JP3265463B2 - Ti焼結体の製造方法 - Google Patents

Ti焼結体の製造方法

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JP3265463B2 JP07078497A JP7078497A JP3265463B2 JP 3265463 B2 JP3265463 B2 JP 3265463B2 JP 07078497 A JP07078497 A JP 07078497A JP 7078497 A JP7078497 A JP 7078497A JP 3265463 B2 JP3265463 B2 JP 3265463B2
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清隆 加藤
章宏 松本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量、高強度かつ
高耐食性を有するTiの部品製造技術に係わり、Ti粉
末を原料としたTi焼結体の製造方法に関するものであ
り、さらに詳しくは、Ti粉末による成形体を炭素炉で
焼結する際、焼結体の表面に炭化物が生成せず、しかも
室温引張強度及び破断伸びに優れたTi焼結体を得るこ
とを可能とするTi焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Tiは軽量、高強度かつ高耐食性の優れ
た特性を有するため、宇宙・航空機器分野、輸送機器分
野、化学プラント分野等において鉄系材料に代わる適用
が期待されている。また、生体適合性に優れるため、医
療分野及び時計をはじめとする装飾品分野への利用も進
んでいる。このTiの部品製造方法は従来は溶解鋳造法
が主であったが、高温では活性が高く技術的に困難が点
が多い。また、Tiは難加工性材料であるため、機械加
工による部品製造も困難が伴う。
【0003】このTiの活性の高さ及び難加工性を克服
するため、粉末冶金法によるTiの成形技術の研究開発
が進められている。粉末冶金法の利点としては、Tiの
融点以下の温度で焼結させるためハンドリングが容易で
あること、成形後の後加工の少ないいわゆるニアネット
シェイプ成形が可能であること、及び結晶粒が微細であ
るため機械的性質が優れること、が挙げられる。粉末冶
金法の中で、特に複雑形状部品の量産技術として近年注
目されているのは金属粉末射出成形法である。この成形
法は原料となる金属粉末にワックスや熱可塑性樹脂等の
有機バインダ−を30〜50%(体積比)程度添加し
て、コンパウンドを作製し、射出成形機において、目的
の形状を有する金型へ高速・高圧で射出して、成形体
(グリ−ン体)を得る。この成形体に含まれる有機バイ
ンダ−を何らかの方法で大部分除去した後、高温で焼結
することにより、目的とする焼結体を得るものである。
【0004】粉末冶金法により良好な機械的特性をもつ
Ti焼結体を得るためには、Ti中に含まれる酸素量を
抑制することが必要である。酸素含有量が多くなると
(0.4wt%以上)室温での延性が低下するいわゆる
脆化現象を示すようになる。特に、Tiは高温になるほ
ど活性が高くなり、たとえ真空中でも、微量に存在する
酸素をピックアップする傾向が高くなるため、高温焼結
になるほど、焼結時の雰囲気を厳密に制御することが望
まれる。そこで、この問題を解決する方法として、焼結
用の容器内に酸素を優先的にピックアップするゲッタ−
金属を入れて焼結する方法が開示されている(特開平6
−330105号公報)。
【0005】また、Ti粉末を焼結する際使用する炉の
材質にも注意が必要である。真空炉や雰囲気炉としてよ
く用いられている炭素炉を使うと、焼結体表面が炭素と
反応して炭化物を生成する可能性があるため、Tiの焼
結には発熱体及び炉体としてはモリブデンやタングステ
ン等の金属材料がよく使われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は炭素を炉体及
び発熱体とする真空焼結炉において、Tiを焼結する
際、炉体と発熱体からの炭素の侵入を極力防止して、焼
結体表面の炭化物の生成がなく、しかも機械的特性に優
れたTi焼結体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における焼結方法
は、平均粒径15μm以下の微細なTi粉末による成形
体をセラミックス粉末に埋めて、これを緻密な容器に挿
入し、この容器をさらに大きい緻密な容器に挿入する。
また2つの容器の空隙にセラミックス粉末を充填する。
この二重容器を炭素炉に挿入し、1×10-4Torr以
下の真空中で加熱して、1050℃以下の温度で焼結す
るものである。また、本発明は、セラミックス粉末がア
ルミナ(Al2 3 )であり、緻密な容器がアルミナ容
器である上記のTi焼結体の製造方法を望ましい実施の
態様とするものである。
【0008】
【作用】上記の発明において、緻密な焼結用容器、その
間のセラミックス粉末及び成形体を覆っているセラミッ
クス粉末によって発熱体及び炉体からの炭素の混入を防
止する効果が期待できる。また、成形体を覆うセラミッ
クス粉末は、こればかりではなく、成形体周囲の熱分布
を均等にして、変形の少ない焼結体を得る効果も期待さ
れる。
【0009】成形体を埋めるのに用いるセラミックス粉
末及び容器間の隙間を覆うセラミックス粉末とも細かい
ほど炭素の遮断効果は大きいが、あまり微細になると成
形体に侵入する可能性があるため、10〜50μmの範
囲とすることが望ましい。粉末の材質は高温でも安定で
あり、しかも安価で入手しやすい酸化物系のアルミナ
(Al2 3 )がよい。その他、ジルコニア(Zr
2 )、イットリア(Y2 3 )などが例示される。焼
結用の容器は緻密で耐熱性のあるものがよい。当該容器
の材料としては、例えば、アルミナ等のセラミックス材
料、あるいはモリブデン、タングステン等の高融点金属
材料などが好適なものとして例示される。焼結温度を1
050℃以下としたのは、高温焼結による焼結体の結晶
粒の粗大化を防止するとともにTiと雰囲気ガスとの反
応をできるだけ避けるためである。1050℃を上回る
と炉体付着物等からの分解ガス、あるいは微量に存在す
る酸素などによる汚染を受けやすくなる。原料となるT
i粉末は焼結温度が1050℃以下と低いため、焼結後
の密度向上を考慮にいれ、平均粒径15μm以下とし
た。好ましくは平均粒径10μm以下が望ましい。しか
し、あまり微細になると、粉末の比表面積の増大による
酸素量の増加及び必要とする有機バインダー量の増加が
懸念される。15μmを上回ると1050℃以下の焼結
温度では十分に緻密化しなくなる。Ti粉末の酸素量は
0.25wt%以下が望ましい。Ti粉末原料として
は、ガスアトマイズ粉末、水素化脱水素(HDH)粉末
等、特に製造法を選ばない。上記微細なTi粉末による
成形体は、例えば、射出成形によりグリーン体を作製す
る方法、あるいはCIP法(冷間等方圧成形法)、乾式
プレス法などにより作製する。有機バインダーとして、
ワックス系、熱可塑性樹脂系、あるいはこれらの混合
系、水系など成形法に適したものを適宜使用することが
できる。また、Ti粉末を成形するのに使用する有機系
バインダ−が焼結時に多量に存在すると、焼結後、内部
に炭化物を形成するため、焼結前に十分脱脂しておくこ
とが必要である。上記有機バインダーは、例えば、上記
成形体を100 Torr台の真空中でArガスを流しな
がら、380℃まで加熱して、脱脂、除去する。成形体
をセラミックス粉末の中に埋め、これを緻密な容器に挿
入し、この容器をさらに大きい緻密な容器に挿入し、ま
た、2つの当該容器の空隙にセラミックス粉末を充填
し、この二重容器(図1)を炭素炉に挿入するが、その
工程及び当該二重容器の形態、セラミックス粉末の量等
は、特に限定されるものではない。焼結方法としては、
1×10-4Torr以下、望ましくは5×10-5Tor
r以下の真空中、1050℃以下、望ましくは1025
〜950℃の温度で1〜2時間加熱する方法が採用され
る。
【0010】
【実施例】次に、この発明を実施例にもとずいて具体的
に説明する。 (実施例)平均粒径13μmのTi粉末(32μm以
下、酸素量0.15wt%)にワックスと熱可塑性樹脂
より構成される有機バインダ−を9.67wt%添加し
て、引張試験片形状(110mm×7.5mm×4m
m)に射出成形して、グリ−ン体を作製した。このグリ
−ン体を100 Torr台の真空中で380℃まで加熱
して脱脂して、有機バインダ−の90%を除去した後、
本発明の図1に示す焼結方法においてセラミックス粉
末、容器ともにアルミナ(Al2 3 )を使用し、上記
試料3を平均粒径30μmのアルミナ粉末2の中に埋
め、これをアルミナ容器1に挿入し、この容器をさらに
大きいアルミナ容器1に挿入し、また2つの当該アルミ
ナ容器の空隙にアルミナ粉末2を充填し、この二重容器
を炭素炉に挿入し、10-5Torr台の真空中1025
℃で2時間焼結した。得られた焼結体の評価として、酸
素の定量分析及び表面の炭化物の分析、水アルキメデス
法による密度の測定、室温での引張強度試験、を行っ
た。
【0011】(比較例1)実施例と同じ粉末及び成形方
法において試料を作製し、10-5Torr台の真空中1
100℃で2時間焼結した。
【0012】(比較例2)平均粒径23μmのTi粉末
(45μm以下、酸素量0.12wt%)に実施例1と
同じ有機バインダ−を9.42wt%添加して、実施例
と同じ方法で成形体を作製し、図1に示す焼結方法にお
いて、10-5Torr台の真空中1025℃で2時間焼
結した。
【0013】(比較例3)比較例2と同じ粉末及び成形
方法で成形体を作製し、緻密なアルミナ容器にアルミナ
粉末を薄く敷き(図2)、成形体をその上において、1
-5Torr台の真空中1025℃で2時間焼結した。
【0014】(比較例4)比較例2と同じ粉末及び成形
方法で成形体を作製し、緻密なアルミナ粉末中に成形体
を埋めて、緻密なアルミナ容器に入れて(図3)、10
-5Torr台の真空中1025℃で2時間焼結した。
【0015】これらの実施例、比較例によるTi焼結体
の諸特性を表1に示した。
【0016】
【表1】
【0017】表1の結果から、本発明の焼結方法により
焼結したTi焼結体(実施例)、及び比較例1、比較例
2は、X線回折法(XRD)による観察の結果、表面の
炭化物は観察されなかったが、アルミナ粉末に埋めずに
焼結した比較例3の焼結体は表面に炭化物(TiC)が
顕著に観察された。また、比較例4による焼結体におい
ても炭化物が若干生成している。実施例の焼結体は酸素
量が少ないが、実施例より高い温度で焼結した比較例1
の焼結体は酸素量が増加し、破断伸びが低下している。
実施例より粒径の大きいTi原料粉末を使用した比較例
2の焼結体は相対密度が低く、引張最大強度が低い。実
施例によるTi焼結体は、酸素量の増加が少なく、相対
密度は焼結体の表面から内部に入る貫通気孔が消失する
のに十分な値(94%以上)を示し、破断伸び、強度と
も良好な値が得られている。また、アルミナ粉末に埋め
ずに焼結した比較例3はアーチ状のそりが観察された
が、実施例による焼結体はそりなどの変形はほとんど観
察されなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明を用いることにより、金属粉末射
出成形法などにより作製されたTi成形体を炭素炉で焼
結する際、焼結体の表面に炭化物が生成せず、しかも室
温引張強度及び破断伸びに優れたTi焼結体を得ること
が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す焼結方法の概略図であ
る。
【図2】比較例3の焼結方法の概略図である。
【図3】比較例4の焼結方法の概略図である。
【図4】実施例、比較例3及び比較例4の焼結体表面の
X線回折曲線である。
【符号の説明】
1.焼結用アルミナ容器 2.焼結用アルミナ粉末 3.焼結すべき試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−21704(JP,A) 特開 平2−54735(JP,A) 特開 平6−330105(JP,A) 特開 平3−267306(JP,A) 実開 昭57−138942(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ti粉末による成形体を炭素炉で焼結す
    る際に、焼結体の表面に炭化物が生成せず、しかも室温
    引張強度及び破断伸びに優れた緻密なTi焼結体を製造
    する方法であって、平均粒径15μm以下の微細なTi
    粉末による成形体をアルミナ、ジルコニア又はイットリ
    アから選ばれる平均粒径10〜50μmのセラミックス
    粉末の中に埋め、これを緻密な容器に挿入し、この容器
    をさらに大きい緻密な容器に挿入し、また2つの当該容
    器の空隙にセラミックス粉末を充填し、この二重容器を
    炭素炉に挿入し、1×10-4Torr以下の真空中、1
    050℃以下の温度で焼結することを特徴とするTi焼
    結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 セラミックス粉末がアルミナ(Al2
    3 )であり、緻密な容器がアルミナ容器である請求項1
    記載のTi焼結体の製造方法。
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JP2003022744A (ja) * 2001-07-06 2003-01-24 Sony Corp 非蒸発型ゲッター、表示装置およびこれらの製造方法
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JP2022177440A (ja) * 2021-05-18 2022-12-01 セイコーエプソン株式会社 射出成形用組成物、射出成形体の製造方法およびチタン焼結体の製造方法

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