JP3290726B2 - 透過型三次元断層撮影装置 - Google Patents

透過型三次元断層撮影装置

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JP3290726B2
JP3290726B2 JP33878992A JP33878992A JP3290726B2 JP 3290726 B2 JP3290726 B2 JP 3290726B2 JP 33878992 A JP33878992 A JP 33878992A JP 33878992 A JP33878992 A JP 33878992A JP 3290726 B2 JP3290726 B2 JP 3290726B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線源から被写体に
放射線を照射し、被写体を透過した放射線の透過率分布
の投影像に対して逆投影法を適用することにより、被写
体の三次元断層画像を再構成する透過型三次元断層撮影
装置に関し、特に、計測時間及びデータ処理時間の大幅
な短縮化と処理精度の向上を図った透過型三次元断層撮
影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最も典型的な従来の透過型二次元断層撮
影装置として、臨床医学等の分野に適用されているX線
断層撮影装置(以下、X線CT装置という)が知られて
いる。かかるX線CT装置の基本原理を図14に基いて
説明すると、患者等の被写体1を挟むようにして、線状
又は弧状の検出器2とX線管3とが対向配置され、X線
管3から放射されて被写体1を透過してきた透過X線の
強度を検出器2が検出する。即ち、X線管3のX線放射
部(焦点)と、検出器2の長手方向sに沿って設けられ
た検出部とを同時に含むx−y直交座標における仮想断
面をAR、x−y座標に対して直交し且つ被写体1の中
心を通る軸方向をz座標軸とすると、検出器2の検出部
において測定されるX線の強度は、仮想断面ARに沿っ
て被写体1内部の各部分を透過してきた透過X線のX線
透過率に相当する。かかるX線透過率の測定データ群に
適当な対数変換を施すことによって、X線ビームに沿っ
た被写体のX線吸収係数の総和(積分値)に変換され
る。かかるX線吸収係数の積分値に関する測定データは
投影データと呼ばれている。更に、検出器2とX線管3
の対向関係を一定にしたままで、これらの機器2,3又
は被写体1の一方をz座標軸を中心に相対的に一回転さ
せながら各回転方向φについての投影データ群を測定す
ることにより、全方位における投影データを測定するよ
うになっている。そして、これらの全方位に関する投影
データ群について、所定のコンピュータ演算処理を行う
ことにより、被写体1のX線吸収係数に関する二次元断
層画像を再構成する。
【0003】ここで、かかる再構成を行うためには、一
般に、重畳積分逆投影法あるいはフィルタ逆投影法が適
用されている。即ち、図15に示すように、z座標軸上
のある位置に在る仮想断面ARにおいてx−y座標軸に
対して方位φ1からX線が透過した場合の投影データの
分布をPAR(s,φ1)とすると、まず、次式(1)に
示すように、再構成フィルタと呼ばれるフィルタ関数g
0 (s)をPAR(s,φ1)に重畳積分し、これによっ
て得られた新たな投影データQAR(s,φ1)を求め
る。
【0004】
【数1】
【0005】尚、上記式(1)中の*は重畳積分演算子
を意味する。又、フィルタ関数g0(s)は、シェップ
・ローガン(Shepp-Logan )のフィルタが一般的に適用
されている。そして、仮想断面ARにおける残余の方位
φ2,φ3…φn毎に新たな投影データQAR(s,φ
2),QAR(s,φ3)…QAR(s,φn)も同様にし
て求め、これらのデータをX線ビームの方向に沿って逆
投影することによって仮想断面ARにおける二次元断層
画像を構成する。
【0006】尚、上記は一つの仮想断面ARについての
断層画像を求めるものであるが、この装置を用いて被写
体1の三次元的な分布を求めるためには、装置(検出器
2とX線管3)又は被写体1を支えているベッドを相対
移動させることにより、多層について二次元断層画像を
求めている。
【0007】又、ヘリキャルスキャン方式、即ち、被写
体1を中心にしてその周囲を装置(検出器2とX線管
3)を螺旋軌道に沿って移動させたり、これとは逆に、
固定された装置(検出器2とX線管3)内で被写体1を
回転させつつz軸に沿って移動させることによって、実
質的に装置が螺旋軌道に沿って移動するように制御する
ことで、被写体1の多層について二次元断層画像を求め
るようにしている。
【0008】ところが、この従来の技術によれば、高精
細な三次元断層画像を再構成しようとすれば、z座標軸
に沿って細かな間隔で検出器2とX線管3又は被写体1
を相対移動させつつ投影データP(s,φ)を測定する
必要があるので、計測に長時間を要するという問題があ
った。
【0009】そこで、更に改良・進化したX線CT装置
が提案された。かかるX線CT装置は円形軌道コーンビ
ームCTと呼ばれ、図16に示すように、被写体4を挟
むようにして、X線イメージインテンシファイア(X線
II)等の二次元像検出器5と、コーン状にX線を放射
するX線管6とを備え、このコーン状のX線照射範囲内
に常に被写体4を存在させるように構成されている。即
ち、X線管6からコーン状に放射されて被写体4を透過
してきた透過X線の透過率を二次元像検出器5が二次元
的に検出するようになっている。そして、被写体4の中
心を通るz座標軸を中心とする円軌道に沿って、X線管
6と二次元像検出器5を被写体4に対して相対回転させ
ることにより全方位における二次元投影データを測定
し、更に上記逆投影法を三次元に適用してコンピュータ
演算処理を行うことによって被写体4の三次元断層画像
を再構成する。
【0010】かかる円形軌道コーンビームCTの三次元
画像再構成法としてはフェルドカンプ(Feldkamp)の方
法が代表的であり、二次元像検出器5の検出する二次元
投影データP(s,h,φ)に対して2次元荷重を乗じ
て補正し、方向s(z座標軸に対して直交する方向)に
ついて上記式(1)と同様の重畳積分を行い、この結果
得られる新たな投影データQ(s,h,φ)をX線放射
方向とは逆の方向に沿って三次元的に逆投影する方法で
ある。
【0011】この方法によれば、コーン状に放射される
X線(以下、X線コーンビームという)のz座標軸方向
の最大視野角度θが比較的小さければ、図14に示した
X線CT装置による二次元断層画像を三次元の再構成に
近似・拡張して、比較的簡単に三次元断層画像の再構成
を実現することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記円形軌道
コーンビームCTにあっては、次のような問題点があっ
た。即ち、X線コーンビームのz座標軸方向における最
大視野角度θが大きい場合には上記近似精度が低下して
精細な断層画像を再構築することができない。特に、最
大視野角度θを大きく設定した場合には、z座標軸の両
端近くの仮想断面ARを透過するX線の透過方向と該仮
想断面ARとの成す角度が大きくなるので、その投影デ
ータP(s,h,φ)は一つの仮想断面ARを透過して
きた透過X線のみに基いて得られるのではなく、複数の
仮想断面を斜め方向から透過してきた透過X線に基いて
得られることとなる。この結果、各断層画像の干渉(ク
ロストーク)を生じて、再構成画像に歪みを生じる問題
があった。
【0013】一般論として、円形軌道コーンビームCT
の様に、X線コーンビームの頂点(X線管の焦点)が一
つの円軌道に沿って回転する場合には、正確な三次元断
層画像を再構成することはできないことが知られてい
る。例えば、スミスの文献(Smith BD: Image reconstr
uction from cone-beam projections: Necessary and s
ufficient conditions and reconstruction methods. I
EEE Trans.Med.Image. MI-4:14-25, 1985.)によれば、
「三次元断層画像が決定できる十分条件は被写体中のあ
らゆる点を通る任意の平面を考えたとき、その平面上に
コーンビームの頂点が必ず存在すること」が、三次元断
層画像を再構成するための条件であるとしている。した
がって、図16に示すように、二次元像検出器5とX線
管6を一つの円軌道に沿って一回転させただけでは精度
の良い三次元断層画像の再構成を実現することができな
い。
【0014】そこで、この問題を解決するために、図1
7(a)あるいは(b)に示すように、二次元像検出器
5とX線管6を2つの円軌道に沿って回転させながら各
方向における二次元投影データを測定する方法や(図1
7ではX保管の焦点の軌道を表わしている)、同図
(c)に示すように二次元像検出器5とX線管6を1つ
の円軌道とz座標軸に沿って移動させながら各方向にお
ける二次元投影データを測定する方法、あるいは同図
(d)に示すように二次元像検出器5とX線管6を螺旋
状の軌道に沿って移動させながら各方向における二次元
投影データを測定する方法等が提案され、更にこれらの
測定手法によって得られた二次元投影データを基に、例
えば、三次元ラドン変換(Radon transform )を適用す
ることで三次元断層画像の再構成を実現しようとする提
案があるが、複雑で膨大な計算処理を要するので実用に
供するには多くの問題がある。
【0015】特に、図18に示すように、被写体1の一
部がX線コーンビームの領域からはみ出す場合には、被
写体1に対する検出器5とX線管6の走査位置に応じて
X線が部分的にしか照射されない部分(図中の斜線部分
U)が発生し、かかる部分Uの投影データが画像間のク
ロストークを招くので、測定部分の正確な画像再構成を
実現することが極めて困難であった。かかる場合は、人
体の断層画像を測定するような場合に通常に起こること
であり特殊な場合ではないので、実用上解決が望まれて
いた。
【0016】本発明はこのような従来の課題に鑑みて成
されたものであり、比較的簡単な投影データ測定方法と
二次元断層画像再構成アルゴリズムを有効に拡張して、
画像歪みやクロストーク等が少なく高精細な三次元断層
画像の再構成を実現することができる透過型三次元断層
撮影装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明は、被写体に対して、放射線を任意の視
野角でコーン状に放射する放射線源と、該被写体内を透
過した透過放射線を二次元的に検出することにより、二
次元投影データを発生する像検出手段と、該放射線及び
像検出手段又は被写体のいずれか一方を螺旋状の軌道又
は複数の円状の軌道に沿って相対回転させつつ該軌道面
と直交する方向に相対移動出来る駆動手段と、上記放射
線源が上記被写体全体を包含する広視野角のコーン状の
放射線を放射させた状態で、上記駆動手段が上記相対回
転駆動を行うときに、所定の回転角毎に上記像検出手段
が検出する第1の二次元投影データを入力し、第1の二
次元投影データに所定の再構成フィルタを重畳積分して
得られる新たな二次元投影データに基いて、予め設定さ
れている複数のスライス断面に対応する逆投影画像を形
成すると共に、逆投影画像の所定の高周波成分に基いて
各々のスライス断面に対応する二次元断層画像を再構成
する広角度データ解析手段と、上記放射線源が上記被写
体の一部分に対して放射させた状態で、上記駆動手段が
上記相対回転駆動及び上記相対移動を行うときに、所定
の回転角毎に上記像検出手段が検出する第2の二次元投
影データを入力し、第2の二次元投影データに所定の再
構成フィルタを重畳積分して得られる新たな二次元投影
データに基いて、予め設定されている複数のスライス断
面に対応する逆投影画像を形成すると共に、逆投影画像
の所定の低周波成分に基いて各々のスライス断面に対応
する二次元断層画像を再構成する狭角度データ解析手段
と、上記広角度データ解析手段と狭角度データ解析手段
で再構成された上記両二次元断層画像を加算合成して三
次元断層画像を構成する構成処理手段と具備する構成と
した。
【0018】又、被写体に対し該被写体の全体を包含す
る広視野角のコーン状の放射線を放射する放射線源と、
該被写体内を透過した透過放射線を二次元的に検出する
ことにより、二次元投影データを発生する像検出手段
と、該放射線源と像検出手段を被写体の所定原点を中心
として所定方向に対向移動させつつ、該被写体に対して
該放射線源及び像検出手段を螺旋状の軌道又は複数の円
状の軌道にそって相対回転出来る駆動手段と、上記相対
回転によって上記像検出手段が検出する所定回転角毎に
得られる第1の二次元投影データを入力し、第1の二次
元投影データに所定の再構成フィルタを重畳積分して得
られる新たな二次元投影データに基いて、予め設定され
ている複数のスライス断面に対応する逆投影画像を形成
すると共に、逆投影画像の所定の高周波成分に基いて各
々のスライス断面に対応する二次元断層画像を再構成す
る広角度データ解析手段と、上記二次元投影データの
内、予め決められた複数のスライス断面に対して略水平
に透過した各スライス断面に対応する第2の二次元投影
データを入力し、第2の二次元投影データに所定の再構
成フィルタを重畳積分して得られる新たな二次元投影デ
ータに基いて、予め設定されている複数のスライス断面
に対応する逆投影画像を形成すると共に、逆投影画像の
所定の低周波成分に基いて各々のスライス断面に対応す
る二次元断層画像を再構成する狭角度データ解析手段
と、上記広角度データ解析手段と狭角度データ解析手段
で再構成された上記両二次元断層画像を加算合成して三
次元断層画像を再構成する構成処理手段とを具備する構
成とした。
【0019】又、上記二次元投影データの高低周波成分
について上記再構成フィルタの重畳積分を行った後、逆
投影画像を求めるように構成した。
【0020】又、上記二次元投影データに高低周波成分
の弁別処理及び再構成フィルタの重畳積分処理を同時に
行うフィルタ関数を適用し、その後、逆投影画像を求め
るように構成した。
【0021】又、上記広角度データ解析手段における逆
投影操作においては、新たな二次元投影データを予め設
定されているスライス断面に逆投影する際の書込み濃度
分布関数を重畳するようにした。
【0022】
【作用】このような構成を有する本発明によれば、再構
成される画像の高周波成分と低周波成分は夫々別個に処
理され、広視野角の放射線が被写体を透過したときに得
られる投影データによって高周波成分を、狭視野角の放
射線が被写体を透過したときに得られる投影データによ
って低周波成分を再構成した後、これらを合成して三次
元断層画像を再構成するので、従来の円形軌道コーンビ
ームCTにおけるフェルドカンプ法のように、画像のク
ロストークによる画像歪を著しく低減することができ
る。
【0023】又、この方法はフェルドカンプ法と同様に
従来の二次元断層画像再構成法を拡張して三次元断層画
像を再構成するものであり、比較的簡単なアルゴリズム
に基いている。この結果、コンピュータシステムを適用
する等の場合に装置規模の低減化及び処理速度の向上を
図ることができる。
【0024】更に、広視野角の放射線の透過によって得
られる投影データは、予め設定されている複数のスライ
ス断面に対して傾斜方向に沿って逆投影されるが、かか
るスライス断面と逆投影ビームの交差する書込み濃度分
布関数によって投影データを補正するので、実際に即し
てより精度の良い三次元断層画像を再構成することがで
きる。
【0025】
【実施例】以下、本発明による一実施例を図面と共に説
明する。かかる実施例はX線源から被写体に対してX線
コーンビームを放射し、被写体を透過した透過X線を二
次元検出装置によって測定することによって二次元的に
投影データを得、この二次元投影データから三次元断層
画像を再構成する形式の透過型三次元断層撮影装置に関
するものである。
【0026】まず、図1に基いて、装置の全体構成を説
明すると、患者等の被写体10を支持する試料台11
と、試料台11を鉛直方向(上下方向)zに移動させる
ことによって被写体10も同座標軸zに沿って上下移動
させると共に、座標軸zを中心にして試料台11を回転
駆動することによって被写体10を回転させる駆動装置
12とが設けられている。試料台駆動部13は、駆動装
置12に駆動電力を供給するための電源等を内蔵してお
り、位置検出部14は、試料台11の座標軸zにおける
位置(高さ)と回転位置を検出するためのセンサ等を内
蔵しており、いずれもシステム制御部24によって制御
されている。
【0027】被写体10を挟むようにしてX線放射機構
Aと撮像機構Bが相対向して設けられている。X線放射
機構Aは、X線を被写体10に向けてコーン状に放射す
るX線管15とコリメータ16とを備え、コリメータ1
6の絞り量を変更することによって、X線コーンビーム
のz座標軸方向における視野角度θを調節することがで
きるようになっている。高圧発生部17は、X線発生の
ための高圧電源をX線管15に供給し、コリメータ駆動
部18は、コリメータ16の絞り調整を行うためにあ
り、いずれもシステム制御部24によって制御されてい
る。撮像機構Bは、被写体10を透過してきた透過X線
を入射して増倍するX線イメージインテンシファイア
(X線II)19と、X線イメージインテンシファイア
19の出力を二次元CCD等により二次元画像として撮
像するカメラ20と、上記の視野角度θの範囲外の透過
X線がX線イメージインテンシファイア19に入射する
のを絞り量の調整によって阻止するコリメータ21とを
具備している。コリメータ駆動部22は、コリメータ2
1の絞り量を調節駆動するためにあり、システム制御部
24によって制御されている。
【0028】演算部23は、カメラ20から出力される
二次元画像のデータ即ち、二次元投影データを入力して
後述のデータ処理を行うことによって被写体10の三次
元断層画像再構成を行い、かかるデータ処理のタイミン
グはシステム制御部24によって制御されている。
【0029】システム制御部24は、コンピュータシス
テムで構成されており、入力部25に備えられたキーボ
ード等を介して操作者が行った指令に従って、上記各部
13,14,17,18,22,23を制御すると共
に、演算部23で最終的に求められた三次元断層画像の
データを表示部26に転送して、グラフィック表示等を
行わせる。
【0030】更に、被写体10に対するX線放射機構A
と撮像機構Bの相対位置関係を図2に基いて詳述する。
即ち、X線管15から放射されるX線コーンビームの最
大視野角度θは、測定すべき被写体10の全体を包含す
ることができる角度に設定されている。一方、コリメー
タ16を絞ると視野角度θが狭まり、被写体10の一部
分にX線を照射するようになる。但し、座標軸zの方向
の視野角度θはこのように調整されるが、座標軸zに対
して直交する座標軸xの方向(即ち、軸zを上下方向と
すれば左右方向)の視野角度αは常に被写体10を含む
ようにして固定化されている。被写体10を中心として
設定されるこれらの座標軸x,y,zによる三次元座標
は、被写体10に対して予め固定されているものとし、
したがって、測定系に対して被写体10を回転する場合
には、測定時において座標系x,y,zもz軸を中心に
回転する。
【0031】座標軸zに沿って微小間隔Δzずつ区切ら
れる(x−y)座標面と平行な仮想断面をスライス断面
と呼び、これらの多数のスライス断面は常に座標軸x,
y,zによる三次元座標系において固定化されている。
そして、X線イメージインテンシファイア19のX線入
射面の座標はs,hで表され、(s−h)面はz軸と常
に平行である。X線管15とX線イメージインテンシフ
ァイア19のX線入射面との対向関係が固定化されたま
まで、試料台11と共に被写体10が座標軸z方向へ所
定ピッチΔkずつ移動すると、被写体10に対する座標
軸z方向での対向位置が相対的に変化し、これと同時
に、試料台11と共に被写体10が回転すれば、X線管
15とX線イメージインテンシファイア19のX線入射
面との対向関係は固定化されたままで被写体10に対し
て円軌道を描くようになっており、これらの位置関係は
試料台11の回転・移動の位置によって自在に調節され
る。又、カメラ20に内蔵されているCCD等の画素配
列も座標系s,hに対して所定の位置関係に設定されて
おり、その水平走査方向sがスライス断面と平行、垂直
走査方向hが座標軸zと平行である。
【0032】次に、演算部23の構成を図3〜図5に基
いて詳述する。演算部23は、広角度データ解析部27
と狭角度データ解析部28と合成処理部29を具備した
マイクロコンピュータシステム等で構成されている。
【0033】まず、広角度データ解析部27は、広角度
データ収集部27a、重畳積分部27b、逆投影処理部
27c、及び高周波フィルタリング部27dで構成さ
れ、システム制御部24からの広角度データ解析の指令
に対応して所定の解析処理を行う。尚、かかる広角度デ
ータ解析では、図4の縦断面図に示すように、被写体1
0の全体にX線コーンビームを照射するようにコリメー
タ16,21によって最大視野角度θ1が設定され、こ
の視野角度θ1に固定したままで試料台11上の被写体
10を所定回転角φ毎に一回転させ、各回転角φ毎にカ
メラ20が撮像する各々の二次元静止画像の投影データ
H (s,h,φ)を解析処理するようになっており、
詳細は後述する。
【0034】狭角度データ解析部28は、狭角度データ
収集部28a、重畳積分部28b、逆投影処理部28
c、及び低周波フィルタリング部28dで構成され、シ
ステム制御部24からの狭角度データ解析の指令に対応
して所定の解析処理を行う。尚、かかる狭角度データ解
析では、図5(a)の縦断面図に示すように、被写体1
0の所定厚さΔh(但し、一般的に、ΔhΔkΔz
の関係に設定されている)毎のスライス断面だけにX線
コーンビームを照射し、断層画像のクロストークによる
低周波歪が十分無視できるように狭い視野角θ2が設定
され、この視野角θ2に固定した状態で、図5(b)に
示すように被写体10を所定のピッチ間隔Δkずつ座標
軸zに沿って移動させる毎に被写体10を所定回転角φ
ずつ一回転させ、その回転角φ毎にカメラ20が撮像す
る各々の静止画像の投影データPL(s,h,φ,z)
を解析処理するようになっている。即ち、座標軸zと回
転角φをパラメータとしたときに得られる各々の投影デ
ータPL (s,h,φ,z)を解析処理するようになっ
ており、詳細は後述する。尚、図5(c)に示すように
被写体10を螺旋状に回転移動させることによって、同
図(b)と同様の撮像効果が得られるようにしてもよ
い。
【0035】合成処理部29は、広角度データ解析部2
7と狭角度データ解析部28で夫々再構成された被写体
10の各スライス断層の二次元断層画像の高周波成分の
データH(x,y,z)及び低周波成分のデータL
(x,y,z)を合成することにより最終的に高精細の
三次元断層画像を再構成し、この三次元断層画像のデー
タI(x,y,z)をシステム制御部24へ転送する。
【0036】次に、かかる構成を有する実施例の動作を
説明する。
【0037】被写体10を試料台11に支持して測定を
指示すると、最初にシステム制御部24の指令に従って
広角度データ解析が行われる。即ち、図4に示すよう
に、被写体10の全体にX線コーンビームを照射するよ
うにコリメータ16,21の絞り量が調整されて広視野
角度θ1が設定される。そして、視野角度θ1に固定し
たままで試料台11上の被写体10を所定回転角ずつ一
回転させ、カメラ20がその回転角毎に撮像することに
よって二次元投影データPH (s,h,φ)を出力し、
夫々の投影データPH (s,h,φ)を広角度データ収
集部27aが記憶する。
【0038】次に、重畳積分部27bが、次式(2)に
示すように、全ての投影データPH(s,h,φ)の夫
々に対して所定の再構成フィルタ関数g(s)をs方向
に重畳積分することによって、新たな投影データQ
H (s,h,φ)を形成する。
【0039】
【数2】
【0040】ここで、再構成フィルタ関数g(s)は、
次式(3)に示すように、従来使用されているシェップ
ローガンの再構成フィルタ関数g0 (s)等と本発明特
有の書込み関数w(s,θ’)との積によって求まる関
数である。
【0041】
【数3】
【0042】尚、シェップローガンの再構成フィルタ関
数g0 (s)は、図6に示す実空間特性を有している。
一方、書込み関数w(s,θ’)は、図7に示す原理図
に基いて求められるものである。即ち、あるスライス断
面に新たな投影データQH (s,h,φ)を逆投影する
際に、スライス断面の幅a(=Δz)に対して幅bの逆
投影ビームに沿って角度θ’で書込まれるものとすれ
ば、書込み濃度分布は、次式(4)で示す三角形状の書
込み関数w(s,θ’)で近似することができる。
【0043】
【数4】
【0044】したがって、現実にはX線ビームが各スラ
イス断面を斜め方向へ通過するので、従来から知られて
いるシェップローガンの再構成フィルタ関数g0 (s)
等に書込み関数w(s,θ’)を積算することによっ
て、より現実に即した再構成フィルタ関数g(s)が得
られることとなる。更に詳述すれば、再構成フィルタ関
数g(s)は、図8に示す実空間特性を有しており、図
6と比較すれば、シェップローガンの再構成フィルタ関
数g0 (s)はsの無限範囲において値をもつのに対し
て、再構成フィルタ関数g(s)は、図8に示すように
書込み関数w(s,θ’)によって規制された範囲内に
ついてだけ値をもつ。この結果、シェップローガンの再
構成フィルタ関数g0 (s)を適用すると規制範囲外で
過度のフィルタリングをすることとなって誤差が増加す
るのに対し、再構成フィルタ関数g(s)では、その誤
差が低減されて現実に即した新たな投影データQ
H (s,h,φ)を形成することができる。
【0045】次に、逆投影処理部27cが、全ての角度
φについての新たな投影データQH(s,h,φ)に対
して逆投影処理を行うことにより、全てのスライス断面
についての二次元逆投影画像rH (x,y,z)を作成
する。
【0046】次に、高周波フィルタリング部27dが、
二次元逆投影画像rH (x,y,z)に含まれる低周波
数領域成分を除去するためのフィルタリング処理を行
う。即ち、図9に示すように、二次元逆投影画像r
H (x,y,z)は複数のスライス断面を斜め方向から
透過した透過X線の透過率分布から再構成されるので、
被写体10の複数のスライス断面の画像情報が互いに干
渉する結果生じる画像歪を含んでいる。この画像歪の大
部分は低周波数領域に存在しており、低周波数域除去形
のフィルタによってこれを除去するようにしている。
【0047】具体的には、かかるフィルタリングは所定
の演算処理によって実現される。即ち、各々の二次元逆
投影画像rH (x,y,z)を二次元高速フーリエ変換
(FFT)によって空間周波数領域(X−Y)の二次元
データRH (X,Y,z)に変換し、これに低周波数域
除去形のフィルタに相当するガウス関数型二次元フィル
タFH (X,Y,z)を積算する。ここで、FH (X,
Y,z)は次式(5)の関数であり、X,Yはスライス
断面に対応する空間周波数、σはカットオフ周波数を決
定する係数である。
【0048】
【数5】
【0049】ここで、aはスライス幅、bは逆投影ビー
ムの幅、θ”はスライス面(x=0,y=0,z)に対
する逆投影角である。
【0050】更に、係数σは、σ=ξ|(a+b)/
(2tanθ”)|/2.35の式から求められる。但
し、ξはある程度任意の値であり、この実施例では、
0.25ないし0.5程度の範囲の値が適用されてい
る。
【0051】そして、各スライス断面に対応する積算結
果RH (X,Y,z)・FH (X,Y,z)について二
次元逆フーリエ変換を行うことによって、フィルタリン
グ後の二次元逆投影画像H(x,y,z)を作成して合
成処理部29へ転送して一旦記憶させて、広角度データ
解析が終了する。
【0052】次に、システム制御部24の指令に従って
狭角データ解析が行われる。即ち、図5(a)に示すよ
うに、コリメータ16,21の絞り量を調節することに
よって、予め設定されている狭視野角度θ2に対しての
みX線を照射するように設定される。そして、視野角度
θ2を固定したままで試料台11上の被写体10を所定
回転角φ毎に一回転させつつ各回転角φ毎にカメラ20
が静止画像を撮像するという処理を、試料台11を座標
軸zに沿って適当なピッチで移動させながら繰り返し行
う。したがって、このz方向の移動ピッチ及び回転各φ
毎の二次元投影データPL (s,h,φ,z)が求ま
り、狭角度データ収集部28aのフレームメモリに記憶
される。
【0053】次に、重畳積分部28bが、二次元投影デ
ータPL (s,h,φ,z)毎にシェップローガンのフ
ィルタ等の再構成フィルタg0 (s)を重畳積分するこ
とによって、新たな二次元投影データQL (s,h,
φ,z)を形成する。
【0054】次に、逆投影処理部28cが、新たな二次
元投影データQL (s,h,φ,z)に基いて逆投影処
理を行うことにより二次元逆投影画像rL (x,y,
z)を作成する。
【0055】次に、低周波フィルタリング部28dが、
二次元逆投影画像rL (x,y,z)の内の高周波数域
成分を除去する。即ち、具体的には、各々の二次元逆投
影画像rL (x,y,z)を二次元高速フーリエ変換
(FFT)によって空間周波数領域(X−Y)の二次元
データRL (X,Y,z)に変換し、更に、高周波数域
除去形のフィルタに相当するガウス関数型二次元フィル
タFL (X,Y,z)と積算する。ここで、FL (X,
Y,z)は次式(6)の関数であり、X,Yはスライス
断面に対応する空間周波数、σはカットオフ周波数を決
定する係数であり上記式(5)と同様に求められる。
【0056】
【数6】
【0057】そして、積算結果RL (X,Y,z)・F
L (X,Y,z)について二次元逆フーリエ変換を行う
ことによって、フィルタリング後の二次元逆投影データ
L(x,y,z)を求め、合成処理部29へ転送して一
旦記憶させて、狭角度データ解析が終了する。
【0058】次に、加算処理部29が、次式(7)に示
すように、高周波フィルタリング部27dからの高周波
成分の画像データH(x,y,z)と低周波フィルタリ
ング部28dからの低周波数成分の画像データL(x,
y,z)に適当な荷重ωH ,ωL を掛けて加算・合成す
ることにより被写体10の三次元断層画像の最終データ
即ち高低周波数成分を包含するデータI(x,y,z)
を形成して出力する。尚、荷重ωH ,ωL は各々の測定
における測定時間、視野角度、検出器の検出効率を考慮
して、高低周波成分の画像濃度が等しくなるように決め
られる。
【0059】
【数7】
【0060】このように、この実施例は、広角データ解
析により高周波数域の二次元断層画像を得、狭角データ
解析で低周波数域の二次元断層画像を得て、夫々の二次
元断層画像を合成することによって所定周波数域の三次
元断層画像を最終的に構成するものである。
【0061】従来の技術と対比してこの実施例の効果を
述べれば、従来の技術で正確な三次元断層画像を得るた
めに図17に示したように単純な円軌道走査の他にこれ
と直角の方向への走査を行う場合には、この走査方向に
も充分な解像度の測定が必要であった。これに対してこ
の実施例では、高解像度の測定は、高周波数域の二次元
断層画像を求めるときにのみ行えばよく、低周波断層画
像を求めるときには高い解像力を必要としないので、デ
ータ量が少なくても良く、計算等の処理時間およびメモ
リが少なくて済む。
【0062】一般に、二次元のCT画像再構成では、投
影データのサンプリング間隔および測定方向の角度間隔
は、得ようとする解像度に関係する。その解像度(半値
幅)をdとすると、投影のサンプリング間隔はd/2以
下であることが必要で、被写体の直径をDとすると、一
つの方向の投影データには少なくとも2D/dのデータ
が必要である。また必要な測定方向の数もこれとほぼ等
しく、高周波画像ではスライス断面当り(2D/d)2
のデータが必要である。即ち、スライス断面当りのデー
タ数は解像度の自乗に逆比例する。低周波断面画像は解
像度が低ても良いので、高周波断層画像を構成する場合
に較べてはるかに少ないデータ数でよい。例えば、高周
波断層画像の解像度を1mm、低周波断面画像の解像度
を5mmとすると、低周波断層画像の一つのスライス断
面当たり全データ数は高周波断層画像の場合の25分の
1でよく、測定角度間隔も5倍の低解像度で済む。した
がって、この実施例において低周波断層画像を求める際
のX線コーンビームの視野角を高周波断層画像を求める
際の視野角度と較べてかなり小さくし、それに応じて円
軌道の数を増加することとなっても、低周波断層画像を
得るための投影データの測定時間を、高周波断層画像を
得るための投影データの測定時間と同程度あるいはそれ
以下にできる。又、断層画像再構成に要する計算時間も
データ量に大きく依存し、特に、低周波断層画像の再構
成では、視野角度θ2が十分小さい場合には、三次元逆
投影の代りに二次元逆投影を用いてもよいので、計算時
間が大幅に短縮化される。
【0063】必要な計測時間は検出される放射線の量子
雑音(統計変動)にも関係する。一般に、二次元CT画
像における量子雑音は解像力(半値幅)の3乗に逆比例
するので、上記の例では低周波断層画像のスライス断面
当りに必要な放射線の量は高周波画像に比べて1/
3 、即ち1/125でよい。よって、量子雑音が低周
波画像におよぼす影響は無視できる程度に小さくでき
る。
【0064】以上の点から、この実施例によると、比較
的簡単な走査と再構成アルゴリズムによって、画像歪や
クロストークの少ないコーンビームCT装置を提供する
ことができる。
【0065】次に、第2の実施例を図10に基いて説明
する。尚、この実施例の装置の全体構成は図1に示すも
のと同じである。相違点は、演算部23の構成にあり、
図3に示す先の実施例では、広角度データ解析部27と
狭角度データ解析部28は、逆投影処理部27cと28
cで新たな二次元投影データrH (x,y,z)とrL
(x,y,z)を作成した後、高周波フィルタリング部
27dと低周波フィルタリング部28dがフィルタリン
グ処理を行うことによって、不要な周波数成分を除去し
て画像データH(x,y,z)とL(x,y,z)を得
る構成となっているが、かかる第2の実施例は図10に
示すように、高低周波フィルタリングを先に行った後逆
投影処理を行う構成にしている。
【0066】即ち、図10に示すように、広角度データ
解析部27では、重畳積分部27bが前記式(2)ない
し(4)に基く演算処理によって、投影データQ
H(s,h,φ)を求め、次に高周波フィルタリング部
27dが投影データQH(s,h,φ)に含まれる低周
波領域成分を除去するためのフィルタリング処理を行
う。具体的には、高周波フィルタリング部27dが、次
式(8)に示す高周波フィルタ関数fH(s)を全ての
投影データQH(s,h,φ)の夫々に対して、s方向
に重畳積分することにより、新たな高周波成分投影デー
タQ’H(s,h,φ)を形成する。
【0067】
【数8】
【0068】尚、σは、σ=ξ・|(a+b)/(2t
anθ’)|/2.35の式から求められる。但し、ξ
はある程度任意の値である。次に、逆投影処理部27c
が高周波成分投影データQ’H (s,h,φ)に対して
逆投影処理を行うことにより、全てのスライス面につい
ての二次元逆投影画像を作成する。このように処理する
と、かかる二次元逆投影画像は図3に示した画像H
(x,y,z)と一致することとなり、これが合成処理
部29に入力される。
【0069】一方、狭角度データ解析部28では、ま
ず、低周波フィルタリング部28dが重畳積分部28b
から出力される投影データQL (s,h,φ)に含まれ
る低周波領域成分を除去するためのフィルタリング処理
を行う。具体的には、低周波フィルタリング部28d
が、次式(9)に示す低周波フィルタ関数fL (s)を
全ての投影データQL (s,h,φ,z)の夫々に対し
て、s方向に重畳積分することにより、新たな低周波成
分投影データQ’L (s,h,φ,z)を形成する。
尚、式(9)中のσは、低周波フィルタが高周波フィル
タに対して相補的な周波数特性を有するように定められ
る。
【0070】
【数9】
【0071】次に、逆投影処理部28cが全ての角度φ
についての新たな低周波成分投影データQ’L (s,
h,φ,z)に対して逆投影処理を行うことにより、全
てのスライス断面についての二次元逆投影画像を作成す
る。このように処理すると、かかる二次元逆投影画像は
図3に示した画像L(x,y,z)と一致することとな
り、これが合成処理部29に入力される。
【0072】次に、第3の実施例を図11に基いて説明
する。尚、かかる実施例の装置の全体構成は図1に示す
のと同じである。上記第1及び第2の実施例との相違点
を説明すると、図3及び図10に示す演算部23は、重
畳積分部27b,28bと高周波フィルタリング部27
dと低周波フィルタリング部28dを別個独立に備えて
いるが、本実施例では、図11に示すように、重畳積分
部27eが、重畳積分部27bの再構成フィルタ関数g
(s)と高周波フィルタリング部27dのフィルタ関数
H(s)の両方の特性を有する次式(10)に示すフ
ィルタ関数gH(s)によって、投影データPH(s,
h,φ)への重畳積分及び低周波成分の除去を一括処理
すると共に、重畳積分部28eが、重畳積分部28bの
再構成フィルタ関数g(s)と低周波フィルタリング部
28dのフィルタ関数fL(s)の両方の特性を有する
次式(11)に示すフィルタ関数gL(s)によって、
投影データPL(s,h,φ,z)への重畳積分及び高
周波成分の除去を一括処理する構成となっている。
【0073】
【数10】
【0074】
【数11】
【0075】尚、*はコンボリューション演算子である
ことを示す。
【0076】したがって、この第3の実施例によれば、
図3及び図10中の高周波フィルタリング部27dと低
周波フィルタリング部28dを省略することができ、処
理速度の向上を図ることができる。
【0077】次に、第4の実施例を図12及び図13に
基いて説明する。尚、装置構成は図1とほぼ同様であ
る。但し、相違点は被写体10に対するX線コーンビー
ムの照射方法、即ちX線走査方法にある。図12(a)
に示すように、被写体10の全体にX線を照射するよう
にX線コーンビームが広視野角に固定され、X線管15
とイメージインテンシファイア19の入射面の中心とを
結ぶX線放射中心軸が常に被写体10の中心O(即ち、
x,y,z座標原点)を通るように設定される。そし
て、X線放射中心軸と(x−y)座標平面との成す角度
βを所定のステップ角Δβずつ変化させる様にX線管1
5とイメージインテンシファイア19を傾斜させ、その
角度βの変化毎にX線管15とイメージインテンシファ
イア19を座標軸zを中心とする円軌道に沿って回転さ
せ、所定の回転角φ毎の投影像をカメラ20が撮像す
る。即ち、図12(b)の横断面図に示すように、X線
管15が円軌道を描きながら座標軸zに沿って例えば上
側へ変位すれば、被写体10の中心Oに対して対向位置
にあるイメージインテンシファイア19は円軌道を描き
ながら逆に下側へ変位するようにしてX線走査を行うよ
うになっている。したがって、この場合には、イメージ
ングインテンシファイア19のX線入射面s−hはz軸
に対して傾斜することとなる。
【0078】更に、このX線走査によって得られる投影
データP(s,h,φ,β)は、演算部23に入力され
るが、この実施例では、図13に示すように、図3の入
力部に更にフレームメモリ30が設けられ、カメラ20
からの全ての投影データP(s,h,φ,β)を一旦保
持するようになっている。
【0079】この実施例のX線走査を行うと、全ての投
影データP(s,h,φ,β)の中には、X線ビームの
方向が全てのスライス断面と略平行であるような二次元
投影データPL (s,h,φ,β)が含まれている。よ
って、フレームメモリ30に格納された全ての投影デー
タP(s,h,φ,β)から低周波成分の二次元投影デ
ータPL (s,h,φ,β)を選択的に読出して狭角度
データ収集部28aのフレームメモリに転送される。一
方、全ての投影データP(s,h,φ,β)は、各回転
角φ毎の二次元投影データPH (s,h,φ,β)とし
て、広角度データ収集部27aのフレームメモリに転送
されて夫々記憶される。そして、これらの二次元投影デ
ータPH (s,h,φ,β),PL (s,h,φ,β)
は先の第1の実施例と同じ処理が行われ、合成処理部2
9からは、被写体10の三次元断層画像が再構成する画
像のデータI(x,y,z)が出力される。
【0080】即ち、この第4の実施例によれば、第1の
実施例がX線コーンビームの視野角度を狭角度と広角度
とにモード切換えしたのに対し、広角度のモードだけで
高周波数域と低周波数域の投影データを測定することが
できるので簡便な装置を提供できる。
【0081】但し、図13に示す演算部23は図1の演
算部23を変形したものであるが、図10又は図11に
示す演算部23にフレームメモリ30を付加した構成に
してもよい。
【0082】尚、以上に説明した第1ないし第4の実施
例では、フィルタリングの関数は式(5),(6)及び
式(8),(9)に示した様に、ガウス関数型のものを
用いたが、これらの関数はある程度任意でよく、これら
の低周波フィルタ及び高周波フィルタが空間周波数に対
して互いに相補的(合成すれば1になるもの)であれば
よい。
【0083】又、図3、図10、図11及び図13に示
すように、測定系の受け持つ周波数帯域を2つに分割し
たが、X線コーンビームの最大視野角が大きいほどクロ
ストークの周波数帯域が高くなるので、その測定系の受
け持つ周波数帯域を狭める必要がある。この場合には、
分割する周波数帯域の数を2つに限らず、3つ以上とし
てもよい。この場合にも、夫々の投影データPH (s,
h,φ)に含まれるクロストーク成分が無視できる周波
数帯域に限定するフィルタリングを行い、それらを合成
したとき全体として一様な周波数特性が得られるように
する。
【0084】又、上述したように、円軌道に沿ってX線
走査するだけでなく、螺旋状の軌道に沿ってX線走査す
ることができるが、螺旋状の軌道に沿ってX線走査する
場合は、各周波数帯域の計測が被写体の測定すべき領域
をなるべく一様に走査するようにする。又、1つの螺旋
状軌道の代わりに、回転角度位相が異なる複数の螺旋状
軌道の組み合わせを採用してもよい。
【0085】又、走査は静止した被写体に対して測定系
を動かすようにしてもよいし、静止した測定系に対して
被写体を動かすようにしてもよい。
【0086】又、複数の周波数帯域画像(投影データ)
を測定するには、同一の像検出器を用いて異なった条
件、たとえば像検出器の有効範囲を変更するなどして順
次測定してもよいし、有効範囲の異なる複数の像検出器
を適用してもよい。
【0087】又、コーンビームCTでは放射線が被写体
で散乱されたのち検出されるため、画像のコントラスト
が低下する傾向がある。コーンビームの視野角が大きい
ほど広い角度からの散乱線が計測されるために、この効
果による画質の劣化が著しい。このような場合には、こ
の散乱線の画像への寄与は主として低い空間周波数領域
にあるので、本発明の高周波画像では、高周波フィルタ
リングによってほとんどが除去することができる。一
方、低周波画像の計測では、像検出器の軸方向の視野を
制限するスリット型コリメータを用いることによって散
乱線の影響を低減することができる。
【0088】又、第1ないし第4の実施例は、放射線源
にX線管、像検出手段にイメージインテンシファイアを
適用したX線CT装置であるが、これに限定されるもの
ではない。例えば、放射線源にアイソトープ線源、像検
出手段にガンマカメラ、イメージングプレート、又はシ
ンチレータと光電子増倍管による像検出器、又は二次元
半導***置センサ、又は固体撮像デバイスを適用しても
よい。又、放射線源に光発生器、像検出手段に二次元半
導***置センサ、又は固体撮像デバイス、又は位置検出
型光増倍管を適用してもよい。更に又、放射線源に中性
子発生器、像検出手段に、シンチレータと光電子増倍管
による像検出器を適用してもよい。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、求める三
次元画像の高周波成分及び低周波成分を夫々広視野角の
放射線が被写体を透過したときに得られる投影データ及
び、狭視野角の放射線が被写体を透過したときに得られ
る投影データを用いて、夫々別個に再構成してからこれ
らを合成して三次断層画像を得るもので、従来の二次元
断層画像再構成法を拡張した比較的簡単なアルゴリズム
に基いている。この結果、コンピュータシステムを適用
する等の場合に装置規模の低減化及び処理速度の向上を
図ることができる。
【0090】更に、X線コーンビームの視野角が大きい
場合でも、広視野角の投影データのうち、画像のクロス
トークの原因となる低周波成分は高周波フィルタリング
によって除去されるので、高精細な三次元断層画像を再
構成することができる。
【0091】更に、広視野角の放射線の透過によって得
られる投影データは、予め設定されている複数のスライ
ス断面に対して傾斜方向から透過する放射線に起因する
が、かかる投影データを重畳積分後に逆投影する際にス
ライス断面と逆投影ビームの交差部分における書込み濃
度分布関数によって投影データを補正するので、実際に
即してより精度の良い三次元断層画像を再構成すること
ができる。
【0092】更に、図18に示すように、実際の測定で
は、被写体をX線コーンビーム内に完全に含めて広視野
角でのX線走査を行うことは困難である。例えば、人間
の頭部の三次元断層画像を再構成しようとすれば、必ず
首の部分等がX線コーンビームの範囲内となったり範囲
外となったりして、X線が一様に照射されない部分(図
16の斜線部分Uなど)が存在する。このような場合に
は、従来のコーンビームCTでは、かかる斜線部分Uが
正確な三次元断層画像を再構成することができないが、
本発明によれば、スライス断面毎の二次元断層画像を構
成してから、それらを合成して三次元断層画像を再構成
するので、各スライス断面間での画像のクロストークは
除去され、斜線部分Uがある場合にも歪みの少ない三次
元断層画像を再構成することができる。
【0093】そして、本発明は、例えばX線CT装置等
に適用することによって、医学、生物学分野における基
礎研究、臨床医学の分野における疾患の診断、産業分野
における非破壊検査等において極めて優れた効果を発揮
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図2】図1の要部構成を説明する説明図である。
【図3】図1中の演算部の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】第1の実施例の広角度データ解析時の動作を説
明するための説明図である。
【図5】第1の実施例の狭角度データ解析時の動作を説
明するための説明図である。
【図6】シェップローガンの再構成フィルタの実空間特
性を示す説明図である。
【図7】書込み関数の機能を説明するための説明図であ
る。
【図8】第1の実施例で適用される再構成フィルタの実
空間特性を示す説明図である。
【図9】第1の実施例の逆投影処理の原理を説明するた
めの説明図である。
【図10】第2の実施例の要部構成を示すブロック図で
ある。
【図11】第3の実施例の要部構成を示すブロック図で
ある。
【図12】第4の実施例におけるX線走査の原理を説明
するための説明図である。
【図13】第4の実施例の要部構成を示すブロック図で
ある。
【図14】従来の透過型二次元断層撮影装置の原理を示
す原理説明図である。
【図15】従来の透過型二次元断層撮影装置における投
影データの発生原理を示す原理説明図である。
【図16】従来のコーンビーム型CT装置の原理を示す
原理説明図である。
【図17】従来のコーンビーム型CT装置に必要とされ
るX線管の焦点の軌道を表わす説明図である。
【図18】従来のコーンビーム型CT装置における問題
点を説明する為の説明図である。
【符号の説明】
10…被写体、11…試料台、12…駆動装置、13…
試料台駆動部、14…位置検出部、15…X線管、1
6,21…コリメータ、17…高圧発生部、18,22
…コリメータ駆動部、23…演算部、24…システム制
御部、25…入力部、26…表示部、27…広角度デー
タ解析部、27a…広角度データ収集部、27b…重畳
積分部、27c…逆投影処理部、27d…高周波フィル
タリング部、27e…高周波フィルタリング機能を備え
た重畳積分部、28…狭角度データ解析部、28a…狭
角度データ収集部、28b…重畳積分部、28c…逆投
影処理部、28d…低周波フィルタリング部、28e…
低周波フィルタリング機能を備えた重畳積分部、29…
合成処理部、30…フレームメモリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−235839(JP,A) 特開 平6−47039(JP,A) 特表 平4−505067(JP,A) 特表 平4−505068(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 6/03

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体に対して、放射線を任意の視野角
    でコーン状に放射する放射線源と、 該被写体内を透過した透過放射線を二次元的に検出する
    ことにより、二次元投影データを発生する像検出手段
    と、 該放射線及び像検出手段又は被写体のいずれか一方を螺
    旋状の軌道又は複数の円状の軌道に沿って相対回転させ
    つつ該軌道面と直交する方向に相対移動出来る駆動手段
    と、 上記放射線源が上記被写体全体を包含する広視野角のコ
    ーン状の放射線を放射させた状態で、上記駆動手段が上
    記相対回転駆動を行うときに、所定の回転角毎に上記像
    検出手段が検出する第1の二次元投影データを入力し、
    第1の二次元投影データに所定の再構成フィルタを重畳
    積分して得られる新たな二次元投影データに基いて、予
    め設定されている複数のスライス断面に対応する逆投影
    画像を形成すると共に、逆投影画像の所定の高周波成分
    に基いて各々のスライス断面に対応する二次元断層画像
    を再構成する広角度データ解析手段と、 上記放射線源が上記被写体の一部分に対して放射させた
    状態で、上記駆動手段が上記相対回転駆動及び上記相対
    移動を行うときに、所定の回転角毎に上記像検出手段が
    検出する第2の二次元投影データを入力し、第2の二次
    元投影データに所定の再構成フィルタを重畳積分して得
    られる新たな二次元投影データに基いて、予め設定され
    ている複数のスライス断面に対応する逆投影画像を形成
    すると共に、逆投影画像の所定の低周波成分に基いて各
    々のスライス断面に対応する二次元断層画像を再構成す
    る狭角度データ解析手段と、 上記広角度データ解析手段と狭角度データ解析手段で再
    構成された上記両二次元断層画像を合成して三次元断層
    画像を再構成する構成処理手段と、を具備することを特
    徴とする透過型三次元断層撮影装置。
  2. 【請求項2】 被写体に対して、放射線を任意の視野角
    でコーン状に放射する放射線源と、 該被写体内を透過した透過放射線を二次元的に検出する
    ことにより、二次元投影データを発生する像検出手段
    と、 該放射線及び像検出手段又は被写体のいずれか一方を螺
    旋状の軌道又は複数の円状の軌道に沿って相対回転させ
    つつ該軌道面と直交する方向に相対移動出来る駆動手段
    と、 上記放射線源が上記被写体全体を包含する広視野角のコ
    ーン状の放射線を放射させた状態で、上記駆動手段が上
    記相対回転駆動を行うときに、所定の回転角毎に上記像
    検出手段が検出する第1の二次元投影データを入力し、
    第1の二次元投影データに所定の再構成フィルタを重畳
    積分して得られる新たな二次元投影データの所定の高周
    波成分に基いて、予め設定されている複数のスライス断
    面に対応する逆投影画像を形成することにより、各々の
    スライス断面に対応する二次元断層画像を再構成する広
    角度データ解析手段と、 上記放射線源が上記被写体の一部分に対して放射させた
    状態で、上記駆動手段が上記相対回転駆動及び上記相対
    移動を行うときに、所定の回転角毎に上記像検出手段が
    検出する第2の二次元投影データを入力し、第2の二次
    元投影データに所定の再構成フィルタを重畳積分して得
    られる新たな二次元投影データの所定の低周波成分に基
    いて、予め設定されている複数のスライス断面に対応す
    る逆投影画像を形成することにより、各々のスライス断
    面に対応する二次元断層画像を再構成する狭角度データ
    解析手段と、 上記広角度データ解析手段と狭角度データ解析手段で再
    構成された上記両二次元断層画像を合成して三次元断層
    画像を再構成する構成処理手段と、を具備することを特
    徴とする透過型三次元断層撮影装置。
  3. 【請求項3】 被写体に対して、放射線を任意の視野角
    でコーン状に放射する放射線源と、 該被写体内を透過した透過放射線を二次元的に検出する
    ことにより、二次元投影データを発生する像検出手段
    と、 該放射線及び像検出手段又は被写体のいずれか一方を螺
    旋状の軌道又は複数の円状の軌道に沿って相対回転させ
    つつ該軌道面と直交する方向に相対移動出来る駆動手段
    と、 上記放射線源が上記被写体全体を包含する広視野角のコ
    ーン状の放射線を放射させた状態で、上記駆動手段が上
    記相対回転駆動を行うときに、所定の回転角毎に上記像
    検出手段が検出する第1の二次元投影データを入力し、
    第1の二次元投影データに所定の再構成フィルタリング
    及び所定低周波成分除去フィルタリング処理を行うこと
    により新たな二次元投影データを形成すると共に、該新
    たな二次元投影データに基いて、予め設定されている複
    数のスライス断面に対応する逆投影画像を形成すること
    により、各々のスライス断面に対応する二次元断層画像
    を再構成する広角度データ解析手段と、 上記放射線源が上記被写体の一部分に対して放射させた
    状態で、上記駆動手段が上記相対回転駆動及び上記相対
    移動を行うときに、所定の回転角毎に上記像検出手段が
    検出する第2の二次元投影データを入力し、第2の二次
    元投影データに所定の再構成フィルタリング及び所定高
    周波成分除去フィルタリング処理を行うことにより新た
    な二次元投影データを形成すると共に、該新たな二次元
    投影データに基いて、予め設定されている複数のスライ
    ス断面に対応する逆投影画像を形成することにより、各
    々のスライス断面に対応する二次元断層画像を再構成す
    る狭角度データ解析手段と、 上記広角度データ解析手段と狭角度データ解析手段で再
    構成された上記両二次元断層画像を合成して三次元断層
    画像を再構成する構成処理手段と、を具備することを特
    徴とする透過型三次元断層撮影装置。
  4. 【請求項4】 被写体に対し該被写体の全体を包含する
    広視野角のコーン状の放射線を放射する放射線源と、 該被写体内を透過した透過放射線を二次元的に検出する
    ことにより、二次元投影データを発生する像検出手段
    と、 該放射線源と像検出手段を被写体の所定原点を中心とし
    て所定方向に対向移動させつつ、該被写体に対して該放
    射線源及び像検出手段を螺旋状の軌道又は複数の円状の
    軌道に沿って相対回転出来る駆動手段と、 上記相対回転によって上記像検出手段が検出する所定回
    転角毎に得られる第1の二次元投影データを入力し、第
    1の二次元投影データに所定の再構成フィルタを重畳積
    分して得られる新たな二次元投影データに基いて、予め
    設定されている複数のスライス断面に対応する逆投影画
    像を形成すると共に、逆投影画像の所定の高周波成分に
    基いて各々のスライス断面に対応する二次元断層画像を
    再構成する広角度データ解析手段と、 上記二次元投影データの内、予め決められた複数のスラ
    イス断面に対して略水平に透過した第2の二次元投影デ
    ータを入力し、第2の二次元投影データに所定の再構成
    フィルタを重畳積分して得られる新たな二次元投影デー
    タに基いて、予め設定されている複数のスライス断面に
    対応する逆投影画像を形成すると共に、逆投影画像の所
    定の低周波成分に基いて各々のスライス断面に対応する
    二次元断層画像を再構成する狭角度データ解析手段と、 上記広角度データ解析手段と狭角度データ解析手段で再
    構成された上記両二次元断層画像を合成して三次元断層
    画像を再構成する構成処理手段と、を具備することを特
    徴とする透過型三次元断層撮影装置。
  5. 【請求項5】 被写体に対し該被写体の全体を包含する
    広視野角のコーン状の放射線を放射する放射線源と、 該被写体内を透過した透過放射線を二次元的に検出する
    ことにより、二次元投影データを発生する像検出手段
    と、 該放射線源と像検出手段を被写体の所定原点を中心とし
    て所定方向に対向移動させつつ、該被写体に対して該放
    射線源及び像検出手段を螺旋状の軌道又は複数の円状の
    軌道に沿って相対回転出来る駆動手段と、 上記相対回転によって上記像検出手段が検出する所定回
    転角毎に得られる第1の二次元投影データを入力し、第
    1の二次元投影データに所定の再構成フィルタを重畳積
    分して得られる新たな二次元投影データの所定の高周波
    成分に基いて、予め設定されている複数のスライス断面
    に対応する逆投影画像を形成することにより、各々のス
    ライス断面に対応する二次元断層画像を再構成する広角
    度データ解析手段と、 上記二次元投影データの内、予め決められた複数のスラ
    イス断面に対して略水平に透過した第2の二次元投影デ
    ータを入力し、第2の二次元投影データに所定の再構成
    フィルタを重畳積分して得られる新たな二次元投影デー
    タの所定の低周波成分に基いて、予め設定されている複
    数のスライス断面に対応する逆投影画像を形成すること
    により、各々のスライス断面に対応する二次元断層画像
    を再構成する狭角度データ解析手段と、 上記広角度データ解析手段と狭角度データ解析手段で再
    構成された上記両二次元断層画像を合成して三次元断層
    画像を再構成する構成処理手段と、を具備することを特
    徴とする透過型三次元断層撮影装置。
  6. 【請求項6】 被写体に対し該被写体の全体を包含する
    広視野角のコーン状の放射線を放射する放射線源と、 該被写体内を透過した透過放射線を二次元的に検出する
    ことにより、二次元投影データを発生する像検出手段
    と、 該放射線源と像検出手段を被写体の所定原点を中心とし
    て所定方向に対向移動させつつ、該被写体に対して該放
    射線源及び像検出手段を螺旋状の軌道又は複数の円状の
    軌道に沿って相対回転出来る駆動手段と、 上記相対回転によって上記像検出手段が検出する所定回
    転角毎に得られる第1の二次元投影データを入力し、第
    1の二次元投影データに所定の再構成フィルタリング及
    び所定低周波成分除去フィルタリング処理を行うことに
    より新たな二次元投影データを形成すると共に、該新た
    な二次元投影データに基いて、予め設定されている複数
    のスライス断面に対応する逆投影画像を形成することに
    より、各々のスライス断面に対応する二次元断層画像を
    再構成する広角度データ解析手段と、 上記二次元投影データの内、予め決められた複数のスラ
    イス断面に対して略水平に透過した第2の二次元投影デ
    ータを入力し、第2の二次元投影データに所定の再構成
    フィルタリング及び所定高周波成分除去フィルタリング
    処理を行うことにより新たな二次元投影データを形成す
    ると共に、該新たな二次元投影データに基いて、予め設
    定されている複数のスライス断面に対応する逆投影画像
    を形成することにより、各々のスライス断面に対応する
    二次元断層画像を再構成する狭角度データ解析手段と、 上記広角度データ解析手段と狭角度データ解析手段で再
    構成された上記両二次元断層画像を合成して三次元断層
    画像を再構成する構成処理手段と、を具備することを特
    徴とする透過型三次元断層撮影装置。
  7. 【請求項7】 前記広角度データ解析手段は、新たな二
    次元投影データに対して、逆投影の際に投影データを書
    き込むビームが前記予め設定されているスライス断面と
    交差する部分における書き込み濃度の分布に対応する分
    布関数を重畳することを特徴とする請求項1ないし請求
    項6のいずれか1項記載の透過型三次元断層撮影装置。
  8. 【請求項8】 前記放射線源はX線発生器、前記像検出
    手段はX線イメージングインテンシファイアであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項記
    載の透過型三次元断層撮影装置。
  9. 【請求項9】 前記放射線源はアイソトープ線源、前記
    像検出手段は、ガンマカメラ、又はイメージングプレー
    ト、又はシンチレータと光電子増倍管による像検出器、
    又は二次元半導***置センサ、又は固体撮像デバイスか
    ら成ることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいず
    れか1項記載の透過型三次元断層撮影装置。
  10. 【請求項10】 前記放射線源は光発生器、前記像検出
    手段は、二次元半導***置センサ、又は固体撮像デバイ
    ス、又は位置検出型光電子増倍管から成ることを特徴と
    する請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の透過
    型三次元断層撮影装置。
  11. 【請求項11】 前記放射線源は中性子発生器、前記像
    検出手段は、シンチレータと光電子増倍管による像検出
    器であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のい
    ずれか1項記載の透過型三次元断層撮影装置。
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