JP3295566B2 - 自動走行車の制動方法 - Google Patents

自動走行車の制動方法

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JP3295566B2 JP29145694A JP29145694A JP3295566B2 JP 3295566 B2 JP3295566 B2 JP 3295566B2 JP 29145694 A JP29145694 A JP 29145694A JP 29145694 A JP29145694 A JP 29145694A JP 3295566 B2 JP3295566 B2 JP 3295566B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、2系統のブレーキ装
置を有する自動走行車に用いて好適な自動走行車の制動
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ゴルフ場内においてゴルフバ
ッグ等の荷物や人を搬送するゴルフカートとして使用さ
れる自動走行車が各種開発されている。この種の自動走
行車としては、例えば特開平5−73144号公報に開
示されたものが知られている。この公報に開示された自
動走行車は、エンジンに接続されたスタータダイナモに
よる回生制動(抵抗器による抵抗制動を含む)を利用し
たブレーキと電磁ブレーキの2系統のブレーキ装置を有
しており、スタータダイナモによる回生制動によって走
行中の速度制御のための減速を行い、停止する直前に駐
車用の電磁ブレーキを用いて車両を停止させる、という
構成になっている。
【0003】図9は上記自動走行車が停止するときの動
作を示すグラフであり、同図(a)は車速(理論値)の
経時的変化を、同図(b),(c)はスタータダイナモ
と電磁ブレーキの各々に供給される制動指令値の経時的
変化を、それぞれ示したものである。この図に示すよう
に、図中P1の時点で車両に停止指示が与えられると、
車両を減速させるべくスタータダイナモへ制動指令値が
供給され始め、その値は図示G1のように変化する。こ
れにより、車速は徐々に低下する(図示G2)。そし
て、図示P2の時点で車速が一定の低速度(図示しない
Vベルト自動変速機が切れない程度の低速度)V1にな
ると(図示G3)、電磁ブレーキへ一定の制動指令値
(駐車用の制動力指令値)が供給され(図示G4)、電
磁ブレーキがオンとなる。このとき、同時にスタータダ
イナモへの制動指令値は「0」とされ(図示G5)、回
生制動は解除される。その後は、電磁ブレーキの制動力
によって車速の低下がさらに進み、車両は停止する(図
示G6)。
【0004】上記のように、停止直前に電磁ブレーキに
よる制動をオンにすると同時に回生制動を解除している
のは、このようにすると制御がやり易く、また、停止直
前の回生制動が小さいという理由によるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
自動走行車においては、スタータダイナモや電磁ブレー
キに若干の応答の遅れがあるために、与えられる制動指
令値に対応した制動力が得られるまでに一定の時間を要
する。したがって、図10に示すように、スタータダイ
ナモによる制動力(回生制動力)は、車速が一定の低速
度V1になった時点(図示P2)で制動指令値が「0」
になってもすぐに値「0」になるのではなく、所定の勾
配で低下した後に「0」になる(図示G1′)。同様
に、電磁ブレーキによる制動力は、図示P2の時点です
ぐに立ち上がるのではなく、所定の勾配で上昇した後
(期間TEの経過後)に一定の値になる(図示G
2′)。このため、スタータダイナモによる回生制動か
ら電磁ブレーキによる制動へ移行するときには、図11
に示すように、車両に与えられる制動力(すなわち、回
生制動と電磁ブレーキの制動との合成制動力)は一時的
に落ち込む。この制動力の落ち込みによって、上記移行
時の車速は、図10(a)に示すように一時的に増加す
るため(図示G3′)、停止直前の走行が不安定にな
り、乗り心地に支障を来すことになる。
【0006】この発明は、このような背景の下になされ
たもので、車両が停止する直前における速度の変動を防
止し、乗り心地を向上させることができる自動走行車の
制動方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、車両走行中の制動制御のための制動力を付与する第
1系統のブレーキ装置と、車両を停止させるための駐車
用制動力を付与する第2系統のブレーキ装置と、車速を
検出する車速検出手段とを具備してなる自動走行車に適
用され、停止指示に応じて前記第1系統のブレーキ装置
によって車両を減速させ、前記車速検出手段による検出
値が「0」またはその近傍の低速度に達した時点で前記
第2系統のブレーキ装置によって車両を停止させる自動
走行車の制動方法において、前記第2系統のブレーキ装
置は、その制動力が可変に制御され、前記第1系統のブ
レーキ装置とともに車両走行中の制動制御のための制動
力をも付与し、前記第2系統のブレーキ装置による制動
を開始した後、前記第1系統のブレーキ装置による制動
を所定期間継続させ、両系統による制動期間をオーバー
ラップさせることを特徴としている。
【0008】
【0009】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、車両が停止す
る直前において、第1および第2系統のブレーキ装置に
よる制動から第2系統のブレーキのみによる制動へ移行
するときの制動力の落ち込みを防止することができる。
【0010】
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。 (1)実施例の構成 自動走行車の構成 図1はこの発明が適用される自動走行車の構成を示すブ
ロック図である。この図に示す自動走行車は、例えばゴ
ルフ場で使用されるゴルフカートとして用いられるもの
であり、通常の自動車と同様、エンジン1を搭載し、こ
のエンジン1からVベルト式自動変速機1aを介し供給
される駆動力を駆動輪である後輪2a,2bに伝達する
ためのトランスミッション3、前輪2c,2dを操舵す
るためのハンドル4、車速を変えるべくスロットル開度
を調節するためのアクセルペダル5とガバナ6、車両に
制動をかけるためのブレーキペダル7とドラムブレーキ
8a〜8d等のメカブレーキ機構を有している。
【0012】また、この自動走行車は、通常のマニュア
ル操作による走行(以下、マニュアル走行という)の
他、自動走行が可能であり、この自動走行のための制御
を行うコントローラ9、ステアリングドライバ10、ス
テアリングモータ11、スロットルモータ12、ブレー
キモータドライバ13、ブレーキモータ14、電磁ブレ
ーキ15、その他誘導線センサ16、定点センサ17等
のセンサ群や、マニュアル走行と自動走行を切り替える
ためのステアリングクラッチ18、スロットルクラッチ
19等の各種切替機構20,21を有している。
【0013】ステアリングドライバ10は、自動走行時
にコントローラ9から出力される操舵指示信号に対応し
た駆動電流をステアリングモータ11に供給し、ステア
リング軸22を回動するようになっている。このとき、
ハンドル4は、ステアリングクラッチ18によってステ
アリング軸22から切り離され、マニュアル操作が不能
とされる。
【0014】スロットルモータ12は、自動走行時にコ
ントローラ9から出力される開度指示信号に応じて駆動
され、スロットルクラッチ19は、同様にコントローラ
9から出力されるオン指示信号に応じて連結状態とされ
る。このとき、切替装置21は、エンジン1の駆動系を
ガバナ6側からスロットルモータ12側に切り替えるよ
うになっている。これにより自動走行時には、アクセル
ペダル5の操作量でなくスロットルモータ12の駆動量
に応じてスロットル開度が調整される。
【0015】ブレーキモータドライバ13は、自動走行
時にコントローラ9から出力される制動指令値に対応し
た駆動電流をブレーキモータ14に供給する。これによ
り、ブレーキモータ14は、ギア23および切替機構2
0を介し、四輪2a〜2dの各々に設けられたドラムブ
レーキ8a〜8dを駆動し、車両に制動をかけるように
なっている。また、ブレーキペダル7は、自動走行時に
おいても切替機構20を介してドラムブレーキ8a〜8
dに接続された状態とされており、マニュアル操作によ
る制御も可能となっている。
【0016】電磁ブレーキ15は、コントローラ9によ
ってオン/オフ制御される停止用のブレーキ装置であっ
て、図示のように、エンジン1の回転をトランスミッシ
ョン3に伝達する回動軸24にスプライン嵌合されたデ
ィスク15aと、回動軸24と非接触で、かつディスク
15aに対向するようトランスミッション3の外壁等に
固定された固定盤15bとで構成されている。ディスク
15aは、回動軸24にスプライン嵌合されていること
から、回動軸24と一体となって回転する一方、回動軸
24の軸方向に移動可能となっている。また、固定盤1
5bは、ディスク15aを吸引する磁界を発生する永久
磁石と、この永久磁石の磁界を打ち消すようコントロー
ラ9によって励磁される電磁石とで構成されている。
【0017】すなわち、この電磁ブレーキ15は、走行
中において電磁石に対する励磁がオンとされ、この磁界
によって永久磁石の磁界が打ち消されることによりディ
スク15aに対する吸引力が無くなり、結果的に回動軸
24に対し制動が効かなくなるようになっている。一
方、停止直前に電磁石に対する励磁がオフとされると、
ディスク15aが永久磁石の磁力によって固定盤15b
に吸着され、回動軸24に対し制動がかかるようになっ
ている。
【0018】また、コントローラ9は、電磁ブレーキ1
5を単にオン/オフ制御するのではなく、電磁石に供給
する励磁電流の大きさを可変とし、車両に加えるべき制
動力の大きさを制御するよう構成すれば、自動走行用の
ブレーキ装置として電磁ブレーキ15と前述のブレーキ
モータ14によって駆動するドラムブレーキ8a〜8d
とを併用することが可能である。例えば、電磁ブレーキ
15を主として走行中の速度制御のための小制動力を供
給する第1系統のブレーキ装置として使用し、ドラムブ
レーキ8a〜8dを主として車両を停止させるための大
制動力を供給する第2系統のブレーキ装置として使用す
るようにしてもよい。
【0019】誘導線センサ16は、車両の前端部に水平
方向に回動自在に取り付けられたT字状アーム25に、
地面と対向するよう3カ所に配置されている。この誘導
線センサ16は、ゴルフ場のコースなどに埋設された図
示しない誘導線を磁気的に検出し、この誘導線との距離
に応じた検出信号をコントローラ9へ出力する。コント
ローラ9は、この誘導線センサ16の出力に基づき、車
両がコースから逸脱しないよう走行制御する。
【0020】定点センサ17は、地面と対向するよう車
両の所定位置に取り付けられており、ゴルフ場のコース
などに所定間隔をおいて埋設された図示しない複数の永
久磁石から成る定点を磁気的に検出する。例えば、この
定点が3つの永久磁石の磁極によって構成され、その並
びがS極、N極、N極であるとすると、定点センサ17
は、この磁極の並びのパターンに対応した検出信号をコ
ントローラ9へ出力する。この磁極の並びのパターン
は、コントローラ9において車両の停止、発進、速度等
の走行制御を行うための指示信号として用いられる。
【0021】また、操作盤26は、運転席の近傍に設け
られており、メインスイッチの他、マニュアル走行と自
動走行の切替を指示するマニュアル/オート切替スイッ
チ、発進と停止を指示する発進/停止スイッチなどの各
種スイッチおよび警告表示等を行う表示部によって構成
されている。この操作盤26のマニュアル/オート切替
スイッチにて自動走行が選択されると、コントローラ9
は、車両の走行モードをマニュアル走行から自動走行に
切り替え、後述する自動走行のための制御を行う。
【0022】その他、車両の走行状態を検出するセンサ
群として、トランスミッション3には車速を検出する車
速センサ30、エンジン1にはスロットル開度を検出す
るスロットルポテンショメータ31、ステアリングドラ
イバ10とブレーキモータドライバ13には各々の温度
を検出するサーミスタ32,33、ブレーキモータドラ
イバ13にはさらにブレーキモータ14への供給電流量
を検出する電流センサ34、ギア23にはドラムブレー
キ8a〜8dおよび制動力伝達経路を含むメカブレーキ
機構の異常によりブレーキモータ14の回転数が一定の
限界値を越えたか否かを検出するブレーキリミットスイ
ッチ35がそれぞれ設けられている。
【0023】コントローラ9の構成 次に、コントローラ9の構成について説明する。コント
ローラ9は、CPU(中央処理装置)、メモリ等のハー
ドウェアによって構成されているが、そのソフトウェア
構成は、図2に示すように、目標車速設定部91、駆動
力計算部92、スロットル駆動計算部93、制動力計算
部94、制動状態切替判断部95、電流指令値計算部9
6、励磁電圧計算部97、異常判定/異常処理部98、
各種センサ出力やスイッチ出力を取り込む入力インタフ
ェース99a〜99g、および各種指令値等の制御信号
を外部へ出力する出力インタフェース99h〜99lか
ら成っている。
【0024】目標車速設定部91は、操作盤26におい
て発進が指示されると、定点センサ17から供給される
指示信号に応じてメモリから読み出した速度指示情報に
基づき、目標車速の設定値を出力する。駆動力計算部9
2は、上記目標車速の設定値とトランスミッション3に
設置された車速センサ30から出力される現在の車速検
出値との差に基づき、車両に与えるべき必要駆動力を算
出する。
【0025】スロットル駆動計算部93は、走行モード
に応じてスロットルクラッチ19のオン/オフ指示信号
を出力するとともに、上記必要駆動力の算出結果とスロ
ットルポテンショメータ31によるスロットル開度の検
出結果に基づき、スロットルモータ12の駆動量に対応
したスロットル駆動パルスを出力する。
【0026】制動力計算部94は、目標車速の設定値と
現在の車速検出値との差および電流センサ34によって
検出されるブレーキモータ14への供給電流量に基づ
き、必要制動力を算出する。
【0027】制動状態切替判断部95は、目標車速の設
定値と現在の車速検出値との差およびスロットル開度の
検出結果に基づき、適切な制動状態であるか否かを判断
し、その判断結果を制動力計算部94へ出力する。すな
わち、車速が目標車速にほぼ一致しているにもかかわら
ず、スロットル開度が加速の状態になっているとする
と、加速と制動を同時に行うことによってつり合いを保
っていることになり、燃料の浪費やブレーキシューの磨
耗等を招くことになる。ここでは、このような不適切な
制動状態を回避すべく判断を行っている。
【0028】制動力計算部94は、上記判断結果が適切
な制動状態であれば、上記算出した必要制動力をそのま
ま電流指令値計算部96へ出力する。一方、上記判断結
果が不適切な制動状態であれば、必要制動力を「0」に
なるまで徐々に低下させつつ電流指令値計算部96へ出
力する。これに伴って、スロットル開度も徐々に適切な
値となり、上述した不適切なつり合い状態から解除され
る。
【0029】電流指令値計算部96は、制動力計算部9
4によって算出される必要制動力の値に基づき、ブレー
キモータドライバ13に与えるべき電流指令値を出力す
る。励磁電圧計算部97は、電磁ブレーキ15を単にオ
ンオフ式の駐車ブレーキとしてのみ使用する場合にはオ
ンオフのいずれかを指示する2値信号を出力するが、電
磁ブレーキ15による制動力を可変にする場合には制動
力計算部94から出力される制動力の値に基づき、電磁
ブレーキ15に与えるべき励磁指令値を出力する。
【0030】異常判定/異常処理部98は、ステアリン
グドライバ10とブレーキモータドライバ13のそれぞ
れに設けられたサーミスタ32,33の温度検出値、ブ
レーキリミットスイッチ35の出力、現在の車速検出値
および必要制動力の算出結果に基づき、異常判定を行
う。そして、異常であると判定した場合には、異常を報
知するための警告信号を出力するとともに、車両の停止
処理指示を出す。電流指令値計算部96、励磁電圧計算
部97およびスロットル駆動計算部93は、上記停止処
理指示を受け、車両を停止させるための値を出力する。
【0031】(2)実施例の動作 次に、上記構成を有する自動走行車に本発明による制動
方法を適用した場合の動作について説明する。以下で
は、本発明による第1乃至第3の制動方法をそれぞれ当
該自動走行車に適用した場合に分けて説明する。
【0032】第1の制動方法を適用した場合 図3は第1の制動方法を適用した場合の動作を説明する
ためのグラフであり、同図(a)は車速(車速検出値)
の経時的変化を、同図(b)はブレーキモータ14によ
って駆動されるドラムブレーキ8a〜8dの制動力の経
時的変化を、同図(c)は駐車ブレーキとしてオンオフ
制御される電磁ブレーキ15の制動力の経時的変化を、
それぞれ示したものである。
【0033】この図に示すように、図中P1の時点で車
両に停止指示が与えられると、車両を減速させるべくブ
レーキモータ14が通電され、ドラムブレーキ8a〜8
dの制動力が付与される。この制動力値は、車速制御に
基づき例えば図示C1のように変化する。これにより、
車速が徐々に低下し(図示C2)、図中P2の時点で一
定の低速度(Vベルト自動変速機1aが切れない程度の
低速度)V1になると(図示C3)、電磁ブレーキ15
による制動がオンとされる(すなわち、電磁石の励磁が
停止される)。その後、電磁ブレーキ15の制動力がそ
の応答速度に応じた勾配で立ち上がり、所定の値で一定
となる(図示C4)。この間、ブレーキモータ14への
通電は継続され、ドラムブレーキ8a〜8dによる制動
は継続される(図示C5)。
【0034】そして、車速の低下がさらに進み、車速検
出値が「0」になると、ブレーキモータ14への通電は
停止され、ドラムブレーキ8a〜8dの制動力はその応
答速度に応じた勾配で低下した後、値「0」になる(図
示C6)。
【0035】このように、第1の制動方法では、車速が
一定の低速度V1まで低下した時点で電磁ブレーキ15
による制動をオンにした後においても、ドラムブレーキ
8a〜8dによる制動を継続して行い、車速検出値が
「0」になって始めてドラムブレーキ8a〜8dによる
制動を解除する。これにより、ドラムブレーキ8a〜8
dから電磁ブレーキ15へ移行するときの両者の制動力
が確実にオーバーラップされ、電磁ブレーキ15の制動
力が立ち上がる前にドラムブレーキ8a〜8dの制動力
が立ち下がることによる制動力の落ち込みを防止するこ
とができる。この結果、車両が停止する直前における速
度の変動が防止され、乗り心地が向上する。
【0036】第2の制動方法を適用した場合 次に、第2の制動方法を適用した場合の動作を説明す
る。この方法では、図4に示すように、上記第1の方法
よりさらにドラムブレーキ8a〜8dの制動力と電磁ブ
レーキ15の制動力がオーバーラップする期間を長くと
るべく、車速が「0」になった後においてもブレーキモ
ータ14への通電を一定期間TW継続させる。その他の
動作については、上記第1の方法と同様である。
【0037】すなわち、第2の制動方法においては、車
速検出値が「0」になっても実際には車両が動いている
可能性があることから、ドラムブレーキ8a〜8dによ
る制動期間を時間TWだけ延長したものである。これに
より、車両が停止する直前における速度変動をより確実
に防止できる。
【0038】第3の制動方法を適用した場合 次に、第3の制動方法を適用した場合の動作を説明す
る。この方法では、図5に示すように、上記第2の方法
より円滑に車両を停止させるべく、車速が「0」になっ
た時点で電磁ブレーキ15による制動をオンにする。そ
の他の動作については、上記第2の方法と同様である。
これにより、第3の制動方法においては、車両が停止す
る直前における速度の変動を確実に防止できるととも
に、車両を円滑に停止させることが可能となる。
【0039】(3)変更例 なお、既述した実施例では、電磁ブレーキ15を単に
オンオフ制御される駐車専用のブレーキ装置として用い
る構成において本発明の制動方法を適用した例を示した
が、本発明の制動方法は、電磁ブレーキ15を駐車専用
として用いる構成に限らず、前述したように走行中の制
動制御に使用可能なよう電磁ブレーキ15の制動力を可
変に構成した場合にも適用可能である。
【0040】図6は、電磁ブレーキ15の制動力を可変
に制御するよう構成した場合に前述の第1の制動方法を
適用したときの動作を示している。なお、この図では、
車両が下り坂を走行中に停止指令があった場合を想定し
ている。同図において、図示P1′の時点で車両が下り
坂に進入すると、車度を一定に保つべく電磁ブレーキ1
5による制動力が所定量付与される(図示C1′)。そ
して、図示P2′の時点で停止指令があると、ブレーキ
モータ14が通電され、ドラムブレーキ8a〜8dによ
る制動力が加えられる(図示C2′)。
【0041】こうして、車両に大きな制動がかかること
により車速が徐々に低下し(図示C3′)、図示P3′
の時点で一定の低速度V1になると(図示C4′)、電
磁ブレーキ15への励磁指令値が「0」とされ、その制
動力が最大となる(図示C5′)。
【0042】以後、ドラムブレーキ8a〜8dによる制
動は、前述のように、電磁ブレーキ15の制動力が立ち
上がる間も継続され(図示C6′)、車速検出値が
「0」になった時点で解除される(図示C7′)。これ
により、前述の場合と同様の効果が得られる。
【0043】また、前述の第2および第3の制動方法を
適用した場合については、それぞれ図7および図8に示
すように動作する。これらの動作は、前述の内容から容
易に類推可能であるので説明を省略する。
【0044】また、本発明を適用する第1および第2
系統のブレーキ装置は、既述した実施例の電磁ブレーキ
15やドラムブレーキ8a〜8dに限定されない。例え
ば、ドラムブレーキ8a〜8dに代えてディスクブレー
キなどその他の機械式ブレーキをモータ駆動するよう構
成してもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、車両走行中の制動制御から車両を停止させるための
駐車用制動へ移行するときの制動力の落ち込みを無くす
ことができるので、停止直前における車速の変動を防止
でき、乗り心地が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される自動走行車の構成を示す
ブロック図である。
【図2】 同自動走行車のコントローラのソフトウェア
構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第1の制動方法を適用した場合の実
施例の動作を示すグラフであり、(a)は車速の経時的
変化を、(b)はドラムブレーキの制動力の経時的変化
を、(c)は電磁ブレーキの制動力の経時的変化を示し
ている。
【図4】 本発明の第2の制動方法を適用した場合の実
施例の動作を示すグラフであり、(a)は車速の経時的
変化を、(b)はドラムブレーキの制動力の経時的変化
を、(c)は電磁ブレーキの制動力の経時的変化を示し
ている。
【図5】 本発明の第3の制動方法を適用した場合の実
施例の動作を示すグラフであり、(a)は車速の経時的
変化を、(b)はドラムブレーキの制動力の経時的変化
を、(c)は電磁ブレーキの制動力の経時的変化を示し
ている。
【図6】 本発明の第1の制動方法を適用した場合の変
更例の動作を示すグラフであり、(a)は車速の経時的
変化を、(b)はドラムブレーキの制動力の経時的変化
を、(c)は電磁ブレーキの制動力の経時的変化を示し
ている。
【図7】 本発明の第2の制動方法を適用した場合の変
更例の動作を示すグラフであり、(a)は車速の経時的
変化を、(b)はドラムブレーキの制動力の経時的変化
を、(c)は電磁ブレーキの制動力の経時的変化を示し
ている。
【図8】 本発明の第3の制動方法を適用した場合の変
更例の動作を示すグラフであり、(a)は車速の経時的
変化を、(b)はドラムブレーキの制動力の経時的変化
を、(c)は電磁ブレーキの制動力の経時的変化を示し
ている。
【図9】 従来の自動走行車の制動方法を示すグラフで
あり、(a)は車速(理論値)の経時的変化を、(b)
は回生制動の制動指令値の経時的変化を、(c)は電磁
ブレーキの制動指令値の経時的変化を示している。
【図10】 従来の自動走行車の制動方法を示すグラフ
であり、(a)は実際の車速の経時的変化を、(b)は
回生制動の制動力の経時的変化を、(c)は電磁ブレー
キの制動力の経時的変化を示している。
【図11】 従来の自動走行車の制動方法における合成
制動力の一時的な落ち込みを示すグラフである。
【符号の説明】
8a〜8d…ドラムブレーキ(第1系統のブレーキ装
置)、 9…コントローラ、 10…ステアリングドライバ、 11…ステアリングモータ、 12…スロットルモータ、 13…ブレーキモータドライバ(第1系統のブレーキ装
置)、 14…ブレーキモータ(第1系統のブレーキ装置)、 15…電磁ブレーキ(第2系統のブレーキ装置)、 30…車速センサ(車速検出手段)、 91…目標車速設定部、 92…駆動力計算部、 93…スロットル駆動計算部、 94…制動力計算部、 95…制動状態切替判断部、 96…電流指令値計算部、 97…励磁電圧計算部、 98…異常判定/異常処理部、 99a〜99l…インタフェース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−73144(JP,A) 特開 昭63−130453(JP,A) 特開 平4−197857(JP,A) 実開 昭61−41072(JP,U) 実開 平3−91273(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 7/12 - 7/22 B60T 8/00 B60T 8/32 - 8/96 B60T 13/74

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両走行中の制動制御のための制動力を
    付与する第1系統のブレーキ装置と、車両を停止させる
    ための駐車用制動力を付与する第2系統のブレーキ装置
    と、車速を検出する車速検出手段とを具備してなる自動
    走行車に適用され、 停止指示に応じて前記第1系統のブレーキ装置によって
    車両を減速させ、前記車速検出手段による検出値が
    「0」またはその近傍の低速度に達した時点で前記第2
    系統のブレーキ装置によって車両を停止させる自動走行
    車の制動方法において、前記第2系統のブレーキ装置は、その制動力が可変に制
    御され、前記第1系統のブレーキ装置とともに車両走行
    中の制動制御のための制動力をも付与し、 前記第2系統のブレーキ装置による制動を開始した後、
    前記第1系統のブレーキ装置による制動を所定期間継続
    させ、両系統による制動期間をオーバーラップさせるこ
    とを特徴とする自動走行車の制動方法。
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