JP3270603B2 - アンカーボルト取付方法 - Google Patents

アンカーボルト取付方法

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JP3270603B2
JP3270603B2 JP31709493A JP31709493A JP3270603B2 JP 3270603 B2 JP3270603 B2 JP 3270603B2 JP 31709493 A JP31709493 A JP 31709493A JP 31709493 A JP31709493 A JP 31709493A JP 3270603 B2 JP3270603 B2 JP 3270603B2
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真二 岸田
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積水プラントシステム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンクなどの機器をア
ンカーボルトによってコンクリート基礎上に固定する際
に採用されるアンカーボルト取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンクなどの重量物の機器は、通常、地
盤を掘削して構築された鉄筋コンクリートの基礎上に据
え付けられており、基礎内に埋め込まれたアンカーボル
トによって固定されている。アンカーボルトは、一方の
端部にL型、J型などのアンカー部を有しており、他方
の端部にネジ部が設けられている。
【0003】基礎は、地盤を掘削して得られた凹部内に
構築される。凹部の底面上に、まず、割栗石が敷きつめ
られて、その上に捨てコンクリートが設けられ、捨てコ
ンクリート上に鉄筋および型枠が構築される。そして、
アンカーボルトを埋め込む予定位置に、閉塞された底面
部に対向して開口部を設けた箱状中空体が、開口部を上
にして予め仮固定され、その後に、コンクリートが型枠
内に注入される。箱状中空体は、材木、金属、厚紙など
によって、開口部を有する直方体、円筒などに形成され
ている。
【0004】コンクリートが硬化した時、仮固定された
箱状中空体が除去される。このようにして基礎となるコ
ンクリート上部に、機器が据え付けられる支持脚などに
対応する凹部が形成される。次いで、コンクリート上の
定位置に仮置きされた機器の基礎ボルト孔から、アンカ
ーボルトが上記凹部内に垂下される。この際、コンクリ
ートに設けられた凹部が十分に大きく、深く形成されて
いると、アンカーボルトを垂下させる作業が容易にな
る。
【0005】この後、上記凹部内にグラウトが注入され
る。注入されたグラウトが硬化した後に、機器の基礎ボ
ルト孔から突出しているアンカーボルト上部のネジに螺
合したナットを締めつけることによって、機器は、コン
クリート上に固定される。つまり、機器は、アンカーボ
ルト、グラウトを介してコンクリートに固定されること
になる。
【0006】ところが、グラウトをコンクリート上部に
形成された凹部内に注入するに当たって、グラウトがそ
の凹部の隅々にまで十分に行き渡っているかどうかを知
ることは困難である。すなわち、凹部は、開口部が小さ
いわりに深く形成されていることが多いので、ややもす
れば、グラウト注入が不十分となり、凹部の底や側面
部、アンカーボルトの周囲部、あるいは機器の支持脚の
下面などに空隙が生じ易いが、その空隙の有無をコンク
リートの上方から目視によって知ることは難しいからで
ある。
【0007】しかも、グラウトは、硬化する際に収縮し
て、凹部内に垂れ下がったアンカーボルトを中心に塊と
なって凝固し易い。したがって、コンクリートの凹部側
面部と塊となったグラウトの間が十分に密着していない
状態になり易い。
【0008】このために、横風、地震などによって、据
え付けられた機器のアンカーボルトに垂直方向の引き抜
き力が作用した時、グラウトがアンカーボルトとともに
コンクリートの凹部から抜け出し、据え付けられた機器
が横転するおそれがある。
【0009】そこで、コンクリートとグラウトとの結合
力を向上させるために、開口部および底部を有する円筒
中空体の周面を螺旋状に外方に突出させ、開口部を上に
して、この中空体の底部および周面部をコンクリート中
に埋め込む方法も実施されている。
【0010】コンクリート上の定位置に仮置きされた機
器の基礎ボルト孔から、アンカーボルトが上記円筒中空
体の内部に垂下され、この円筒中空体内部にグラウトが
注入される。この場合には、円筒中空体の外周面に設け
られた突出部が周囲のコンクリートと係合しているため
に、円筒中空体がコンクリートから引き抜かれることは
抑止される。
【0011】しかし、円筒中空体内部も螺旋状に窪んだ
状態になっているために、注入されたグラウトが十分に
隅々に行き渡らず、グラウトと円筒中空体内周面との間
に空隙が生じて、グラウトの強度が不十分になり易い。
したがって、据え付けられた機器のアンカーボルトに垂
直方向の引き抜き力が作用した時、グラウトが引き抜き
力に抗しきれず壊れて、アンカーボルトが円筒中空体内
部から抜け出し、据え付けられた機器が横転するおそれ
がある。
【0012】こうしたグラウトの不安定な要素を解消す
るため、アンカーボルトを埋め込む予定位置に、予め鉄
筋を配設し、その予定位置からずらせて箱状中空体を仮
固定し、コンクリート打設後に上記箱状中空体を除いて
コンクリート上部に凹部を設け、この凹部の近傍をはつ
って鉄筋を露出させ、コンクリート上の定位置に仮置き
した機器の基礎ボルト孔からアンカーボルトを上記凹部
内に垂下し、露出した鉄筋にアンカーボルトのアンカー
部を係止させ、この後、グラウトを凹部内に注入する方
法も実施されている。
【0013】この場合には、機器がアンカーボルトを介
して直接鉄筋に係止されるので、予測した強度を確保で
きる。しかし、コンクリートを打設して硬化させた後に
コンクリートをはつらなければならず、手間を要する。
また、コンクリートが硬化した後には、コンクリート中
に存在する鉄筋の位置が正確には分からないために、コ
ンクリートを大きくはつらなければならない場合もあ
る。さらには、機器の基礎ボルト孔位置から鉄筋までの
ずれが大きすぎてアンカーボルトを鉄筋に係止できない
おそれもある。
【0014】そこで、コンクリートのはつり作業をなく
し、かつ、埋め込まれたアンカーボルトが容易に引き抜
かれないようにするために、アンカーボルト下部を鉄筋
に直接、溶接などによって接続し、また、アンカーボル
ト下部に鋼板を水平状態に取り付けて抜け止めとし、あ
るいは、複数のアンカーボルトの下部同士を鋼材などで
連結しておき、コンクリートの打設時にアンカーボルト
の下部を埋め込んで、アンカーボルト上部をコンクリー
ト上面から突出させる、という方法も行われている。打
設されるコンクリートの上面は、据え付けられる機器が
傾かないように、水平に仕上げられる。
【0015】このようなアンカーボルトの取付構造とす
ることによって、アンカーボルトの下部はコンクリート
内に強固に固定される。つまり、所定位置に据え付けら
れた機器は、アンカーボルトを介してコンクリート基礎
に強固に固定されることになる。
【0016】したがって、横風、地震などによってアン
カーボルトに大きな引き抜き力が作用し、アンカーボル
トがグラウト毎引き抜かれて機器が横転する、といった
事故を防止することができ、安全に使用される。
【0017】しかし、この場合には、アンカーボルト上
部のネジ部を残してコンクリート注入を終了することに
なるので、高く突出した複数本のアンカーボルトのネジ
部間などの狭隘なコンクリート上面を平滑に、かつ水平
に仕上げることは容易ではない。また、機器の複数の基
礎ボルト孔位置と、複数のアンカーボルトネジ部の位置
が正確に一致するようにアンカーボルトを付設すること
も容易でない。さらに、硬化したコンクリートの上面に
複数のアンカーボルトのネジ部が突出することになるの
で、各アンカーボルトのネジ部を機器に一体的に設けた
支持脚の基礎ボルト孔に貫通させようとする時には、機
器をコンクリート上で引きずって位置合わせすることが
できず、機器を吊り上げて定位置上まで持ってきて、水
平を保った状態で降ろさなければならない。吊り上げた
機器を傾いた状態で降ろすと、機器の複数の基礎ボルト
孔に複数のアンカーボルトネジが貫通できず、また、水
平を保った状態であっても、全ての基礎ボルト孔位置と
全てのアンカーボルトネジ位置とが合致しないと貫通し
ないので、機器の据え付け作業は極めて困難であり、特
に機器が重量物である場合は危険でもある。
【0018】そこで、コンクリート上面を平滑かつ水平
に仕上げ、機器の複数の基礎ボルト孔位置と、複数のア
ンカーボルトネジ部の位置を正確に一致させるために、
次のような方法を採用することもあった。すなわち、機
器の複数の基礎ボルト孔位置と全く同一の配置でアンカ
ーボルト挿通用の複数の孔を設けた鋼板、材木などの板
状体を作成しておき、次いで、アンカーボルト下部を鉄
筋に直接、溶接などによって接続し、またはアンカーボ
ルト下部に鋼板を水平状態に取り付けて抜け止めとし、
あるいは、複数のアンカーボルトの下部同士を鋼材など
で連結し、アンカーボルトのネジ部を上方に向けて固定
し、この後、これら複数のアンカーボルトのネジ部を上
記板状体の複数のアンカーボルト挿通用の孔に挿通す
る。さらに、機器を据え付けた際の機器の下面と同じ位
置に上記板状体の下面があることを確認して、該板状体
を固定する。この際、近くの鉄筋に適当な支持材を溶接
し、この支持材によって板状体を仮固定する。こうした
処置を行った後に、上記板状体の下面に達するまでコン
クリートを打設する。この時、板状体の下方に空気溜ま
りができないように、十分に注意する必要がある。こう
して、コンクリートが硬化した後に該板状体を取り除
く。
【0019】しかし、この場合も、硬化したコンクリー
トの上面にアンカーボルトのネジ部が突出した状態にな
り、該アンカーボルトのネジ部を、機器に一体的に設け
た支持脚の基礎ボルト孔に挿通させるためには、機器を
吊り上げて定位置上まで持ってきて、水平を保った状態
で降ろさなければならないので、機器の据え付け作業は
極めて困難であり、危険でもある。
【0020】また、実際の作業現場においては、予定し
た位置から多少ずらした所に機器を据え付けることがよ
く行われるが、コンクリート中にアンカーボルトが埋め
込まれている状態であれば、機器を動かすことが非常に
困難なことになり、隣接した機器や連結部材などの寸法
誤差などに対応できない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な欠点を解消しようとするものである。すなわち、この
発明は、 (1)グラウト注入作業を行うことが容易でない状況に
ある場合や、不慣れな作業者がグラウト注入を行った場
合、コンクリートの凹部内に空隙ができ易いが、たとえ
空隙が存在していても予定された強度を確保できるよう
にし、機器に作用する外力によってアンカーボルトがコ
ンクリートの凹部内から抜け出さないようにする。 (2)鉄筋を露出させるためのはつり作業をなくす。 (3)予めアンカーボルト下部を固定しておいて、その
後、コンクリート打設を行う手順であれば、コンクリー
ト中から上方に突出したアンカーボルトのネジ部が邪魔
になって、コンクリート上面を平滑に、かつ、水平に仕
上げる作業が困難となるので、コンクリート打設時にア
ンカーボルト下部を埋め込むという方法を避ける。 (4)アンカーボルトのネジ部をコンクリート上面から
高く突出させ、吊り上げた機器を定位置上まで持ってき
て、水平を保った状態で降ろすという作業は困難であ
り、危険でもあるから、機器をコンクリート上で引きず
って位置合わせできるようにし、機器の据え付け作業を
容易に、かつ、安全に行うものとする。 (5)機器を予定した位置から多少ずらした所に据え付
けることはよく行われることであり、こうした臨機応変
の対処ができるようにする。 (6)機器がアンカーボルトを介して、コンクリートに
直接強固に係止されている構造とする。ものであり、横
風、地震などによってアンカーボルトに大きな引き抜き
力が働き、アンカーボルトがコンクリートの凹部から引
き抜かれて機器が転倒する、といった事故を防止しよう
とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、閉塞された底
面部に対向して開口部が設けられて、その開口部から内
部にグラウトが注入される中空体であって、コンクリー
ト内に埋め込まれた際に、コンクリートからの引き抜き
力に対する抵抗となる抵抗部を有するケース本体と、ケ
ース本体の内部に架設されて、アンカーボルトの一方の
端部に設けられたアンカー部が係止される連結体と、を
有するアンカーボルト取付用ケーシングを型枠内の所定
位置に固定して、その型枠内にコンクリートを打設する
工程と、打設されたコンクリートが硬化した後に、アン
カーボルト取付用ケーシングの開口部上方にボルト孔を
対向させてコンクリート上にタンクなどの機器を据え付
ける工程と、アンカーボルトの一方の端部に設けられた
アンカー部をアンカーボルト取付用ケーシングの連結体
に係止するとともに、アンカーボルトの他方の端部に設
けられたネジ部を機器のボルト孔に挿入して、ネジ部に
ナットを締結する工程と、アンカーボルト取付用ケーシ
ングのケース本体内にグラウトを注入する工程と、を包
含することを特徴とするものである。
【0023】
【作用】アンカーボルト取付用ケーシングは、型枠内の
所定位置に固定されて、その型枠内にコンクリートが打
設される。打設されたコンクリートが硬化すると、ケー
ス本体の抵抗部がコンクリートからの引き抜き力に対す
る抵抗になって、ケース本体はコンクリートからは容易
には引き抜かれない。
【0024】その後、タンクなどの機器のボルト孔がア
ンカーボルト取付用ケーシングの開口部に対向するよう
に、機器がコンクリート上に据え付けられる。次いで、
アンカーボルトの一方の端部に設けられたアンカー部が
アンカーボルト取付用ケーシングの連結体に係止される
とともに、アンカーボルトの他方の端部に設けられたネ
ジ部が機器のボルト孔に挿入され、アンカーボルトのネ
ジ部にナットが締結される。この後、ケース本体内にそ
の開口部からグラウトが注入されて、アンカーボルトは
埋め込まれる。
【0025】この結果、アンカーボルトは、コンクリー
ト内に埋め込まれているアンカーボルト取付用ケーシン
グの連結体に係止された状態で、硬化したグラウト内に
埋設されているために、水平方向にも上下方向にも動か
ないように固定され、タンクなどの機器を強固に固定す
ることができる。また、コンクリート内に埋め込まれて
いるアンカーボルト取付用ケーシングのケース本体が抵
抗部を有するために、タンクなどの機器に、横風や地震
などによって機器を横転させようとする力が加わり、ア
ンカーボルトに引き抜き力が作用したとしても、アンカ
ーボルトだけが、あるいはアンカーボルトともにグラウ
トがコンクリートから抜け出すことを防止することがで
きる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0027】図1は、本発明のアンカーボル取付方法に
よって据え付けられたタンクの一例を示す断面図であ
る。このタンク10は、地表を掘削して形成された凹部
31内に設けられている基礎20上に据え付けられてい
る。基礎20は、凹部31の底面上に敷き詰められた割
栗石21と、この割栗石21上に打設された捨てコンク
リート22と、捨てコンクリート22上に設けられ内部
に鉄筋24が設けられたコンクリート23とを有してい
る。基礎20の周囲の凹部31内には、埋め戻し土32
が充填されている。
【0028】コンクリート23は、例えば、直方体状に
形成されており、その上面は平坦になっている。そし
て、据え付けられるタンク10の各脚部11に対応した
コンクリート23の各隅部には、アンカーボルト取付用
ケーシング40がそれぞれ埋め込まれている。各アンカ
ーボルト取付用ケーシング40内にはグラウト25が充
填されており、グラウト25内にアンカーボルト50が
それぞれ埋め込まれている。
【0029】各アンカーボルト50の下端部にはL型、
J型などのアンカー部51が設けられており、このアン
カー部の上端がアンカーボルト取付用ケーシング本体の
内部に架設された連結体42の下端に接している。各ア
ンカーボルト50の上端部のネジ部52は、コンクリー
ト23の上面から上方に突出しており、タンク10の各
支持脚11の下端部に設けられたボルト孔を挿通してお
り、ナット53がそのネジ部に螺合されて締めつけられ
ることによって各支持脚11がコンクリート面上に固定
されている。
【0030】アンカーボルト取付用ケーシング40は、
図2に示すように、鋼板によって直方体状に構成された
中空のケース本体41と、ケース本体41を水平状態で
貫通する4本の連結体42とを有している。ケース本体
41は、底面部41a、長手方向に沿って延びる相互に
対向した各側面部41bおよび幅方向に沿って延びる相
互に対向した各端面部41cを有しており、底面部41
aに対向した上面が開放されて開口部になっている。
【0031】4本の連結体42は、それぞれが例えば丸
棒によって構成されており、1本の連結体42がケース
本体41の各端面部41cにおけるほぼ中心部間に架け
渡されて、その連結体42の両端部が各端面部41cか
らケース本体41の側方に延出した状態になっている。
また、他の3本の連結体42は、ケース本体41におけ
る各側面部41b間に架け渡されて、それぞれの端部が
各側面部41bからケース本体41の側方に延出した状
態になっている。各端面部41cおよび各側面部41b
から延出した連結体42の各端部は、コンクリート23
からの引き抜き力に対する抵抗部となる。
【0032】ケース本体41の各側面部41b間に架け
渡された3本の連結体42は、図1に示すように、各側
面部41bから延出し、各端部が、コンクリート23内
に配置された鉄筋24に針金などによって締結されてい
る。また、ケース本体41の各端面部41c間に架け渡
された1本の連結体42のケース本体41内を挿通する
部分には、ケース本体41内に挿入されたアンカーボル
ト50の一方の端部においてL型あるいはJ型に屈曲さ
れたアンカー部51が係止されている。アンカーボルト
50は、他方の端部に設けられたネジ部52を除いて、
ケース本体41内に充填されたグラウト25内に埋め込
まれている。
【0033】このような構成の基礎20は、次のように
構築される。まず、地盤が掘削されて凹部31が形成さ
れ、形成された凹部31の底面に割栗石21が敷きつめ
られる。割栗石21上には捨てコンクリート22が打設
されて、捨てコンクリート22の上面が平坦に均され
る。
【0034】次に、捨てコンクリート22上に鉄筋24
が所定の形状に組み立てられ、その後に、図3および図
4に示すように、捨てコンクリート22上に型枠33が
組み立てられる。型枠33の内面には、コンクリートの
打設レベルを示す線が墨打ちされるとともに、据え付け
られるタンク10の各支持脚11に設けられたボルト孔
に対応した型枠33内の各隅部近傍に、アンカーボルト
取付用ケーシング40がそれぞれ配置される。各アンカ
ーボルト取付用ケーシング40は、ケース本体41の各
側面部41bから延出した連結体42の各端部を、鉄筋
24に針金などによって締結することにより固定され
る。この場合、ケース本体41は、上端面がコンクリー
トの打設レベルよりも上方に位置するように配置されて
いる。
【0035】このような状態になった後、型枠33内に
コンクリート23が、墨打ちされた所定のレベルにまで
打設される。この場合、アンカーボルト取付用ケーシン
グ40のケース本体41の上端面は、コンクリート23
の打設レベルよりも上方に位置しているために、ケース
本体41内にコンクリート23が入り込むおそれがな
い。コンクリート23が所定のレベルにまで打設される
と、コンクリート23の上面が水平状態になるように均
される。その後、打設されたコンクリート23が硬化す
ると、打設されたコンクリート23の上面から突出した
アンカーボルト取付用ケーシング40のケース本体41
上端部が、ガス切断、サンダー、グラインダーなどで切
断されて取り除かれる。
【0036】このような状態になると、タンク10の各
支持脚11が、アンカーボルト取付用ケーシング40の
ケース本体41の開口部上方とコンクリート23の上面
との間にわたって据え付けられる。各支持脚11の下端
部に設けられたボルト孔は、ケース本体41の上端面の
開口部上方に位置される。この場合、アンカーボルト取
付用ケーシング40のケース本体41の開口部がコンク
リート23の上面のレベルに等しくなっているために、
タンク10は、各支持脚11下端面がコンクリート23
の上面に載置されるだけでよく、コンクリート23の上
面よりも高く引き上げられる必要性はない。
【0037】タンク10の各支持脚11がアンカーボル
ト取付用ケーシング40とコンクリート23との間にわ
たって据え付けられると、アンカーボルト取付用ケーシ
ング40のケース本体41内にアンカーボルト50がア
ンカー部51側から挿入されて、そのアンカー部51と
は反対側のネジ部52が、タンク10の各支持脚11に
設けられたボルト孔に挿入されるとともに、アンカー部
51がケース本体41の各端面部41c間に架設された
連結体42に係止される。このような状態になると、タ
ンク10の支持脚11から突出したアンカーボルト50
の先端部にナットがねじ込まれて、緩みがなくなるまで
締め付けられる。
【0038】その後、アンカーボルト取付用ケーシング
40のケース本体41内にグラウト25が注入されて充
填される。そして、グラウト25が硬化することによ
り、アンカーボルト50が水平方向に動かないようにグ
ラウト25内に固定され、こうしてこのアンカーボルト
50が上下方向にも水平方向にも動かないようにされ
て、タンク10の各脚部11は強固に固定される。ま
た、アンカーボルト50の引き抜き力によって上方に引
き上げられようとする時、アンカーボルト50がアンカ
ー部51によって係止された連結体42は「へ」の字状
に変形しようとするがケース本体41内に充填されたグ
ラウトによって、この変形が防止される。
【0039】タンク10の各支持脚11に取り付けられ
たアンカーボルト50は、アンカーボルト取付用ケーシ
ング40のケース本体41内を挿通する連結体42に係
止されており、また、ケース本体41の側方に延出した
各連結体42の各端部は、基礎20のコンクリート23
に埋め込まれて、ケース本体41に作用するコンクリー
ト23からの引き抜き力に対する抵抗部になっているた
めに、タンク10に吹き付けられる横風や地震によっ
て、タンク10を横転させようとする力Pが加わり、ア
ンカーボルト50に引き抜き力F1 が作用しても、アン
カーボルト50だけが、あるいはアンカーボルト50と
ともにグラウト25がコンクリート23から抜け出すお
それがない。たとえ、グラウト25が硬化する際に収縮
し、グラウトとケース本体41の内面との間に隙間がで
きたとしても、グラウト25内に埋め込まれたアンカー
ボルト50のアンカー部51が連結体42に強く係止さ
れた状態になって一体化しているので、横風や地震時の
外力Pによってタンク10が横転するのを防止できる。
また、水平方向の力F2 が加わってもアンカーボルト5
0がグラウト25内に固定されているので動かない。
【0040】図5(a)〜(f)および図6(a)〜
(h)は、アンカーボルト取付用ケーシング40の他の
実施例を示している。図5(a)は、直方体状のケース
本体41の側面部41b間および端面部41c間を水平
状態で貫通する、丸棒によって構成された複数の連結体
42を有している。各連結体42の各端部は、ケース本
体41の各端面から突出して、ケース本体41に作用す
るコンクリート23からの引き抜き力に対する抵抗部に
なっている。
【0041】図5(b)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、直方体状のケース本体41の内部に一
対の鋼板製の連結体42が水平状態で架設されている。
ケース本体41における各側面部41bの上下方向のほ
ぼ中央部には、ケース本体41に作用するコンクリート
23からの引き抜き力に対する抵抗部として、一対の丸
棒43がケース本体41の側方に延出するようにそれぞ
れ設けられている。同様に、各端面部41cの外側面に
も外方へと水平状態で延出した1本の丸棒43が、それ
ぞれ設けられている。各丸棒43の先端部は円弧状に湾
曲している。
【0042】図5(c)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、直方体状のケース本体41の内部に山
形鋼により構成された一対の連結体42が、水平状態で
架設されている。ケース本体41の底面部41aは、各
側面部41bおよび各端面部41cよりも外方に張り出
した状態になっており、その張り出した部分は、コンク
リート23からの引き抜き力に対する抵抗部になってい
る。底面部41aの外方に張り出した部分には、複数の
透孔41dが設けられており、コンクリート23を打設
する際の空気抜き孔になっている。
【0043】図5(d)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、直方体状のケース本体41の内部に、
一対の丸棒製の連結体42が、直交状態で設けられてい
る。ケース本体41の各側面部41bには、上下各一対
の円筒体44が、それぞれ水平状態で外方に延出してい
る。また、各端面部41cのほぼ中央部にも、直径が大
きな1本の円筒体44がそれぞれ外方に延出するように
設けられている。これらの円筒体44は、コンクリート
23に対する引き抜き力に対する抵抗部になっている。
なお、各円筒体44に替えて角筒体、丸棒、角棒などを
設けるようにしてもよい。
【0044】図5(e)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、直方体状のケース本体41における各
側面部41bの内面に一対の取付台41eが溶接によっ
て取り付けられており、対向する取付台41e間に鋼板
製の連結体42がボルトおよびナットによって固定され
ている。ケース本体41の各側面部41bの外面には、
2本の丸棒43が、上下方向に沿うように、それぞれ取
り付けられており、各端部が外側にそれぞれ湾曲されて
いる。また、各端面部41cの外面にも1本の鉄筋が上
下方向に沿うように取り付けられており、各端部が外側
にそれぞれ屈曲されている。底面部41aには、幅方向
に沿って延びる3本の丸棒43が底面部41aよりも各
側方にそれぞれ延出した状態で取り付けられており、各
丸棒43の各端部がそれぞれ下方に湾曲されている。
【0045】図5(f)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、下側になるにつれて断面積が順次小さ
くなった直方体状のケース本体41と、このケース本体
41における各側面部41b間に垂直状態で配置された
一対の鋼板製の連結体42とを有している。各連結体4
2は、アンカーボルトのアンカー部が係止されるよう
に、中央部に透孔42aが設けられている。ケース本体
41の底面部41aには、幅方向に沿って延びる2本の
山形鋼45が底面部41aから側方に延出した状態で取
り付けられている。底面部41aから延出した山形鋼4
5の各端部は、コンクリート23からの引き抜き力に対
する抵抗部になっている。
【0046】図6(a)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、底面部が閉塞された円筒状のケース本
体41と、このケース本体41の周面部41fを直交状
態で貫通する一対の連結体42とを有している。
【0047】図6(b)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、円筒状のケース本体41の底面部41
aが周面部41fとは別体に構成されてビスにて取り付
けられている。ケース本体41の内面には鋼板製の一対
の連結体42が水平状態で架設されている。ケース本体
41の周面部41f外周面には、上下一対の係止リング
46が嵌合され固定されており、各係止リング46は、
コンクリート23からの引き抜き力に対する抵抗部にな
っている。
【0048】図6(c)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、円筒状のケース本体41の外側面部4
1hが内外方向に波うって上下方向に連続した形状にな
っており、この外側面部41hが、コンクリート23か
らの引き抜き力に対する抵抗部になっている。ケース本
体41の内部には、ボルトおよびナットによって構成さ
れた上下一対の連結体42が水平状態で架設されて、ナ
ットによって固定されている。
【0049】図6(d)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、円筒状のケース本体41の外側面部4
1hに、外方に突出する突出部が螺旋状に設けられてい
る。この突出部が、コンクリート23からの引き抜き力
に対する抵抗部になっている。ケース本体41の内部に
は、ボルトによって構成された1本の連結体42が水平
状態で架設されており、ピンによって固定されている。
【0050】図6(e)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、円筒状のケース本体41の底面部41
aが中心側になるにつれて順次下側になるように傾斜し
た円錐形状になっている。したがって、ケース本体41
の外側に投入されるコンクリートは底面部41aに沿っ
て上昇し、ケース本体41の底面部41a下方に空気溜
まりが形成されることを抑制できる。ケース本体41に
は上下一対の連結体42が水平状態で架設されている。
上側の連結体42は、両端部にネジが設けられてケース
本体41の周面部41fを貫通する丸棒と、その丸棒の
各端部のネジ部に螺合する複数のナットとを有してお
り、ナットによって周面部41fに固定されている。下
側の連結体42は、全体にネジが設けられてケース本体
41の周面部41fを貫通する丸棒と、その丸棒のネジ
部に螺合する複数のナットとを有しており、ナットによ
って周面部41fに固定されている。
【0051】図6(f)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、円筒状のケース本体41の底面部41
aが半球状に下方へと突出しており、周面部41fの上
端部に、この周面部41fを外方に折り返して形成され
たフランジを有している。周面部41fには対向する一
対の貫通孔が上下2箇所に設けられており、対向する貫
通孔内に棒状の連結体42の各端部が挿入されて水平状
態で架設されている。底面部41aの外周面には、3本
の山形鋼45が周方向に等しい間隔をあけて水平状態に
外方に延出するように取り付けられている。各山形鋼4
5は、コンクリート23からの引き抜き力に対する抵抗
部になっている。
【0052】図6(g)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、ケース本体41が、下側になるにつれ
て直径が順次大きくなった円錐台状の外側面部41hを
有している。この外側面部41hは、コンクリート23
からの引き抜き力に対する抵抗部になっている。ケース
本体41の内面における対向部分には、内方に突出した
上下方向に延びる一対の突条41gがそれぞれ設けられ
ており、各突条41g間に1本の鋼板製の連結体42が
水平状態で架設されている。
【0053】図6(h)に示すアンカーボルト取付用ケ
ーシング40は、円筒状のケース本体41の底面部41
aに、下方に延出した丸棒43の基端部がボルト止めさ
れている。この丸棒43の下端部は円弧状に湾曲してお
り、コンクリート23内に配置された鉄筋24に係止さ
れるようになっている。ケース本体41の周面部41f
の内部における対向部間には、鋼板製の連結体42が水
平状態で架設されている。この連結体42は、各端部が
屈曲されて、周面部41fの内面にボルトナットによっ
て取り付けられている。
【0054】なお、上述の図1の実施例では、コンクリ
ート23を打設する際に、アンカーボルト取付用ケーシ
ング40のケース本体41内にコンクリートが入り込ま
ないように、ケース本体41の上端部をコンクリート2
3の打設レベルよりも上方に突出させる構成にしたが、
このような構成に限らず、例えば、図7(a)に示すよ
うに、ケース本体41の上端をコンクリート23の打設
レベルよりも下方に配置して、ケース本体41の上端部
に外筒72の下端部を嵌合させるようにしてもよい。外
筒72の上端部はコンクリート23の打設レベルよりも
上方に延出している。外筒72は、ケース本体41にテ
ープ73によって取り付けられている。コンクリート2
3が打設された後には、外筒72は取り除かれる。
【0055】また、図7(b)に示すように、ケース本
体41に、上端部がコンクリート23の打設レベルより
も上方に延出した内筒74を取り付けるようにしてもよ
い。この場合、内筒74がケース本体41内に配置され
た連結体42上に載置されている。内筒74もコンクリ
ート23打設後に取り除かれる。
【0056】図7(c)には、コンクリート23の打設
レベルよりも下方に配置されたケース本体41に、蓋体
71を嵌合させるようにした例が開示されている。蓋体
71の上端部は、コンクリート23の打設レベルよりも
上方に延出している。
【0057】蓋体71は、図7(d)に示すように、下
側になるにつれて順次直径が小さくなるように外周面を
テーパー状に構成して、タンクを固定するアンカーボル
ト50およびナット53によって固定して、ケース本体
41の開口部を覆うようにしてもよい。
【0058】図7の各実施例では、ケース本体41の上
端部を、切断する必要がなく、作業性が向上する。さら
に、グラウトがケース本体41の上端部を覆うので雨水
などが浸入して連結体42などが腐食するのを防止する
ことができる。
【0059】また、このような構成に限らず、例えば、
図8(a)に示すように、ケース本体41の上端レベル
をコンクリート23の打設レベルに等しくなるように配
置し、ケース本体41の開口部を蓋体71によって覆う
ようにしてもよい。蓋体71は、タンクを固定するアン
カーボルト50およびナット53によって固定される。
コンクリート23が打設された後には、ナット53を取
り外して蓋体71は取り除かれる。
【0060】さらに、図8(b)に示すように、コンク
リート23の打設レベルに上端が等しくなるように配置
されたケース本体41の上端部に、下側になるにつれて
直径が順次小さくなったテーパー状の外周面を有する蓋
体71を嵌合させて、その蓋体71上に重り75を乗せ
るようにしてもよい。
【0061】図9は、本発明のアンカーボルト取付方法
を使用して据え付けられた大型のタンク15を示してい
る。本実施例では、このタンク15は、側壁15a、底
面15b、隔壁15cなどを、複数の単位板によって構
成して、各単位板同士を液密状態に連結したものであ
る。タンク15は、基礎20におけるコンクリート23
の並列に配置された支持部23a上に支持されている。
【0062】本実施例では、コンクリート23の支持部
23aの上部に埋設されたアンカーボルト取付用ケーシ
ング40の、円筒状のケース本体41の底面部41aか
ら下方に延出した一対の丸棒43の各基端部がボルト止
めされている。この丸棒43の下端部は円弧状に湾曲し
ており、コンクリート23の支持部23a内に配置され
た鉄筋24に係止されている。また、ケース本体41に
おける周面部41fの下部には、水平状態で外方に延出
する一対の丸棒43が取り付けられている。各丸棒43
の先端部は下方に屈曲されて、各先端部が、コンクリー
ト23の支持部23a内に配置された鉄筋24に係止さ
れている。
【0063】ケース本体41の内部には、丸棒によって
構成された連結体42が架設されており、この連結体4
2に、アンカーボルト50の下端部に設けられたアンカ
ー部51が係止されている。
【0064】ケース本体41内にはグラウト25が充填
されており、アンカーボルト50は、上端部のネジ部5
2を残して、グラウト25内に埋め込まれている。そし
て、このネジ部52が、タンク15の底面15bの下方
に連接された溝型鋼15dのボルト孔を挿通して、ナッ
ト53によって締めつけられている。タンク15の底面
15bの鍔部15fと溝型鋼15dとは、形鋼15gお
よびボルトナット15hを介して連接されている。
【0065】タンク15の隔壁部15cの下方を支持す
るアンカーボルト取付用ケーシング40は、図6(d)
に示すように、円筒状のケース本体41の外側面部41
hに、外方に突出する突出部が螺旋状に設けられてい
る。ケース本体41の内部には、ボルトおよびナットに
よって構成された1本の連結体42が水平状態で架設さ
れてナットによって固定されており、この連結体42
に、アンカーボルト50のアンカー部51が係止され
て、ケース本体41内にグラウト25が充填されてい
る。
【0066】図10は、地下に埋設されたタンク16
を、本発明方法を使用して基礎20上に据え付けた実施
例である。本実施例では、タンク16は軸心が水平状態
になった筒状になっており、上部に地表に達するマンホ
ール16aが設けられている。基礎20のコンクリート
23には、タンク16の各脚部に取り付けられたアンカ
ーボルト50を支持する複数のアンカーボルト取付用ケ
ーシング40が設けられている。
【0067】左方のアンカーボルト取付用ケーシング4
0は、筒状ケース本体41の底面部41aに、下方に延
出した一対の丸棒43の各基端部がボルト止めされてい
る。この丸棒43の下端部は円弧状に湾曲しており、コ
ンクリート23内に配置された鉄筋24に係止されてい
る。また、周面部41fの外周面には、水平状態で外方
に延出する一対の丸棒43が取り付けられている。各丸
棒43の先端部は上方に屈曲されて、各先端部が、コン
クリート23内に配置された鉄筋24に係止されてい
る。
【0068】他方のアンカーボルト取付用ケーシング4
0は、図6(c)に示す実施例とほぼ同様の構成になっ
ている。
【0069】本実施例では、タンク16内に貯蔵される
液体のレベルが低下して、タンク16に加わる地下水や
雨水などによる浮力が増大しても、アンカーボルト取付
用ケーシング40が基礎20のコンクリート23に強固
に係止されており、また、アンカーボルト50も、ケー
ス本体41に強固に係止された連結体42に確実に係止
されているために、タンク16が基礎20から浮き上が
るおそれがない。
【0070】図11には、構造物の鉛直状態になった壁
面上に、本発明のアンカーボルト取付方法を使用して据
え付けられた機器17を示している。本実施例では、壁
面を構成するコンクリート23に、アンカーボルト取付
用ケーシング40が埋め込まれている。上側のアンカー
ボルト取付用ケーシング40は、箱状のケース本体41
の開口部が壁面から露出するように、底面が鉛直状態に
配置されている。
【0071】ケース本体41の上下にそれぞれ配置され
た各側面には、上方および下方に鉛直状態で延出する丸
棒43が設けられており、各丸棒43の先端部が円弧状
に湾曲されて、コンクリート23内の鉄筋24に係止さ
れている。ケース本体41の上側の側面は、ケース本体
41内へのグラウトの注入が容易になるように、開口部
が上方に広がるように傾斜している。また、ケース本体
41の開口部周辺部におけるコンクリート23には、ケ
ース本体41内へのグラウトの注入が容易になるよう
に、窪み部27が形成されている。
【0072】ケース本体41内には、丸棒を使用した連
結体42が水平状態で架設されており、この連結体42
にアンカーボルト50のアンカー部51が係止されてい
る。ケース本体41の開口部は、グラウト25の注入が
できるように上部を除いて、プレート61によって覆わ
れており、アンカーボルト50のネジ部52は、タンク
17の支持脚17aに設けられたプレート61のボルト
孔内に挿入されている。そして、ナット53が螺合さ
れ、締めつけられて、支持脚17aがアンカーボルト5
0に固定されている。
【0073】下側のアンカーボルト取付用ケーシング4
0は、底面部41aが半球状になった円筒状のケース本
体41が軸心を水平状態としてコンクリート23内に埋
め込まれている。ケース本体41の周面部41fには、
上方および下方に延出する鉛直状態になった山形鋼45
がそれぞれ設けられている。ケース本体41内には丸棒
が水平状態に架設されて構成された連結体42が配置さ
れており、この連結体42に、アンカーボルト50のア
ンカー部51が係止されている。アンカーボルト50
は、ネジ部52を残して、グラウト25内に埋め込まれ
ており、ネジ部52がタンク17の支持脚17aに設け
られたプレート61のボルト孔を挿通している。そし
て、ナット53が螺合され、締めつけられて、支持脚1
7aがアンカーボルト50に固定されている。
【0074】本実施例では、タンク17の自重によって
アンカーボルト50に引き抜き力が作用するが、アンカ
ーボルト50およびケース本体41が引き抜かれるおそ
れがない。この発明に係るアンカーボルト取付用ケーシ
ングは、図11に示すように付設されてもよい。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、アンカーボルト取付用
ケーシングを型枠内の所定位置に固定し、型枠内にコン
クリートを打設した後、アンカーボルト取付用ケーシン
グの開口部上方にボルト孔を対向させてコンクリート上
にタンクなどの機器を据え付け、アンカーボルト取付用
ケーシングのケース本体内に架設された連結体にアンカ
ーボルトのアンカー部を係止するとともに、アンカーボ
ルトのネジ部を機器のボルト孔に挿入し、ネジ部にナッ
トを締結してアンカーボルト取付用ケーシングにグラウ
トを注入すればよいために、アンカーボルト取付用ケー
シングをコンクリート内に厳密に配置する必要がなく、
また、グラウトの充填が不十分な場合もほぼ同等の大き
な強度を有し、また、鉄筋を露出させるためのはつり作
業が不要であり、また、タンクなどの機器の据え付け作
業が容易であって、施工作業は著しく容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンカーボルト取付方法を使用して据
え付けられたタンクの一例を示す断面図である。
【図2】アンカーボルト取付用ケーシングの一例を示す
斜視図である。
【図3】本発明のアンカーボルト取付方法の一工程にお
ける一部破断斜視図である。
【図4】図3のA−A線における断面図である。
【図5】(a)〜(f)は、それぞれ、アンカーボルト
取付用ケーシング40の他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図6】(a)〜(h)は、それぞれ、アンカーボルト
取付用ケーシング40の他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図7】(a)〜(d)は、それぞれ、本発明のアンカ
ーボルト取付方法の一実施工程における他の例を示す断
面図である。
【図8】(a)および(b)は、それぞれ、本発明のア
ンカーボルト取付方法の一実施工程におけるさらに他の
例を示す断面図である。
【図9】本発明のアンカーボルト取付方法を使用して据
え付けられたタンクの他の例を示す断面図である。
【図10】本発明のアンカーボルト取付方法を使用して
据え付けられたタンクのさらに他の例を示す断面図であ
る。
【図11】本発明のアンカーボルト取付方法を使用して
壁面上に据え付けられた機器の例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 タンク 11 支持脚 20 基礎 21 割栗石 22 捨てコンクリート 23 コンクリート 24 鉄筋 25 グラウト 40 アンカーボルト取付用ケーシング 41 ケース本体 42 連結体 50 アンカーボルト 51 アンカー部 52 ネジ部 53 ナット

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉塞された底面部に対向して開口部が設
    けられて、その開口部から内部にグラウトが注入される
    中空体であって、コンクリート内に埋め込まれた際に、
    コンクリートからの引き抜き力に対する抵抗となる抵抗
    部を有するケース本体と、ケース本体の内部に架設され
    て、アンカーボルトの一方の端部に設けられたアンカー
    部が係止される連結体と、を有するアンカーボルト取付
    用ケーシングを型枠内の所定位置に固定して、その型枠
    内にコンクリートを打設する工程と、打設されたコンク
    リートが硬化した後に、アンカーボルト取付用ケーシン
    グの開口部上方にボルト孔を対向させてコンクリート上
    にタンクなどの機器を据え付ける工程と、アンカーボル
    トの一方の端部に設けられたアンカー部をアンカーボル
    ト取付用ケーシングの連結体に係止するとともに、アン
    カーボルトの他方の端部に設けられたネジ部を機器のボ
    ルト孔に挿入して、ネジ部にナットを締結する工程と、
    アンカーボルト取付用ケーシングのケース本体内にグラ
    ウトを注入する工程と、を包含することを特徴とするア
    ンカーボルト取付方法。
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