JP3294797B2 - 条鋼製造方法 - Google Patents

条鋼製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビレットやブルー
ム等の被圧延鋼材から圧延により条鋼を製造する方法に
関するもので、特に粗圧延、及び中間圧延の終了直前ま
での圧延工程を改良した条鋼製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】線材や棒材等の条鋼は、ブルームやビレ
ット等の被圧延鋼材を、圧延ロールを通過させる度に断
面積を縮小させることにより製造され、その工程は、例
えば図7に示すようになる。
【0003】図7は、一辺110〜170mmの断面正
方形又は径100〜160mmの断面円形のビレットか
ら断面円形の条鋼を製造する場合の工程概略図を示して
いる。ビレット(図7(a))を、まず水平型の一対の
カリバー付ロール間に通して断面長方形又は断面菱形等
の断面角形熱鋼とし(図7(b))、続けてこれを垂直
型の一対のカリバー付ロール間を通して断面積が縮小し
た断面角形条鋼とする(図7(c))。また、逆に垂直
型からはじめて水平型が続く方法もある。このように、
水平型ロール間と垂直型ロール間とを交互に通過させる
という圧延工程を繰返して行ない、工程が進むに従っ
て、条鋼の断面積を減少させるとともに、断面を角形か
ら円形に近い形の熱鋼に変えていく(図7(d))。断
面楕円(又は円)の熱鋼を水平型の一対のカリバー付ロ
ール間を通して断面円形(又は楕円形)鋼とし(図7
(e))、続けてこれを垂直型の一対のカリバー付きロ
ール間を通して断面積が減少した断面楕円(又は円)鋼
とする(図7(f))。このように、水平型ロールと垂
直型ロールを交互に通過させるという圧延工程を繰返し
て行なうことにより、得ようとする断面積程度にまで減
少させた断面円形又は楕円の条鋼を得る(図7
(g))。これを形状調整用の仕上げ圧下ロール(水平
型及び垂直型)を通過させることにより、所定半径を有
する断面円形条鋼(成品)としている(図7(h))。
【0004】以上のような圧延工程において、断面角形
又は円形ビレットが断面楕円条鋼となるまでの圧延工程
(図7中(a)〜(d)に該当)を粗圧延工程といい、
断面楕円又は円形条鋼を所望とする断面積近くにまで減
少させる圧延工程(図7中(d)〜(g)に該当)を中
間圧延工程といい、形状調整用圧下ロールで所定断面積
を有する所定形状の条鋼(成品)とする圧延工程を仕上
げ圧延工程という。
【0005】通常、粗圧延工程、中間圧延工程のいずれ
も図8に示すようなカリバー付ロールを通過させること
により行われる。図8(a)は水平型の一対のカリバー
付ロール1,1を用いて圧延する場合を示し、図8
(b)は垂直型の一対のカリバー付ロールを用いて圧延
する場合を示している。図8中、2はロール1に形成さ
れているカリバーであり、このカリバー2部分に押し出
し又は引抜きにより被圧延鋼材3を通過させることによ
って条鋼の断面積を減少させている。また、図8中、Δ
は一対のローラ1,1間の間隙を示しており、圧延工程
が進むに連れてΔは小さくなり、中間及び仕上げ圧延工
程ではΔはほとんどゼロに近くなり、遂には図9に示す
ように、一対のカリバー付ローラ1,1で形成されるカ
リバー2…はほぼ密閉形となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、カリバー付ロ
ールを用いる一連の圧延工程では、カリバー付ロールの
使用に伴って以下のような問題がある。
【0007】まず、カリバー付ロールは、カリバーなし
のロールに比べてその寿命が著しく短い。このことは、
断面積が大きい条鋼を圧延する粗圧延工程で特に著し
い。つまり、粗圧延工程では断面積が大きい条鋼を圧延
することから、粗圧延工程で用いられるロール(「粗ロ
ール」という)はカリバーが深く、また圧下力も大きく
なるため、強靭性、耐熱性、耐摩耗性、かみ込み性に対
する要求が厳しいからである。
【0008】そして、カリバー付きロールについて所望
の強度、硬度を確保するためには、ロール径を大きくし
たり、また、硬質化のための熱処理がロール内部にまで
及ぶようにする必要がある。このため、カリバー付きロ
ールは一般にフラットロールに比べて高価になり、再旋
削の手間、費用もかさむ。
【0009】また、中間圧延工程であっても、中間圧延
工程に用いられるロール(「中間ロール」という)のカ
リバー形は熱鋼を拘束するようになっており、圧下力が
大きい上に形状も複雑になることから、負荷が大きい上
に、最終形状に近づいていくという必然性からカリバー
に対する耐摩耗性の要求が高い。このため、摩耗が進む
と、ロールを交換しなくてはならないという点からもカ
リバー付ロールの寿命は短くなる傾向にある。
【0010】一連の圧延工程において、個々のロールに
ついて以上の要求を満たす必要があるため、そのメイン
テナンス、設備管理に対する負担が多大であるととも
に、設備費用も高価になる。このため、カリバー付ロー
ルで行っている圧延工程の少なくとも一部をカリバー無
しのロールを用いて圧延したいという要求が高まってい
る。カリバー無しのロール(以下、「フラットロール」
という)を用いた圧延の場合、カリバー付ロールの圧延
に比べると強靭性、かみ込み性に対する要求が厳しくな
く、一般に寿命が長くなるからである。また、同程度の
強度を有するロールの製造コストは、ロール径の小さ
さ、熱処理のやり易さ等の点から、フラットロールの方
がカリバー付ロールよりも安価となる上に、寿命の面か
らも、非常に有利となる。
【0011】ここで、フラットロールを用いた圧延の例
として、板圧延が良く知られている。しかし、板圧延の
場合には、水平形ロールを用いて厚み方向に圧延すると
ともに若干幅方向に寸法調整圧延を行なうのに対し、条
鋼圧延の場合には厚み方向と幅方向の双方を大幅に圧延
することにより全体として断面積を大きく減少させてい
く必要がある。このため、条鋼圧延の場合には、前述し
たように、水平形ロールと垂直形ロールとを交互に通過
させて、幅方向及び厚み方向を交互に圧延していくこと
になる。
【0012】しかし、被圧延鋼材としてビレット又はブ
ルームに代表されるような断面角形の条鋼を垂直型と水
平型のカリバー付ロールで圧延する場合、密閉型カリバ
ーのロールで圧延される工程は勿論、一対のロール間に
間隙Δがやや大きく設けられているカリバー付ロールを
用いる初期の圧延工程であっても、カリバー付ロール間
の間隙Δは一対のフラットロール間の間隙よりも小さ
く、水平型ロールで圧下されなかった部分は、その後に
続く垂直型ロールにより圧下されることになる。よっ
て、いずれの段階の圧延工程であっても、原則として、
被圧延鋼材にロール面が当接しない部分はないと言え
る。一方、垂直型、水平型のフラットロールで圧延する
場合、一対のロール間の間隙を小さくするのにも限界が
あり、被圧延鋼材の稜線に相当する部分では圧延ロール
で圧下されることなく圧延が進んでいくことになる。こ
の場合、直接フラットロールのロール面が当接されるこ
とがない条鋼(具体的には、稜線に相当する部分)には
シワがよったり、キズ等が生じ易くなる。
【0013】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、その目的とするところは、カリ
バーなしのロール、すなわちフラットロールを用いて条
鋼圧延を行い、しかも被圧延鋼材の稜線に相当する部分
にシワ、キズなどを残すことがない条鋼の製造方法を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、水平型及び
垂直型のフラットロールを用いた圧延工程でフラットロ
ールが当接しなかった部分、具体的には被圧延鋼材の稜
線に相当する部分に、別のロールのロール面を当接又は
プレス機でプレスすることにより、シワやキズを残すこ
となく圧延できることを見い出し、本発明の完成に到っ
た。
【0015】すなわち、本発明の条鋼圧延方法は、フラ
ットロールを用いて、被圧延鋼材を水平方向及び垂直方
向に繰り返し圧延することにより条鋼を製造するにあた
り、前記圧延工程後に被圧延鋼材の稜線部に対して少な
くとも1回の矯正圧下を加え、該稜線部のキズ、シワを
消去することを特徴とする。
【0016】前記矯正圧下工程は、前記被圧延鋼材の稜
線部に矯正圧下用ロールを当接させることにより行なっ
てもよいし、前記被圧延鋼材の稜線部をプレス機でプレ
スすることにより行なってもよい。
【0017】前記矯正圧下用ロール及び前記プレス機に
は、圧下作用部分に凹部が設けられていることが好まし
い。また、前記矯正圧下用ロールを積極回転させて、被
圧延鋼材の搬送作用を発揮させてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。本発明の条鋼製造方法は、主として従来
の条鋼圧延工程(図7参照)の粗圧延工程及び中間工程
において、カリバーなしのフラットロールを用いて圧延
工程を実施するとともに、垂直型及び水平型のフラット
ロールのみでは、これらのフラットロールと当接しない
ために圧下されない部分を、水平型及び垂直型ロールの
端境方向から圧下するという工程を付加したものであ
る。
【0019】まず、断面角形の被圧延鋼材を、フラット
ロールを用いて水平方向及び垂直方向に圧延する工程
に、角形被圧延鋼材の対角線の方向から圧下する工程を
付加した圧延工程部分について、図1に基づいて説明す
る。
【0020】断面角形の熱鋼11aを水平型のフラット
ロール12,12で圧延して断面角型熱鋼11bとし
(図1(a))、この断面角型熱鋼11bを断面角形熱
鋼11bの対角線方向に設置された4個の矯正用ロール
13で圧下する(図1(b))。この圧下は、断面角形
熱鋼11bの稜線部分に矯正用ロール13のロール面が
当接することによって行われる。続いて、断面角形熱鋼
11bを垂直型のフラットロール14,14で圧延して
断面角型熱鋼11cとし(図1(c))、この断面角型
熱鋼11cを断面角形熱鋼11cの対角線方向に設置さ
れた4個の矯正用ロール13で圧下する(図1
(d))。図1(d)で行なう圧下は、図1(b)で行
なった圧下と同様に、断面角形鋼11cの稜線部分に矯
正用ロール13のロール面が当接することによって行わ
れる。尚、図1中(a)(c)における黒矢印は被圧延
鋼材の搬送方向を示しており、双方向矢印はフラットロ
ール12、14が適宜各フラットロール12、14の軸
方向にスライド出来てロール摩耗を分散することを示し
ている。
【0021】以上のように、水平型のフラットロール1
2による圧延と垂直型のフラットロール14による圧延
の繰り返しでは各ロール12,14によっても圧下され
ない断面角形鋼材のコーナーに相当する稜線部分に、矯
正用ロール13のローラ面を当接させているので、水平
型、垂直型のフラットロールによって圧下が行われない
コーナー部に集中し易い応力を一回の圧延毎に分散させ
ることが可能となり、コーナー部分でシワやキズとなる
のが防止される。従って、条鋼の製造において、図1に
示す一連の圧延工程を導入することにより、シワやキズ
等を残すことなく、フラットロールを用いて条鋼圧延を
行なうことが可能になる。
【0022】尚、図1では、フラットロールによる1回
の圧延毎にコーナー部矯正(図1(b)(d))を行な
ったが、本発明の製造方法では、コーナー部矯正はフラ
ットロールによる圧延の度に行なう必要はなく、例え
ば、水平型ロールによる圧延及び垂直型ロールによる圧
延を行なった後に1回のコーナー部矯正を行なうだけで
もよい。要するに、フラットロールで圧下されない部分
に生じるシワ、キズがコーナー部矯正によって消失除去
できる程度の頻度で行えばよい。
【0023】また、図1では、矯正用ロール13を、断
面角形の被圧延鋼材の対角線方向に設置したが、本発明
にいう端境方向はこれに限らない。要するに、水平型及
び垂直型のフラットロールの圧下面が当接しなかった部
分、具体的には被圧延鋼材の稜線に相当する部分を圧下
できるような位置に設置すればよい。
【0024】さらに、図1では水平型ロール、垂直型ロ
ールはいずれも円柱形のフラットロールであったが、本
発明で用いられるフラットロールは、カリバーなしのロ
ールであればよく、必要に応じて、図2(a)に示すよ
うな凸形のクラウンをつけたもの、図2(b)に示すよ
うな凹形のテーパをつけたもの、又は図2(a)(b)
の組み合わせやチャンファー及びテーパをつけたもので
あってもよい。次にコーナー部矯正工程(図1中(b)
(d))について、詳述する。
【0025】図3は、水平型ロール(又は垂直型ロー
ル)を通過した後、紙面手前から紙面裏面に向けて進行
している被圧延鋼材11が、圧延ラインの下流側に設置
された垂直型ロール(又は水平型ロール)で圧延される
前に、水平型ロール及び垂直型ロールの端境方向に設置
された矯正用ロール13が当接している状態を示してお
り、矯正用ロール13は矢印方向に回転している。ここ
で、矯正用ロール13は、被圧延鋼材11が上流側ロー
ルにより押出される場合又は搬送用ロールにより十分な
搬送力で搬送される場合、その押し出し力又は搬送力に
より矯正用ロール13は自然に回転するので、ローラ面
を被圧延鋼材に当接させるだけでよい。一方、上流から
の押し出し力又は搬送力がそれ程大きくない場合、矯正
用ロール13の積極的回転により下流側の圧延ロールに
搬送すればよく、その回転方向は、状況を見ながら、正
回転、逆回転のどちらでも可能である。また、矯正用ロ
ール13の積極回転により十分な搬送力が得られる場合
には、矯正用ロール13が搬送用ロールの役目も果すこ
とができるので、圧延ラインにおいて搬送用ロールを省
くことも可能となる。
【0026】矯正用ロール13は、図4(a)に示すよ
うなフラットロール(円柱形又はテーパロール)であっ
てもよいし、圧下作用部分に凹部が設けられた鼓型形状
であってもよい。また、凹部の形状は、円弧型であって
もよいし(図3(b)参照)、くさび形であってもよい
し(図3(c)参照)、台形状であってもよい(図3
(d)参照)。
【0027】さらに、コーナー部矯正で行なう圧下は、
矯正用ロール13に代えて、プレス機を用いて行なって
もよい。図5は、水平型ロール(又は垂直型ロール)を
通過した後、紙面裏面から紙面手前に向けて進行してい
る被圧延鋼材11が、圧延ラインの下流側に設置された
垂直型ロール(又は水平型ロール)で圧延される前に、
水平型ロール及び垂直型ロールの端境方向に設置された
プレス機16でプレスしている状態を示している。プレ
ス機16は、プレス部16aが矢印方向に進退運動する
ようになっていて、プレス部16aが被圧延鋼材11に
当接しているときに被圧延鋼材11の稜線部分をプレス
し、プレス部16aが被圧延鋼材11から離脱している
ときに被圧延鋼材11は搬送されることとなる。ここ
で、粗圧延工程のように、被圧延鋼材11の搬送速度が
遅い場合には、プレス部16aを矢印方向に連続的に進
退させるだけで被圧延鋼材11の稜線部分をプレスする
ことができる。一方、中間圧延工程のように鋼材の搬送
速度が速い場合には、搬送を一旦停止してプレスするこ
とになるか、あるいはプレス機を揺動させて連続的に圧
下することになる。
【0028】プレス機16のプレス部16aは、図6
(a)に示すように当接部分がフラット(テーパロール
を含む)であってもよいし、圧下作用部分に凹部が設け
られた鼓型形状であってもよい。また、凹部の形状は、
円弧型であってもよいし(図6(b)参照)、くさび形
であってもよいし(図6(c)参照)、台形状であって
もよい(図6(d)参照)。さらに、プレス金型の先端
部に図4のようなロールを取り付けてもプレス可能であ
る。
【0029】ビレット又はブルームから条鋼を製造する
一連の圧延工程において行われる複数回のコーナー部矯
正工程、すなわち水平型及び垂直型フラットロールの端
境方向からの圧下工程は、全て矯正用ロールを用いて行
ってもよいし、全てプレス機を用いて行ってもよいし、
これらを適宜組み合わせて行なってもよい。矯正用ロー
ルの場合には被圧延鋼材の搬送機能を兼用させることが
可能であり、プレス機の場合には被圧延鋼材の鍛造効果
を期待することができる。従って、粗圧延工程のように
搬送速度が比較的遅い圧延工程ではプレス機を用いて鍛
造効果を付与することにより条鋼の品質を向上させ、中
間圧延工程のように搬送速度が比較的速い圧延工程では
矯正用ロールによって搬送を助けて生産性の向上を図る
ことが可能となる。また、プレスと矯正用ロールとを組
み合わせた機構も有効である。
【0030】以上のようにして、粗圧延工程及び中間工
程の終了直前までをフラットロールを用いて圧延すると
ともに適宜コーナー部矯正を行なうことにより、被圧延
鋼材の稜線に相当する部分にもシワキズが生じることな
くほぼ均等に断面積が減少した断面楕円又は断面円形の
条鋼が得られる。得られた断面楕円又は円形の条鋼は、
従来の圧延工程(図7参照)の中間工程の終了付近、又
は仕上げ圧延工程に導入され、カリバー付の形状調整用
軽圧下ロールで所定寸法の条鋼(成品)に圧延される。
尚、得ようとする成品が角型の条鋼であれば、仕上げ圧
延工程の直前までフラットロールを用いて圧延すること
ができる。
【0031】フラットロールを用いる圧延工程を採用す
る本発明の条鋼製造方法は、カリバー付ロールを用いる
従来の条鋼製造方法と比べて、以下のような利点があ
る。まず、フラットロールの軸方向、即ち被圧延鋼材の
搬送方向と直交する方向に、フラットロールを適宜移動
させることにより、圧延に伴う負荷をロール面全面に分
散させることが可能となる。このことは、カリバー付ロ
ールでは負荷が集中するカリバー部分の消耗摩耗が著し
いのに対し、フラットロールでは負荷の集中が少なく消
耗摩耗を分散できるので、ロール寿命が長くなる。
【0032】また、フラットロールを用いる圧延は、強
靭性、かみ込み性に対する要求がカリバー付ロールを用
いる圧延程、厳しくないことから、カリバー付ロールよ
りもロールの寿命が長くなるだけでなく、ロールの製造
コストダウンにも繋がる。すなわち、カリバー付ロール
では、カリバー部分にて所定の強度を確保する必要から
大径化する傾向があり、しかも内部まで熱処理効果を得
る必要があったが、フラットロールでは少なくとも外表
面のある程度の部分に所定の強度を確保できればよいの
で、一般に小型化が出来る上に、熱処理に係るコストも
少なくて済むからである。
【0033】さらに、フラットロールでは、個々のロー
ルの寿命が延びることになるので、メインテナンス性、
設備管理の負担が軽減されることになる。また、ロール
摩耗した場合の再旋削又は研削の手間も大きく減少す
る。
【0034】更にまた、フラットロールの場合、カリバ
ー付ロールと比べて、ロール位置間制御、ロール位置関
係の制御が簡便になるため、種々のサイズの条鋼圧延に
対して適応できる。すなわち、スケジュールのフリー化
が可能となる。従って、種々のサイズの粗圧延工程及び
中間工程圧延の上流部の圧延設備をフラットロールによ
る圧延設備に一元化し、その下流部で、種々の成品を作
り込むようなライン構成にできる。
【0035】尚、コーナー部の矯正用ロールは、圧延に
用いられるロールに比べて、圧下力が小さく、負荷が少
なくて済むので、従来のカリバー付きロール圧延の様に
要求は厳しくなく、圧延用のカリバー付ロールに伴うよ
うな寿命、摩耗の問題は少ない。
【0036】
【発明の効果】本発明の条鋼製造方法は、カリバー無し
のフラットロールを用いて圧延を行なう製造方法である
から、個々のロールにかかるコストを低減できる上に、
ロール寿命も長くなる。また、ロール径が小さくなるこ
とにより、圧延機自体もコンパクト化でき、圧延機のス
ペース、重量、コスト等を低減することができる。従っ
て、設備費、設備管理・保全の負担を軽減できる。
【0037】しかも、本発明の条鋼製造方法により得ら
れる条鋼は、フラットロールを用いて圧延するにも拘わ
らず、該フラットロールが当接しなかった部分にシワや
キズ等がなく、カリバー付ロールを用いて製造した条鋼
と比べ、品質面に関しても何ら劣ることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の条鋼製造方法を説明するための図であ
る。
【図2】本発明の条鋼製造方法で用いられるフラットロ
ールの他の実施例を示す図である。
【図3】本発明の条鋼製造方法のコーナー部矯正工程を
説明するための図である。
【図4】矯正用ローラの実施例を示す図である。
【図5】本発明の条鋼製造方法のコーナー部矯正工程の
他の実施例を説明するための図である。
【図6】コーナー部矯正工程で用いられるプレス機の実
施例を示す図である。
【図7】従来の条鋼製造方法の工程順序を説明するため
の図である。
【図8】従来の条鋼製造方法で用いられた圧延方法を説
明するための図である。
【図9】従来の条鋼製造方法で用いられるカリバー付ロ
ールの一例を示す図である。
【符号の説明】
11 被圧延鋼材 12 水平型フラットロール 13 矯正用ロール 14 垂直型フラットロール 16 プレス機 16a プレス部

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フラットロールを用いて、被圧延鋼材を水
    平方向及び垂直方向に繰り返し圧延することにより条鋼
    を製造するにあたり、前記圧延工程後に被圧延鋼材の稜
    線部に対して少なくとも1回の矯正圧下を加え、該稜線
    部のキズ、シワを消去することを特徴とする条鋼製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記矯正圧下を、前記各圧延工程後ごとに
    行なう請求項1に記載の条鋼製造方法。
  3. 【請求項3】前記矯正圧下工程、前記被圧延鋼材の
    線部に矯正圧下用ロールを当接させることにより行なう
    請求項1又は2に記載の条鋼製造方法。
  4. 【請求項4】前記矯正圧下用ロールには、圧下作用部分
    に凹部が設けられている請求項に記載の条鋼製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記矯正圧下用ロールを積極回転させて、
    被圧延鋼材の搬送作用を発揮させる請求項又は請求項
    に記載の条鋼製造方法。
  6. 【請求項6】前記矯正圧下工程、前記被圧延鋼材の
    線部をプレス機でプレスすることにより行なう請求項1
    又は2に記載の条鋼製造方法。
  7. 【請求項7】前記プレス機には、矯正圧下作用部分に凹
    部が設けられている請求項に記載の条鋼製造方法。
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