JP3271123B2 - 窒化珪素と窒化硼素との複合体の製造方法 - Google Patents

窒化珪素と窒化硼素との複合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化珪素と窒化硼素と
の複合体の製造方法に関し、特に、得られる複合体の耐
熱衝撃性を向上させた、窒化珪素と窒化硼素との複合体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、機械的強度が高く耐熱性に優
れた窒化珪素と、耐熱衝撃性に優れた窒化硼素とを複合
化した材料が存在し、該材料は、溶融金属耐蝕材料、或
いは連続鋳造用耐火物等として使用されている。
【0003】ここで、従来の上記窒化珪素と窒化硼素と
の複合体の製造方法は、窒化珪素粉末と窒化硼素粉末と
の混合物に、希土類元素の酸化物、或いはAl2 3
の酸化物焼結助剤を添加混合し、該混合物を成形した
後、焼結する方法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の製造方法により得られた窒化珪素と窒化硼素と
の複合体にあっては、原料粉末である窒化珪素の難焼結
性を補うために添加混合した上記希土類元素の酸化物、
或いはAl2 3 等の酸化物焼結助剤が、焼結後、母材
である窒化珪素及び窒化硼素の焼結体の粒界相に、ガラ
ス質或いは結晶質の酸化物として残存し、これらの酸化
物が、窒化珪素或いは窒化硼素の焼結体に比し、その耐
熱衝撃性が格段に劣ることから、結果として得られた窒
化珪素と窒化硼素との複合体も、十分な耐熱衝撃性を示
さないという課題が存在した。
【0005】本発明は、上述した従来の製造方法によっ
て得られた複合体が有する課題に鑑みなされたものであ
って、その目的は、得られる複合体が十分な耐熱衝撃性
を有するものとなる、窒化珪素と窒化硼素との複合体の
製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の試
験・研究の結果、窒化珪素の難焼結性を補うために添加
混合する焼結助剤として、βサイアロン粉末、窒化アル
ミニウム粉末及び希土類元素の酸化物粉末を用いた場合
に、形成される窒化珪素と窒化硼素との複合体の耐熱衝
撃性が、大幅に向上することを見いだし本発明を完成さ
せた。
【0007】即ち、本発明は、窒化珪素粉末と窒化硼素
粉末とを重量比で90:10〜70:30の割合で混合
した混合物に、該混合物との合計量に対する内比で、β
サイアロン粉末を10〜30重量%、窒化アルミニウム
粉末を1〜6重量%、そして希土類元素の酸化物粉末を
1〜8重量%の割合で各々焼結助剤として添加混合し、
該混合物を成形した後、焼結する窒化珪素と窒化硼素と
の複合体の製造方法にある。
【0008】上記した本発明にかかる窒化珪素と窒化硼
素との複合体の製造方法よれば、得られる窒化珪素と窒
化硼素との複合体は、その耐熱衝撃性が大幅に向上した
ものとなる。
【0009】これは、添加混合した上記焼結助剤の内、
βサイアロン粉末中の酸素は、焼結後はβサイアロン結
晶として安定化し、希土類元素の酸化物粉末は、母材で
ある窒化珪素及び他に焼結助剤として添加した窒化アル
ミニウム粉末と反応し、焼結後は、一般式:MX (S
i,Al)12(O,N)16(式中、Mは希土類元素、X
≦2)で示される、αサイアロン結晶として安定化する
と考えられ、これらのαサイアロン結晶、及びβサイア
ロン結晶は共に、従来方法において焼結体の粒界相に残
存することとなった上記酸化物結晶、或いは酸化物ガラ
スに比し、その耐熱衝撃性が優れており、その結果、得
られる窒化珪素と窒化硼素との複合体の耐熱衝撃性も、
従来のものより高くなったと考えられる。
【0010】ここで、上記窒化珪素粉末としては、通常
市販されているα型窒化珪素粉末を用い、その平均粒径
は、2μm以下であることが好ましい。また、窒化硼素
粉末としては、六方晶窒化硼素粉末を用い、上記窒化珪
素と該窒化硼素との配合割合は、その重量比で90:1
0〜70:30の範囲とする。これは、上記範囲より窒
化硼素の割合が少ないと、窒化硼素の複合効果、即ち得
られる複合体の耐熱衝撃性を向上させる効果が少なく、
また、上記範囲より窒化硼素の割合が多いと、得られる
複合体の機械的強度が低くなるためである。
【0011】また、上記焼結助剤として添加するβサイ
アロン粉末は、一般式:Si6-Z Alz Z 8-Z (Z
≦4.2)で示される粉末であり、いかなる方法で製造
されたものであっても良く、例えば、SiO2 −Al2
3 系原料に、炭素粉末を添加混合し、窒素気流中で焼
成する還元窒化法により得られる、βサイアロン粉末が
挙げられる。
【0012】さらに、上記窒化アルミニウム粉末として
は、通常市販されている粉末を用い、また希土類元素の
酸化物粉末としては、Y2 3 、Yb2 3 、Nd2
3 、Er2 3 等を用いることができる。これらの焼結
助剤として添加混合する原料、即ち上記βサイアロン粉
末、窒化アルミニウム粉末及び希土類元素の酸化物粉末
は、均一混合性及び焼結効率の観点から、その平均粒径
が5μm以下であることが好ましい。
【0013】また、上記焼結助剤の各々の添加混合量と
しては、窒化珪素と窒化硼素との合計量に対する内比
で、βサイアロン粉末が10〜30重量%、窒化アルミ
ニウム粉末が1〜6重量%、そして希土類元素の酸化物
粉末が1〜8重量%の割合で添加され。これは、何れ
の成分についても、上記範囲よりもその添加量が少ない
場合には、その後の混合物の焼結が不十分となり、得ら
れる窒化珪素と窒化硼素との複合体の機械的強度が低く
なり、また、上記範囲よりもその添加量が多い場合に
は、複合体の耐熱衝撃性が悪くなるためである。
【0014】以上、記載した原料粉末である窒化珪素、
窒化硼素、及び焼結助剤であるβサイアロン粉末、窒化
アルミニウム粉末及び希土類元素の酸化物粉末の混合、
成型及び焼結の各工程は、いずれも慣用の手段により行
なうことができ、例えば、窒化珪素、窒化硼素、及び焼
結助剤の各々の成分をポットミル等で混合後、所望の形
状にプレス成形し、窒素雰囲気中において1650〜1
900°Cで焼結することにより、耐熱衝撃性に優れた
窒化珪素と窒化硼素との複合体を製造することができ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明を、実施例を挙げて詳細に説明
する。
【0016】まず、焼結助剤として使用するβサイアロ
ンの粉末を合成した。合成方法は、SiO2 微粉末、ア
ルミニウムイソプロポキシド、及びカーボンブラックの
Si、Al、及びCの原子比が、1:0.9:3になる
ようにこれらを配合し、イソプロピルアルコール中で溶
解混合した。その混合液に、水を添加し加水分解した後
乾燥し、窒素雰囲気中において1500°Cで6時間加
熱した。その後、空気中において700°Cで5時間酸
化処理を行い、残余のカーボンを除去した。得られた粉
末を、化学分析及びX線回折により測定したところ、S
3 Al3 35 の組成のβサイアロン粉末であるこ
とが確認できた。そして、その平均粒径は0.7μmで
あった。
【0017】次ぎに、平均粒径が0.8μmのα型窒化
珪素粉末(Si3 4 )、平均粒径8μmの六方晶窒化
硼素粉末(BN)、平均粒径1.5μmの窒化アルミニ
ウム粉末(AlN)、希土類元素の酸化物粉末として平
均粒径1.5μmのY2 3粉末、或いは平均粒径2μ
mのYb2 3 粉末、上記合成したβサイアロン粉末、
或いは平均粒径0.8μmのAl2 3 粉末を、各々表
1に示す割合で配合し、メタノールを分散媒としてポッ
トミルで混合し、その後乾燥して焼結用原料を得た。
【0018】得られた焼結用原料を、プレス成形により
幅50mm、長さ50mm、厚さ7mmの成形体にした
後、窒素雰囲気中において1780°Cで3時間常圧焼
結し、得られた焼結体を、JIS R 1601の「フ
ァインセラミックスの曲げ強度試験方法」に規定する、
試験片に加工した。
【0019】上記試験片によって、まず室温における3
点曲げ強度を測定し、この値を各々の試験片の基準強度
とした。つづいて、該試験片を所定温度に保持した電気
炉内に入れ、10分間保持した後氷水中に落下させ、熱
衝撃を加えた後の3点曲げ強度を測定し、その強度が、
上記基準強度の2分の1に低下する炉内温度から、氷水
温度を減じた温度(ΔT値)をもって、耐熱衝撃性とし
て評価した。その結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1より、本発明にかかる窒化珪素と窒化
硼素との複合体の製造方法により得られた試験片1〜8
は、従来の製造方法によって得られた試験片9に比し、
その耐熱衝撃性が向上していることが判明する。
【0022】また、窒化珪素と窒化硼素との配合比が、
その重量比で90:10〜70:30の範囲を逸脱する
割合で配合された試験片10,11、或いは焼結助剤の
各々の添加量が、窒化珪素と窒化硼素との合計量に対す
る内比で、βサイアロン粉末が10〜30重量%、窒化
アルミニウム粉末が1〜6重量%、そして希土類元素の
酸化物粉末が1〜8重量%の割合を逸脱する範囲で添加
された試験片12〜16は、耐熱衝撃性或いは曲げ強度
のいずれかの特性が、低下していることが判明する。
【0023】
【発明の効果】以上、説明した本発明にかかる窒化珪素
と窒化硼素との複合体の製造方法によれば、得られる複
合体の機械的強度を低下させることなく、耐熱衝撃性を
大幅に向上させることができ、該複合体材料の工業的利
用分野を拡大させることができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/583 - 35/596

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化珪素粉末と窒化硼素粉末とを重量比
    で90:10〜70:30の割合で混合した混合物に、
    該混合物との合計量に対する内比で、βサイアロン粉末
    を10〜30重量%、窒化アルミニウム粉末を1〜6重
    量%、そして希土類元素の酸化物粉末を1〜8重量%の
    割合で各々焼結助剤として添加混合し、該混合物を成形
    した後、焼結することを特徴とする窒化珪素と窒化硼素
    との複合体の製造方法。
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