JP3270857B2 - 電子写真式印刷装置 - Google Patents
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Description
り画像を印刷する電子写真式印刷装置に関する。
写機、ファクシミリ装置、パーソナルコンピュータの印
刷装置等、あらゆる分野に広く採用されている。この装
置は、感光体ドラム上に印刷すべき画像を露光し、これ
をトナーを用いて現像して印刷用紙に転写するという処
理を行う。これらの工程では、トナーが静電気の力によ
って感光体ドラム上に付着し、その後用紙上に転写され
る。従って、トナーを転写するための転写ローラ部分に
おける転写電流が画質に大きく影響を与える。この転写
電流は、用紙の含水量等により変動する。そこで、印刷
を開始したとき、用紙の先端が転写ローラに挟み込まれ
たとき、転写ローラと用紙の電気抵抗を測定し、転写電
圧をこれに対応させて調整するといった方法が採用され
ていた。
な従来の技術には次のような解決すべき課題があった。
転写部において、例えば、転写ローラや用紙の電気抵抗
値が標準値よりも大きくて、転写電流が不十分な場合に
は、用紙上に転写されるべきトナー量が減少してかすれ
が発生する。逆に転写電流が大きくなりすぎると、用紙
上へのトナーの飛び散りが発生する。
圧の調整方法では、転写ローラが用紙の先端を挟んだと
き転写ローラと用紙の電気抵抗を測定して、実際に転写
が開始されるまでの短い間に、転写電圧を決定してその
調整を行わなければならない。しかしながら、転写電圧
を供給する電源の応答速度には限界がある。このため、
高速印刷を行おうとすると、転写開始までに転写電圧の
調整が間に合わないで、用紙の先端部分でかすれ等の画
質低下が生じてしまうという問題があった。
かれた温湿度環境を測定し、これに対応する転写電圧を
予め決定してから印刷を開始するという方法もある。し
かしながら、こうした温湿度センサは高価であって、印
刷装置のコストアップにつながるという問題がある。ま
た、転写ローラは、製造時のロット間ばらつきや環境、
装置の使用に伴う経時的要因によりその抵抗値が変化す
る。従って、一律に転写電圧を制御すると、装置間の画
質にばらつきが生じる。
するため次の構成を採用する。 〈構成1〉 転写ローラの初期抵抗値を記憶した初期抵抗値記憶部
と、装置の使用を開始してからの印刷動作を数値的に計
測する使用履歴計測部と、上記初期抵抗値と上記計測値
に基づいて転写ローラの現抵抗値を推定する現抵抗値推
定部と、印刷動作を開始する前に現在の転写ローラの抵
抗値を実測して、上記現抵抗推定部の推定した現抵抗値
と比較し、印刷装置制御のための温湿度環境を推定する
環境推定部とを備え、上記環境推定部が推定した温湿度
環境に対応させて印刷装置の制御電圧を決定することを
特徴とする電子写真式印刷装置。
推定した温湿度環境に対応するように、転写部に印加す
る転写制御電圧を決定する電圧印加部を備えたことを特
徴とする電子写真式印刷装置。
は、想定される温湿度環境に対応した転写制御電圧の関
係を、印刷に使用する転写材ごとに示すテーブルデータ
を保持することを特徴とする電子写真式印刷装置。
推定した温湿度環境に対応するように、帯電部に印加す
る帯電制御電圧を決定する、電源を備えたことを特徴と
する電子写真式印刷装置。
推定した温湿度環境に対応するように、現像部に印加す
る現像制御電圧を決定する、電源を備えたことを特徴と
する電子写真式印刷装置。
材から除電を行う除電部を設け、環境推定部の推定した
温湿度環境に対応するように、上記除電部に印加する除
電制御電圧を設定する、電源部を備えたことを特徴とす
る電子写真式印刷装置。
と、装置の使用を開始してからの印刷動作を数値的に計
測する使用履歴計測部と、上記初期抵抗値と上記計測値
に基づいて上記転写ローラの現抵抗値を推定する現抵抗
値推定部と、印刷動作を開始する前に現在の転写ローラ
の抵抗値を実測して、上記現抵抗推定部の推定した現抵
抗値と比較し、印刷装置制御のための温湿度環境を推定
する環境推定部とを備え、上記環境推定部の推定した温
湿度環境に対応するように、定着制御温度を決定するこ
とを特徴とする電子写真式印刷装置。
着制御温度の関係を、印刷に使用する転写材ごとに示す
テーブルデータを保持することを特徴とする電子写真式
印刷装置。
例を用いて説明する。 〈具体例1〉 図1は、本発明の印刷装置の主要部概略説明図である。
この図は、左側に示す工程順に行うべき処理をフローチ
ャートで表し、主要な処理を行うハードウェアブロック
を右側に図示したものである。
ーラの製造工程において、転写ローラの抵抗値を測定
し、画像形成装置の製造工程において、その抵抗値を記
憶し(ステップS1〜S5)、動作時にはその初期抵抗
値を用いて転写電圧を設定する(ステップS6〜S
8)。こうした動作を行うために、図に示すように、初
期抵抗値記憶部1、印刷枚数読み出し部2、現抵抗値推
定部3、環境推定部4及び電圧印加部5が設けられてい
る。
画像形成装置の概略的な機構を図面を用いて説明する。
図2は、画像形成装置の機構説明図である。図の中心に
は感光体ドラム11が配置されており、矢印A方向に回
転するよう支持されている。この感光体ドラム11は、
外周面に負帯電型有機光導電性材を被覆し、例えば、そ
の誘電層の誘電率εは3.5εo、厚さは20ミクロン
メーターである。なお、εoは真空中の誘電率で、8.
855×10^(-12 )c/vmである。
に順に、帯電ローラ12、潜像書き込み装置13、現像
ローラ14、転写ローラ15及びクリーニングローラ1
6が配置されている。各ローラは、いずれも感光体ドラ
ム11に所定の圧力で接触し、感光体ドラム11の矢印
A方向の回転に追従して回転する。
構成され、矢印B方向に回転する。電源24からは負の
帯電用電圧が供給されている。この帯電ローラ12が感
光体ドラム11に接することによって、感光体ドラム1
1が所定の表面電位に均一に帯電される。帯電後の感光
体ドラム11には、潜像書き込み装置13から印刷画像
に対応する光ビームが照射される。感光体ドラム11
の、光ビームの明るい部分が当たって露光された個所の
表面電位は他の非露光部よりも電位が高くなる。
ドラム11の表面は現像ローラ14と接触する。現像ロ
ーラ14は矢印C方向に回転し、現像ローラ14の周囲
に数十ミクロンメーターの厚さで付着したトナーが感光
体ドラム11の表面に運ばれて現像が行われる。現像ロ
ーラ14には電源21から負の電圧が印加される。現像
工程を終えた感光体ドラム11の表面は矢印A方向の回
転によって転写ローラ15と接触する。転写ローラ15
は矢印D方向に回転する。電源22は、転写ローラ15
に対し正の電圧を印加する。この電圧はトナー電荷と逆
極性であって、感光体ドラム11の外周面のトナーは矢
印F方向に搬送される用紙10上に転写される。
この目的のために、図に示すように、初期抵抗値記憶部
1、印刷枚数読み出し部2、現抵抗値推定部3、環境推
定部4が設けられる。そして、装置の使用履歴を表示す
る枚数カウンタ6と、転写ローラ15に正電圧を印加す
る電源22の電圧を制御する電圧印加部7が設けられて
いる。
着ローラ17によって加熱加圧され、転写されたトナー
の固定が行われる。定着ローラ17は、温度制御部23
により温度制御される。用紙10は、その後さらに矢印
F方向に搬送されて図示しないトレーに排出される。
表面にトナーの一部が残るが、この部分は引き続く感光
体ドラム11の矢印A方向の回転によってクリーニング
ローラ16の部分に進む。クリーニングローラ16は矢
印E方向に回転して、未転写のトナーを静電気力で回収
する。このクリーニングローラ16は発泡体の導電性ゴ
ムから構成される。
圧を印加する。これにより、感光体ドラム11上のトナ
ーはクリーニングローラ側に静電気力で引き付けられ、
感光体ドラム11の表面がクリーニングされる。
タイミングチャートを示す。この図には、上記の画像形
成装置の各電源24,21,22,23の出力する出力
電圧と時間の関係を示す。この図の(a)には、図2に
示した帯電ローラ12の帯電電圧の変化を示し、(b)
には、現像ローラ14による現像電圧の変化を示す。ま
た、(c)には、転写ローラ15による転写電圧の変化
を示し、(d)には、クリーニングローラ16の転写電
圧を示す。この図に示すように、感光体ドラム11が回
転を開始してから露光を始めると回転が停止するまで、
所定の負の帯電電圧が印加される。現像ローラ14に
も、感光体ドラム11の回転開始後まもなく所定の負の
現像電圧が印加される。その後用紙10が転写ローラ1
5の部分に進入すると、正の転写電圧が印加されて転写
が開始される。
作を具体的に説明する。図1において、転写ローラの製
造工程では、まずステップS1で転写ローラを製造し、
次にステップS2で、その転写ローラを特定の環境下で
特定時間放置する。この環境は、例えば温湿度20℃、
50%の環境とする。また、放置時間は24時間とす
る。この放置時間は、その 環境下で転写ローラの抵抗値
が安定するために十分な時間とする。次に、ステップS
3において、その環境下で転写ローラの抵抗値を実測す
る。こうして測定した抵抗値を初期抵抗値と呼ぶことに
する。
プS4において、転写ローラを装置へ実装する。そし
て、ステップS5において、製造時測定した初期抵抗値
を装置の記憶部に記憶する。この記憶部のことを図に示
すように初 期抵抗値記憶部1と呼ぶ。これには、装置の
不揮発性メモリ等を利用する。
に記憶するデータの説明図を示す。この図4は、抵抗測
定値とランク値と実機動作中の換算値を対応付けたテー
ブルデータの内容説明図である。この図に示すように、
転写ローラの初期抵抗値の値に応じて、ランク値1〜1
4のランクを対応させておく。即ち、製造時のロットの
ばらつきによって様々な抵抗値が測定されるが、これに
対応するランク値を定めておく。例えばこのランク値を
初期抵抗値記憶部1に記憶させておく。また、あるいは
装置の入力ポート等に接続されて装置の制御部が読み出
しすることのできるディップスイッチ等にランク値を設
定しておく。
実機動作中の換算抵抗値は、各ランク値でそれぞれこの
図に示すような値になる。実機の使用を開始すると、こ
の抵抗値が次第にその環境によって変化する。この変化
量から使用環境を推定する。
成装置を動作させる際に、転写ローラの抵抗値に着目し
て転写電圧を決定する部分である。この転写電圧決定動
作は、例えば装置の電源をオンしたとき、あるいは印刷
用の用紙を切り換えたとき等、任意のタイミングで実行
される。まず、ステップS6では、装置の累積印刷枚数
を読み出し、計算によって経時変化分の補正を実行す
る。即ち、図2に示した枚数カウンタ6から印刷枚数読
み出し部2が印刷枚数をカウントする。従来から、装置
寿命を判断するために、画像形成装置は、累積印刷枚数
や感光体ドラムの回転数を記憶している。この目的のた
めに設けられている枚数カウンタ6から印刷枚数を読み
出すことによって、これを装置の経時変化推定に利用す
る。この印刷枚数は、現抵抗値推定部3に通知される。
現抵抗値推定部3では次のような計算を行う。
例説明図を示す。図に示すように、転写ローラの印刷枚
数に対する抵抗値の変化の傾向を、予め実験によって調
べておく。この図に示すように、印刷枚数が増加する
と、その抵抗値は次第に増加する傾向にある。転写ロー
ラの初期抵抗値をRst、現在の転写ローラの抵抗値を
Rtr、印刷枚数をNとすると、これらの関係は次のよ
うに近似できる。 Rtr=Rst×3^(N/150 ) こうして求めた推定による現抵抗値は、初期抵抗を測定
した環境下、即ち20℃、50%の温湿度環境下での抵
抗値である。
いるランク値が13であったとすると、初期抵抗値は図
4に示す表を参照することによって0.7×108 とな
る。装置の印刷枚数を2万枚とすると、推定される抵抗
値Rtrは上記の式により0.81×108 となる。な
お、こうした演算は、この式をコンピュータのプログラ
ムにより実行してもよいし、よく知られた演算テーブル
を用いて求める値を取り出すようにしてもよい。
実機中での現在の転写ローラの抵抗値を実測する。これ
は、特定の電流値を転写ローラに流して、そのときに発
生する電圧値から計算により求める。例えば、実測によ
って得られた抵抗値Rrdが0.5×108 であったと
する。この場合、推定によって求めた抵抗値Rtr(=
0.81×108 )との差は、環境変化によって発生し
たものと見なす。
変化の一例説明図を示す。この図に示すように、同一の
環境では、印刷枚数が増加するほど抵抗値が次第に増加
していく。そして、図に示すように、含水量が2分の1
になると、抵抗値は約2倍になり、含水量が2倍になる
と抵抗値は約2分の1になる。実測した抵抗値が推定し
た抵抗値よりも下がっているということが、装置の置か
れている環境が20℃、50%よりも含水量が増えてい
る状態であると推定できる。ここでの変化分をRsfと
すると、この値が次のように定義できる。 Rsf[%]=100×(Rrd−Rtr)/Rtr この式に上記のRrdとRrtの値を当てはめると、R
sfは−38.3[%]となる。
転写材である用紙の含水量も増えていると推定できる。
用紙の含水量が増加すると、転写工程における用紙の見
かけ上の抵抗値はそのほとんどが下がり、特定の電圧値
で転写制御を行った場合には、流れる電流値が増加す
る。
圧特性の一例説明図を示す。この図の(a)及び(b)
は、いずれも横軸に電圧をとり、縦軸に電流をとって、
転写ローラのみの場合と転写ローラと用紙等の転写材と
を合わせた場合の電流電圧特性を示したものである。
(a)は含水量が2倍に増えたために、実線で示す基準
の転写ローラの電流電圧特性に対して、破線で示すよう
な転写ローラと用紙等の転写材との複合した電流電圧特
性が得られる。
よって含水量が2分の1に下がった場合には、転写ロー
ラも転写材である用紙も電気抵抗が上がるため、図の破
線に示すように、電圧に対する電流増加の割合が下が
る。こうした差を無視すると良好な転写が行えないこと
が多い。本発明では、転写ローラの抵抗値から転写材で
ある用紙の含水量を推定することによって、こうした条
件の違いを正確に推定し補正することが可能になる。
定部3が転写ローラの抵抗値を推定すると、次のステッ
プS7では、環境推定部4が実機中での現在の転写ロー
ラの抵抗値を実測して推定値との比較を行う。この転写
ローラの抵抗値実測のための回路構成を次の図を用いて
説明する。
ブロック図を示す。転写ローラ5へ、この図に示すよう
な回路を用いて所定の電圧を印加し、その実際の抵抗値
を測定する。また、印刷動作中にはこの電圧印加部か
ら、所定の転写電圧が印加される。図のように、この回
路には、定電圧制御用フィードバック回路31と定電流
制御用フィードバック回路32とが設けられる。これら
の出力は、それぞれA/Dコンバータ33,34を介し
て後続回路に入力する。図の回路の中央部分には定電圧
制御用ラッチレジスタ35、定電圧用スライスレジスタ
36、定電流制御用ラッチレジスタ37、定電流用スラ
イスレジスタ38が設けられる。定電圧制御用ラッチレ
ジスタ35と定電圧用スライスレジスタ36の出力は、
比較回路(COMP)39に入力し、両者が比較された
結果が定電圧定電流制御切り換え回路41に入力する構
成となっている。
定電流用スライスレジスタ38の出力は比較回路(CO
MP)40に入力され、その比較結果が定電圧定電流制
御切り換え回路41に入力するよう構成されている。比
較回路39と比較回路40の出力は、定電圧定電流制御
切り換え回路41によってどちらか一方が選択され、P
WM回路42に入力する。PWM回路42の出力は、電
圧発生回路43を経て転写ローラ15に入力する。この
電圧発生回路43の出力は、フィードバックされて定電
圧制御用フィードバック回路31及びA/Dコンバータ
33を経て定電圧制御用ラッチレジスタ35に入力す
る。また、同一のフィードバック信号は、定電流制御用
フィードバック回路32と、A/Dコンバータ34を経
て、定電流制御用ラッチレジスタ37に入力する。
制御用ラッチレジスタ37は、このA/Dコンバータ3
3とA/Dコンバータ34の出力によってそれぞれ書き
換えられる。定電圧用スライスレジスタ36、定電流用
スライスレジスタ38は、いずれも制御部30の制御に
よって制御値が書き込まれる構成になっている。
を説明する。まず、定電流制御を行うこととし、制御部
30によって、定電流用スライスレジスタ38に出力電
流値が書き込まれる。また、定電圧定電流制御切り換え
回路41は、比較回路40の出力を受け入れて、PWM
回路42に出力するよう制御される。所定のタイミング
でPWM回路42が起動されると、電圧発生回路43を
通じて転写ローラ15に所定の電圧が印加される。この
とき、その出力は定電流制御用フィードバック回路32
と、A/Dコンバータ34を介して定電流制御用ラッチ
レジスタ37に取り込まれる。
に記憶された電流値と実際の出力電流とが比較回路40
によって比較される。その出力は定電圧定電流制御切り
換え回路41を介してPWM回路42に入力する。この
信号により、PMW回路42のオンオフが制御され、定
電流用スライスレジスタ38に記憶された電流値の安定
した出力が得られる。
制御用フィードバック回路31において受け入れ、A/
Dコンバータ33を介して定電圧制御用ラッチレジスタ
35に取り込む。この値を読み取ることによって、その
ときの出力電圧を検出することができる。こうして、定
電圧制御用ラッチレジスタ35で検出した出力電圧と定
電流用スライスレジスタ38にあらかじめ設定した電流
値とを用いて転写ローラ15の、実際の抵抗値が計算で
きる。
圧制御を行う。制御部30は、定電圧用スライスレジス
タ36に制御すべき電圧値を書き込む。そして、定電圧
定電流制御切り換え回路41を定電圧制御動作に切り換
えて、比較回路39の出力を受け入れるようにする。こ
うして、PWM回路42が起動し、電圧発生回路43か
ら所定の電圧が転写ローラ15に印加されると、この電
圧は定電圧制御用フィードバック回路31により検出さ
れ、A/Dコンバータ33を介して定電圧制御用ラッチ
レジスタ35に入力する。
36に記憶された電圧値と定電圧制御用ラッチレジスタ
35に入力した電圧値とを比較し、その差分を定電圧定
電流制御切り換え回路41を介してPWM回路42に出
力する。この差分によって、PWM回路42が所定のタ
イミングでオンオフし、定電圧制御を行う。
ローラ15に供給される。即ち、定電流制御によって、
転写ローラ15の抵抗値を測定するとともに、その抵抗
値と図1に示した現抵抗値推定部3の推定した転写ロー
ラの抵抗値とを比較することによって、これまで説明し
た通りの要領で現在の環境を推定する。その推定結果を
もとにして、転写材である用紙の状態を推定し、最適な
転写電圧を決定すると、図8に示した回路によって定電
圧制御を行い、転写ローラ15に所定の転写電圧を印加
する。
写電圧値との関係を示した。本発明の印刷装置には、こ
の図に示したような関係のテーブルデータを格納してお
く。即ち、この図に示すように、環境変化分Rsfに対
し転写電圧値を何ボルトにすべきかを定めておく。この
関係は、あらかじめ実験により求める。装置が実際に使
用を開始されると、そのつどこの関係をもとに転写電圧
を決定する。図1の例では、環境推定部4がこのテーブ
ルデータを参照して決定した転写電圧値が電圧印加部7
に送り込まれ、転写ローラ15に所定の転写電圧が加え
られる。
写ローラの初期抵抗値と累積した印刷枚数とから転写ロ
ーラの現抵抗値を推定するとともに、これを実際に測定
した転写ローラの抵抗値と比較して環境を推定し、最終
的な転写電圧を決定するようにすれば、例えば温湿度セ
ンサのような高価な部品を組み込むことなく、装置内の
温湿度環境を正確に推定し、転写電圧の最適化を行うこ
とができる。しかも、この処理は印刷開始前に行うこと
ができるため、印刷開始後は用紙を高速搬送することも
可能になる。これによって、印刷品位の向上と、印刷速
度アップが図られる。
図9に示すような環境変化分に対応する転写電圧値のテ
ーブルデータを用意し、温湿度環境に対応する転写電圧
を自動的に一意的に決定した。ところが、転写材である
用紙の種類によって、その抵抗値は異なってくる。例え
ば、同一の材質であっても厚みの厚い用紙と薄い用紙の
場合には転写条件は異なる。また普通紙と、特殊なコー
ティングが施された用紙、あるいはオーバーヘッドプロ
ジェクタ用のフィルムといった各種の転写材では、また
印刷条件が異なってくる。この具体例では、こうした転
写材の種類に応じた転写電圧の最適化を行うようにす
る。
転写電圧値との関係を転写材毎に設定したテーブルデー
タを示す。この図に示すように、3種類の転写材A,
B,Cのいずれかを指定することによって、温湿度環境
に対応する転写電圧値を最適化でいきるようにしてい
る。装置の使用者は操作パネルを操作することによっ
て、これから転写を行おうとする転写材の材質を装置に
入力する。これによって、装置は、このテーブルのいず
れかに設定された転写電圧を選択し、転写電圧の最適化
を行う。
合の違いの例を示す。(a)は、転写材Aの温湿度環境
の変化に対する影響を示す。これは、既に図7を用いて
説明した転写材と同一の普通紙の例で、破線に示すよう
に、温湿度環境の変化により比較的大きな抵抗変化が見
られる。一方、(b)は、転写材Cの環境に対する抵抗
変化分を示す。転写材Cの場合、破線に示すように、環
境変化に対して抵抗値がほとんど変わらない。これは湿
度の影響を受けないプラスチック製の用紙のような場合
に該当する。このことから、図10のテーブルに示すよ
うに、転写材Cについては、環境変化分を考慮しない一
定の転写電圧が与えられる。また、転写材Aについて
は、環境変化分が大きいほど転写電圧が次第に高くなる
ように、しかもその電圧の変化率が大きくなるように設
定されている。このようにして、転写材に応じた転写電
圧の最適化が図られる。
2では、具体例1の構成に加えて、環境変化に対する転
写電圧値の設定を転写材に応じて切り換えるようにした
ので、複数種類の転写材を利用した場合、転写材毎に転
写電圧の最適化が可能となる。
写ローラの抵抗値変化を検出して転写電圧の最適化を行
った。一方、図2を用いて説明した帯電ローラ12も温
湿度環境の変化によって抵抗値が変化する。帯電ローラ
の抵抗値が変化すると、定電圧制御で特定の電圧値を帯
電ローラに印加するという方法では、感光体ドラム表面
の表面電位が変化してしまう。一般に、帯電ローラの抵
抗値が上がると感光体ドラムの表面電位が下がり、帯電
ローラの抵抗値が下がると感光体ドラムの表面電位が上
がる傾向にある。
面電位の関係を示す。この図の縦軸には感光体ドラムの
表面電位を示し、横軸には帯電電圧を示す。この図か
ら、感光体ドラムの表面において同じ表面電位を得よう
とした場合、帯電ローラの抵抗値が変わると、帯電電圧
値を変えなければならないことがわかる。感光体ドラム
の表面電位が上がり過ぎると印刷濃度が薄くなってしま
う。逆に感光体ドラムの表面電位が下がり過ぎると印刷
濃度が濃くなり過ぎたり、非露光部へのトナーの付着が
発生する等の印刷画像不良を起こす。正常な印刷を行う
ためには、帯電電圧値を適正化して、感光体ドラムの表
面電位を一定の範囲に保持する必要がある。ところが、
具体例1と同様の方法で帯電ローラの初期抵抗値の記憶
や温湿度環境の推定等を行おうとすると回路規模の拡大
からコストアップにつながる。
装置の本体側に実装されているケースは少なく、そのほ
とんどが消耗品である画像形成ユニット内に実装されて
いる。従って、消耗品の交換の度に帯電ローラの初期抵
抗値の記憶を行うのは操作性を悪くする。この具体例で
は、転写ローラによる温湿度環境の推定に基づいて、環
境変化分と、感光体ドラムの表面電位を一定範囲内に収
めるための帯電ローラへの印加電圧とを対応させる。
帯電電圧値の関係を設定したテーブルデータを示す。即
ち、別途実験により、環境変化に応じた帯電電圧値をこ
の図に示すように求めておく。そして、具体例1の環境
推定結果を利用して、帯電電圧の最適化を図る。
ーラの抵抗変化から求めた温湿度環境の変化に対応させ
て、最適な帯電電圧値を選定するようにしたので、帯電
部における帯電ローラの抵抗値変化等に基づく帯電電圧
の変動を抑え、印刷品位の向上を図ることができる。
ラム11には、現像のために現像ローラ14が接触して
いる。この現像ローラ14や同時に現像部に組み込まれ
るスポンジローラについても温湿度環境によってその抵
抗値が変化する。現像ローラへ印加する電圧値とスポン
ジローラに印加する電圧値を含めて、現像電圧値と呼ぶ
とすると、その電圧値を一定に保持したままとすれば、
これらのローラの抵抗値が変化すると、現像能力が変動
する。即ち、トナーを帯電させる電気的な作用や帯電し
たトナーを感光体ドラム上に移動させて静電潜増を現像
するための能力が変化してしまう。
のトナーの付着を引き起こす恐れもある。こうした理由
から、正常な印刷を行うためには、現像電圧値を温湿度
環境に応じて切り換えることが好ましい。現像ローラや
スポンジローラは、帯電ローラと同様に、消耗品である
画像形成ユニット内に実装されているため、帯電ローラ
の場合と同様にして具体例1を用いて求めた温湿度環境
を利用することが好ましい。このことから、温湿度環境
の変化と現像電圧値との対応関係を予め実験により求め
ておく。
現像電圧値との関係説明図を示す。この図に示すよう
に、環境変化分に応じた現像電圧値を、現像ローラ及び
スポンジローラに対してそれぞれ設定しておく。これに
よって、温湿度環境が変化した場合、現像電圧値をそれ
ぞれ最適値に選定する。
方法で、転写ローラの抵抗値変化から環境を推定し、更
にその環境変化に応じた現像ローラやスポンジローラ
等、現像部における現像電圧値を予め求めておき、環境
変化に応じてその最適値を選定することができるので、
現像電圧を考慮した印刷品質の向上を図ることができ
る。
0は転写部を通過した後、定着ローラ17によって定着
処理が行われる。この場合に、転写材である用紙10が
温湿度変化の影響を受けると、一定の定着温度で制御し
ている場合に画質の変化が生じる。これによって、例え
ば温度が低すぎるため定着不良が発生したり、温度が高
すぎるため定着材がカールしたりする等の印刷不良が生
じる恐れがある。同一種類の転写材であっても、置かれ
た環境によってその最適温度は変わってくる。例えば、
乾燥した状態では正常に行えるような設定であっても、
多湿状態で紙等の転写材が水分を多く含んだ状態では、
同一条件で定着処理を行うと、転写材がカールしたりし
わになったりすることがあって印刷不良になる。具体例
1の手法を利用して、この問題を次のように解決する。
定着装置制御温度との関係説明図を示す。この図に示す
ように、環境変化に応じて転写材毎に、それぞれ最適な
定着装置制御温度を設定している。このような設定も、
これまでの具体例と同様に、実験的な結果をもとにして
記憶部に記憶させる。転写ローラの抵抗値から環境を推
定すると、この環境変化分を考慮して定着装置の定着温
度を選択する。これによって、定着温度の最適化を図
る。
て、転写ローラの抵抗値と温湿度環境との関係に従っ
て、実際の温湿度環境を推定し、この環境変化分を考慮
し、転写材の種類も考慮して、定着装置の温度を制御し
たので、環境によりまた転写材の種類に応じた最適な定
着温度を設定できる。なお、この定着温度設定は、図2
に示した温度制御部23によって行えばよい。
圧を環境の変化に応じて制御する例を示す。図16に、
除電部のブロック図を示す。感光体ドラム11と接して
回転する転写ローラ15の下流側には除電部45が配置
される。この除電部45は転写終了後の用紙10から静
電気を除去する役割を果たす。即ち、感光体ドラム11
と用紙10とが静電気によって引き付け合って搬送が正
常に行われない場合がある。そこで、除電部45が用紙
10の静電気を除去し、用紙10を図示しない定着部方
向へ円滑に搬送するよう構成されている。この除電部4
5には電源部46が接続される。従来は除電部45がそ
のまま接地され、グランドレベルに保持されていた。
用紙10の抵抗値が低くなり、転写ローラ15に電源部
22から加えられた電源電圧が除電部45を介して流
れ、十分な転写電流が得られなくなることがある。これ
では転写不良が発生する。そこで具体例1を用いて求め
た環境変化分を除電部45に加える電圧に反映させる。
除電部への印加電圧との関係説明図を示す。この図に示
すように、環境変化分の小さい低湿度環境下では除電部
45が接地電圧に設定され、環境変化分の大きい高湿度
環境下では除電部45の電圧が転写ローラの電圧に近付
くように設定される。従って、高湿度環境下で転写材で
ある用紙10の電気抵抗が低下しても、転写電流が除電
部を通じて流出することがない。
て、転写ローラの抵抗値変化より環境変化分を検出し、
これを除電部における除電電圧に反映させたので、高湿
度環境下において、除電部から転写電流が流失すること
がなく、転写条件の最適化ができる。
ある。
ある。
る。
る。
図である。
明図である。
ある。
図である。
係説明図である。
明図である。
明図である。
係説明図である。
関係説明図である。
度との関係説明図である。
加電圧との関係説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 転写ローラの初期抵抗値を記憶した初期
抵抗値記憶部と、 装置の使用を開始してからの印刷動作を数値的に計測す
る使用履歴計測部と、 前記初期抵抗値と前記計測値に基づいて前記転写ローラ
の現抵抗値を推定する現抵抗値推定部と、印刷動作を開始する前に 現在の転写ローラの抵抗値を実
測して、前記現抵抗推定部の推定した現抵抗値と比較
し、印刷装置制御のための温湿度環境を推定する環境推
定部とを備え、 前記環境推定部が推定した温湿度環境に対応させて印刷
装置の制御電圧を決定する ことを特徴とする電子写真式
印刷装置。 - 【請求項2】 請求項1において、 環境推定部の推定した温湿度環境に対応するように、転
写部に印加する転写制御電圧を決定する電圧印加部を備
えたことを特徴とする電子写真式印刷装置。 - 【請求項3】 請求項2において、 電圧印加部は、想定される温湿度環境に対応した転写制
御電圧の関係を、印刷に使用する転写材ごとに示すテー
ブルデータを保持することを特徴とする電子写真式印刷
装置。 - 【請求項4】 請求項1において、 環境推定部の推定した温湿度環境に対応するように、帯
電部に印加する帯電制御電圧を決定する、電源を備えた
ことを特徴とする電子写真式印刷装置。 - 【請求項5】 請求項1において、 環境推定部の推定した温湿度環境に対応するように、現
像部に印加する現像制御電圧を決定する、電源を備えた
ことを特徴とする電子写真式印刷装置。 - 【請求項6】 請求項1において、 転写部を通過した印刷に使用する転写材から除電を行う
除電部を設け、 環境推定部の推定した温湿度環境に対応するように、前
記除電部に印加する除電制御電圧を設定する、電源部を
備えたことを特徴とする電子写真式印刷装置。 - 【請求項7】 転写ローラの初期抵抗値を記憶した初期
抵抗値記憶部と、 装置の使用を開始してからの印刷動作を数値的に計測す
る使用履歴計測部と、前記初期抵抗値と前記計測値に基
づいて前記転写ローラの現抵抗値を推定する現抵抗値推
定部と、 印刷動作を開始する前に現在の転写ローラの抵抗値を実
測して、前記現抵抗推定部の推定した現抵抗値と比較
し、印刷装置制御のための温湿度環境を推定する環境推
定部とを備え、 前記環境推定部の推定した温湿度環境に対応するよう
に、定着制御温度を決定することを特徴とする電子写真
式印刷装置。 - 【請求項8】 請求項7において、 想定される温湿度環境に対応した、定着制御温度の関係
を、印刷に使用する転写材ごとに示すテーブルデータを
保持することを特徴とする電子写真式印刷装置。
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