JP3273117B2 - 熱間タンデム圧延機の蛇行制御方法 - Google Patents

熱間タンデム圧延機の蛇行制御方法

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JP3273117B2 JP07555796A JP7555796A JP3273117B2 JP 3273117 B2 JP3273117 B2 JP 3273117B2 JP 07555796 A JP07555796 A JP 07555796A JP 7555796 A JP7555796 A JP 7555796A JP 3273117 B2 JP3273117 B2 JP 3273117B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間タンデム圧延
操業において,被圧延材の尾端部がタンデム圧延機を通
板する際に発生する蛇行による絞り込みを防止するため
の蛇行制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間タンデム圧延の操業において,鋼ス
トリップ(以下,”圧延材”と記する)の尾端部が各ス
タンドの圧延機を通り抜ける際,いわゆる尻抜け時に,
圧延材が圧延機の幅方向中心,すなわち,ミルセンター
から幅方向に横ずれ(以下,”蛇行”と呼ぶものとす
る)し,これが原因で圧延材の尾端部が圧延機入側に設
けられているサイドガイドと接触し,圧延材が折れ込ん
だ状態で圧延される,いわゆる絞り込みという現象が発
生する。このような絞り込みが起った場合,過大な圧延
荷重が圧延機に加わるため,圧延ロールに疵が入った
り,場合によっては,圧延ロールが破損し圧延不能にな
るなど大きなトラブルが発生する。
【0003】このような圧延トラブルを避ける技術,す
なわち,蛇行を防止し圧延材を圧延ラインに真直に通板
させる制御技術を、一般に蛇行制御技術と称するが,従
来から,圧延材が蛇行した時,圧延機の作業側と駆動側
(以下,”左右”と簡易表記する)の圧延荷重に差が生
じるので,この左右の荷重差を蛇行量と強い相関のある
制御量として,この荷重差をなくす方向に圧延機の左右
の圧下位置差の制御を行う方法がある。熱間のタンデム
圧延における尻抜け圧延の場合,このような圧延荷重差
に基づく蛇行制御は,圧延材の尾端部が前スタンドの圧
延機を通り抜けた時点から,次スタンドの圧延機の左右
の圧下位置差の制御すなわち圧下レベリング制御を、次
スタンドの圧延機を通り抜けるまで実施するのが一般的
な方法であった。
【0004】また,この方法の改良として,例えば特公
昭58−51771号公報のように、圧延機の左右に圧
延荷重検出器を設け,左右の圧延荷重を別々に検出し,
左右の荷重差の、左右の荷重和に対する比(以下これ
を”荷重差率”と記す)を演算し,この荷重差率に基づ
いて圧下レベリング制御を行う方法,また,特開昭56
−160817号公報のように,荷重差検出信号に圧下
位置差信号に基づく補正信号を加算し,圧下位置差変更
時の荷重差の変動を補正し,圧下レベリング制御する方
法などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記の
ような左右の圧延荷重の差(以下,本発明においては単
に圧延荷重差と記す)に基づく従来の蛇行制御方法は,
厚板圧延,粗圧延などのように,単スタンドの圧延時に
は適用可能なものの,連続仕上圧延など,タンデム圧延
の定常圧延時や尻抜け圧延時のように入側・出側あるい
は出側に張力が作用しているような圧延の場合には,張
力分布の変化に起因して圧延荷重差が変化し,制御の遅
れ,誤動作を生じるなどの問題があった。特に,タンデ
ムの尻抜け圧延の場合,圧延材の尾端部が前スタンドを
抜けた直後に,次スタンドにおいて蛇行による圧延荷重
差の変化と出側張力分布の変化による荷重差の変化が相
殺されて,蛇行しているにもかかわらず圧延荷重差が現
れない時間(以下,蛇行荷重差不感帯と呼ぶことにす
る)が存在し,この領域では蛇行方向と逆の圧延荷重差
の変化が生じる場合もあるので,蛇行検出が遅れるばか
りか,制御の初期動作を誤るなど,致命的な欠陥がある
ことを,発明者らは実験的な検討から知見している。
【0006】本発明は,圧延材の尾端部が前スタンドを
抜けたときの蛇行制御の信頼性を向上することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では,タンデム圧
延の尻抜け時において,圧延材の尾端部が前スタンドを
抜けた直後の制御の誤動作を生じる可能性がある領域,
すなわち上述の蛇行荷重差不感帯を特定し,この蛇行荷
重差不感帯を避けるための制御保留時間を設定し,この
制御保留時間に基づく,圧延荷重の検出および圧下レベ
リング制御を開始させることによって,的確な圧延荷重
差に基づく圧下レベリング制御を実現する。
【0008】すなわち本願発明は,熱間タンデム圧延機
において,被圧延材の尾端部が第i−1スタンドの圧延
機を通り抜けてから,第iスタンドの圧延機を通り抜け
るまでの間,第iスタンドの圧延機の作業側および駆動
側の圧延荷重をそれぞれ検出し,圧延荷重差あるいは圧
延荷重差率を求め,この値に基づいて第iスタンドの圧
延機の圧下レベリングを制御し,該被圧延材の尾端部の
蛇行を防止する蛇行制御方法において,前記第i−1ス
タンドの圧延機を該被圧延材の尾端部が通り抜けてから
前記第iスタンドの圧延機において圧下レベリング制御
を開始するまでの制御保留時間を設定し,該制御保留時
間後に,前記第iスタンドの圧下レベリング制御を開始
することを第1の特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施態様では、
第i−1スタンドの圧延機を被圧延材の尾端部が通り抜
ける時に生じる第iスタンドでの荷重差の変動量と,第
iスタンド出側の圧延材の板速度に基づいて,制御保留
時間を算出する。具体的には、タンデム圧延中の作業側
および駆動側の圧延荷重,ロール周速を実質上同時点に
サンプリングし,さらに,上記データ採取時点と実質上
同時点のタンデム圧延機列の入出側の板厚を幅方向2点
以上,およびタンデム圧延機列入側および/または出側
の圧延材の温度を幅方向2点以上測定し,これらのデー
タに基づいて,タンデム圧延の定常時の方程式系を用い
て,定常圧延時の第iスタンドにおける圧下レベリング
値の、最適な圧下レベリング値からの偏差量を算出し,
この偏差量および第iスタンド出側の圧延材の板速度に
基づいて,定常圧延時に制御保留時間を算出する。
【0010】これにより、前スタンド抜け後の蛇行量と
荷重差の相関が明確に現れず誤動作を生じる可能性のあ
る時間を避けて,次スタンドにおいて圧下レベリング制
御が開始され、誤動作を生じない高精度な蛇行制御が実
現する。
【0011】以下に更に具体的に説明する。先ず,発明
者らは,図2に示すような3スタンドの圧延機からなる
タンデム圧延機を用いて,タンデム圧延における尻抜け
時の蛇行挙動を詳細に調査した。図2において1a,1
b,1cは圧延機、2a,2b,2cは圧延機に設けら
れた圧下レベリング制御装置、3a,3b,3cは駆動
側および作業側にそれぞれ設けられている圧延荷重検出
器、4a,4b,4cは蛇行検出器、8はルーパーロー
ル、7は圧延材、6a,6bは入側・出側コイラーであ
る。
【0012】図2において、圧延材7の圧延方向9の順
に,1a,1b,1cの複数の圧延機がタンデムに配列
されタンデム連続圧延機を構成している。各圧延機に
は,圧下レベリング制御装置2a,2b,2c,圧延荷
重器3a,3b,3cおよびロール速度検出器5a,5
b,5c(図示せず)がそれぞれ設けられている。ま
た,各圧延機の入側には蛇行検出器4a,4b,4cが
それぞれ設けられている。また,連続圧延機の入側と出
側には,コイラー6a,6bがそれぞれ設けられてお
り,入側・出側コイラー6a,6bと圧延機の間および
各圧延機の間には,ルーパーロール8a,8b,8c,
8dが設けられている。
【0013】コイラー6aから送り出された圧延材7
は、ルーパーロール8aを介して圧延機に入り、圧延機
1a,1b,1cによって圧延され,コイラー6bに捲
きとられ,タンデム圧延が実施される。
【0014】実験は,表1に示すような条件で定常圧延
している状態から,第2スタンドの圧下レベリングの値
を、最適圧下レベリング値から故意にずらし(この最適
レベリング値からずれている状態を”圧下レベリング不
良”と呼び,そのずらした偏差量をΔSdfで表す),そ
の操作によって生じた影響が定常状態になるまでタンデ
ムで圧延し,その後,第1スタンド入側から後方の60
0mmの位置で圧延材7を切断し,切断した圧延材7の
尾端部が、タンデム圧延機の各スタンドの圧延機を通り
抜けて行く時に発生する蛇行挙動を、観察した。
【0015】
【表1】
【0016】尚,ここでいう圧下レベリングの最適値と
は,圧下による伸び率差の左右差がない状態,すなわ
ち,圧延機間の圧延材に作用する張力の左右差が零にな
るような圧下レベリング値のことであり,本実験を行う
前に十分調整された状態になっている。図3には,その
時の第2スタンドの、入側蛇行量,圧延荷重差,圧下位
置差および出側張力差の測定結果を示す。
【0017】これより,タンデム圧延の尻抜け圧延の場
合は,圧延材の尾端部が第1スタンドを通り抜けてか
ら,第2スタンドの圧下レベリング不良が一気に顕在化
し大きな蛇行を生じるのがわかる。さらに,圧延材の尾
端部が前スタンド,すなわち第1スタンドを抜けた直後
から,蛇行が生じているのにもかかわらず圧延荷重差が
変化しない時間Δτ(以下,蛇行荷重差不感帯と呼ぶ)
が存在することがわかる。これは,第2スタンド出側の
張力分布の変化に起因するタンデム圧延時の特有の現象
である。これを図4を参照して以下に説明する。
【0018】なお,図4の中の記号は、 WS:作業側, DS:駆動側, XC:蛇行量, PWS,PDS:作業側,駆動側の圧延荷重検出器で検出さ
れる荷重, Pt(x):線荷重, x:圧延材幅中央からの幅方向(WS方向をプラスとす
る)の距離、 を表す。
【0019】タンデム圧延の定常圧延時の、第2スタン
ドの圧下レベリング不良によって圧延機の入・出側の張
力に左右差が生じている状態〔図4の(a)〕から,圧
延材の尾端部が第1スタンドを抜けた後,第2スタンド
においては,入側張力がなくなったことにより,張力差
に応じて線荷重分布が変化し,それによりギャップが変
化する〔図4の(b)〕。その後,このギャップ変化に
伴って蛇行が生じるが、第2スタンド出側の張力分布
が,生じた蛇行によって荷重差の変化を相殺する方向に
徐々に変化するので,蛇行が生じているにもかかわらず
荷重差が現れなかったり,蛇行方向と逆の圧延荷重差の
変化が生じたりする〔図4の(c)〕。
【0020】従って,前スタンドを抜けた直後には,こ
のような蛇行量と圧延荷重差の相関が明確に現れない時
間Δτ,すなわち蛇行荷重差不感帯,が存在するため,
これを考慮していない従来の制御方法,すなわち,前ス
タンドを尾端部が通り抜けた直後に蛇行制御する方法で
は,蛇行の正確な検出が遅れるばかりか,誤動作を生じ
ることになる。
【0021】図5は,上述の実験において,第2スタン
ドの圧下レベリングの偏差量ΔSdf 2をΔSdf 2=+20
〜+80μmと変化させた時の、第2スタンドのΔτ2
と第1スタンド尻抜け時の第2スタンドでの圧延荷重差
の変動量ΔPdf 2の関係を示したものである。ここで,
Δτ2およびΔPdf 2は実験データ、例えば図3に示した
ような時系列データ、より求めるもので、Δτ2は,第
1スタンドの尻抜けのタイミングから,第2スタンドに
おける左右の圧延荷重差Pdf 2が一旦減少(DSの荷重
が増加)し,再び増加し始めるまでの時間と定義し,Δ
df 2は,タンデム圧延における定常圧延時のPdf 2と,
第1スタンド尻抜け時のPdf 2との差であると定義す
る。これより,ΔPdfが大きくなるほど,Δτの値は小
さくなることがわかる。これは,レベリング不良の程度
が大きくなると,蛇行量が増加し,蛇行によって生じる
荷重差の変化が,出側の張力分布の変化が起因で生じる
蛇行方向と逆方向の圧延荷重差変化より,圧倒的に大き
くなるためである。
【0022】
【数1】
【0023】そこで,本発明では,以上のような知見に
基づき,尻抜け時の高精度な蛇行制御を実現させる方法
として,圧延材が前スタンドを抜けた後の蛇行量と圧延
荷重差の相関が明確に現れず誤動作を生じる可能性のあ
る時間,すなわち蛇行荷重差不感帯Δτを特定し,この
Δτを次スタンドにおいて制御を開始するまでの制御保
留時間とし,この制御保留時間経過後に,圧下レベリン
グ制御を開始することによって,誤動作を生じない的確
な蛇行制御を実施する。
【0024】以下,上記の考え方に基づく本発明の蛇行
制御方法を、図1に示す装置構成に従って詳細に説明す
る。図1は,本発明を実施する装置構成を示すものであ
る。圧延機は、3台以上の水平圧延機が設けられたタン
デム圧延機であり,第i−2〜第iスタンドの水平圧延
機10a〜10cには、圧下レベリング制御装置12a
〜12c,荷重検出器13a〜13cおよびロール速度
検出器15a〜15c(図示せず)が設けられている。
また,各圧延機間にはルーパーロール18a〜18bを
配置している。圧延材7は,矢印9の方向に移動し圧延
される。尚,22は,制御操作量を演算するための演算
処理装置である。
【0025】本発明の蛇行制御を第iスタンドに適用す
る場合について,以下に説明する。第i−1スタンドの
圧延機において、圧延材の尾端部が通り抜けるタイミン
グが検出される。すなわち、この時のタイミングは、第
i−1スタンドの圧延荷重が零になることから荷重検出
器13bの荷重検出値の変化から求めることができる。
そのタイミングで、第iスタンドの荷重検出器13cに
おいて圧延荷重差の変動
【0026】
【数2】
【0027】第iスタンドの荷重検出器13cによっ
て、左右の圧延荷重を検出し、これに基づき演算処理装
置22内で、荷重差あるいは荷重差率を演算し、この演
算した荷重差あるいは荷重差率に基づき、第iスタンド
の圧下レベリング制御装置12cの操作量を演算し、こ
の操作量に基づき圧下レベリング制御装置12cを操作
する。この荷重差あるいは荷重差率に基づく制御を、第
iスタンドの圧延機を圧延材の尾端部が通り抜けるま
で、繰り返し実施し、圧延材の蛇行を防止する。
【0028】また、前記したように、タンデム圧延の定
常圧延時の方程式系を用いて、定常圧延中の第iスタン
ドにおける圧下レベリング値の最適レベリング値からの
【0029】
【数3】
【0030】制御保留時間を決定することが可能であ
る。尚、ここで、タンデム圧延の定常時の方程式系は、
既に、本発明者らが、特開平6−198323号公報で
示しているN基の圧延機から構成されるタンデム圧延機
列に対する下記の方程式(3)〜(10)式を用いる。
【0031】
【数4】
【0032】
【数5】
【0033】
【数6】
【0034】
【実施例】
[実施例1]図2に示すような3スタンドの圧延機から
なるタンデム圧延機を用いて本発明の蛇行制御方法を実
施した。すなわち、表1に示すような条件で定常圧延し
ている状態から、第2スタンドの圧下レベリング不良を
与え,その操作によって生じた影響が定常状態になるま
でタンデムで圧延し,その後,第1スタンド入側の60
0mmの位置で圧延材7を切断し,切断した圧延材7の
尾端部がタンデム圧延機の各スタンドの圧延機を通り抜
けて行く時に発生する蛇行に関して,第2スタンドにお
いて,圧延荷重器3bで検出される圧延荷重差に基づ
き,圧下レベリング制御装置2bによって,圧下レベリ
ング制御を実施し,従来法と本発明の方法の比較を行っ
た。表2には,そのときの制御条件を示す。
【0035】
【表2】
【0036】図6および図7には,それぞれ本発明の方
法および従来法で蛇行制御を行った時の、第2スタンド
の入側蛇行量,圧延荷重差,圧下レベリングおよび出側
張力差の測定結果を示す。
【0037】先ず,第1スタンド抜け直後,第2スタン
ドの圧延荷重差をロックオンすると共に,このロックオ
ン値からの圧延荷重差の変動に基づき,圧下レベリング
制御を第2スタンドを圧延材が抜けるまで行った従来法
では,図7に示すように,第1スタンド抜け直後に,蛇
行方向とは逆方向に圧延荷重差が変動したので,蛇行を
抑制する方向とは逆の方向に圧下レベリング制御を行っ
たため,無制御時に比ベ蛇行量が増大する結果になっ
た。
【0038】一方,本発明の方法では,第1スタンド抜
け直後,第2スタンドの圧延荷重差の変動ΔPdf 2を検
出し,このΔPdf 2および第2スタンド出側の板速度V2
に基づき,(1)式により第2スタンドの蛇行荷重差不
感帯Δτ2を演算し,Δτ2時間後,第2スタンドの荷重
差をロックオンすると共に,このロックオン値からの荷
重差の変動に基づき,圧下レベリング制御を,第2スタ
ンドを圧延材が抜けるまで行った。その結果,図6に示
すように,無制御時に比べ,最大蛇行量を約半分に抑え
ることができ,本発明の有効性を確認することができ
た。
【0039】[実施例2]図8に示すような7スタンド
の圧延機からなる熱間のタンデム圧延機設備に,本発明
の蛇行制御方法を適用した場合の実施例について説明す
る。図8の圧延設備は,水平圧延機が1a〜1gまで7
台の水平圧延機が設けられたタンデム圧延機であり,各
圧延機には圧下レベリング制御装置2a〜2g,荷重検
出器3a〜3gおよびロール速度測定装置5a〜5g
(図示せず)が設けられている。また,各圧延機間には
ルーパーロール8a〜8fを、タンデム圧延材入側・出
側には入・出側温度測定装置17a,17b,入・出側
板厚測定装置19a,19bを配置している。圧延材7
は,矢印9の方向に移動し圧延される。尚,22は,制
御操作量を演算するための演算処理装置である。
【0040】7スタンドの圧延機の中で,特に絞り込み
が生じやすい,第6〜第7スタンドの圧延機に関して,
圧延荷重差率に基づく蛇行制御を実施し,従来法と本発
明の方法の比較を行った。
【0041】先ず,前スタンド抜け直後,次スタンドの
圧延荷重差率をロックオンすると共に,このロックオン
値からの圧延荷重差率の変動に基づき,圧下レベリング
制御を,次スタンドを圧延材が抜けるまで行った従来法
では,出側板厚1.2mm,幅1200mmの薄物広幅
材を圧延した場合,第7スタンドの圧延機において,絞
り込みが発生した。
【0042】一方,本発明の方法では,定常タンデム圧
延中のタンデム圧延機の各スタンドの作業側および駆動
側の圧延荷重を荷重検出器3a〜3gにより,ロール周
速をロール速度検出器5a〜5g(図示せず)により検
出し,また,タンデム圧延機の入側・出側の板ウェッジ
量を入・出側板厚測定装置19a,19bにより検出
し,入・出側温度測定装置17a,17bにより測定し
たタンデム圧延機入・出測の圧延材の左右の温度差に基
づき,各スタンドの圧延材の温度差を推定すると共に,
各スタンドの変形抵抗差を推定し,これら各スタンドの
圧延荷重,ロール周速,変形抵抗差およびタンデム圧延
機入・出側の板ウェッジに基づき,(3)〜(10)式
のタンデムの定常時の方程式および(11)式を用い
て,第6,第7スタンドにおける圧下レベリング値の、
最適圧下レベリング値からの偏差量ΔSdf 6,ΔSdf 7
算出し,さらに,第6,7スタンド出側の圧延材の板速
度V6,V7をロール速度測定装置5f,5gにより検出
されるロール速度に基づき演算し,(2)式より,第
6,7スタンドの蛇行荷重差不感帯Δτ6,Δτ7を演算
した。これらΔτ6,Δτ7を,第6,7スタンドにおけ
る制御保留時間に設定し,制御保留時間後に第6,7ス
タンドにおいて圧延荷重差率に基づく蛇行制御を実施し
た。
【0043】その結果,従来方で絞り込みが生じた出側
板厚1.2mm,幅1200mmの薄物広幅材を圧延し
た場合でも,圧延材を圧延ラインに真直に通板させるこ
とができ,圧延材の尻抜け圧延時に事故がない安定な圧
延操業を実現することができた。
【0044】このように,実際の熱間のタンデム圧延設
備に,本発明の蛇行制御方法を適用した場合において
も,圧延材の尾端部がタンデム圧延機を通板する際に発
生する蛇行を正確に制御することができ,絞り込みを防
止できることが検証された。
【0045】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り,圧延材の尾
端部がタンデム圧延機を通板する際に発生する蛇行を正
確に制御することができ,その結果,圧延材の尻抜け圧
延時の事故がほとんど皆無の状態となり,圧延操業の作
業効率および歩留を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する圧延設備の一部の概要を示
すブロック図である。
【図2】 タンデム圧延の尻抜け時の蛇行挙動を調査す
るのに用いたタンデム圧延機の概要を示すブロック図で
ある。
【図3】 図2に示すタンデム圧延機の第1スタンド尻
抜け時における無制御時の第2スタンドの入側蛇行量,
圧延荷重差,圧下位置差および出側張力差の測定結果を
経過時間に対して示すグラフである。
【図4】 図2に示すタンデム圧延機の3スタンド#1
〜3の平面図および第2スタンド#1の正面図を示す説
明図であり、(a),(b)および(c)はそれぞれ、
第1スタンドを定常的に圧延材が通っている状態,第1
スタンド尻抜け直後の状態および第1スタンド尻抜け後
蛇行を生じた状態を示し、(イ)は平面図、(ロ)は正
面図である。
【図5】 図2に示すタンデム圧延機の第2スタンド#
2のレベリング不良の値ΔSdfを変化させた時の、蛇行
荷重差不感帯Δτと第1スタンド#1尻抜け時の第2ス
タンド#2での荷重差の変動量ΔPdfとの関係を示すグ
ラフである。
【図6】 図2に示すタンデム圧延機の第1スタンド尻
抜け時に本発明の蛇行制御を適用したときの、第2スタ
ンドの入側蛇行量,圧延荷重差,圧下位置差および出側
張力差の測定結果を経過時間に対して示すグラフであ
る。
【図7】 図2に示すタンデム圧延機の第1スタンド尻
抜け時に従来の蛇行制御を適用したときの、第2スタン
ドの入側蛇行量,圧延荷重差,圧下位置差および出側張
力差の測定結果を経過時間に対して示すグラフである。
【図8】 本発明を実施する圧延設備の概要を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1a〜1g:第1〜第7スタンドの水平圧延機 2a〜2g:第1〜第7スタンドの圧下レベリング制御
装置 3a〜3g:第1〜第7スタンドの荷重検出器 4a〜4c:第1〜第7スタンドの蛇行検出器 7:圧延材 8a〜8f:第1−2〜第6−7スタンド間のルーパー
ロール 5a〜5g:第1〜第7スタンドのロール速度検出器 9:圧延方向 6a,6b:タンデム圧延機の入側・出側のコイラー 10a〜10c:第i−2〜第iスタンドの水平圧延機 12a〜12c:第i−2〜第iスタンドの圧下レベリ
ング制御装置 13a〜13c:第i−2〜第iスタンドの荷重検出器 18a〜18c:第i−2〜第iスタンド出側のルーパ
ーロール 15a〜15c:第i−2〜第iスタンド出側のルーパ
ー板速度計 17a,17b:タンデム圧延機入・出側の温度測定装
置 19a,19b:タンデム圧延機入・出側の板厚測定装
置 22:演算処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−267117(JP,A) 特開 昭60−170519(JP,A) 特開 平6−198323(JP,A) 特開 平3−165913(JP,A) 特開 昭61−17318(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間タンデム圧延機において,被圧延材
    の尾端部が第i−1スタンデの圧延機を通り抜けてか
    ら,第iスタンドの圧延機を通り抜けるまでの間,第i
    スタンドの圧延機の作業側および駆動側の圧延荷重をそ
    れぞれ検出し,荷重差あるいは荷重差率を求め,この値
    に基づいて該第iスタンドの圧延機の圧下レベリング制
    御を行い,被圧延材の尾端部の蛇行を防止する蛇行制御
    方法において, 前記第i−1スタンドの圧延機を該被
    圧延材の尾端部が通り抜けてから前記第iスタンドの圧
    延機において圧下レベリング制御を開始するまでの制御
    保留時間を設定し,該制御保留時間後に,前記第iスタ
    ンドの圧下レベリング制御を開始することを特徴とする
    熱間タンデム圧延機の蛇行制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に示した熱間タンデム圧延機の
    蛇行制御方法で,第i−1スタンドの圧延機を被圧延材
    の尾端部が通り抜ける時に生じる第iスタンドでの荷重
    差の変動量と,第iスタンド出側の圧延材の板速度に基
    づいて,制御保留時間を算出することを特徴とする熱間
    タンデム圧延機の蛇行制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に示した熱間タンデム圧延機の
    蛇行制御方法で,タンデム圧延中の作業側および駆動側
    の圧延荷重,ロール周速を実質上同時点にサンプリング
    し,さらに,上記データ採取時点と実質上同時点のタン
    デム圧延機列の入出側の板厚を幅方向2点以上,および
    タンデム圧延機列入側および/または出側の圧延材の温
    度を幅方向2点以上測定し,これらのデータに基づい
    て,タンデム圧延の定常時の方程式系を用いて,定常圧
    延時の第iスタンドにおける圧下レベリング値の、最適
    な圧下レベリング値からの偏差値を算出し,この偏差量
    および第iスタンド出側の圧延材の板速度に基づいて,
    制御保留時間を算出することを特徴とする熱間タンデム
    圧延機の蛇行制御方法。
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