JP3279958B2 - 反射率向上複合層を有するリフレクタ及びその製造方法 - Google Patents

反射率向上複合層を有するリフレクタ及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リフレクタ・ボデ
ィの上に反射表面層として設けられる反射率向上複合層
(反射率を向上させる複合層)を備えているリフレクタ
(反射板)であって、上記複合層が、反射すべき放射線
に面していて屈折率n2を有している外側層(HI層)
と、リフレクタ・ボディと外側層との間に設けられてい
て上記n2よりも低い屈折率n1を有しているLI層とを
含んでおり、上記HI層及びLI層がλ/4層である、
リフレクタに関する。本発明は、また、反射率向上複合
層を有する上述のようなリフレクタの使用、並びに、そ
の製造プロセスに関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムに設けられたLI層/HI
層(すなわち、屈折率n1を有する内側層(LI層)、
及び、n1よりも高い屈折率n2を有する外側層(HI
層)を形成する層)(LI/HI=ow Refraction
ndex/igh Refraction ndex)を有する複合層組
織を備えることを特徴とするリフレクタは、一般的に、
反射率を向上する表面層を有するリフレクタとして周知
である。
【0003】そのようなリフレクタは、通常、例えば、
スパッタリング法又は蒸発法の如きPVD法(物理蒸着
法)によって、高純度アルミニウムの非常に薄い層をリ
フレクタ・ボディ(例えば、ガラス、又は、工業用アル
ミニウム(すなわち、低純度のアルミニウム))の上に
設けることによって製造される。上記高純度Al 層(高
純度アルミニウム層)は、次に、通常はPVD法又はC
VD法(化学蒸着法)によって、その上にLI保護層
(例えば、Al23又はSiO2)を設けることによって
保護され、別のHI層によって反射率が向上されて、リ
フレクタにLI/HI反射率向上面が形成される。
【0004】上記層の厚さは薄いので、一般的には、P
VD−Al 層を陽極化することができず、結局、PVD
法又はCVD法によるLI層及びHI層の蒸着は、通
常、高真空で行われる。反射率を改善する複合層によっ
て高い反射特性を得るためには、個々の層の良好な均質
性を維持すると共に、個々の層の厚さを厳密に既定した
狭い許容範囲に正確に維持する必要がある。PVD法又
はCVD法を用いて高真空中で蒸着される酸化物層の厚
さを正確な許容範囲に厳密に維持し、これらの層の厚さ
をチェックすることは、困難であり、複雑で高価な機器
を必要とする。CVD層又はPVD層、特にそのような
誘電体層の蒸着速度は、使用する方法に依存し、化学的
な方法に比較して、比較的小さい。高真空蒸着装置のコ
ストは高いので、製造コストは高くなる。更に、蒸着速
度が小さく、PVDプロセス又はCVDプロセスを行う
ために高真空機器を使用する必要があることにより、上
記層を連続的に製造することは困難であり、不可能であ
ることさえある。
【0005】反射率向上複合層を形成する複合層を製造
するための別の可能性は、アルミニウム表面の化学酸化
又は陽極酸化を用い、その結果、アルミニウムよりも高
い屈折率を有する誘電体層を堆積させることである。そ
のためには、アルミニウムから形成されたリフレクタ、
あるいは、陽極酸化を行うのに十分な厚さのアルミニウ
ム層を有するリフレクタを必要とする。陽極酸化は、通
常、直流を用いて硫酸電解液の中で行われる(dc(直
流)陽極酸化)。適正なパラメータを選択することによ
り、その結果生ずるLI層を、既定の層厚を有する均質
な層にすることができるが、そのようなLI層は、通
常、そのプロセス自体の結果である高い空隙率を示す。
HI層の蒸着は、通常、PVD法又はCVD法を用いて
行われる。そのような反射率向上複合層は、例えば、ス
トリッププロセス(strip process)において製造する
ことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、反射
率向上複合層を有する特に工業照明用のリフレクタを好
適なコストで作製し、これにより、当該技術の現状のリ
フレクタの上述の欠点を解消し、特に、ストリッププロ
セスにおいて連続的に生産するのに適したものとするこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、HI層がゾ
ル/ゲル層であり、LI層の光学的層厚dopt,1、及
び、HI層の光学的層厚dopt,2が下式で表される、本
発明によって達成される。
【0008】 dopt,i=di・ni=li・λ/4±20nm,(i=1または2) 上式において、d1は、LI層の厚さをnmで表し、d2
は、HI層の厚さをnmで表し、λは、リフレクタの表
面に当たる光の平均波長をnmで表し、l1,l2は、奇
数の自然数を表している。
【0009】
【発明の実施の形態】屈折率n(すなわち、n1又は
2)は、光の分散のために、波長の関数であることを
考慮しなければならない。すなわち、本明細書において
は、n1及びn2は、常に、リフレクタの表面に当たる光
の対応する波長に関連している。また、反射率向上複合
層を得るための条件 di・ni=li・λ/4,(i=1ま
たは2)は、リフレクタの表面に垂直に当たる電磁放射
線に関してだけ、完全に有効であることも考慮しなけれ
ばならない。
【0010】LI/HI複合層は、通常、異なる屈折率
を有する少なくとも2つの層から構成されている。金属
表面に設けられていて異なる屈折率を有する一対の誘電
体層から成る複合体(この複合体においては、低い屈折
率を有する層が、リフレクタ・ボディの表面に位置して
いる)は、単一の均質な層に比較して、良好な反射特性
を得ることを可能にする。層の任意の組成に関して、最
も高い反射率は、個々の層の光学的層厚が、λ/4であ
る場合、あるいは、その奇数倍である場合に、得ること
ができる。層の材料の組成に関しては、個々の層の屈折
率の差が可能な限り大きい場合に、最も良好な反射特性
が得られる。
【0011】本発明の必須の特徴としてのHIゾル/ゲ
ル層を有する本発明のリフレクタは、当業界で周知の現
状のリフレクタよりも優れた幾つかの利点を提供する。
すなわち、上述のHI層は、所望の一定の厚さで経済的
堆積することができる。HI層のLI層に対する接着
性は、例えば、適正な架橋剤を選択することによって、
容易に最適化することができる(すなわち、HI層の屈
折率を決定する他の要素の選択の自由度を制限しな
い)。商業的に入手可能な透明度の高い広範囲のゾル/
ゲル層を容易に使用することができる。更に、ゾル/ゲ
ル層は、一般的に、表面を平らにすることに関して、非
常に良好な挙動を示す。
【0012】ゾル/ゲル層のゾルの組成、特に、架橋剤
を適正に選択することにより、ゾル/ゲル層の任意の厚
さに対して、ゾルの粘性を容易に最適化することができ
る。また、一般的に、ゾル/ゲル層は、引っ掻きに対す
る良好な耐久性、及び、良好な成形性を示すので、ゾル
/ゲル層の組成を選択することによって、そのような性
質を最適化することが可能である。一般的に、ゾル/ゲ
ル層は、PVD法を用いて容易に蒸着させることがで
き、上記PVD法は、HI層の自由面に他の任意の所望
の層(例えば、半透明層)を蒸着させることもできる。
【0013】しかしながら、本発明のリフレクタの重要
な利点は、PVD法又はCVD法によるHI層をゾル−
ゲルHI層で置き換えることができることであって、そ
の結果、本発明のリフレクタは、好適なコストのストリ
ップコーティング装置で完全に製造することができる。
【0014】本発明のリフレクタに必要とされるリフレ
クタ・ボディは、純アルミニウム又はアルミニウム合金
から形成されるのが好ましい。
【0015】アルミニウムのボディは、アルミニウムの
構成材(形材、梁材又は他の形態の構成材、プレート、
帯材、薄板又は箔)の一部とすることができ、あるい
は、複合材料のアルミニウム外側層(特に、複合パネル
のアルミニウム外側層)、又は、任意の選択された材料
に例えば電解によって堆積されたアルミニウム層とする
ことができる。好ましい実施例においては、アルミニウ
ム層を担持しているリフレクタ・ボディは、例えば、圧
延加工、押し出し加工、鍛造加工、又は、プレス成形に
よって製造されたアルミニウム製の構成材を含む。アル
ミニウム層を含んでいるリフレクタ・ボディは、曲げ加
工、深絞り加工、冷間プレス成形等によって成形するこ
ともできる。
【0016】本明細書においては、アルミニウムという
用語は、総ての純度等級のアルミニウム、並びに、商業
的に入手可能なアルミニウム合金を含むものと理解する
必要がある。例えば、アルミニウムという用語は、圧延
加工、鍛錬加工、鋳造加工、鍛造加工及び押し出し加工
された総てのアルミニウム合金を含む。98.3重量%
あるいはそれ以上の純度を有する純アルミニウムから成
るアルミニウム層、あるいは、この純度のアルミニウム
から形成されていてSi、Mg、Mn、Cu、Zn及びFe
の中の少なくとも1つの元素を含有するアルミニウム合
金から成るアルミニウム層を使用することができる。純
アルミニウムから成るアルミニウム層は、例えば、9
8.3重量%あるいはそれ以上の純度を示し、99.0重
量%あるいはそれ以上の純度のものが有用であり、9
9.9重量%あるいはそれ以上の純度のものが好まし
く、99.95重量%あるいはそれ以上の純度のものが
特に好ましい。
【0017】上述の純度のアルミニウムの外に、アルミ
ニウム層は、0.25乃至5重量%(特に、0.5乃至2
重量%)のマグネシウム、又は、0.2乃至2重量%の
マンガンを含むことができ、また、0.5乃至5重量%
のマグネシウム、及び、0.2乃至2重量%のマンガン
を含むこともできる。特に、例えば、1重量%のマグネ
シウム、及び、0.5重量%のマンガンを含むことがで
きる。また、0.1乃至12重量%(好ましくは、0.1
乃至5重量%)の銅を含むことができる。また、0.5
乃至5重量%の亜鉛、及び、0.5乃至5重量%のマグ
ネシウムを含むことができる。また、0.5乃至5重量
%の亜鉛、0.5乃至5重量%のマグネシウム、及び、
0.5乃至5重量%の銅を含むことができる。また、0.
5乃至5重量%の鉄、及び、0.2乃至2重量%のマン
ガンを含むことができる。特に、例えば、1.5重量%
の鉄、及び、0.4重量%のマンガンを含むことができ
る。
【0018】リフレクタ・ボディの表面は、所望の形状
を有することができ、必要であれば、構造化することも
できる。圧延されたリフレクタ・ボディの表面の場合に
は、例えば、高光沢化手段又はデザイナーロール(desi
gner roll)で処理することができる。構造化されたリ
フレクタ・ボディ表面の好ましい用途は、例えば、昼光
照明用のリフレクタであって、この場合には、特に、
0.1乃至1mm程度の構造特性を示す構造化表面が用
いられる。
【0019】本発明にとって必須的な事項は、HI層が
ゾル/ゲル層であることである。ここにおいて、ゾル/
ゲル層は、ゾル−ゲルプロセスによって製造される層と
して理解される。ゾル/ゲル層は、例えば、キセロゲル
である。本発明のリフレクタに必要とされるゾル/ゲル
層を製造するのに好ましいものは、ライオゾル(lyoso
l)であり、これにより、ライオゾルは、オルガノゾル
又はヒドロゾルとすることができる。本発明のリフレク
タに必要とされるゲル層(以下のゾル/ゲル層におけ
る)は、例えば、凝結(coagulation)によって形成さ
れる。
【0020】また、ゾル/ゲル層を製造するのに好まし
いものは、ゾル(すなわち、コロイド溶液)であり、そ
のようなゾルにおいては、以下の酸化物の中の1つ、又
は、以下の酸化物の混合物が、微細に砕かれた形態で、
流体媒体の中に分散している。
【0021】HI層は、アルカリ金属(例えば、L
i)、アルカリ土類金属(例えば、Mg、Ca、Sr、B
a、及び/又は、遷移金属(例えば、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Y、Zr、Nb、Mo、Te、R
u、Rh、Pd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、及
び/又は、ランタニド(例えば、La、Ce、Pr、Nd、
Pm、Dy、Yb 又はLu 等)の酸化物からなるか又はこ
れらを含むのが好ましい。ゾル−ゲルプロセスで堆積
れたHI層で特徴づけられる本発明のリフレクタにとっ
て好ましいのは、約2.5の屈折率を有するチタン酸化
物(Ti 酸化物)、プラセオジム/チタン酸化物(Pr
Ti 酸化物)、ランタン/チタン酸化物(LaTi酸化
物)、タンタル酸化物(Ta 酸化物)、ハフニウム酸化
物(Hf 酸化物)、ニオブ酸化物(Nb 酸化物)、Zn
酸化物、Ce 酸化物、あるいは、上述の物質の合金の酸
化物から必須的に成るHI層である。しかしながら、特
に好ましいのは、TiO2、Ta 酸化物、PrTi 酸化物
又はLaTi 酸化物からなるか又はこれらを含むHI層
である。
【0022】ゾル/ゲル層は、ガラス質であるのが適当
である。ゾル/ゲル層は、任意の層厚で再現性をもって
製造することができる。また、ゾル/ゲル層は、リフレ
クタ表面を風化又は腐食から保護する保護層又は不動態
化層として使用することができる。
【0023】また、ゾル/ゲル層は、例えば、以下の一
般式を有する有機置換されたアルコキシ・シロキサンか
らの重合物を含む。
【0024】 YnSi(OR)4-n 上式において、Yは、例えば、非加水分解型の一価の有
機基であり、Rは、例えば、アルキル基、アリール基、
アルカリル基又はアラルキル基であり、nは、0から3
までの自然数である。nが0又は2であれば、RをC1
−C4のアルキル基とすることができる。Yをフェニル
基とし、nを1とし、Rをメチル基とすることができ
る。
【0025】別の実施例においては、ゾル/ゲル層は、
以下の一般式を有する有機置換されたアルコキシ化合物
の重合物とすることができる。
【0026】 XnAR4-n 上式において、Aは、Si、Ti、Zr又はAl を表し、
Xは、HO-、アルキル-O-、又は、Cl-を表し、R
は、フェニル基、アルキル基、アルケニル基、ビニルエ
ステル又はエポキシエステルを表し、nは、1、2又は
3の数を表している。フェニル基の例は、未置換フェニ
ル、あるいは、モノ、ジ又はトリの置換C1−C9アルキ
ル置換フェニルであり、アルキル基の例は、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル
基、ペンチル基等であり、アルケニル基の例は、-CH
=CH2であり、アリール基の例は、2メチルアリール
基、2ブテニール基等であり、ビニルエステルの例は、
-(CH23-O-C(=O)-C(-CH3)=CH2であ
り、エポキシエステルの例は、-(CH23-O-CH2-
CH(-O-)CH2である。
【0027】有機置換されたアルコキシル化合物の重合
物を有する上述のゾル/ゲル層は、ゾル−ゲルプロセス
によって、リフレクタ・ボディの表面又はLI層の自由
面に直接的に又は間接的に堆積されるのが効果的であ
る。この目的のために、例えば、アルコキシド及びハロ
ゲン・シランを、水及び適宜な触媒の存在下で混合し、
加水分解及び縮合を行わせる。水及び溶媒を取り除いた
後にゾルが生成する。このゾルは、浸漬、遠心手段、噴
霧等によって、被覆すべき表面に堆積させることができ
る。これにより、上記ゾルは、例えば、温度及び/又は
放射線の影響下で、ゲル膜に変化する。一般的に、上記
ゾルを形成するためにシランを用いる。また、シリコン
(ケイ素)ではなく、チタン、ジルコニウム又はアルミ
ニウムを含む化合物によって、上記シランを部分的に置
換することもできる。これにより、ゾル/ゲル層の硬
度、密度及び屈折率を変えることができる。ゾル/ゲル
層の硬度は、別のシランを用いることによっても、調節
することができる。例えば、無機物のネットワーク(網
状組織)を形成することにより、硬度及び熱安定性を調
節することができ、あるいは、有機物のネットワークを
用いることにより、弾性を調節することができる。無機
ポリマーと有機ポリマーとの間に分類することのできる
ゾル/ゲル層は、主として、ケイ素、アルミニウム、チ
タン又はジルコニウムから成るアルコキシドを加水分解
及び縮合させるゾル−ゲルプロセスによって、被覆すべ
き表面に堆積させることができる。このプロセスにおい
ては、無機ネットワークが形成され、また、適正に誘導
されたケイ酸エステルによって、官能化を行わせて既定
のポリマー組織を形成するために用いることのできる有
機基を含めることができる。更に、ゾル−ゲル膜は、ア
ミン及び有機物改質されたセラミックのカテフォレティ
ック沈殿(catephoretic precipitation)の原理に従っ
て、電気浸漬コーティング(electro-immersion coatin
g)によって堆積させることができる。
【0028】HI層は、2又はそれ以上の副層(sub-la
yer)から構成されるゾル/ゲル層とすることもでき
る。従って、HI層は、異なる組成及び屈折率を有する
複数の副層から構成することができる。この点において
重要なことは、各々の副層が、LI層の屈折率よりも高
い屈折率を示すことである。
【0029】LI層/HI層の厚さに関しては、本発明
に関する研究の過程で、反射率の性質は、実質的に周期
的に変動し、従って、層厚が増大すると(特に、6λ/
4よりも大きな光学的層厚dopt,iを有する層の場
合)、反射特性は、工業的な照明には適さなくなる。従
って、6λ/4よりも小さい光学的層厚を有し、特に、
1及びl2が1又は3に等しいような層が好ましい。
【0030】また、di・ni=li・λ/4±20nm
(i=1又は2) の厚さ範囲にある厚さのLI層/H
I層を有するリフレクタは、実質的に同じ反射特性を示
し、従って、層厚diは、di・ni=li・λ/4(i=1
又は2) の条件に厳密に一致する必要はないことも分
かった。
【0031】従って、リフレクタ表面の全体にわたっ
て、LI層/HI層は、±20nmを超えて変動しない
一定の厚さを示す。LI層の厚さd1、及び、HI層の
厚さd2は、30nmと350nmとの間であるのが好
ましく、特に、40nmと120nmとの間であるのが
好ましい。
【0032】任意の点で測定した厚さd1及びd2は、複
合層全体にわたっての平均層厚d1av及びd2avから±5
%を超えて変動しないのが特に好ましい。
【0033】また、LI層及びHI層の厚さは、これら
LI層及びHI層の光学的層厚が下式を満足するように
選択されるのが好ましい。
【0034】 dopt,i=di・ni=li・λ/4±20nm (i=1又は2) 上式は、昼光条件の下で人間の目が最も良く知覚する平
均波長(約550nm)に相当する波長に関するもので
ある。LI層及びHI層の厚さは、特に、上式が、λ=
550nm±200nmの波長に対してそれぞれの光学
的層厚を維持するように、選択される。
【0035】強め合う干渉(constructive interferenc
e)が生じるように、また、反射すべき電磁放射線の吸
収が可能な限り少なくなるように、複合層は、反射すべ
き放射線に対して可能な限り透明(透過性を有する)で
あって、無孔(孔が無い)でなければならない。この無
孔であるという要件は、光の吸収を最小限にするという
こととは別に、調節することのできない光の拡散散乱を
防止することに寄与する。無孔という状態を、孔が全く
無いという状態と理解してはならない。この点において
重要なことは、複合層の空隙率(気孔率)が1%未満で
あるということである。そのようなLI層/HI層を有
する複合層は、入射光線のエネルギ吸収が3%未満であ
るのが好ましい。
【0036】LI層は、陽極酸化によって形成された酸
化アルミニウムのバリア層である
【0037】陽極酸化によって酸化アルミニウムのLI
層を製造することは、例えば、清浄なアルミニウム表面
を必要とする。すなわち、通常は、陽極酸化を行う前
に、電解酸化すべきアルミニウム表面に表面処理(いわ
ゆる、前処理)を施す必要がある。
【0038】アルミニウム表面は、通常、自然に生ずる
酸化物層を有しており、この酸化物層は、アルミニウム
表面のそれ以前の履歴等によって、異物で汚染されてい
ることが多い。そのような異物は、例えば、圧延潤滑油
の残留物、運搬の間の保護を行うためのオイル、腐食物
質、あるいは、押し込まれた異物等である。そのような
異物を除去するために、アルミニウム表面は、通常、洗
浄剤で化学的に前処理され、上記洗浄剤は、エッチング
によって、ある程度の侵食をもたらす。この目的に適し
ているのは、酸性の水性脱脂剤の外に、特に、ポリリン
酸塩又はポリホウ酸塩をベースにしたアルカリ性脱脂剤
である。物質を穏やかにあるいは強く除去する洗浄作用
は、強アルカリ性又は強酸性の酸洗い溶液(例えば、苛
性ソーダ、又は、硝酸及びフッ化水素酸の混合物)を用
いる苛性エッチング又は酸性エッチングによって行われ
る。この洗浄プロセスにおいて、自然の酸化物層は、そ
の中に含まれる総ての不純物と共に、除去される。強い
侵食性を有するアルカリ性酸洗い溶液を用いる場合に
は、酸洗い堆積物が形成されることが多く、酸による後
処理によって除去しなければならない。表面の物質を除
去しない表面処理は、脱脂処理であって、この脱脂処理
は、有機溶媒、又は、水性又はアルカリ性の洗浄剤を用
いて行うことができる。
【0039】表面の状態に応じて、機械的な手段を用い
て表面の物質を除去する必要もある。そのような表面処
理は、例えば、研削、表面ブラスト法、又は、研磨によ
って行うことができ、必要であれば、そのような処理の
後に、化学的な後処理を行うことができる。
【0040】ブランク(素材)においては、金属の状態
のアルミニウム表面は、光線及び熱を非常に強く反射す
る性質を有している。表面が滑らかになればなる程、指
向性の反射率が高くなり、表面の外観は明るくなる。最
大の明るさは、高純度アルミニウム、及び、AlMg 又
はAlMgSi 合金の如き特殊な合金の場合に得られる。
【0041】高反射性の表面は、例えば、研磨、フライ
ス加工によって、又は、高度に研磨されたロールによっ
て最終的に圧延することにより、あるいは、化学的な研
磨又は電解研磨によって、若しくは、上述の表面処理方
法の組み合わせによって、得られる。上記研磨は、軟ら
かい布を有する布ホイールを用いて実行することがで
き、必要であれば、研磨ペーストを用いることができ
る。ロールで研磨する場合には、彫刻模様を有するスチ
ールロール又はエッチングされたスチールロール、ある
いは、ロールと圧延される材料との間に任意の構造(組
織)を示す何等かの手段を設けることによって、任意の
構造をアルミニウム表面に形成することができる。化学
的な研磨は、例えば、高濃度の酸混合物(通常は、10
0℃前後の温度)を用いて行われる。酸性又はアルカリ
性の電解液を用いて、電解つや出しを行うことができ、
通常は、酸性の電解液を用いるのが好ましい。
【0042】次いで、酸化すべきアルミニウム層を担持
しているリフレクタ・ボディの少なくとも一部分を導電
性の液体(電解液)の中に入れて、アノードとして直流
電源に接続する。負の電極は、通常、ステンレス鋼、グ
ラファイト、鉛又はアルミニウムである。
【0043】電解液は、陽極酸化プロセスの間に、形成
された酸化アルミニウムが再溶解しないように(すなわ
ち、酸化アルミニウムが再び溶解しないように)なって
いる。dc(直流)の電界においては、気体の水素がカ
ソードに発生し、また、気体の酸素がアノードに発生す
る。アルミニウム表面に発生した酸素は、そのアルミニ
ウムと反応して、上記アルミニウム表面に酸化物層を形
成し、この酸化物層は、プロセスの過程で段々厚くな
る。層の抵抗は、バリア層の厚さが増大するにつれて、
急速に増大するので、これに応じて電流が低下して、層
の成長は停止する。
【0044】LI層を電解によって製造することによ
り、層の厚さを正確に調節することができる。酸化アル
ミニウムのバリア層の最大厚さ(nm)は、印加される
電圧(V)にほぼ対応する。すなわち、得られる層の最
大厚さは、陽極酸化電圧の直線的な関数であり、従っ
て、外側層における電圧降下を考慮しなければならな
い。印加される直流電圧Uの関数として得られる層の最
大厚みの正確な値は、外側層における電圧降下を考慮し
て、簡単な試験によって決定することができ、その値
は、1.2nm/Vから1.6nm/Vまでの範囲であ
り、これにより、印加電圧の関数としての層厚の正確な
値は、使用する電解液(すなわち、その組成及び温度)
に依存する。
【0045】従って、最小印加電圧Umin(ボルト)は
以下の式で表される。
【0046】 d1/1.6 ≦ Umin ≦ d1/1.2 上式において、d1は、屈折率n1を有するLI層の厚さ
(nm)を表しており、n1は以下の式を満たさなけれ
ばならない。
【0047】 d1・n1=l1・λ/4±20nm 時間の関数としての電圧降下の変化を考慮するために、
印加される陽極酸化電圧を、陽極酸化プロセス全体にわ
たって、連続的に又は段階的に上昇させることができ
る。最適な陽極酸化電圧、又は、陽極酸化電圧の最適な
変化、及び、陽極酸化の継続時間は、事前の簡単な実
験、あるいは、陽極酸化プロセスの間に行われる反射率
の測定によって、決定することができる。
【0048】電解酸化は、所定の陽極酸化電圧を与える
単一のプロセス工程によって、あるいは、陽極酸化電圧
を所定のレベルまで、又は、最適な反射特性を測定する
ことによって決定されるレベルまで上昇させる、連続的
な又は一連の工程によって、行うことができる。しかし
ながら、電解酸化は、例えば、異なる陽極酸化電圧を用
いる一連の工程(すなわち、一連のプロセス工程)で実
行することができる。
【0049】複合層の反射特性を連続的に測定し、陽極
酸化電圧U(ボルト)を、下式の関係に従う初期電圧U
Aから、測定した反射率が所望の最小値に到達するま
で、連続的に又は段階的に上昇させるプロセスが好まし
い。
【0050】 d1/1.6 ≦ UA ≦ d1/1.2 再溶解しない電解液を用いることによって、酸化アルミ
ニウムのバリア層は、殆ど無孔状態になる。すなわち、
例えば、電解液の中の不純物、あるいは、アルミニウム
の表面層に存在する構造欠陥から、気孔が生ずることは
なく、電解液の中での酸化アルミニウムの溶解に起因し
て、問題とならない程度の気孔が生ずるだけである。
【0051】上述のように製造されたLI層は、正確な
既定の層厚を有しており、無孔であり、均質で、特に、
可視光線範囲及び/又は赤外線範囲において、電磁放射
線に対する透過性を有している。
【0052】本発明のプロセスにおいて再溶解しない電
解液として使用可能なものは、例えば、有機又は無機の
酸であり、これら酸は、通常、水で希釈されていて、2
あるいはそれ以上のpHを有している。そのようなpH
は、3あるいはそれ以上であるのが好ましく、より好ま
しくは、4以上で7以下(好ましくは、6以下、特に好
ましいのは5.5以下)である。低温(すなわち、室
温)で機能する電解液が好ましい。特に好ましい電解液
は、低濃度の硫酸又はリン酸、ホウ酸、アジピン酸、ク
エン酸又は酒石酸、あるいは、これらの混合物、若しく
は、有機酸又は無機酸のアンモニウム塩又はナトリウム
塩の溶液の如き、無機酸又は有機酸であり、特に、上述
の酸及びその混合物が好ましい。この点に関して、上述
の溶液は、20g/lあるいはそれ以下の全濃度を含む
のが好ましく、上記電解液に溶解した2乃至15g/l
のアンモニウム塩又はナトリウム塩を使用できることが
判明している。特に好ましいのは、クエン酸又は酒石酸
のアンモニウム塩、あるいは、リン酸のナトリウム塩の
溶液である。
【0053】極めて好ましい電解液は、1乃至5重量%
の酒石酸であって、これに、例えば、適量の水酸化アン
モニウム(NH40H)を加えて、pHを所望の値に調
節することができる。
【0054】電解液は、通常、水溶液である。
【0055】可能な最大陽極酸化電圧は、電解液の絶縁
耐力によって決定される。これは、例えば、電解液の組
成及び温度に依存し、通常は、300乃至600Vの範
囲である。
【0056】陽極酸化プロセスを行うための最適な電解
液温度は、使用する電解液に依存するが、得られるLI
層の品質にとってはそれほど重要ではない。陽極酸化プ
ロセスを行うためには、15乃至40℃(特に、18乃
至30℃)の温度が用いられる。
【0057】そのようなLI層の誘電率ε1は、幾つか
のファクタの中でも特に、陽極酸化の間に使用されるプ
ロセスパラメータに依存する。本発明のLI層の誘電率
ε1は、6乃至10.5(20℃において)であり、8乃
至10であるのが好ましい。
【0058】LI層として有用に作用する酸化アルミニ
ウムのバリア層は、1.55乃至1.65の屈折率n1
有している
【0059】また、本発明は、反射率向上複合層を有す
るリフレクタを含み、上記反射率向上複合層は、互いに
重なり合った複数のLI/HI複合層から構成されてお
り、これら種々のLI/HI複合層は各々、同じ屈折率
を有する同じ物質から構成されている。また、上記反射
率向上複合層は、種々の屈折率を有する異なる物質から
成る複数のLI/HI複合層を備える特徴を有すること
もできる。
【0060】本発明の更に効果的な形態のリフレクタ
が、従属形式請求項に記載されている。
【0061】本発明のリフレクタの好ましい用途は、工
業的な照明の分野、あるいは、赤外線又は紫外線用のリ
フレクタとしての用途である。本発明のリフレクタの極
めて好ましい用途は、特に昼光照明の用途の如き照明技
術におけるランプに使用することであり、特に、コンピ
ュータのスクリーンモニタを用いる作業場におけるラン
プ、二次照明ランプ、走査ランプの如き機能的なランプ
として使用することができ、あるいは、照明要素、照明
天井、又は、光線反射通路として使用することができ
る。
【0062】本発明のプロセスは、陽極酸化によって形
成されたバリア層の形態のLI層、及び、その後にHI
層として設けられるゾル/ゲル層を有する、上述のリフ
レクタの製造に関する。これに相当するプロセスは、ア
ルミニウム製の帯材、薄板、箔又は部品の上に、あるい
は、少なくとも1つのアルミニウム外側層を有する複合
材料の上に、反射率向上複合層を連続的に又は段階的に
形成するのに適している。
【0063】別のプロセスは、連続ストリッププロセス
において(例えば、連続製造設備を用いて)、反射率向
上複合層を形成することに関する。連続製造設備は、陽
極酸化によってLIバリア層を製造するためのストリッ
プ陽極酸化装置、あるいは、HIゾル/ゲル層を製造す
るためのコーティング装置を備えており、該コーティン
グ装置は、ゾル層をゲル層に変換するための後処理設備
を有する単数又は複数のHIゾルコーティング用のコー
ティングラインを含んでいる。
【0064】本発明の複合層のLI層及びHI層は、ほ
んの薄い厚さを有しており、これにより、入射する電磁
放射線の波長に比較して、厚さの変動が極めて小さく、
その結果、光線又は真珠光沢(iridescence)の選択的
な吸収は無視し得る。
【0065】実施例 Al が99.90重量%の明るいアルミニウム表面に、
反射率向上複合層を設けた。その反射特性を、dc/H
2SO4-酸化物層(硫酸電解液の中で直流を用いる陽極
酸化によって製造された酸化物層)だけを有する明るい
アルミニウム表面の表面特性と比較した。
【0066】下の表は、代表的な反射特性(特に、散乱
反射された指向性の放射線のそれぞれの割合)の比較を
示している。第1欄(最初の欄)に示されているのは、
約1.5乃至2.0μmのdc/H2SO4-酸化物層を有
するストリップ陽極酸化されたアルミニウム表面に関し
て得た値を示しており、第2欄は、約80nmの厚さの
バリア層を有していて、該バリア層の上に追加のゾル/
ゲル層(必須的にTiO2 から成る)が設けられてい
る、明るいアルミニウム表面に関して得た値を示してい
る。TiO 2 必須的に含むHIゾル/ゲル層は、ブチ
ル化チタン溶液をゾルとして設けることによって製造さ
れている。指向性反射率の値は、全反射率から散乱放射
線を引くことによって得られる。明るいアルミニウム表
面は、99.90重量%の純度を有するアルミニウムか
ら形成されている。この明るいアルミニウム表面の表面
の性質は、2つのタイプのリフレクタ関して同じであ
る。表1の反射率の値は、DIN5036に従って得た
ものであり、各々、工業的な照明の値を示している。す
なわち、測定した反射率の値は、人間の目の光の感度と
いう意味で表されている。表1に示した値から分かるよ
うに、全反射率、及び、指向性反射率は共に、本発明の
反射率向上ゾル/ゲル複合層によって改善されている。
表1は、また、目によって感知されるリフレクタ表面の
光学的な性質(すなわち、縞状光沢(streakiness)、
及び、真珠光沢(iridescence)に関する性質)の項目
を示している。これらの項目は、例えば、表面に存在す
る凹凸が総て、本発明のゾル/ゲル層を付与することに
よって、円滑になっていることを示している。
【0067】
【表1】
フロントページの続き (73)特許権者 591059652 Badische Bahnhofst rasse 16, CH−8212 Neu hausen am Rheinfal l,Switzerland (56)参考文献 特開 昭61−28903(JP,A) 特開 平8−292308(JP,A) 特開 平9−281313(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/08

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リフレクタ・ボディの上に反射表面層と
    して設けられている反射率向上複合層を備えているリフ
    レクタであって、前記リフレクタ・ボディ、あるいは、
    前記複合層を設けるべき前記リフレクタ・ボディの少な
    くとも表面層は、アルミニウム又はアルミニウム合金か
    ら形成されていて、該複合層は、反射すべき放射線に面
    していて屈折率n2を有している外側層(HI層)と、
    前記リフレクタ・ボディと前記外側層との間に設けられ
    ていて屈折率n1を有しているLI層とを有しており、
    前記屈折率n1は前記屈折率n2よりも低く、LI層及び
    HI層はλ/4の層であり、前記LI層は、前記アルミ
    ニウム層を陽極酸化することによって製造された、透過
    性を有し無孔のバリア層であって、20℃において、6
    〜10.5の誘電率ε 1 を有していて、前記HI層はゾル
    /ゲル層であって、 前記LI層の光学的層厚dopt,1、及び、前記HI層の
    光学的層厚dopt,2は、 dopt,i=di・ni=li・λ/4±20nm(i=1または2) で表され、 上式において、d1は、前記LI層の厚さ(nm)を表
    し、d2は、前記HI層の厚さ(nm)を表し、λは、
    前記リフレクタ表面に当たる光線の平均波長(nm)を
    表し、l1、l2は、奇数の自然数を表すことを特徴とす
    るリフレクタ。
  2. 【請求項2】 請求項1のリフレクタにおいて、前記L
    I層の厚さd1、及び、前記HI層の厚さd2は各々、3
    0nmと350nmとの間にあって、特定の位置で測定
    した前記厚さd1及びd2は、前記複合層の全体にわたる
    平均値d1av及びd2avから±5%を超えて変動しないこ
    とを特徴とするリフレクタ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のリフレクタにおいて、
    比率n1/n2が、0.5と0.7との間にあることを特徴
    とするリフレクタ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかのリフレクタ
    において、前記HI層は、アルカリ金属、アルカリ土類
    金属、遷移金属、又は、ランタニドの酸化物、又は、こ
    れらの物質の合金、あるいは、前記酸化物の混合物、若
    しくは、金属フッ化物であるかこれらを含むことを特徴
    とするリフレクタ。
  5. 【請求項5】 請求項4のリフレクタにおいて、前記H
    I層は、Ti 酸化物、PrTi 酸化物、LaTi 酸化物、
    Ta 酸化物、Hf 酸化物、Nb 酸化物、Zn酸化物、Ce
    酸化物、Zr 酸化物、Mo 酸化物、あるいは、前記金
    属の合金の酸化物であるかこれらを含むことを特徴とす
    るリフレクタ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれかのリフレクタ
    において、前記HI層は、有機置換されたアルコキシ化
    合物の重合物であるかこれら重合物を含むことを特徴と
    するリフレクタ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかのリフレクタ
    において、前記アルミニウムは、98.3重量%あるい
    はそれ以上のAl 純度を有している純粋アルミニウムで
    あり、あるいは、前記アルミニウム合金は、Si、Mn、
    Cu、Zn 及びFe の中の少なくとも1つの元素を含ん
    でいる前記純度のアルミニウムから形成されていること
    を特徴とするリフレクタ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至のいずれかのリフレクタ
    において、前記複合層は、入射光線のエネルギの3%未
    満を吸収することを特徴とするリフレクタ。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至のいずれかのリフレクタ
    を、赤外線又は紫外線用のリフレクタ、工業照明用のラ
    ンプ、特に、昼光照明用のランプのためのリフレクタと
    して使用することを特徴とするリフレクタの使用方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至のいずれかのリフレク
    タを、コンピュータのスクリーンモニタを使用する作業
    場のランプのためのリフレクタ、二次照明ランプのため
    のリフレクタ、走査ランプのためのリフレクタとして、
    あるいは、照明要素、照明を受ける天井、又は、偏光チ
    ャンネルとして使用することを特徴とするリフレクタの
    使用方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至のいずれかのリフレク
    タを、昼光において人間の目が最も良く知覚する可視光
    線の平均波長に対応する波長λを有する電磁放射線を反
    射させるために使用することを特徴とするリフレクタの
    使用方法。
  12. 【請求項12】 請求項のリフレクタを製造するため
    の方法であって、(a) 前記リフレクタ・ボディのア
    ルミニウムを、酸化アルミニウムを溶解しない電解液の
    中で陽極酸化させ、これにより、電解酸化プロセスの間
    に、前記複合層の反射特性を連続的に測定し、陽極酸化
    電圧U(ボルト)を、測定した反射率が所望の最小値
    到達するまで、下式に従う初期電圧UAから連続的に又
    は段階的に上昇させる工程と、 d1/1.6 ≦ UA ≦ d1/1.2 (b) 前記LI層をその上に有している前記リフレク
    タ・ボディの表面をゾル浴の中に浸漬させることによ
    り、あるいは、遠心手段によって、又は、前記ゾルを前
    記LI層に噴霧することによって、HI層を前記LI層
    の上に堆積させ、室温よりも高い温度で、あるいは、放
    射線の影響下で、前記ゾル層をゲル層に変化させる工程
    とを備えることを特徴とするリフレクタの製造方法。
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