JP3281481B2 - クレーンの荷重演算装置 - Google Patents

クレーンの荷重演算装置

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JP3281481B2 JP14775994A JP14775994A JP3281481B2 JP 3281481 B2 JP3281481 B2 JP 3281481B2 JP 14775994 A JP14775994 A JP 14775994A JP 14775994 A JP14775994 A JP 14775994A JP 3281481 B2 JP3281481 B2 JP 3281481B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クレーンで吊り上げる
吊り荷の実荷重を精度よく検出するクレーンの荷重演算
装置に関し、特に起伏ロープ張力を用いて実荷重を演算
する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブームを起伏させる起伏ロープの張力を
検出して吊り荷の実荷重を演算する荷重演算装置が知ら
れている(例えば、特開昭58-148187号公報参照)。こ
の種の荷重演算装置は、起伏ロープ張力を検出する荷重
検出器と、ブームの起伏角度を検出する角度検出器と、
ブームの起伏角度に応じた定格総荷重を記憶する記憶部
とを備える。ここで、定格総荷重とは、クレーンの機体
の安定度やその構成部材の強度等を考慮してその転倒や
破損を防止する観点から、クレーンで吊り上げ可能な吊
り荷の限界荷重をいう。この種の荷重演算装置によって
演算される実荷重Wは、(1)式で示される。
【数1】
【0003】(1)式のTLは実際の吊り荷を吊ったと
きの起伏ロープ張力、T0は無負荷時(何も吊り上げな
い状態)のブーム重量による起伏ロープ張力、T2はク
レーンの定格総荷重と等しい重量の吊り荷を吊ったとき
の起伏ロープ張力、WCは定格総荷重を示す。(1)式
のT0,T2,WCはいずれも記憶部に記憶されており、
またTLは荷重検出器によって求められる値である。な
お、(1)式のT2は、所定の既知重量の吊り荷を吊っ
たときの起伏ロープ張力でもよく、この場合のWCは所
定の既知重量になる。
【0004】起伏ロープに働く起伏ロープ張力は、吊り
荷の重量とブーム自体の重量によって変化し、またブー
ム起伏角度によっても変化する。しかし、ブーム起伏角
度が同一であっても、作業条件に応じてブームの長さを
変えたり、耐用年限等によりブームを交換したりする
と、ブームを構成するパイプ材の重量誤差や溶接量の誤
差等によってブーム重量が変化し、それに応じて起伏ロ
ープ張力も変化する。ところが、従来の荷重演算装置
は、ブーム重量による起伏ロープ張力を考慮に入れずに
実荷重を演算していたため、演算された値が実際の値と
異なることが多かった。
【0005】このような問題を解決するため、特公平2-
4516号に記載された過負荷検出装置では、ブーム重量に
よる起伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値との差分
を求めた後、実際の吊り荷を吊った状態で起伏ロープ張
力を実測し、その実測値と前述した差分とを加算したも
のを実荷重としている。このようにすれば、ブーム重量
の誤差を考慮に入れて実荷重を演算できるため、実荷重
の演算精度が高くなり、過負荷の判断も正確になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、ブーム重量によ
る起伏ロープ張力はブームの起伏角度に応じて変化する
ため、前述した差分もブームの起伏角度に応じて変化す
る。したがって、実荷重を演算するためには、作業可能
なブーム起伏角度の全範囲について、ブーム重量による
起伏ロープ張力を実測し、実測した結果とそれに対応す
る設計上の理論値を予めメモリに記憶しておく必要があ
る。このため大容量のメモリが必要とされ、コスト高を
招く。
【0007】特に、ブームとジブがそれぞれ単独にある
いは同時に起伏可能なタワークレーンでは、ブームを起
伏させる起伏ロープ張力はブーム重量とジブ重量の双方
の影響を受け、また作業姿勢によっても起伏ロープ張力
が変化する。このため、異なる姿勢ごとに起伏ロープ張
力をメモリに記憶しておかなければならず、大容量のメ
モリが必要となるとともに、メモリに記憶する時間も長
くなる。メモリへの記憶時間を削減するためには、実際
にブームやジブを起伏させた箇所で起伏ロープ張力を逐
次記憶する方法が考えられるが、作業姿勢を変えるたび
に起伏ロープ張力を記憶してから実荷重を演算しなけれ
ばならず、実荷重の演算時間が長くなるとともに、演算
精度も悪くなる。
【0008】また、作業可能なブーム起伏角度の範囲内
の何箇所かで起伏ロープ張力を実測して記憶し、実測し
た角度以外の角度にブームを傾けた場合には、実測箇所
の起伏ロープ張力を基準として比例補間等の近似手段に
よって起伏ロープ張力を予測することも考えられる。と
ころが、このようにすると、演算精度が低下するおそれ
がある。さらに、荷重検出器によって検出される起伏ロ
ープ張力には、前述したブーム重量によるずれの他に、
荷重検出器自身のゼロ点ずれも含んでおり、このずれも
考慮に入れて演算しなければ正確な演算結果は得られな
い。
【0009】本発明の目的は、荷重検出手段によって検
出される起伏ロープ張力の補正量を簡易かつ迅速に求
め、実荷重の演算精度を向上させるようにしたクレーン
の荷重演算装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1,2のクレーム対応
図に対応づけて本発明を説明する。なお、図1では、請
求項1に対応する構成部分については実線で示し、請求
項2〜5に対応する構成部分については破線で示す。ま
た、図2では、請求項6に対応する構成部分については
実線で示し、請求項7〜10に対応する構成部分につい
ては破線で示す。請求項1に記載の発明は、ブームの起
伏角度を検出する角度検出手段201と、ブームを起伏
させる起伏ロープに働く起伏ロープ張力を検出する荷重
検出手段202と、検出されたブーム起伏角度および起
伏ロープ張力に基づいて、吊り荷の実荷重を演算する実
吊荷重演算手段203とを備えたクレーンの荷重演算装
置に適用され、実際のブーム重量と設計上のブーム重量
との差に起因する起伏ロープ張力の実測値と設計上の理
論値とのずれ量を演算する起伏ロープ張力ずれ演算手段
204と、荷重検出手段202によって検出された起伏
ロープ張力に含まれる、ブーム起伏角度に依存しない誤
差量である荷重検出手段自体の誤差を演算する荷重検出
誤差演算手段205と、起伏ロープ張力ずれ演算手段2
04によって演算された起伏ロープ張力のずれ量と、荷
重検出誤差演算手段205によって演算された誤差量と
に基づいて、荷重検出手段202によって検出された起
伏ロープ張力の補正量を演算する補正量演算手段206
とを備え、補正量に基づいて吊り荷の実荷重を演算する
ように実吊荷重演算手段203を構成するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載されたクレー
ンの荷重演算装置において、実際のブーム重量が予め定
めた重量より所定重量だけ重いまたは軽い場合の起伏ロ
ープ張力の変化量をブーム起伏角度に応じて演算する変
化量演算手段207を備え、変化量演算手段207によ
って演算された起伏ロープ張力の変化量に基づいて、実
際のブーム重量と設計上のブーム重量との差に起因する
起伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量を
ブーム起伏角度に応じて演算するように起伏ロープ張力
ずれ演算手段204を構成するものである。請求項3に
記載の発明は、請求項2に記載されたクレーンの荷重演
算装置において、ブーム起伏角度が第1の角度のとき
の、荷重検出手段202により検出される起伏ロープ張
力の実測値と設計上の理論値とのずれ量を演算する第1
角度ずれ演算手段208と、ブーム起伏角度が第2の角
度のときの、荷重検出手段202により検出される起伏
ロープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量を演算
する第2角度ずれ演算手段209とを備え、第1角度ず
れ演算手段208および第2角度ずれ演算手段209に
よって演算された各起伏ロープ張力のずれ量と、第1の
角度または第2の角度のときに変化量演算手段207に
よって演算された各変化量とに基づいて、実際のブーム
重量と設計上のブーム重量との差に起因する起伏ロープ
張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量をブーム起伏
角度に応じて演算するように起伏ロープ張力ずれ演算手
段204を構成するものである。請求項4に記載の発明
は、請求項3に記載されたクレーンの荷重演算装置にお
いて、第1角度ずれ演算手段208および第2角度ずれ
演算手段209によって演算された各起伏ロープ張力の
ずれ量と、第1の角度または第2の角度のときに変化量
演算手段207によって演算された各変化量とに基づい
て、実際のブーム重量と設計上のブーム重量との重量差
を予測する自重ずれ予測手段210と、予測された重量
差に基づいて、実際のブーム重量と設計上のブーム重量
との差に起因する起伏ロープ張力の実測値と設計上の理
論値とのずれ量をブーム起伏角度に応じて演算する張力
ずれ演算手段211とを備えるものである。請求項5に
記載の発明は、請求項4に記載されたクレーンの荷重演
算装置において、第1角度ずれ演算手段208により演
算された起伏ロープ張力のずれ量と第2角度ずれ演算手
段209により演算された起伏ロープ張力のずれ量との
差分と、変化量演算手段207により演算された第1の
角度での起伏ロープ張力の変化量と第2の角度での起伏
ロープ張力の変化量との差分との比に基づいて、実際の
ブーム重量と設計上のブーム重量との重量差を予測する
ように自重ずれ予測手段210を構成するものである。
【0011】請求項6に記載の発明は、ブームの起伏角
度を検出するブーム角度検出手段301と、ブーム先端
に接続されるジブの起伏角度を検出するジブ角度検出手
段302と、ブームを起伏させる起伏ロープに働く起伏
ロープ張力を検出する荷重検出手段303と、検出され
たブーム起伏角度、ジブ起伏角度および起伏ロープ張力
に基づいて、吊り荷の実荷重を演算する実吊荷重演算手
段304とを備えたクレーンの荷重演算装置に適用さ
れ、実際のジブ重量およびブーム重量と設計上のジブ重
量およびブーム重量との差に起因する起伏ロープ張力の
実測値と設計上の理論値とのずれ量を演算する起伏ロー
プ張力ずれ演算手段305と、荷重検出手段303によ
って検出された起伏ロープ張力に含まれる、ジブ起伏角
度およびブーム起伏角度に依存しない誤差量である荷重
検出誤差を演算する荷重検出誤差演算手段306と、起
伏ロープ張力ずれ演算手段305によって演算された起
伏ロープ張力のずれ量と、荷重検出誤差演算手段306
によって演算された誤差量とに基づいて、荷重検出手段
303によって検出された起伏ロープ張力の補正量を演
算する補正量演算手段307とを備え、補正量に基づい
て吊り荷の実荷重を演算するように実吊荷重演算手段3
04を構成するものである。請求項7に記載の発明は、
請求項6に記載されたクレーンの荷重演算装置におい
て、実際のジブ重量が予め定めた重量より所定重量だけ
重いまたは軽い場合の起伏ロープ張力の変化量をジブ起
伏角度に応じて演算する第1変化量演算手段308と、
実際のブーム重量が予め定めた重量より所定重量だけ重
いまたは軽い場合の起伏ロープ張力の変化量をブーム起
伏角度に応じて演算する第2変化量演算手段309とを
備え、第1変化量演算手段308によって演算された起
伏ロープ張力の変化量と第2変化量演算手段309によ
って演算された起伏ロープ張力の変化量とに基づいて、
実際のジブ重量およびブーム重量と設計上のジブ重量お
よびブーム重量との重量差に起因する起伏ロープ張力の
実測値と設計上の理論値とのずれ量を、ブーム起伏角度
およびジブ起伏角度に応じて演算するように起伏ロープ
張力ずれ演算手段305を構成するものである。請求項
8に記載の発明は、請求項7に記載されたクレーンの荷
重演算装置において、ブーム起伏角度が第1の角度でジ
ブ起伏角度が第2の角度のときの、荷重検出手段303
により検出される起伏ロープ張力の実測値と設計上の理
論値とのずれ量を演算する第1角度ずれ演算手段310
と、ブーム起伏角度が第1の角度でジブ起伏角度が第3
の角度のときの、荷重検出手段303により検出される
起伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量を
演算する第2角度ずれ演算手段309と、ブーム起伏角
度が第4の角度でジブ起伏角度が第5の角度のときの、
荷重検出手段303により検出される起伏ロープ張力の
実測値と設計上の理論値とのずれ量を演算する第3角度
ずれ演算手段312とを備え、第1角度ずれ演算手段3
10、第2角度ずれ演算手段309および第3角度ずれ
演算手段312によって演算された各起伏ロープ張力の
ずれ量と、ジブ起伏角度が第2の角度、第3の角度また
は第5の角度のときに第1変化量演算手段308によっ
て演算された各変化量と、ブーム起伏角度が第1の角度
または第4の角度のときに第2変化量演算手段309に
よって演算された各変化量とに基づいて、実際のブーム
重量と設計上のブーム重量との差に起因する起伏ロープ
張力の実測値と設計上の理論値とのずれを、ブーム起伏
角度およびジブ起伏角度に応じて演算するように起伏ロ
ープ張力ずれ演算手段305を構成するものである。請
求項9に記載の発明は、請求項8に記載されたクレーン
の荷重演算装置において、起伏ロープ張力ずれ演算手段
305の中に、第1角度ずれ演算手段310および第2
角度ずれ演算手段309によって演算された各起伏ロー
プ張力のずれ量と、ジブ起伏角度が第2の角度または第
3の角度のときに第1変化量演算手段308によって演
算された各変化量の差分とに基づいて、実際のジブ重量
と設計上のジブ重量との重量差を予測するジブ自重ずれ
予測手段313と、第2角度ずれ演算手段309および
第3角度ずれ演算手段312によって演算された各起伏
ロープ張力のずれ量と、ブーム起伏角度が第1の角度ま
たは第4の角度のときに第2変化量演算手段309によ
って演算された各変化量の差分と、ジブ自重ずれ予測手
段313によって予測された重量差とに基づいて、実際
のブーム重量と設計上のブーム重量との重量差を予測す
るブーム自重ずれ予測手段314と、ブーム自重ずれ予
測手段314によって予測された重量差に基づいて、実
際のブーム重量と設計上のブーム重量との差に起因する
起伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量
を、ブーム起伏角度およびジブ起伏角度に応じて演算す
る張力ずれ演算手段315とを備えるものである。請求
項10に記載の発明は、請求項9に記載されたクレーン
の荷重演算装置において、ブーム起伏角度が第1の角度
でジブ起伏角度が第3の角度のときの、実際のジブ重量
と設計上のジブ重量との差に起因する起伏ロープ張力の
実測値と設計上の理論値とのずれ量を演算するジブ第3
角度張力ずれ演算手段316と、ブーム起伏角度が第4
の角度でジブ起伏角度が第5の角度のときの、実際のジ
ブ重量と設計上のジブ重量との差に起因する起伏ロープ
張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量を演算するジ
ブ第5角度張力ずれ演算手段317とを備え、第1角度
ずれ演算手段310によって演算された起伏ロープ張力
のずれ量と第2角度ずれ演算手段309によって演算さ
れた起伏ロープ張力のずれ量との差分と、ジブ起伏角度
が第3の角度または第5の角度のときに第1変化量演算
手段308によって演算された各変化量の差分との比に
基づいて、実際のジブ重量と設計上のジブ重量との重量
差を予測するようにジブ自重ずれ予測手段313を構成
し、第2角度ずれ演算手段309によって演算された起
伏ロープ張力のずれ量からジブ第2角度張力ずれ予測手
段によって演算されたずれ量を減算し、その結果と第3
角度ずれ演算手段312によって演算された起伏ロープ
張力のずれ量からジブ第5角度張力ずれ演算手段317
によって演算されたずれ量を減算した結果との差分と、
ブーム起伏角度が第1の角度または第4の角度のときに
第2変化量演算手段309によって演算された各変化量
の差分との比に基づいて、実際のブーム重量と設計上の
ブーム重量との重量差を予測するようにブーム自重ずれ
予測手段314を構成するものである。
【0012】
【作用】請求項1に記載の発明では、実際のブーム重量
と設計上のブーム重量との差に起因する起伏ロープ張力
の実測値と設計上の理論値とのずれ量を、起伏ロープ張
力ずれ演算手段204によって演算する。また、荷重検
出誤差演算手段205は、荷重検出手段202によって
検出された起伏ロープ張力に含まれる、ブーム起伏角度
に依存しない誤差量である荷重検出手段自体の誤差を演
算する。そして、補正量演算手段206は、起伏ロープ
張力ずれ演算手段204によって演算されたずれ量と、
荷重検出誤差演算手段205によって演算された誤差量
とに基づいて、荷重検出手段202によって検出された
起伏ロープ張力の補正量を演算し、この補正量に基づい
て、実吊荷重演算手段203は吊り荷の実荷重を演算す
る。請求項2に記載の発明では、実際のブーム重量が予
め定めた重量より所定重量だけ重いまたは軽い場合の起
伏ロープ張力の変化量を変化量演算手段207によって
演算し、この変化量に基づいて、起伏ロープ張力ずれ演
算手段204は起伏ロープ張力の実測値と設計上の理論
値とのずれ量をブーム起伏角度に応じて演算する。請求
項3に記載の発明では、ブーム起伏角度が第1の角度の
ときの、荷重検出手段202により検出される起伏ロー
プ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量を第1角度
ずれ演算手段208によって演算する。また、ブーム起
伏角度が第2の角度のときの、荷重検出手段202によ
り検出される起伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値
とのずれ量を第2角度ずれ演算手段209によって演算
する。そして、起伏ロープ張力ずれ演算手段204は、
第1角度ずれ演算手段208および第2角度ずれ演算手
段209によって演算された各起伏ロープ張力のずれ量
と、第1の角度または第2の角度のときに変化量演算手
段207によって演算された各変化量とに基づいて、起
伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量をブ
ーム起伏角度に応じて演算する。請求項4に記載の発明
の起伏ロープ張力ずれ演算手段204は自重ずれ予測手
段210と張力ずれ演算手段211とを備え、まず自重
ずれ予測手段210は、第1角度ずれ演算手段208お
よび第2角度ずれ演算手段209によって演算された各
起伏ロープ張力のずれ量と、第1の角度または第2の角
度のときに変化量演算手段207によって演算された各
変化量とに基づいて、実際のブーム重量と設計上のブー
ム重量との重量差を予測する。そして、この予測された
重量差に基づいて、張力ずれ演算手段211は、実際の
ブーム重量と設計上のブーム重量との差に起因する起伏
ロープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量をブー
ム起伏角度に応じて演算する。請求項5に記載の発明の
自重ずれ予測手段210は、第1角度ずれ演算手段20
8により演算された起伏ロープ張力のずれ量と第2角度
ずれ演算手段209により演算された起伏ロープ張力の
ずれ量との差分と、変化量演算手段207により演算さ
れた第1の角度での起伏ロープ張力の変化量と第2の角
度での起伏ロープ張力の変化量との差分との比に基づい
て、実際のブーム重量と設計上のブーム重量との重量差
を予測する。
【0013】請求項6に記載の発明では、起伏ロープ張
力の実測値と設計上の理論値とのずれ量を起伏ロープ張
力ずれ演算手段305によって演算する。また、荷重検
出誤差演算手段306は、荷重検出手段303によって
検出された起伏ロープ張力に含まれる、ジブ起伏角度お
よびブーム起伏角度に依存しない誤差量である荷重検出
誤差を演算する。そして、補正量演算手段307は、起
伏ロープ張力ずれ演算手段305によって演算された起
伏ロープ張力のずれ量と、荷重検出誤差演算手段306
によって演算された誤差量とに基づいて、荷重検出手段
303によって検出された起伏ロープ張力の補正量を演
算し、この補正量に基づいて、実吊荷重演算手段304
は吊り荷の実荷重を演算する。請求項7に記載の発明で
は、実際のジブ重量が予め定めた重量より所定重量だけ
重いまたは軽い場合の起伏ロープ張力の変化量を第1変
化量演算手段308によってジブ起伏角度に応じて演算
し、実際のブーム重量が予め定めた重量より所定重量だ
け重いまたは軽い場合の起伏ロープ張力の変化量を第2
変化量演算手段309によってブーム起伏角度に応じて
演算する。そして起伏ロープ張力ずれ演算手段305
は、第1変化量演算手段308によって演算された起伏
ロープ張力の変化量と第2変化量演算手段309によっ
て演算された起伏ロープ張力の変化量とに基づいて、起
伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量をブ
ーム起伏角度およびジブ起伏角度に応じて演算する。請
求項8に記載の発明では、ブーム起伏角度が第1の角度
でジブ起伏角度が第2の角度のときの起伏ロープ張力の
実測値と設計上の理論値とのずれ量を第1角度ずれ演算
手段310によって演算し、ブーム起伏角度が第1の角
度でジブ起伏角度が第3の角度のときの起伏ロープ張力
の実測値と設計上の理論値とのずれ量を第2角度ずれ演
算手段309によって演算し、ブーム起伏角度が第4の
角度でジブ起伏角度が第5の角度のときの起伏ロープ張
力の実測値と設計上の理論値とのずれ量を第3角度ずれ
演算手段312によって演算する。そして、起伏ロープ
張力ずれ演算手段305は、第1角度ずれ演算手段31
0、第2角度ずれ演算手段309および第3角度ずれ演
算手段312によって演算された各起伏ロープ張力のず
れ量と、ジブ起伏角度が第2の角度、第3の角度または
第5の角度のときに第1変化量演算手段308によって
演算された各変化量と、ブーム起伏角度が第1の角度ま
たは第4の角度のときに第2変化量演算手段309によ
って演算された各変化量とに基づいて、起伏ロープ張力
の実測値と設計上の理論値とのずれをブーム起伏角度お
よびジブ起伏角度に応じて演算する。請求項9に記載の
発明の起伏ロープ張力ずれ演算手段305は、ジブ自重
ずれ予測手段313とブーム自重ずれ予測手段314と
張力ずれ演算手段315とを備え、ジブ自重ずれ予測手
段313は、第1角度ずれ演算手段310および第2角
度ずれ演算手段309によって演算された各起伏ロープ
張力のずれ量と、ジブ起伏角度が第2の角度または第3
の角度のときに第1変化量演算手段308によって演算
された各変化量の差分とに基づいて、実際のジブ重量と
設計上のジブ重量との重量差を予測する。また、ブーム
自重ずれ予測手段314は、第2角度ずれ演算手段30
9および第3角度ずれ演算手段312によって演算され
た各起伏ロープ張力のずれ量と、ブーム起伏角度が第1
の角度または第4の角度のときに第2変化量演算手段3
09によって演算された各変化量の差分と、ジブ自重ず
れ予測手段313によって予測された重量差とに基づい
て、実際のブーム重量と設計上のブーム重量との重量差
を予測する。そして、張力ずれ予測手段は、ブーム自重
ずれ予測手段314によって予測された重量差に基づい
て、起伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ
量をブーム起伏角度およびジブ起伏角度に応じて演算す
る。請求項10に記載の発明では、ブーム起伏角度が第
1の角度でジブ起伏角度が第3の角度のときの、起伏ロ
ープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量をジブ第
3角度張力ずれ演算手段316によって演算し、ブーム
起伏角度が第4の角度でジブ起伏角度が第5の角度のと
きの、起伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値とのず
れ量をジブ第5角度張力ずれ演算手段317によって演
算する。そして、ジブ自重ずれ予測手段313は、第1
角度ずれ演算手段310によって演算された起伏ロープ
張力のずれ量と第2角度ずれ演算手段309によって演
算された起伏ロープ張力のずれ量との差分と、ジブ起伏
角度が第2の角度または第3の角度のときに第1変化量
演算手段308によって演算された各変化量の差分との
比に基づいて、実際のジブ重量と設計上のジブ重量との
重量差を予測する。また、ブーム自重ずれ予測手段31
4は、第2角度ずれ演算手段309によって演算された
起伏ロープ張力のずれ量からジブ第2角度張力ずれ予測
手段によって演算されたずれ量を減算し、その結果と第
3角度ずれ演算手段312によって演算された起伏ロー
プ張力のずれ量からジブ第3角度張力ずれ演算手段31
6によって演算されたずれ量を減算した結果との差分
と、ブーム起伏角度が第1の角度または第4の角度のと
きに第2変化量演算手段309によって演算された各変
化量の差分との比に基づいて、実際のブーム重量と設計
上のブーム重量との重量差を予測する。
【0014】
【実施例】
−第1の実施例− 以下、図3〜7により本発明による荷重演算装置をクレ
ーンに適用した第1の実施例を説明する。図4はクレー
ンの外観図である。1はクレーンの下部走行体、2は下
部走行体1の上部に旋回可能に連結された上部旋回体、
3は上部旋回体2の前部に起伏可能に連結されたブーム
である。このブーム3は基本ブーム3aと継ぎブーム3
bからなり、継ぎブーム3bは着脱可能とされ、また複
数の継ぎブーム3bが基本ブーム3aに連結可能とされ
ている。4は吊り荷の上げ下ろしを制御する巻き上げウ
インチ、5はブーム3の起伏を制御する起伏ウインチで
あり、巻き上げウインチ4と起伏ウインチ5はともに上
部旋回体2の略中央部に配設されている。巻き上げウイ
ンチ4から繰り出された巻き上げロープ6は、ブーム3
の先端部に取り付けられた滑車18,7を介してフック
8の滑車8aに掛け回されており、フック8に取り付け
られた吊り荷9は巻き上げウインチ4の回転に応じて上
下する。起伏ウインチ5から繰り出された起伏ロープ1
0は、マスト11の先端部に取り付けられたハンガー1
2とブライドル13に掛け回されており、ブライドル1
3の一端はペンダントロープによりブーム3の先端部と
接続されている。14はハンガー12に取り付けられ、
起伏ロープ10の張力を検出する荷重検出器、15はブ
ーム3の基端部に取り付けられ、ブーム3の起伏角度を
検出する角度検出器である。
【0015】図3は、本発明による荷重演算装置の第1
の実施例のブロック図である。この荷重演算装置は、例
えば上部旋回体2の内部に設けられる。101は演算比
較部であり、その内部には、後述する図5,6の処理に
基づいて吊り荷9の実荷重を演算する演算部101a
と、過負荷か否かを判断する比較部101bとを有す
る。102は、角度検出器15によって検出されたブー
ム起伏角度と荷重検出器14によって検出された起伏ロ
ープ張力とを記憶する第1の記憶部であり、例えばRA
Mによって構成される。103は予め設定されたブーム
重量による起伏ロープ張力の設計上の理論値をブーム起
伏角度に応じて記憶する第2の記憶部である。すなわ
ち、第2の記憶部103には、クレーンの設計条件等を
考慮に入れて予め求めたブーム重量による起伏ロープ張
力がブーム起伏角度に応じて記憶されている。この第2
の記憶部103は、例えばROMによって構成される。
104は荷重検出器14と演算部101aとを接続する
か、荷重検出器14と第1の記憶部102とを接続する
かを切り替える切換部である。105は演算部101a
によって演算された実荷重と角度検出器15によって検
出されたブーム起伏角度を表示する表示部、106は比
較部101bによって過負荷であると判断されると警報
を行なう警報器である。
【0016】図5,6は第1の実施例の演算部101a
の動作を示すフローチャートであり、このフローチャー
トに基づいて、第1の実施例の動作を説明する。まず、
フック8に吊り荷9を取り付けない状態(以下、無負荷
状態)でブーム3を起立させる。図5のステップS1で
は、角度検出器15で検出されたブーム起伏角度を読み
込み、ブーム起伏角度がθ1になった時点で、ブーム3
の起伏動作を停止させる。この角度θ1は第1の記憶部
102に記憶される。ステップS2では、切換器104
に信号を送って荷重検出器14と第1の記憶部102と
を接続し、荷重検出器14で検出されたブーム起伏ロー
プ張力Ta01を第1の記憶部102に記憶するととも
に、この張力Ta01を読み込む。
【0017】ステップS3では、ブーム起伏角度θ1で
の起伏ロープ張力の設計上の理論値Ts01を第2の記憶
部103から読み込む。ステップS4では、(2)式に
示すように、設計上の理論値Ts01と実測値Ta01とのず
れDef1を算出する。
【数2】Def1=Ts01−Ta01 ・・・(2) この場合、起伏ロープ10にはブーム重量だけがかかっ
ており、一方荷重検出器14にはゼロ点ずれがあるた
め、(1)式のDef1は(3)式に示す2種類のずれ
を含んでいる。
【数3】 Def1=(角度θ1でのブーム重量による起伏張力のずれ) +(荷重検出器のゼロ点ずれ) ・・・(3)
【0018】次に、ステップS5では、ブーム起伏角度
を変更し、角度検出器15で検出されたブーム起伏角度
θ2を読み込む。ステップS6では、この作業姿勢での
起伏ロープ張力Ta02を荷重検出器14から読み込む。
なお、ブーム起伏角度θ2と起伏ロープ張力Ta02は第
1の記憶部102に記憶される。ステップS7では、ブ
ーム起伏角度θ2での起伏ロープ張力の設計上の理論値
s02を第2の記憶部103から読み込む。ステップS
8では、(4)式に示すように、設計上の理論値Ts02
と実測値Ta02のずれDef2を算出する。
【数4】Def2=Ts02−Ta02 ・・・(4) (4)式のDef2は、(5)式に示す2種類のずれを
含んでいる。
【数5】 Def2=(角度θ2でのブーム重量による起伏張力のずれ) +(荷重検出器のゼロ点ずれ) ・・・(5)
【0019】次に、ステップS9では、(6)式に示す
ように、(2)式と(4)式の差分を演算する。
【数6】 ΔDef12=Def1−Def2 ・・・(6) 荷重検出器14のゼロ点ずれは、ブーム起伏角度によら
ず一定であるため、(6)式の演算を行なうことによ
り、荷重検出器14のゼロ点ずれは互いに相殺される。
すなわち、(6)式のΔDef12は(7)式に示すずれ
を含んでいる。
【数7】 ΔDef12=(角度θ1でのブーム重量による起伏張力のずれ) −(角度θ2でのブーム重量による起伏張力のずれ) ・・・(7)
【0020】次に、図6に示したステップS10では、
(8)式に示すように、ブーム起伏角度θ1でのブーム
重量補正感度Kb1と、ブーム起伏角度θ2でのブーム重
量補正感度Kb2との差分を求める。
【数8】ΔKb12=Kb1−Kb2 ・・・(8) ここで、ブーム重量補正感度Kbとは、ブーム3が予め
定めた重量だった場合の無負荷時起伏ロープ張力と、ブ
ーム3が予め定めた重量よりも所定重量だけ異なった場
合の無負荷時起伏ロープ張力との差分をいう。
【0021】図7は、ブーム起伏角度とブーム重量補正
感度の関係を示す図であり、図7の曲線aはブーム3が
予め定めたブーム重量よりも所定重量Wbだけ重い場合
のブーム重量補正感度を示す。図7では、曲線a上のブ
ーム起伏角度θ1に対応するブーム重量補正感度をKb1
とし、ブーム起伏角度θ2に対応するブーム重量補正感
度をKb2とし、ステップS10で求めた差分ΔKb12
図示の矢印で示している。この差分ΔKb12は、ブーム
重量が予め定めた重量よりもWb重い場合の、ブーム起
伏角度θ1での起伏ロープ張力のずれとブーム起伏角度
θ2での起伏ロープ張力のずれとの差分を示す。一方、
実際のブーム重量が曲線aで示す所定重量Wbよりもさ
らにWb重い場合のブーム重量補正感度は、図7の曲線
bで示される。図7では、曲線b上のブーム起伏角度θ
1に対応するブーム重量補正感度をKb3とし、ブーム起
伏角度θ2に対応するブーム重量補正感度をKb4として
いる。図7において、Kb3=2×Kb1、Kb4=2×Kb2
であるため、ΔKb34=Kb3−Kb4=2×Kb1−2×K
b2=2×ΔKb12となり、曲線bのΔKb34は、曲線aの
ΔKb12の2倍になる。すなわち、実際のブーム重量と
予め定めたブーム重量との差が2倍になれば、(8)式
によって求められる差分も2倍になる。このように、
(8)式に従ってブーム重量補正感度の差分を求める
と、実際のブーム重量が予め定めたブーム重量とどの程
度異なっているかを把握できる。なお、図7の関係は計
算値によって求めてもよくあるいは実測値をもとに求め
てもよい。
【0022】次に、ステップS11では、(9)式に基
づいてブーム重量補正係数BPdefを求める。
【数9】 BPdef=ΔDef12/ΔKb12 ・・・(9) このブーム重量補正係数BPdefは、実際のブーム重量
が予め定めたブーム重量に対してどの程度ずれているか
を示し、具体的には、このずれ量を、予め定めた重量W
bに対する比として表わすようにしている。このブーム
重量補正係数BPdefにブーム重量補正感度Kbを乗じる
と、ブーム起伏角度に応じたブーム重量による起伏ロー
プ張力のずれ量が求められる。例えば、ブーム起伏角度
θ1でのブーム重量による起伏ロープ張力のずれ量を求
めるためには、BPdefにブーム起伏角度θ1でのブー
ム重量補正感度Kb1を乗じればよい。
【0023】次に、ステップS12では、(2)式と
(9)式、または(4)式と(9)式を用いて、荷重検
出器14のゼロ点ずれCdefを求める。この場合の式
は、(10)式または(11)式のようになる。
【数10】 Cdef=Def1−BPdef×Kb1 ・・・(10) Cdef=Def2−BPdef×Kb2 ・・・(11)
【0024】次に、ステップS13では、実際の吊り荷
をフックに取り付けた状態でブームを起立させ、ブーム
起伏角度を作業に応じた角度に設定し、この作業姿勢で
の荷重補正量DWを(12)式に基づいて算出する。
【数11】 DW=Cdef+BPdef×Kb ・・・(12) (12)式の演算を行なう際、ゼロ点ずれCdefはステ
ップS12で算出した値を用い、ブーム重量補正係数B
defはステップS11で算出した値を用いる。また、
ブーム重量補正感度Kbは、現在のブーム起伏角度に応
じた自重補正感度Kbを第2の記憶部103から読み込
む。もし、第2の記憶部103に該当するブーム起伏角
度の自重補正感度が記憶されていない場合には、その角
度に近い角度の自重補正感度を用いて、比例補間等の近
似手段により求めればよい。
【0025】次に、ステップS14では、(13)式に
基づいて吊り荷の実荷重Wを求める。
【数12】 ここで、TLは実際の吊り荷を吊った状態での起伏ロー
プ張力、T0はブーム重量による起伏ロープ張力、T2
所定の既知重量の吊り荷を吊ったときの起伏ロープ張
力、WCは所定の既知重量値を示す。
【0026】次に、ステップS15では、ステップS1
4で求めた実荷重Wが、現在のブーム起伏角度に対応す
る定格総荷重より大きいか否かを判定し、大きい場合に
は警報器106に信号を送って警報を行なう。以後、ブ
ーム起伏角度を変更した場合には、ステップS13〜S
15の処理を行なう。
【0027】以上、第1の実施例の動作をまとめると、
ブーム起伏角度を2通りに変化させ、それぞれの角度で
の起伏ロープ張力を比較することによって、ブーム重量
による起伏ロープ張力のずれ量BPdef×Kbと荷重検出
器14のゼロ点ずれCdefを求める。そして、これらの
ずれ量を用いて補正量DWを求め、(13)式に基づい
て実荷重Wを求める。
【0028】このように、第1の実施例によれば、ブー
ム重量が設計上の理論値と異なっていても、ブーム起伏
角度に応じた吊り荷の実荷重を精度よく算出できる。ま
た、ブーム起伏角度を2通りに変化させるだけで、従来
の実荷重演算式を補正するための補正量DWを算出でき
るため、精度の高い実荷重を簡易かつ迅速に求めること
ができる。
【0029】−第2の実施例− 第2の実施例は、本発明による荷重演算装置をタワーク
レーンに適用した例を示す。図8はタワークレーンの外
観図である。51はタワークレーンの下部走行体、52
は下部走行体51の上部に旋回可能に連結された上部旋
回体、53は上部旋回体52の前部に起伏可能に連結さ
れたタワーブームである。このタワーブーム53は基本
ブーム53aと継ぎブーム53bから成り、継ぎブーム
53bは着脱可能とされ、また複数の継ぎブーム53b
が同時に基本ブーム53aに連結可能とされている。タ
ワーブーム53の先端部には、タワージブ54と三角形
のスイングレバー55とがそれぞれ揺動自在に取り付け
られている。三角形のスイングレバー55の角部は、ペ
ンダントロープ56によってタワージブ54の先端部と
接続されている。タワージブ54は、基本ジブ54aと
継ぎジブ54bから成り、継ぎジブ54bは着脱可能と
され、また複数の継ぎジブ54bが同時に基本ジブ54
aに連結可能とされている。
【0030】57は吊り荷の上げ下ろしを制御する巻き
上げウインチ、58はタワーブーム53の起伏を制御す
るタワーブーム起伏ウインチ、59はタワージブ54の
起伏を制御するタワージブ起伏ウインチであり、巻き上
げウインチ57、タワーブーム起伏ウインチ58および
タワージブ起伏ウインチ59はともに上部旋回体52の
略中央部に配設されている。巻き上げウインチ57から
繰り出された巻き上げロープ60は、タワーブーム53
の先端部に取り付けられた滑車61およびタワージブ5
4の先端部に取り付けられた滑車62,63を介してフ
ック64の滑車64aに掛け回されており、フック64
に取り付けられた吊り荷65は巻き上げウインチ57の
回転に応じて上下する。
【0031】タワーブーム起伏ウインチ58から繰り出
されたブーム起伏ロープ66は、マスト67の先端部に
取り付けられたタワーブームハンガー68とタワーブー
ムブライドル69に掛け回されており、タワーブームブ
ライドル69の一端はペンダントロープによってタワー
ブーム53の先端部と接続されている。タワージブ起伏
ウインチ59から繰り出されたジブ起伏ロープ70は、
タワージブハンガー71とタワージブブライドル72に
掛け回されており、タワージブブライドル72の一端は
ペンダントロープによって三角形のスイングレバー55
の角部と接続されている。14はタワーブームハンガー
68に取り付けられ、ブーム起伏ロープ66の張力を検
出する荷重検出器、15Aはタワーブーム53の基端部
に取り付けられ、タワーブーム53の起伏角度の検出を
行なう角度検出器、15Bはタワージブ54の基端部に
取り付けられ、タワージブ54の起伏角度を検出する角
度検出器である。
【0032】図9は本発明による荷重演算装置の第2の
実施例のブロック図である。図8の荷重演算装置は、2
個の角度検出器15A,15Bがそれぞれ第1の記憶部
102と第2の記憶部103に接続される点を除いて第
1の実施例の説明に用いた図3と共通しており、構成の
説明は省略する。
【0033】図10,11は第2の実施例の演算部10
1aの動作を示すフローチャートであり、このフローチ
ャートに基づいて、第2の実施例の動作を説明する。ま
ず、無負荷状態でタワーブーム53とタワージブ54を
起立させる。図10のステップS101では、角度検出
器15A,15Bで検出されたタワーブーム起伏角度と
タワージブ起伏角度を読み込み、タワーブーム起伏角度
がθT1、タワージブ起伏角度がθJ1になった時点で、起
伏動作を停止させる。ステップS102では、荷重検出
器14で検出されたブーム起伏ロープ張力Ta11を読み
込む。なお、タワーブーム起伏角度θT1、タワージブ起
伏角度θJ1およびブーム起伏ロープ張力Ta11は第1の
記憶部102に記憶される。
【0034】ステップS103では、タワーブーム起伏
角度θT1でタワージブ起伏角度θJ1でのブーム起伏ロー
プ張力の設計上の理論値Ts11を第2の記憶部103か
ら読み込む。ステップS104では、(14)式に示す
ように、実測値Ta11と設計上の理論値Ts11のずれDe
10を求める。
【数13】 Def10=Ts11−Ta11 ・・・(14) この場合、ブーム起伏ロープ66にはタワーブーム重量
とタワージブ重量だけがかかっており、一方荷重検出器
14にはゼロ点ずれがあるため、(14)式のDef10
は、(15)式に示すように3種類のずれを含んでい
る。
【数14】 Def10=(角度θT1でのタワーブーム重量による起伏張力のずれ) +(角度θT1,θJ1でのタワージブ重量による起伏張力のずれ) +(荷重検出器のゼロ点ずれ) ・・・(15)
【0035】次に、ステップS105では、タワーブー
ム起伏角度を変えずに、タワージブ起伏角度を変更し、
角度検出器15A,15Bでそれぞれ検出されたタワー
ブーム起伏角度θT1とタワージブ起伏角度θJ2を読み込
む。ステップS106では、この作業姿勢でのブーム起
伏ロープ張力Ta12を荷重検出器14から読み込む。な
お、タワーブーム起伏角度θT1、タワージブ起伏角度θ
J2およびブーム起伏ロープ張力Ta12は、第1の記憶部
102に記憶される。
【0036】ステップS107では、この作業姿勢での
ブーム起伏ロープ張力の設計上の理論値Ts12を第2の
記憶部103から読み込む。ステップS108では、
(16)式に示すように、実測値Ta12と計算値Ts12
ずれDef20を求める。
【数15】 Def20=Ts12−Ta12 ・・・(16) (16)式によって求められるDef20は、(17)式
に示すように、3種類のずれを含んでいる。
【数16】 Def20=(角度θT1でのタワーブーム重量による起伏張力のずれ) +(角度θT1,θJ2でのタワージブ重量による起伏張力のずれ) +(荷重検出器のゼロ点ずれ) ・・・(17)
【0037】次に、ステップS109では、タワーブー
ム起伏角度およびタワージブ起伏角度を変更し、角度検
出器15A,15Bでそれぞれ検出されたタワーブーム
起伏角度θT2とタワージブ起伏角度θJ3を読み込む。ス
テップS110では、この作業姿勢でのブーム起伏ロー
プ張力Ta13を荷重検出器14から読み込む。なお、タ
ワーブーム起伏角度θT2、タワージブ起伏角度θJ3およ
びブーム起伏ロープ張力Ta13は、第1の記憶部102
に記憶される。
【0038】ステップS111では、この作業姿勢での
ブーム起伏ロープ張力の設計上の理論値Ts13を第2の
記憶部103から読み込む。ステップS112では、
(18)式に示すように、実測値Ta13と計算値Ts13
ずれDef30を求める。
【数17】 Def30=Ts13−Ta13 ・・・(18) (18)式によって求められるDef30は、(19)式
に示すように、3種類のずれを含んでいる。
【数18】 Def30=(角度θT2でのタワーブーム重量による起伏張力のずれ) +(角度θT2,θJ3でのタワージブ重量による起伏張力のずれ) +(荷重検出器のゼロ点ずれ) ・・・(19)
【0039】次に、図11のステップS113では、
(20)式に示すように、ステップS104で求めたD
ef10と、ステップS108で求めたDef20との差分
ΔDef1020を求める。
【数19】 ΔDef1020=Def10−Def20 ・・・(20) 荷重検出器14のゼロ点ずれはDef10とDef20で等
しいため、(20)式の減算によって互いに相殺され
る。また、タワーブーム重量による起伏ロープ張力のず
れもDef10とDef20で等しいため互いに相殺され、
結局ΔDef1020は、(21)式に示すずれを含む。
【数20】 ΔDef1020=(θT1,θJ1でのタワージブ重量による起伏張力のずれ) −(θT1,θJ2でのタワージブ重量による起伏張力のずれ) ・・・(21)
【0040】次にステップS114では、(22)式に
示すように、タワーブーム起伏角度θT1、タワージブ起
伏角度θJ1でのタワージブ重量補正感度KJb1と、タワ
ーブーム起伏角度θT1、タワージブ起伏角度θJ2でのタ
ワージブ重量補正感度KJb2との差分ΔKJb12を求め
る。
【数21】 ΔKJb12=KJb1−KJb2 ・・・(22) ここで、タワージブ重量補正感度とは、タワージブ54
が予め定めた重量だった場合の無負荷時起伏ロープ張力
と、タワージブ54が予め定めた重量よりも所定重量だ
け異なった場合の無負荷時起伏ロープ張力との差分をい
う。
【0041】図12は、タワージブ起伏角度θJとタワ
ージブ重量補正感度KJbとの関係を示す図であり、図示
された各曲線は、タワージブ54が予め定めた重量より
も所定重量だけ重い場合のタワージブ重量補正感度を示
す。図示のように、タワーブーム起伏角度θTに応じて
異なる曲線を描く。図10では、タワーブーム起伏角度
θTがθT1,θT2,θT3のときのそれぞれの曲線を示し
ている。(22)式によるΔKJb12は図示の矢印で示さ
れ、このΔKJb12は、タワージブ54の重量が予め定め
た重量よりもWJC重い場合の、タワージブ起伏角度θJ1
でのタワージブ起伏ロープ張力のずれと、タワージブ起
伏角度θJ2でのタワージブ起伏ロープ張力のずれとの差
を示す。
【0042】次にステップS115では、(23)式に
基づいて、タワージブ重量補正係数TJPdefを算出す
る。
【数22】 TJPdef=ΔDef1020/ΔKb12 ・・・(23) このタワージブ重量補正係数TJPdefは、タワージブ
重量が設計上の理論値に対してどの程度ずれているかを
示しており、具体的には、設計上の理論値に対するずれ
量を、予め定めた重量WJCに対する比として示したもの
である。(23)式によって求めたTJPdefに、タワ
ージブ重量補正感度KJbを乗じると、タワージブ重量に
よるブーム起伏ロープ張力のずれが求まる。
【0043】次に、ステップS116では、(24),
(25)式に基づいて係数Def20’とDef30’を求
める。
【数23】 Def’20=Def20−TJPdef×KJb2 ・・・(24) Def’30=Def30−TJPdef×KJb3 ・・・(25) このDef’20とDef’30は、それぞれ(26),
(27)式のずれを含んでいる。 Def’20=(角度θT1でのタワーブーム重量による起伏張力のずれ) +(荷重検出器のゼロ点ずれ) ・・・(26) Def’30=(角度θT2でのタワーブーム重量による起伏張力のずれ) +(荷重検出器のゼロ点ずれ) ・・・(27)
【0044】次に、ステップS117では、(28)式
に示すように、Def’20とDef’30の差分ΔDe
f’2030を求める。
【数24】 ΔDef’2030=Def’20−Def’30 ・・・(28) (28)式の演算を行なうと、荷重検出器14のゼロ点
ずれが相殺されるため、ΔDef’2030は(29)式に
示すずれを含む。
【数25】 ΔDef’2030=(角度θT1でのタワーブーム重量による起伏張力のずれ) −(角度θT2でのタワーブーム重量による起伏張力のずれ) ・・・(29)
【0045】次に、ステップS118では、(30)式
に示すように、タワーブーム起伏角度θT1でのタワーブ
ーム重量補正感度KTb1と、タワーブーム起伏角度θT2
でのタワーブーム重量補正感度KTb2との差分ΔKTb12
を求める。
【数26】 ΔKTb12=KTb1−KTb2 ・・・(30) ここで、タワーブーム重量補正感度KTbとは、タワージ
ブ54が予め定めた重量だった場合の無負荷時起伏ロー
プ張力と、タワージブ54が予め定めた重量よりも所定
重量WTCだけ異なった場合の無負荷時起伏ロープ張力と
の差分をいう。
【0046】図13は、タワーブーム起伏角度θTとタ
ワーブーム重量補正感度KTbとの関係を示す図であり、
図示された各曲線は、タワーブーム53が予め定めた重
量よりも所定重量だけ重い場合のタワーブーム重量補正
感度を示す。(30)式によって求められるΔKTb12
図示の矢印で示される。このΔKTb12は、タワーブーム
53の重量が予め定めた重量よりもWTC重い場合の、タ
ワーブーム起伏角度θ1での起伏ロープ張力のずれと、
タワーブーム起伏角度θ2での起伏ロープ張力のずれと
の差分を示している。
【0047】次に、ステップS119では、(31)式
に基づいて、タワーブーム重量補正係数TBPdefを求
める。
【数27】 TBPdef=ΔDef2030’/ΔKTb12 ・・・(31) このタワーブーム重量補正係数TBPdefは、タワーブ
ーム53の重量が設計上の理論値に対してどの程度ずれ
ているかを示すための係数であり、このずれ量を、予め
定めた重量に対する比として表している。このタワーブ
ーム重量補正係数TBPdefにタワーブーム重量補正感
度KTbを乗じると、ブーム起伏角度に応じたタワーブー
ム重量による起伏張力のずれ量が求められる。
【0048】次に、ステップS120では、(32)式
または(33)式に基づいて、荷重検出器のゼロ点ずれ
defを算出する。
【数28】 Cdef=Def’20−TBPdef×KTb1 ・・・(32) Cdef=Def’30−TBPdef×KTb2 ・・・(33)
【0049】次に、ステップS121では、実際の吊り
荷をフック64に取り付けた状態でタワーブーム53と
タワージブ54を起立させ、タワーブーム起伏角度とタ
ワージブ起伏角度を作業に応じた角度に設定し、この作
業姿勢での荷重補正量DWを(34)式に基づいて算出
する。
【数29】 DW=Cdef+TJPdef×KJb+TBPdef×KTb ・・・(34)
【0050】次に、ステップS122では、ステップS
121で求めた荷重補正量DWを用いて、図6のステッ
プS14と同様に、(13)式に基づいて吊り荷の実荷
重Wを求める。
【0051】次に、ステップS123では、図6のステ
ップS15と同様に、警報処理を行なう。以後、ブーム
起伏角度を変更した場合には、ステップS121〜S1
23の処理を行なう。
【0052】以上、第2の実施例の動作をまとめると、
タワーブーム起伏角度とタワージブ起伏角度を3通りに
変化させ、それぞれの角度でのタワーブーム起伏ロープ
張力を比較することによって、タワージブ重量によるず
れ量TJPdef×KJbと、タワーブーム重量によるずれ
量TBPdef×KTbと、荷重検出器14のゼロ点ずれC
defとを求める。そして、これらのずれを用いて補正量
DWを求め、(13)式に基づいて実荷重を求める。
【0053】このように、第2の実施例では、タワージ
ブ54とタワーブーム53の各重量の設計上の理論値か
らのずれ量を考慮に入れて実荷重を演算するため、実荷
重を精度よく算出できる。また、タワーブーム起伏角度
とタワージブ起伏角度を3通りに変化させるだけで、従
来の実荷重演算式を補正するための補正量DWを算出で
きるため、実荷重の演算時間が短くて済む。
【0054】−第3の実施例−第1,2の実施例では、
補正量DWを求める際に、フックの重量を考慮に入れて
いない。しかし、実際には、フックの重量も起伏ロープ
張力に影響を与えている。また、フックは作業に応じて
交換する場合があり、交換によってフック重量が変化す
る場合もある。そこで、以下に説明する第3の実施例
は、フック重量を考慮に入れて実荷重演算を行うように
したものである。
【0055】図14は荷重演算装置を図4に示すクレー
ンに適用した場合の第3の実施例のブロック図である。
この図では、図3に示す第1の実施例のブロック図と共
通する構成部分には同一符号を付しており、以下では相
違点を中心に説明する。図14の201はフック重量の
入力と起伏ロープ張力の記憶指示を行う入力器である。
この入力器201は例えば運転席周辺に設けられ、作業
者がフック重量を入力すると、その値を用いて実荷重の
演算が行われる。一方、作業者が起伏ロープ張力の記憶
を指示すると、荷重検出器14から出力された起伏ロー
プ張力は第1の記憶部102に記憶される。
【0056】第3の実施例の荷重検出器14と角度検出
器15は、図3とは異なり、演算部101aに接続され
ている。したがって、荷重検出器14で検出された起伏
ロープ張力と、角度検出器15で検出されたブーム起伏
角度は、演算部101aを介して第1の記憶部102ま
たは第2の記憶部103に記憶される。
【0057】図15は演算部101aの動作を示すフロ
ーチャートであり、このフローチャートに基づいて第3
の実施例の動作を説明する。まず、無負荷状態でブーム
を起立させる。図15のステップS201では、角度検
出器15で検出されたブーム起伏角度θ1を読み込む。
ステップS202では、入力器201から入力されたフ
ック重量を読み込む。ステップS203では、この作業
姿勢での起伏ロープ張力Ta21を荷重検出器14から読
み込む。ステップS204では、検出したブーム起伏角
度θ1と起伏ロープ張力Ta21を、第1の記憶部102
に記憶する。
【0058】ステップS205では、この作業姿勢での
起伏ロープ張力の設計上の理論値Ts21を第2の記憶部
103から読み込む。ステップS206では、(35)
式に示すように、設計上の理論値Ts21と実測値Ta21
の差分Def1を演算する。
【数30】 Def1=Ts21−Ta21 ・・・(35)
【0059】ここで、補正量を考慮しない場合の実荷重
を求める式は(1)式で示され、この(1)式を変形す
ると、(36)式のようになる。
【数31】 TL=(T2−T0)×W/WC+T0 ・・・(36) (36)式のTLは、ブーム重量による起伏ロープ張力
と、フック重量による起伏ロープ張力とを加算したもの
である。したがって、(35)式によって演算される差
分Def1は、(3)式に示したずれの他に、フック重
量によるずれも含んでいる。
【0060】以下、図5のステップS5以降の処理を行
うことで、フック重量を考慮に入れて実荷重演算を行な
うことができる。
【0061】−第4の実施例− 第3の実施例では、入力器201を設けてブーム起伏角
度を設定しているが、以下に説明する第4の実施例は、
入力器201の代わりに可変抵抗器によってブーム起伏
角度を設定するものである。図16は、第4の実施例の
ブロック図であり、図3に示す第1の実施例と共通する
構成部分には同一符号を付しており、以下では相違点を
中心に説明する。図16の301は、ブーム起伏角度が
θ1のときに、表示器の表示をフック重量に一致させる
ための可変抵抗器である。302は、ブーム起伏角度が
θ2のときに、表示器105の表示をフック重量に一致
させるための可変抵抗器である。これら可変抵抗器30
1,302はいずれも不図示のトリマと一体になってお
り、作業者がトリマを回転させると、可変抵抗器30
1,302の抵抗値が変化するようになっている。
【0062】303は調整モードと作業モードを切り替
えるモード切換器である。調整モードとは、前述したよ
うに実荷重を演算するための補正量DWを求めるモード
であり、作業モードとは、通常の作業を行なうときに設
定するモードである。作業モードが選択されると、調整
モードで演算した補正量DWを用いて実荷重を演算す
る。
【0063】図17は第4の実施例の演算部の動作を示
すフローチャートである。図17のステップS301で
は、モード切換器303が調整モードか否かを判定し、
判定が肯定されるとステップS302に進み、無負荷状
態でブーム起伏角度をθ1に設定し、(37)式に基づ
いて実荷重を演算する。なお、(37)式中の変数TR
M1は、可変抵抗器の抵抗値によって定まる値である。
【数32】 ステップS303では、ステップS302によって演算
した実荷重Wを、表示器105に表示する。そして作業
者は、表示器105に表示される実荷重Wがフック重量
と一致するように、トリマを回して可変抵抗器301の
抵抗値を変化させる。そして、両者が一致すると、その
ときの可変抵抗器301の抵抗値TRM1を第1の記憶
部102に記憶する。この値TRM1の値は、(3)式
によって算出されるDef1に対応する。ステップS3
04では、ブーム起伏角度をθ2に変更し、(38)式
に基づいて実荷重を演算する。なお、(38)式中の抵
抗値TRM2は、可変抵抗器302の抵抗値によって定
まる値である。
【数33】
【0064】ステップS305では、ステップS304
で演算した実荷重Wを、表示器105に表示する。作業
者は、表示器105に表示される実荷重Wがフック重量
と一致するように、トリマを回して可変抵抗器302の
抵抗値を変化させる。そして、両者が一致すると、その
ときの可変抵抗器302の抵抗値TRM2を第1の記憶
部に記憶する。この値TRM2は、(5)式によって算
出されるDef2に対応する。
【0065】以降、ステップS306〜S310では、
図5のステップS9〜S13と同様の処理を行なう。す
なわち、ΔDef12、ΔKb12、BPdef、Cdefを順に
求める。
【0066】次に、ステップS310では、モード切換
器303によって作業モードが設定されたか否かを判定
し、判定が否定されるとステップS310に留まり、判
定が肯定されるとステップS311に進む。一方、ステ
ップS301の判定が否定された場合もステップS31
1に進む。ステップS311では、(12)式に基づい
て補正値DWを求める。次に、ステップS312では、
(13)式に基づいて、実荷重を演算する。
【0067】このように、第4の実施例では、ブーム重
量による起伏ロープ張力のずれを可変抵抗器によって検
出するようにしたため、第1〜第3の実施例に比べてず
れ量を簡易かつ迅速に算出でき、実荷重の演算時間の短
縮化が図れる。
【0068】上記各実施例では、ブーム重量補正感度を
第2の記憶部103に予め記憶する例を示したが、第2
の記憶部103に記憶する代わりに、(39)式に基づ
いて演算してもよい。
【数34】 Kb=(T2−T0)/WC ・・・(39) なお、(39)式のWCは定格総荷重、T2は定格総荷重
と等しい重量の荷物を吊り上げた場合の起伏ロープ張
力、T0は無負荷時のブーム重量による起伏ロープ張力
を示す。上記各実施例では、上記T0,T2を予め計算し
て第2の記憶部103に記憶するようにしたが、起伏ロ
ープ張力を求めるのに必要となるクレーンの寸法、重
量、重心位置等を予め記憶し、これらの値とブーム起伏
角度θとによって、T0,T2を演算してもよい。上記各
実施例では、ブーム重量が予め定めた重量よりもWb
い場合の起伏ロープ張力との比較を行なってブーム重量
補正感度を求めたが、ブーム重量が予め定めた重量より
もWb軽い場合の起伏ロープ張力との比較を行なってブ
ーム重量補正感度を求めてもよい。第1の実施例と第2
の実施例の荷重演算装置の構成を第3の実施例と同様に
してもよい。すなわち、第1の記憶部と第2の記憶部を
演算部に直接接続してもよい。
【0069】上記第1の実施例にあっては、角度検出器
15が角度検出手段に、荷重検出器14が荷重検出手段
に、図6のステップS14の処理が実吊荷重演算手段
に、図5のステップS9〜図6のステップS12の処理
が起伏ロープ張力ずれ演算手段に、図6のステップS1
2の処理が荷重検出誤差演算手段に、図6のステップS
13の処理が補正量演算手段に、図5のステップS4の
処理が第1角度ずれ演算手段に、図5のステップS8の
処理が第2角度ずれ演算手段に、図6のステップS11
の処理が自重ずれ予測手段に、図6のステップS12が
張力ずれ演算手段に、それぞれ対応する。また、第2の
実施例にあっては、図11のステップS113〜S12
0の処理が起伏ロープ張力ずれ演算手段に、図11のス
テップS120の処理が荷重検出誤差演算手段に、図1
1のステップS121の処理が補正量演算手段に、図1
1のステップS114の処理が第1変化量演算手段に、
図11のステップS118の処理が第2変化量演算手段
に、図10のステップS104の処理が第1角度ずれ演
算手段に、図10のステップS108の処理が第2角度
ずれ演算手段に、図10のステップS112の処理が第
3角度ずれ演算手段に、図11のステップS115の処
理がジブ自重ずれ予測手段に、図11のステップS11
9の処理がブーム自重ずれ予測手段に、図11のステッ
プS116の処理がジブ第3角度張力ずれ演算手段に、
図11のステップS116の処理がジブ第5角度ずれ演
算手段に、それぞれ対応する。
【0070】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ブーム重量による起伏ロープ張力の実測値と設計
上の理論値とのずれと、ブーム起伏角度に依存しない誤
差量とに基づいて、実荷重を演算するための補正量を演
算するようにしたため、クレーンの実荷重を精度よくか
つ迅速に演算できる。請求項2に記載の発明によれば、
ブーム重量が所定重量重いまたは軽い場合の起伏ロープ
張力の変化量を演算するようにしたため、ブーム重量の
ずれに起因する起伏ロープ張力のずれを精度よく検出で
きる。請求項3〜5に記載の発明によれば、ブーム起伏
角度を2通りに変化させるだけで吊り荷の実荷重を演算
できるため、実荷重を迅速に求められる。請求項6に記
載の発明によれば、ジブ重量およびブーム重量による起
伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれと、ジ
ブ起伏角度およびブーム起伏角度に依存しない誤差量と
に基づいて、実荷重を演算するための補正量を演算する
ようにしたため、タワークレーンの実荷重を精度よくか
つ迅速に演算できる。請求項7に記載の発明によれば、
ブーム重量およびジブ重量が所定重量重いまたは軽い場
合の起伏ロープ張力の変化量を演算するようにしたた
め、ジブ重量およびブーム重量のずれに起因する起伏ロ
ープ張力のずれを精度よく検出できる。請求項8〜10
に記載の発明によれば、ジブ起伏角度およびブーム起伏
角度を3通りに変化させるだけで吊り荷の実荷重を演算
できるため、実荷重を迅速に求められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜5に対応するクレーム対応図。
【図2】請求項6〜10に対応するクレーム対応図。
【図3】本発明によるクレーンの荷重演算装置の第1の
実施例のブロック図。
【図4】荷重演算装置が取り付けられるクレーンの外観
図。
【図5】第1の実施例の演算部の動作を示すフローチャ
ート。
【図6】図5に続くフローチャート。
【図7】ブーム起伏角度とブーム重量補正感度との関係
を示す図。
【図8】荷重演算装置が取り付けられるタワークレーン
の外観図。
【図9】本発明による荷重演算装置の第2の実施例のブ
ロック図。
【図10】第2の実施例の演算部の動作を示すフローチ
ャート。
【図11】図10に続くフローチャート。
【図12】タワージブ起伏角度とタワージブ重量補正感
度との関係を示す図。
【図13】タワーブーム起伏角度とタワーブーム重量補
正感度との関係を示す図。
【図14】本発明による荷重演算装置の第3の実施例の
ブロック図。
【図15】第3の実施例の演算部の動作を示すフローチ
ャート。
【図16】本発明による荷重演算装置の第4の実施例の
ブロック図。
【図17】第4の実施例の演算部の動作を示すフローチ
ャート。
【符号の説明】
14 荷重検出器 15 角度検出器 101 演算比較部 101a 演算部 101b 比較部 102 第1の記憶部 103 第2の記憶部 104 切換部 105 表示器 106 警報器
フロントページの続き (72)発明者 鷺谷 兼一 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−81894(JP,A) 特開 昭62−259992(JP,A) 特開 昭58−202285(JP,A) 特開 昭52−49555(JP,A) 特公 平2−4516(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66C 23/90

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブームの起伏角度を検出する角度検出手
    段と、 ブームを起伏させる起伏ロープに働く起伏ロープ張力を
    検出する荷重検出手段と、 前記検出されたブーム起伏角度および起伏ロープ張力に
    基づいて、吊り荷の実荷重を演算する実吊荷重演算手段
    とを備えたクレーンの荷重演算装置において、 実際のブーム重量と設計上のブーム重量との差に起因す
    る起伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量
    を演算する起伏ロープ張力ずれ演算手段と、 前記荷重検出手段によって検出された起伏ロープ張力に
    含まれる、ブーム起伏角度に依存しない誤差量である荷
    重検出手段自体の誤差を演算する荷重検出誤差演算手段
    と、 前記起伏ロープ張力ずれ演算手段によって演算された起
    伏ロープ張力のずれ量と、前記荷重検出誤差演算手段に
    よって演算された誤差量とに基づいて、前記荷重検出手
    段によって検出された起伏ロープ張力の補正量を演算す
    る補正量演算手段とを備え、 前記実吊荷重演算手段は、前記補正量に基づいて吊り荷
    の実荷重を演算することを特徴とするクレーンの荷重演
    算装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたクレーンの荷重演
    算装置において、 実際のブーム重量が予め定めた重量より所定重量だけ重
    いまたは軽い場合の起伏ロープ張力の変化量をブーム起
    伏角度に応じて演算する変化量演算手段を備え、 前記起伏ロープ張力ずれ演算手段は、前記変化量演算手
    段によって演算された起伏ロープ張力の変化量に基づい
    て、実際のブーム重量と設計上のブーム重量との差に起
    因する起伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値とのず
    れ量をブーム起伏角度に応じて演算することを特徴とす
    るクレーンの荷重演算装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載されたクレーンの荷重演
    算装置において、 ブーム起伏角度が第1の角度のときの、前記荷重検出手
    段により検出される起伏ロープ張力の実測値と設計上の
    理論値とのずれ量を演算する第1角度ずれ演算手段と、 ブーム起伏角度が第2の角度のときの、前記荷重検出手
    段により検出される起伏ロープ張力の実測値と設計上の
    理論値とのずれ量を演算する第2角度ずれ演算手段とを
    備え、 前記起伏ロープ張力ずれ演算手段は、前記第1角度ずれ
    演算手段および前記第2角度ずれ演算手段によって演算
    された各起伏ロープ張力のずれ量と、前記第1の角度ま
    たは前記第2の角度のときに前記変化量演算手段によっ
    て演算された各変化量とに基づいて、実際のブーム重量
    と設計上のブーム重量との差に起因する起伏ロープ張力
    の実測値と設計上の理論値とのずれ量をブーム起伏角度
    に応じて演算することを特徴とするクレーンの荷重演算
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載されたクレーンの荷重演
    算装置において、 前記起伏ロープ張力ずれ演算手段は、 前記第1角度ずれ演算手段および前記第2角度ずれ演算
    手段によって演算された各起伏ロープ張力のずれ量と、
    前記第1の角度または前記第2の角度のときに前記変化
    量演算手段によって演算された各変化量とに基づいて、
    実際のブーム重量と設計上のブーム重量との重量差を予
    測する自重ずれ予測手段と、 前記予測された重量差に基づいて、実際のブーム重量と
    設計上のブーム重量との差に起因する起伏ロープ張力の
    実測値と設計上の理論値とのずれ量をブーム起伏角度に
    応じて演算する張力ずれ演算手段とを備えることを特徴
    とするクレーンの荷重演算装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載されたクレーンの荷重演
    算装置において、 前記自重ずれ予測手段は、前記第1角度ずれ演算手段に
    より演算された起伏ロープ張力のずれ量と前記第2角度
    ずれ演算手段により演算された起伏ロープ張力のずれ量
    との差分と、前記変化量演算手段により演算された前記
    第1の角度での起伏ロープ張力の変化量と前記第2の角
    度での起伏ロープ張力の変化量との差分との比に基づい
    て、実際のブーム重量と設計上のブーム重量との重量差
    を予測することを特徴とするクレーンの荷重演算装置。
  6. 【請求項6】 ブームの起伏角度を検出するブーム角度
    検出手段と、 ブーム先端に接続されるジブの起伏角度を検出するジブ
    角度検出手段と、 ブームを起伏させる起伏ロープに働く起伏ロープ張力を
    検出する荷重検出手段と、 前記検出されたブーム起伏角度、ジブ起伏角度および起
    伏ロープ張力に基づいて、吊り荷の実荷重を演算する実
    吊荷重演算手段とを備えたクレーンの荷重演算装置にお
    いて、 実際のジブ重量およびブーム重量と設計上のジブ重量お
    よびブーム重量との差に起因する起伏ロープ張力の実測
    値と設計上の理論値とのずれ量を演算する起伏ロープ張
    力ずれ演算手段と、 前記荷重検出手段によって検出された起伏ロープ張力に
    含まれる、ジブ起伏角度およびブーム起伏角度に依存し
    ない誤差量である荷重検出誤差を演算する荷重検出誤差
    演算手段と、 前記起伏ロープ張力ずれ演算手段によって演算された起
    伏ロープ張力のずれ量と、前記荷重検出誤差演算手段に
    よって演算された誤差量とに基づいて、前記荷重検出手
    段によって検出された起伏ロープ張力の補正量を演算す
    る補正量演算手段とを備え、 前記実吊荷重演算手段は、前記補正量に基づいて吊り荷
    の実荷重を演算することを特徴とするクレーンの荷重演
    算装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載されたクレーンの荷重演
    算装置において、 実際のジブ重量が予め定めた重量より所定重量だけ重い
    または軽い場合の起伏ロープ張力の変化量をジブ起伏角
    度に応じて演算する第1変化量演算手段と、 実際のブーム重量が予め定めた重量より所定重量だけ重
    いまたは軽い場合の起伏ロープ張力の変化量をブーム起
    伏角度に応じて演算する第2変化量演算手段とを備え、 前記起伏ロープ張力ずれ演算手段は、前記第1変化量演
    算手段によって演算された起伏ロープ張力の変化量と前
    記第2変化量演算手段によって演算された起伏ロープ張
    力の変化量とに基づいて、実際のジブ重量およびブーム
    重量と設計上のジブ重量およびブーム重量との重量差に
    起因する起伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値との
    ずれ量を、ブーム起伏角度およびジブ起伏角度に応じて
    演算することを特徴とするクレーンの荷重演算装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載されたクレーンの荷重演
    算装置において、 ブーム起伏角度が第1の角度でジブ起伏角度が第2の角
    度のときの、前記荷重検出手段により検出される起伏ロ
    ープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量を演算す
    る第1角度ずれ演算手段と、 ブーム起伏角度が第1の角度でジブ起伏角度が第3の角
    度のときの、前記荷重検出手段により検出される起伏ロ
    ープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量を演算す
    る第2角度ずれ演算手段と、 ブーム起伏角度が第4の角度でジブ起伏角度が第5の角
    度のときの、前記荷重検出手段により検出される起伏ロ
    ープ張力の実測値と設計上の理論値とのずれ量を演算す
    る第3角度ずれ演算手段とを備え、 前記起伏ロープ張力ずれ演算手段は、前記第1角度ずれ
    演算手段、前記第2角度ずれ演算手段および前記第3角
    度ずれ演算手段によって演算された各起伏ロープ張力の
    ずれ量と、ジブ起伏角度が前記第2の角度、前記第3の
    角度または前記第5の角度のときに前記第1変化量演算
    手段によって演算された各変化量と、ブーム起伏角度が
    前記第1の角度または前記第4の角度のときに前記第2
    変化量演算手段によって演算された各変化量とに基づい
    て、実際のブーム重量と設計上のブーム重量との差に起
    因する起伏ロープ張力の実測値と設計上の理論値とのず
    れを、ブーム起伏角度およびジブ起伏角度に応じて演算
    することを特徴とするクレーンの荷重演算装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載されたクレーンの荷重演
    算装置において、 前記起伏ロープ張力ずれ演算手段は、 前記第1角度ずれ演算手段および前記第2角度ずれ演算
    手段によって演算された各起伏ロープ張力のずれ量と、
    ジブ起伏角度が前記第2の角度または前記第3の角度の
    ときに前記第1変化量演算手段によって演算された各変
    化量の差分とに基づいて、実際のジブ重量と設計上のジ
    ブ重量との重量差を予測するジブ自重ずれ予測手段と、 前記第2角度ずれ演算手段および前記第3角度ずれ演算
    手段によって演算された各起伏ロープ張力のずれ量と、
    ブーム起伏角度が前記第1の角度または前記第4の角度
    のときに前記第2変化量演算手段によって演算された各
    変化量の差分と、前記ジブ自重ずれ予測手段によって予
    測された重量差とに基づいて、実際のブーム重量と設計
    上のブーム重量との重量差を予測するブーム自重ずれ予
    測手段と、 前記ブーム自重ずれ予測手段によって予測された重量差
    に基づいて、実際のブーム重量と設計上のブーム重量と
    の差に起因する起伏ロープ張力の実測値と設計上の理論
    値とのずれ量を、ブーム起伏角度およびジブ起伏角度に
    応じて演算する張力ずれ演算手段とを備えることを特徴
    とするクレーンの荷重演算装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載されたクレーンの荷重
    演算装置において、 ブーム起伏角度が前記第1の角度でジブ起伏角度が前記
    第3の角度のときの、実際のジブ重量と設計上のジブ重
    量との差に起因する起伏ロープ張力の実測値と設計上の
    理論値とのずれ量を演算するジブ第3角度張力ずれ演算
    手段と、 ブーム起伏角度が前記第4の角度でジブ起伏角度が前記
    第5の角度のときの、実際のジブ重量と設計上のジブ重
    量との差に起因する起伏ロープ張力の実測値と設計上の
    理論値とのずれ量を演算するジブ第5角度張力ずれ演算
    手段とを備え、 前記ジブ自重ずれ予測手段は、前記第1角度ずれ演算手
    段によって演算された起伏ロープ張力のずれ量と前記第
    2角度ずれ演算手段によって演算された起伏ロープ張力
    のずれ量との差分と、ジブ起伏角度が前記第3の角度ま
    たは前記第5の角度のときに前記第1変化量演算手段に
    よって演算された各変化量の差分との比に基づいて、実
    際のジブ重量と設計上のジブ重量との重量差を予測し、 前記ブーム自重ずれ予測手段は、前記第2角度ずれ演算
    手段によって演算された起伏ロープ張力のずれ量から前
    記ジブ第2角度張力ずれ予測手段によって演算されたず
    れ量を減算し、その結果と前記第3角度ずれ演算手段に
    よって演算された起伏ロープ張力のずれ量から前記ジブ
    第5角度張力ずれ演算手段によって演算されたずれ量を
    減算した結果との差分と、ブーム起伏角度が前記第1の
    角度または前記第4の角度のときに前記第2変化量演算
    手段によって演算された各変化量の差分との比に基づい
    て、実際のブーム重量と設計上のブーム重量との重量差
    を予測することを特徴とするクレーンの荷重演算装置。
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