JP3280512B2 - 放電加工における放電位置の制御方法及びそれを用いた放電加工方法 - Google Patents

放電加工における放電位置の制御方法及びそれを用いた放電加工方法

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JP3280512B2 JP07375194A JP7375194A JP3280512B2 JP 3280512 B2 JP3280512 B2 JP 3280512B2 JP 07375194 A JP07375194 A JP 07375194A JP 7375194 A JP7375194 A JP 7375194A JP 3280512 B2 JP3280512 B2 JP 3280512B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電加工時に放電が発
生する位置を制御する方法、及びそれを用いた放電加工
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放電加工は、工具電極に高電流の加工電
圧を印加してその工具電極と工作物との間に放電を発生
させ、その放電によって工作物の微小部分を除去させる
ことにより、工作物を所望の形状に加工する、というも
のである。その場合、放電は、工具電極と工作物との対
向する面間における絶縁破壊によって発生する。そのよ
うな絶縁破壊は局所的にしか起こらない。しかも、その
放電部位では、そこに存在する気体が電離するためにプ
ラズマが発生する。したがって、一旦放電が始まると、
電源を切らない限りその位置で放電が続くことになる。
そのように放電が一箇所で継続されると、その部分のみ
が深く抉られるばかりでなく、その箇所の加工表面が熱
的に大きな損傷を受けることになる。
【0003】そこで、通常の放電加工においては、工具
電極に印加する加工電圧をパルス状として、放電を間欠
的に発生させるようにしている。そのようにして放電の
休止時間を十分に長くとると、その休止期間中に、前回
の放電によって生じたプラズマが消沈するとともに絶縁
破壊が回復されるので、次の放電の発生位置が他の箇所
に移動するようになる。したがって、放電の発生箇所が
電極の表面上に広く分散される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな放電休止期間中には加工は行われないので、その休
止時間は、加工速度の面から見ると必要悪ということに
なる。放電休止時間を短くすることができればよいので
あるが、プラズマの消沈を待たずに次の加工電圧を印加
すると、放電がそのプラズマの存在箇所で起こり、放電
が集中することになる。しかも、その放電集中箇所では
温度が上昇するために、プラズマの電離度が上がり、放
電がますます集中してしまう。したがって、放電休止時
間は十分に長くとる必要があり、その休止時間が加工時
間の中で大きな割合を占めることとなっている。
【0005】また、放電加工中には、加工屑のために放
電が偏在することがある。そのような放電の偏在が発生
すると、その近傍の加工屑濃度が増大し、加工液の絶縁
破壊強度が低下するためにますます偏在が助長される。
そして、その偏在を放置すると、次第にその部分の温度
が上昇し、やがては放電が集中することになる。さら
に、そのように部分的に加工屑濃度が高くなると、工具
電極と工作物との間の間隙が部分的に異なることにな
り、加工精度が低下してしまう。そこで、通常は、放電
加工中、定期的に工具電極にジャンプ運動をさせ、その
ときのポンプ作用によって加工液を置換させるようにし
ているが、そのジャンプ運動中にも加工はなされないの
で、そのような動作も加工速度を低下させる要因となっ
ている。
【0006】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その第1の目的は、放電加工時に放電
が発生する位置を強制的に移動させることのできる放電
位置制御方法を提供することである。また、本発明の他
の目的は、加工速度を著しく向上させることのできる放
電加工方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明では、放電加工時、工具電極に対して局所的
に高電界を重畳することにより、その工具電極内に過渡
的に電位の不均一を生じさせるようにしている。すなわ
ち、本発明による放電位置の制御方法は、工具電極の放
電を起こさせようとする位置の近傍に高電界重畳用の給
電線を接続しておき、その工具電極に加工電圧を印加し
て放電加工を行うとき、その加工電圧にほぼ同期して、
高電界重畳用の給電線から、その工具電極に対して局所
的に、立ち上がりの極めて早いパルス状の高電界を重畳
するようにしたことを特徴としている。
【0008】また、本発明による放電加工方法は、工具
電極の互いに離れた複数の位置にそれぞれ高電界重畳用
の給電線を接続しておき、その工具電極に加工電圧を印
加するとともに、その加工電圧にほぼ同期して、高電界
重畳用給電線のいずれかから、順次、その工具電極に対
して局所的に、立ち上がりの極めて早いパルス状の高電
界を重畳するようにしたことを特徴としている。
【0009】さらに、本発明による放電加工方法は、複
数本に分岐させた給電線を介して工具電極のそれぞれ異
なる箇所に同時に加工電圧を印加して、その分岐給電線
の各々を流れる電流値から放電位置を求め、その放電位
置が偏在するときには、加工電圧にほぼ同期して、工具
電極の放電位置から離れた位置に局所的に、立ち上がり
の極めて早いパルス状の高電界を重畳するか、あるいは
その工具電極に対してマイクロ波を重畳するようにした
ことを特徴としている。パルス状の高電界を局所的に重
畳するためには、工具電極の互いに離れた複数の位置に
それぞれ高電界重畳用の給電線を接続しておけばよい。
また、マイクロ波を重畳するためには、工具電極にマイ
クロ波発生器を接続しておけばよい。
【0010】
【作用】工具電極の内部にはインダクタンスが存在す
る。そのために、工具電極に対して局所的にパルス状の
高電圧を印加すると、導電性の電極であっても過渡的に
電位分布の不均一が生じ、高電圧を印加した箇所の近傍
における工具電極と工作物との間のギャップ電圧が増大
する。したがって、加工電圧の立ち上がり時期に工具
電極に立ち上がりの極めて早いパルス状の高電界を局所
的に重畳するようにすれば、放電はその重畳位置の近傍
で誘発されることになる。こうして、放電の発生位置が
制御される。
【0011】そして、放電加工中、工具電極に印加され
る加工電圧にほぼ同期して、工具電極の互いに離れた複
数の位置から、順次、その工具電極に対して局所的に
立ち上がりの極めて早いパルス状の高電界を重畳するよ
うにすると、放電位置はその重畳位置の近傍に順次移動
する。したがって、そのようにすることにより、放電位
置が強制的に分散されるようになり、放電の集中が防止
される。その結果、プラズマの完全な消沈を待つことな
く次の加工電圧を印加することが可能となり、放電休止
時間を短縮させて加工速度を向上させることが可能とな
る。さらに、放電加工中、放電の発生位置を監視して、
放電位置が偏在するときには、加工電圧にほぼ同期し
て、工具電極の放電位置から離れた位置に局所的に、立
ち上がりの極めて早いパルス状の高電界を重畳するよ
にすることにより、放電の集中や偏在の兆候が現れたと
きには放電位置が強制的に移動されることになり、放電
加工が最適制御されるようになる。また、工具電極にマ
イクロ波を重畳すると、放電ギャップ間に電界の定在波
が形成され、その定在波の腹に相当する位置で放電が発
生する。しかも、その腹の位置はマイクロ波の周波数に
応じて移動する。したがって、放電加工中、放電の発生
位置を監視して、放電位置が偏在するときには、工具電
極にマイクロ波を重畳するようにしても、放電位置を強
制的に移動させることができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を用いて本発明をより詳細に説明
する。まず、本発明による放電位置の制御方法の原理に
ついて説明する。工具電極は本来一体のものであるが、
内部にインダクタンスが存在するので、その電極は、図
1に示されているように、二つの電極E1,E2をインダ
クタンスLにより結合したモデルとして表すことができ
る。その工具電極Eに、放電を発生させるための加工電
源と高電界を重畳するための高電圧電源とを並列に接続
する。その加工電源からは、通常の立ち上がり特性を有
する比較的大電流の加工電圧が供給される。また、電界
重畳用電源からは、立ち上がりの極めて早いパルス状の
高電圧が局所的に印加される。したがって、図1のモデ
ルで表すと、加工電源は二つの電極E1,E2の両方に接
続され、電界重畳用電源は一方の電極E1にのみ接続さ
れている、ということになる。
【0013】ここで、電極Eの内部抵抗は無視し、電極
Eと工作物Wとの間の放電ギャップはコンデンサを形成
していると考えると、その等価回路は図2のようにな
る。図2において、C1,C2はそれぞれ高電圧が重畳さ
れる側(工具電極E1側)及び非重畳側(工具電極E
2側)の放電ギャップの容量であり、R1,R2は各々の
給電線の抵抗である。また、i1,i2は各電極E1,E2
に流れる電流である。いま、放電休止時間中、あるいは
放電遅れ時間(加工電圧が印加されてから工具電極Eと
工作物Wとの間に放電が発生するまでの遅れ時間)中で
あり、そのとき電界重畳用電源から重畳電圧Vsが重畳
されたとすると、重畳側のギャップ電圧V1及び非重畳
側のギャップ電圧V2はそれぞれ次のように表される。
【0014】
【式1】 V1=(1/C1)∫i1・dt=Vs−R1・i12=(1/C2)∫i2・dt=Vs−R2・i2−L(d
2/dt)
【0015】重畳電圧Vsを、一定の立ち上がり速度を
持ったランプ入力(Vs=a・t)と仮定して式1を解
いて、電界重畳時におけるギャップ電圧V1,V2の時間
変化を求め、電極のインダクタンスLを3mH、重畳電圧
の立ち上がり速度aを110V/μsとした場合の計算結
果をグラフに表すと、図3のようになる。この図から、
電界の重畳直後には、非重畳側のギャップ電圧V2が重
畳側のギャップ電圧V1に対して時間的な遅れを持って
立ち上がることがわかる。したがって、その遅れが生じ
ている間、すなわちV1>V2が成り立つ時間内は、絶縁
破壊は電界重畳側で優先的に生じるはずである。実際に
図1のようなモデルを作成し、高電界を重畳したときど
ちらの電極で放電が起こるかを電流センサによって調べ
たところ、加工電源がオンになるのと同期して高電圧を
重畳すれば、重畳側で放電する確率が高いことが確かめ
られた。これにより、放電位置を制御することができる
ということがわかる。
【0016】この原理により実際の工具電極で放電位置
の制御を行うには、その工具電極の複数の箇所に、重畳
電圧を印加するための給電線をそれぞれ接続しておき、
放電を起こさせようとする位置の近傍に接続されている
給電線に、パルス状に印加される加工電圧に同期して電
界重畳用電源からの高電圧を供給するようにすればよ
い。
【0017】図4は、このような原理を用いて放電位置
を制御しながら放電加工を行う本発明による放電加工方
法の第1実施例を示す説明図である。この図から明らか
なように、工具電極1と工作物2との間には、主放電回
路電源部3から加工用の電圧が印加されるようになって
いる。その電源部3は、主放電回路制御部4が発生する
パルス状の制御信号によって制御され、そのパルス信号
を受けている間だけ電圧を供給するものである。したが
って、工具電極1には、制御部4によって決定されたパ
ルス間隔で加工電圧が印加される。そのパルス間隔は、
通常の放電加工時よりも十分に小さくされている。ま
た、工具電極1には、互いに離れた複数の箇所にそれぞ
れ高電界重畳用の給電線5,5が接続されている。その
給電線5,5は、トリガ回路6によって制御されるスイ
ッチング回路7を介して電界重畳用の電源部8に接続さ
れている。トリガ回路6は主放電回路制御部4が発生す
る主放電回路電源部3制御用の制御信号を受けて作動す
るもので、スイッチング回路7は、そのそのトリガ回路
6から信号が出力されるたびにスイッチを切り換えて電
界重畳用電源部8をいずれかの給電線5に接続する。こ
うして、工具電極1には、主放電回路電源部3から加工
電圧が印加されるとき、それに同期して、電界重畳用電
源部8から、立ち上がりの極めて早いパルス状の高電圧
が局所的に重畳されるようになっている。しかも、その
重畳位置は、1回ごとに順次変更される。
【0018】このようにして放電加工を行うと、主放電
回路電源部3から工具電極1に供給されるパルス状の加
工電圧によって、その工具電極1と工作物2との間に放
電が間欠的に発生する。その場合、工具電極1には、そ
の加工電圧に同期して、電界重畳用電源部8から給電線
5,5のいずれかを介して立ち上がりの早い高電圧が局
所的に重畳されるので、放電の発生に先立って、その電
界重畳位置の近傍におけるギャップ電圧が高くなる。し
たがって、その付近において絶縁破壊が生じることにな
り、放電はその部位で誘発される。そして、次に加工電
圧が印加されるときには、スイッチング回路7が切り換
えられ、電界重畳用電源部8は他の給電線5に接続され
る。したがって、工具電極1に対する電界重畳位置が変
更されることになり、放電はそのとき通電される給電線
5の接続部近傍で発生する。このようにして、1回の放
電ごとに放電位置が順次変化する。
【0019】このように、この放電加工方法によれば、
放電位置が強制的に変更されるので、放電の集中が防止
される。そして、それにより、前回の放電で生じたプラ
ズマの消沈を待たずに次の放電を行わせることが可能と
なるので、放電休止時間を短縮することができる。した
がって、加工速度を著しく向上させることができる。ま
た、工具電極1に接続される給電線5の本数を多くすれ
ば、放電位置が広く分散されるようになるので、加工精
度も向上する。
【0020】図5は、本発明による放電加工方法の第2
実施例を示す説明図である。この実施例においても、工
具電極1と工作物2との間には、主放電回路電源部3か
ら、主放電回路制御部4によって決定される時間間隔で
パルス状の加工電圧が印加されるようになっている。ま
た、その工具電極1には、トリガ回路6によって制御さ
れるスイッチング回路7を介してマイクロ波発生器9が
接続されている。そのトリガ回路6は図4の実施例にお
けるトリガ回路と同様のもので、主放電回路制御部4が
発生する制御信号を受けて作動し、工具電極1に加工電
圧が印加されるときスイッチング回路7のスイッチをオ
ンにする。したがって、工具電極1には、加工電圧に同
期してマイクロ波が重畳される。そのマイクロ波の周波
数は、マイクロ波発生器9に接続されている周波数制御
器10により制御され、1回ごとにその周波数が変更さ
れるようになっている。
【0021】このように工具電極1にマイクロ波を重畳
すると、その工具電極1と工作物2との間の放電ギャッ
プに、同図に細い破線で示されているような電界の定在
波が形成される。そして、その定在波の腹の位置では電
界が最も高くなる。したがって、加工電圧に同期してこ
のようなマイクロ波を重畳すると、定在波の腹の位置で
放電が発生することになる。しかも、その腹の位置は、
マイクロ波の周波数に応じて変動する。したがって、周
波数制御器10により1回の放電ごとにマイクロ波の周
波数を変化させるようにすれば、その都度、放電位置が
移動することになる。こうして、この実施例の場合に
も、放電位置を強制的に移動させることが可能となり、
加工速度の向上を図ることができる。しかも、このよう
にマイクロ波を重畳した場合には、高電界の部分が複数
箇所に生じるので、放電が複数箇所で同時に発生する可
能性もある。したがって、加工速度及び加工精度のより
一層の向上が期待されるようになる。
【0022】図6は、本発明による放電加工方法の第3
実施例を示す説明図である。同図に示されているよう
に、この実施例の場合には、工具電極1に、主放電回路
電源部3からの加工電圧が、複数本に分岐した分岐給電
線11,11を介して印加されるようになっている。そ
の分岐給電線11,11は、工具電極1の互いに離れた
位置にそれぞれ接続されている。そして、その分岐給電
線11,11の各々にトライダルコイル等からなる電流
センサ12,12が取り付けられ、そこを流れる電流値
が検出されるようになっている。その電流センサ12の
出力信号は放電点解析装置13に導かれる。その解析装
置13においては、本発明者が先に発明した特開平3−
111121号公報記載の方法により、各分岐給電線1
1,11を流れる電流の比率からそのときの放電位置が
求められ、放電位置が偏在すると判断されたときに信号
が出力される。また、工具電極1には、図4の実施例と
同様に、トリガ回路6によって制御されるスイッチング
回路7を介して電界重畳用電源部8が接続されている。
その電源部8は放電点解析装置13からの信号によって
駆動され、放電位置が偏在すると判断されたときに高電
圧を供給するようにされている。
【0023】この実施例の場合には、工具電極1には通
常の放電加工時と同程度、あるいはそれよりやや短い時
間間隔で加工電圧が印加される。また、放電加工の当初
は放電位置の制御は行われない。したがって、放電は放
電ギャップ中のいずれかの箇所で発生する。加工が進
み、加工屑などにより放電位置が偏在するようになる
と、放電点解析装置13によりそれが検出されて信号が
出力される。すると、電界重畳用電源部8が駆動され、
次の工具電極1への加工電圧印加時に、それに同期して
工具電極1に局所的な高電界が重畳される。その結果、
放電位置がそれまでの偏在位置から電界重畳位置の近傍
へと移動することになり、その偏在が解消される。放電
位置の偏在が解消すると、放電点解析装置13からの信
号が停止され、重畳用電源部8からの電圧供給も停止さ
れる。したがって、その後は通常の放電加工と同様にし
て加工が行われる。このようにして、この実施例の方法
によっても放電集中が防止されるようになるので、従来
の放電加工方法に比べ、はるかに加工速度を向上させる
ことができる。
【0024】このような実施例の場合にも、図4の実施
例と同様に、電界重畳位置が順次切り換えられるように
することが望ましい。また、高電圧電源による局所的な
高電界の重畳に代えて、図5の実施例のようにマイクロ
波を重畳するようにすることもできる。
【0025】図7は、本発明による放電加工方法の第4
実施例を示す説明図である。この実施例の場合にも、図
6の実施例と同様に、工具電極1には複数本に分岐した
分岐給電線11,11を介して主放電回路電源部3から
の加工電圧が印加され、その各分岐給電線11,11を
流れる電流の比率から、そのときの放電発生位置が放電
点解析装置13によって監視されるようになっている。
そして、この実施例の場合には、その加工電圧に同期し
て、工具電極1に、マイクロ波発生器9によって発生さ
れるマイクロ波が重畳されるようにされている。図5の
実施例と同様に、そのマイクロ波発生器9には周波数制
御器10が接続されており、放電点解析装置13から出
力される信号によってその周波数制御器10が制御さ
れ、そのときのマイクロ波の周波数が決定されるように
なっている。
【0026】このように構成された装置を用いて放電加
工を行うとき、最初の加工電圧印加時には、工具電極1
に重畳されるマイクロ波の周波数は適宜の値に設定され
る。そして、その後は、1回の放電ごとにマイクロ波の
周波数が変更される。その場合、1回の放電ごとにその
発生位置が放電点解析装置13によって検出され、放電
位置の偏在傾向が表れたときには、周波数制御器10に
おいて、その放電位置がより広く分散するようにマイク
ロ波の周波数が選定される。このようにして、この放電
加工方法により、最適な位置で放電を発生させることが
できるようになり、放電加工の最適制御を図ることが可
能となる。
【0027】なお、上記図示実施例においては、工具電
極がブロック状のものであるように示されているが、本
発明はそのようなブロック状電極に限らず、ワイヤ状の
電極が用いられる場合にも適用することができるもので
ある。すなわち、本発明はワイヤカット放電加工にも採
用することができる。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、工具電極内に過渡的に電位の不均一を生じさ
せ、その間に放電を起こさせるようにしているので、放
電加工中に放電が発生する位置を制御することが可能と
なる。したがって、放電位置を強制的に分散させること
ができ、放電加工の精度向上を図ることができる。ま
た、そのようにして放電位置を強制的に移動させること
により、前回の放電により生じたプラズマの消沈を待た
ずに次の放電を起こさせることが可能となり、放電のパ
ルスとパルスとの間に設けられる休止時間を短縮するこ
とができるので、放電加工の加工速度を著しく高めるこ
とができる。さらに、放電位置の偏在傾向が表れたとき
にその放電位置を移動させるようにすることにより、従
来行われていた工具電極のジャンプ運動などを省略する
ことが可能となるので、加工速度をより一層向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放電位置の制御方法の原理を説明
するためのモデルを示す説明図である。
【図2】図1のモデルの等価回路を示す回路図である。
【図3】図2の等価回路から求められる電圧波形の計算
結果を示すグラフである。
【図4】本発明による放電加工方法の第1実施例を示す
説明図である。
【図5】本発明による放電加工方法の第2実施例を示す
説明図である。
【図6】本発明による放電加工方法の第3実施例を示す
説明図である。
【図7】本発明による放電加工方法の第4実施例を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 工具電極 2 工作物 3 主放電回路電源部(加工電圧電源) 5 給電線(電界重畳用) 8 電界重畳用電源部 9 マイクロ波発生器 10 周波数制御器 11 分岐給電線(加工電圧印加用) 13 放電点解析装置

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具電極の放電を起こさせようとする位
    置の近傍に高電界重畳用の給電線を接続しておき、その
    工具電極に加工電圧を印加して放電加工を行うとき、そ
    の加工電圧にほぼ同期して、前記給電線から、前記工具
    電極に対して局所的に、立ち上がりの極めて早いパルス
    状の高電界を重畳することを特徴とする、 放電加工における放電位置の制御方法。
  2. 【請求項2】 工具電極の互いに離れた複数の位置にそ
    れぞれ高電界重畳用の給電線を接続しておき、その工具
    電極に加工電圧を印加するとともに、その加工電圧にほ
    ぼ同期して、前記給電線のいずれかから、前記工具電極
    に対して局所的に、立ち上がりの極めて早いパルス状の
    高電界を順次重畳することを特徴とする、 放電加工方法。
  3. 【請求項3】 工具電極の互いに離れた複数の位置にそ
    れぞれ高電界重畳用の給電線を接続しておき、 複数本に分岐させた給電線を介して前記工具電極のそれ
    ぞれ異なる箇所に同時に加工電圧を印加して、その分岐
    給電線の各々を流れる電流値から放電位置を求め、 その放電位置が偏在するときには、前記加工電圧にほぼ
    同期して、前記工具電極の前記放電位置から離れた位置
    接続されている前記高電界重畳用給電線から前記工
    具電極に対して局所的に、立ち上がりの極めて早いパル
    ス状の高電界を重畳することを特徴とする、 放電加工方法。
  4. 【請求項4】 工具電極にマイクロ波発生器を接続して
    おき、 複数本に分岐させた給電線を介して前記工具電極のそれ
    ぞれ異なる箇所に同時に加工電圧を印加して、その分岐
    給電線の各々を流れる電流値から放電位置を求め、 その放電位置が偏在するときには、前記加工電圧にほぼ
    同期して、前記マイクロ波発生器により前記工具電極に
    対してマイクロ波を重畳することを特徴とする、 放電加工方法。
  5. 【請求項5】 複数本に分岐させた給電線を介して工具
    電極のそれぞれ異なる箇所に同時に加工電圧を印加する
    とともに、その加工電圧にほぼ同期して、前記工具電極
    に接続されているマイクロ波発生器により前記工具電極
    に対してマイクロ波を重畳し、 前記分岐給電線の各々を流れる電流値から放電位置を求
    めて、その放電位置が偏在するときには、前記マイクロ
    波の周波数を変化させることを特徴とする、 放電加工方法。
JP07375194A 1994-03-22 1994-03-22 放電加工における放電位置の制御方法及びそれを用いた放電加工方法 Expired - Fee Related JP3280512B2 (ja)

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