JP3278840B2 - 内視鏡の湾曲操作装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は内視鏡の湾曲操作装置に
係り、特に内視鏡の手元操作部に取り付けられた左右ア
ングルツマミと上下アングルツマミを操作して内視鏡挿
入先端の湾曲部を所望の方向に湾曲する内視鏡の湾曲操
作装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】内視鏡の手元操作部本体に接続された挿
入部には、湾曲部が連結されており、この湾曲部は手元
操作部本体に設けられた左右アングルツマミ、上下アン
グルツマミを操作することにより湾曲されて、湾曲部の
先端硬質部を所望の方向に向ける。

【０００３】前記左右アングルツマミと上下アングルツ
マミには、手元操作部内に配置された図４に示すＤ型の
プーリ１が各々連結され、このプーリ１をアングルツマ
ミで回動させることにより、プーリ１に巻回された湾曲
操作用の牽引ワイヤ２で前記先端硬質部を所望の方向に
向けることができる。また、前記牽引ワイヤ２は、前記
プーリ１の平坦面部３にワッシャ４を介してネジ込まれ
たネジ５によりプーリ１に固定されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
内視鏡の湾曲操作装置は、プーリ１に対するネジ５のネ
ジ込み位置が手元操作部本体の後方に位置しているた
め、このネジ５をプーリ１にネジ込む際に、手元操作部
本体の後方に取り付けられている接眼部やライトガイド
ケーブル等を取り外さなければならない。

【０００５】これにより、従来の内視鏡の湾曲操作装置
は、牽引ワイヤの固定に手間がかかるという欠点があ
る。本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、
接眼部等を内視鏡手元操作部から取り外さないで、牽引
ワイヤをプーリに固定することができる内視鏡の湾曲操
作装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、内視鏡手元操作部の左右アングルツマミ
と上下アングルツマミに連結された各々のプーリに湾曲
操作用の牽引ワイヤを巻回して固定し、各アングルツマ
ミを回動することにより内視鏡挿入部先端の湾曲部を所
望の方向に湾曲する内視鏡の湾曲操作装置に於いて、前
記牽引ワイヤが巻回される前記プーリの外周部に凹部を
形成し、前記凹部に、牽引ワイヤ用貫通孔が形成された
筒状部材を牽引ワイヤの巻回方向に直交する方向から嵌
入し、前記凹部に対応した内視鏡手元操作部の側部に形
成された開口部から、固定部材を前記筒状部材に挿入し
て牽引ワイヤを筒状部材に固定することにより、牽引ワ
イヤをプーリに固定したことを特徴としている。

【０００７】

【作用】本発明によれば、先ず、プーリの外周部に形成
された凹部に筒状部材を嵌入し、次に、筒状部材の牽引
ワイヤ用貫通孔に牽引ワイヤを挿通させて牽引ワイヤを
プーリに巻回し、次いで、内視鏡手元操作部の側部に形
成された開口部から固定部材を前記筒状部材に挿入して
牽引ワイヤを筒状部材に固定する。

【０００８】これにより、本発明では、内視鏡手元操作
部の側部から牽引ワイヤをプーリに固定することができ
るので、固定時に接眼部等を内視鏡手元操作部から取り
外さないで済む。

【０００９】

【実施例】以下添付図面に従って本発明に係る内視鏡の
湾曲操作装置の好ましい実施例について詳説する。図１
は、本発明に係る内視鏡の湾曲操作装置が適用された内
視鏡の全体図である。

【００１０】内視鏡の手元操作部本体１０には挿入部１
２の基端部が接続され、この挿入部１２の先端部には湾
曲部１４を介して先端硬質部１６が接続されている。ま
た、手元操作部本体１０には、ライトガイド１８が接続
される。ライトガイド１８の先端部は、手元操作部本体
１０から挿入部１２、及び湾曲部１４を介して先端硬質
部１６に挿通配置され、先端硬質部１６の先端部から患
部等を照明する。更に、手元操作部本体１０の後端部に
は接眼部２０が形成されている。

【００１１】前記手元操作部本体１０の両側面には、左
右アングルツマミユニット２２と上下アングルツマミユ
ニット２４が装着される。前記左右アングルツマミユニ
ット２２と上下アングルツマミユニット２４は、同一の
部材で構成されているので、ここでは左右アングルツマ
ミユニット２２の構成のみを説明し、上下アングルツマ
ミユニット２４の説明は省略する。

【００１２】左右アングルツマミユニット２２は図２に
示すように、環状に形成されたアングルツマミ２６とブ
レーキレバー２８を有し、アングルツマミ２６にはツマ
ミ座３０がネジ３２、３２…によって固定される。前記
ブレーキレバー２８には、環状に形成されたブレーキカ
ラー３４がネジ３６、３６…によって固定され、このブ
レーキカラー３４にはブレーキリング３８がセットビス
４０によって一体に固定される。前記ブレーキリング３
８には、回転軸４２の前端部が遊嵌される。

【００１３】前記回転軸４２の外周部略中央にはフラン
ジ４４が形成され、このフランジ４４の両側には環状に
形成されたブレーキパッド４６、４８が配置される。ま
た、回転軸４２は、前記ブレーキリング３８が固定座５
０に螺合されることにより、固定座５０内に配置され
る。これにより、前記ブレーキパッド４６はブレーキリ
ング３８とフランジ４４との間に保持され、前記ブレー
キパッド４８はフランジ４４と固定座５０との間に保持
されて、回転軸４２の軸方向に各々前後移動可能となっ
ている。

【００１４】また、前記回転軸４２は、前端部がネジ５
２によって前記ツマミ座３０に固定されると共に、後端
部がネジ５４により回転規制板５６を介して固定座５０
内に回転自在に取り付けられる。これにより、アングル
ツマミ２６と、ブレーキレバー２８等から成るブレーキ
機構は一体に組み付けられてユニット化され、アングル
ツマミ２６を回動すればツマミ座３０を介して回転軸４
２を回動することができ、ブレーキレバー２８を回動す
れば、ブレーキリング３８と固定座５０とのネジの作用
によりブレーキリング３８が固定座５０に対して前後移
動するので、回転軸４２のフランジ４４を前記ブレーキ
パッド４６、４８で押圧したり、押圧解除（開放）した
りすることができる。これにより、回転軸４２は、ブレ
ーキパッド４６、４８の押圧力で回動が規制される。

【００１５】一方、アングルツマミ２６は、固定座５０
の後端部に固着されたストッパーピン５８によって回動
範囲が規制されている。ストッパーピン５８は、前記回
転規制板５６に形成された図示しない切欠溝内に位置
し、回転規制板５６が回転軸４２と共に回転すると前記
切欠溝の両側縁部がストッパーピン５８に当接する。こ
れにより、回転軸４２の回動範囲が規制されるので、ア
ングルツマミ２６の回動範囲、即ち、図１に示した湾曲
部１４の左右方向の湾曲範囲が規制される。

【００１６】また、前記ブレーキレバー２８は、固定座
５０の前面部に固着れたストッパーピン６４によって回
動範囲が規制されている。このストッパーピン６４は、
前記ブレーキカラー３４に形成された図示しない切欠溝
内に位置し、ブレーキカラー３４が回転すると前記切欠
溝の両側縁部がストッパーピン６４に当接する。これに
より、ブレーキカラー３４の回動範囲が規制されるの
で、ブレーキレバー２８の回動範囲が規制される。

【００１７】更に、前記回転軸４２には、駆動力伝達ピ
ン７４が回転規制板５６の孔７６を介して突設される。
このピン７４は、アングルツマミユニット２２が手元操
作部本体１０の取付部１１に装着される際に、プーリ１
００Ａのピン孔１０２に嵌入される。手元操作部本体１
０に装着されたアングルツマミユニット２２は、ネジ７
８、７８、７８によって手元操作部本体１０に固定され
る。また、キャップ８０がアングルツマミ２６の開口部
２６Ａに係着される。

【００１８】ところで、前記プーリ１００Ａは、手元操
作部本体１０内の長手方向に固着れた地板１０４の片側
面に配置され、また、地板１０４の反対側面には上下ア
ングルツマミユニット２４に連結されたプーリ１００Ｂ
が配置される。前記プーリ１００Ａ、１００Ｂは、地板
１０４の孔部にネジ１０６によって固定された軸１０８
の両端に回転自在に支持されると共に、湾曲操作用の牽
引ワイヤ１１０、１１２が夫々巻回されている。

【００１９】前記プーリ１００Ａ、１００Ｂは図３に示
すように、円盤状に形成されると共に、牽引ワイヤ１１
０、１１２が巻回される外周部に凹状の切欠部１２０が
形成される。また、前記切欠部１２０には、筒状のカラ
ー１２２が牽引ワイヤ１１０、１１２の巻回方向に直交
する方向から嵌入される。前記カラー１２２には、牽引
ワイヤ１１０、１１２が挿通されるワイヤ貫通孔１２４
が穿設され、前記牽引ワイヤ１１０、１１２はこのワイ
ヤ貫通孔１２４に挿通されてプーリ１００Ａ、１００Ｂ
に巻回される。また、牽引ワイヤ１１０、１１２は手元
操作部本体１０内に配置されたプーリ１２６、１２８、
１３０にガイドされ、その両端にはターンバックル１３
２、１３２を介して牽引ワイヤ１３４、１３４が接続さ
れる。この牽引ワイヤ１３４、１３４の先端は、挿入部
１２を介して湾曲部１４に接続されている。

【００２０】また、図１に示すように、手元操作部本体
１０の両側部には開口部１３６、１３６（一方側の開口
部１３６は図示せず）が形成される。この開口部１３６
は図３に示したプーリ１００Ａ、１００Ｂの切欠部１２
０に対応した位置に穿設されており、この開口部１３
６、１３６からネジ１３８、１３８が挿入される。前記
ネジ１３８、１３８は、手元操作部本体１０の外側から
図２に示す前記カラー１２２、１２２にネジ込まれ、牽
引ワイヤ１１０、１１２をカラー１２２、１２２に固定
することができる。これにより、牽引ワイヤ１１０、１
１２は、プーリ１００Ａ、１００Ｂに巻回されて固定さ
れる。

【００２１】このように、本実施例の内視鏡の湾曲操作
装置は、手元操作部本体１０の側部からネジ１３８、１
３８を挿入して牽引ワイヤ１１０、１１２をプーリ１０
０Ａ、１００Ｂに固定することができる。従って、本実
施例では、牽引ワイヤの固定時に接眼部等を手元操作部
本体から取り外さなければならない従来の内視鏡の湾曲
操作装置と比較して、牽引ワイヤを簡単にプーリに固定
することができる。

【００２２】また、本実施例では、カラー１２２のワイ
ヤ貫通孔１２４に牽引ワイヤ１１０（１１２）が挿通さ
れているので、カラー１２２に軸方向の力が加わって
も、カラー１２２がプーリ１００Ａ（１００Ｂ）から脱
落することはない。また、カラー１２２にプーリ１００
Ａ（１００Ｂ）の接線方向の力が加わっても、カラー１
２２は切欠部１２０にガイドされているので、カラー１
２２がプーリ１００Ａ（１００Ｂ）から脱落することは
ない。従って、湾曲操作装置の組立後に、カラー１２２
や牽引ワイヤ１１０（１１２）がプーリ１００Ａ（１０
０Ｂ）から外れたり、脱落したりするのを防止できる。

【００２３】また、本実施例の内視鏡の湾曲操作装置
は、ネジ１３８を緩めて牽引ワイヤ１１０、１１２をプ
ーリ１００Ａ、１００Ｂに対して滑らすことにより、プ
ーリ１００Ａ、１００Ｂを回転させずに牽引ワイヤ１１
０、１１２の微調整を行うことができる。これにより、
アングルツマミ２６のニュートラル位置を保持した状態
で微調整できるので、微調整する都度アングルツマミ２
６をニュートラル位置に取り付けし直さなければならな
い従来の内視鏡の湾曲操作装置よりも、その手間を省く
ことができる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る内視鏡
の湾曲操作装置によれば、プーリの外周部に形成された
凹部に筒状部材を嵌入し、筒状部材の牽引ワイヤ用貫通
孔に牽引ワイヤを挿通させて牽引ワイヤをプーリに巻回
し、内視鏡手元操作部の側部に形成された開口部からス
トッパ部材を筒状部材に挿入して牽引ワイヤを筒状部材
に固定する。即ち、本発明によれば、内視鏡手元操作部
の側部から牽引ワイヤをプーリに固定できるので、接眼
部等を内視鏡手元操作部から取り外さないで、牽引ワイ
ヤをプーリに固定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る内視鏡の湾曲操作装置が適用され
た内視鏡の全体図

【図２】本発明に係る内視鏡の湾曲操作装置の断面図

【図３】本発明に係る内視鏡の湾曲操作装置に適用され
たプーリの組立斜視図

【図４】従来の内視鏡の湾曲操作装置に適用されたプー
リの斜視図

【符号の説明】 １０…手元操作部本体 ２２、２４…アングルツマミユニット １００Ａ、１００Ｂ…プーリ １１０、１１２…牽引ワイヤ １２０…切欠部 １２２…カラー １２４…ワイヤ貫通孔 １３８…ネジ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内視鏡手元操作部の左右アングルツマミ
   と上下アングルツマミに連結された各々のプーリに湾曲
   操作用の牽引ワイヤを巻回して固定し、各アングルツマ
   ミを回動することにより内視鏡挿入部先端の湾曲部を所
   望の方向に湾曲する内視鏡の湾曲操作装置に於いて、 前記牽引ワイヤが巻回される前記プーリの外周部に凹部
   を形成し、 前記凹部に、牽引ワイヤ用貫通孔が形成された筒状部材
   を牽引ワイヤの巻回方向に直交する方向から嵌入し、 前記凹部に対応した内視鏡手元操作部の側部に形成され
   た開口部から、固定部材を前記筒状部材に挿入して牽引
   ワイヤを筒状部材に固定することにより、牽引ワイヤを
   プーリに固定したことを特徴とする内視鏡の湾曲操作装
   置。