JP3273016B2 - 印刷可能なベースコート用光硬化型塗料組成物 - Google Patents

印刷可能なベースコート用光硬化型塗料組成物

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JP3273016B2
JP3273016B2 JP11027598A JP11027598A JP3273016B2 JP 3273016 B2 JP3273016 B2 JP 3273016B2 JP 11027598 A JP11027598 A JP 11027598A JP 11027598 A JP11027598 A JP 11027598A JP 3273016 B2 JP3273016 B2 JP 3273016B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線などの光照
射によって硬化可能なベースコート用塗料組成物、特
に、耐擦り傷性、インキの印刷適性に優れた塗膜を形成
できるベースコート用塗料組成物及びこの塗料組成物を
用いたベースコート塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
缶外面用ホワイトコートなどの印刷可能なベースコート
を形成できる、紫外線などの光硬化型のベースコート用
塗料としては、カチオン硬化性化合物を含有するカチオ
ン硬化型ベースコート用塗料、及び重合性不飽和基を有
する化合物を含有するラジカル硬化型ベースコート用塗
料が知られている。
【0003】上記ベースコート用塗料を缶外面に塗装し
光硬化した缶は、ついで印刷工程、クリヤ塗装工程に移
動されるが、移動中に缶同志がぶつかりあい、この際に
ベースコートに擦り傷が発生するという問題があった。
この擦り傷は、カチオン硬化型及びラジカル硬化型ベー
スコート用塗料のいずれにおいても発生するが、なかで
も、ラジカル硬化型ベースコート用塗料は、空気中で紫
外線照射を行うと、空気中の酸素による硬化阻害が起こ
るため、塗膜表面の硬化性が低下し、得られる塗膜に擦
り傷発生するという問題が顕著であった。
【0004】従来、液状ワックスを配合することによっ
て塗膜に滑り性を付与し塗膜の耐擦り傷性を向上させる
ことが行われており、塗料用のワックスとしては、シリ
コーンワックス、ラノリン系ワックス、カルナウバろう
などが知られている。
【0005】しかしながら、上記液状ワックスを配合し
たベースコート用塗料は、初期の塗膜の耐擦り傷性をか
なり改善することができるが、この上に印刷されるイン
キの転写性が損なわれたり、インキや上塗りクリヤ塗膜
との層間密着性が劣化しやすくなり、また、得られる塗
装缶を高温殺菌処理(レトルト処理)するとベースコー
ト上に塗装された上塗りクリヤ塗膜中に液状ワックスが
移行してクリヤ塗膜の透明性が低下するという問題があ
った。
【0006】本発明の目的は、空気中で紫外線などの光
照射を行なっても、塗面外観、塗膜表面の耐擦り傷性、
インキの印刷適性、インキや上塗りクリヤ塗膜との密着
性が良好で、かつ上塗り塗膜まで形成した総合塗膜をレ
トルト処理しても耐傷付き性の良好な塗膜を得ることが
できるベースコート用光硬化型塗料組成物を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、紫外線硬
化型ベースコート用塗料のワックス成分として、ポリテ
トラフルオロエチレンワックスとポリエチレン系ワック
スとを併用することによって上記目的を達成できること
を見出し本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、(A)光硬化性バイン
ダ成分100重量部に対して、(B)顔料 1〜200
重量部、(C)平均粒子径が10μm以下のポリテトラ
フルオロエチレンワックス 1〜15重量部、(D)平
均粒子径が3〜10μmで、融点が100℃以上のポリ
エチレン系ワックス 1〜15重量部及び(E)光重合
開始剤 0.1〜10重量部を含有することを特徴とす
るベースコート用光硬化型塗料組成物を提供するもので
ある。
【0009】また本発明は、上記ベースコート用塗料組
成物を被塗物に塗装し紫外線を照射して硬化させること
を特徴とするベースコート塗膜の形成方法を提供するも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明組成物における、ベースコ
ート用光硬化型塗料組成物は、紫外線などの光照射によ
って硬化して印刷可能なベースコートを形成できる塗料
組成物である。以下に、本発明組成物の各成分について
説明する。
【0011】光硬化性バインダ成分(A) 本発明塗料組成物の(A)成分である光硬化性バインダ
ー成分は、紫外線などの光照射によって、カチオン重合
又はラジカル重合を起こして硬化することができるバイ
ンダ成分である。
【0012】上記カチオン重合を起して硬化することが
できるバインダ成分としては、例えば、下記(a)〜
(e)で示すカチオン重合性化合物の1種または2種以
上を必須成分として含有する。
【0013】(a)エポキシ基を有する化合物:ジシク
ロペンタジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、
4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)アジペート、(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)メチルアルコール、(3,4−エポキシ−6
−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−
6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレン
1,2−ジ(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン
酸)エステル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、フェニルグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、o−,m−,p−クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、多
価アルコールのポリグリシジルエーテル等のエポキシ化
合物など。
【0014】(b)ビニル化合物:スチレン、α−メチ
ルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルトルエ
ンなどの芳香族ビニル化合物;n−ブチルビニルエーテ
ル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニル
エーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテルなどの置換
又は非置換のアルキルビニルエーテル類;アリルビニル
エーテル、エテニルビニルエーテル、1−メチル−2−
プロペニルビニルエーテルなどのアルケニルビニルエー
テル類;フェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニ
ルビニルエーテルなどのアリールビニルエーテル類;ブ
タンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコー
ルジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニル
エーテルなどのアルキルジビニルエーテル類;1,4−
ベンゼンジメタノールジビニルエーテル、N−m−クロ
ロフェニルジエタノールアミンジビニルエーテル、m−
フェニレンビス(エチレングリコール)ジビニルエーテ
ルなどのアラルキルジビニルエーテル類;ハイドロキノ
ンジビニルエーテル、レゾルシノールジビニルエーテル
などのアリールジビニルエーテル類;N−ビニルカルバ
ゾール、N−ビニルピロリドンなどのカチオン重合性窒
素含有化合物。
【0015】(c)ビシクロオルソエステル化合物:1
−フェニル−4−エチル−2,6,7−トリオキサビシ
クロ−[2,2,2]−オクタン、1−エチル−4−ヒ
ドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ−
[2,2,2]−オクタン等。
【0016】(d)スピロオルソカーボネート化合物:
1,5,7,11−テトラオキサスピロ−[5,5]−
ウンデカン、3,9−ジベンジル−1,5,7,11−
テトラオキサスピロ−[5,5]−ウンデカン、1,
4,6−トリオキサスピロ−[4,4]−ノナン、2−
メチル−1,4,6−トリオキサスピロ−[4,4]−
ノナン、1,4,6−トリオキサスピロ−[4,5]−
デカンなど。
【0017】(e)オキセタン環含有化合物:下記式
【0018】
【化1】
【0019】で表されるオキセタン環を分子中に少なく
とも1個含有する化合物であり、具体例としては、例え
ば、3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン、3−
エチル−3−エトキシメチルオキセタン、3−エチル−
3−ブトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヘキ
シルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アリル
オキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシ
メチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチル
オキセタン、3−エチル−3−(2´−ヒドロキシエチ
ル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2´
−ヒドロキシ−3´−フェノキシプロピル)オキシメチ
ルオキセタン、3−エチル−3−(2´−ヒドロキシ−
3´−ブトキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3
−エチル−3−[2´−(2´´−エトキシエチル)オ
キシメチル]オキセタン、3−エチル−3−(2´−ブ
トキシエチル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−
3−ベンジルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3
−(p−tert−ブチルベンジルオキシメチル)オキセタ
ン、3−エチル−3−グリシジルオキシメチルオキセタ
ン、3−エチル−3−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチル)オキシメチルオキセタン、ビス(3−エチル
オキセタニル−3−メチル)オキサイド、重合性不飽和
基とオキセタン環とを有する化合物[例えば、3−エチ
ル−3−(アクリロイルオキシエチル)オキシメチルオ
キセタンを一単量体成分とてラジカル共重合してなるオ
キセタン環を有する共重合体;下記式(1)
【0020】
【化2】
【0021】(式中、Aは酸素原子などの異種原子を含
有していてもよい炭素原子数1〜23の2価の炭化水素
基を表す)で示される化合物などを挙げることができ
る。
【0022】上記式(1)で表される化合物において、
式中のAとしては、例えば、直鎖状、分岐鎖状もしくは
環状のアルキレン基(特に、メチレン、エチレン、プロ
ピレン、ブチレン、シクロヘキシレン基などの炭素原子
数1〜15のアルキレン基)、炭素原子数4〜30、好
ましくは4〜8のポリアルキレンオキシ基(例えば、ポ
リ(エチレンオキシ)、ポリ(プロピレンオキシ)基な
ど)、フェニレン基、キシリレン基、下記式(2)
【0023】
【化3】
【0024】(上記式中、Zは、O、S、CH2 、N
H、SO、SO2 、C(CF3 2 又はC(CH3 2
を表す)で示される2価の芳香族炭化水素基などを挙げ
ることができる。
【0025】上記(a)〜(e)の化合物のうち、なか
でもエポキシ基(特に脂環式エポキシ基)を有する化合
物(a)及び/又はオキセタン環含有化合物(e)を好
適に使用することができる。
【0026】前記ラジカル重合を起こして硬化すること
ができるバインダ成分としては、ラジカル重合可能な重
合性不飽和基を有する、ラジカル重合性樹脂およびラジ
カル重合性ビニルモノマーのうちの1種または2種以上
を挙げることができる。
【0027】上記ラジカル重合性樹脂としては、エチレ
ン性不飽和基含有樹脂が包含され、具体的には次に例示
するものを挙げることができる。
【0028】上記エチレン性不飽和基含有樹脂として
は、例えば、ポリエステルに(メタ)アクリル酸を縮合
させた樹脂、エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹
脂、エチレン性不飽和基含有エポキシ樹脂、エチレン性
不飽和基含有含リンエポキシ樹脂、エチレン性不飽和基
含有アクリル樹脂、エチレン性不飽和基含有シリコン樹
脂、エチレン性不飽和基含有メラミン樹脂などが挙げら
れる。
【0029】前記ラジカル重合性ビニルモノマーとして
は、ラジカル重合性不飽和モノマーのみではなく、ラジ
カル重合性不飽和オリゴマーも包含され、具体的には次
に例示するものを挙げることができる。
【0030】ラジカル重合性不飽和モノマーとしては、
例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸
ブチル(n−,i−,t−)、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロ
ピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル
(n−,i−,t−)、メタクリル酸ヘキシル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル又はシクロア
ルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリ
ル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタ
クリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、
メタクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタク
リル酸のアルコキシアルキルエステルなどのアクリル酸
またはメタクリル酸と炭素原子数1〜28個の1価アル
コールとのエステル化物:スチレン、ビニルトルエン、
メチルスチレン、クロロスチレン、ジビニルベンゼンな
どのビニル芳香族化合物;アクリル酸、メタクリル酸な
どのカルボキシル基含有モノマー;2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどの水酸基含有モノマ
ー;ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネートな
どのポリイソシアネートと上記水酸基含有モノマーとの
付加物、リン酸と上記水酸基含有モノマーとの付加物;
ビニルピロリドン、ビニルピリジンなどの含窒素複素環
を有する不飽和モノマー;酢酸ビニル、塩化ビニル、ビ
ニルイソブチルエーテル、メチルビニルエーテル、アク
リロニトリル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなど
のその他のビニル化合物などが挙げられる。
【0031】またラジカル重合性不飽和オリゴマーとし
ては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、グリセリンジ(メタ)
アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソシア
ヌレートトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、グリセロールアリロキシジ(メタ)アクリ
レート、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタ
ンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス(ヒド
ロキシメチル)エタントリ(メタ)アクリレート[本発
明において、各化合物の語尾の「(メタ)アクリレー
ト」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味す
る。]などのジ−、トリ−、テトラ−ビニル化合物など
のポリビニル化合物;エチレングリコール、グリセリ
ン、ブチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、1,6
−ヘキサンジオールなどの多価アルコールとエチレンオ
キシドまたはプロピレンオキシドとの付加物に、アクリ
ル酸および/又はメタクリル酸を反応せしめた生成物;
上記多価アルコールとε−カプロラクトンとの付加物
に、アクリル酸および/又はメタクリル酸を反応せしめ
た生成物;含リン重合性不飽和オリゴマーなどが挙げら
れる。
【0032】ラジカル重合性不飽和モノマー及びラジカ
ル重合性不飽和オリゴマーは単独で又は2種以上混合し
て使用できる。
【0033】顔料(B) 本発明組成物において、顔料(B)は、本発明組成物か
ら形成される塗膜を着色して、この塗膜上に印刷される
インキのベースコートとしての適性を付与するために配
合されるものであり、顔料としては、印刷のためのベー
スコートとしての着色をすることができるものであれば
使用でき、例えば、アナタース形又はルチル形チタン白
などの白色顔料、アルミニウム粉末などの光輝性顔料な
どを好適に使用することができる。顔料としては、有機
着色顔料も使用することができる。白色顔料を使用する
ことによって、ベースコートとしてホワイトコートを形
成することができる。
【0034】顔料の配合量は、前記光硬化性バインダ成
分(A)100重量部に対して1〜200重量部の範囲
内であり、この範囲内で顔料の種類、膜厚などに応じて
適宜使用することができる。顔料として白色顔料を使用
する場合は、通常、30〜200重量部、好ましくは5
0〜150重量部の範囲が好適である。顔料として光輝
性顔料を使用する場合は、通常、1〜20重量部、好ま
しくは3〜10重量部の範囲が好適である。顔料として
有機顔料を使用する場合は、通常、5〜100重量部、
好ましくは10〜80重量部の範囲が好適である。上記
各顔料の配合量は、前記光硬化性バインダ成分(A)1
00重量部を基準とするものである。
【0035】ポリテトラフルオロエチレンワックス
(C) 本発明組成物において、(C)成分であるポリテトラフ
ルオロエチレンワックスは、下記ポリエチレン系ワック
ス(D)とともに、得られる塗膜表面の潤滑性を向上さ
せる目的で配合されるものである。
【0036】ポリテトラフルオロエチレンワックスは、
平均粒子径が10μm以下、好ましくは3〜8μmの範
囲内であることが、塗膜表面の潤滑性、塗面の平滑性な
ど塗面外観の点から好適である。(C)成分の配合量
は、前記光硬化性バインダ成分(A)100重量部に対
して、1〜15重量部、好ましくは3〜10重量部の範
囲にあることが好適である。
【0037】ポリエチレン系ワックス(D) 本発明組成物において、(D)成分であるポリエチレン
系ワックスは上記ポリテトラフルオロエチレンワックス
(C)とともに、得られる塗膜表面の潤滑性を向上させ
る目的で配合されるものである。ポリエチレン系ワック
スは、ポリエチレンからなっていてもよいし、ポリエチ
レンを主体とするものであれば他のワックス類との複合
物であってもよい。この複合物としては、ポリエチレン
とポリプロピレンとの複合物、ポリエチレンとポリプロ
ピレンと脂肪酸アミドとの複合物などを挙げることがで
きる。複合物としては、ポリエチレンがワックス粒子の
表面部に多く存在するものが好適に使用される。
【0038】ポリエチレン系ワックス(D)は、平均粒
子径が3〜10μm、好ましくは5〜8μmの範囲内で
あることが、塗膜表面の潤滑性、塗面の平滑性など塗面
外観の点から好適である。なかでも、本発明組成物から
得られる硬化塗膜の膜厚に比べて、ポリエチレン系ワッ
クス(D)の平均粒子径が0〜3μm、好ましくは1〜
2μm大きいことが、塗膜表面の潤滑性及び塗面の平滑
性の点から特に好適である。また、ポリエチレン系ワッ
クス(D)は、融点が110〜145℃の範囲内にある
ことが耐レトルト性の点から好適である。(D)成分の
配合量は、前記光硬化性バインダ成分(A)100重量
部に対して、1〜15重量部、好ましくは3〜10重量
部の範囲にあることが好適である。
【0039】光重合開始剤(E) 本発明組成物中には、紫外線などの光照射による本発明
組成物の硬化を促進するために光重合開始剤(E)が配
合される。
【0040】光硬化性バインダ成分(A)が、カチオン
重合性である場合には、光重合開始剤(E)としては、
紫外線、可視光などの光照射によってカチオンを発生し
て重合を開始させる光カチオン重合開始剤が使用され
る。光カチオン重合開始剤としては、例えば下記式で表
される化合物などを挙げることができる。
【0041】Ar2 + ・X- (I) [式中、Arはアリール基、例えばフェニル基を表し、
- はPF6 - 、SbF 6 - 又はAsF6 - を表す] Ar3 + ・X- (II) [式中、Ar及びX- は上記と同じ意味を有する]
【0042】
【化4】
【0043】[式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基
又は炭素数1〜12のアルコキシル基を表し、nは0〜
3の整数を表し、X- は上記と同じ意味を有する]
【0044】
【化5】
【0045】[式中、Y- はPF6 - 、SbF6 - 又は
AsF6 - 又はSbF5 (OH)- を表す]
【0046】
【化6】
【0047】[式中、X- は上記と同じ意味を有する]
【0048】
【化7】
【0049】[式中、X- は上記と同じ意味を有する]
【0050】
【化8】
【0051】[式中、X- は上記と同じ意味を有する]
【0052】
【化9】
【0053】[式中、R1 は炭素原子数7〜15のアラ
ルキル基又は炭素原子数3〜9のアアルケニル基、R2
は炭素原子数1〜7の炭化水素基又はヒドロキシフェニ
ル基、R3 は酸素原子又は硫黄原子を含有していてもよ
い炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、X- は上記と
同じ意味を有する]
【0054】
【化10】
【0055】[式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に炭
素原子数1〜12のアルキル基又は炭素原子数1〜12
のアルコキシル基を表す]
【0056】
【化11】
【0057】[式中、R1 及びR2 は上記と同じ意味を
有する]
【0058】
【化12】
【0059】光カチオン重合開始剤の市販品としては、
例えば、サイラキュアUVI−6970、同UVI−6
974、同UVI−6990(以上、いずれも米国、ユ
ニオン カーバイド社製)、イルガキュア261(チバ
ガイギー社製)、CIT−1682(日本曹達(株)
製)などを挙げることができる。光カチオン重合開始剤
の配合量は、カチオン重合性の光硬化性バインダ成分
(A)100重量部に対して、通常0.1〜10重量
部、好ましくは0.5〜5重量部の範囲で使用される。
【0060】光硬化性バインダ成分(A)が、ラジカル
重合性である場合には、光重合開始剤(E)としては、
紫外線、可視光などの光照射によって励起されてラジカ
ルを発生して、塗膜形成性バインダ(A)の硬化を開始
させる光ラジカル重合開始剤が使用される。
【0061】上記光ラジカル重合開始剤としては、例え
ばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、2−メチルベンゾイン、ベンジル、ベ
ンジルジメチルケタ−ル、ジフェニルスルフィド、テト
ラメチルチウラムモノサルファイド、ジアセチル、エオ
シン、チオニン、ミヒラーケトン、アントラセン、アン
トラキノン、クロルアントラキノン、メチルアントラキ
ノン、アセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェ
ノン、p−イソプロピル−α−ヒロドキシイソブチルフ
ェノン、α・α′−ジクロル−4−フェノキシアセトフ
ェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフ
ェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェ
ノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
メチルベンゾイルフォルメイト、2−メチル−1−[4
−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパ
ノン−1、チオキサントン、ベンゾフェノン、2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキ
サイドなどを挙げることができる。これらの光ラジカル
重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して使用でき
る。光ラジカル重合開始剤の配合量は、ラジカル重合性
の光硬化性バインダ成分(A)100重量部に対して、
通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部
の範囲で使用される。
【0062】また、これらの光重合開始剤による光重合
反応を促進させるために、光増感促進剤を光重合開始剤
と併用してもよい。併用し得る光増感促進剤として、例
えばトリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチ
ルアミノエタノール等の3級アミン系;トリフェニルホ
スフィン等のアルキルホスフィン系;β−チオジグリコ
ール等のチオエーテル系の光増感促進剤が挙げられる。
これらの光増感促進剤は、それぞれ単独で又は2種以上
混合して使用でき、その配合量は、上記ラジカル重合性
樹脂とラジカル重合性ビニルモノマーとの和100重量
部に対して、0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
【0063】本発明のベースコート用光硬化型塗料組成
物は、上記必須成分である光硬化型バインダ成分
(A)、顔料(B)、ポリテトラフルオロエチレンワッ
クス(C)、ポリエチレン系ワックス(D)及び光重合
開始剤(E)以外に、必要に応じて、ポリオール樹脂、
フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂などの改質樹
脂;樹脂微粒子、香料、溶剤などを含有していてもよ
い。
【0064】上記改質樹脂を配合する場合には、光硬化
型バインダ成分(A)100重量部に対して、改質樹脂
は、通常1〜30重量部以内の範囲で使用される。改質
樹脂となるアクリル樹脂としては、例えば、グリシジル
(メタ)アクリレートなどのグリシジル基含有重合性不
飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーとの共重
合体であり、分子中にグリシジル基を少なくとも1個有
し、かつガラス転移温度が30℃以上である共重合体を
挙げることができる。この共重合体は、得られる塗膜の
湯中硬度の向上などに効果的に働くことができる。
【0065】上記香料は、塗料の臭いのマスキングに効
果的に働くものである。
【0066】本発明の塗料組成物は、以上に述べた各成
分を混合し、均一な塗料組成物となるように混合、撹拌
することにより調製することができる。例えば、各成分
を混合し、必要に応じて加温(例えば50℃程度)し、
ディゾルバーなどの撹拌機にて均一になるまで、例えば
10分間程度撹拌することにより調製することができ
る。また、チタン白顔料(B)は、予め、カチオン重合
性化合物、必要に応じて溶剤と混合し、サンドミル、ア
トライターなどの顔料分散機を用いて顔料分散を行った
後、残りの成分と混合、撹拌してもよい。
【0067】塗装方法 本発明のベースコート用光硬化型塗料組成物を塗装でき
る被塗物としては、例えば、ブリキ、アルミニウム、テ
ィンフリースチール、鉄、亜鉛、銅、亜鉛メッキ鋼板、
亜鉛と他の金属との合金メッキ鋼板などの金属板;これ
らの金属にリン酸塩処理やクロメート処理を施した化成
処理金属板;これらの金属板や化成処理金属板に、ポリ
エチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリ
エチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、
ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルなどの
樹脂フィルムが積層されてなる樹脂フィルム積層金属
板;これらの金属板、化成処理金属板又は樹脂フィルム
積層金属板を加工してなる缶などの成型物;木材、プラ
スチックス、コンクリートなどを挙げることができる。
【0068】本発明塗料組成物は、缶外面用のベースコ
ート用塗料として特に好適であり、上記被塗物の塗装面
としては、なかでも塗装後に缶に成型加工されて缶外面
となる金属板、化成処理金属板又は樹脂フィルム積層金
属板の表面;金属板、化成処理金属板又は樹脂フィルム
積層金属板が缶に成型加工されてなる缶外面であること
が適している。
【0069】本発明の塗料組成物は、例えば、ロールコ
ート塗装、スプレー塗装、ハケ塗り、バーコート塗装、
ローラー塗り、シルクスクリーン印刷などの方法によっ
て塗装することができる。塗膜厚は印刷インキ塗装性の
良好なベースコートが得られる範囲内において適宜選択
すればよいが、通常、乾燥塗膜厚として約2〜20μm
となる範囲であり、缶用途に用いる場合には、約2〜8
μmの範囲が好ましい。塗装後、塗膜が溶剤を含有する
場合は加熱などにより溶剤を除去した後、塗膜は紫外線
などの光照射によって硬化されるが、照射条件は塗装さ
れた塗料組成物の種類や膜厚に応じて適宜選択すればよ
い。照射する光線の波長としては、通常、200〜45
0nmの範囲内が適当であり、感度の高い波長を有する
照射源を適宜選択して使用することができる。
【0070】紫外線や可視光線の照射源としては、高圧
水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カー
ボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光などを挙げ
ることができ、塗膜への照射条件は、通常、線量が1〜
1000mj/cm2 、特に50〜500mj/cm2
となる範囲が適している。
【0071】また、光照射して硬化させた後、必要に応
じて塗膜を加熱してもよい。加熱によって塗膜中の未反
応物の低減及び光照射による塗膜の硬化や成型加工によ
って発生した塗膜の歪みの緩和を行うことができる。ま
た、この加熱によって塗膜の硬度や密着性の向上を行う
ことができる場合がある。上記加熱は、通常、150〜
250℃の雰囲気温度で1〜30分間の条件で行うこと
ができる。本発明組成物を缶用の基材に塗装し光照射し
て硬化させた後に、インキ塗装、クリヤ塗料塗装を行う
場合には、インキの乾燥やクリヤ塗料塗装膜の焼き付け
時の熱によっても加熱することもできる。
【0072】本発明組成物から形成されたベースコート
上には、通常、インキを塗装、乾燥してインキ層を形成
後、必要に応じてクリヤ塗料が塗装される。
【0073】上記インキ層の形成に用いられるインキ
は、包装フィルムの印刷用に使用されるそれ自体既知の
印刷インキを特に制限なく使用でき、印刷インキの塗布
方法も包装フィルムの印刷と同様の方法によって行うこ
とができる。印刷インキとしては、熱架橋型又は光硬化
型の耐熱性インキであることが好ましく、例えばポリエ
ステル樹脂系、アクリル樹脂系、アルキド樹脂系の印刷
インキを挙げることができる。
【0074】インキ層上に必要に応じて塗装されるクリ
ヤ塗料としては、その用途に応じたそれ自体既知のクリ
ヤ塗料を使用することができ、例えば、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ア
クリル−エポキシ樹脂系などのクリヤ塗料を挙げること
ができる。
【0075】
【実施例】実施例により本発明をより具体的に説明す
る。なお、以下、「部」及び「%」は、いずれも重量基
準によるものとする。
【0076】エチレン性不飽和基含有ポリエステル樹脂
の製造 製造例1 無水フタル酸666部、イソフタル酸747部、エチレ
ングリコール310部及びネオペンチルグリコール52
0部を反応容器に入れ、縮合水を留去しながら約1時間
かけて160℃まで加熱し、更に3時間かけて縮合水を
留去しながら220℃まで加熱し、その温度で1時間保
持した。その後、キシレンを少量加えて共沸下で縮合水
を留去しながら酸価を測定して酸価が1.0以下になっ
たところで反応を終了し、樹脂固形分100%の水酸基
含有ポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂のGPC測
定による数平均分子量は約2,000、水酸基価は56
mgKOH/gであった。
【0077】別の反応容器に下記混合物を配合した。 上記で得た水酸基含有ポリエステル樹脂 1000部 3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート 182部 三フッ化ホウ素ジエチルエーテル 5部 ハイドロキノンモノメチルエーテル 1部 トルエン 507部 ついで反応容器に空気を吹き込みながら撹拌し、80℃
まで加熱した。80℃で8時間保持した後、冷却し、固
形分70%のアクリロイル基含有ポリエステル樹脂溶液
を得た。得られた樹脂のGPC測定による数平均分子量
は約2,400で、1分子当りアクリロイル基を平均約
2.04個有していた。
【0078】着色ベースの製造 製造例2 ラジカル硬化性白色ベース(A)の製造 上記製造例1で得た70%ポリエステル樹脂溶液42.
9部(固形分量で30部)、「アロニックスM−10
1」(注1)55部を四つ口フラスコに入れ、空気を吹
き込みながら80℃まで加熱し、80℃で真空ポンプを
用いてフラスコ内を減圧してトルエンを除去した後、冷
却した。上記のように減圧して得られた樹脂85部に、
ペンタエリスリトールトリアクリレート15部及び「タ
イペークCR−58」(注2)90部、「Disper
byk−111」(注3)1.4部を混合し顔料分散を
行い顔料分散体を得た。この顔料分散体204.3部当
り、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾ
イルジフェニルフォスフィンオキサイド5部及び1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5部を均一に混
合しラジカル硬化性白色ベース(A)を製造した。
【0079】(注1)アロニックスM−101:東亜合
成(株)製、フェノール・エチレンオキシド変性アクリ
レートである重合性不飽和化合物。 (注2)タイペークCR−58:石原産業社製、チタン
白顔料、商品名。 (注3)Disperbyk−111:商品名、BYK
(ビック ケミー)社製、リン酸エステル系顔料分散
剤。
【0080】製造例3 カチオン硬化性白色ベース
(B)の製造 下記式
【0081】
【化13】
【0082】で表される化合物10部、3−エチル−3
−ヒドロキシメチルオキセタン10部、3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキ
サンカルボキシレート80部、「タイペークCR−5
8」(前記)90部及び「Disperbyk−11
1」(前記)1.4部を混合し顔料分散を行い白色顔料
分散体を得た。この白色顔料分散体191.4部に対し
て、光重合開始剤として「サイラキュアUVI−699
0」(注4)5部、「BBI−102」(注5)2.5
部、「イルガキュア651」(注6)2.5部及び「カ
ヤキュアDETX−S」(注7)0.5部を混合しカチ
オン硬化性白色ベース(B)を得た。
【0083】(注4)サイラキュアUVI−699
0::商品名、米国、ユニオンカーバイド社製、PF6
- を有するトリアリルスルフォニウム塩系光酸発生剤。 (注5)BBI−102:商品名、みどり化学社製、ジ
アリルヨードニウム塩系光酸発生剤。 (注6)イルガキュア651:商品名、チバスペシャリ
ティケミカルズ社製、アセトフェノン系光ラジカル発生
剤。 (注7)カヤキュアDETX−S:商品名、日本化薬社
製、チオキサントン系光ラジカル発生剤。
【0084】製造例4 製造例3において、「タイペークCR−58」(前記)
90部のかわりに「アルペースト7640NS」(注
8)12.5部(固形分量で8部)を使用して得られる
アルミニウム顔料分散体113.9部を、白色顔料分散
体191.4部に代えて使用する以外は製造例3と同様
に行いカチオン硬化性メタリックベース(C)を得た。
【0085】(注8)アルペースト7640NS:商品
名、東洋アルミニウム(株)製、ノンリーフィング型の
アルミニウム粉末ペースト、固形分64%。
【0086】光硬化型ベースコート用塗料の調整 実施例1 製造例2で得たラジカル硬化性白色ベース(A)21
4.3部当り、「SST−1MG」(注9)10部及び
「S−363」(注10)5部を配合、均一に混合して
光硬化型ベースコート用塗料を得た。
【0087】(注9)SST−1MG:シャムロック
テクノロジー社製、ポリテトラフルオロエチレンワック
ス、商品名、平均粒径1〜2μm、融点約321℃を有
する。 (注10)S−363:シャムロック テクノロジー社
製、ポリエチレンとポリプロピレンとの複合ワックス、
商品名、平均粒径約5μm、融点約142℃を有する。
【0088】実施例2〜13及び比較例1〜8 下記表1に示す配合組成とする以外は実施例1と同様に
行い、各光硬化型ベースコート用塗料を得た。各光硬化
型ベースコート用塗料の配合において、各着色ベース中
の光硬化性バインダ成分の量は100部となる。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】表1中におけるワックス成分の(註)は、
それぞれ下記の意味を有する。
【0092】(*1)SST−4MG:シャムロック
テクノロジー社製、ポリテトラフルオロエチレンワック
ス、商品名、平均粒径約3μm、融点約321℃を有す
る。 (*2)SST−3:シャムロック テクノロジー社
製、ポリテトラフルオロエチレンワックス、商品名、平
均粒径約5μm、融点約321℃を有する。 (*3)SST−2:シャムロック テクノロジー社
製、ポリテトラフルオロエチレンワックス、商品名、平
均粒径約8μm、融点約321℃を有する。 (*4)Fluo625F:マイクロパウダーズ社製、
ポリテトラフルオロエチレンワックス、商品名、平均粒
径約11μm、融点約321℃を有する。
【0093】(*5)PP1362SF:ルブリゾール
ランガー社製、ポリエチレンとポリプロピレンとの複
合ワックス、商品名、平均粒径約2.5μm、融点約1
40℃を有する。 (*6)Newkem TN−1135:クローダ社
製、ポリエチレンとポリプロピレンとの複合ワックス、
商品名、平均粒径約7μm、融点約142℃を有する。
【0094】(*7)FS−722MG:シャムロック
テクノロジー社製、ポリエチレンとポリテトラフルオ
ロエチレンとの複合ワックス、商品名、平均粒径約5μ
m、低融点部の融点約115℃を有する。 (*8)Newkem TF−920:クローダ ジャ
パン社製、ポリエチレンとポリテトラフルオロエチレン
との複合ワックス、商品名、平均粒径約7.5μm、低
融点部の融点約125℃を有する。
【0095】(*9)S−394MG:シャムロック
テクノロジー社製、ポリエチレンワックス、商品名、平
均粒径約4μm、融点約113℃を有する。 (*10)Newkem TN−2950:クローダ社
製、ポリエチレンワックス、商品名、平均粒径約6μ
m、融点約130℃を有する。
【0096】(*11)HE−3040:住友精化
(株)製、商品名「フロービーズHE−3040」の略
称、ポリエチレンパウダー、平均粒径約12μm、融点
約124℃を有する。
【0097】(*12)S−400N1:シャムロック
テクノロジー社製、脂肪酸アミドワックス、商品名、
平均粒径約5μm、融点約141℃を有する。
【0098】(*13)SP−500:東レ(株)製、
ナイロンパウダー、商品名、平均粒径約5μm、融点約
165〜171℃を有する。
【0099】試験塗板の作成 上記実施例及び比較例で得た各塗料組成物を、厚さ0.
20mmのティンフリースチ−ル板に厚さ12μmのホ
モPET(ポリエチレンテレフタレート)シートを熱圧
着したPET鋼板に、乾燥膜厚が4μm又は8μmとな
るように塗装し、紫外線照射をガリウムメタルハライド
ランプ(160W/cm)を用い、塗装板との距離10
cmから、エネルギー線量が150mJ/cm2 (40
5nm)となるように行って塗膜を硬化させて試験塗板
とした。
【0100】得られた各試験塗板について、下記の試験
方法に基づいて試験を行った。なお、試験は20℃の室
内にて行った。試験結果を後記表2に示す。
【0101】試験方法 塗膜外観:試験塗板の塗膜の仕上り外観を目視にて下記
基準により評価した。 ○:塗面にツヤびけや塗膜欠陥が認められない △:僅かにツヤびけが認められる ×:著しいツヤびけ又は塗膜欠陥が認められる。
【0102】付着性:試験塗板にナイフにて素地に達す
るクロスカットを入れ、クロスカット部にセロハン粘着
テープを密着させ瞬時にテープを剥離したときの、塗膜
の剥離程度を下記基準により判定した。 ◎:塗膜の剥離が全く認められない ○:塗膜の剥離が僅かに認められる △:塗膜の剥離がかなり認められる ×:塗膜の剥離が著しい。
【0103】耐擦り傷性:試験塗板の塗膜面同志を50
0gの荷重をかけて、6cmの長さを擦り合せて1往復
したときの塗面状態を下記基準にて評価した。 ◎:塗膜に傷が認められない ○:塗膜表面に傷が僅かに認められるが実用範囲内であ
る △:塗膜表面に傷がかなり認められる ×:素地に達する傷が認められる。
【0104】インキの転写性:RIテスター(明製作所
製、展色機)を用い、全面ロールにて、熱硬化型油性ア
ルキド墨インキをインキ供給量0.2ccの条件にて、
塗板に展色したときのインキの転写状態を評価した。
【0105】○:均一にインキが転写している △:インキが少しはじき、インキの転写がやや不均一で
ある ×:インキが著しくはじき、インキの転写が不均一であ
る。
【0106】レトルト処理性:試験塗板の塗膜上に、熱
硬化型のアクリル・メラミン樹脂系の缶用水性仕上げワ
ニスを、乾燥膜厚5μmとなるように塗装し、200℃
で2分間加熱硬化させてクリヤ塗装板を作成した。得ら
れたクリヤ塗装板を、オートクレーブ中にて125℃の
沸騰水中に30分間浸漬後の塗面外観を観察し、下記基
準にて評価した。
【0107】○:塗面外観に異常が認められない △:クリヤ塗膜の透明性がわずかに低下する ×:クリヤ塗膜の透明性が大きく低下する。
【0108】
【表3】
【0109】
【表4】
【0110】
【発明の効果】本発明のベースコート用光硬化型塗料組
成物は、ワックス成分として、ポリテトラフルオロエチ
レンワックスと特定のポリエチレン系ワックスとを所定
量併用するものであって、この組成物は紫外線などの光
照射にによって、耐擦り傷性、インキの印刷適性、総合
塗膜のレトルト処理性の優れたベースコートを形成する
ことができる。
フロントページの続き (72)発明者 加藤 敦也 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 審査官 木村 敏康 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)光硬化性バインダ成分100重量
    部に対して、 (B)顔料 1〜200重量部、 (C)平均粒子径が10μm以下のポリテトラフルオロ
    エチレンワックス 1〜15重量部、 (D)平均粒子径が3〜10μmで、融点が100℃以
    上のポリエチレン系ワックス 1〜15重量部及び (E)光重合開始剤 0.1〜10重量部を含有するこ
    とを特徴とするベースコート用光硬化型塗料組成物。
  2. 【請求項2】 光硬化性バインダ成分(A)が、重合性
    不飽和基を有するラジカル重合性樹脂及びラジカル重合
    性ビニルモノマーから選ばれる1種又は2種以上の混合
    物である請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエチレン系ワックス(D)が、ポリ
    エチレン、ポリエチレンとポリプロピレンとの複合ワッ
    クス、及びポリエチレンとポリテトラフルオロエチレン
    との複合ワックスのうちの少なくとも1種である請求項
    1又は2記載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のベ
    ースコート用光硬化型塗料組成物を被塗物に塗装し紫外
    線を照射して硬化させることを特徴とするベースコート
    塗膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 ベースコート塗膜の硬化塗膜厚が3〜8
    μmであり、かつ該ベースコート用塗料組成物に配合す
    るポリエチレン系ワックス(D)の平均粒子径が該ベー
    スコート塗膜の硬化塗膜厚より0〜3μm大きいことを
    特徴とする請求項4記載のベースコート塗膜の形成方
    法。
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