JP3276510B2 - ハロゲン化２−アミノ−５−ニトロピリジニウム結晶構造体、この結晶構造体の製造法、およびこの構造体を含んでなる電気光学効果を有する装置 - Google Patents
ハロゲン化２−アミノ−５−ニトロピリジニウム結晶構造体、この結晶構造体の製造法、およびこの構造体を含んでなる電気光学効果を有する装置Info
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- C07D213/72—Nitrogen atoms
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Description
【０００１】発明の分野 本発明は、非線形光学および電気光学分野において用い
ることができる新規な結晶構造体に関する。更に詳細に
は、本発明は二次非線形効果(quadratic nonlinear eff
ects) および可視から近赤外まで広範囲に亙り透明性を
示す新規な結晶構造体に関する。最後に、本発明は、こ
れらの結晶構造体の製造法、およびこのような結晶構造
体を含んでなる電気光学効果を有する装置に関する。本
発明による結晶は、非中心対称性の構造を有することに
より、二次非線形磁化率テンソル(quadratic nonlinear
susceptibility tensor) χ２を生じるので、「全光
学」型（第二次調波発生、周波数変換、パラメトリック
効果）および電気光学型（ポッケルス効果）の３種類の
波動と任意に組み合わせて用いることができる。
ることができる新規な結晶構造体に関する。更に詳細に
は、本発明は二次非線形効果(quadratic nonlinear eff
ects) および可視から近赤外まで広範囲に亙り透明性を
示す新規な結晶構造体に関する。最後に、本発明は、こ
れらの結晶構造体の製造法、およびこのような結晶構造
体を含んでなる電気光学効果を有する装置に関する。本
発明による結晶は、非中心対称性の構造を有することに
より、二次非線形磁化率テンソル(quadratic nonlinear
susceptibility tensor) χ２を生じるので、「全光
学」型（第二次調波発生、周波数変換、パラメトリック
効果）および電気光学型（ポッケルス効果）の３種類の
波動と任意に組み合わせて用いることができる。
【０００２】先行技術 過去十年間、リン酸二水素カリウムのような物質と比較
して増大した二次非線形効果を示し（Okada et al., Ja
p. J.Appl. Phys. 16, 55, 1977)、並びに可視から近赤
外まで広範囲に亙り透明性を示す結晶構造体の研究は、
例えばD.S.Chemia およびJ. Zyss 著、Academic Press
（１９８７年）より刊行されている書籍「有機分子およ
び結晶の非線形光学特性(Nonlinear Optical Propertie
s ofOrganic Molecules and Crystals)」に記載された
ような有機分子に集中している。これらの有機結晶は、
結晶格子に極性の積み重ねを形成する分子双極子の組の
形態を採ることができる。最も高い非線形係数は、これ
らの双極子に沿って配向している。この種の結晶構造体
の中では、下記のものを挙げることができる。 ＰＯＭ（３−メチル−４−ニトロピリジン＝１−オキシ
ド）（J. Zyss,D.S. Chemia and J.F. Nicoud,J. Chem.
Phys. 74,4800 (1981))、ＮＰＰ（Ｎ−（４−ニトロフ
ェニル）−Ｌ−プロリノール）（J.Zyss, J.F.Nicoud a
nd A. Coquillay, J. Chem. Phys. 81, 4160 (1984))、
ＮＰＡＮ（Ｎ−（４−ニトロフェニル）−Ｎ−ジメチル
アミノアセトニトリル）（P. Vidakovic, M. Coquillay
and A. Salin, J. Opt. Soc. Am. B4, 998,(1987))。 これらの結晶は、極めて高い非線形性を示す（例えばＮ
ＰＰの場合には、ｄ21は50ｐｍ／Ｖの程度である）が、
透明性は低くなってスペクトルの青色部までに限られ
る。更に、このような結晶の中には通常の適用条件下で
の凝集および空気−安定性が不利なものもあり、これは
特にＰＯＭの場合に顕著であり、保護液に浸漬しなけれ
ばならず、その上顕著な昇華性を示す。
して増大した二次非線形効果を示し（Okada et al., Ja
p. J.Appl. Phys. 16, 55, 1977)、並びに可視から近赤
外まで広範囲に亙り透明性を示す結晶構造体の研究は、
例えばD.S.Chemia およびJ. Zyss 著、Academic Press
（１９８７年）より刊行されている書籍「有機分子およ
び結晶の非線形光学特性(Nonlinear Optical Propertie
s ofOrganic Molecules and Crystals)」に記載された
ような有機分子に集中している。これらの有機結晶は、
結晶格子に極性の積み重ねを形成する分子双極子の組の
形態を採ることができる。最も高い非線形係数は、これ
らの双極子に沿って配向している。この種の結晶構造体
の中では、下記のものを挙げることができる。 ＰＯＭ（３−メチル−４−ニトロピリジン＝１−オキシ
ド）（J. Zyss,D.S. Chemia and J.F. Nicoud,J. Chem.
Phys. 74,4800 (1981))、ＮＰＰ（Ｎ−（４−ニトロフ
ェニル）−Ｌ−プロリノール）（J.Zyss, J.F.Nicoud a
nd A. Coquillay, J. Chem. Phys. 81, 4160 (1984))、
ＮＰＡＮ（Ｎ−（４−ニトロフェニル）−Ｎ−ジメチル
アミノアセトニトリル）（P. Vidakovic, M. Coquillay
and A. Salin, J. Opt. Soc. Am. B4, 998,(1987))。 これらの結晶は、極めて高い非線形性を示す（例えばＮ
ＰＰの場合には、ｄ21は50ｐｍ／Ｖの程度である）が、
透明性は低くなってスペクトルの青色部までに限られ
る。更に、このような結晶の中には通常の適用条件下で
の凝集および空気−安定性が不利なものもあり、これは
特にＰＯＭの場合に顕著であり、保護液に浸漬しなけれ
ばならず、その上顕著な昇華性を示す。
【０００３】最近になって、R. MasseおよびJ. Zyss
（Molecular Engineering, 1, 141,1991)が、非線形有
機分子を、単一または複数の水素結合によって互いに結
合している無機アニオンから成る「枠組み（framewor
k)」配列の中に、無機アニオンと共にカプセル封入する
ことを提案している。この提案のポリアニオンは、ヒ酸
塩（Ｈ２ＡｓＯ４ −）ｎ、硫酸塩（ＨＳＯ４ −）ｎまた
はリン酸塩（Ｈ２ＰＯ４ −）ｎ型である。この種の特に
好ましい結晶としては、下記のようなものが確認されて
いる：一リン酸二水素＝２−アミノ−５−ニトロピリジ
ニウム（２Ａ５ＮＰＤＰ）。このｍｍ２点対称の結晶構
造は、結晶の極性軸に対して有機単位の遷移双極子の傾
斜角が36°程度であって、これは係数ｄ31（10ｐｍ／Ｖ
程度）および複屈折による位相同調を必要とするパラメ
トリック効果（第二次調波発生、パラメトリック増幅）
に好都合である。
（Molecular Engineering, 1, 141,1991)が、非線形有
機分子を、単一または複数の水素結合によって互いに結
合している無機アニオンから成る「枠組み（framewor
k)」配列の中に、無機アニオンと共にカプセル封入する
ことを提案している。この提案のポリアニオンは、ヒ酸
塩（Ｈ２ＡｓＯ４ −）ｎ、硫酸塩（ＨＳＯ４ −）ｎまた
はリン酸塩（Ｈ２ＰＯ４ −）ｎ型である。この種の特に
好ましい結晶としては、下記のようなものが確認されて
いる：一リン酸二水素＝２−アミノ−５−ニトロピリジ
ニウム（２Ａ５ＮＰＤＰ）。このｍｍ２点対称の結晶構
造は、結晶の極性軸に対して有機単位の遷移双極子の傾
斜角が36°程度であって、これは係数ｄ31（10ｐｍ／Ｖ
程度）および複屈折による位相同調を必要とするパラメ
トリック効果（第二次調波発生、パラメトリック増幅）
に好都合である。
【０００４】しかしそれにもかかわらず、他の結晶構造
体であって、係数ｄii（但しｉ＝１、２または３）が結
晶方向ｉに沿って格子中の最も完全に近い分子配列によ
って優先的に最適化されるような、G. Lipscomb, A. Ga
ritoおよびR. Narang 著（J.Chem. Phys., 75, 1509 (1
981))に記載されているＭＮＡ（２−メチル−４−ニト
ロアニリン）の結晶、またはJ. Zyss, I. Ledoux, M. B
ertault およびE.Toupet 著（Chem. Phys., 150, 125
(1991)) に記載されているＤＭＡＣＢ（４，４′−ジメ
チルアミノシアノビフェニル）の結晶に類似したものを
見いだすことが望まれている。係数ｄ21およびｄ22が二
次非線形磁化率テンソルの係数を示し、軸２が結晶群Ｐ
２1 （コントラスト回転）における線形対称の軸である
ことがここで想起される。更に、二次非線形光学に用い
る有機塩を開発したG.R. Meredith （ACSSymposium Ser
ies, 233, 27-56 (1983))の報告であって、分子内電荷
移動特性を有するカチオンが、キラルまたはアキラルの
有機または無機アニオンと組み合わせて用いられている
ものも参照すべきである。この文献に用いられるアニオ
ンは、ポリアニオン性構造体に組織されない独立の単位
であって、このような構造体の力学的凝集は、十分では
ない。
体であって、係数ｄii（但しｉ＝１、２または３）が結
晶方向ｉに沿って格子中の最も完全に近い分子配列によ
って優先的に最適化されるような、G. Lipscomb, A. Ga
ritoおよびR. Narang 著（J.Chem. Phys., 75, 1509 (1
981))に記載されているＭＮＡ（２−メチル−４−ニト
ロアニリン）の結晶、またはJ. Zyss, I. Ledoux, M. B
ertault およびE.Toupet 著（Chem. Phys., 150, 125
(1991)) に記載されているＤＭＡＣＢ（４，４′−ジメ
チルアミノシアノビフェニル）の結晶に類似したものを
見いだすことが望まれている。係数ｄ21およびｄ22が二
次非線形磁化率テンソルの係数を示し、軸２が結晶群Ｐ
２1 （コントラスト回転）における線形対称の軸である
ことがここで想起される。更に、二次非線形光学に用い
る有機塩を開発したG.R. Meredith （ACSSymposium Ser
ies, 233, 27-56 (1983))の報告であって、分子内電荷
移動特性を有するカチオンが、キラルまたはアキラルの
有機または無機アニオンと組み合わせて用いられている
ものも参照すべきである。この文献に用いられるアニオ
ンは、ポリアニオン性構造体に組織されない独立の単位
であって、このような構造体の力学的凝集は、十分では
ない。
【０００５】発明の概要 前記の先行技術を考慮すれば、本発明の目的の一つは、
二次非線形効果を示す新規な中心対称性の結晶構造体を
提案することである。本発明の第二の目的は、先行技術
のものと比較して増大した二次非線形効果を示す結晶構
造体を提案することである。本発明のもう一つの目的
は、二次非線形効果および結晶中の有機分子単位が優れ
た凝集を示す結晶構造体を提案することである。本発明
の他の目的については、これ以降の説明で述べる。本発
明によれば、非中心対称性の結晶構造体は、任意に置換
基を有するハロゲン化２−アミノ−５−ニトロピリジニ
ウムからなる。２−アミノ−５−ニトロピリジニウムカ
チオンの置換基は、結晶格子中の分極性有機単位の好ま
しい配向をあまり大幅に変えることのない置換基であ
る。このハライドは、好ましくは塩化物イオン、臭化物
イオンまたはフッ化物イオンである。別の好ましい形態
によれば、結晶構造体は、カチオンが、下記の式
二次非線形効果を示す新規な中心対称性の結晶構造体を
提案することである。本発明の第二の目的は、先行技術
のものと比較して増大した二次非線形効果を示す結晶構
造体を提案することである。本発明のもう一つの目的
は、二次非線形効果および結晶中の有機分子単位が優れ
た凝集を示す結晶構造体を提案することである。本発明
の他の目的については、これ以降の説明で述べる。本発
明によれば、非中心対称性の結晶構造体は、任意に置換
基を有するハロゲン化２−アミノ−５−ニトロピリジニ
ウムからなる。２−アミノ−５−ニトロピリジニウムカ
チオンの置換基は、結晶格子中の分極性有機単位の好ま
しい配向をあまり大幅に変えることのない置換基であ
る。このハライドは、好ましくは塩化物イオン、臭化物
イオンまたはフッ化物イオンである。別の好ましい形態
によれば、結晶構造体は、カチオンが、下記の式
【化２】 （式中、Ｒは、水素原子、メチルまたはエチル基、また
はヒドロキシル基である）に相当するものである。ま
た、カチオンとしては、２−アミノ−５−ニトロ−ピリ
ジニウムも好ましい。いかなる科学的理論に束縛される
ものではないが、本出願人は、これらの構造体が、短く
従って高エネルギ−性の水素結合によって特異的な凝集
力を有し、ハロゲン化物アニオンの周囲にカチオンを凝
集させることができるものと考えている。この型の結合
により、本発明による結晶構造体は、安定で、透明であ
り且つ容易に成長する。また、本発明による結晶構造体
は、単結晶であるのが好ましい。
はヒドロキシル基である）に相当するものである。ま
た、カチオンとしては、２−アミノ−５−ニトロ−ピリ
ジニウムも好ましい。いかなる科学的理論に束縛される
ものではないが、本出願人は、これらの構造体が、短く
従って高エネルギ−性の水素結合によって特異的な凝集
力を有し、ハロゲン化物アニオンの周囲にカチオンを凝
集させることができるものと考えている。この型の結合
により、本発明による結晶構造体は、安定で、透明であ
り且つ容易に成長する。また、本発明による結晶構造体
は、単結晶であるのが好ましい。
【０００６】更に本発明は、前記した結晶構造体の製造
法であって、任意に置換基を有する２−アミノ−５−ニ
トロピリジン１モルを、ハロゲン化水素少なくとも１モ
ルと好適な溶媒中で混合し、この混合物を結晶化させ、
結晶構造体を回収する方法にも関する。好適な溶媒は、
特に水またはアセトン／水混合物である。任意に置換基
を有する２−アミノ−５−ニトロピリジン１モルを、好
ましくは0.3 〜２モルのハロゲン化水素と混合する。結
晶化は、溶媒をゆっくり蒸発させることによって行う。
従って、当業者に周知の方法が包含される。アニオン−
カチオン混合物を順に飽和させた溶媒中に、前記のよう
な結晶構造体の結晶種を含ませるのが有利である。蒸発
をゆっくり行うことにより、定温（特に周囲温度）で所
望な結晶化が起こる。この温度は、徐々に低下させるこ
ともできる。この単結晶は必要な特性を有するのであ
り、すなわち非線形光学（二次効果）および強誘電性、
非線形応答並びに満足すべき透視性−効率の妥協点の、
いずれの要件にも適合する極性結晶構造を有する。
法であって、任意に置換基を有する２−アミノ−５−ニ
トロピリジン１モルを、ハロゲン化水素少なくとも１モ
ルと好適な溶媒中で混合し、この混合物を結晶化させ、
結晶構造体を回収する方法にも関する。好適な溶媒は、
特に水またはアセトン／水混合物である。任意に置換基
を有する２−アミノ−５−ニトロピリジン１モルを、好
ましくは0.3 〜２モルのハロゲン化水素と混合する。結
晶化は、溶媒をゆっくり蒸発させることによって行う。
従って、当業者に周知の方法が包含される。アニオン−
カチオン混合物を順に飽和させた溶媒中に、前記のよう
な結晶構造体の結晶種を含ませるのが有利である。蒸発
をゆっくり行うことにより、定温（特に周囲温度）で所
望な結晶化が起こる。この温度は、徐々に低下させるこ
ともできる。この単結晶は必要な特性を有するのであ
り、すなわち非線形光学（二次効果）および強誘電性、
非線形応答並びに満足すべき透視性−効率の妥協点の、
いずれの要件にも適合する極性結晶構造を有する。
【０００７】最後に、本発明は、前記の結晶構造体を有
してなる電気光学効果を有する装置に関する。これらの
装置は、第二次調波または更に一般的には周波数の和ま
たは差を発生する。これらの有利な特性から生じる用途
は数多く、これはバルク結晶(bulk crystal)およびガイ
ディング構造体(guiding structure) として、例えば、 光学キャリヤーの位相変調 振幅の変調 指向性カップラー 電気光学的交差、更に一般的には電気光学的切替点、電
気光学的サンプリング 電子理論 レーザーの電気光学的トリガリング（「Ｑ−スイッ
チ」）など、また、複屈折を用いた位相同調が必要な用
途、例えば、 第二次調波発生 周波数変換 パラメトリック増幅、放射および発振などへの応用が挙
げられる。
してなる電気光学効果を有する装置に関する。これらの
装置は、第二次調波または更に一般的には周波数の和ま
たは差を発生する。これらの有利な特性から生じる用途
は数多く、これはバルク結晶(bulk crystal)およびガイ
ディング構造体(guiding structure) として、例えば、 光学キャリヤーの位相変調 振幅の変調 指向性カップラー 電気光学的交差、更に一般的には電気光学的切替点、電
気光学的サンプリング 電子理論 レーザーの電気光学的トリガリング（「Ｑ−スイッ
チ」）など、また、複屈折を用いた位相同調が必要な用
途、例えば、 第二次調波発生 周波数変換 パラメトリック増幅、放射および発振などへの応用が挙
げられる。
【０００８】例として、本発明による結晶構造体を備え
た電気光学的トリガリングを有するレーザーキャビティ
について、下記に説明する。このような装置では、本発
明の結晶構造体を、ポッケルスセル型の配置でレーザー
（例えば1.06または1.34ｍで放射するＹＡＧレーザー、
更に一般的には0.45〜1.7 ｍの結晶透明度範囲で放射す
る任意のレーザー）のキャビティに導入する。結晶に引
張力を加えているときには、分極化および反射の相互作
用により放射が遮断される。引張力がないときには、結
晶は再び透過性になり、キャビティは放射を行うことが
できる。この原理の一般的な説明については、例えばLa
sers、第１巻、A.K. Levins 監修のR.W. Hellwarth著
「レーザーのＱ変調(Q Modulation of lasers)」、253
頁（New York, Marcel Dekker, 1996)に記載されてい
る。
た電気光学的トリガリングを有するレーザーキャビティ
について、下記に説明する。このような装置では、本発
明の結晶構造体を、ポッケルスセル型の配置でレーザー
（例えば1.06または1.34ｍで放射するＹＡＧレーザー、
更に一般的には0.45〜1.7 ｍの結晶透明度範囲で放射す
る任意のレーザー）のキャビティに導入する。結晶に引
張力を加えているときには、分極化および反射の相互作
用により放射が遮断される。引張力がないときには、結
晶は再び透過性になり、キャビティは放射を行うことが
できる。この原理の一般的な説明については、例えばLa
sers、第１巻、A.K. Levins 監修のR.W. Hellwarth著
「レーザーのＱ変調(Q Modulation of lasers)」、253
頁（New York, Marcel Dekker, 1996)に記載されてい
る。
【０００９】実施例１ ２−アミノ−５−ニトロピリジン（２Ａ５ＮＰ）１モル
を、周囲温度のできるだけ少量のアセトンに完全に溶解
する。塩酸または臭化水素酸の１モル溶液30ccを加え
る。得られた溶液を、周囲温度でゆっくりと蒸発させる
と、大きさが４mm×４mm×４mmの透明な結晶が容易に生
成する。この反応は、40℃の水中でも行うことができ、
この場合には塩酸または臭化水素酸１モル当たり２Ａ５
ＮＰ0.8 モルを溶解させる。温度を上昇させると、２−
アミノ−５−ニトロピリジンがアセトン−水混合物に溶
解し易くなる。この科学反応は、下記のように表され
る。 Ｃ５Ｈ５Ｎ３Ｏ２ ＋ ＨＣｌ → Ｃ５Ｈ６Ｎ３Ｏ２ ＋ ＋ Ｃｌ− → Ｃ５Ｈ６Ｎ３Ｏ２ ＋・Ｃｌ− （２Ａ５ＮＰＣｌ） Ｃ５Ｈ５Ｎ３Ｏ２ ＋ ＨＢｒ → Ｃ５Ｈ６Ｎ３Ｏ２ ＋ ＋ Ｂｒ− → Ｃ５Ｈ６Ｎ３Ｏ２ ＋・Ｂｒ− （２Ａ５ＮＰＢｒ） 結晶構造体の研究により、この２種類の化合物の化学式
および異種同形性を明確に決定することが可能となっ
た。活性相は完全に特性決定されている。 2A5NPCl a=9.956(7), b=7.737(1), c=4.813(1) A beta
=95.86 (9)°P21 2A5NPBr a=10.074(7),b=7.805(1), c=4.949(1) A be
ta=95.72 (9)°P21
を、周囲温度のできるだけ少量のアセトンに完全に溶解
する。塩酸または臭化水素酸の１モル溶液30ccを加え
る。得られた溶液を、周囲温度でゆっくりと蒸発させる
と、大きさが４mm×４mm×４mmの透明な結晶が容易に生
成する。この反応は、40℃の水中でも行うことができ、
この場合には塩酸または臭化水素酸１モル当たり２Ａ５
ＮＰ0.8 モルを溶解させる。温度を上昇させると、２−
アミノ−５−ニトロピリジンがアセトン−水混合物に溶
解し易くなる。この科学反応は、下記のように表され
る。 Ｃ５Ｈ５Ｎ３Ｏ２ ＋ ＨＣｌ → Ｃ５Ｈ６Ｎ３Ｏ２ ＋ ＋ Ｃｌ− → Ｃ５Ｈ６Ｎ３Ｏ２ ＋・Ｃｌ− （２Ａ５ＮＰＣｌ） Ｃ５Ｈ５Ｎ３Ｏ２ ＋ ＨＢｒ → Ｃ５Ｈ６Ｎ３Ｏ２ ＋ ＋ Ｂｒ− → Ｃ５Ｈ６Ｎ３Ｏ２ ＋・Ｂｒ− （２Ａ５ＮＰＢｒ） 結晶構造体の研究により、この２種類の化合物の化学式
および異種同形性を明確に決定することが可能となっ
た。活性相は完全に特性決定されている。 2A5NPCl a=9.956(7), b=7.737(1), c=4.813(1) A beta
=95.86 (9)°P21 2A5NPBr a=10.074(7),b=7.805(1), c=4.949(1) A be
ta=95.72 (9)°P21
【００１０】実施例２： 結晶の成長 ＨＣｌ（またはＨＢｒ）１モル当たり２Ａ５ＮＰ １モ
ルを含む溶液を、空気中で周囲温度で蒸発させると、塩
化または臭化２−アミノ−５−ニトロピリジニウムの美
しい結晶を生成し、これらはいずれも同じ形態（Ｐ２１
対称）を有する。塩化物の場合には、７mm×７mm×５m
m、または10mm×６mm×５mmの丈夫な結晶が容易に得ら
れた。これらの結晶は、２Ａ５ＮＰＤＰに相当する熱お
よび機械的特性を有する。更に、第二次調波発生に関す
る粉体の試験（Ｎｄ：ＹＡＧレーザーによる照射、λ＝
1.06μｍ）によれば、これらの効率は、ＰＯＭおよびＮ
ＰＰの効率と密接に関連している。
ルを含む溶液を、空気中で周囲温度で蒸発させると、塩
化または臭化２−アミノ−５−ニトロピリジニウムの美
しい結晶を生成し、これらはいずれも同じ形態（Ｐ２１
対称）を有する。塩化物の場合には、７mm×７mm×５m
m、または10mm×６mm×５mmの丈夫な結晶が容易に得ら
れた。これらの結晶は、２Ａ５ＮＰＤＰに相当する熱お
よび機械的特性を有する。更に、第二次調波発生に関す
る粉体の試験（Ｎｄ：ＹＡＧレーザーによる照射、λ＝
1.06μｍ）によれば、これらの効率は、ＰＯＭおよびＮ
ＰＰの効率と密接に関連している。
【図１】結晶面［，］に投影した塩化２−アミノ−
５−ニトロピリジニウム結晶の結晶格子を示す。
５−ニトロピリジニウム結晶の結晶格子を示す。
【図２】結晶面［，］に投影した同じ結晶を示す。 本発明による結晶の非中心対称性構造は、これらの図を
読み取ることによって判り、ここで、有機双極子を分離
するアニオン層について言及することができ、この有機
双極子は単一の分極方向に杉綾型のパターンで配向して
いる（Ｐ２１構造）。
読み取ることによって判り、ここで、有機双極子を分離
するアニオン層について言及することができ、この有機
双極子は単一の分極方向に杉綾型のパターンで配向して
いる（Ｐ２１構造）。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ // Ｃ０７Ｂ 63/00 Ｃ０７Ｂ 63/00 Ｅ (72)発明者 ジャック、ペコ フランス国アビゴン、リュ、デュ、ロ ワ、ルネ、28 (72)発明者 ジャン‐ピエール、ルビ フランス国グルノーブル、プラス、セ、 デュラン、８ (72)発明者 ルネ、マッセ フランス国クロール、リュ、ビクトル、 ユーゴ、265、アモ、ド、ラ、クロワ、 デ、ゼール (72)発明者 ジョゼフ、ジス フランス国ソー、リュ、ベルトゥルー、 10 (72)発明者 ロラン、イエルル フランス国パリ、リュ、ピネル、８ (56)参考文献 欧州特許出願公開488869（ＥＰ，Ａ １) ＰＥＣＡＵＴ，Ｊ．，ｅｔ ａｌ．, Ｊ．Ｍａｔｅｒ．Ｃｈｅｍ．，３ （10），ｐｐ．999−1003（1993) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C07D 213/00 - 213/90 B01D 9/00 - 9/02 G02F 1/00 - 1/39 C07B 63/00 ＣＡ（ＳＴＮ) ＲＥＧＩＳＴＲＹ（ＳＴＮ) ＷＰＩ（ＤＩＡＬＯＧ)
Claims (11)
- 【請求項１】任意に置換基を有するハロゲン化２−アミ
ノ−５−ニトロピリジニウムから成る、非中心対称性結
晶構造体。 - 【請求項２】ハロゲン化物が、塩化物イオン、臭化物イ
オンまたはフッ化物イオンである、請求項１に記載の結
晶構造体。 - 【請求項３】カチオンが、下記の式 【化１】 （式中、Ｒは、水素原子、メチルまたはエチル基、また
はヒドロキシル基である）に相当する、請求項１または
２に記載の結晶構造体。 - 【請求項４】カチオンが２−アミノ−５−ニトロピリジ
ニウムである、請求項１または２に記載の結晶構造体。 - 【請求項５】結晶構造体が単結晶である、請求項１〜４
のいずれか１項に記載の結晶構造体。 - 【請求項６】任意に置換基を有する２−アミノ−５−ニ
トロピリジン１モルを、ハロゲン化水素0.3 〜２モルと
好適な溶媒中で混合し、この混合物を結晶化させ、結晶
構造体を回収することを特徴とする、請求項１〜５のい
ずれか１項に記載の結晶構造体の製造法。 - 【請求項７】溶媒が水またはアセトン／水混合物であ
る、請求項６に記載の方法。 - 【請求項８】請求項１〜５のいずれか１項に記載の結晶
構造体の結晶種が混合物の飽和溶液中に存在しており、
周囲温度で溶媒を蒸発させ、または温度を徐々に低下さ
せることによって結晶化を行う、請求項６または７に記
載の製造法。 - 【請求項９】請求項１〜５のいずれか１項に記載の結晶
構造体を含んでなる、電気光学効果を有する装置。 - 【請求項１０】電気光学的トリガリングを有するレーザ
ーキャビティを含む、請求項９に記載の装置。 - 【請求項１１】請求項１〜５のいずれか１項に記載の結
晶構造体を含んでなる、周波数の和または差を発生する
装置であって、特にパラメトリック増幅、放出および発
振を行うための装置。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| FR9304116A FR2703680B1 (fr) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | Structure cristalline d'halogénure de 2-amino-5-nitropyridinium, procédé de préparation desdites structures cristallines, et dispositif à effet électrooptique comportant de telles structures. |
| FR9304116 | 1993-04-07 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0717949A JPH0717949A (ja) | 1995-01-20 |
| JP3276510B2 true JP3276510B2 (ja) | 2002-04-22 |
Family
ID=9445835
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09376294A Expired - Lifetime JP3276510B2 (ja) | 1993-04-07 | 1994-04-07 | ハロゲン化２−アミノ−５−ニトロピリジニウム結晶構造体、この結晶構造体の製造法、およびこの構造体を含んでなる電気光学効果を有する装置 |
Country Status (5)
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|---|---|
| US (2) | US5514807A (ja) |
| EP (1) | EP0619308B1 (ja) |
| JP (1) | JP3276510B2 (ja) |
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| FR (1) | FR2703680B1 (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2703680B1 (fr) * | 1993-04-07 | 1995-07-07 | France Telecom | Structure cristalline d'halogénure de 2-amino-5-nitropyridinium, procédé de préparation desdites structures cristallines, et dispositif à effet électrooptique comportant de telles structures. |
| US8173045B2 (en) | 2008-05-28 | 2012-05-08 | University Of Washington | Diels-Alder crosslinkable dendritic nonlinear optic chromophores and polymer composites |
Family Cites Families (3)
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|---|---|---|---|---|
| FR2669630A1 (fr) * | 1990-11-26 | 1992-05-29 | France Etat | Nouveaux sels de 2-amino-5-nitropyridinium, utilisables en optique non-lineaire et en electro-optique et leur procede de preparation. |
| FR2690464B1 (fr) * | 1992-04-24 | 2002-03-01 | France Telecom | Structure cristalline de monohydrogénotartrates présentant des effets non linéaires quadratiques, procédé de préparation desdites structures cristallines et dispositif à effet électrooptique comportant de telles structures. |
| FR2703680B1 (fr) * | 1993-04-07 | 1995-07-07 | France Telecom | Structure cristalline d'halogénure de 2-amino-5-nitropyridinium, procédé de préparation desdites structures cristallines, et dispositif à effet électrooptique comportant de telles structures. |
-
1993
- 1993-04-07 FR FR9304116A patent/FR2703680B1/fr not_active Expired - Lifetime
-
1994
- 1994-04-06 DE DE69408887T patent/DE69408887T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1994-04-06 EP EP94400743A patent/EP0619308B1/fr not_active Expired - Lifetime
- 1994-04-06 US US08/223,059 patent/US5514807A/en not_active Expired - Lifetime
- 1994-04-07 JP JP09376294A patent/JP3276510B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1995
- 1995-06-06 US US08/467,588 patent/US5637717A/en not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| ＰＥＣＡＵＴ，Ｊ．，ｅｔ ａｌ．，Ｊ．Ｍａｔｅｒ．Ｃｈｅｍ．，３（１０），ｐｐ．９９９−１００３（１９９３） |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| EP0619308A1 (fr) | 1994-10-12 |
| US5514807A (en) | 1996-05-07 |
| FR2703680A1 (fr) | 1994-10-14 |
| JPH0717949A (ja) | 1995-01-20 |
| DE69408887D1 (de) | 1998-04-16 |
| US5637717A (en) | 1997-06-10 |
| DE69408887T2 (de) | 1998-11-12 |
| FR2703680B1 (fr) | 1995-07-07 |
| EP0619308B1 (fr) | 1998-03-11 |
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