JP3281222B2 - 移動ステージ制御装置 - Google Patents

移動ステージ制御装置

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JP3281222B2
JP3281222B2 JP15875495A JP15875495A JP3281222B2 JP 3281222 B2 JP3281222 B2 JP 3281222B2 JP 15875495 A JP15875495 A JP 15875495A JP 15875495 A JP15875495 A JP 15875495A JP 3281222 B2 JP3281222 B2 JP 3281222B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は重力方向に移動可能に設
けられた移動ステージの位置を制御する移動ステージ制
御装置に関し、特に、精密な移動精度を必要とする切削
機、研削機、研磨機等の精密加工機および3次元形状測
定器に使用するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の重力方向に移動する移動ステージ
の制御装置の構成を図3に示す。この装置は、重力方向
117に可動な移動ステージ101を移動して位置決め
制御を行う位置制御部と、ステージ101の自重を補償
する圧力制御部とを備え、これらが独立した制御を行う
ものである。
【0003】位置制御部は、移動ステージ101を駆動
するボールネジ302、ボールナット301およびモー
タ303と、移動ステージ101の位置を検出する反射
ミラー109および測長器111と、移動ステージの位
置を指令する位置指令装置118と、反射ミラー109
および測長器111で検出した移動ステージ101の位
置と位置指令装置118からの位置指令とを比較演算
し、モータ用アンプ120を介してモータ303に対す
る推力指令を出力する制御演算回路310とを有する。
【0004】圧力制御部は、移動ステージ101の重量
をバランスさせる推力を発生する流体を用いたシリンダ
106と、シリンダ106内の圧力を検出する圧力セン
サ108と、移動ステージ101の重量に対し、シリン
ダ106による推力がバランスする圧力値を指令する圧
力指令装置311と、この圧力指令値と圧力センサ10
8の出力を比較し、圧力補正値を出力する圧力制御回路
312と、圧力補正値に基づきシリンダ106内の圧力
を操作する圧力制御弁123とを有する。
【0005】この装置はまた、ステージ可動部の重量測
定機構を備え、この機構は、ステージ可動部下部に配置
した荷重センサ306と、これをステージ可動範囲内に
おいて移動させるための移動機構(ガイド307、ボー
ルネジ304、ボールナット305、モータ309)か
らなる。
【0006】移動機構はステージ可動部の重量測定時に
荷重測定回路313がモータ用アンプ314を介してモ
ータ309を駆動することで荷重センサ306を、ショ
ック吸収ダンパ114bがステージ101に当たらない
位置へ移動する。荷重センサ306は、ここでステージ
可動部重量を測定し、その結果を荷重測定回路313が
記憶し、圧力指令装置311に送出する。
【0007】ステージ駆動時には、圧力指令装置311
は測定したステージ可動部重量と平衡するシリンダ10
6の推力を指令し、この指令値と圧力センサ108の出
力とに基づいて圧力制御装置312は圧力制御弁用アン
プ122および圧力制御弁123を介してシリンダ10
6内の空気107の圧力を制御し、移動ステージ101
の重量補償を行う。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】この従来例では、
ステージ可動部の重量を測定するために荷重センサ30
6が必要であり、この荷重センサ306は重力補償機構
の精度を上げるためには高い分解能を有する必要がある
が、反面、このセンサ306はステージ可動部の重量を
測定する必要があるので大きな荷重を測定しなければな
らない。したがって、センサ306としては、ダイナミ
ックレンジの広い高価なものを用いる必要がある。
【0009】また、荷重センサ306は経年変化または
事故等で狂う場合があるが、この場合にはステージ重量
が正しく測定されないため、重力補償が正しく行われな
い。さらに、通常、移動ステージ101のガイド両端に
は万が一、ステージ101が暴走した際に、ステージ1
01が衝突による衝撃を機械的に吸収するためのショッ
ク吸収ダンパ114a,114bを配置する。しかし、
従来例においてはステージ重量を測定する際には、ステ
ージ101がショック吸収ダンパ114a,114bに
接触すると正確なステージ重量が測定できず問題とな
る。またしかし、ショック吸収ダンパ114a,114
bを配置しない場合は、ステージ101が駆動中に制御
がはずれ、落下した場合には荷重センサ306を破損し
てしまうことがある。
【0010】これを防止するには荷重センサ306また
はショック吸収ダンパ114a,114bを可動式と
し、ステージ重量測定時は荷重センサ306が、それ以
外のステージ稼働時にはショック吸収ダンパ114a,
114bがステージ可動部に接触するような機構が別途
必要となる。
【0011】また、この従来例のようにボールネジ30
1とボールナット302および回転モータ303を利用
した場合には、ボールネジ301およびボールナット3
02の部分が減速機構となり、また回転モータ303と
ボールネジ301の接続部分に減速機を配置できるの
で、重量補償のアンバランス分をボールネジ301と回
転モータ303の移動機構で補正する必要が生じても減
速による効果でモータ303の発熱は小さく比較的問題
が少ない。しかし、本発明のように高速化、高精度化の
ためにリニアモータを用いた場合には、減速機構を使用
できないので重量補償の誤差はそのままリニアモータの
発熱の問題となる。よって、上述の重力補償の精度に関
する問題の影響がリニアモータを利用した場合にはさら
に大きくなり、従来例のようなステージの重力補償手段
ではリニアモータの利用は問題である。
【0012】本発明の目的は、このような従来技術の問
題点に鑑み、移動ステージ制御装置において、簡便な構
成により、装置の高速化、高精度化を図ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の移動ステージ制御装置は、重力方向に移動可能
に設けられた移動ステージ、この移動ステージに推力を
付与するリニアモータ、前記移動ステージの位置を検出
する位置検出手段、この位置検出手段からの検出結果
フィードバック信号として前記リニアモータを制御する
ことにより前記移動ステージの位置を制御する位置制御
手段、前記移動ステージに圧力により推力を付与する
リンダ、ならびに、前記移動ステージの重量とバランス
する推力を前記移動ステージに付与し、前記移動ステー
ジの重量補償をすべく前記圧力を制御する圧力制御手
を備え移動ステージ制御装置であって、前記移動
ステージ制御装置は、前記移動ステージを目標位置に移
動する際、前記位置制御手段が前記リニアモータを駆動
して前記移動ステージに推力を与えて前記移動ステージ
を前記目標位置まで移動させたのち前記シリンダにより
前記移動ステージの重量補償を行うように、前記圧力制
御手段により前記シリンダの圧力を制御することを特徴
とする。
【0014】
【作用】 リニアモータを用いて移動ステージを重力方向
に位置決めする場合、移動ステージ停止時においてもリ
ニアモータに負荷がかかりリニアモータが発熱してしま
い、その発熱の影響で駆動精度が悪化したり、重力補償
精度が低下してしまったりする。本発明では、移動ステ
ージを移動させる際には、リニアモータにより移動ステ
ージを移動させ、停止時には、圧力により推力を付与す
るシリンダを用いて移動ステージの重量補償を行う。こ
れにより、リニアモータによるステージ移動の高速化、
高精度化というメリットを保ちつつ、リニアモータを用
いる際に発生する発熱の問題を解決することができる。
【0015】本発明の好ましい実施の形態において、位
置制御手段、前記フィードバック信号に基づいて圧力
制御手段に圧力指令信号を付与して移動ステージをシリ
ンダのみにより所定位置に位置決めするときの、
シリンダの圧力は丁度、移動ステージの重量と、シリン
による推力とがバランスした状態となっている。した
がって、このときの圧力指令信号の値を記憶し、その
後、それに基づいてシリンダを制御することにより、常
に、前記のバランス状態が維持される。すなわち、重量
補償が行われる。したがって、別途にステージ可動部の
重量を測定する必要がなく、よってステージ可動部重量
を測定する荷重センサが必要ない。また、荷重センサを
配する必要がないため、荷重センサの衝突による損傷や
経年変化等による狂い問題を心配する必要がない。ま
た、ステージ下部に荷重センサを配する必要がないた
め、ステージ落下事故時を想定した機械的なショック吸
収ダンパを容易に配置することができ、ショック吸収ダ
ンパの移動機構は必要ない。
【0016】さらに、シリンダのみによる位置決め時に
おける前記位置制御手段による制御をPID制御とし、
記憶する信号値をそのPID制御におけるIの積分成分
とすることによって、ステージ可動部重量とシリンダ推
力とが平衡する推力を検出する動作において、シリンダ
を利用した位置制御で外乱による影響が排除され、さら
に正確にステージ可動部重量が測定され、装置駆動時の
シリンダ推力とステージ可動部重量との平衡が誤差無く
行われる。また、前記移動ステージが移動する際、前記
圧力制御手段の前記移動ステージの重量補償の応答遅れ
による誤差を補うために、前記リニアモータが一時的に
前記移動ステージの重量補償を行いつつ前記移動ステー
ジに推力を与えるように、前記位置制御手段が前記リニ
アモータを駆動するようにしても良い
【0017】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例に係る移動ステ
ージ制御装置の構成を示すブロック図である。図3のも
のに対応する要素には、図3のものと同じ番号を付して
ある。この装置において、移動ステージ101は可動方
向117以外の方向への動きが拘束されており、可動方
向117に摩擦の発生しないエアベアリングを利用した
ステージガイド(支持部102a,102bおよび可動
部103a,103b)で支持されている。この装置
は、移動ステージ101の位置決め制御を行う位置制御
部と移動ステージ101にかかる重力を補償するための
重力補償制御部を備える。
【0018】位置決め制御部は、移動ステージ101を
駆動する駆動手段であるリニアモータを有し、これは非
接触なものであり、可動子である磁石部104とコイル
部105から構成されており、磁石部104は移動ステ
ージ101に固定され、コイル部105に電流を与える
ことによりステージ101に可動方向117の推力を与
える。位置決め制御部124は、また、位置検出手段を
有し、これは反射鏡109は移動ステージ101に固定
され、レーザ測長器111は反射鏡109からの反射に
よって移動ステージ101の可動方向117の位置を測
定する。次に、装置起動時の動作について説明する。装
置起動時においては、移動ステージ101には推力が与
えられず、移動ステージ101は重力によって着地して
いる状態であり、移動ステージ101に固定された部材
113が下端のショック吸収ダンパ104bに接触して
停止している。この状態で制御演算装置119は第2の
推力発生機構であるシリンダ106を用いて位置制御を
行うため、レーザ測長器111から現在位置を読み込
み、これを初期の目標位置としてシリンダ106を用い
た位置制御を開始する。
【0019】制御演算装置119はレーザ測長器111
で測定された移動ステージ101の現在位置をフィード
バック信号とし、与えられた前記目標位置と比較した制
御の演算例えばPIDの制御演算を行い、シリンダ10
6を用いた位置決め制御のための推力指令値を出力す
る。
【0020】シリンダ106の圧力制御演算を行う圧力
制御装置121は、位置決め制御のための推力指令値に
対応する推力をシリンダ106で発生するようにシリン
ダ106内の気体圧力を制御する。圧力制御装置121
は、シリンダ106内の気体である空気107の圧力を
圧力検出手段である圧力センサ108で検出し、これを
フィードバック信号として制御演算例えばPIDの制御
演算を行う。そして圧力制御装置121は圧力制御弁用
アンプ122を介して圧力制御弁123を操作すること
で指令値に対応する推力をシリンダ106によって発生
する。一方、この時、第1の推力発生機構であるリニア
モータ104,105の推力指令はゼロとして推力を発
生させない。
【0021】次に、制御演算装置119は移動ステージ
101の目標位置を移動ステージ101が着地している
位置(移動ステージ101に固定された部材113がシ
ョック吸収ダンパ114bに接触して停止している位
置)から、移動ステージ101を浮上させる位置に変更
し、移動ステージ101を位置決め制御によって移動さ
せる。すなわち、制御演算装置119は目標位置を変更
して、移動ステージ101を、シリンダ106の推力に
よりショック吸収ダンパ114bから離れた位置まで移
動する。制御演算装置119は移動ステージ101がシ
ョック吸収ダンパ114bから離れ、移動ステージ10
1の重量がシリンダ106の推力のみで支えられる位置
まで移動した後、移動ステージ101の移動を停止し
て、その位置で位置決め制御を続ける。
【0022】このシリンダ106を用いた位置決め制御
によ浮上状態で制御演算装置119はPIDの制御
演算を行い、位置決めが完了する。位置決めは、例えば
移動ステージ101の目標位置との位置偏差が数10ミ
クロン以内に収束したことをもって完了するものとす
る。位置決め完了後、位置決め制御を続けるシリンダ1
06が発生する推力は、DC成分とAC成分に分離され
る。DC成分は搭載する被加工物116等を含む移動ス
テージ101の重量と平衡する推力であり、AC成分は
外部からの外乱(移動ステージ装置以外で発生し装置に
伝わる振動)に対する制御の推力となる。この外乱成分
による影響を消去するため、本実施例においては、制御
演算装置119で演算された演算結果のI成分の積分値
をステージ可動部の重量と平衡する推力値として記憶す
る。I成分のみを取り出す理由は、I成分の計算はロー
パスフィルタとなり、DC成分を取り出す計算となるた
めであり、このI成分を用いれば、外乱の影響を消去す
るために余分なフィルタ計算をする必要が無いためであ
る。
【0023】本実施例のステージ制御装置ではステージ
可動部上に被加工物116および被加工物取り付け治具
等の重量を変更する毎に装置起動動作を行うので、被加
工物116の乗せ換え等でステージ可動部の重量が変化
しても重量の補正は必ず行われる。
【0024】次に、装置起動時以外の移動ステージ10
1の移動時および位置決め時の動作を説明する。装置起
動動作が終了した後、制御演算装置119は装置起動動
作で記憶したシリンダ106に対する指令値(DC成
分)を一定値とし、変更を停止する。よってシリンダ1
06は移動ステージ101の重量と平衡する推力を発生
し続け、移動ステージ101の重量を補償する推力発生
機構となる。
【0025】一方、この時より制御演算装置119は第
1の推力発生機構であるリニアモータ104,105を
用いた移動ステージ101の位置決め制御を開始する。
制御演算装置119はレーザ測長器111によって検出
された移動ステージ101の位置をフィードバック信号
として、第1の推力発生手段であるリニアモータ10
4,105を用いた移動ステージ101の位置決め制御
を行うための演算を行う。演算された推力指令値はモー
タ用アンプ120において推力指令に対応した指令電流
とされ、リニアモータのコイル部105に供給される。
これによりコイル部105は、リニアモータ磁石104
に対して推力を発生し、ステージ101の位置決め制御
を行う。この時、移動ステージ101の可動部重量はシ
リンダ106によって支えられている。よってリニアモ
ータ104,105は、外乱(装置以外の装置から伝わ
る振動)による移動ステージ101の揺れを押さえるた
め以外の推力を発生しない。また、シリンダ106を用
いた推力発生機構は流体を用いた制御であるため応答周
波数(例えばDC〜十数Hz)が低く、外乱によって移
動ステージ101が微少(例えば数nm〜数μm)に揺
れる場合にはほとんど応答せず、移動ステージ101は
この時、流体の膨張/圧縮による弱い空気バネで吊られ
ている状態となっている。
【0026】次に、装置起動動作の終了後に位置指令装
置118の指令により移動ステージ101を大きく(数
mm〜数十cm)移動させる際には、位置指令装置11
8の移動指令を受けた制御演算装置119は移動ステー
ジ101をリニアモータ104,105の推力によって
移動する。この時シリンダ106を用いた推力発生機構
において、移動ステージ101の移動によるシリンダ1
06内の流体の膨張/圧縮が発生する。シリンダ106
を用いた推力発生機構は応答速度が遅いため、一時的に
移動ステージ101の重量補償に誤差が生じるが、この
誤差は周波数の遅い誤差成分であるため、リニアモータ
104,105を用いた位置決め動作によるこのような
誤差は結局、シリンダ106を用いた推力発生機構が外
乱として対応できる範囲内である。また、このように重
力補償に誤差が生じるため、一時的にリニアモータ10
4,105が重力の補償を行うが、シリンダ106を用
いた推力機構が最終的には誤差を補正するのでリニアモ
ータ104,105の発熱は問題とはならない。
【0027】図2は、本発明の第2の実施例を示す。第
1の実施例とは制御演算装置119と圧力制御装置12
1を演算装置201に置き換えたことが異なる。演算装
置201は、制御演算装置119、圧力制御装置121
で行う制御演算を行なうプログラムを有しており、これ
により、第1の実施例と同じ作用を行なう。演算装置2
01は、演算DSPまたはRISCの演算装置であり、
演算装置201内において、並列処理で2つの独立した
演算である制御演算202、および圧力制御演算203
を行うことにより、第1の実施例と同じ作用を奏する。
【0028】
【発明の効果】位置決め制御により移動ステージを重力
に逆らい可動範囲のある一点に保持する場合において、
重力補償制御部がない場合には、リニアモータはステー
ジ重量分の推力を常時出力し続ける結果、リニアモータ
は常に発熱し続ける。また、重力補償部を備えていても
重力補償部が正確にステージ可動部重量を支える推力を
発生しない場合においても、重力補償部の誤差分の推力
をリニアモータが支える推力を発生するので、リニアモ
ータは常時発熱し続ける。リニアモータが常時発熱し高
温になるとリニアモータの耐久性が損なわれるだけでな
く精密切削や3次元測地器のような非常に高精度が必要
な装置の場合にはこのリニアモータの発熱によってステ
ージの構成部材が膨張し精度が損なわれる。
【0029】これに対し、本発明に従い重力補償を行う
場合には、装置起動時に必ずシリンダ部で正確にステー
ジ可動部の重量と平衡した推力を検出し、平衡が行われ
るため、シリンダがリニアモータのステージ重量分の負
荷を支える推力を発生し、リニアモータの推力は制御に
必要な分だけとなり、リニアモータの発熱を抑えること
ができる。
【0030】また、本発明においてはステージ可動部の
重量に平衡するような推力を検出する方法は、起動動作
によって行われ、他にセンサを必要としないため、ステ
ージ可動部の重量を測定するための荷重センサ等の重量
測定用のセンサが必要ない。このため、従来必要であっ
た荷重センサの校正が必要なくなり、装置構成をシンプ
ルにすることができる。
【0031】更に荷重センサを用いて測定を行うる場合
には荷重センサがステージ重量を支えるような構成をと
り、また重量測定時以外のステージ駆動時には移動ステ
ージの暴走や落下事故の際の損傷を防ぐためのショック
吸収ダンパがステージ下部に接触するように構成が必要
であり、荷重センサの移動機構が従来必要であった。し
かし、本発明においては荷重センサがないのでその必要
がなく装置をシンプルにすることができる。
【0032】また、本発明の装置においては装置起動時
におけるシリンダ推力とステージ可動部重量とが平衡す
る値を検出する方法としてシリンダ推力を用いたステー
ジの位置決め動作時のシリンダ推力として記憶する方法
をとっているが、シリンダ推力によって位置決めをして
いる場合に外乱による影響でステージが微少に振動した
場合には、この外乱に対応する推力が含まれた値が記憶
され、この外乱への応答分が誤差となる。これを防ぐた
めには、移動ステージ可動部の重量(搭載する被加工
物、固定治具等を含む重量)と平衡する推力がDC成分
であり、外乱の成分はAC成分であることに着目し、シ
リンダへの推力指令を再度ローパスフィルタで計算し、
AC成分を除去する必要がある。しかし、再度ローパス
フィルタの計算を行うことは演算手段に制御以外の計算
による負担を更に付加することとなる。そこで本発明で
は、PIDの制御演算におけるIの演算がローパスフィ
ルタの効果を持つことに着目し、I成分のみを取り出し
て記憶することによって、余分なフィルタ計算をする必
要を無くしながらも外乱の影響を除去することができ
る。
【0033】本発明において、第1の推力発生手段とし
てリニアモータを用いた機構を利用する。これは、従来
例のようなボールネジとボールナットおよび回転モータ
による駆動機構を利用した方式で本発明のようなステー
ジ可動部重量の測定を行う場合には誤差が生じ易いため
である。装置起動時のシリンダを利用した位置決め動作
でステージ重量を測定しようとすると、ボールネジを利
用した駆動機構ではボールナットとの接触部の摩擦やボ
ールネジとボールナット部分における変速機構が負荷と
なるため、ステージ可動部重量の測定が困難であるが、
リニアモータ化によってステージ可動部重量の測定精度
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る移動ステージ制
御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の第2の実施例に係る移動ステージ制
御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 従来例に係る移動ステージ制御装置の構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
101:移動ステージ、102a,102b:エアベア
リング(ガイド部)、103a,103b:エアベアリ
ング(可動部)、104:リニアモータ可動磁石、10
5:リニアモータコイル、106:エアシリンダ、10
7:エアシリンダ内の空気、108:圧力センサ、10
9:反射ミラー、110:コーナーミラー、111:レ
ーザ測長器、112:測長レーザ光、113:ステージ
に取り付けた部材(リミット機構)、114a,114
b:ショック吸収ダンパ(リミット機構)、115:被
加工物取り付け治具、116:被加工物、117:ステ
ージ移動方向、118:位置指令装置、119:制御演
算装置、120:モータ用アンプ、121:圧力制御装
置、122:圧力制御弁用アンプ、123:圧力制御
弁、124:位置決め制御部、125:圧力補償制御
部、201:演算装置、202:制御演算、203:圧
力演算、301:ボールナット、302:ボールネジ、
303:回転モータ、304:ボールネジ、305:ボ
ールナット、306:荷重センサ、307:リニアガイ
ド(可動部)、308:リニアガイド(ガイド部)、3
09:回転モータ、310:制御演算回路、311:圧
力指令装置、312:圧力制御回路、313:荷重測定
回路、314:圧力制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 3/00 - 3/20 B23Q 15/00 - 15/28 H01L 21/68

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重力方向に移動可能に設けられた移動ス
    テージ、前記 移動ステージに推力を付与するリニアモータ、 前記移動ステージの位置を検出する位置検出手段、前記位置検出手段からの検出結果 をフィードバック信号
    として前記リニアモータを制御することにより前記移動
    ステージの位置を制御する位置制御手段、 前記移動ステージに圧力により推力を付与するシリン
    、ならびに、 前記移動ステージの重量とバランスする推力を前記移動
    ステージに付与し、前記移動ステージの重量補償をすべ
    く前記圧力を制御する圧力制御手段 を備え移動ステージ制御装置であって前記移動ステージ制御装置は、前記移動ステージを目標
    位置に移動する際、 前記位置制御手段が前記リニアモータを駆動して前記移
    動ステージに推力を与えて前記 移動ステージを前記目標
    位置まで移動させたのち前記シリンダにより前記移動ス
    テージの重量補償を行うように、前記圧力制御手段によ
    り前記シリンダの圧力を制御することを特徴とする移動
    ステージ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記位置制御手段は、前記フィードバッ
    ク信号に基づいて前記圧力制御手段に圧力指令信号を付
    与して前記移動ステージを前記シリンダのみにより所定
    位置に位置決めするとともに、位置決め後の前記圧力指
    令信号の値を記憶し、その後、前記リニアモータを併用
    して位置決めする際は、その記憶した値に基づいて前記
    圧力制御手段を制御することを特徴とする請求項1記載
    の移動ステージ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記シリンダのみによる位置決め時にお
    ける前記位置制御手段による制御はPID制御であり、
    前記記憶される信号値はそのPID制御におけるIの積
    分成分であることを特徴とする請求項記載の移動ステ
    ージ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記移動ステージが移動する際、前記圧
    力制御手段の前記移動ステージの重量補償の応答遅れに
    よる誤差を補うために、前記リニアモータが一時的に前
    記移動ステージの重量補償を行いつつ前記移動ステージ
    に推力を与えるように、前記位置制御手段が前記リニア
    モータを駆動することを特徴とする請 求項1乃至3いず
    れか1項記載の移動ステージ制御装置。
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