JP3275059B2 - 易吸水紙の製造方法 - Google Patents

易吸水紙の製造方法

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征史 山本
博久 石川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷適性の良好な易吸
水紙の製造に関するものでコースター、紙製テーブルク
ロス、ナプキンなどに使用される。
【0002】
【従来の技術】コースターは、コップ台紙とも呼ばれ、
ビヤーホール、喫茶店、レストラン、家庭などでビー
ル、ジュース、葡萄酒などを入れたグラスの台紙として
使用される。これらの飲料は低温で保存されているた
め、グラス外壁面に結露した水滴が流下してテーブルを
汚すのを防止するため、容易に吸水するように無サイズ
で抄造された板紙が使用されている。また紙製テーブル
クロスやナプキンは食品や飲料をこぼした時など、直ち
に吸水することが必要であり、吸水性が悪いと衣服など
を汚す原因となるため無サイズ紙が使用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの商品は、白紙
で供給されることはごく稀であり、大部分は店名や商品
名、広告などの各種の文字、模様などを印刷して使用に
供されるが、ノーサイズノーコートの易吸水紙は一般に
表面強度が弱く、印刷適性が不良であり、特にオフセッ
ト印刷時にインキタックや湿し水によって紙面が部分的
に剥離するピッキングトラブルが発生しやすい。このよ
うなトラブルを回避するため、一般の紙はサイズ剤を添
加して湿し水の吸収による紙面強度の低下を防止する
他、ポリビニルアルコール、各種澱粉、スチレン−アク
リル系樹脂エマルジョンなどの表面紙力増強剤をコート
して強度アップを図っているが、サイズ剤を使用すると
吸水性が低下して目的とする易吸水紙は得られず、ノー
サイズ紙では表面紙力増強剤をコートすると樹脂は紙表
面に留まることなく紙層内部に吸収されるため、表面紙
力向上の効果が低減するばかりでなく、紙は大量の水分
を吸収するためドライヤーの乾燥能力の関係から抄造速
度をダウンしなければならないという問題点があった。
【0004】また、ノーサイズ紙の表面強度をアップす
る他の対策は、パルプ叩解を充分に行なって繊維の絡み
合いや水素結合、ファンデルワールス結合などの化学結
合を強化する方法が一般に行なわれている。しかしなが
ら、パルプ叩解度を大とすると抄紙機のワイヤー上での
水切れが悪くなり抄造速度の低下をもたらす。丸網抄紙
機のごとく多層の紙を抄合わせた紙は表層、中層、裏層
と積層され、更には各層が2〜3層に抄合わされている
場合が多く、この様な紙は表層ぱるぷの全体に占める比
率が少ないため、表層パルプの叩解を進めても抄紙速度
を大幅には低下させないが、一層抄の抄紙機においては
全層が同一紙料よりなるために、パルプ叩解度と抄紙速
度の関連は特に大であり、抄紙機の生産性を維持しつつ
苛酷な印刷条件にも耐えられる表面強度をもちながら吸
水性の良好な紙を得ることは必ずしも容易ではないとい
う問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は抄紙機、特に一
層抄の抄紙機の生産性を維持しつつ、印刷適性のある表
面強度を有しながら吸水性を同時に満足する易吸水紙、
および片面は易吸水であるがその逆面は、サイズ性の残
留する紙を得るためになされたものである。すなわち、
紙の表面強度を向上せしめるためには、サイズプレスに
おいて酸化澱粉、カチオン化澱粉などの変性澱粉、ポリ
ビニルアルコールなどの水溶性樹脂スチレン・アクリル
共重合樹脂、スチレン・無水マレイン酸共重合樹脂、変
性アルキッド樹脂などのエマルジョンなどの水系コート
剤を紙の片面もしくは両面にコートするが、コート剤が
紙の表面に残留する対策が必要であり、一般には抄紙す
る紙料のスラリー中にサイズ剤を添加することにより行
なわれている。しかしながら前述したごとく、サイズ剤
が内添された紙は易吸水紙とはならず、ノーサイズ紙に
表面紙力向上剤をコートしてもコート剤が紙層内部に浸
透してその効果が発揮できないという問題点がある。
【0006】この問題点を解決する対策として考えられ
る方法に、表面紙力増強剤のコート剤溶液の粘度を大と
して樹脂を紙の表面に留める方法がある。しかしながら
この方法は樹脂のコート量が大となってコスト的に不利
であるばかりでなく、紙の表面が比較的多量の樹脂層で
覆われて硬化し、印刷適性にも必ずしも有効ではない本
発明はコースターや紙製テーブルクロスなどの易吸水紙
の製造に際して、オフセット印刷時に要求される紙の表
面ピッキング強度を大とするために、コート剤の紙層内
部への浸透を抑制するためにパルプスラリーに常法によ
り内添サイズ剤を添加して抄紙する。この紙にサイズプ
レスでポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、アクリ
ル系樹脂エマルジョンなどをコートするに際し、同時に
コート液中に水に対する湿潤、浸透効果を有する界面活
性剤を添加してコートすると、紙料に内添されているサ
イズ剤によってサイズプレスコート液の過剰な内部浸透
が抑制されて表面強度が大となり、サイズプレスコート
剤に内添された湿潤、浸透性の界面活性剤の作用により
サイズ剤の効果を消減して易吸水性となる。上記のごと
き処置を紙の両面に施せば紙の表裏両面の表面強度が大
で、全層が易吸水性の紙が得られ、片面に施せば片面の
み表面強度が大で片面吸水、片面難吸水の紙が得られ
る。
【0007】使用する内添サイズ剤としてはロジン系サ
イズ剤が最も一般的であり、ロジンに無水マレイン酸あ
るいはフマール酸を熱付加してマレイン化ロジン、フマ
ール化ロジンとし、アルカリを加えて溶液にした強化ロ
ジンサイズ剤、これに乳化剤を用いて水に分散させたエ
マルジョンサイズ剤がある。ロジンサイズ剤はパルプへ
の定着剤、疎水化剤として硫酸アルミニュウムが併用さ
れる。合成サイズ剤は原料ナフサを熱分解して得られる
3、C4留分を3〜4量体のオリゴマーとして後、無水
マレイン酸を反応させてアルカリ鹸化させたもの、 中
性サイズ剤であるアルキルテンダイマー、アルケニル無
水コハク酸無水物などに分類でき、この何れも本発明に
使用できる。
【0008】サイズ剤内添の紙に表面紙力増強剤ととも
に使用して易吸水性とする界面活性剤は、水に対する湿
潤性、浸透性を有することが必要であり、ポリオキシエ
チレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダー、脂肪
酸ポリエチレングリコールエステル、硫酸ラウリルポリ
オキシエチレンソーダー、ポリエチレングリコールオキ
シノニルフエニルエーテルなどのアニオン、ノニオン、
カチオン、両性の各種界面活性剤などが本発明に使用で
きる。
【0009】上記したごとく、パルプスラリー中に内添
したサイズ剤によって発現した紙の水浸透防止能を、サ
イズプレスにてコートする表面紙力増強剤中に添加する
湿潤、浸透効果を有する界面活性剤によって消減せしめ
るには、使用するサイズ剤と界面活性剤の種類、組合
せ、添加量の微妙なバランスが必要であり、このバラン
スが崩れると表面強度は有するがサイズ効果が残った
り、また逆に易吸水性であるが表面強度が発現しないな
どのトラブルが発生する。また、片面吸水、片面はっ水
を意図して紙の片面にのみ界面活性剤添加のコート液を
塗布しても場合によっては全層が吸水性となるなど、使
用する内添サイズ剤、サイズプレスコート液中の界面活
性剤の組合せ、種類と添加量の選定は特に重要であり、
実施の都度、ラボテストにより慎重に決定する必要があ
る。
【0010】
【作用】本発明によれば、パルプスラリーに内添サイズ
剤を添加して抄紙した紙をサイズプレスにおいて表面紙
力増強剤とともに湿潤性、浸透性を有する界面活性剤を
紙の両面または片面にコートすることにより、内添サイ
ズ剤のサイズ性を消去し、表面強度を有しながら全層も
しくは紙の片面が易吸水性となる紙を得る効果を有す
る。
【0011】
【実施例】本発明を実施例により説明する。ここで用い
る部、%は重量部、重量%である 実施例1 NBKP30部、LBKP70部のパルプスラリーをリ
ファイナーで叩解してカナデイアンフリーネステスター
で500mlとし、強化ロジンサイズ0.2部、硫酸ア
ルミニュウム8%液3部を加えてに調成し、長網抄紙機
て秤量350g/m2に抄紙し、サイズプレスにて鹸化
度98%のポリビニルアルコール2%、ポリアルキレン
オキサイド付加物0.3%溶液を紙の両面に塗布した。
サイズプレス前のブランクのステキヒドサイズは120
秒、ワックスピックは6Aにたいし、サイズプレス液塗
布後のステキヒトサイズは0秒、ワックスピックは10
Aであり、表面紙力強度があって易吸水性の紙を得るこ
とができた。
【0012】実施例2 実施例1と同様な紙料で抄紙し、強化ロジンサイズの添
加量を0.3部と増加した以外は実施例1と同様な組成
よりなるサイズプレス塗布液を紙の片面のみに塗布して
秤量600g/m2の板紙を得た。この紙のサイズプレ
ス塗布面は易吸水性であるが、裏面には容易に吸水せ
ず、片面吸水、片面難吸水の板紙が得られた。塗布面の
ワックスピックは実施例1と同様、10Aであった。
【0013】参考例 実施例1、2の紙のサイズプレスコート面にオフセット
印刷機で3色印刷し、直径10cmの円形に打ちぬいて
コースター適性を調べた。サイズプレス処理面は、印刷
時にインキタックや湿し水による紙面のピッキングトラ
ブルはなく、処理面からの吸水性は良好であった。
【0014】
【発明の効果】高度の吸水性を必要とするコースター、
テーブルクロス、ナプキンなどは商店名、商品名、各種
模様、文字などの印刷を行なう場合が多いが、ノーサイ
ズ紙に表面紙力増強剤をコートしてもコート剤は紙層内
部に吸収されて紙力増強効果が低減して印刷時にオフセ
ットインキや湿し水によりピツキングトラブルを発生し
やすいばかりでなく、水分を多量に吸水するとドライヤ
ーの乾燥能力の関係から抄紙速度が低下するが、本発明
によれば抄紙機の生産性を維持しながら、サイズ剤内添
紙の両面に表面紙力増強剤と水に対する湿潤性、浸透性
を有する界面活性剤を添加した液を塗布することによ
り、コート剤が紙表面に留まって表面強度を有する易吸
水性の紙が得られる。また、該紙の片面に塗布すると片
面吸水、逆面難吸水の紙が得られる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷適性に優れた表面強度を有する易吸
    水紙の製造において、パルプスラリー中にサイズ剤を添
    加して常法により抄造した紙の両面もしくは片面に表面
    紙力増強剤に水に対する浸透性、湿潤性に優れた界面活
    性剤を配合せる液を塗被浸透したのち乾燥せしめたこと
    を特徴とする易吸水紙の製造方法。
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