JP3284573B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP3284573B2 JP03747592A JP3747592A JP3284573B2 JP 3284573 B2 JP3284573 B2 JP 3284573B2 JP 03747592 A JP03747592 A JP 03747592A JP 3747592 A JP3747592 A JP 3747592A JP 3284573 B2 JP3284573 B2 JP 3284573B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車内の暖房を、車両駆
動用エンジンの冷却水の放熱とヒートポンプとを利用し
て行うようにした車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば大型バスに搭載されている
暖房システムは、車両駆動用エンジンの冷却水を、配管
を用いてヒータユニット内に導いて予熱機により加熱
し、その加熱された冷却水を温水ヒータに送って車内空
気と熱交換させるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
車両駆動用エンジンの効率が向上して、車両駆動用エン
ジンの放熱量(冷却水に吸収される熱量)が減少する傾
向にあり、それに伴って予熱機を大容量化する必要があ
る。
【0004】しかし、予熱機を大容量化すれば、燃費が
悪くなってしまう等の不具合が発生する。しかも、低温
時の暖房立上りの際には車両駆動用エンジンも始動直後
で冷却水の温度も低いため、冷却水を温水ヒータに供給
しても、車内空気の温度上昇にほとんど寄与しないばか
りか、反対に車両駆動用エンジンの温度上昇(冷却水の
温度上昇)をいたずらに妨げる結果となってしまい、低
温時の暖房立上りが極めて悪くなってしまうと共に、車
両駆動用エンジンの燃費も悪くなってしまうという欠点
がある。
【0005】本発明は、この様な事情を考慮してなされ
たもので、従ってその目的は、大容量化の進む予熱機を
廃止でき、しかも、低温時の暖房立上りを速くできると
共に、低温時の車両駆動用エンジンの温度上昇(冷却水
の温度上昇)の立上りも速くできて、燃費も向上できる
車両用空調装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用空調装置
は、車両駆動用エンジンを冷却する冷却水循環回路に設
けられた温水ヒータと、コンプレッサにより冷媒を循環
させることによりその冷媒循環回路中の車内側熱交換器
から放熱させて車内を暖房するヒートポンプと、前記コ
ンプレッサを駆動する空調用エンジンと、この空調用エ
ンジンを冷却する冷却水循環回路に設けられ、その冷却
水に吸収された前記空調用エンジンの排熱を前記冷媒に
回収させる排熱回収用熱交換器と、前記車両駆動用エン
ジンの冷却水の放熱を前記冷媒に回収させる冷却水熱回
収用熱交換器と、前記車両駆動用エンジンの冷却水の循
環経路を前記温水ヒータ側と前記冷却水熱回収用熱交換
器側とに選択的に切り換える弁と、前記空調用エンジン
の負荷を高めてその排熱温度を上昇させる排熱温度上昇
手段と、低温時の暖房立上りの際には、前記車両駆動用
エンジンの冷却水の循環経路を前記弁により前記温水ヒ
ータ側から前記冷却水熱回収用熱交換器側へ切り換えた
状態にすると共に、前記排熱温度上昇手段を作動させて
前記空調用エンジンの負荷を一時的に高めるように制御
して前記空調用エンジンの冷却水を昇温させる空調制御
手段とを備えている。
【0007】
【作用】本発明は、車内の暖房を、車両駆動用エンジン
の冷却水の放熱とヒートポンプとを利用して行うもので
あるが、低温時の暖房立上りの際には、車両駆動用エン
ジンの冷却水の循環経路を、放熱量の多い温水ヒータ側
から冷却水熱回収用熱交換器側へ切り換えた状態にす
る。これにより、車両駆動用エンジンの始動直後の冷却
水の放熱を少なくして冷却水の温度上昇(車両駆動用エ
ンジンの温度上昇)を速めると共に、冷却水の放熱を冷
却水熱回収用熱交換器により冷媒に回収させることで、
冷却水の放熱をヒートポンプによる暖房に有効利用す
る。
【0008】更に、低温時の暖房立上りの際には、ヒー
トポンプのコンプレッサを駆動する空調用エンジンの負
荷を排熱温度上昇手段により一時的に高めることによ
り、空調用エンジンの排熱温度を高め、空調用エンジン
の冷却水に吸収されたその排熱を排熱回収用熱交換器に
より冷媒に回収させる。これにより、上述した車両駆動
用エンジンの冷却水の放熱の回収と相俟って、冷媒によ
り輸送する熱エネルギが大幅に高められて、ヒートポン
プによる暖房能力が格段に高まり、低温時の暖房立上り
が速くなる。
【0009】この場合、ヒートポンプは、冷媒循環回路
中の冷媒の循環方向を反対にすれば冷房時に車内を冷却
する冷凍サイクルとして機能させることができるので、
1つのヒートポンプで冷房・暖房を兼用させることがで
き、冷房専用の冷凍サイクル及び大容量化した予熱機を
備えた従来構造のものと比較して、装置の大形化を招く
こともない。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。本実施例の車両用空調装置は、例えば大型バス
に搭載されており、まずそのサイクル構造を説明する。
【0011】図1に示すように、車両駆動用エンジン1
を冷却するための冷却水循環回路2中には、ラジエータ
3、送水ポンプ4、窓ガラス曇止め用のデフロスタ5、
2つの電磁弁6,7、温水ヒータ8及び後述する冷却水
熱回収用熱交換器9が設けられている。この場合、電磁
弁6と温水ヒータ8の直列回路2aに対し、電磁弁7と
冷却水熱回収用熱交換器9の直列回路2bが並列に接続
され、電磁弁6,7の切換により、冷却水の循環経路を
温水ヒータ8側と冷却水熱回収用熱交換器9側とに選択
的に切り換えるようになっている。また、車両駆動用エ
ンジン1で加熱された冷却水をデフロスタ5を通して温
水ヒータ8へ送るようにすることによって、デフロスタ
5の性能を向上させている。
【0012】一方、ヒートポンプ10は、冷媒循環回路
11中に、コンプレッサ12、四方弁13、車内側熱交
換器14、電子エキスパンションバルブ15、車外側熱
交換器16、冷却水熱回収用熱交換器9、排熱回収用熱
交換器17、逆止弁18、アキュームレータ19及び4
つの電磁弁20〜23が設けられている。この場合、電
磁弁21、車外側熱交換器16及び電磁弁23の直列回
路11aに対し、電磁弁20、冷却水熱回収用熱交換器
9、排熱回収用熱交換器17及び電磁弁22の直列回路
11bが並列に接続され、電磁弁20〜23の切換によ
り、冷媒の循環経路を車外側熱交換器16側と冷却水熱
回収用熱交換器9側とに選択的に切り換えるようになっ
ている。また、逆止弁18は、排熱回収用熱交換器17
側の冷媒通路11bをコンプレッサ12の吐出パイプ1
2a側にバイパスさせるバイパス路11c中に設けられ
ている。
【0013】斯かるヒートポンプ10のコンプレッサ1
2は、空調用エンジン24によって駆動される。この空
調用エンジン24を冷却するための冷却水循環回路25
中には、空調用エンジン24の排気と熱交換する排気熱
交換器26、前記排熱回収用熱交換器17、ラジエータ
27及び2つの電磁弁28,29が設けられている。こ
の場合、電磁弁28と排熱回収用熱交換器17の直列回
路25aに対し、電磁弁29とラジエータ27の直列回
路25bが並列に接続され、電磁弁28,29の切換に
より、冷却水の循環経路を排熱回収用熱交換器17側と
ラジエータ27側とに選択的に切り換えるようになって
いる。
【0014】更に、空調用エンジン24の排気管30に
は、排熱温度上昇手段たる排気絞り装置31が設けら
れ、低温時の暖房立上りの際には、この排気絞り装置3
1を動作させて排気通路を絞ることにより、排気圧(空
調用エンジン24の負荷)を高めて排熱温度を上昇させ
るようにしている。
【0015】前述した冷却水熱回収用熱交換器9及び排
熱回収用熱交換器17は、いわゆるシェルアンドチュー
ブ型の熱交換器で構成され、そのシェル側(一次側)に
冷却水が流れ、チューブ側(二次側)に冷媒が流れるよ
うになっている。一方、車内側熱交換器14及び車外側
熱交換器16は、空気と熱交換するもので、その熱交換
を促進するためにファン40,41が設けられている。
【0016】一方、空調制御関係の電気回路は図2に示
されており、空調制御手段たる空調制御回路32は、例
えばマイクロコンピュータにより構成されている。この
空調制御回路32は、車外気温To を検出する車外気温
センサ33、車内気温Ti を検出する車内気温センサ3
4、車両駆動用エンジン1の冷却水の水温Tw を検出す
る水温センサ35、車内側熱交換器14の吹出し風の温
度Tf を検出する吹出し風温度センサ36、及び、空調
時の設定温度を手動操作により設定する温度設定回路3
7からの情報に基づいて、図3及び図4に示す制御プロ
グラムに従って空調運転を後述するように制御する。こ
の場合、空調用エンジン24の始動・停止・加減速の制
御は、エンジン制御回路38を介して行われる。また、
空調運転の開始・停止は、使用者がエアコンスイッチ3
9をオン・オフすることにより行われる。
【0017】以下、空調制御回路32による空調運転の
制御の流れを図3及び図4に示す制御プログラムに従っ
て詳細に説明する。使用者がエアコンスイッチ39をオ
ンすると、図3及び図4に示す空調運転の制御プログラ
ムがスタートして、まず、車外気温センサ33、車内気
温センサ34及び温度設定回路37からそれぞれ出力さ
れる信号を読み込んで、車外気温To 、車内気温Ti 、
設定温度Ts を検知する(ステップS1)。そして、車
内気温Ti を設定温度Ts と比較し(ステップS2)、
もし車内気温Ti が設定温度Ts 以上(Ti ≧Ts )で
あれば、ステップS2の判断が「NO」となり、ステッ
プS3に移行して、冷房モードで運転する。
【0018】この冷房モードでは、四方弁13を図1の
破線の位置へ切り換えると共に、電磁弁21,23,2
9を開放して、電磁弁6,7,20,22,28を閉鎖
した状態で、空調用エンジン24を始動してヒートポン
プ10のコンプレッサ12を運転することにより、コン
プレッサ12から吐出された冷媒を、車外側熱交換器1
6→電子エキスパンションバルブ15→車内側熱交換器
14→アキュームレータ19→コンプレッサ12の経路
で循環させる。これにより、コンプレッサ12から吐出
された高温・高圧のガス冷媒を、車外側熱交換器16へ
送って放熱させて液化し、この液冷媒を車内側熱交換器
14へ送って、空気と熱交換させて車内を冷房する。そ
して、車内側熱交換器14を通過してガス化した冷媒
を、アキュームレータ19で気液分離した後、コンプレ
ッサ12に戻して、再び、上述した経路で循環させると
いう動作を繰り返すことにより、車内を設定温度Ts に
まで冷房する。
【0019】尚、冷房モードでは、車両駆動用エンジン
1の冷却水循環回路2中の電磁弁6,7を閉鎖すること
により、冷却水を車両駆動用エンジン1とラジエータ3
との間のみで循環させる。
【0020】一方、前述したステップS2において「Y
ES」の場合、即ち、車内気温Tiが設定温度Ts より
も低い(Ti <Ts )ときには、暖房モードに移行し
て、送水ポンプ4を運転する(ステップS4)。そし
て、水温センサ35から出力される信号を読み込んで、
車両駆動用エンジン1の冷却水温度Tw を検知し(ステ
ップS5)、この冷却水温度Tw が、Tw <40℃、7
0℃>Tw ≧40℃、Tw≧70℃のいずれの温度範囲
に属するかを判定する(ステップS6)。
【0021】このステップS6において、Tw <40℃
と判定された場合には、空調用エンジン24を始動して
ヒートポンプ10のコンプレッサ12を運転する(ステ
ップS7)。そして、車外気温センサ33で検知した車
外気温To が0℃以下であるか否かを判断し(ステップ
S8)、To ≦0℃と判断されれば、ステップS9に移
行して、車内気温センサ34で検知した車内気温Ti が
20℃以下であるか否かを判断する。ここで、To ≦2
0℃と判断されれば、低温時暖房立上りモードに移行す
る(ステップS10)。
【0022】この低温時暖房立上りモードでは、電磁弁
20,22を開放して、電磁弁21,23を閉鎖するこ
とにより、コンプレッサ12から吐出された高温・高圧
の冷媒を、図5に矢印で示すように、車内側熱交換器1
4→電子エキスパンションバルブ15→冷却水熱回収用
熱交換器9→排熱回収用熱交換器17→アキュームレー
タ19→コンプレッサ12の経路で循環させる。これに
より、コンプレッサ12から吐出された高温・高圧のガ
ス冷媒を、車内側熱交換器14で放熱させて、車内を暖
房する。
【0023】更に、この低温時暖房立上りモードでは、
電磁弁7を開放して、電磁弁6を閉鎖し、車両駆動用エ
ンジン1の冷却水を、図5の一点鎖線矢印で示すよう
に、車両駆動用エンジン1→デフロスタ5→冷却水熱回
収用熱交換器9→車両駆動用エンジン1の経路で循環さ
せる。これにより、冷却水は、車両駆動用エンジン1の
放熱を吸収して、その熱を冷却水熱回収用熱交換器9で
冷媒に回収させる作用をなす。
【0024】更に、低温時暖房立上りモードでは、電磁
弁28を開放して、電磁弁29を閉鎖し、空調用エンジ
ン24の冷却水を、図5の点線矢印で示すように、空調
用エンジン24→排気熱交換器26→排熱回収用熱交換
器17→空調用エンジン24の経路で自然循環させる。
これにより、冷却水は、空調用エンジン24の放熱と排
気の熱を吸収して、それらの熱を排熱回収用熱交換器1
7で冷媒に回収させる作用をなす。更に、この冷媒に回
収させる熱量を多くするために、排気絞り装置31を作
動させて排気通路を絞り、排気圧(空調用エンジン24
の負荷)を高めて排熱温度ひいては冷却水温度を上昇さ
せる。そして、空調用エンジン24の回転数(コンプレ
ッサ12の回転数)を最大にして、冷媒の循環能力及び
空調用エンジン24の排熱量を最大にすると共に、ファ
ン40の回転数を最大にして、車内に吹き出す温風の風
量も最大にする(ステップS11)。
【0025】斯かる低温時暖房立上りモードでの暖房運
転により、車内気温Ti が20℃より高くなると、ステ
ップS9の判断が「NO」となって、ステップS12に
移行する。ここでは、排気絞り装置31をオフして、排
気圧(空調用エンジン24の負荷)を通常の状態に戻す
が、冷媒の循環経路と車両駆動用エンジン1及び空調用
エンジン24の冷却水の循環経路は、前述した低温時暖
房立上りモードと同じである。但し、温風の風量及びコ
ンプレッサ12の回転数は、車外気温To 、車内気温T
i 及び設定温度Ts により制御して、車内気温Ti を制
御することになる(ステップS13)。
【0026】一方、ステップS8の判断が「NO」の場
合、即ち、車外気温To >0℃、冷却水温度Tw <40
℃の場合には、ステップS14に移行し、車内気温Ti
が20℃以下であるか否かを判断する。もし、Ti ≦2
0℃であれば、ステップS15に移行して、電磁弁7,
28を開放し、電磁弁6,29を閉鎖する。これによ
り、車両駆動用エンジン1及び空調用エンジン24の冷
却水の循環経路は、前述した低温時暖房立上りモードと
同じになる。そして、電磁弁20,22を所定周期で開
放・閉鎖させると共に、これと同期させて、電磁弁2
1,23を閉鎖・開放させる。これにより、冷媒の循環
経路が、冷却水熱回収用熱交換器9と排熱回収用熱交換
器17を通る経路11bと、車外側熱交換器16を通る
経路11aとの間で交互に繰り返し切り換えられる。
【0027】この場合、冷却水熱回収用熱交換器9と排
熱回収用熱交換器17を通る経路11bで冷媒を循環さ
せるときには、冷媒に車両駆動用エンジン1と空調用エ
ンジン24の排熱を回収させる。一方、車外側熱交換器
16を通る経路11aで冷媒を循環させるときには、車
外側熱交換器16で外気の熱を冷媒に吸収させてそれを
暖房に利用する。このとき、冷却水熱回収用熱交換器9
と排熱回収用熱交換器17内に残留する冷媒は、バイパ
ス路11cの逆止弁18を通過してコンプレッサ12の
吐出パイプ12a側に流入し、吐出パイプ12a内の冷
媒の吐出圧力により車内側熱交換器14側に送られる。
これにより、冷却水熱回収用熱交換器9と排熱回収用熱
交換器17内で残留冷媒が過熱されることを防止して、
暖房効率を向上する。
【0028】この運転モードでは、前述した低温時暖房
立上りモードと同じく、空調用エンジン24の回転数
(コンプレッサ12の回転数)を最大にすると共に、フ
ァン40の回転数を最大にして、車内に吹き出す温風の
風量も最大にする(ステップS16)。
【0029】この暖房により、車内気温Ti が20℃を
越えると、ステップS14の判断が「NO」となり、ス
テップS17に移行する。ここでは、電磁弁21,23
を開放して、電磁弁20,22を閉鎖し、コンプレッサ
12から吐出された高温・高圧の冷媒を、図6に矢印で
示すように、車内側熱交換器14→電子エキスパンショ
ンバルブ15→車外側熱交換器16→アキュームレータ
19→コンプレッサ12の経路で循環させる。これによ
り、コンプレッサ12から吐出された高温・高圧のガス
冷媒を、車内側熱交換器14で放熱させて、車内を暖房
すると共に、車外側熱交換器16で外気の熱を冷媒に吸
収させてそれを暖房に利用する。
【0030】更に、この運転モードでは、電磁弁29を
開放して、電磁弁28を閉鎖し、空調用エンジン24の
冷却水を、図6の点線矢印で示すように、ラジエータ2
7側の経路25bで自然循環させて放熱させる。また、
電磁弁6を開放して、電磁弁7を閉鎖し、車両駆動用エ
ンジン1の冷却水を、図6の一点鎖線矢印で示すよう
に、車両駆動用エンジン1→デフロスタ5→温水ヒータ
8→車両駆動用エンジン1の経路で循環させる。これに
より、温水ヒータ8で冷却水を放熱させて、車内をこの
温水ヒータ8と車内側熱交換器14との双方によって暖
房することになる。この際、温度制御は、温風の風量及
びコンプレッサ12の回転数を車外気温To 、車内気温
Ti 及び設定温度Ts により制御して行う(ステップS
18)。
【0031】一方、暖房運転時間の経過に伴って、車両
駆動用エンジン1の冷却水温度Twが上昇して、70℃
>Tw ≧40℃になると、ステップS6からステップS
19に移行して、車外気温To が0℃以下であるか否か
を判断する。もし、To ≦0℃であれば、ステップS2
0に移行して、空調用エンジン24を始動する。そし
て、車内側熱交換器14から吹出される温風の温度Tf
を吹出し風温度センサ36により検知し(ステップS2
1)、その吹出し風温度Tf を冷却水温度Tw と比較す
る(ステップS22)。
【0032】もし、このステップS22で、Tf <Tw
と判断されれば、ステップS23に移行して、電磁弁
6,21,23,29を開放し、電磁弁7,20,2
2,28を閉鎖する。これにより、冷媒と冷却水は、前
述したステップS17のときと同じく、図6に矢印で示
す経路で循環する。この際、温度制御は、車外気温To
、車内気温Ti 及び設定温度Ts により温風の風量及
びコンプレッサ12の回転数を制御して行う(ステップ
S24)。
【0033】また、ステップS22で、Tf ≧Tw のと
きには、ステップS25に移行し、電磁弁7,20,2
2,28を開放して、電磁弁6,21,23,29を閉
鎖する。これにより、冷媒と冷却水は、前述したステッ
プS10のときと同じく、図5に矢印で示す経路で循環
する。このときも、風量及びコンプレッサ12の回転数
は、車外気温To 、車内気温Ti 及び設定温度Ts によ
り制御される(ステップS26)。
【0034】一方、ステップS6で冷却水温度Tw ≧7
0℃と判断されたとき、又は、ステップS19で「N
O」(車外気温To >0℃)と判断されたときには、ス
テップS27の通常暖房モードに移行する。この通常暖
房モードでは、電磁弁6を開放して電磁弁7を閉鎖し、
温水ヒータ8に冷却水を送って温水ヒータ8の放熱のみ
で車内を暖房する。従って、ヒートポンプ10の動作は
停止させたままである。この通常暖房モードでの温度制
御は、車外気温To 、車内気温Ti 及び設定温度Ts に
より温風の風量と冷却水の流量を制御することにより行
う(ステップS28)。この際の冷却水の流量制御は、
送水ポンプ4の回転数を制御することにより行う。
【0035】以上説明した本実施例によれば、車内の暖
房を、車両駆動用エンジン1の冷却水の放熱とヒートポ
ンプ10とを利用して行うものであるが、低温時の暖房
立上りの際には、車両駆動用エンジン1の冷却水の循環
経路を、放熱量の多い温水ヒータ8側から冷却水熱回収
用熱交換器9へ切り換えるため、車両駆動用エンジン1
の始動直後の冷却水の放熱を少なくして、冷却水の温度
上昇(車両駆動用エンジン1の温度上昇)を速めること
ができ、従来の大容量化の進む予熱機を廃止できること
と相俟って、燃費を向上することができる。しかも、冷
却水の放熱を冷却水熱回収用熱交換器9により冷媒に回
収させることで、冷却水の放熱をヒートポンプ10によ
る暖房に有効利用できる。
【0036】更に、低温時の暖房立上りの際には、ヒー
トポンプ10のコンプレッサ12を駆動する空調用エン
ジン24の負荷を排気絞り装置31により一時的に高め
ることにより、空調用エンジン24の排熱温度を高め
空調用エンジン24の冷却水に吸収されたその排熱を排
熱回収用熱交換器17により冷媒に回収させるため、上
述した車両駆動用エンジン1の冷却水の放熱の回収と相
俟って、冷媒により輸送する熱エネルギが大幅に高めら
れて、ヒートポンプ10による暖房能力が格段に高ま
り、低温時の暖房立上りを速くすることができる。
【0037】しかも、ヒートポンプ10は、四方弁13
の切り換えにより冷媒循環回路11中の冷媒の循環方向
を反対にすれば、冷房時に車内を冷却する冷凍サイクル
として機能させることができるので、1つのヒートポン
プ10で冷房・暖房を兼用させることができ、冷房専用
の冷凍サイクル及び大形化した予熱機を備えた従来構造
のものと比較して、装置の大形化を招くこともない。
【0038】尚、本実施例では、ヒートポンプ10とし
て、アキュームレータサイクルを用いているが、レシー
バサイクルを用いても良いことは言うまでもない。
【0039】また、本実施例では、車外気温To を0℃
と比較し、冷却水温度Tw を40℃、70℃と比較して
いるが、これらの判断基準値は他の温度でも良いことは
勿論である。
【0040】また、本実施例では、低温時の暖房立上り
の際に空調用エンジン24の排熱温度を上昇させる排熱
温度上昇手段として、排気通路を絞る排気絞り装置31
を用いたが、これ以外にも例えば排気ブレーキシステム
を利用しても良い。
【0041】その他、本発明は、空調用エンジン24の
冷却水循環回路25中に送水ポンプを設けても良く、ま
た大型バス以外の車両にも適用して実施できる等、種々
の変形が可能である。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、車内の暖房を、車両駆動用エンジンの冷却水の放熱
とヒートポンプとを利用して行うものであるが、低温時
の暖房立上りの際には、車両駆動用エンジンの冷却水の
循環経路を、放熱量の多い温水ヒータ側から冷却水熱回
収用熱交換器側へ切り換えると共に、空調用エンジンの
負荷を排熱温度上昇手段により一時的に高めることによ
り、空調用エンジンの排熱温度を高め、空調用エンジン
の冷却水に吸収されたその排熱を排熱回収用熱交換器に
より冷媒に回収させるようにしたので、低温時の暖房立
上りの際にはヒートポンプによる暖房能力を効果的に高
めることができて、低温時の暖房立上りを速くできると
共に、車両駆動用エンジンの始動後の温度上昇を速める
ことができ、従来の大容量化の進む予熱機を廃止できる
ことと相俟って、燃費を向上することができる。
【0043】しかも、ヒートポンプは、冷媒循環回路中
の冷媒の循環方向を反対にすれば冷房時に車内を冷却す
る冷凍サイクルとして機能させることができるので、1
つのヒートポンプで冷房・暖房を兼用させることがで
き、装置の大形化を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す車両用空調装置のサイ
クル構成図
【図2】空調制御関係の電気回路図
【図3】空調制御の流れを示すフローチャート(その
1)
【図4】空調制御の流れを示すフローチャート(その
2)
【図5】低温時の暖房立上りの際の冷媒と冷却水の循環
方向を示す図
【図6】通常温度時の暖房立上りの際の冷媒と冷却水の
循環方向を示す図
【符号の説明】
1は車両駆動用エンジン、2は冷却水循環回路、3はラ
ジエータ、4は送水ポンプ、5はデフロスタ、6,7は
電磁弁、8は温水ヒータ、9は冷却水熱回収用熱交換
器、10はヒートポンプ、11は冷媒循環回路、12は
コンプレッサ、13は四方弁、14は車内側熱交換器、
15は電子エキスパンションバルブ、16は車外側熱交
換器、17は排熱回収用熱交換器、20乃至23は電磁
弁、24は空調用エンジン、25は冷却水循環回路、2
6は排気熱交換器、27はラジエータ、28,29は電
磁弁、31は排気絞り装置(排熱温度上昇手段)、32
は空調制御回路(空調制御手段)、33は車外温度セン
サ、34は車内気温センサ、35は水温センサ、36は
吹出し風温度センサ、40,41はファンである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−125429(JP,A) 実開 昭63−46209(JP,U) 実開 昭60−34538(JP,U) 実公 昭48−35864(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/03 B60H 1/22 F25B 27/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両駆動用エンジンを冷却する冷却水循
    環回路に設けられ冷却水の放熱により車内を暖房するた
    めの温水ヒータと、 コンプレッサにより冷媒を循環させることにより、その
    冷媒循環回路中の車内側熱交換器から放熱させて車内を
    暖房するヒートポンプと、 前記コンプレッサを駆動する空調用エンジンと、 この空調用エンジンを冷却する冷却水循環回路に設けら
    れ、その冷却水に吸収された前記空調用エンジンの排熱
    を前記冷媒に回収させる排熱回収用熱交換器と、 前記車両駆動用エンジンの冷却水の放熱を前記冷媒に回
    収させる冷却水熱回収用熱交換器と、 前記車両駆動用エンジンの冷却水の循環経路を前記温水
    ヒータ側と前記冷却水熱回収用熱交換器側とに選択的に
    切り換える弁と、 前記空調用エンジンの負荷を高めてその排熱温度を上昇
    させる排熱温度上昇手段と、 低温時の暖房立上りの際には、前記車両駆動用エンジン
    の冷却水の循環経路を前記弁により前記温水ヒータ側か
    ら前記冷却水熱回収用熱交換器側へ切り換えた状態にす
    ると共に、前記排熱温度上昇手段を作動させて前記空調
    用エンジンの負荷を一時的に高めるように制御して前記
    空調用エンジンの冷却水を昇温させる空調制御手段とを
    備えていることを特徴とする車両用空調装置。
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