JP3292211B2 - 採便棒及びヘモグロビンあるいはトランスフェリン検出用検査具 - Google Patents

採便棒及びヘモグロビンあるいはトランスフェリン検出用検査具

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糞便を採取するための
採便棒及び潜血検査を行うのに使用する検査具を提供す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、糞便の潜血検査は、被検者が採便
した便を用いて、検査担当者が便中のヘモグロビンやト
ランスフェリンの検出を行うという手順で行われてい
る。このような採便に用いられる器具としては、採便す
るための採便棒と、便中のヘモグロビン等を抽出するた
めの緩衝液を保持する容器と、この容器の蓋部の裏側に
取り付けられた採便棒からなる採便容器等が用いられて
いる。このような容器を用いて採便された後に、検査担
当者は、容器から緩衝液を取り出し、マイクロタイター
プレート等を用いた抗原抗体反応によりヘモグロビン等
の検出が行われる。
【0003】上記の方法が分析に人手を要し、大量処理
が困難であるなどの問題を有することから、抗ヒトヘモ
グロビン抗体と抗ヒトトランスフェリン抗体が均一にコ
ーティングされた球状の先端部を有するスティックと溶
菌酵素含有溶液を収容したケースからなる検査具が開示
されている(実開平2−59466号)。この検査具
は、検体中のヘモグロビンと抗体との反応を行った後
に、前記球状部を切断することにより、ビーズ法の自動
分析器に適用できるようにしたものである。
【0004】ところで、従来妊娠検査薬は医家向けのみ
であったが、近年、自己検査が可能な妊娠検査キットが
多種市販されている。これらは、尿を吸収する採尿棒
と、採尿棒から吸収された尿のクロマトグラフィーを行
う濾紙等を有するものであり、尿中のHCG抗原を濾紙
に塗布されたモノクローナル抗体により検知するという
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、潜血
検査用の器具は種々提案されており、分析効率を向上さ
せる努力はなされているが、いずれを用いた場合でも、
被検者自身がヘモグロビン等の検出を行うことはでき
ず、医師あるいは検査機関に依頼せずに潜血検査を行う
ことはできないのが現状である。
【0006】また、被検者が便を採取してから検査を行
うまである程度時間が経過すると、特に気温の高い夏期
等にはヘモグロビン等が変性しやすく、正確な検査が期
待できない。したがって、便を採取後速やかに検査を行
うことが好ましいが、従来の方法では速やかな対応が困
難である。
【0007】本発明は、かかる観点からなされたもので
あり、熟練を要することなく被検者自身が潜血検査等を
簡易に行うことができるように、採便するとともにその
後のヘモグロビン等の速やかな検出を行うことが可能な
検査具を提供するとともに、このような検査具に用いる
採便棒を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、検査具を以下の構成とした。すなわち
本発明の検査具は、糞便中のヘモグロビンあるいはトラ
ンスフェリンを抗ヘモグロビン抗体あるいは抗トランス
フェリン抗体を用いた免疫クロマトグラフィーにより検
出するための検査具において、前記検査具は、採便棒
と、採便棒の一方の端部に接するクロマトグラフィー片
と、検査具の採便棒側に設けられる蓋部とを有し、前記
採便棒は、糞便を採取することが可能な硬度を有すると
ともに水溶液を吸収する材質からなり、さらに、クロマ
トグラフィー片に接する端部の逆端部をヘモグロビンを
含有する水溶液に浸漬させたときクロマトグラフィー片
に水溶液とともにヘモグロビンを移動できる材質により
形成され、前記クロマトグラフィー片は、免疫クロマト
グラフィーによりヘモグロビンあるいはトランスフェリ
ンを検出でき、前記蓋部は、検査時に蓋部内に、採便棒
を覆った状態で緩衝液を収容させることができることを
特徴とする。
【0009】すなわち本発明の採便棒は、糞便中のヘモ
グロビンあるいはトランスフェリンを検出するために糞
便を採取するための採便棒において、前記採便棒は、糞
便を採取することが可能な硬度を有するとともに水溶液
を吸収する材質からなり、さらに、採便棒の方端部をヘ
モグロビンあるいはトランスフェリンを含有する水溶液
に浸漬させたとき他端部に水溶液とともにヘモグロビン
あるいはトランスフェリンを移動できる材質により形成
されたことを特徴とする。
【0010】また、本発明の検査具は、糞便中のヘモグ
ロビンあるいはトランスフェリンを抗ヘモグロビン抗体
あるいは抗トランスフェリン抗体を用いた免疫クロマト
グラフィーにより検出するための検査具において、前記
検査具は、採便棒と、採便棒の方端に接するクロマトグ
ラフィー片を有し、前記採便棒は、糞便を採取すること
が可能な硬度を有するとともに水溶液を吸収する材質か
らなり、さらに、クロマトグラフィー片に接する端部の
逆端部をヘモグロビンを含有する水溶液に浸漬させたと
きクロマトグラフィー片に水溶液とともにヘモグロビン
を移動できる材質により形成され、前記クロマトグラフ
ィー片は、免疫クロマトグラフィーによりヘモグロビン
あるいはトランスフェリンを検出できることを特徴とす
る。
【0011】以下、本発明を説明する。
【0012】<1>採便棒 本発明の採便棒は、糞便を採取することが可能な硬度を
有するとともに、水溶液を吸収する材質からなり、さら
に、採便棒の片端部をヘモグロビンあるいはトランスフ
ェリン(以下、「ヘモグロビン等」という。)を含有す
る水溶液に浸漬させたとき他端部に水溶液とともにこれ
らの物質を移動できる材質により形成される。これは、
十分な硬度を有しないと便を採取しにくいためであり、
また、糞便中のヘモグロビン等を含有する水溶液を、後
述するクロマトグラフィー片に導くためである。
【0013】このような材質としては、前記要件を充す
ものであれば特に制限はないが、羊毛、紙等の天然繊
維、ニトロセルロース、セルロースアセテート等の半合
成繊維、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維の他、ガ
ラス繊維のような無機質繊維等が挙げられ、形態として
は、硬質フェルト、繊維束、織布、不織布等のように毛
管現象を起こしやすいものが好ましい。
【0014】本発明の採便棒の形状は、棒状であればよ
く、横断面は長方形、円形、楕円形等いずれの形状も可
能であるが、薄い直方体が好ましい。また、この採便棒
の一方の端部は、糞便を採取できる形状に成形されるこ
とが好ましい。例えば、先端部がスプーン状、螺子状、
あるいは先端部の縦断面がジクザグ形状、先端部が溝状
の切れ込みを有しているもの等が例示できる。
【0015】通常、採便棒の使用法としては、糞便中に
数回突き刺す方法が行われている。しかし、ヘモグロビ
ン等は、排便された糞便の表面部に主として局在すると
いわれているので、突き刺す方法よりも表面をかき取る
方法が望ましい。したがって、採便棒の先端部は、糞便
をかき取りやすい形状であることが望ましい。この観点
から前記形状のうちでは、スプーン状、縦断面がジクザ
グ形状、先端部が溝状の切れ込みを有しているもの等が
特に好ましい。
【0016】<2>本発明の検査具 本発明の検査具は、前記採便棒と、採便棒の片端に接す
るクロマトグラフィー片を有する。
【0017】クロマトグラフィー片は、免疫学的方法に
よりヘモグロビン等の有無を表示するものである。これ
は、既に妊娠検査キットに市販されているものと同様な
構成のものを用いることができる。但し、妊娠検査キッ
トではHCG抗原に対するモノクローナル抗体を用いる
のに対し、本発明ではヘモグロビン等に対するモノクロ
ーナル抗体を用いる。以下に、ヘモグロビン検出用の検
査具を説明するが、ヘモグロビンをトランスフェリンに
置き換えればトランスフェリン検出用の検査具が得られ
る。
【0018】例えば、薄片状のクロマトグラフィー基剤
の片方の側に、標識された第1の抗ヘモグロビンモノク
ローナル抗体(以下、「第1抗体」という。)を塗布
し、他の側には前記モノクローナル抗体と抗原決定基の
異なる第2の抗ヘモグロビンモノクローナル抗体あるい
はポリクローナル抗体(以下、「第2抗体」という。)
を固定し、この固定した第2抗体がある領域を挟んで前
記採便棒と接する側の反対側に、前記抗体を作製するの
に使用した動物のイムノグロブリンに対する抗イムノグ
ロブリン抗体を固定した領域を設ける。尚、抗イムノグ
ロブリン抗体を固定した領域は必ずしもなくてもよい
が、検査を正確にするためには設ける方が好ましい。
【0019】前記クロマトグラフィー基剤としては、ニ
トロセルロース、セルロースアセテート等のメンブレン
フィルター素材、ナイロンメンブレン、濾紙、シリカゲ
ルを焼結したもの、ガラス繊維等が挙げられるが、水溶
液とともにヘモグロビン、ヘモグロビンと抗体との結合
物を移動できる素材であれば構わない。また、上記採便
棒と同一の素材を用い、採便棒とクロマトグラフィー片
とを一体に成形してもよい。
【0020】上記クロマトグラフィー片の原理は以下の
通りである。クロマトグラフィー片の、第1抗体を塗布
した側の端部に、ヘモグロビンを含有する水溶液が接す
ると、この水溶液はクロマトグラフィー片に吸収、展開
され、逆端に向かって浸透する。第1抗体を塗布した領
域に達すると、ヘモグロビンは、第1抗体に結合し、さ
らにクロマトグラフィー片上を移動する。そして、この
ヘモグロビンと第1抗体との結合物が、第2抗体を固定
した領域に達すると、ヘモグロビンは、この第2抗体に
結合し、トラップされる。その結果、第1抗体はヘモグ
ロビンと共にこの領域で停止し、これ以上移動しない。
【0021】一方、ヘモグロビンが含有していない場合
には、第1抗体は、第2抗体を固定した領域を通過し、
さらに移動を続ける。この際、抗イムノグロブリン抗体
を固定した領域を設けておくと、第2抗体はこの領域で
トラップされる。尚、抗イムノグロブリン抗体の代わり
に、スタフィロコッカス由来のプロテインAを用いても
よい。
【0022】上記いずれの領域でトラップされるかは、
例えば、金コロイド等の金属コロイド、着色ラテック
ス、あるいはβ−ガラクトシダーゼ、ホースラディッシ
ュパーオキシダーゼ等の酵素で第1抗体を標識しておく
ことにより、視覚で判定することができる。但し、酵素
を用いた場合には、この酵素で発色する色素を用いた酵
素免疫法により、発色させる必要がある。
【0023】抗体の作製法、上記標識物質を第1抗体に
標識する方法、抗体をクロマトグラフィー片に固定する
方法は特に問わず、常法で行えばよい。例えば、金コロ
イドで抗体を標識する方法としては、特開平55−15
100号公報、特表平1−503174号公報に記載の
方法が挙げられる。また、抗体をクロマトグラフィー片
に固定する方法としては、特表平1−503174号公
報等に記載されている方法が挙げられる。
【0024】モノクローナル抗体は、ヘモグロビン等で
免疫したマウスの脾細胞とミエローマ細胞との融合細胞
(ハイブリドーマ)を培養することにより得られるが、
各種の抗体が市販されているので、それを使用してもよ
い。
【0025】金属コロイドでの標識法は、特開平2−1
41665号公報に詳しい。第2抗体及び抗イムノグロ
ブリン抗体をクロマトグラフィー片に固定するには、ニ
トロセルロース膜やナイロン膜を使用する場合は、あら
かじめクロマトグラフィー片の素材をシアノジェンブロ
マイドで活性化しておき、固定しようとする部位に抗体
溶液を滴下し、抗体を共有結合させる。この後、膜に対
する第1抗体やヘモグロビンの非特異的吸着を防ぐため
に、カゼインやウシ血清アルブミン等の溶液に浸漬して
マスクしておくとよい。
【0026】本発明の検査具の形態としては、例えば、
クロマトグラフフィー片を容器で覆い、クロマトグラフ
ィー片の片側に採便棒を接設し、採便棒を容器から突出
させたものが挙げられる(図3)。
【0027】
【作用】本発明の検査具及び採便棒の作用を、使用法と
併せて説明する。検査具の採便棒の先端で糞便をかき取
り、採便棒を緩衝液等に浸す。例えば、検査具容器の採
便棒を突出させた側に蓋部を設け、検査時に蓋部内に緩
衝液を収容させ、この中に採便棒を浸漬させると、検査
を簡便に行うことができる。また、蓋部に緩衝液を含有
するゲルを予め充填しておいてもよい。
【0028】採便棒を、緩衝液あるいはゲルに浸漬させ
て撹拌すると、ヘモグロビン等は緩衝液とともに採便棒
に吸収され、クロマトグラフィー片に導かれる。その
後、上述したクロマトグラフィー片の原理に従い、ヘモ
グロビン等の有無が判定される。
【0029】本発明の検査具を用いると、潜血検査を速
やか、かつ、簡便に行うことができる。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例を、図面に基づいて説
明する。
【0031】
【実施例1】先ず、本発明の採便棒の実施例を説明す
る。図1に採便棒の1例を示す。これは、薄い長方形形
状に成形した硬質フェルトの先端を、断面がジグザグ状
になるように加工する。
【0032】採便棒の他の例を図2に示す。これは、円
筒状に束ねたポリエチレンファイバー束の先端を、スプ
ーン状に加工したものである。尚、使用に際し、採便棒
を緩衝液に浸すので、先端の加工部分は必ずしも吸水性
を有していなくてもよい。したがって、先端部をプラス
チック等でコーティングすることにより強度を持たせて
もよい。
【0033】採便棒の形状の別の例を図3に示す。これ
は、先端部に溝状の切れ込みを有しているものである。
【0034】
【実施例2】次に、本発明の検査具の実施例を説明する
(図4、5)。これは、ヘモグロビン検出用であるが、
ヘモグロビン抗体をトランスフェリン抗体に置き換えれ
ば、トランスフェリン検出用として使用できる。
【0035】プラスチック容器本体31の内部に、クロ
マトグラフィー片20を収容し、採便棒10を、このク
ロマトグラフィー片20の端部に接するように容器本体
31に設置する。容器本体31は、採便棒を設置した側
に蓋部32が嵌合する。
【0036】容器本体31は、前記クロマトグラフィー
片20と採便棒10の一部を被覆し、後述する抗イムノ
グロブリンポリクローナル抗体を固定した領域22及び
抗イムノグロブリン抗体を固定した領域23が外部から
見えるように、透明プラスチックを貼った窓部33を設
けてある。
【0037】クロマトグラフィー片20は、ニトロセル
ロースの薄片であり、採便棒と接する側に金コロイドで
標識した抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体(マウ
ス)を塗布した領域21、反対側に抗ヒトヘモグロビン
ポリクローナル抗体(ウサギ)を固定した領域、さらに
その外側に抗マウスイムノグロブリン抗体(ウサギ)を
固定した領域23を設けてある。
【0038】抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体
(マウス)、抗ヒトヘモグロビンポリクローナル抗体
(ウサギ)、及び抗マウスイムノグロブリン抗体(ウサ
ギ)は、各々市販のもの(各々、SU−104:日本バ
イオテスト社製、A118、Z456:ダコ・ジャパン
株式会社製)を使用した。
【0039】抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体へ
の金コロイドの標識は、特表平1−503174号に記
載の方法により行った。コロイド金を0.22μmのフ
ィルターを通した0.1MのK2CO3でpH7に調整
し、20mlを清浄なビーカーに入れた。これに、0.
22μmのフィルターを通した抗ヒトヘモグロビンモノ
クローナル抗体溶液(1mg/ml、pH9)を添加
し、2分間撹拌した。0.1MのK2CO3を用いて抗体
と金ゾルの混合物のpHを9に調整し、2mlの10%
(V/V)BSAを添加した。これを4℃で30分間、
12000×gで遠心分離を行い、沈澱を再懸濁するこ
とを3回繰り返して精製した。さらに、20mMトリス
緩衝液(150mM NaCl、pH8.2、1%BS
A)に懸濁し、金コロイド標識抗体を得た。
【0040】抗ヒトヘモグロビンポリクローナル抗体
(ウサギ)、抗マウスイムノグロブリン抗体(ウサギ)
は、日本ポール社のイムノダインを用いて固定した。ま
た、1(W/W)%BSA溶液(50mMトリス、pH
7.5)を用いて、抗体を固定した以外の部分をマスク
した。
【0041】採便棒10は、円筒形状に成形した一方向
に毛管現象により水が移動するガラス繊維であり、先端
部を溝状の切れ込みに加工してある。蓋部32の内側に
は、別体の容器に収容された緩衝液を注入する際の目安
となる目盛りが刻示してある。検査を行う際には、採便
棒10の先端で糞便表面をかき取り、蓋部32の内部に
緩衝液を目盛りまで注入し、これに採便棒を浸漬させて
放置する。容器本体31の蓋部32の逆端に別の蓋部3
4を設け、この中にプラスチックフィルム35等で密閉
した緩衝液あるいは緩衝液含有ゲル36を収容しておく
と、使用時に蓋部を取り替えるだけで検査をすることが
できる。すなわち、容器本体を立てたままで容器本体の
採便棒側に蓋部34をかぶせると、採便棒10がフィル
ム35に突き刺さり、容器全体を軽く振盪するだけで免
疫クロマトグラフィーを行うことができる。
【0042】容器内、例えばクロマトグラフィー片の採
便棒に接する逆側に、乾燥剤を収容しておくと、抗体の
失活を防止することができる。
【0043】
【実施例3】本発明の検査具の使用例を説明する。実施
例2(図4)の検査具(採便棒の先端部は、溝状の切れ
込みを有する)を用いて、ヘモグロビンの検出を行っ
た。
【0044】ビーグル犬の糞便に各種濃度でヒトヘモグ
ロビンを混ぜ、これから本発明の検査具を用いて糞便を
かきとり、前記の手順で検出を行った。尚、ヒトヘモグ
ロビンの濃度は、0、0.25、0.75mg/(g糞
便)とした。また、対照として、イアトロヘムチェック
(株式会社ヤトロン製)を使用した。下記の基準による
判定結果を表1に示す。
【0045】++: 非常に良く検出される + : 検出される ± : 判定が困難 − : 検出されない
【0046】
【表1】
【0047】この結果から明らかなように、本発明の検
査具は、ヒトヘモグロビンを高感度で、しかも簡便に測
定することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明の検査具は、採便するとともにそ
の後のヘモグロビンあるいはトランスフェリンの検出
を、被検者が自ら行うことを可能とする。その結果、鮮
血検査を迅速、かつ、簡便に行うことができる。本発明
の採便棒は、糞便の採取と免疫クロマトグラフィーを可
能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の採便棒の一例を示す斜視図。
【図2】 本発明の採便棒の他の例を示す側面図。
【図3】 本発明の採便棒の別の例を示す側面図。
【図4】 本発明の検査具の一例を示す一部破断正面
図。
【図5】 本発明の検査具の他の例を示す一部破断正面
図。
【符号の説明】
10・・・採便棒 11・・・先端部 20・・・クロマトグラフィー片 21・・・第1の抗ヘモグロビン抗体を塗布した領域 22・・・第2の抗ヘモグロビン抗体を固定した領域 23・・・抗IgG抗体を固定した領域 30・・・容器 31・・・容器本体 32・・・蓋部 33・・・窓部 34・・・蓋部 35・・・プラスチックフィルム 36・・・緩衝液あるいは緩衝液含有ゲル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/48 G01N 33/50 G01N 33/543 G01N 33/72

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糞便中のヘモグロビンあるいはトランス
    フェリンを抗ヘモグロビン抗体あるいは抗トランスフェ
    リン抗体を用いた免疫クロマトグラフィーにより検出す
    るための検査具において、 前記検査具は、採便棒と、採便棒の一方の端部に接する
    クロマトグラフィー片と、検査具の採便棒側に設けられ
    る蓋部とを有し、 前記採便棒は、糞便を採取することが可能な硬度を有す
    るとともに水溶液を吸収する材質からなり、さらに、ク
    ロマトグラフィー片に接する端部の逆端部をヘモグロビ
    ンを含有する水溶液に浸漬させたときクロマトグラフィ
    ー片に水溶液とともにヘモグロビンを移動できる材質に
    より形成され、 前記クロマトグラフィー片は、免疫クロマトグラフィー
    によりヘモグロビンあるいはトランスフェリンを検出で
    前記蓋部は、検査時に蓋部内に、採便棒を覆った状態で
    緩衝液を収容させることができ ることを特徴とする検査
    具。
  2. 【請求項2】 請求項1の検査具において、前記クロマ
    トグラフィー片は、前記採便部と接する端部側に第1の
    抗ヘモグロビンモノクローナル抗体あるいは抗トランス
    フェリンモノクローナル抗体を塗布した領域を有し、他
    の端部側には前記モノクローナル抗体と抗原決定基の異
    なる第2の抗ヘモグロビン抗体あるいは抗トランスフェ
    リン抗体を固定した領域を有し、この領域を挟んで前記
    採便棒と接する側の反対側に抗イムノグロブリン抗体を
    固定した領域を有することを特徴とする検査具。
  3. 【請求項3】 請求項2の検査具において、第1のモノ
    クローナル抗体は、金属コロイド、着色ラテックス及び
    酵素からなる群から選ばれる一種で標識されたことを特
    徴とする検査具。
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