けるセンサ基板部材との反応性が小さく、所定の組成の
ものを安定に形成することができることによる。 さらに、上記圧電セラミックスに、ランタン、カルシ
ウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バ
リウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウ
ム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、
イットリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等
の酸化物、もしくはこれらいずれかの組み合わせ、また
は他の化合物を適宜、添加したセラミックスを用いても
よい。たとえば、ジルコン酸鉛とチタン酸鉛およびマグ
ネシウムニオブ酸鉛を主成分とし、これにランタンやス
トロンチウムを含有するセラミックスを用いることもま
た好ましく、さらに、マンガンを加えたものは圧電材料
の機械的品質係数が大きく、センサの構造面からだけで
なく、材料面からもQ値を大きくすることができ、好ま
しい。 一方、圧電素子における第一電極および第二電極は、
室温で固体である導電性の金属で構成されていることが
好ましく、たとえば、アルミニウム、チタン、クロム、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデ
ン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タ
ンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等の
金属単体あるいはこれらのいずれかを組み合わせた合金
が用いられ、さらに、これらに圧電膜あるいは検出板と
同じ材料を分散させたサーメット材料を用いてもよい。
なお、これらの金属材料は、位置センサ用の電極材料と
しても使用することができる。 実際の第一電極および第二電極の材料選定は、圧電膜
の形成方法に依存して決定される。たとえば、検出板上
に第一電極を形成した後、第一電極上に圧電膜を焼成に
より形成する場合には、第一電極は圧電膜の焼成温度に
おいても変化しない白金等の高融点金属を使用する必要
があるが、圧電膜を焼成した後に圧電膜上に形成される
第二電極は、低温で電極形成を行うことができるので、
アルミニウム等の低融点金属を使用することができる。 また、圧電素子を一体焼成して形成することもできる
が、この場合には、第一電極および第二電極の両方を圧
電膜の焼成温度に耐える高融点金属としなければならな
い。一方、図5に示したように、圧電膜96上に第一・第
二電極97・98を形成する場合には、双方を同じ低融点金
属を用いて形成することができる。このように、第一電
極および第二電極は、圧電膜の焼成温度に代表される圧
電膜の形成温度と圧電素子の構造に依存して、適宜、好
適なものを選択すればよい。 なお、圧電素子の面積を広げると出力電荷が増加する
ために感度が上がるが、センササイズが大きくなる問題
が生ずるため、適宜、好適な形状に設定することが好ま
しい。また、圧電素子の厚みを薄くすると感度が向上す
るが、その一方で、剛性が低下するといった問題が生ず
るため、好ましくは、検出板と圧電素子との厚みの合計
は15〜50μmに設定される。 続いて、図15に示した双頭型質量センサ40Dのよう
に、主素子や副素子、ならびに電極リード上に、絶縁コ
ーティング層を形成する場合には、その材料として、絶
縁性のガラスもしくは樹脂が用いられるが、双頭型質量
センサの性能を上げるためには、絶縁コーティング材と
してガラスよりも樹脂を用いることが好ましく、化学的
安定性に優れたフッ素樹脂、例えば、四フッ化エチレン
樹脂系テフロン(デュポン(株)製のテフロンPTFF)、
四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂系
テフロン(テフロンFEP)、四フッ化エチレン・パーフ
ロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂系テフロン
(テフロンPFA)、PTFE/PFA複合テフロン等が好適に用
いられる。また、これらのフッ素樹脂よりも耐食性、耐
候性等に劣るが、シリコーン樹脂(中でも熱硬化型のシ
リコーン樹脂)も好適に用いられる他、エポキシ樹脂、
アクリル樹脂等も目的に応じて使用することができる。
さらに、絶縁性樹脂に無機・有機充填材を添加し、共振
部の剛性を調整することも好ましい。 絶縁コーティング層を形成した場合に、絶縁コーティ
ング層上に形成されるシールド層の材料としては、金、
銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の種々の金属が好適
に用いられるが、他にも上述した圧電素子における第一
電極等に用いられる全ての金属材料を用いることができ
る。また、金属粉末を樹脂と混合してなる導電性ペース
トを用いることもできる。なお、主素子や副素子ならび
にその近傍と、電極リードならびにその近傍とで、それ
ぞれ異なる材料を用いて絶縁コーティング層を形成する
ことも好ましい。 次に、双頭型質量センサの作製方法について、図11
(e)に示した断面形状を有する双頭型質量センサ55、
すなわち、図2(a)記載の双頭型質量センサ40Aにお
いて、各連結板22A・22Bの片面にのみバネ板47を配設し
た構造のものを例に説明する。センサ基板27の材料とし
てはジルコニア等のセラミックスが好適に使用され、セ
ラミックス粉末にバインダ、溶剤、分散剤等を添加混合
してスラリーを作製し、これを脱泡処理後、リバースロ
ールコーター法、ドクターブレード法等の方法により所
定の厚みを有する振動プレート用、中間プレート用およ
びベースプレート用のそれぞれのグリーンシートあるい
はグリーンテープを作製する。 続いて、それぞれのグリーンシート等を金型あるいは
レーザ等を用いて、たとえば、図19に示すように、中間
プレート64には貫通孔67とバネ板68が形成され、ベース
プレート66には貫通孔67が形成されるように所定形状に
打ち抜き加工し、作製した振動プレート63と中間プレー
ト64およびベースプレート66用グリーンシートをこれら
の順序で少なくとも各1枚ずつ積層、熱圧着し、焼成に
より一体化してセンサ基板27を作製する。 なお、振動プレート63を2枚の中間プレート64で挟
み、さらに、これを2枚のベースプレート66で挟むこと
によって、図11(b)に示されたような振動プレート63
がセンサ基板の中央部に形成されるようにすることも可
能である。また、センサ基板27中に、二箇所の貫通孔67
を設けて、各貫通孔67に共振部を形成すると、一方を測
定用のセンサ、他方の参照用のセンサとして用いること
が容易となる。 ここで、これらのグリーンシート等の積層を行うに際
して、積層位置決めのために各グリーンシートには孔部
69が形成されている。また、センサ基板27には、ベース
プレート66の形状の通り、四角平板型の内部を打ち抜い
た外枠を用いているが、後に切削加工等して双頭型質量
センサ55の共振部を嵌合させるような凹部を有するセン
サ基板27とすることが可能であり、このままの形状にと
どめて、センサ基板27内部に各振動板21A・21B等が形成
した構造としても構わない。さらに、振動プレート63に
ついても、貫通孔67や各振動板21A・21B等となる部分を
グリーンの状態で形成することは可能であるが、一般に
振動プレート63は20μm以下と薄いために、振動プレー
ト63内に形成する各振動板21A・21Bと各連結板22A・22B
および各検出板41A・41B・41Cの焼結後の平坦性、寸法
精度等を確保するためには、後述するレーザ加工等でセ
ンサ基板27および主・副素子44・42A・42B形成後に所定
形状を形成することが好ましい。 振動プレート63上の各検出板41A・41B・41Cが形成さ
れる部分に第一電極、圧電膜、第二電極からなる主・副
素子44・42A・42Bたる圧電素子を形成する方法として
は、金型を用いたプレス成形法またはスラリー原料を用
いたテープ成形法等によって圧電膜を成形し、この焼成
前の圧電膜を振動プレート63上の各検出板41A・41B・41
Cが形成される部分に熱圧着で積層し、同時に焼結して
センサ基板27と圧電素子とを形成する方法がある。但
し、この場合には、電極は後述する膜形成法により、セ
ンサ基板27あるいは圧電膜に予め形成しておく必要があ
る。 圧電膜の焼成温度は、これを構成する材料によって適
宜定められるが、一般には、800℃〜1400℃であり、好
ましくは1000℃〜1400℃である。この場合、圧電膜の組
成を制御するために、圧電膜材料の蒸発源の存在下に焼
結することが好ましい。なお、圧電膜の焼成と各プレー
ト63〜65の焼成を同時に行う場合には、両者の焼成条件
をマッチングすることが必要となる。 一方、膜形成法を用いる場合には、振動プレート63上
の各検出板41A・41B・41Cの形成位置に、スクリーン印
刷法、ディッピング法、塗布法等の厚膜形成法、イオン
ビーム法、スパッタリング法、真空蒸着、イオンプレー
ティング法、化学気相蒸着法(CVD)、メッキ等の各種
薄膜形成法により、圧電素子を形成することができる。
このうち、本発明においては、圧電膜を形成するにあた
り、スクリーン印刷法やディッピング法、塗布法等によ
る厚膜形成法が好適に採用される。これは、これらの手
法は、平均粒径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μm
の圧電セラミックスの粒子を主成分とするペーストやス
ラリーを用いて圧電膜を容易に形成することができ、良
好な圧電作動特性が得られるからである。 たとえば、作製したセンサ基板27を所定条件にて焼成
した後、振動プレート63の表面の所定位置に第一電極を
印刷、焼成し、次いで圧電膜を印刷、焼成し、さらに、
第二電極を印刷、焼成して圧電素子を形成する。そし
て、形成された各電極を測定装置に接続するための電極
リードを印刷、焼成する。ここで、たとえば、第一電極
として白金(Pt)を、圧電膜としてはジルコン酸チタン
酸鉛(PZT)を、第二電極としては金(Au)を、さらに
電極リードとして銀(Ag)等の材料を使用すると、焼成
工程における焼成温度が順次低くなるように設定される
ので、ある焼成段階において、それより以前に焼成され
た材料の再結晶等が起こり難く、電極材等の剥離や凝集
といった不具合の発生を回避することが可能となる。 なお、適当な材料を選択することにより、圧電素子を
構成する各部材と電極リードを逐次印刷して、一回で一
体焼成することも可能であり、圧電膜を形成した後に低
温で各電極等を設けることもできる。また、圧電素子を
構成する各部材と電極リードはスパッタ法や蒸着法等の
薄膜法によって形成してもかまわず、この場合には、必
ずしも熱処理を必要としない。さらに、電極リードの形
成の際に、位置センサ用の電極を同時に形成することが
できる。 こうして圧電素子を膜形成法によって形成することに
より、接着剤を用いることなく圧電素子と各検出板41A
・41B・41Cとを一体的に接合することができるため、信
頼性、再現性に優れ、集積化が容易となる。ここで、さ
らに圧電膜を適当なパターンに形成してもよく、その形
成方法としては、たとえば、スクリーン印刷法やフォト
リソグラフィー法、あるいはレーザ加工法、スライシン
グ、超音波加工等の機械加工法を用いることができる。 次に、作製されたセンサ基板27の所定位置に各振動板
21A・21B等を形成する。ここで、YAGレーザの第4次高
調波を用いた加工により、焼結された振動プレート63を
切り出し加工して除去することが好ましい。こうして、
図2に示される各振動板21A・21Bや各検出板41A・41B・
41Cといったセンサ基板27と一体的に接合される部位を
残しながら貫通孔67を形成することができ、このとき、
各振動板21A・21B等の形状を調整することで、所定の共
振周波数に調整し、検出できる質量変化の範囲を定める
ことが可能でとなる。 ここで、図20に示されるように、各振動板21A・21Bの
長さをL0からL1へ短くするように各振動板21A・21Bの一
部を切削、削除すると、共振点を高くすることができ、
一方、各連結板22A・22B(およびバネ板)の幅をt0から
t1へ狭くすると、共振点を下げることが可能となり、こ
れらの組み合わせにより共振点の調整を行うことができ
る。さらに、各振動板21A・21Bの幅をW0からW1へ狭める
ことにより、回転モードを抑制し、θモードのQ値を大
きくすること、および質量変化が同じ場合でも質量変化
の起こった位置による共振周波数の変動差を小さくする
ことが可能となる。 さらに、図4に示した積層型の圧電素子を設けた場合
には、図21に示すように、第一電極90を下部電極、第二
電極92を上部電極として、その中間に圧電膜91を形成し
た圧電素子を一度形成した後、上部電極をYAG第4次高
調波レーザ、機械加工等により除去して圧電素子の有効
電極面積を調整して、検出感度の調整を行うことが好ま
しい。なお、圧電素子の構造が、図6あるいは図7に示
されるような櫛型構造である場合には、一方のあるいは
両方の電極の一部を除去すればよい。 こうしたセンサ部の加工においては、上記のYAG第4
次高調波レーザを用いて加工以外にも、YAGレーザおよ
びYAGレーザの第2次または第3次高調波、エキシマレ
ーザ、CO2レーザ等によるレーザ加工、電子ビーム加
工、ダイシング加工(機械加工)など、センサ部の大き
さと形状に適した種々の加工方法を適用することができ
る。 また、センサ基板27は、上述したグリーンシートを用
いた作製方法の他に、成形型を用いた加圧成形法や鋳込
成形法、射出成形法等を用いて作製することもできる。
これらの場合においても、焼成前後において、切削や研
削加工、レーザ加工、プレス加工による打ち抜き、ある
いは超音波加工等の機械加工により加工が施され、所定
形状の双頭型質量センサ55が得られる。 こうして作製された双頭型質量センサ55における主・
副素子44・42A・42Bならびに電極リード上に、図19に示
した双頭型質量センサ40Dのように絶縁コーティング層7
7を形成する場合には、ガラスもしくは樹脂を用いて、
スクリーン印刷法、塗布法、スプレー法等によって形成
することができる。ここで、材料としてガラスを用いる
場合には、双頭型質量センサ55自体をガラスの軟化温度
程度まで昇温する必要があり、また硬度が大きいので振
動を阻害するおそれがあるが、樹脂は柔らかく、しかも
乾燥程度の処理で済むことから、樹脂を用いることが好
ましい。なお、絶縁コーティング層77として用いられる
樹脂として、フッ素樹脂あるいはシリコーン樹脂が好適
に用いられる旨は既に述べたが、これらの樹脂を用いる
場合には、下地のセラミックスとの密着性を改善する目
的で、使用する樹脂とセラミックスとの種類に応じたプ
ライマー層を形成し、その上に絶縁コーティング層77を
形成することが好ましい。 次に、絶縁コーティング層77上に形成されるシールド
層78の形成は、絶縁コーティング層77が樹脂からなる場
合には、焼成処理を行うことが困難なため、種々の金属
材料を用いる場合には、スパッタ法等の加熱を要しない
方法を用いて行われ、一方、金属粉末と樹脂からなる導
電性ペーストを用いる場合には、スクリーン印刷法、塗
布法等を好適に用いることができる。なお、絶縁コーテ
ィング層77をガラスで形成した場合には、金属ペースト
をスクリーン印刷等し、ガラスが流動しない温度以下
で、焼成することも可能である。 最後に、主に、各振動板21A・21Bに抗体等の捕捉物質
を塗布するなどして双頭型質量センサが完成するが、こ
こで、貫通孔67を複数設けて、その中の2つをそれぞれ
測定用、参照用センサとしてセンサ基板27内に形成した
場合には、これら2つのセンサをセンサ基板27の縦方向
(上下方向)に配設する、つまり、検出用のセンサが先
に液体等に浸漬され、参照用のセンサが液体等に浸漬さ
れないような位置に配設すると、検出用のセンサの部分
のみを捕捉物質に浸漬してその部分の振動板等に塗布す
る一方、参照用のセンサについては、テフロンコーティ
ング等せずに温度補正センサ等のセンサとして使用し、
捕捉物質には浸漬せず、捕捉物質を塗布しないように処
理することが簡単に行え、好ましい。なお、双頭型質量
センサにあっては、共振部がセンサ基板に少なくとも2
箇所以上設けられ、1つの共振部における振動板には捕
捉物質を塗布せずに参照用の共振部とすることが好まし
く、他方、各共振部に種類の異なる捕捉物質を塗布す
る、すなわち、1つのセンサ内に、2種類以上の異なる
捕捉物質が別々に塗布された複数の共振部を設けること
もまた好ましい。 こうして簡単に、検出用のセンサにのみ捕捉物質を塗
布した双頭型質量センサを作製することができる。しか
し、このような双頭型質量センサであっても、実際に質
量測定にあたっては、検出用と参照用の各センサを同じ
環境下におくことが必要である。また、本発明の双頭型
質量センサにあっては、その全体を導電性の液体に浸漬
している場合には、配設された圧電素子と電極リードを
絶縁コーティングしておく必要があることはいうまでも
ない。なお、上述したように、2つのセンサをそれぞれ
検出用、参照用として用いる使用方法においては、参照
用センサにおける共振部、すなわち、振動板と連結板、
検出板、圧電素子、バネ板等にテフロンコーティングを
行うと、場合によって参照センサ用への被検出体の付着
を防止することができ、より高精度な測定が可能とな
る。また同様に、検出用センサにおいても、振動板以外
にテフロンコーティングすることで、振動板上のみで被
検出体を確実に捕らえることができ、高感度化が図れ、
好ましい。さらに、高価な抗体等の捕捉物質を必要な箇
所だけにつけるため、振動板を除くセンサ基板2全体へ
のコーティングをすると、コスト面で好ましい。 なお、同一の捕捉物質を各センサの各振動板に塗布し
て、各センサの信号を積算することで、ダイナミックレ
ンジを大きくするような使用方法も可能である。さら
に、参照用のセンサを参照用とせずに、検出用のセンサ
と異なる捕捉物質を塗布して使用することも可能であ
る。 作製された双頭型質量センサにあっては、インピーダ
ンスアナライザやネットワークアナライザでの測定や、
SINSWEEP方式での伝達関数測定を用いて圧電素子(主・
副素子44・42A・42B)からの電圧並びに電荷検出、共振
周波数の測定を行うことにより、振動板における質量変
化を測定することができる。また、主素子または副素子
を分割したとき、駆動素子(励振素子)にはSINSWEEP波
を与え、検出素子(受振素子)はスペクトルアナライザ
で出力電荷または出力電圧を検出する方法で共振周波数
測定を行う。なお、本発明の双頭型質量センサは全て、
上述した方法で作製することができ、また、共振周波数
を測定できる。 続いて、本発明による双頭型質量センサの他の用途に
ついて説明する。まず、振動板に塗布する捕捉物質とし
て、水分吸着材を用いた場合には、双頭型質量センサを
水分計として使用することができる。また、振動板に捕
捉物質として特定のガス成分や有機物質、無機物質を吸
着する吸着材を塗布することにより、ガスセンサ、臭気
センサ、味覚センサ等として使用することができる。さ
らに、振動板の温度を制御して結露させ、振動板の質量
が増大したときの温度から露点を計測する露点計として
も使用することができる。 また、双頭型質量センサは、膜厚計として使用するこ
とができる。対象となる膜には、真空中等で形成される
スパッタ膜やCVD膜、気体中で形成されるLB膜や液体中
で形成される電着膜等が挙げられる。すなわち、これら
の膜形成を行う際に、双頭型質量センサの振動板を同じ
膜形成環境に置くと、振動板に膜が形成されることによ
って質量が変化し、共振周波数が変化するので、形成さ
れた膜厚や膜厚成長速度を計測することが可能となる。 従来、このような膜厚計としては、図22に示したもの
と同等の水晶振動子の膜厚変化時のすべり方向共振周波
数の変化を検出する水晶蒸着膜厚計が知られているが、
振動子自体を蒸着雰囲気中で使用するため、温度変化や
不純物の衝突等によるノイズ、真空圧の変化の影響を大
きく受けるという問題がある。 これに対し、蒸着膜厚計として双頭型質量センサをθ
モードあるいはηモードにより使用すると、検出板と主
・副素子からなる検出部が剛体モードであるために温度
変化に強く、また、振動板が3〜20μmと薄いために不
純物が衝突する確率が小さくなるといった利点があり、
さらに検出部とバネ板および連結板を一定雰囲気に保ち
易い構造を採ることができるため、水晶振動子を用いた
場合と比較して、測定精度の向上を図ることが可能とな
る。 さらに、双頭型質量センサでは、振動板を液体に浸漬
させたときに、流体に横波のずれ波を引き起こして粘性
波の進入長の部分の質量負荷を受ける粘性計としても使
用することができる。 従来、このような粘性計としてもまた、水晶振動子の
すべり方向共振周波数の変化を検出する水晶粘性計が用
いられているが、水晶振動子自体を液体中に浸漬させる
ため、温度変化や液体中の不純物の衝突等のノイズの影
響を受け易い欠点がある。一方、粘性計として双頭型質
量センサをθモードにより用いた場合には、検出部29と
バネ板18および連結板20を液体に浸漬させる必要がな
く、また、検出部29が剛体モードであるために温度変化
に強く、振動板19が3〜20μmと薄いために不純物が衝
突する確率が小さくなることから、測定精度の向上が図
られる。 さらにまた、水晶振動子は、真空中では気体分子の摩
擦や気体の粘性摩擦により電気抵抗が変化するため、摩
擦真空計として用いられるが、この真空計は結果的に水
晶振動子の質量負荷効果による周波数変化を測定するも
のであるので、基本的な測定原意が同じである双頭型質
量センサもまた、真空計として用いることができる。 水晶振動子を用いた摩擦真空計においては、図23に示
すように、音叉型に形成した振動子79をX軸方向に振動
させたときの抵抗値の変化を検出するものであるが、振
動子79の厚みd1を薄くすることが困難であり、したがっ
て、検出感度の向上が困難であるという問題がある。こ
れに対し、双頭型質量センサにおいては、振動板の厚み
を3〜20μmとする薄膜化が容易であり、θモードある
いはηモードを利用することで、検出感度の向上を図る
ことが可能となる。 加えて、双頭型質量センサ25等・60・65の振動板の曲
げモードを用いる、すなわち、曲げモード時のヤング率
変化の共振周波数の変化として検出することにより、温
度センサとしても使用することが可能である。 このように、本発明の双頭型質量センサは多種多様な
センサとして使用することができるが、その基本的な測
定原理は、振動板への質量負荷に基づく共振部の共振周
波数の変化を測定しているというものである。そのた
め、異なる機能を有するセンサを一つの双頭型質量セン
サ内に複数箇所設ける、すなわち、センサ基板中に複数
の貫通孔を設け、各貫通孔に異なる機能を有するセンサ
を配設することが容易である。たとえば、温度センサや
真空計、粘性センサとしての機能を双頭型質量センサへ
組み込み、質量測定に対して温度補正や真空度または粘
性補正を行うことが容易となる。このような場合、形状
の異なる複数の各種用途別のセンサを集合させて用いる
必要がないため、測定位置へのセンサの組み込み、取り
扱いや測定のための計測機器等の設備コスト等の点にお
いても有利である。 以上、本発明の双頭型質量センサについて、共振部の
振動を検出し、電気信号に変換する装置として、圧電作
用を利用する圧電膜を用いた圧電変換装置を中心に説明
してきた。しかし、このような振動の信号変換装置は、
圧電効果を利用するものには限定されず、電磁誘導を利
用するもの、静電容量変化を利用するもの、光の入射変
化を利用するもの、電気抵抗変化を利用するもの、焦電
効果を利用するもの等で構成してもよい。 たとえば、電磁誘導を利用するものとしては、検出板
に設けられるコイルと、このコイルに流れる電気信号を
検出する電気回路と、このコイルに磁場を形成する磁石
(電磁石であってもよい)とを有するものが挙げられ
る。この場合、共振部とともにコイルが振動する際に、
電磁誘導によりコイルに電流が流れ、この電流を電気回
路が検出する。また、静電容量変化を利用するものは、
検出板の表面に設けた一対の電極と、この電極に挟まれ
た誘電体と、電極に接続する電子回路を有し、この特定
の空間に荷電される静電容量を電子回路により検出する
ものが挙げられる。 光の入射変化を利用するものには、光ダイオード等の
共振部に投光するデバイスと、共振部で反射した光量を
測定するデバイス(受光部)とを有するものがある。こ
の受光部には光センサ等を用いることができ、共振部が
振動するにしたがって共振部で反射する光量が変化し、
その受光部でその入射光量の変化が測定される。 また、電気抵抗変化を利用するものには、大きく分け
て導体を使用するもの、半導体を使用するものが挙げら
れる。このうち、導体を使用するものは、共振部の表面
に設けた導体と、この導体に接続する電気回路を有し、
共振部とともに導体が振動する際に振動により導体が歪
み、抵抗が変化するので、電気回路でこの抵抗変化を検
出するものである。一方、半導体を使用するものは、こ
の導体の代わりに半導体を用いたものである。 焦電作用を利用するものは、検出板の表面に設けた一
対の電極とその間に形成された焦電体並びに電極に接続
する電子回路および熱源からなり、振動による焦電流を
電子回路により検出するものが挙げられる。 これらの振動の信号変換装置は、前述した圧電素子の
代わりに設置される他、共振部の励振と受振とを異なる
信号変換装置、たとえば、励振を圧電変換装置、受振を
静電容量式変換装置で構成することも可能である。ま
た、励振・受振装置の配置は、設けた検出板の数によっ
ても適宜、好適な配置を選択することができ、たとえ
ば、検出板が1枚の場合にはその平面内に、検出板を複
数枚設けた場合には各検出板の両平面、あるいは各検出
板に分けて励振・受振装置を配置させてもよい。 産業上の利用可能性 上述の通り、本発明の双頭型質量センサによれば、共
振部中の特に振動板上で起こる種々の微小質量の変化、
すなわち、振動板への質量負荷の変化を簡単に、高精度
かつ正確に、しかも短時間で行うことができるという優
れた効果を奏する。また、このような質量変化は、振動
板に限られず共振部で生ずる質量変化によっても共振周
波数が変化するため、用途によって適宜質量変化を起こ
すべき部位を調整することも可能である。したがって、
種々の被検出体を捕捉する物質を共振部に塗布した場合
には、多様な化学物質や細菌、ウィルス等の微生物の検
出を行うガスセンサ、味覚センサ、臭気センサ、免疫セ
ンサ、水分計等として使用することができる。一方、こ
のような捕捉物質を塗布しない場合においては、膜厚
計、粘性計、真空計、温度計等として用いることが可能
である。しかも、免疫センサあるいは臭気センサ、味覚
センサとして使用した場合には、人間の感覚に依存して
判断されることがないので、検査の信頼性を向上させる
ことができる。 また、本発明の双頭型質量センサは、共振周波数の検
出において、検体の温度や検体温度による双頭型質量セ
ンサ自体の材質の特性変化による変化の影響が小さく、
その構成により、0.1ナノグラム(ng)の微小量まで測
定することが可能であり、微量物質の検出に効果を発揮
する。 さらに、本発明の双頭型質量センサは、上述した多種
多様な用途に使用することができるにもかかわらず、質
量負荷を受ける振動板を含む共振部の共振周波数の変化
を測定するという基本的な測定原理に基づいて測定が行
われるため、異なる機能を有するセンサ部を一つの双頭
型質量センサ内に複数設けることが容易に行える特徴を
有する。したがって、各種の別個の複数のセンサを用い
る必要がないため、測定位置へのセンサの組み込み、取
り扱いや測定のための計測機器等の設備コスト、さらに
は、製造設備の集約と共有による低コスト化が図れると
いった極めて優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−231419(JP,A) 特開 昭63−200028(JP,A) 特開 昭62−64934(JP,A) 特開 平6−347471(JP,A) 特開 昭60−47913(JP,A) 特開 平4−296657(JP,A) 特開 平8−160064(JP,A) 特開 平8−178667(JP,A) 特開 平9−89574(JP,A) 特開 平8−201064(JP,A) 特開 平8−128830(JP,A) 特開 平8−304081(JP,A) 実開 平3−90079(JP,U) 実公 平7−23689(JP,Y2) 米国特許4628734(US,A) 欧州特許出願公開614087(EP,A 2) 欧州特許出願公開152700(EP,A 2) 英国特許出願公開2236855(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01G 3/13 G01G 3/16 G01N 5/02

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一振動板と互いの側面において接合され
    た第一連結板と、第二連結板と互いの側面において接合
    された第二連結板との間に、少なくとも一方の平板面上
    の少なくとも一部に主素子が配設された第一検出板が、
    当該各連結板と当該各振動板との接合方向と垂直な方向
    において跨設されてなる共振部が、 少なくとも当該第一連結板と当該第二連結板の一部の側
    面をセンサ基板に接合してなることを特徴とする双頭型
    質量センサ。
  2. 【請求項2】当該主素子が、当該第一検出板と当該各連
    結板との接合方向に垂直な方向に分割されていることを
    特徴とする請求の範囲第1項記載の双頭型質量センサ。
  3. 【請求項3】第一連結板は第一振動板と、第二連結板は
    第二振動板と、それぞれ互いの側面において接合され、 当該第一連結板が第一検出板と第二検出板との間に位置
    し、当該第二連結板が当該第一検出板と第三検出板との
    間に位置するようにして、それぞれ互いの側面において
    接合され、 当該第一検出板の少なくとも一方の平板面上の少なくと
    も一部に主素子が配設され、および/または当該第二検
    出板および当該第三検出板の少なくとも一方の平板面上
    の少なくとも一部に副素子が配設されてなる共振部が、 センサ基板に、少なくとも当該各連結板の一部の側面を
    接合してなることを特徴とする双頭型質量センサ。
  4. 【請求項4】当該主素子および/または当該副素子が、
    当該各検出板と当該各連結板との接合方向に垂直な方向
    に分割されていることを特徴とする請求の範囲第3項記
    載の双頭型質量センサ。
  5. 【請求項5】当該第一検出板の平板面を二等分し、かつ
    当該第一検出板の当該各連結板との接合方向に垂直な中
    心線の伸長方向が、当該第一連結板と当該第一振動板と
    の接合方向および当該第二連結板と当該第二振動板との
    接合方向に平行であって、 当該共振部が、当該中心線について対称な形状を有する
    ことを特徴とする請求の範囲第1〜4項のいずれか一項
    に記載の双頭型質量センサ。
  6. 【請求項6】当該センサ基板上の、当該各振動板と当該
    主素子との中間位置に、一対の電極からなる位置センサ
    が設けられていることを特徴とする請求の範囲第1〜5
    項のいずれか一項に記載の双頭型質量センサ。
  7. 【請求項7】第一振動板が第一連結板と第二連結板に挟
    持され、第二振動板が第三連結板と第四連結板に挟持さ
    れるように、各板が互いの側面において接合され、 第一検出板が当該第一連結板と当該第三連結板との間
    に、また、第二検出板が当該第二連結板と当該第四連結
    板との間に、それぞれ跨設され、 当該各検出板の少なくとも一方の平板面上にそれぞれ主
    素子が配設されてなる共振部が、 センサ基板の間隙部を挟んで対向する側面に、少なくと
    も当該各連結板の一部の側面が接合するように跨設され
    てなることを特徴とする双頭型質量センサ。
  8. 【請求項8】当該主素子が、当該各検出板と当該各連結
    板との接合方向に垂直な方向に分割されていることを特
    徴とする請求の範囲第7項記載の双頭型質量センサ。
  9. 【請求項9】第一振動板が第一連結板と第二連結板に挟
    持され、第二振動板が第三連結板と第四連結板に挟持さ
    れるように、各板が互いの側面において接合され、 当該第一連結板が第一検出板と第三検出板との間に、当
    該第三連結板が当該第一検出板と第四検出板との間に、
    当該第二連結板が第二検出板と第五検出板との間に、当
    該第四連結板が当該第二検出板と第六検出板との間にそ
    れぞれ位置するように、各板が互いの側面において接合
    され、 当該第一検出板および当該第二検出板の少なくとも一方
    の平板面上の少なくとも一部にそれぞれ主素子が配設さ
    れ、および/または当該第三検出板、当該第四検出板、
    当該第五検出板、当該第六検出板のうち1枚以上の検出
    板における少なくとも一方の平板面上の少なくとも一部
    にそれぞれ副素子が、配設されてなる共振部が、 センサ基板の間隙部を挟んで対向する側面に、少なくと
    も当該各連結板の一部の側面が接合されるように跨設さ
    れてなることを特徴とする双頭型質量センサ。
  10. 【請求項10】当該各主素子および/または当該各副素
    子が、当該各検出板と当該各連結板との接合方向に垂直
    な方向に分割されていることを特徴とする請求の範囲第
    9項記載の双頭型質量センサ。
  11. 【請求項11】当該第一検出板の平板面を二等分し、か
    つ当該第一検出板の当該第一連結板並びに当該第三連結
    板との接合方向に垂直な中心線が、当該第二検出板の平
    板面を二等分し、かつ当該第二検出板の当該第二連結板
    並びに当該第四連結板との接合方向に垂直な中心線と一
    致し、 当該中心線の伸長方向が、当該第一連結板と当該第二連
    結板が当該第一振動板を挟持する方向、および当該第三
    連結板と当該第四連結板が当該第二振動板を挟持する方
    向に平行であって、 当該共振部が、当該中心線、および当該中心線に直交す
    るとともに当該第一振動板および当該第二振動板の中心
    を通る直交線の各線について対称な形状を有することを
    特徴とする請求の範囲第7〜10項のいずれか一項に記載
    の双頭型質量センサ。
  12. 【請求項12】当該各主素子および/または当該各副素
    子が、少なくとも第一電極と第二電極および圧電膜より
    なる圧電素子であって、 当該圧電素子が、 当該第一電極と当該第二電極の間に当該圧電膜を挟んだ
    積層構造を有し、もしくは、 当該圧電膜の平板面上もしくは当該圧電膜と当該圧電膜
    が配設された検出板との間に、当該第一電極と当該第二
    電極が対向する櫛型電極を配設した構造を有し、または 櫛型電極を形成する当該同一電極および当該第二電極の
    各電極間の隙間に当該圧電膜を配設した構造を有するこ
    とを特徴とする請求の範囲第1〜11項のいずれか一項に
    記載の双頭型質量センサ。
  13. 【請求項13】当該各主素子における当該圧電膜の分極
    方向と、当該各副素子における当該圧電膜の分極方向と
    が互いに逆向きであることを特徴とする請求の範囲第12
    項記載の双頭型質量センサ。
  14. 【請求項14】当該圧電膜が、ジルコン酸鉛、チタン酸
    鉛、マグネシウムニオブ酸鉛からなる成分を主成分とす
    る材料からなることを特徴とする請求の範囲第12項また
    は第13項記載の双頭型質量センサ。
  15. 【請求項15】当該第一電極および/または当該第二電
    極が、レーザ加工もしくは機械加工によりその一部を除
    去して当該圧電素子の有効電極面積を調整したものであ
    ることを特徴とする請求の範囲第12〜14項のいずれか一
    項に記載の双頭型質量センサ。
  16. 【請求項16】当該各振動板と当該各連結板および当該
    各検出板が、互いの接合により同一平板面を形成してい
    ることを特徴とする請求の範囲第1〜15項のいずれか一
    項に記載の双頭型質量センサ。
  17. 【請求項17】当該各検出板が、当該各連結板および当
    該センサ基板により形成される凹部に嵌合され、接合さ
    れてなることを特徴とする請求の範囲第1〜16項のいず
    れか一項に記載の双頭型質量センサ。
  18. 【請求項18】当該各振動板と当該各連結板および当該
    各検出板が、1枚の振動プレートから一体的に形成さ
    れ、 当該センサ基板が、当該振動プレートとベースプレート
    を積層して一体的に形成されてなることを特徴とする請
    求の範囲第1〜17項のいずれか一項に記載の双頭型質量
    センサ。
  19. 【請求項19】当該各連結板の同じ向きの一方の平板
    面、もしくは当該各連結板の両平板面に、バネ板がそれ
    ぞれ貼合され、 当該各バネ板が、当該センサ基板もしくはバネ板補強部
    に接合されてなることを特徴とする請求の範囲第1〜18
    項のいずれか一項に記載の双頭型質量センサ。
  20. 【請求項20】当該各バネ板が、当該振動プレートと当
    該ベースプレートとの間に嵌合されて一体化される中間
    プレートと一体的に形成され、もしくは、当該振動プレ
    ートに一体化される当該バネ板補強部と一体的に形成さ
    れて、当該各連結板とも一体的に形成されていることを
    特徴とする請求の範囲第19項記載の双頭型質量センサ。
  21. 【請求項21】当該各バネ板に貼合され、かつ、当該セ
    ンサ基板に接合された補強板を有することを特徴とする
    請求の範囲第19項または第20項記載の双頭型質量セン
    サ。
  22. 【請求項22】当該補強板が、当該各バネ板および当該
    センサ基板と一体的に形成されていることを特徴とする
    請求の範囲第21項記載の双頭型質量センサ。
  23. 【請求項23】当該第一振動板と当該第二振動板の少な
    くとも一方の表面もしくは当該共振部の少なくとも一部
    の表面に、被検出体とのみ反応して当該被検出体を捕捉
    する捕捉物質が塗布されていることを特徴とする請求の
    範囲第1〜22項のいずれか一項に記載の双頭型質量セン
    サ。
  24. 【請求項24】当該各主素子および/または当該各副素
    子並びに当該各主素子および/または当該各副素子を形
    成する電極に導通する電極リードが、樹脂またはガラス
    からなる絶縁コーティング層により被覆されていること
    を特徴とする請求の範囲第1〜23項のいずれか一項に記
    載の双頭型質量センサ。
  25. 【請求項25】当該樹脂がフッ素樹脂もしくはシリコー
    ン樹脂であることを特徴とする請求の範囲第24項記載の
    双頭型質量センサ。
  26. 【請求項26】当該絶縁コーティング層の少なくとも一
    部の表面が、導電性部材からなるシールド層により被覆
    されていることを特徴とする請求の範囲第24項または第
    25項記載の双頭型質量センサ。
  27. 【請求項27】当該センサ基板、当該各振動板、当該各
    連結板、当該各検出板、当該各バネ板および当該バネ板
    補強部と当該補強板が、安定化ジルコニアもしくは部分
    安定化ジルコニアからなることを特徴とする請求の範囲
    第1〜26項のいずれか一項に記載の双頭型質量センサ。
  28. 【請求項28】当該各振動板、当該各連結板、当該各検
    出板、当該各バネ板の少なくともいずれかの形状が、レ
    ーザ加工もしくは機械加工によりトリミングして寸法調
    整を行ったものであることを特徴とする請求の範囲第1
    〜27項のいずれか一項に記載の双頭型質量センサ。
  29. 【請求項29】2枚の振動板のそれぞれに、連結板が互
    いの側面において接合され、必要に応じて主素子もしく
    は副素子を配設した検出板が、当該連結板の間に跨設さ
    れ、もしくは当該連結板を挟持するように配設されて、
    少なくとも当該連結板の一部の側面をセンサ基板に接合
    してなる双頭型質量センサにおいて、 当該連結板と当該センサ基板との接合面を固定面とし
    て、当該振動板が、 当該固定面の中心を垂直に貫通する垂直軸に垂直であ
    り、かつ、当該振動板の平板面に垂直な方向へ屈曲する
    曲げモード振動、もしくは、 当該垂直軸を中心軸として当該垂直軸回りに回転振動す
    る軸回転モード振動、もしくは、 当該垂直軸を中心として、当該振動板の側面に垂直であ
    り、かつ、当該垂直軸に垂直な方向に振り子状に振動す
    るθモード揺れ振動、もしくは、 当該垂直軸を中心として、当該振動板の側面に垂直であ
    り、かつ、当該垂直軸に垂直な方向への揺れが当該各振
    動板の側面に平行な方向の揺れを伴いなから振り子状に
    振動するφモード揺れ振動、 の少なくともいずれかの振動に基づく当該双頭型質量セ
    ンサの共振部の共振周波数を当該素子により測定するこ
    とを特徴とする双頭型質量センサの質量検出方法。
  30. 【請求項30】2枚の振動板のそれぞれが、連結板に挟
    持されるように互いの側面において接合され、必要に応
    じて主素子もしくは副素子を配した検出板が、当該連結
    板の間に跨設され、もしくは当該連結板を挟持するよう
    に配設され、センサ基板の間隙部を挟んで対向する側面
    に、少なくとも当該連結板の一部の側面が接合されるよ
    うに跨設してなる双頭型質量センサにおいて、 当該連結板と当該センサ基板との接合面を固定面とし
    て、当該振動板が、 当該固定面の中心を垂直に貫通する垂直軸を中心軸とし
    て当該垂直軸回りに回転振動する軸回転モード振動、も
    しくは、 当該振動板の中心を中心として当該振動板の平板面内に
    おいて回転反復振動するηモード平面回転振動、もしく
    は、 当該垂直軸を中心として、当該振動板の側面に垂直、か
    つ、当該垂直軸に垂直な方向への揺れが当該各振動板の
    側面に平行な方向の揺れを伴いながら振り子状に振動す
    るφモード揺れ振動、もしくは、 当該振動板の平板面内で、当該垂直軸に直交する方向に
    往復振動する一軸モード往復振動、 の少なくともいずれかの振動に基づく当該双頭型質量セ
    ンサの共振部の共振周波数を当該素子により測定するこ
    とを特徴とする双頭型質量センサの質量検出方法。
  31. 【請求項31】一方の振動板および一方の振動板に接合
    される連結板の質量は変化せず、他方の振動板および他
    方の振動板に接合される連結板の質量が変化することに
    より現れる2つの共振周波数の差を求めることにより、
    当該他方の振動板および他方の振動板に接合される連結
    板の質量変化を検出することを特徴とする請求の範囲第
    29項または第30項記載の双頭型質量センサの質量検出方
    法。
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