JP3288949B2 - 擬似増毛材の吹き付け装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、頭部の局所的に毛髪の
薄くなった部分を補う際に好適に用いることができる擬
似増毛材の吹き付け装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
ように、頭部の局所的に毛髪の薄くなった部分を一時的
に補う従来技術として、例えば、特公昭４８−４００３
６号公報に記載されているような方法（装置）が一般的
である。この方法は、容器に設けた網孔を通じて擬似増
毛材を頭部の局所的に毛髪の薄くなった部分に振りか
け、次いで、櫛やブラシ等でといて地毛に馴染ませるも
のである。しかし、上記方法（装置）は、擬似増毛材の
吐出量にムラが生じ易く、且つ目標とする毛髪の薄くな
った部分に吹き付けづらいため、効果及び使い勝手の点
で満足の得られるものではなかった。

【０００３】また、特公平６−２６６８４号公報に記載
されているような方法（装置）が提案されている。この
方法（装置）は、噴射ガスを直接擬似増毛材に噴射せし
め、その噴射圧力によって擬似増毛材を拡散させ毛髪の
薄くなった部分に吹付け、次いで、櫛やブラシ等でとい
て地毛に馴染ませるものである。しかし、上記方法（装
置）では、噴射ガスを直接擬似増毛材に噴射せしめ、そ
の噴射圧力によって擬似増毛材を拡散させるため、上記
拡散空間の大きさにより、擬似増毛材の吐出量に大きな
変動をきたしていた。また、上記噴射ガスとして液化ガ
スを用いた場合には、その気化熱によりガスが冷却さ
れ、その結果として擬似増毛材に霜がついて擬似増毛材
の拡散が不十分となる場合があった。更に、この装置
は、液状組成物を同時に噴射できるものではなかった。

【０００４】また、擬似増毛材の吹き付け装置ではない
が、コラーゲン微小繊維等の微小繊維素材の吐出装置が
特開平６−１４２５６２号公報に記載されている。この
装置は、コラーゲン微小繊維を収納した容器部内にガス
を噴射して該容器部内にジェット気流を生じさせ、該ジ
ェット気流により生じる陰圧により微小繊維素材を該ジ
ェット気流に取り込ませて微小繊維素材を該ジェット気
流とともに外部に噴射させるものである。しかし、この
装置における容器部は、本体と着脱自在な蓋部とからな
るため、嵌合部からのガス漏れや外部エアーの吸引によ
り吐出量にムラを生じるおそれがあった。また、微小繊
維素材を使い切った場合には新たな微小繊維素材を補充
する必要があるが、その補充の際には内部に残留する微
小繊維素材等により周囲や手を汚すことが避けられない
ものであった。

【０００５】従って、本発明の第１の目的は、粉状又は
短繊維状の擬似増毛材を、頭部の局所的に毛髪の薄くな
った部分に、連続的且つ安定な噴射をもって吹き付ける
ことができるとともに、擬似増毛材を収納する容器又は
噴射用ガスを収納する容器を交換することにより、周囲
や手を汚すことなく擬似増毛材又は噴射用ガスを容易に
補充することのできる擬似増毛材の吹き付け装置を提供
することにある。

【０００６】また、本発明の第２の目的は、粉状又は短
繊維状の擬似増毛材を、頭部の局所的に毛髪の薄くなっ
た部分に、連続的且つ安定な噴射をもって吹き付けるこ
とができるとともに、吹き付けられた擬似増毛材の地毛
又は頭皮への付着力を向上させることができる擬似増毛
材の吹き付け装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に記載
の発明は、粉状又は短繊維状の擬似増毛材を収納する第
１の収納容器と噴射用ガスを収納する第２の収納容器と
を備え、上記第１の収納容器と上記第２の収納容器とは
連結体を介して着脱自在に連結されており、上記第２の
収納容器には、上記噴射用ガスを上記第１の収納容器内
に噴射ノズルを介して噴射する噴射機構が配設され、上
記第１の収納容器には、上記噴射ノズルの軸芯と同一直
線上に軸芯を有し且つ該噴射ノズル先端の噴射口の口径
よりも大きい口径を有する上記擬似増毛材の吐出口が形
成され、上記噴射機構の操作により、上記噴射ノズルか
ら上記噴射用ガスが噴射され該噴射用ガスによって上記
擬似増毛材が上記吐出口から所定部位に向けて噴出され
るようになされており、上記擬似増毛材の吐出口と上記
噴射ノズルの噴射口との距離を変化させることにより該
吐出口から吐出される擬似増毛材の量を増減調節する吐
出量調節機構を備え、該吐出量調節機構は、上記吐出口
と上記噴射口との間の上記距離を、上記第１の収納容器
に螺合させた調整部材を回転させて増減するようになさ
れている擬似増毛材の吹き付け装置を提供することによ
り、上記第１の目的を達成したものである。

【０００８】また、本発明の請求項３に記載の発明は、
粉状又は短繊維状の擬似増毛材を収納する第１の収納容
器と、第１の噴射用ガスを収納する第２の収納容器と、
毛髪固定用液状組成物及び第２の噴射用ガスを収納する
第３の収納容器と、上記第１の噴射用ガスを上記第１の
収納容器内に噴射ノズルを介して噴射すると共に上記第
２の噴射用ガスによって上記毛髪固定用液状組成物を所
定部位に向けて噴射する噴射機構とを備え、上記第１の
収納容器には、上記噴射ノズルの軸芯と同一直線上に軸
芯を有し且つ該噴射ノズル先端の噴射口の口径よりも大
きい口径を有する上記擬似増毛材の吐出口が形成され、
上記噴射機構の操作により、上記毛髪固定用液状組成物
が所定部位に向けて噴射されるとともに、上記噴射ノズ
ルから噴射された上記第１の噴射用ガスによって上記擬
似増毛材が上記吐出口を介して上記所定部位に向けて噴
出されるようになされており、上記擬似増毛材の吐出口
と上記噴射ノズルの噴射口との距離を変化させることに
より該吐出口を介して吐出される擬似増毛材の量を増減
調節する吐出量調節機構を備え、該吐出量調節機構は、
上記吐出口と上記噴射口との間の上記距離を、上記第１
の収納容器に螺合させた調整部材を回転させて増減する
ようになされている似増毛材の吹き付け装置を提供する
ことにより、上記第２の目的を達成したものである。

【０００９】以下、本発明を適用した具体的な実施形態
について図面を参照しながら説明する。ここで、図１及
び図２は、本実施形態（第１実施形態）の擬似増毛材の
吹き付け装置を示す図であり、図１（ａ）は平面図、図
１（ｂ）は側断面図であり、図２は使用時の状態を示す
模式図である。図において、符号１は、擬似増毛材の吹
き付け装置（以下、「吹き付け装置」という）を示して
いる。

【００１０】図１に示したように、本発明の第１の実施
形態の吹き付け装置１は、粉状又は短繊維状の擬似増毛
材２を収納する第１の収納容器３と噴射用ガスを収納す
る第２の収納容器４とを備え、上記第１の収納容器３と
上記第２の収納容器４とは、該第１の収納容器３に連設
された連結体３０を介して着脱自在に連結されいる。そ
して、上記第２の収納容器４には、上記噴射用ガスを上
記第１の収納容器３内に噴射ノズル５を介して噴射する
噴射機構が配設され、上記第１の収納容器３には、上記
噴射ノズル５の軸芯と同一直線上に軸芯を有し且つ該噴
射ノズル５先端の噴射口５０の口径よりも大きい口径を
有する上記擬似増毛材２の吐出口３１が形成され、上記
噴射機構の操作により、上記噴射ノズル５から上記噴射
用ガスが噴射され該噴射用ガスによって上記擬似増毛材
２が上記吐出口３１から所定部位に向けて噴出されるよ
うになされている。

【００１１】以下、第１実施形態の吹き付け装置１につ
いて詳細に説明する。図１に示したように、本実施形態
の吹き付け装置１は、粉状又は短繊維状の擬似増毛材２
を収納する第１の収納容器３と噴射用ガスを充填する円
筒状体の第２の収納容器４とを備え、上記第１の収納容
器３と上記第２の収納容器４とが、該第１の収納容器３
に連設された連結体３０を介して着脱自在に連結された
概略構成を有する。

【００１２】上記第１の収納容器３は、平断面形状が略
矩形であり、円弧状の曲面とされた上壁部を有する第１
部材３２と、平断面形状が略矩形の有底箱状体である第
２部材３３とを脱着不可能に接着してなる。上記第１部
材３２の背面部３２ｂには、上記第２の収納容器４の上
方に嵌合係止される環状体の連結体３０が連設されてい
る。該連結体３０は、上記第１の収納容器３と一体成形
により形成され、又は別に成形したもの溶着等により第
１の収納容器３に結合させてなる。上記連結体３０は、
図１に示されるように、上部に内側方向に突出する環状
のストッパー部３０ａが形成された上記第２の収納容器
４の外径に略等しい内径を有する環状体であり、上記第
２の収納容器４の上方に嵌合係止されるようになされて
いる。そして、上記第１の収納容器３と上記第２の収納
容器４とは、後述する噴射機構のジョイント管８を上記
噴射ノズル５から外した後、該第２の収納容器４の上方
に嵌合係止された上記連結体３０を上方に引き上げるこ
とにより、容易に分離することができるようになってい
る。

【００１３】上記第１の収納容器３には、上記背面部３
２ｂの上部中央に上記噴射ノズル５の取付口３４が形成
され、該取付口３４と相対する正面部３２ａの上部中央
には上記擬似増毛材２の吐出口３１が形成されている。
上記吐出口３１は、断面円形状で、その内径はその両端
において同じである。吐出口３１の容器内部側の端部に
おける内径は、上記取付口３４に嵌入固定される噴射ノ
ズル５の噴射口５０の容器内部側の内径よりも大きくな
っている。上記取付口３４は、断面円形状の形態を有
し、嵌入固定される噴射ノズル５の噴射口５０の軸芯が
上記吐出口３１の軸芯と同一直線上になるような位置に
形成されている。

【００１４】本発明における擬似増毛材の吐出口の口径
及び噴射ノズル先端の噴射口の口径は、それぞれそれら
の第１の収納容器側の端部における内径を意味する。そ
して、本実施形態の擬似増毛材の吹き付け装置における
上記吐出口の口径Ｒ₁ 、上記噴射ノズル５先端の噴射口
の口径Ｒ₂ 、これらの口径の比（Ｒ₁ ／Ｒ₂ ）及び上記
吐出口と上記噴射口との間の距離Ｌ並びにこれらの〔好
ましい値〕を示すと以下の通りである。尚、下記各項目
において、最初に記載した数値が本実施形態における各
部の数値である。 ・吐出口の口径Ｒ₁ ；４ｍｍ〔３〜１０ｍｍ、特に４〜
７ｍｍ〕。 ・噴射口の口径Ｒ₂ ；０．５ｍｍ；〔０．２〜１．０ｍ
ｍ、特に０．４〜０．８ｍｍ〕。 ・口径の比（Ｒ₁ ／Ｒ₂ ）；８〔３〜５０、特に５〜１
５〕。 ・吐出口及び噴射口間の距離Ｌ；（図５参照）；４４ｍ
ｍ〔３０〜６０ｍｍ、特に３４〜５４ｍｍ〕。

【００１５】上記第２の収納容器４は、上端部にスプリ
ングを介して配設されたノズル部材６を押し下げること
によって、内部に充填された噴射用ガスを噴射すること
ができる従来公知のエアゾール容器を主体として構成さ
れている。上記ノズル部材６の上端部には、互いに連通
する垂直管路及び水平管路を内部に有し、上記噴射用ガ
スを上記第１の収納容器３内に導くボタン７が嵌着され
ている。さらに、該ボタン７の水平管部７０の先端部に
は、上記第１の収納容器３内の上部において噴射用ガス
を水平方向に噴射し得るように配設された噴射ノズル５
が可撓性を有するジョイント管８を介して取り付けられ
ている。ここで、ノズル部材６、ボタン７及びジョイン
ト管８は、上記噴射機構を構成している。

【００１６】上記噴射ノズル５は、金属製の中空管体で
あり、その先端部に他の部分より内径の小さい噴射口５
０が形成されている。該噴射ノズル５の軸方向中心位置
より後端部よりの位置には、周方向に張り出した環状突
出部５１が形成されている。噴射ノズル５は、噴射口５
０が形成された先端部から該環状突出部５１までの部分
を上記第１の収納容器の取付口３４に嵌入させた状態で
固定され、該環状突出部５１よりも後端側には、可撓性
を有するゴム製の上記ジョイント管８が接続されてい
る。そして、このジョイント管８を介して上記噴射ノズ
ル５と上記噴射機構とは、分離及び連結が可能となって
いる。詳細には、上記噴射ノズル５の該ジョイント管８
の接続部には、外周方向に突出する環状の離脱防止用の
突起（図示せず）が３本形成されており、使用時等にジ
ョイント管８の内圧が上昇した程度ではジョイント管８
が抜け落ちないようになっているが、手で噴射ノズル５
からジョイント管８を引き抜くことは容易にできるよう
になっている。

【００１７】次に、上記第１実施形態の擬似増毛材の吹
き付け装置の使用方法の一例について説明する。まず、
上記第１の収納容器３に粉状又は短繊維状の擬似増毛材
２を、第２の収納容器４内に噴射用ガスを充填ないし収
納しておく。そして、エアゾール容器４を手で握った状
態で、鏡等で確認しながら、頭部の擬似増毛材を吹き付
けたい部分に上記吐出口３１を向け、上記第２の収納容
器４に配設された噴射機構を操作して動作させる。具体
的には上記ボタン７を下方に押圧する。押圧によりボタ
ン７が押し下げられるとノズル部材６も同時に押し下げ
られ、その結果、第２の収納容器４内に収納ないし充填
された噴射用ガスが上記ノズル部材６、ボタン７、ジョ
イント管８及び噴射ノズル５を通じて第１の収納容器３
内に噴射される。

【００１８】上記第１の収納容器内に噴射された噴射用
ガスは、図２に示すように、上記吐出口３１に向かって
直進し該吐出口３１内を通過して外部へ噴出する。上記
噴射ノズル５から噴射されたガスジェット流の断面積
は、噴射口５０を出た直後に対し、吐出口３１に入る部
分で多少増大するが、吐出口３１の口径の方が噴射５０
の口径よりも大きいので、ガスジェット流が上記第１の
収納容器３を循環することはない。このガスジェット流
により上記第１の収納容器内が陰圧を発生するととも
に、収納容器３内のこの流速の外周部分と接触する気体
が引きずられて動き出し、収納容器内に転流を生じる。

【００１９】上記擬似増毛材２は、この転流にのって収
納容器３内を循環する。従って、擬似増毛材２に直接噴
射用ガスを噴射する場合のように擬似増毛材に霜が付く
というおそれがなく、また、擬似増毛材同士が圧縮によ
り絡み合ったり、圧着したりすることにより固まりにな
るということもない。そして、このジェット流に近づい
た擬似増毛材は陰圧によりこのジェット流内に引きずり
込まれ、上記吐出口３１より噴出して頭部の局部的に毛
髪の薄くなった部分等所望の部位に吹き付けられる。

【００２０】本実施形態の吹き付け装置１によれば、こ
のようにして、上記噴射ボタン７を押すだけで簡単に粉
状又は短繊維状の擬似増毛材を頭部の毛髪の薄くなった
部分に連続的に且つ安定な噴射をもって吹き付けること
ができる。更に、上記擬似増毛材が上記転流にのって上
記第１の収納容器３内を循環する際、収納容器内におい
て擬似増毛材同士は激しく接触し合い、その接触摩擦に
よって生じた静電気が当該擬似増毛材に帯電するため、
吹き付けられた擬似増毛材は静電気の作用により地毛又
は頭皮に対し良好に付着する。従って、本実施形態の吹
き付け装置１によれば、上記噴射ボタン７を押すだけで
簡単に擬似増毛材を頭部の毛髪の薄くなった部分に連続
的に且つ安定な噴射をもって吹き付けることができると
ともに、吹き付けられた擬似増毛材は十分な地毛又は頭
皮への付着力を有する。尚、図２における４０は、所望
により吐出口３１に装着されて使用されるラッパ管であ
り、吐出口３１と頭部との間に一定以上の距離を保つこ
とで、当該擬似増毛材の吹き付け状態を常に好適なもの
にすることに役立つとともに、頭部以外への擬似増毛材
の飛散を防止し、ねらった部分へのより正確な吹き付け
を可能とするものである。

【００２１】更に、本実施形態の吹き付け装置によれ
ば、第１の収納容器と第２の収納容器とが上記連結体を
介して着脱自在になっているため、第１の収納容器３内
に収納された擬似増毛材を使い切った場合、あるいは、
選択した擬似増毛材の色等が自分の毛髪の色等に合わな
いと判断した場合等に、第１の収納容器を新しい収納容
器あるいは所望の色の擬似増毛材が収納された収納容器
に容易に交換することができる。従って、吹き付けの途
中で擬似増毛材がなくなった場合であっても収納容器の
交換により直ちに吹き付けを再開することができ、ま
た、順次異なる色の擬似増毛材を収納した収納容器に交
換し、自分の毛髪の色に最も調和する色の擬似増毛材を
選択して使用するという使用方法も可能である。また、
この交換に際して擬似増毛材により周囲や手を汚すこと
もない。

【００２２】また、第２の収納容器であるエアゾール容
器４中の噴射用ガスがなくなった場合にも、該エアゾー
ル容器４を容易に新しいエアゾール容器４’に交換する
ことができる。従って、極めて簡単に噴射用ガスを補充
することができ、第１の収納容器内に残存する擬似増毛
材を最後まで無駄なく効率的に使用することができる。

【００２３】図３及び図４は、本発明に係る擬似増毛材
の吹き付け装置の第２の実施形態を示す図であり、図３
は側断面図、図４は図３におけるＡ−Ａ’線断面図であ
る。図において、符号１０は、擬似増毛材の吹き付け装
置（以下、「吹き付け装置」という）を示している。

【００２４】図３に示したように、本発明の第２の実施
形態の吹き付け装置１０は、有底のケース体１１内に、
粉状又は短繊維状の擬似増毛材を収納する擬似増毛材収
納容器３（第１の収納容器）と、第１の噴射用ガスを収
納するエアゾール容器４（第２の収納容器）と、毛髪固
定用液状組成物及び第２の噴射用ガスを収納するエアゾ
ール容器（第３の収納容器）１２と、上記第１の噴射用
ガスを上記擬似増毛材収納容器３内に噴射ノズル５を介
して噴射すると共に上記第２の噴射用ガスによって上記
毛髪固定用液状組成物を所定部位に向けて噴射する噴射
機構１３とを備えた概略構成を有する。そして、本実施
形態における擬似増毛材収納容器３及び噴射ノズル５
は、上記第１実施形態における第１の収納容器及び噴射
ノズル５と同一の構成を有する。そして、上記擬似増毛
材収納容器３には、上記噴射ノズル５の軸芯と同一直線
上に軸芯を有し且つ該噴射ノズル５先端の噴射口５０の
口径よりも大きい口径を有する擬似増毛材２の吐出口３
１が形成されており、該吐出口３１の口径、該噴射ノズ
ル５先端の噴射口５０の口径及び両者間の距離Ｌ並びに
好ましい数値範囲等も上記実施形態におけるのと同様で
ある。

【００２５】そして、本実施形態の擬似増毛材の吹き付
け装置においては、上記噴射機構１３の操作により、上
記毛髪固定用液状組成物が所定部位に向けて噴射される
とともに、上記噴射ノズル５から噴射された上記第１の
噴射用ガスによって上記擬似増毛材２が上記吐出口３１
を介して噴出開口部１５ｂから所定部位に向けて噴出さ
れるようになされている。

【００２６】上記ケース体１１は、図４に示すようにＢ
−Ｂ’面により分割可能な構造になっており、その内部
に、上記擬似増毛材収納容器３、上記エアゾール容器４
及びエアゾール容器１２が、それぞれ単独で着脱自在に
収納される。そして、該ケース体１１内には、上記擬似
増毛材収納容器３、上記エアゾール容器４及びエアゾー
ル容器１２を該ケース体１１内に保持固定するための固
定壁部１４ａ、１４ｂ及び１４ｃが形成されており、更
に固定用部材１４ｄがそれぞれ所定位置に配設されてい
る。

【００２７】上記固定壁部１４ｃには、上記エアゾール
容器４及びエアゾール容器１２を配設したときにエアゾ
ール容器４及びエアゾール容器１２と軸芯を略同じくし
且つ後述する噴射ボタン１５の脚部をそれぞれ挿通可能
な挿通孔が形成されており、エアゾール容器４及びエア
ゾール容器１２を配設したときに、それらのノズル部材
４ａ，１２ａが該挿通孔から上方に突出するようになし
てある。

【００２８】上記エアゾール容器４は、上端部にスプリ
ングを介して配設されたノズル部材４ａを押しさげるこ
とによって、内部に充填された噴射用ガスを噴射するこ
とができる従来公知のエアゾール容器を主体として構成
されており、上記エアゾール容器１２は、上端部にスプ
リングを介して配設されたノズル部材１２ａを押しさげ
ることによって、内部に充填された噴射用ガス及び毛髪
固定用液状組成物を噴射することができる従来公知のエ
アゾール容器を主体として構成されている。上記エアゾ
ール容器４のノズル部材４ａ及び上記エアゾール容器１
２のノズル部材１２ａには、上記噴射ボタン１５が嵌着
されており、該噴射ボタン１５を押し下げることによ
り、該噴射ボタン１５の二つの脚部が同時に両ノズル部
材４ａ、１２ａを押し下げられるようになしてある。

【００２９】上記噴射ボタン１５には、エアゾール容器
４内に収納された第１の噴射用ガスを噴射するための噴
射口１６と、エアゾール容器１２内の第２の噴射用ガス
及び毛髪固定用液状組成物を噴射するための噴射口１７
とが形成されており、これらは、それぞれ逆方向に向け
て噴射用ガス又は噴射用ガス及び毛髪固定用液状組成物
を噴射するようになされている。更に、上記噴射ボタン
１５の上記噴射口１６及び上記噴射口１７が形成された
位置よりも上方には、上記第１の噴射用ガスによって上
記擬似増毛材収納容器３の吐出口３１から吐出された擬
似増毛材を外部に導くための噴出管路１５ａが略水平に
形成されている。

【００３０】上記噴射口１６には、可撓性を有するゴム
製のジョイント管８’が嵌着されており、該ジョイント
管８’の他端は、上記擬似増毛材収納容器３の取付口に
装着固定された上記噴射ノズル５に接続されている。そ
して、上記噴出口１６から噴射された第１の噴射用ガス
が、該ジョイント管８’を通じて上記噴射ノズル先端の
噴射口５０から上記擬似増毛材収納容器３内に噴射され
るようになされている。上記擬似増毛材収納容器３の背
面部３２ｂの上部中央に、上記噴射ノズル５を装着固定
するための取付口３４が形成されている点や、上記噴射
ノズル５の構成や装着される態様は上記第１実施形態に
おけるのと同様である。

【００３１】上記擬似増毛材収納容器３における上記取
付口３４が形成された背面部３２ｂと相対する正面部３
２ａの上部中央には上記擬似増毛材２の吐出口３１が形
成されている。上記吐出口３１は、断面円形状で、内径
はその両端において同じである。上記吐出口３１は、上
記噴射ノズル５の軸芯と同一直線上に軸芯を有し且つ該
噴射ノズル５先端の噴射口５０の口径よりも大きい口径
を有する。

【００３２】上記吐出口３１は、上記噴射ボタン１５の
上記噴出管路１５ａに可撓性を有する水平管体１８（ゴ
ム製）により連通接続されており、該吐出口３１から噴
出した擬似増毛材及び第１の噴射用ガスは、該水平管体
１８及び上記噴出管路１５ａを通過して他端に開口する
噴出開口部１５ｂから噴出されるようになしてある。上
記ケース体１１における上記噴出開口部１５ｂ及び上記
第２の噴射用ガス及び毛髪固定用液状組成物を噴射する
ための噴射口１７が開口する前面には、開口部１１ａが
形成されており、該開口部１１ａから、所定部位に向け
て、上記第１の噴射用ガス、擬似増毛材、第２の噴射用
ガス及び毛髪固定用液状組成物が混合されて噴射される
ようになっている。

【００３３】上記噴射ボタン１５の上部には、該噴射ボ
タン１５の上端部に突起１９を当接させた状態で、てこ
式スイッチレバー２０が配設されている。上記てこ式ス
イッチレバー２０は、一端をケース体１１に形成された
ピン２１により固定され、該一端を中心として他端部を
上下させることができるようになっている。該他端部
は、上記ノズル部材４ａ，１２ａを上方に付勢するスプ
リングの作用により常時上方に付勢されている。該他端
部の上面には、押圧部２２が形成されており、該押圧部
２２を指で下方に押圧することにより上記突起１９がて
この原理で上記噴射ボタン１５の上端部を押圧するよう
になしてある。即ち、上記ピン２１及び上記突起１９
は、支点及び作用点として機能する。ここで、上記エア
ゾール容器４のノズル部材４ａ、上記エアゾール１２の
ノズル部材１２ａ、上記噴射ボタン１５及び上記てこ式
スイッチレバー２０は噴射機構１３を構成している。

【００３４】本実施形態の吹き付け装置１０は、上記第
１の収納容器としての擬似増毛材収納容器３内に粉状又
は短繊維状の擬似増毛材を、上記第２の収納容器として
のエアゾール容器４内に上記第１の噴射用ガスを、上記
第３の収納容器としてエアゾール容器１２内に毛髪固定
用液状組成物及び第２の噴射用ガスを充填ないし収納し
ておき、上記噴射機構を操作し動作させて使用する。

【００３５】具体的には、ケース体１１を手で握った状
態で、鏡等で確認しながら、頭部の擬似増毛材を塗布し
たい部分に上記ケース体１１の前面に設けた開口部１１
ａを向け、上記てこ式スイッチレバー２０の押圧部２２
を押し下げる。押圧部２２が押し下げられると、上記ピ
ン２１を支点として上記突起１９が下降し、上記噴射ボ
タン１５を押圧して押し下げる。そして、該噴射ボタン
１５により上記エアゾール容器４及び上記エアゾール容
器１２のノズル部材４ａ、１２ａが押し下げられ、上記
噴射口１６からは第１の噴射用ガスが、上記噴射口１７
からは上記第２の噴射ガスが毛髪固定用液状組成物とと
もに噴射される。

【００３６】上記噴射口１６から噴射された第１の噴射
用ガスは、ジョイント管８’、噴射ノズル５を通じて擬
似増毛材収納容器３内に噴射される。上記擬似増毛材収
納容器３内に上記第１の噴射用ガスが噴射されると、上
記擬似増毛材収納容器３内を直進して上記吐出口３１内
に流入する。上記噴射ノズル５から噴射されたガスジェ
ット流の断面積は、噴射口５０を出た直後に対し、吐出
口３１に入る部分で多少増大するが、吐出口３１の口径
の方が噴射５０の口径よりも大きいので、ガスジェット
流が上記擬似増毛材収納容器３を循環することはない。
このガスジェット流により上記第１の収納容器内が陰圧
を発生するとともに、収納容器３内のこの流速の外周部
分と接触する気体が引きずられて動き出し、収納容器内
に転流を生じる。

【００３７】上記擬似増毛材は、この転流にのって収納
容器３内を循環する。従って、擬似増毛材に直接噴射用
ガスを噴射する場合のように擬似増毛材に霜が付くとい
うおそれがなく、また、擬似増毛材同士が圧縮により絡
み合ったり、圧着したりすることにより固まりとなると
いうこともない。そして、このジェット流に近づいた擬
似増毛材は陰圧によりこのジェット流内に引きずり込ま
れ、上記吐出口３１内に導入される。該吐出口３１内に
導入された擬似増毛材は、上記水平管体１８、上記噴出
管路１５ａを通過し、上記噴出開口部１５ｂから噴射さ
れ、頭部の局部的に毛髪の薄くなった部分に吹き付けら
れる。

【００３８】上記擬似増毛材がこの転流にのって収納室
内を循環する際、収納室内において、擬似増毛材同士が
激しく接触し、その接触摩擦によって生じた静電気が当
該擬似増毛材に帯電するので、擬似増毛材の地毛又は頭
皮への付着は良好である。

【００３９】上記噴射口１７から噴射された第２の噴射
用ガス及び毛髪固定用液状組成物も同様に頭部の局部的
に毛髪の薄くなった部分に吹き付けられる。上記擬似増
毛材と同時に毛髪固定用液状組成物が吹き付けられるこ
とにより、上記擬似増毛材は、静電気の帯電による付着
力に加え、上記毛髪固定用液状組成物による付着力によ
って、確実に地毛または頭皮に付着される。このよう
に、本実施形態の吹き付け装置１０によれば、上記てこ
式スイッチレバー２０の押圧部２２を押し下げるだけ
で、頭部の毛髪の局部的に薄くなった部分等の所望の位
置に毛髪固定用液状組成物とともに擬似増毛材を吹き付
けることができる。

【００４０】本実施形態の吹き付け装置１０において
は、上記擬似増毛材の噴出開口部１５ｂ及び上記噴射口
１７を同一方向に向けて形成するとともに、毛髪固定用
液状組成物が広い角度で噴射されるようになしてある。
これにより、噴出された上記擬似増毛材及び毛髪固定用
液状組成物が空中において良好に混合され、付着した擬
似増毛材がより地毛になじむようなる。

【００４１】また、上記擬似増毛材収納容器３、エアゾ
ール容器４及びエアゾール容器１２は、ケース体１１内
に、固定壁部１４ａ、１４ｂ、１４ｃ及び固定用部材１
４ｄにより固定されているだけであるので、擬似増毛
材、擬似増毛材用の第１の噴射ガス、毛髪固定用液状組
成物及び第２の噴射ガスの何れかを使い切った場合に
も、それぞれの容器をケース体１１から取り出して交換
することにより容易に補充することができる。

【００４２】更に、本実施形態の吹き付け装置１０にお
いては、擬似増毛材収納容器３をケース体１１内の後方
に配設し、エアゾール容器４及びエアゾール容器１２を
並べてその前方に配設する構成としたので、エアゾール
容器４及びエアゾール容器１２を収容する部分を使用時
における把持部とすることができる。そして、該把持部
を握って吹き付け操作をすることができるので、吹き付
け操作時における操作性が極めて良好である。

【００４３】更に、本実施形態の擬似増毛材の吹き付け
装置は、上記第１実施形態におけるのと同様に、複数部
材を接着して一体化させた擬似増毛材収納容器を採用し
ているので、ケース体１１内に擬似増毛材が漏洩して内
部を汚したりすることがなく、連続的且つ安定な噴射が
可能である。

【００４４】本発明の擬似増毛材の吹き付け装置は、図
５に示すように、擬似増毛材の吐出量調節機構を備えて
いる。図５は、擬似増毛材の吐出量調節機構を示す断面
図である。この吐出量調節機構９は、上記第１又は第２
実施形態における擬似増毛材の上記吐出口３１と上記噴
射ノズル５の噴射口５０との距離Ｌを変化させることに
より該吐出口３１から吐出され、又は該吐出口３１を介
して噴出される擬似増毛材の量を増減調節する調節機構
であり、第１の収納容器に設けられた取付口３４と、該
取付口３４を形成する突出部３４ａに螺合され回転によ
り前後進する調節部材９０と、先端部は上記取付口３４
に挿入され、後端部は該調節部材９０に形成された挿通
孔９０ａに挿入された状態で前後進可能に配設された噴
射ノズル５と、上記噴射ノズル５の環状突出部５１に一
端部を当接させて噴射ノズル５を上記調節部材９０方向
に常時付勢するコイルばね９１とを備えてなる。

【００４５】この吐出量調節機構９による吐出量の調節
は、以下のようにして行われる。即ち、吐出量を増大さ
せる場合には、上記調節部材９０を上記噴射ノズル５が
後退する方向に回転させる。図６（ａ）に示すように上
記噴射ノズル５が後退すると、噴射ノズル５先端の噴射
口５０と上記吐出口３１との間の距離Ｌが増大し、該噴
出口５０及び該吐出口３４間に形成されるジエット流内
に取り込まれる擬似増毛材量が増大する。そして、上記
吐出口３４から吐出される擬似増毛材が増加し、上記噴
出開口部１５ｂから噴出する擬似増毛材の量も増大す
る。逆に、吐出量を減少させる場合には、上記調節部材
９０を反対方向に回転させて噴射ノズル５を前進させ
る。そして、上記噴射ノズル５が図６（ｂ）に示すよう
に前進すると、上記噴射口５０と上記吐出口３１との間
の距離Ｌが短くなり、ジエット流内に取り込まれる擬似
増毛材量が減少する。そして、上記吐出口３１から吐出
される擬似増毛材が減少し、上記噴出開口部１５ｂから
噴出する擬似増毛材の量も減少する。このような構成を
有する吐出量調節機構９を備えることにより、極めて簡
単な構成であるにも拘わらず擬似増毛材の噴射量を増減
調節することができる。即ち、複雑なガス供給装置を採
用したり、エアゾール容器に噴射量を調節するための特
殊なバルブ等を設けることなく簡易な構成であるにも拘
わらず、吐出量を高精度で調整することができる擬似増
毛材の吹き付け装置が提供される。

【００４６】本発明の擬似増毛材の吹き付け装置は、上
記実施形態に限定されるものではなく、本発明を趣旨を
逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。例え
ば、本発明の擬似増毛材の吹き付け装置においては、上
記噴射ノズル５を予め第１の収納容器と一体的に形成し
ておいても良い。図７に示す実施形態の擬似増毛材の吹
き付け装置においては、噴射ノズル５’は、第１の収納
容器３’と一体成形されている。これにより、部品数の
少数化による製造管理の容易化、製造コストの低減を図
ることができる。

【００４７】また、本発明の擬似増毛材の吹き付け装置
において、擬似増毛材を収納する第１の収納室は、収納
された擬似増毛材の残量が容易に確認できるように、そ
の全体若しくは一部を透明又は半透明にすることが望ま
しい。これにより、使用者は、残量を確認しながら安心
して使用することができ、また、補充用の収納容器を予
め準備する等擬似増毛材がなくなった場合に備えること
ができる。

【００４８】本発明において、擬似増毛材を噴射するた
めの噴射用ガス（第１の噴射用ガス）としては、フロン
系ガス、代替フロン系ガス、液化石油ガス、ジメチルエ
ーテル等を使用することができる。上記フロン系ガスと
しては、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフ
ルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリク
ロロトリフルオロエタン等が挙げられる。また、上記代
替フロンガスとしては、モノクロロジフルオロメタン、
ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、テトラフルオ
ロエタン等が挙げられる。さらに、上記液化石油ガスと
しては、プロパン、ｎ−ブタン、イソブタン等が挙げら
れる。これらの噴射用ガスは、単独あるいは二種以上を
混合して使用することができるが、使用中の噴射圧力の
低下が少なく、通常使用する温度領域において必要十分
な噴射圧を呈するジメチルエーテルの単独使用が最も好
ましい。

【００４９】また、本発明において、毛髪固定用液状組
成物を噴射するための噴射用ガス（第２の噴射用ガス）
としては、上記の擬似増毛材の噴射用ガスと同様のガス
を使用することができる。

【００５０】また、本発明において使用し得る上記粉状
又は短繊維状の擬似増毛材としては、人毛、羊毛、木
綿、絹等の天然繊維又はその再生繊維、ナイロン、ビニ
ロン、ポリエステル等の合成繊維又は炭素繊維であっ
て、人毛色に類似した黒色等の色彩を有するもの又はそ
の色彩を着色が可能なもの等が挙げられる。

【００５１】上記粉状又は短繊維状の擬似増毛材は、直
径（光学顕微鏡観察による平均値）５〜１２０ミクロ
ン、長さ１０〜２０００ミクロンのものが好適に使用さ
れる。なお、上記の範囲に長さを整えるには、公知の方
法であるギロチンカッターを用いて所定の長さにカット
する方法や、粉砕機で粉砕してふるい分けする方法等が
ある。また、長さは一定にそろえることは必須条件では
なく、上記１０〜２０００ミクロン程度の範囲内であれ
ば分布を有していても差し支えない。

【００５２】また、上記擬似増毛材は、その分離性を向
上させて繊維の飛昇を良好にさせる目的として、当該擬
似増毛材の素材に応じて公知の分離促進剤で処理するこ
とができる。上記分離促進剤としては、珪酸ナトリウ
ム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウ
ム、塩化マグネシウム等の無機塩類、アニオン活性剤、
カチオン活性剤、両性活性剤等の界面活性剤、コロイダ
ルシリカ等の有機珪素化合物、アルミナゾル等が挙げら
れる。

【００５３】上記擬似増毛材とともに噴射する毛髪固定
用液状組成物としては、上記噴射用ガス等を用いて噴射
が可能なものであれば特に制限されるものではないが、
例えば、セットスプレー用組成物、育毛・養毛剤組成
物、整髪料組成物、接着剤等が挙げられる。

【００５４】上記セットスプレー用組成物としては、例
えば、フィルム形成剤成分として、カチオン性ポリマ
ー、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、両性ポ
リマーを一種または二種以上の混合物を含むものを使用
することができる。

【００５５】上記カチオン性ポリマーとしては、ヒドロ
キシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルア
ンモニウムクロリドエーテル（ユニオンカーバイト製
商品名「ポリマーＪＲ−４００」）、ビニルピロリドン
・Ｎ，Ｎ−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体
ジエチル硫酸塩（ＩＳＰ製 商品名「ガフカット７３
４」）等が挙げられる。

【００５６】上記非イオン性ポリマーとしては、ポリビ
ニルピロドン（ＢＡＳＦ製 商品名「ルビスコールＫシ
リーズ」）、ポリビニルピロドン／酢酸ビニル共重合体
（ＢＡＳＦ製 商品名「ルビスコールＶＡシリーズ」）
等が挙げられる。

【００５７】上記アニオン性ポリマーとしては、アクリ
ル樹脂アルカノールアミン液（互応化学製 商品名「プ
ラスサイズＬ−５３ＰＢ」）、酢酸ビニル・クロトン酸
共重合体（ヘキストジャパン製 商品名「Aristflex A6
0 」）等が挙げられる。

【００５８】上記両性ポリマーとしては、Ｎ−メタクリ
ロイルエチルＮ，Ｎ’−ジメチルアンモニウム・α−Ｎ
−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重
合体（三菱化学 商品名「ユカフォーマー ＡＭ−７
５」）等が挙げられる。上記セットスプレー用組成物の
具体例としては、例えば、下記の処方例のものが挙げら
れる。

【００５９】 〔処方例イ（ハードタイプ）〕 アクリル樹脂アルカノールアミン液（３０％） ５．０ ｗｔ％ ポリオキシエチレンオレイルエーテル ０．０２ｗｔ％ 香料 ０．１７ｗｔ％ エタノール ４９．８１ｗｔ％ ＬＰＧ（噴射用ガス；２．５ｋｇ／ｃｍ² ） ４５．００ｗｔ％

【００６０】 〔処方例ロ（ソフトタイプ）〕 ユカフォーマー ＡＭ−７５（３０％） ３．０ ｗｔ％ ポリオキシエチレンオレイルエーテル ０．０３ｗｔ％ 香料 ０．１７ｗｔ％ エタノール ５１．８０ｗｔ％ ＬＰＧ（噴射用ガス；２．５ｋｇ／ｃｍ² ） ４５．００ｗｔ％

【００６１】また、上記育毛・養毛剤組成物としては、
ビタミンＥ及びその誘導体、センブリエキス、ニンニク
エキス、ニンジンエキス、アロエエキス、ゲンチアナエ
キス、エンメイソウ、トウキエキス、セファランチン、
塩化カプロニウム、ミノキシジル等の末梢血管血流促進
剤成分、トウガラシチンキ、ノニル酸バニルアミド、カ
ンタリスチンキ、ショウキョウチンキ、ハッカ油、ｌ−
メントール、カンフル、ニコチン酸エステル等の局所刺
激剤成分、エストロン、エストラジオール、エチニルエ
ストラジオール等の卵胞ホルモン成分、ヒノキチオー
ル、パントテニルエチルエーテル、プラセンターエキ
ス、ビオチン、ペンタデカン酸グリセリド等の代謝賦活
剤成分 ビタミン剤（Ａ，Ｂ₂ ，Ｂ₆ ，Ｂ₁₂，Ｄなど）、アミノ
酸類（システイン、セリン、メチオニン、ロイシン、ト
リプトファン等）等の栄養剤成分、グリチルリチン酸及
び甘草エキス由来の成分、塩酸ジフェンヒドラミン、シ
コンエキス等の消炎剤成分、その他、角質溶解剤成分、
抗脂漏剤成分、殺菌剤成分等を含有したものであって、
上記噴射用ガス等を用いて噴射可能なものを使用するこ
とができる。上記育毛・養毛剤組成物の具体例として
は、例えば、下記処方例のものが挙げられる。

【００６２】 〔処方例ハ〕 グリチルリチン酸ジカリウム ０．１ ｗｔ％ 酢酸dl−α−トコフェロール ０．０５ｗｔ％ センブリエキス １．５ ｗｔ％ ｌ−メントール ０．１ ｗｔ％ ジプロプレングリコール １．０ ｗｔ％ 香料 適量 エタノール ５０．０ ｗｔ％ 精製水 適量 ジメチルエーテル（噴射用ガス） １５．０ ｗｔ％

【００６３】さらに、上記整髪料組成物としては、ヘア
リキッド等の低粘性の液体整髪料成分を含むものであっ
て上記噴射用ガス等によって霧状に噴射可能なものを使
用することができ、具体的には、例えば、下記処方例の
ものが挙げられる。

【００６４】 〔処方例ニ〕 ポリオキシプロピレンブチルエーテル（40Ｐ．Ｏ．） １０．０ ｗｔ％ エタノール ３０．０ ｗｔ％ 香料 適量 精製水 適量 ジメチルエーテル（噴射用ガス） ４５．０ ｗｔ％

【００６５】また、上記接着剤としては、例えば、接着
成分として、多糖類またはその誘導体やポリビニルアル
コールなどの水溶性物質、粘弾性微小体などを一種また
は２種以上の混合物を含むものであって、上記噴射用ガ
ス等によって霧状に噴射可能なものを使用することがで
きる。上記多糖類またはその誘導体としては、天然でん
ぷん、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、キ
チン、アミロース等が挙げられる。上記粘弾性微小体と
しては、天然ゴムラテックスエマルションやアクリル酸
アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルションなどが挙げ
られる。

【００６６】 〔処方例ホ〕 カルボキシメチルセルロース ０．５ ｗｔ％ ポリビニルアルコール ２．０ ｗｔ％ エタノール １０．０ ｗｔ％ 精製水 適量 ジメチルエーテル（噴射用ガス） ３０．０ ｗｔ％

【００６７】 〔処方例ヘ〕 アクリル酸ラウリル・酢酸ビニル共重合体水分散液（２０％） ８．０ ｗｔ％ エタノール ５．０ ｗｔ％ 精製水 適量 ジメチルエーテル（噴射用ガス） ５０．０ ｗｔ％

【００６８】本発明の擬似増毛材の吹付け装置は、上記
実施形態により何ら限定されるものではなく、本発明の
目的を逸脱しない範囲において、その寸法、形状等を含
めて適宜変更することができる。例えば、図８に示すよ
うに吐出口３１にテーパを設けても良い。

【００６９】

【発明の効果】本発明に係わる擬似増毛材の吹き付け装
置によれば、以下の効果を奏することができる。請求項
１及び２に記載の発明によれば、粉状又は短繊維状の擬
似増毛材を、頭部の局所的に毛髪の薄くなった部分に、
連続的且つ安定な噴射をもって吹き付けることができ
る。また、擬似増毛材又は噴射用ガスを使い切った場合
に、それぞれの容器を交換することにより極めて簡単に
周囲を汚すことなく各々補充することができる。これに
より、擬似増毛材又は噴射用ガスを無駄なく効率的に使
用することができるとともに、吹き付け途中でいずれか
を使い切ってしまった場合であっても、容器を交換して
直ちに吹き付け作業を再開することができる。

【００７０】請求項３及び４に記載の発明によれば、毛
髪固定用液状組成物の噴射とともに、粉状又は短繊維状
の擬似増毛材の噴射を行うことによって、該擬似増毛材
を連続的且つ安定な噴射をもって吹き付けることができ
るとともに、擬似増毛材の地け又は頭皮への付着力を向
上させることができる。

【００７１】更に、請求項１〜４に記載の擬似増毛材の
吹き付け装置によれば、上記効果に加え、装置を大型化
させる等の不都合なく擬似増毛材の吐出量を調節するこ
とができる。これにより、頭部の吹き付ける部分の状態
に応じた擬似増毛材の吹き付けが可能である。例えば、
頭部の毛髪の薄くなった部分が広範囲である場合には、
擬似増毛材の吐出量を増大させ頭部から離して吹き付
け、範囲が小さい場合には吐出量を減少させ近くから吹
き付ける等の利用方法が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る擬似増毛材の吹き付け装置の第１
実施形態を示す（ａ）平面図及び（ｂ）側断面図であ
る。

【図２】図１に示す吹き付け装置における噴射の状態を
示す模式図である。

【図３】本発明に係る擬似増毛材の吹き付け装置の第２
実施形態を示す側断面図である。

【図４】図３に示す吹き付け装置のＡ−Ａ’線断面図で
ある。

【図５】本発明に係る擬似増毛材の吹付け装置の更に他
の実施形態の要部を示す断面図である。

【図６】図５に示す擬似増毛材の吹き付け装置の吐出量
調節機構を示す（ａ）断面図（吐出（噴射）量大）、
（ｂ）断面図（吐出（噴射）量小）である。

【図７】本発明に係る擬似増毛材の吹付け装置の更に他
の実施形態の要部を示す断面図である。

【図８】本発明に係る擬似増毛材の吹付け装置の更に他
の実施形態の要部を示す断面図である。

【符号の説明】

１，１０ 擬似増毛材の吹付け装置 ２ 擬似増毛材 ３ 第１の収納容器（擬似増毛材収納容
器） ４ 第２の収納容器 ５ 噴射ノズル ６，４ａ，１２ａ ノズル部材 ８，８’ ジョイント管 ９ 吐出量調節機構 １２ 第３の収納容器 １５ 噴射ボタン １５ａ 噴出管路 １６ 第１の噴射用ガスの噴射口 １７ 毛髪固定用液状組成物及び第２の噴
射用ガスの噴射口 １８ 水平管体 ２０ てこ式スイッチレバー ３０ 連結体

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平９−29144（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−168704（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−183152（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−62857（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B05B 7/14

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 粉状又は短繊維状の擬似増毛材を収納す
   る第１の収納容器と噴射用ガスを収納する第２の収納容
   器とを備え、 上記第１の収納容器と上記第２の収納容器とは連結体を
   介して着脱自在に連結されており、 上記第２の収納容器には、上記噴射用ガスを上記第１の
   収納容器内に噴射ノズルを介して噴射する噴射機構が配
   設され、 上記第１の収納容器には、上記噴射ノズルの軸芯と同一
   直線上に軸芯を有し且つ該噴射ノズル先端の噴射口の口
   径よりも大きい口径を有する上記擬似増毛材の吐出口が
   形成され、 上記噴射機構の操作により、上記噴射ノズルから上記噴
   射用ガスが噴射され該噴射用ガスによって上記擬似増毛
   材が上記吐出口から所定部位に向けて噴出されるように
   なされており、 上記擬似増毛材の吐出口と上記噴射ノズルの噴射口との
   間の距離を変化させることにより該吐出口から吐出され
   る擬似増毛材の量を増減調節する吐出量調節機構を備
   え、該吐出量調節機構は、上記吐出口と上記噴射口との
   間の上記距離を、上記第１の収納容器に螺合させた調整
   部材を回転させて増減するようになされている 擬似増毛
   材の吹き付け装置。
2. 【請求項２】 上記第２の収納容器が円筒状体であり、
   上記連結体が該第２の収納容器の上方に嵌合係止される
   環状体からなる請求項１に記載の擬似増毛材の吹き付け
   装置。
3. 【請求項３】 粉状又は短繊維状の擬似増毛材を収納す
   る第１の収納容器と、第１の噴射用ガスを収納する第２
   の収納容器と、毛髪固定用液状組成物及び第２の噴射用
   ガスを収納する第３の収納容器と、上記第１の噴射用ガ
   スを上記第１の収納容器内に噴射ノズルを介して噴射す
   ると共に上記第２の噴射用ガスによって上記毛髪固定用
   液状組成物を所定部位に向けて噴射する噴射機構とを備
   え、 上記第１の収納容器には、上記噴射ノズルの軸芯と同一
   直線上に軸芯を有し且つ該噴射ノズル先端の噴射口の口
   径よりも大きい口径を有する上記擬似増毛材の吐出口が
   形成され、 上記噴射機構の操作により、上記毛髪固定用液状組成物
   が所定部位に向けて噴射されるとともに、上記噴射ノズ
   ルから噴射された上記第１の噴射用ガスによって上記擬
   似増毛材が上記吐出口を介して上記所定部位に向けて噴
   出されるようになされており、 上記擬似増毛材の吐出口と上記噴射ノズルの噴射口との
   間の距離を変化させることにより該吐出口を介して吐出
   される擬似増毛材の量を増減調節する吐出量調節機構を
   備え、該吐出量調節機構は、上記吐出口と上記噴射口と
   の間の上記距離を、上記第１の収納容器に螺合させた調
   整部材を回転させて増減するようになされている 擬似増
   毛材の吹き付け装置。
4. 【請求項４】 上記第１の収納容器、上記第２の収納容
   器及び上記第３の収納容器が、ケース体内にそれぞれ単
   独で着脱自在に収納されている請求項３に記載の擬似増
   毛材の吹き付け装置。