JP3273256B2 - 感光体の塗膜形成用分散液の製造方法及び感光体の製造方法 - Google Patents

感光体の塗膜形成用分散液の製造方法及び感光体の製造方法

Info

Publication number
JP3273256B2
JP3273256B2 JP07652491A JP7652491A JP3273256B2 JP 3273256 B2 JP3273256 B2 JP 3273256B2 JP 07652491 A JP07652491 A JP 07652491A JP 7652491 A JP7652491 A JP 7652491A JP 3273256 B2 JP3273256 B2 JP 3273256B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dispersion
group
coating
pigment
photoreceptor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP07652491A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04311783A (ja
Inventor
淳二 氏原
賢一 北原
嘉彦 江藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP07652491A priority Critical patent/JP3273256B2/ja
Publication of JPH04311783A publication Critical patent/JPH04311783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3273256B2 publication Critical patent/JP3273256B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機、無機の顔料が均一
に分散含有された感光体用の塗膜形成用分散液の製造方
及び感光体の製造方法に係り、特に光導電性顔料が分
散含有された感光体の塗膜形成用分散液の製造方法、及
び前記塗膜形用分散液を用いた電子写真感光体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明は導電性基板又は導電性を有す
る円筒状支持体上に有機・無機の顔料、特に光導電性顔
料の分散液を塗布加工して電子写真用感光体を形成する
場合分散液に適用され、前記いづれの場合において
も、分散液中の顔料の分散の良否は、塗布加工して得ら
れる感光体の品質を左右する重要な因子となる。
【0003】そこで従来、分散液の沈降度、濁度、粒度
分布等の測定、或は塗布加工された製品の特性の測定、
電子顕微鏡写真判定等を行い前記分散液の良否の判断を
行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、これ
らは、いづれも分散液又は仕上り製品の良否を検定する
ものであって、分散液の作成条件、即ちどのような条件
で分散液を作成すべきかの知見を与えるものではなく、
単なる後追い的記録に止り、積極的に技術発展に資する
所はない。技術的或は生産効率の向上には良好な分散液
をうるための条件に遡及した原点からの再検討が必要と
考えられる。
【0005】
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、感光体用の有機若しく
は無機の顔料、特に光導電性有機又は無機の顔料を円筒
状支持体上に塗布加工して塗膜形成に用いる電子写真感
光体用の塗膜形成用分散液の製造方法を提供すること、
及び前記塗膜形成用分散液を用いた電子写真感光体の製
方法を提供することにある。
【0007】
【発明の構成】前記目的に沿って検討した結果、塗膜特
性の優れた、延いては目的特性の良好な分散液の要件と
して分散液の流動特性が密接に関与している知見をえ
た。この知見に基いて本発明の構成は;顔料を分散含有
する分散液を支持体上に塗布して感光体の塗膜形成に用
いる前記分散液を測定し、下記式(1)及び(2)を満
足する流動特性を有することを特徴とする塗膜形成用分
散液の製造方法によって達成される。
【0008】τ=τ0+ηDn …(1) 1.0≧n≧0.7 …(2) 式中、τは分散液の剪断応力(dyne/cm2)、Dは剪断速
度(1/sec)、ηは粘性係数(dyne/cm2・sec)、τ0
D=0のときのτの値である。
【0009】更に顔料をバインダ樹脂溶液に分散含有し
た分散液を測定し、前記式(1)及び(2)で規定され
る流動特性を有する分散液を、円筒状支持体に、円形ス
ライドホッパ、円形押出し又は円形少量ディップ方式の
塗布機を用いて塗布する感光体の製造方法によって達成
される。
【0010】また前記顔料を光導電性顔料とすることに
よって電子写真用塗膜形成分散液及び円筒状感光体がえ
られる。
【0011】本発明の塗膜の形成方法では、例えば建築
材料等の着色分散液による塗膜の形成、磁気記録材料等
の磁性体分散液による塗膜の形成、電子写真材料等の光
導電性顔料の分散液による塗膜の形成等いづれも包含さ
れ、特に光導電性顔料の分散液による塗膜の形成が重要
である。
【0012】ところで前記各種塗膜の製品としての品質
特性は分散液の分散状態により左右され、本発明では前
記分散液の良好な分散状態を、該分散液の流動特性を前
記式(1)及び(2)で規制する特定の範囲に制御する
ことによって現出するものである。
【0013】前記分散液の流動特性は例えば市販のロト
ビスコRV100型流動特性測定器によって測定される。
【0014】この測定器は、第1図に示すようにモータ
Mにより回転駆動される外筒と、該外筒内の分散液に浸
漬され、支持枠にばねを介して支持された内筒とから構
成されている。前記外筒がモータMにより剪断速度D
(1/sec)で回転駆動されるとき、内筒には介在する分
散液の粘性係数η(dyne/cm2・sec)に基づくトルクを生
じ、このトルクはばねの捩れを生ずる。このばねの捩れ
角をトルクセンサにより検知し、分散液の剪断応力τ
(dyne/cm2)が測定される。
【0015】第2図は、式(1) τ=τ0+ηDn …(1) で示される分散液の流動特性を説明するための模式的グ
ラフである。該グラフには、分散速度D(1/sec)(横
軸)と剪断応力τ(dyne/cm2)(縦軸)を関数関係とし
て分散特性の異なるA,B,C及びDの各分散液の流動
特性が示され、又該グラフからマイコンにより計算され
る各流動特性の指数n=1.0,0.7,0.5及び1.2が示され
ている。なお縦軸には補助的に剪断応力τとしてパスカ
ル(Pa)のスケールも示した。
【0016】第2図において、例えば分散液Aは、指数
nが1.0の場合であり、剪断速度Dの増大と共に、剪断
応力τが直線的に増大し、かつ粘性係数ηが剪断速度の
変化に係らず一定である所謂ニュートン液体であり、理
想液体と称される。このような分散液は塗布加工の過程
で粘性の変化がなく物性が安定していて極めて均質な塗
膜が得られる。
【0017】本発明においては、前記ニュートン液体の
特性を示す分散液の外、剪断速度Dが増大する過程で分
子間会合等により粘性の増大を伴うものと、分子の配
向、分子の分解、凝集の解離等により粘性の減少を伴う
ものが含まれるが前記粘性の増大を伴う分散液、即ち指
数nが1.0を越えるもの、例えば分散液D(n=1.2)の
如きものは塗布加工性に乏しく、本発明においては排除
される。
【0018】また前記粘性の減少を伴うものとしての分
散液Bは、指数nが0.7であり、剪断速度Dの増大の過
程で粘性減少を伴うが、塗布加工を行う上で支障のない
範囲であり、本発明の下限である。ところが前記分散液
Cの場合は、指数nが0.5であって、前記分散液Bの指
数nの0.7を下廻るもので塗布加工中粘性等の物性変化
が大きく塗布むら、塗布筋、液垂れ等を生じて不適格で
あり、本発明の範囲外である。
【0019】即ち本発明では、分散液の良否は、剪断速
度D(1/sec)と剪断応力τ(dyne/cm2)をパラメータ
として、ロトビスコ流動特性測定器等により測定される
分散液の流動特性の指数nにより規定され、該指数nに
より本発明の範囲が限定される。
【0020】更に前記のように本発明に係る分散液の良
否は指数nにより規定されるが、同時に該分散液の良否
は分散液の粘性との係り合いが大である。従って本発明
では指数nと共に粘性係数ηを併せて考慮するが、この
粘性係数ηは、 粘性係数η(dyne/cm2・sec) =剪断応力τ(dyne/cm2)/剪断速度D(1/sec) の関係があり、前記ロトビスコ測定器により剪断速度D
に対応する剪断応力が測定される際、同時に演算されて
粘性係数ηが算出される。
【0021】また前記測定器に表示される単位は、実用
上剪断応力にパスカル(Pa)を用い、粘性係数ηにセ
ンチポイズ(CP)を用いるので、本発明においてはηの
値は便宜上(CP)で表示される。
【0022】ここで前記単位の換算式は以下のようであ
る。
【0023】剪断応力1Pa=10dyne/cm2 粘性係数1dyne/cm2・sec=100CP なお後記実施例で示される粘性係数η(CP)は、測定器
の機能上の制約により慣用粘性係数ηが用いられる。
【0024】例えば特定の剪断速度300(1/sec)にお
ける剪断応力τの縦軸と分散液B又は分散液Cの特性曲
線との交点B又はCと原点とを結ぶ直線の傾きにより示
される。
【0025】又前記流動特性の測定では剪断速度D=0
(1/sec)から例えばD=300(1/sec)へ
の行きの測定と、逆にD=0(1/sec)への戻りの
測定とがあるが、前記戻りの測定においてτが有限の
値を示すことが多い。しかし本発明では前記行きの測定
を基準としているため、近似的にτ=0として処理さ
れる。
【0026】以上本発明に係る顔料を分散含有する分散
液に関る流動特性である。
【0027】次に本発明に係る分散液の組成について述
べる。
【0028】本発明に係る塗膜中に含有される無機顔料
としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニ
ウム、硫化カドミウム、硫化水銀、硫化鉛、酸化錫、マ
グネタイト、フェライト、カーボンブラック、金属粉等
の無機顔料、ローズベンガル(C.I.No.45435)、ピグメ
ントレッド(C.I.No.60745)、アニリンブルー(C.I.N
o.50405)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、
ピグメントイェロー(C.I.No.21095)等の有機顔料があ
る。又光導電性無機顔料として、例えば光導電性酸化亜
鉛、酸化チタン、硫化カドミウム、セレン、セレン化砒
素、セレン化テルル、クリスタルシリコン、アモルファ
スシリコン、ガリウム砒素等があり、更に又後述する有
機光導電性顔料がある。
【0029】前記有機,無機の顔料のうち用途に応じて
選択された顔料は、例えばポリアミド樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、
シリコン樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル
共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸
共重合体樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール
樹脂、カゼイン等の樹脂を例えばブチルアミン、ジエチ
ルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミ
ン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ト
リエチレンジアミン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロホルム、1,2-ジクロル
エタン、ジクロルメタン、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢
酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド等の有機
溶剤に溶解して得た溶液中に混合・分散して分散液が形
成される。前記分散液を作成するには、溶剤1000重量部
中にバインダ樹脂1〜300重量部を溶解し、得られた溶
液中にバインダ樹脂100重量部当り顔料を10〜1000重量
部混合・分散して分散液が作成される。なお前記分散液
の作成は、前記流動特性を満足するようバインダ樹脂の
種類、量、溶剤の種類、量が選択される。得られた分散
液はフィルム状、板状、円筒状等の支持体上に、例えば
スプレー塗布、ブレード塗布、ロール塗布、浸漬塗布等
公知の塗布手段及び特に円筒状支持体の場合、後述する
円形スライドホッパ塗布、円形押出し塗布、円形少量デ
ィップ塗布等の支持体の外周を囲繞して塗布する円形塗
布手段により塗布加工して塗膜が形成される。
【0030】次に本発明の塗膜の形成方法において、特
に重要とされる電子写真用感光体ドラムの製造方法であ
って、近時重要視される有機光導電性感光体ドラムの製
造方法につき更に詳述する。
【0031】電子写真材料としては、セレン、酸化亜
鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性物質を主成分とす
る感光層を有する無機感光体又は後述する有機光導電性
物質を主成分とする有機感光体とがあり、中でも該有機
感光体は前記光導電性物質の選択範囲が広く、目的に応
じて任意の特性の感光体が得られ、塗布加工により、低
コストで製造することができる等の利点があるため、重
要視されるようになった。前記有機感光体は機能分離型
であることが好ましく、第3図の如く通常導電性支持体
上に中間層、電荷発生物質及び電荷輸送物質を含む感光
層を有する単層構成か、電荷輸送物質を含む電荷輸送
層、電荷発生物質を含む電荷発生層及び必要により保護
層等を設けた積層構成とされる。第3図(a)は導電性
支持体1上に中間層5及び電荷発生物質及び電荷輸送物
質を含む単層構成の感光層4を有する感光体、第3図
(b)は導電性支持体1上に中間層5、電荷輸送層2、
電荷発生層3をこの順に積層した感光層を有する感光体
の例である。又第3図(c)は導電性支持体1上に中間
層5、電荷発生層3、電荷輸送層2をこの順に積層した
感光層を有する感光体、第3図(d)は第3図(b)の
感光体の表面に保護層6を設けた構成の例である。
【0032】前記複数の層を含む有機感光層は画像形成
装置に組込むため通常導電性支持体を構成する円筒状支
持体上に塗布して形成される。本発明では、前記円筒状
支持体上に複数の層を形成する場合、それらの層の少な
くとも1つの層に前記支持体を囲繞する円形塗布機、即
ち円形スライドホッパ塗布機、円形押出し塗布機又は円
形少量ディップ塗布機により塗布される。
【0033】この場合、塗布液が必要量づつ補給され、
塗布液に無駄がなく、かつ加工精度大で高能率塗布、例
えば連続塗布が可能となる。又前記円形塗布機を用いた
場合、分散液の流動特性が、該特性を表す前記式の指数
nを0.7に近づけたときでも高精度の塗布加工が可能で
あり、電子写真性に優れていて、像形成時の高耐久性が
確保され、画像むら、筋、ぽち等の画像欠陥のない感光
体が得られる。
【0034】前記感光体の感光層は光導電性顔料から成
る電荷発生物質及び電荷輸送物質を含有する機能分離型
が好ましく、前記電荷輸送物質としては、例えばオキサ
ゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘
導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジ
ン誘導体、ビスイミダゾリン誘導体、スチリル化合物、
ヒドラゾン化合物、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘
導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘
導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリ
ジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導
体、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリ-1-ビニルピレ
ン、ポリ-9-ビニルアントラセン等を挙げることができ
る。
【0035】前記電荷輸送物質のうち、特に好ましいも
のとして、下記一般式(1)のカルバゾール誘導体、一
般式(2)〜(5)のヒドラゾン化合物、一般式(6)
のピラゾリン誘導体、一般式(7)のスチリル化合物及
び一般式(8)のアミン誘導体がある。
【0036】
【化1】
【0037】前記一般式(1)中、R1は置換若しくは
無置換のアリール基、R2は水素原子、ハロゲン原子、
置換若しくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、アミ
ノ基、水酸基、置換アミノ基、R3は置換若しくは無置
換のアリール基、置換若しくは無置換の複素環基を表
す。
【0038】
【化2】
【0039】前記一般式(2)中、R4、R5はそれぞ
れ、水素原子又はハロゲン原子、R6、R7はそれぞれ、
置換若しくは無置換のアリール基、Ar1は置換若しくは
無置換のアリーレン基を表す。
【0040】前記一般式(3)中、R8は置換若しくは
無置換のアリール基又は置換若しくは無置換の複素環
基、R9は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基
又は、置換若しくは無置換のアリール基、Qは水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アミノ基、アルコ
キシ基又はシアノ基、pは0または1の整数を表す。
【0041】前記一般式(4)中、R10は置換若しくは
無置換のアリール又は置換若しくは無置換の複素環基、
11は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基又は
置換若しくは無置換のアリール基、Xは水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、置換アミノ基、アルコキシ基又
はシアノ基、qは0又は1の整数を表す。
【0042】前記一般式(5)中、R12、R13は置換若
しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラ
ルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表
す。
【0043】アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、アラルキル基
としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、アリ
ール基としてはフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチ
ル基等が挙げられる。置換基としては、ハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基(ジメチルア
ミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジベ
ンジルアミノ基)等が例示される。またDは、置換若し
くは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のカルバ
ゾリル基を表す。具体的には、前記の基が挙げられ、R
14、R15、R21はR12、R13と同様のものを表す。
16、R17、R18、R19、R20、R22はアルキル基、ア
ルコキシ基、ハロゲン原子等を表す。
【0044】
【化3】
【0045】前記一般式(6)中、lは0又は1の整
数、R23、R24、R25は置換若しくは無置換のアリール
基、R26、R27は水素原子、炭素原子数1〜4のアルキ
ル基、又は置換若しくは無置換のアリール基若しくはア
ラルキル基(但、R26及びR27は共に水素原子であるこ
とはなく、lが0のときはR26は水素原子ではない)で
ある。
【0046】前記一般式(7)中、R28、R29は置換若
しくは無置換のアルキル基、フェニル基を表し、置換基
としてはアルキル基、アルコキシ基、フェニル基を用い
る。R30は置換若しくは無置換のフェニル基、ナフチル
基、アントリル基、フルオレニル基又は複素環基を表
し、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲ
ン原子、水酸基、フェニル基を用いる。R31は水素原
子、置換若しくは無置換のアルキル基、フェニル基を表
す。R32、R33、R34、R35は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基又はアルキルアミノ基を
表す。
【0047】前記一般式(8)中、Ar2、Ar3は置換若
しくは無置換のフェニル基を表し、置換基としてはハロ
ゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシ基を用い
る。Ar4は置換若しくは無置換のフェニル基、ナフチル
基、アントリル基、フルオレニル基、複素環基を表し、
置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原
子、水酸基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ
基、ニトロ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ナフチル
基、アンスリル基及び置換アミノ基を用いる。但し、置
換アミノ基の置換基としてアシル基、アルキル基、アリ
ール基、アラルキル基を用いる。
【0048】前記一般式(1)〜一般式(8)に含まれ
る具体的化合物例は例えば特開昭60-172044号第6頁下
右欄2行目〜第21頁上右欄20行目に記載されている。
【0049】次に前記感光体の感光層又は電荷発生層中
に含有される電荷発生物質としては; (1)モノアゾ顔料、ポリアゾ顔料、金属錯塩アゾ顔
料、ピラゾロンアゾ顔料、スチルベンアゾ顔料及びチア
ゾールアゾ顔料等のアゾ系顔料 (2)ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミド等のペリ
レン系顔料 (3)アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導
体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導
体、ビオラントロン誘導体及びイソビオラントロン誘導
体等のアントラキノン系又は多環キノン系顔料 (4)インジゴ誘導体及びチオインジゴ誘導体等のイン
ジゴイド系顔料 (5)金属フタロシアニン及び無金属フタロシアニン等
のフタロシアニン系顔料 (6)ジフェニルメタン系顔料、トリフェニルメタン顔
料、キサンテン顔料及びアクリジン顔料等のカルボニウ
ム系顔料 (7)アジン顔料、オキサジン顔料及びチアジン顔料等
のキノンイミン系顔料 (8)シアニン顔料及びアゾメチン顔料等のメチン系顔
料 (9)キノリン系顔料 (10)ニトロ系顔料 (11)ニトロソ系顔料 (12)ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料 (13)ナフタルイミド系顔料 (14)ビスベンズイミダゾール誘導体等のペリノン系顔
料等がある。前記各種顔料のうち特に好ましい電荷発生
物質として下記一般式(9)〜一般式(11)の多環キノ
ン顔料がある。
【0050】
【化4】
【0051】上記各一般式中、Xはハロゲン原子、ニト
ロ基、シアノ基、アシル基又はカルボキシル基を表し、
nは0〜4の整数、mは0〜6の整数を表す。
【0052】又、使用可能な電荷発生物質として下記一
般式(12)〜一般式(14)のビスアゾ化合物を用いるこ
とができる。
【0053】
【化5】
【0054】この一般式(12)中、Ar5、Ar6はそれぞ
れ置換若しくは無置換の炭素環式芳香族環基、又は置換
若しくは無置換の複素環式芳香族環基、R36、R37はそ
れぞれ電子吸引性基又は水素原子(但、R36、R37の少
なくとも1つは−CN、−Cl等のハロゲン、−NO2等の電
子吸引性基)、またAのXは、−OH基、−N(R39)−R40
又は−NHSO2R41(但、R39およびR40はそれぞれ、水素
原子、置換若しくは無置換のアルキル基、R41は置換若
しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のア
リール基)、Yは、水素原子、ハロゲン原子、置換若し
くは無置換のアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル
基、スルホ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基又
は置換若しくは無置換のスルファモイル基(但、mが2
以上のときは、互いに異なる基であってもよい。)、Z
は、置換若しくは無置換の炭素環式芳香族環基又は置換
若しくは無置換の複素環式芳香族環基を構成するに必要
な原子群、R38は、水素原子、置換若しくは無置換のア
ミノ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、カルボ
キシル基又はそのエステル基、Bは、置換若しくは無置
換のアリール基、nは、1又は2の整数、mは、0〜4
の整数である。
【0055】前記一般式(12)のうち特に好ましい電荷
発生物質が下記一般式(12a)に示される。
【0056】
【化6】
【0057】但、Ar7、Ar8及びAは一般式(12)にお
いて定義されたものと同じである。更に好ましいもの
は、特に一般式(12a)におけるAr7、Ar8が置換若し
くは無置換のフェニル基を表し、置換基としては、メチ
ル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ
基等のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲ
ン原子、水酸基及びシアノ基から選択された化合物であ
る。
【0058】又、本発明に係る電荷発生層中の好ましい
電荷発生物質が下記一般式(13)に示される。
【0059】
【化7】
【0060】前記Aにおいて、Zは置換若しくは無置換
の芳香族炭素環又は置換若しくは無置換の芳香族複素環
を構成するに必要な原子群、Yは水素原子、ヒドロキシ
ル基、カルボキシル基若しくはそのエステル基、スルホ
基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又は置換若
しくは無置換のスルファモイル基、R42は水素原子、置
換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換の
アミノ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、カル
ボキシル基若しくはそのエステル基、又はシアノ基、A
r9は置換若しくは無置換のアリール基、R43は置換若し
くは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラル
キル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。
【0061】前記一般式(13)のうち下記一般式(13
a)のカルバゾール基を有するビスアゾ化合物が特に好
ましい。
【0062】
【化8】
【0063】前記一般式(13a)中、R44、R45はアル
キル基、アルコキシ基又はアリール基、R46、R47、R
48、R49、R50、R51は水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基、アリール基
である。
【0064】又、本発明に係る電荷発生層中の好ましい
電荷発生物質が下記一般式(14)に示される。
【0065】
【化9】
【0066】一般式(14)においてX1及びX2は、それ
ぞれ、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル
基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニトロ基、シ
アノ基、ヒドロキシ基又は置換若しくは無置換のアミノ
基を表し、X1及びX2のうち少なくとも1つはハロゲン
原子である。
【0067】p及びqはそれぞれ0、1又は2の整数を
表し、p及びqは同時に0となることはなく、且つ、p
が2のときはX1は互いに同一の又は異なる基であって
よく、qが2のときはX2は互いに同一の又は異なる基
であってよい。
【0068】更にAのAr10は少なくとも弗素化炭化水
素基を有する芳香族炭素環基又は芳香族複素環基を表
す。Zは置換若しくは無置換の芳香族炭素環又は置換若
しくは無置換の芳香族複素環を形成するのに必要な非金
属原子群を表す。
【0069】m及びnはそれぞれ0、1又は2の整数を
表す。但し、m及びnが同時に0となることはない。
【0070】一般式(14)のX1及びX2により表される
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、弗素原
子、沃素原子を挙げることができる。X1及びX2のう
ち、少なくとも一方がハロゲン原子を有している。
【0071】X1及びX2で表されるアルキル基としては
炭素原子数1ないし4個の置換若しくは無置換のアルキ
ル基が好ましく、このようなアルキル基の例としては、
例えばメチル基、エチル基、β-シアノエチル基、iso-
プロピル基、トリフルオロメチル基、t-ブチル基等が挙
げられる。
【0072】またX1及びX2で表されるアルコキシ基
は、炭素原子数が1ないし4個の置換若しくは未置換の
アルコキシ基が好ましく、このようなアルコキシ基の例
としては、メトキシ基、エトキシ基、β-クロルエトキ
シ基、sec-ブトキシ基等が挙げられる。
【0073】更にまた、X1及びX2で表される置換若し
くは無置換のアミノ基としては、例えばアルキル基、ア
リール基(好ましくはフェニル基)等で置換されたも
の、例えばN-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N,N-
ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N-フェニル
アミノ基、N,N-ジフェニルアミノ基や、更にはアシル基
で置換されたアセチルアミノ基、p-クロルベンゾイルア
ミノ基等が挙げられる。前記一般式(14)においてp及
びqは、それぞれ、0、1又は2を表すが、p及びqは
同時に0となることはなく、好ましくはp=1、q=0
又はp=1、q=1の場合である。
【0074】更にまたp又はqが2のときは、X1又は
2は、それぞれ同一又は異なる基をとることができ
る。
【0075】前記一般式(14)で表されるビスアゾ化合
物は、好ましくは下記一般式(14a)、(14b)、(14
c)、(14d)で表される。
【0076】
【化10】
【0077】
【化11】
【0078】前記式中、X1a、X1b、X2a及びX2bは、
それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換
のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニ
トロ基、シアノ基、ヒドロキシ基又は置換若しくは無置
換のアミノ基を表し、X1a、X1b、X2a及びX2bのう
ち、少なくとも1つはハロゲン原子である。X1aおよび
1b、並びにX2a及びX2bは、それぞれ互いに同一又は
異なる基であってもよい。
【0079】Ar″は前記一般式(14)におけるAr10
同義である。
【0080】Yは前記一般式(14)におけるZの置換基
と同義である。
【0081】前記一般式(14)で表されるビスアゾ化合
物は、公知の方法により容易に合成することができる。
【0082】なお、前記一般式(9)〜一般式(14)の
具体的化合物例は、例えば特開昭60-172044号第23頁下
右欄1行目〜第46頁上右欄8行目に記載されている。
【0083】又前記フタロシアニン系顔料のうち本発明
に好ましく用いられる顔料としては、例えば銅、コバル
ト、鉛、亜鉛等を中心原子とする金属フタロシアニンと
これらを含まない無金属フタロシアニンとがあり、結晶
型としてα型、β型、γ型、X型、τ型、τ’型、η
型、η’型等が好ましく用いられる。かかるフタロシア
ニン系顔料の更に詳細な説明は特開昭62-79470号、特開
昭62-47054号に記載されている。
【0084】さらに特に好ましいフタロシアニン顔料と
して、CuKα特性X線回折スペクトルのブラック角2θ
が少くとも9.6±0.2°及び27.2±0.2°において夫々X
線強度のピークを示す結晶状態のチタニルフタロシアニ
ン顔料がある前記電荷輸送物質、電荷発生物質、バイン
ダ樹脂を用いて感光体、例えば前記第3図(C)の層構
成を有する感光体を作成する場合、導電性支持体1を円
筒状支持体とした場合の感光体ドラムを製造するには、
まずアルミニウム、スチール、ステンレス、銅、真鍮、
亜鉛等の金属円筒、又はプラスチック円筒に金属等の導
電材料を蒸着若しくはラミネートして導電層を形成して
成る円筒状支持体上に必要に応じて0.01〜2μm厚の中
間層5が設けられる。
【0085】前記中間層5は前述した塗膜のバインダ樹
脂、好ましくはポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニ
ル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体樹脂、セルロー
ス樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン等をアセ
トン、メチルエチルケトン、ジクロルエタン、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、水等の溶剤に溶解
した溶液を、前記円筒状支持体上に例えばスプレー塗
布、浸漬塗布等の公知の塗布手段又は前記円形塗布手段
により塗布される。
【0086】前記中間層5は支持体1の表面欠陥の遮
蔽、感光層との接着、支持体1からの電荷注入阻止、感
光層の画質調整等を目的として設けられ、前記膜厚0.01
μmを下廻ると前記目的が達成されず、2μmを上廻ると
感光層上への像露光時残留電荷が大となり、かぶりを増
大し、繰返し像形成の過程で、電子写真性能が劣化する
ようになる。
【0087】次に前記中間層5上に前記光導電性顔料か
ら成る電荷発生物質を含有する電荷発生層3が設けられ
る。前記電荷発生層3を形成するには、例えば、ポリエ
ステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルア
セテート、メラミン樹脂、ポリウレタン、スチレン-ア
クリル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化
ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイ
ン酸共重合体、シリコーン樹脂、スチレン-アルキッド
樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラー
ル、その他特開昭60-172044号、同60-172045号、同63-6
5444号、同63-148263号、特開平1-269942号、同1-26994
2号等に記載のポリカーボネート樹脂を前記中間層用と
して記載した溶剤群から電荷発生層用として選択された
溶剤1000重量部に対し、1〜100重量部混合溶解する。
得られた溶液に前記電荷発生物質をバインダ樹脂100重
量部当り10〜1000重量部、好ましくは20〜500重量部を
混合分散し、得られた分散液を前記中間層5上に、円形
スライドホッパ塗布機、円形押出し塗布機又は円形少量
ディップ塗布機等の円形塗布手段により乾燥後の膜厚が
0.05〜3μmとなるよう塗布される。
【0088】前記電荷発生層の層厚が0.05μmを下廻る
と、均一な塗布層が得にくく、かつ像露光により十分な
電荷の発生が得られず、感度不足となる。又3μmを越
えると像露光光が到達しない領域が多くなり、表面で発
生した電荷をトラップして残留電荷が大となり、繰返し
像形成を行ったとき疲労劣化を生ずる。又バインダ樹脂
に対する電荷発生物質の含有量が10重量部を下廻ると感
度不足、残留電荷の増大を招き、1000重量部を越えると
受容電位が低下し、帯電不良となる。
【0089】前記電荷発生層3を塗布加工により形成す
るための分散液は、その分散状態が前記分散液の流動特
性を表す第2図においてnが0.7から1.0の領域に入るこ
とが必須の要件とされ、そのため適性なバインダ樹脂及
び溶剤が選択される。なお、前記電荷発生層3を形成す
るためのスライドホッパ塗布機、円形押出し塗布機及び
円形少量ディップ塗布機は第4図、第5図及び第6図に
示される。
【0090】前記電荷発生層3上に電荷輸送層2が設け
られる。即ち前記電荷発生層及び中間層用として記載し
た樹脂群及び溶剤群から電荷輸送層用のバインダ樹脂及
び溶媒を選択し、該溶媒1000重量部にバインダ樹脂50〜
300重量部を溶解し、得られた溶液に前記電荷輸送物質
をバインダ樹脂100重量部当り30重量部以上、好ましく
は30〜300重量部混合溶解して電荷輸送層用塗布液を作
成し、これを前記電荷発生層上に前記中間層形成時に記
載した塗布方法のいづれかを用いて塗布加工して5〜50
μm厚、好ましくは10〜40μm厚の電荷輸送層2を形成す
る。
【0091】前記電荷輸送層2の層厚が5μmを下廻る
と電位低下を招き、かつ電荷輸送機能が不足して感度低
下を招き、50μmを越えると電荷輸送のパスが過大とな
り、矢張り感度不足を生ずる。
【0092】次にバインダ樹脂に対する電荷輸送物質の
量が、30重量部を下廻ると電荷輸送機能が不足して感度
不足を生じ、300重量部を越えると、感光層の暗抵抗が
低下し、電位不足を生ずる。
【0093】なお以上の感光体は第3図(c)の層構成
の場合であり、電荷発生層3を下層とし、電荷輸送層2
を上層としているが、電荷輸送層2を下層とし、電荷発
生層3を上層とした第3図(b)及び第3図(d)の構
成としてもよく、又第3図(a)の如く電荷発生物質と
電荷輸送物質が混在する単層構成の感光層を有する感光
体としてもよい。
【0094】以下光導電性顔料を分散含有する感光層4
又は電荷発生層3を形成するための塗布機について説明
する。
【0095】前記第4図において10はA方向に搬送され
る円筒状支持体、11は円形スライドホッパ塗布機で、12
は該塗布機11の塗布液分配室、13は塗布液分配スリッ
ト、14は塗布液供給パイプ、15は液受け、16はホッパエ
ッジ、17は塗布液スライド面、18は塗布層であり、第5
図(a)は円筒状支持体10を含む塗布機11の断面図、第
4図(b)はその一部破断斜視図である。
【0096】塗布時塗布液Sがポンプ等により、塗布液
供給パイプ14へと必要量供給され、塗布液分配室12によ
って円周方向へと均一に分配され、分配スリット13を通
過し、スライド面17を円周方向に均一に流下する。しか
る後、塗布液Sはホッパエッジ16と円筒状支持体10外周
面との間にビードが形成され、このビードと支持体10外
周面とが接触した状態で支持体10が矢印A方向へと搬送
され、表面に塗布層18が形成される。かかる塗布機によ
れば、塗布層18から速やかに溶剤が蒸発するので簡単な
乾燥装置を設けることにより容易に乾燥塗膜が得られ
る。又塗布液Sは必要量だけ送られるので塗布液の無駄
がなく、材料のコスト低減が計られる。又円形塗布であ
るため継目のない均一塗布が可能であり、塗布膜が液供
給量、粘度、被塗布体の移動速度で決まり、塗布厚の制
御が容易であり、又塗布中ビードの作用で塗布厚の変動
が少ないため高品質、高生産性の塗布が可能である。前
記円形スライドホッパ塗布機では、スライド面終端部の
径と円筒状支持体の外径との間隙は0.05〜1mmが好まし
く、0.1〜0.6mmがより好ましい。スライド面の傾斜角は
水平に対して10°〜70°が好ましく、20°〜45°が更に
好ましい。
【0097】塗布液の粘度は0.5〜700CPの範囲内が良
く、1〜500CPが更に良い。
【0098】なお、塗布液が塗布液分配スリットから円
周方向に均一に流出するようにするためには、スライド
ホッパ装置にあっては、分配室抵抗(Pc)と塗布液分配
スリットを流れるときのスリット抵抗(Ps)とがPs/Pc
≧80で、より好ましくは100〜100,000の範囲である。
【0099】次に第5図は円形押出し塗布機11’の断面
図であり、第4図と同一内容には同一符号が付される。
前記円形押出し塗布装置11’においては、ポンプ等によ
り塗布に必要な量の塗布液Sが塗布液供給パイプ14へと
供給され、塗布液分配室12によって円周方向へと均一に
分配され、分配スリット13内を押し出され、ホッパエッ
ジ16より均一かつ連続的に流出して支持体外周面との間
に塗布液ビードを形成し、これにより塗布層18が塗布さ
れる。
【0100】ホッパエッジ16の長さは0.1〜10mm、好ま
しくは0.5〜4mmがよい。ホッパエッジの傾斜角は鉛直
下方から30°迄の範囲内がよく、鉛直下方から20°迄の
範囲内とするのが更によい。ホッパエッジの傾斜角が30
°を超えると塗布液の架橋が短くなり、良好な塗膜を得
にくくなる。
【0101】又前記押し出し塗布機11’にあっては、分
配室抵抗(Pc)と、塗布液分配スリットを流れる際のス
リット抵抗(Ps)とがPs/Pc≧40、より好ましくは40〜
100,000の範囲内の関係に保たれる事により、塗布液を
安定且つ均一に塗布することが可能である。
【0102】これら分配室抵抗(Pc)、スリット抵抗
(Ps)は、塗布液供給速度、粘度、供給圧に応じて決定
すればよい。さらに又前記押し出し塗布機11’において
は、ホッパエッジは被塗布体外径より0.05〜1mm大き
く、より好ましくは塗布膜厚をhommとすると2ho mmか
ら4ho mmまでの範囲であり、塗布方向長さ0.1〜10mm、
より好ましくは0.5〜4mmを有するものであるのが望ま
しい。
【0103】第6図は円形少量ディップ塗布機11”の断
面図であり、図中底板21が積載板20に固定され、液止め
用ブレード23が前記底板21の上面と押圧板22とにより狭
着保持されている。塗布液Sは液槽24に収容され、該液
槽24に塗布液Sを補給するための液補給板25が液槽24の
上面に設けられ、該液補給板25に一対の液供給口26が設
けられている。
【0104】塗布機11”全体は円筒状に形成されてい
る。前記液止め用ブレード23は可撓性ゴム、合成樹脂等
により形成され、支持体10を狭着保持できるように構成
されている。
【0105】底板21、押圧板22、液槽24には孔部27a、
27a′、27a″が貫設されると共に前記液補給板25には
孔部27a、27a′、27a″よりも小径の孔部27bが貫設
され、かつ前記ブレード23には孔部27bより小径の孔部
27cが貫設されている。
【0106】又ブレード23の孔部27c周縁が支持体10の
外周面に密着されていると共に液補給板25の孔部27b周
縁が支持体外周面に極めて僅かな間隙を形成して対面さ
れているため、塗布時塗布液の蒸発が抑制され、塗布直
後の急激な乾燥が防止される。液槽24では、その下半部
に液収容室28が設けられ、上半部には液溜部29が設けら
れている。前記液溜部29中の塗布液Sを下半部の液収容
室28に補給するため複数の連通孔30が周方向に配設さ
れ、かつ収容部28の外周壁にはオーバフロー用の還流孔
31が設けられていて、液面を常に一定に保つように設計
されている。又収容部28の内周壁には周方向に複数の空
気孔33が設けられ、孔部27bを介して外気と連通されて
いる。この円形少量ディップ塗布機では収容部28に一定
レベルの少量の液が安定して保有され、円形液端面が支
持体の外周に接触して塗布される。以上本発明の感光体
の製造方法に用いられる円形スライドホッパ塗布機11、
円形押出し塗布機11'及び円形少量ディップ塗布機11'''
の代表例を説明したが、これらの塗布機のいづれもが円
筒状支持体に塗布液を塗布するに適合していて、特に感
光体の表面層を形成する場合、下層の溶解、浸蝕を伴う
ことが少なく、高速で均一塗布が可能であり、感光体の
高品質、高生産性を達成することができる。
【0107】なお、前記円筒状支持体の塗布には、例え
ば第7図の如き搬送塗布装置45が用いられる。図中、40
a、40b、40cは円筒状支持体10a、10b(10c)等を
交互に嵌合、連結するスペーサであり、前記支持体と一
体的に垂直方向に搬送され、前記円形スライドホッパ塗
布、円形押出し塗布又は円形少量ディップ塗布を行う円
形塗布機41により連続塗布が可能にされている。前記支
持体の搬送は、支持体10bの上下に嵌着されたスペーサ
40b、40cを把持して支持体10bを上方に搬送する上下
一対の把持部42a、42bを有する把持具43A及び支持体
10aの上下に嵌着されたスペーサ40a、40bを把持して
支持体10aを上方に搬送する上下1対の把持部42c、42
dを有する把持具43Bにより遂行される。前記把持具43
A及び43Bは装置本体45に支持され、図示しない駆動源
により回転駆動されるボールネジ44A、44Bに螺合され
た昇降部材46A、46Bと緩衝部材であるコイルスプリン
グ47A、47Bを介して結合されており、前記ボールネジ
44A、44Bの回転に連動する昇降部材46A、46Bの昇降
に伴って上下動される。なお前記昇降部材46A、46Bは
所定のプログラム信号に基いて、上下動され、一方の昇
降部材がスペーサを把持して支持体を上方に搬送中、他
方の昇降部材は互に衝突することなく把持を解除した状
態で下降され、次の支持体を搬送するため下方のスペー
サを把持するようになる。
【0108】また49は支持体供給用ハンドであり、これ
に例えばロボット等により円筒状支持体をタイミングに
合せて連続してセットしてやれば、該ハンドの所定位置
迄の上昇運動と、前記把持具43A又は43Bの上方への搬
送動作との協動により支持体は円形塗布機41へと連続し
て送られ、塗布加工され、該塗布機41のすぐ上のエアジ
ェット乾燥器47により乾燥されてドラム状感光体が形成
される。この感光体は搬出用ハンド48により装置外に吸
着搬送、搬出される。
【0109】前記搬送塗布装置45の外、例えば特開昭56
-101149号に記載されるように多数の弾性グリッパを設
けた左右一対のチエンベルトにより円筒状支持体を連続
して垂直上方に搬送して塗布するようにしてもよい。
【0110】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明の実施の態様がこれにより限定されるもので
はない。なお以降の電荷発生物質、電荷輸送物質、電荷
発生層及び電荷輸送層をCGM、CTM、CGL及びCTLと略称す
る。
【0111】(円筒状支持体の調製)長さ355.5mm、外
径80mmのアルミ管体11本を用意し、これらの管体のそれ
ぞれに塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体
(積水化学社製、エスレックMF−10)10重量部を1000重
量部のメチルエチルケトンに溶解し、得られた溶液を通
常の浸漬塗布法により塗布、乾燥して乾燥膜厚0.1μmの
中間層を形成し、11本のテスト用円筒状支持体を調製し
た。
【0112】(本発明テスト用感光体の調製) 〔テストNo.1〜No.3感光体の調製〕(CGL(1)の形
成)前記中間層を有する11本の支持体のうち3本に下記
処方のCGL(1)用組成物をサンドグラインダで24時間
分散して分散液を得、該分散液を第4図の円形スライド
ホッパ塗布機11が組込まれた塗布装置45により塗布・乾
燥してテストNo.1感光体用の1μm厚のCGL(1)を形
成した。
【0113】CGL(1)用組成物: ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製;エスレックBX−1) 10重量部 下記構造のCGM(1) 30重量部 メチルエチルケトン 1000重量部 ここで、前記分散液の粘性係数η(CP)は、3.2、指数
nは0.88であった。
【0114】
【化12】
【0115】(CGL(2)の形成)次にCGL(2)用組成
物を用い、粘性係数η(CP)を4.0とし、指数ηを0.95
の分散液とした他はテストNo.1の感光体のCGL(1)と
同様にして1μm厚のテストNo.2感光体用CGL(2)を
形成した。
【0116】CGL(2)用組成物; ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製、エスレックBM−S) 10重量部 前記構造のCGM(1) 30重量部 シクロヘキサノン 1000重量部 (CGL(3)の形成)次にCGL(3)用組成物を用い、粘
性係数η(CP)を5.2、指数n=0.75とした他はCGL
(1)と同様にして1μm厚のテストNo.3感光体用CGL
(3)を形成した。
【0117】CGL(3)用組成物: ポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学社製PCZ−200) 10重量部 塩化ビニル樹脂(積水化学社製、エスレックMF−10) 1重量部 前記構造のCGM(1) 30重量部 シクロヘキサノン 1000重量部 (CTL(1)の形成)次いで前記CGL(1)、CGL
(2)、CGL(3)を形成した3種類の支持体上に下記C
TL(1)用組成物を通常の浸漬塗布法により塗布・乾燥
して、それぞれ18μm厚のCTLを形成し、テストNo.1、N
o.2、No.3の3本の感光体を得た。
【0118】CTL(1)用組成物: ポリカーボネート樹脂(PCZ−200) 150重量部 下記構造のCTM(1) 150重量部 ジクロルメタン 1000重量部
【0119】
【化13】
【0120】〔テストNo.4〜No.6感光体の調製〕(CT
L(2)の形成)前記中間層を有する残りの8本の支持
体のうちの3本に下記処方のCTL(2)用組成物の溶液
を第4図の円形スライドホッパ塗布機11が装置の塗布部
41に組込まれた塗布装置45により、それぞれ塗布・乾燥
して、テストNo.4〜No.6感光体用の18μm厚のCTL
(2)を形成した。
【0121】CTL(2)用組成物: ポリカーボネート樹脂(PCZ−200) 150重量部 下記構造のCTM(2) 150重量部 ジクロルメタン 1000重量部
【0122】
【化14】
【0123】(CGL(4)の形成)次に前記CTL(2)が
形成された3本の支持体のうちの1本をとり、下記処方
のCGL(4)用組成物をサンドクラインダで24時間分散
して得た分散液を前記円形スライドホッパ塗布装置45に
より塗布・乾燥して1μm厚のCGL(4)を形成してテス
トNo.4感光体を得た。
【0124】CGL(4)用組成物: ポリカーボネート(PCZ−200) 10重量部 塩化ビニル樹脂(積水化学社製、エスレックEC−110) 1重量部 前記構造のCGM(2) 50重量部 ジクロルエタン 1000重量部 なお前記分散液の粘性係数η(CP)は6.8で指数nは0.8
0であった。
【0125】
【化15】
【0126】(CGL(5)の形成)次に前記CTL(2)が
形成された3本の支持体のうちの他の1本をとり、CTM
の含有量を80重量部とした他はCTL(4)と同様のCGL
(5)用組成物を用い粘性係数η(CP)を7.4とし、指
数nを0.72とする分散液を用いた他はCGL(4)と同様
にして1μm厚のCGL(5)を形成してテストNo.5感光
体を得た。
【0127】(CGL(6)の形成)次に前記CTL(2)が
形成された3本の支持体の残りの支持体をとり、下記処
方のCTL(6)用組成物を用い、粘性係数η(CP)を6.4
とし、指数nを0.88とした分散液を用いた他はCGL
(4)と同様にして1μm厚のCGL(6)を形成してテス
トNo.6の感光体を得た。
【0128】〔テストNo.7の単層構成の感光体の調
製〕(感光層(1)の作成)次に前記中間層を有する残
りの5本の支持体のうちの1本をとり、下記処方の感光
層(1)用組成物をサンドグラインダで24時間分散して
得た分散液を前記円形少量ディップ塗布機11″を装置の
塗布部41に組込んだ塗布装置45により塗布・乾燥して20
μm厚の感光層(1)を形成し、テストNo.7感光体を得
た。
【0129】感光層(1)用組成物: ポリカーボネート(PCZ−200) 150重量部 塩化ビニル樹脂(積水化学社製、エスレックMF−10) 5重量部 CTM(1) 100重量部 CGM(1) 100重量部 シクロヘキサノン 1000重量部 なお前記組成物を分散して得た分散液の粘性係数η(C
P)は23.5、指数nは0.76であった。
【0130】〔テストNo.8の比較感光体の調製〕(CGL
(7)の形成)次に前記中間層を有する残りの4本の支
持体のうち1本をとり、下記処方のCGL(7)用組成物
をサンドグラインダで24時間分散して得た分散液を前記
円形押出し塗布機11′を組込んだ塗布装置45により塗布
・乾燥して1μm厚のCGL(7)を形成した。
【0131】CGL(7)用組成物: ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製、エスレックBH−3) 50重量部 CGM(1) 80重量部 メチルエチルケトン 1000重量部 なお前記分散液の粘性係数η(CP)は、8.8、指数nは
0.60であった。
【0132】(CTL(3)の形成)前記CGL(7)が形成
された支持体上に前記CTL(1)の場合と同様のCTL
(3)用組成物を円形押出し塗布機11′を組込んだ塗布
装置45により塗布・乾燥して18μm厚のCTL(3)を形成
し、テストNo.8の比較感光体を得た。
【0133】〔テストNo.9の比較感光体の調製〕(CTL
(4)の形成)次に前記中間層を有する残りの3本の支
持体のうちの1本をとり、前記CTL(1)の場合と同様
のCTL(4)用組成物を円形押出し塗布機11′を組込ん
だ塗布装置45により塗布・乾燥して18μm厚のCTL(4)
を形成した。
【0134】(CGL(8)の形成)前記CTL(4)が形成
された支持体上に下記処方のCGL(8)用組成物をサン
ドグラインダで24時間分散して得た分散液を円形押出し
塗布機11′を組込んだ塗布装置45により塗布・乾燥して
1μm厚のCGL(8)を形成しテストNo.9の比較感光体
を得た。
【0135】CGL(8)用組成物: ポリカーボネート樹脂(PCZ−200) 50重量部 CGM(1) 60重量部 シクロヘキサノン 1000重量部 なお前記分散液の粘性係数η(CP)は11.2、指数nは0.
63であった。
【0136】〔テストNo.10の単層構成の比較感光体の
調製〕(感光層(2)の作成)次に前記中間層を有する
残りの2本の支持体のうちの1本をとり、下記処方の感
光層(2)用組成物をサンドグラインダで24時間分散し
て得た分散液を円形少量ディップ塗布機11″を装着した
塗布装置45により塗布・乾燥して20μm厚の感光層
(2)を形成しテストNo.10の比較感光体を得た。
【0137】感光層(2)用組成物: ポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイロン200) 200重量部 CTM(1) 150重量部 CGM(1) 100重量部 ジクロルエタン 1000重量部 なお前記組成物を分散して得た分散液の粘性係数η(C
P)は42.3、指数nは0.58であった。
【0138】〔テストNo.11の比較感光体の調製〕(CGL
(9)の形成)次に前記中間層を有する最後の残りの支
持体をとり、下記処方のCGL(9)用組成物を同じくサ
ンドグラインダで24時間分散して得た分散液を円形スラ
イドホッパ塗布機11を組込んだ塗布装置45により塗布・
乾燥して1μm厚のCGL(9)を形成した。
【0139】CGL(9)用組成物: ポリカーボネート樹脂(PCZ−200) 30重量部 塩化ビニル樹脂(積水化学社製、エスレックMF−10) 10重量部 CGM(1) 100重量部 ジクロルメタン 1000重量部 なお前記分散液の粘性係数η(CP)は9.2、指数nは0.6
4であった。
【0140】(CTL(5)の形成)前記CGL(9)が形成
された支持体上に、前記CTL(1)の場合と同様のCTL
(5)用組成物と通常の浸漬塗布装置により浸漬塗布加
工して18μm厚のCTL(5)を形成し、テストNo.11の比
較感光体を得た。
【0141】前記試料の諸元を第1表にまとめた。尚表
中に用いた標記記号は下記の意義である。
【0142】またCGL用組成物は共通してサンドグライ
ンダで24時間分散処理し、またCTL用組成物は夫々のCTM
150重量部、また共通してポリカーボネート150重量部、
ジクロルメタン100重量部の混合溶液である。
【0143】使用バインダ ポリビニルブチラール VB ポリカーボネート PC ポリエステル Es 塩化ビニル VC 溶剤 シクロヘキサノン CHN ジクロルエタン DCE ジクロルメタン DCM メチルエチルケトン MEK 塗布 浸漬方式 P1 円形スライドホッパ方式 P2 円形押出し方式 P3 円形少量ディップ方式 P4 層構成 CTL上 CGL下 A CGL上 CTL下 B 単層 C
【0144】
【表1】
【0145】(テスト方法) 前記本発明テスト用感光体No.1〜No.7並びに比
較テスト用感光体No.8〜No.11をコニカ社製U
−Bix3035に装着し、CGLを下層とし、CTL
を上層とするテストNo.1,2,3,8,11の感光
体は負帯電とし、CTLを下層、CGLを上層とするテ
ストNo.4,5,6,9及び単層構成のテストNo.
7及び10の各感光体は正帯電として静電特性のテスト
及び像形成のテストを行った。またテスト条件として相
対湿度60%、温度20℃の雰囲気下で各テスト共繰返
し10000回の実写テストを行い、10000回目の
画像濃度とかぶりの度合いを評価し、その結果を第2表
に示した。
【0146】又、前記10000回目の繰返し実写テストの
前後における感光体の黒紙電位(VB)及び白紙電位
(VW)を測定し、その結果を第2表に示した。
【0147】なお、第2表の黒紙電位(V)は反射濃
度1.3の原稿に対する感光体の表面電位、白紙電位
(V)は反射濃度「0」の原稿に対する感光体の表面
電位であって、いづれも実写前後に現像器の位置に電位
計のブローブを配置して測定した。
【0148】
【表2】
【0149】第1表及び第2表より、本発明の製造方法
により得られた感光体は比較感光体に比して塗布加工が
すぐれているため、筋、むら、ポチ等の画像欠陥を生せ
ず、電子写真性能にすぐれており、繰返し像形成の過程
での感光層の減耗が少なく高耐久性であり、その外、塗
布加工能率もすぐれているなどの利点も有している。
【0150】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
感光体の塗膜形成用分散液の製造方法、及び感光体の
造方法によれば、塗布加工性及び生産性にすぐれてい
て、得られる感光体は、像形成に供したとき、画像む
ら、筋、ぽち等を生せず、かつ電子写真性能及び繰返し
使用時の耐久性にすぐれている等の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は分散液の流動特性を測定する装置の断
面図。
【図2】第2図は分散液の流動特性を表すグラフ。
【図3】第3図(a),(b),(c),(d)は感光体の層
構成を表す断面図。
【図4】第4図(a)は円形スライドホッパ塗布機の断
面図、第4図(b)は一部破断斜視図。
【図5】第5図は円形押出し塗布機の断面図、第6図は
円形少量ディップ塗布機の断面図。
【図6】第7図は円筒状支持体を搬送塗布する塗布装置
を表す正面図。
【符号の説明】
1 …導電性支持体 2 …電荷輸送層 3 …電荷発生層 10 …円筒状被塗布体(円筒状支持体) 11,11′,11″,41 …塗布機 12 …塗布液分配室 13 …分配スリット 16 …ホッパエッジ 23 …液止め用ブレード 24 …液槽 28 …液収容部 40a,b,c…スペーサ 41 …塗布機 42a,b,c,d…把持部 45 …塗布装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−143762(JP,A) 特開 昭62−127843(JP,A) 特開 平1−147461(JP,A) 特開 昭61−13255(JP,A) 特開 昭60−12551(JP,A) 特開 平1−158452(JP,A) 特開 昭63−172159(JP,A) 特開 昭63−55552(JP,A) 特開 平3−17658(JP,A) 特開 平3−33859(JP,A) 特開 昭60−177347(JP,A) 特開 昭61−26043(JP,A) 特開 昭61−107249(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 201/00 - 201/10 C09D 7/12 B05D 1/18 - 1/24 B05D 1/26 G03G 5/05 102

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料を分散含有する分散液を支持体上に
    塗布して塗膜形成に用いる前記分散液を測定し、下記式
    (1)及び(2)を満足する流動特性を有することを特
    徴とする感光体の塗膜形成用分散液の製造方法。 τ=τ0+ηDn・・・・・(1) 1.0≧n≧0.7・・・(2) 〔式中、τは分散液の剪断応力(dyne/cm2)、
    Dは剪断速度(1/sec)、ηは粘性係数(dyne
    /cm2・sec)、τ0はD=0のときのτの値であ
    る。〕
  2. 【請求項2】 前記顔料が光導電性顔料である請求項1
    に記載の感光体の塗膜形成用分散液の製造方法
  3. 【請求項3】 顔料をバインダ樹脂溶液に分散含有した
    分散液を測定し、下記式(1)及び(2)で規定され
    流動特性を有する分散液を円筒状支持体に、円形スライ
    ドホッパ塗布機を用いて塗布することを特徴とする感光
    体の製造方法。 τ=τ0+ηDn・・・・・(1) 1.0≧n≧0.7・・・(2) 〔式中、τは分散液の剪断応力(dyne/cm2)、
    Dは剪断速度(1/sec)、ηは粘性係数(dyne
    /cm2・sec)、τ0はD=0のときのτの値であ
    る。〕
  4. 【請求項4】 前記顔料が光導電性顔料である請求項3
    に記載の感光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 顔料をバインダ樹脂溶液に分散含有した
    分散液を測定し、下記式(1)及び(2)で規定される
    流動特性を有する分散液を円筒状支持体に、円形押出し
    塗布機を用いて塗布することを特徴とする感光体の製造
    方法。 τ=τ0+ηDn・・・・・(1) 1.0≧n≧0.7・・・(2) 〔式中、τは分散液の剪断応力(dyne/cm2)、
    Dは剪断速度(1/sec)、ηは粘性係数(dyne
    /cm2・sec)、τ0はD=0のときのτの値であ
    る。〕
  6. 【請求項6】 前記顔料が光導電性顔料である請求項5
    に記載の感光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 顔料をバインダ樹脂溶液に分散含有した
    分散液を測定し、下記式(1)及び(2)で規定される
    流動特性を有する分散液を円筒状支持体に、円形少量デ
    ィップ塗布機を用いて塗布することを特徴とする感光体
    の製造方法。 τ=τ0+ηDn・・・・・(1) 1.0≧n≧0.7・・・(2) 〔式中、τは分散液の剪断応力(dyne/cm2)、
    Dは剪断速度(1/sec)、ηは粘性係数(dyne
    /cm2・sec)、τ0はD=0のときのτの値であ
    る。〕
  8. 【請求項8】 前記顔料が光導電性顔料である請求項7
    に記載の感光体の製造方法。
JP07652491A 1991-04-09 1991-04-09 感光体の塗膜形成用分散液の製造方法及び感光体の製造方法 Expired - Lifetime JP3273256B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07652491A JP3273256B2 (ja) 1991-04-09 1991-04-09 感光体の塗膜形成用分散液の製造方法及び感光体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07652491A JP3273256B2 (ja) 1991-04-09 1991-04-09 感光体の塗膜形成用分散液の製造方法及び感光体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04311783A JPH04311783A (ja) 1992-11-04
JP3273256B2 true JP3273256B2 (ja) 2002-04-08

Family

ID=13607674

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07652491A Expired - Lifetime JP3273256B2 (ja) 1991-04-09 1991-04-09 感光体の塗膜形成用分散液の製造方法及び感光体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3273256B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20070000566A (ko) * 2005-06-28 2007-01-03 주식회사 코오롱 탈기 기능이 부가된 정수기용 중공사막 모듈
JP5109034B2 (ja) * 2010-06-30 2012-12-26 保土谷化学工業株式会社 電子写真感光体製造用顔料分散液の製造方法及びこの分散液を用いた電子写真感光体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04311783A (ja) 1992-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4204569B2 (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2007121733A (ja) 電子写真感光体
US5681678A (en) Charge generation layer containing hydroxyalkyl acrylate reaction product
JP4778986B2 (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP2000214610A (ja) 単層型電子写真感光体
JPS6352146A (ja) 正帯電用電子写真感光体
JP3273256B2 (ja) 感光体の塗膜形成用分散液の製造方法及び感光体の製造方法
US6447965B1 (en) Electrophotographic photoreceptor containing TiOPc, method for manufacturing the same, and coating liquid for charge generating layer
JP2909665B2 (ja) 感光体及びその製造方法
JP4129268B2 (ja) 湿式現像用電子写真感光体および湿式現像用画像形成装置
JPH0513493B2 (ja)
JP3225172B2 (ja) 電子写真感光体用下引き塗液の製造方法及びそれを用いた電子写真感光体
JP4538360B2 (ja) 湿式現像用電子写真感光体および湿式現像用画像形成装置
JPS6350851A (ja) 正帯電用電子写真感光体
JP3131650B2 (ja) 感光体の製造方法
JPS6318366A (ja) 画像形成方法
JP5300321B2 (ja) モノアゾ顔料、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP3240544B2 (ja) 電子写真感光体とその製造方法
JP3063439B2 (ja) 積層型電子写真感光体および電荷発生層用塗料
JPS6358455A (ja) 電子写真感光体
JP3116198B2 (ja) 電子写真感光体
JP3486697B2 (ja) 単層型電子写真感光体
JP2001117248A (ja) 電子写真感光体およびその電荷発生層用塗液
JPH05257299A (ja) 電子写真感光体
JPH04267260A (ja) 感光体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090201

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100201

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110201

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120201

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120201

Year of fee payment: 10